JP4055612B2 - 近接センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属体の接近を検出してオン信号を出力したり、金属体との間の距離を検出するなどの用途に使用される近接センサに関する。特にこの発明は、検出結果を示す信号を出力するための回路が、検出用コイルとは異なるケース体内に収容されるアンプ分離型の近接センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に近接センサは、LC共振回路を具備する高周波発振回路を検出部として、この発振回路の発振振幅を検出するための検波回路,検波回路からの出力を用いて検出結果を示す信号を生成する処理回路,前記検出結果を示す信号を出力するための出力回路などを具備する。特に検出結果として、金属体までの距離を示す信号を出力するタイプのセンサは、上記処理回路や出力回路の機能が増えて回路規模が大きくなるため、少なくとも検波回路より後の回路を検出用コイルとは異なるケース体内に配備したアンプ分離型のセンサとして構成されることが多い。
【0003】
図4は、従来のアンプ分離型の近接センサの一例を示す。図示例の近接センサは、ヘッド部101Aに検出用コイル201のほか、発振回路などを含む初段回路部202を配備する一方、アンプ部102Aに、前記検波回路,処理回路,出力回路などの回路(図中、主回路部203としてまとめて示す。)を配備し、ヘッド部101Aとアンプ部102Aとをケーブルにより接続して成る。
【0004】
上記構成において、検出用コイル201とともに共振回路を構成するコンデンサは、初段回路部202の発振回路に含まれる。発振回路は、所定の周波数で発振するように、検出用コイルの定数に応じて前記コンデンサや抵抗などの定数が調整されている。
【0005】
また初段回路部202には、検出対象物までの距離と発振振幅との関係が比例関係になるように補正するためのパラメータなどを記憶させたメモリが含まれる。主回路部203は、このメモリ内の情報に基づき発振回路の発振振幅を補正して出力するほか、この出力値を所定のしきい値と比較して、対象物の有無を示すディジタル信号を出力する。
【0006】
図5は、アンプ分離型の近接センサの他の構成を示す。この近接センサは、検出コイル201のみが配備されたヘッド部101Bと、初段回路部202および主回路部203が配備されたアンプ部102Bとを、ケーブルにより接続して成る。この場合の初段回路部202も、検出用コイル201の種類毎に応じて定数が設定された発振回路とメモリとを具備しているので、主回路部203は、メモリ内の情報に基づき、検出対象物までの距離に比例した電圧信号を出力することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図4の構成の近接センサでは、検出用コイル201とその特性に応じて設定された初段回路部202とをヘッド部101Aに収容するので、検出用コイル201の種類に関わらず、アンプ部102Aの型式を同一にすることができる。よって製造元での管理が容易になり、またユーザー側でも、コストを削減することができる。
【0008】
しかしながら、初段回路部202までヘッド部101Aに含めるとヘッド部101Aが大型化するので、ユーザー側が意図する場所(たとえばロボットのハンド部)に設置できなくなる場合がある。またヘッド部101Aにはメモリという電子部品も配備されるので、ヘッド部101Aを高温環境下に設置するのが困難であり、耐環境性が低くなる、という欠点がある。
【0009】
一方、図5の構成によれば、ヘッド部101Bには検出用コイル201が収容されるだけであるので、ヘッド部101Bを小型化して容易に設置することができる。ただし、ヘッド部101B側の検出用コイル201とアンプ部102B側の初段回路部202とを検出用コイル201の種類や特性に応じて対応づけなければならないので、ヘッド部101Bの型式毎にアンプ部102Bを用意する必要がある。このため、ヘッド部101Bに故障が生じて別の型式のものに取り替えると、アンプ部102Bも取り替えなければならなくなり、ユーザー側のコスト負担が増大する。またメーカー側でも、ヘッド部101Bとアンプ部102Bとを一対一で管理しなければならないため、負担が大きくなり、さらに製作面での効率も悪くなるなどの問題が生じる。
【0010】
また図5のように、検出用コイル201と初段回路部202との間にケーブルが設けられる場合には、このケーブルの持つ静電容量も共振回路のコンデンサの一部として機能するようになる。したがってケーブルの長さを変えると、発振周波数も変動するので、ヘッド部101Bとアンプ部102Bとの間のケーブル長は固定するのが望ましい。またヘッド部101Bとアンプ102Bとの間の温度勾配やノイズの影響を小さくするためには、ケーブルを出来るだけ短くするのが望ましい。しかしながらこの種のセンサを設置する環境は種々に異なり、ケーブルを短い長さに固定してしまうと、アンプ部102Bを設置するのが困難になる場合がある。
【0011】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、ヘッド部を小型化かつ耐環境性の高いものにするとともに、検出用コイルの種類が変わっても、同じ型式のアンプ部を使用できるようにすることを目的とする。
【0012】
またこの発明は、発振回路の動作に影響を及ぼす虞がなく、かつアンプ部を種々の設置条件に応じた場所に設置可能とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる近接センサは、検出用コイルが収容されたヘッド部と、発振回路を有するプリアンプ部と、処理回路を有するアンプ部と、ヘッド部とプリアンプ部とを接続する第1のケーブルと、プリアンプ部とアンプ部とを接続する第2のケーブルとを備える。プリアンプ部の発振回路は、第1のケーブルを介して前記ヘッド部の検出用コイルと接続されて、検出用コイルを、発振の持続と停止、発振振幅、または発振周波数に影響を与える共振回路要素として、発振するものである。
プリアンプ部は、発振回路の発振状態を示す信号を第2のケーブルを介して前記アンプ部へと出力する。さらにプリアンプ部には、検出用コイルと発振回路の組み合わせに対応する情報が格納されたメモリが配備されるとともに、このメモリが前記第2のケーブルを介してアンプ部の処理回路に接続されており、アンプ部の処理回路は、発振回路の発振状態を示す信号を第2のケーブルを介して取り込んで、この取り込んだ信号と前記メモリ内の情報とを用いて、物体の有無もしくは物体との間の距離を検出する。
【0014】
上記構成において、プリアンプ部の発振回路には、前記検出用コイルと共振回路を構成するコンデンサを含むことができる。このコンデンサは、検出用コイルとともにヘッド部側に設けることも可能であるが、ヘッド部を小型化するためには、プリアンプ部側に配備するのが望ましい。
【0015】
この発明の一態様にかかる近接センサでは、プリアンプ部には検波回路が設けられており、この検波回路により前記発振回路の出力を検波した信号が前記第2のケーブルを介して前記アンプ部の処理回路に入力される。
なお、上記の検波回路を介した信号を含め、プリアンプ部から出力される発振回路の発振状態を示す信号は、ディジタル信号に変換したものとしてもよい。
【0016】
上記各構成の近接センサによれば、アンプ部において、プリアンプ部からの出力を取り込み、その発振振幅または発振周波数の変化に応じて金属体の有無を検出することができる。
また各構成の近接センサでは、いずれもヘッド部とアンプ部との間に設けられるプリアンプ部内に、検出用コイルの種類によって設定を変更する必要のある発振回路を収容することができるから、どの検出用コイルに対しても、同じ型式のアンプ部で対応することが可能となる。またヘッド部には、検出用コイルのみを収容することができるので、ヘッド部を小型化でき、また耐環境性を高くでき、ヘッド部についての種々の設置条件に柔軟に対応することが可能となる。
【0017】
なお、プリアンプ部の大きさは、発振回路およびメモリ、あるいはそれに加えて、検波回路を収容できる程度であれば良いので、プリアンプ部が大型になることはない。たとえば接続用ケーブルの長さ方向に沿って延びる長手形状のケース体をプリアンプ部の本体とすれば、プリアンプ部の設置のために広い場所を確保する必要がなく、接続用ケーブルと同様の設置環境にも容易に対応することができる。
【0018】
この発明の近接センサによれば、メモリ内の情報に基づき、アンプ部に、検出用コイルや発振回路の特性に応じた検出処理を行わせることが可能となる。
【0019】
この発明の好適な態様では、前記アンプ部の処理回路は、発振回路の発振状態を示す信号を距離を示す信号に変換する処理を実行する。また前記プリアンプ部内に配備されるメモリには、前記変換処理を行うのに必要なパラメータが格納される。
【0020】
メモリに格納されるパラメータとして、たとえば検出結果としての距離と発振振幅との関係を比例関係にするための補正用パラメータを設定することができる。この場合、発振振幅毎に補正用のパラメータを対応づけた補正テーブルを設定することができ、さらに検出対象の金属の種類などに応じて複数とおりの補正テーブルを設定することもできる。また非磁性体の金属体を検出対象とする場合には、発振振幅に代えて、発振周波数に補正用のパラメータを対応づけた補正テーブルを設定することもできる。
【0021】
アンプ部は、前記した検波回路や処理回路を含むものとすることができる。なお、処理回路は、好ましくは、マイクロプロセッサを主要素として構成されるが、これに限らず、たとえばASIC(特定用途向けIC)を用いて構成してもよい。
上記の態様によれば、アンプ部の処理回路は、発振回路の発振状態を示す信号とメモリ内のパラメータとに基づき、検出距離に比例する信号を出力することが可能となり、種々の制御用の入力手段に適した近接センサを提供することができる。
【0022】
さらに好ましい態様の近接センサでは、前記メモリには、前記発振回路の基準の発振状態を示す情報が書き込まれており、前記処理回路には、前記発振回路の発振状態とメモリ内の基準の発振状態とを照合して発振回路の動作異常を検出する異常検出手段が設けられる。なお、前記発振回路の基準の発振状態は、検出対象の金属体がない状態(距離が∞のとき)での発振振幅または発振周波数により表されるもので、あらかじめ製造元において書き込んでおくのが望ましい。
この態様によれば、経時変化により検出用コイルが劣化するなどして発振回路に動作不良が生じた場合にも、その不良を速やかに検出することができる。
【0023】
なお、上記態様の近接センサでは、異常検出手段により検出された異常をユーザーに知らせるために、アンプ部またはプリアンプ部に、ランプや表示器のような報知手段を設けるとよい。このようにすれば、ユーザーは、適宜、検出対象の金属体がない状態下で動作を確認することができ、ヘッド部やプリアンプ部の取替時期を簡単に判断することができる。
【0024】
さらに他の好ましい態様では、前記メモリは読み書き可能な不揮発性メモリであり、前記処理回路は前記メモリに所定の情報を書き込むことが可能に設定される。
処理回路がメモリに書き込む情報の内容や書込みを行うタイミングは、用途に応じて自由に設定することができる。たとえば、前記検出結果としての距離に応じて「物体あり」を示す信号を出力するために必要なしきい値など、検出処理にかかる諸条件を設定する際に、この設定条件のバックアップデータを前記メモリに書き込むようにすれば、故障などによりアンプ部を取り替えた場合には、メモリのバックアップデータに基づき新しいアンプ部への設定を速やかに行うことができる。
【0025】
また発振状態の異常を検出した場合に、その異常の内容を詳細に判別してメモリ内に書き込むこともできる。このようにすれば、ヘッド部やプリアンプ部が故障した場合に、メモリ内の情報からその故障の内容を容易に認識することができるなど、利便性を高めることができる。
【0026】
さらに、前記プリアンプ部とアンプ部とを接続する第2のケーブルについて、この発明にかかる好ましい態様の近接センサでは、前記プリアンプ部に、第2のケーブルを繋ぐためのコネクタを配備する。また他の好ましい態様の近接センサでは、前記第2のケーブルは、プリアンプ部に取り付けられたケーブルと、アンプ部に取り付けられたケーブルと、これらのケーブルの端部にそれぞれ配備され、互いに接合可能な一対のコネクタとを含む。
【0027】
上記した2つの態様のうちの前者では、プリアンプ部側のコネクタに接続される第2のケーブルの長さを、自由に変更することができる。また後者の態様によれば、プリアンプ部側の接続用ケーブルとアンプ部側の接続用ケーブルとを、コネクタを介して接続することができるほか、これらのケーブルの間に、中継用のケーブルを介装させることもできる。したがって、これらの態様によれば、ヘッド部とプリアンプ部との間のケーブル長を固定して検出出力の精度を維持する一方で、プリアンプ部とアンプ部との間のケーブル長を調整してアンプ部を所望の場所に設置することが可能となる。またアンプ部とプリアンプ部との間のケーブルを短くすることができるので、発振動作へのノイズの影響やアンプ部とプリアンプ部との間の温度勾配を小さくして、安定した検出動作を行わせることができる。
【0028】
なお、ヘッド部とプリアンプ部とを接続する第1のケーブルに含まれる信号線は、中継用のコネクタなどを介さずに、前記検出用コイルや発振回路に直接接続することができる。このような構成によれば、ヘッド部やプリアンプ部をケーブルから取り外すことが困難となるので、両者を一体の部材として提供することができ、管理を簡単に行うことができる。またヘッド部とプリアンプ部との接続ミスを防止することができる。
他方、ヘッド部側やプリアンプ部に対して第1のケーブルを着脱可能にすれば、故障などの際には、その故障箇所のみを取り外して、修理または取替えを行うことが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかる近接センサの外観を示す。この実施例の近接センサは、ヘッド部1とアンプ部3との間にプリアンプ部2を介装させて成る。前記ヘッド部1には検出用コイルL(図3に示す。)が、プリアンプ部2には、高周波を発振させる発振回路21(図3に示す。)などが、それぞれ収容される。なお、図中の4は、プリアンプ部2を支持する支持部材であるが、この支持部材4は必要に応じて使用されるもので、プリアンプ部2の設置や動作になんら影響を及ぼすものではない。
【0030】
ヘッド部1とプリアンプ部2とは、シールドケーブル5により接続される。このシールドケーブル5には、高周波電流を流すための信号線が含まれており、前記検出用コイルLは、この信号線に一体に設けられる。
【0031】
プリアンプ部2とアンプ部3には、それぞれ多芯ケーブル6a,6bが取り付けられる。これらの多芯ケーブル6a,6bには、電源の供給ラインを含む複数の信号線が含まれる。なお、多芯ケーブル6a,6bは、それぞれプリアンプ部2,アンプ部3の本体内部に挿入され、各信号線は内部の配線基板にはんだ付けされる。
また各多芯ケーブル6a,6bの先端にはそれぞれ中継用コネクタ7a,7bが設けられる。プリアンプ部2側のコネクタ7aは雄型、アンプ部3側のコネクタ7bは雌型であり、これらコネクタ7a,7bを接続することによって、プリアンプ部2とアンプ部3とは、各信号線を介して接続された状態になる。
【0032】
なお、この実施例のアンプ部3側の多芯ケーブル6bの長さは、アンプ部3の設置条件に応じて任意に設定することができる。また各多芯ケーブル6a,6bの間に中継用ケーブル(図示せず。)を介装させて、プリアンプ部2とアンプ部3との距離を調整することも可能である。
【0033】
この実施例のアンプ部3は、前記発振回路21の発振振幅を距離を示す電圧信号に変換して出力する(以下、この距離を「検出距離」という。)。さらにこのアンプ部3は、前記検出距離をディジタル表示する機能や、前記検出距離を所定のしきい値と比較して、検出対象物の有無を示す検出信号(以下、「物体有無信号」という。)を出力する機能を具備する。アンプ部3の本体を形成するケース体30の内部には、上記の検出処理や信号出力のための回路が組み込まれる。またこのケース体30の上面には、前記検出距離をディジタル表示するための表示器31,物体有無信号のオン状態を示すための表示灯32,各種設定データを入力するための操作スイッチ33などが配備される。なお、図中の34は、前記上面を保護するためのカバーである。
【0034】
図2(1)(2)は、前記プリアンプ部2を上方および正面から見た状態を示す。この実施例のプリアンプ部2は、樹脂製のケース体25の内部に前記発振回路21の配線基板(図示せず。)などを収容して成る。前記ケース体25は、円筒状のケース本体25aの両端部にそれぞれケーブル挿入部25b,25cが一体に設けられて成る。シールドケーブル5および多芯ケーブル6は、それぞれケーブル挿入部25b,25cからケース体25内に挿入され、その内部の信号線が前記配線基板にはんだ付けされる。
【0035】
前記ケース体25の上面には、表示灯23や設定用のボリュームスイッチ24(以下、「設定スイッチ24」という。)が配備される。これら表示灯23および設定スイッチ24は、後記するようにアンプ部3側のCPU36(図3に示す。)に接続される。表示灯23は、検出状態を確認するためのもので、アンプ部3の物体有無信号がオン状態のときに点灯する。設定スイッチ24は、前記物体有無信号のオン,オフを制御するためのしきい値の設定を行うためのものである。
【0036】
上記構成によれば、プリアンプ部2は、シールドケーブル5と多芯ケーブル6とにそれぞれ一体化され、ケース体25の長手方向はまたこれらケーブル5,6の長さ方向に沿って延びるように形成されているので、広い設置場所を確保する必要がなく、各ケーブル5,6とともにセンサの設置場所の環境に応じて自在に設置することができる。
【0037】
また上記の近接センサでは、ヘッド部1とプリアンプ部2との間のケーブル長は一定である一方、プリアンプ部2とアンプ部3との間のケーブル長は、アンプ部3の設置場所に応じて自由に変更することができるので、発振回路21の動作に影響を及ぼすことなく、設置条件に柔軟に対応することができる。
【0038】
なお、この実施例では、ヘッド部1内の検出用コイルLとシールドケーブル5内の信号線とを一体にするとともに、前記信号線をプリアンプ部2内の配線基板にはんだ付けすることによって、シールドケーブル5を容易に取り外しできないようにしている。しかしながらこれに代えて、ヘッド部1,プリアンプ部2にそれぞれ接続用コネクタを設けて、シールドケーブル5を着脱可能に接続してもよい。また多芯ケーブルについても、プリアンプ部2,アンプ部3に所定長さの多芯ケーブル6a,6bを固定配備する方法に代えて、各部にそれぞれ多芯ケーブル6a,6b用の接続用コネクタを設け、これらのコネクタに任意長さの多芯ケーブルを接続するようにしてもよい。
【0039】
図3は、前記近接センサの全体の回路構成を示す。
前記アンプ部3には、前記発振回路21の発振振幅を検出するための検波回路34,この検波回路34からの出力をディジタル変換するためのA/D変換回路35のほか、処理回路としてのCPU36,EEPROM37,出力回路38などが配備される。またこのアンプ部3には、電源回路39が配備される。この電源回路39は、外部から直流電源の供給を受けて、センサ内の各回路の駆動用電源を生成するためのものである。
【0040】
前記CPU36には、A/D変換回路35,出力回路38のほか、前記した表示器31,表示灯32,操作スイッチ33などの入出力部が接続される。前記EEPROM37には、前記CPU36の動作に必要なプログラムや、前記物体有無信号をオン,オフ設定するためのしきい値などが格納されるほか、前記操作スイッチ33やプリアンプ部2からCPU36に入力されたデータが、適宜、格納される。
【0041】
前記プリアンプ部2には、前記発振回路21のほかにEEPROM22が配備される。このEEPROM22には、発振回路21の発振振幅と検出距離との関係を比例関係に補正するための補正用テーブルが格納される。この補正用テーブルは、検出用コイルLや発振回路21の定数に応じて設定されたものであり、また検出対象物の種類に応じて複数の補正用テーブルが設定される。
前記EEPROM22,および前記ケース本体25aの上面に配備された表示灯23ならびに設定スイッチ24は、いずれもアンプ部3のCPU36に接続される。
【0042】
上記構成において、プリアンプの発振回路21の発振動作により検出用コイルLに高周波電流が流れると、検出用コイルLから誘起された磁力線によって金属体の検出エリアが設定される。この状態下において、検出エリアに金属体が入ると、アンプ部3側のCPU36は、前記検波回路34およびA/D変換回路35による検出状態での発振振幅を取り込み、この振幅値を前記プリアンプ部2側のEEPROM22に格納された補正用テーブルに基づき補正して、検出距離として出力するレベル値を特定する。この検出距離は、出力回路38を介して電圧として出力されるほか、前記表示器31にディジタル表示される。
【0043】
またCPU36は、前記検出距離をアンプ部3側のEEPROM37に設定されたしきい値と比較し、検出距離がこのしきい値以下であれば、物体有無信号をオンに設定する。またCPU36は、この物体有無信号がオン状態のときに、自装置の表示灯32やプリアンプ部2側の表示灯23を点灯して、検出エリアに物体がある旨を報知する。
【0044】
なお前記物体有無信号を制御するためのしきい値として、アンプ部3側のEEPROM37には、製造元で設定されたデフォルトのしきい値を格納することができる。ただし、CPU36は、適宜、アンプ部3側の操作スイッチ33またはプリアンプ部2側の設定スイッチ24の操作に応じて、前記しきい値を変更することができる。
【0045】
またプリアンプ部2には、物体有無信号のオン状態を示す表示灯23が設けられているので、特にアンプ部3が遠方に設置される場合には、ヘッド部1を設置する際に、近傍位置のプリアンプ部2上の表示灯23により検出動作を確認しながら作業を行うことが可能となり、利便性が大幅に向上する。また物体有無信号の出力のためのしきい値を設定する場合にも、ヘッド部1と検出対象物との位置関係や前記表示灯23の点灯状態を確認しながら設定スイッチ24による調整を行うことができるので、検出目的に応じた設定を簡単かつ正確に行うことができる。
【0046】
さらに上記実施例の近接センサでは、前記プリアンプ部2のEEPROM22を利用して、CPU36につぎのような機能を設定することができる。
【0047】
(1)あらかじめ製造元などで、プリアンプ部2のEEPROM22に、基準の発振振幅として、検出対象物がない状態での発振回路21の発振振幅を格納しておく。またアンプ部3には、検出対象物が存在しない状態での発振振幅の適否をチェックする検査モードを用意する。この検査モードでは、たとえばCPU36は、実際の発振振幅を前記EEPROM22に保存された基準の発振振幅と比較し、両者の差が所定値を越えた場合に、表示器31にエラーコードを表示するなどの処理を実行する。
このようにすれば、検出用コイルLの劣化などによる検出精度の低下を適宜チェックすることができるから、ヘッド部1やプリアンプ部2の取替時期を容易に判断することができる。
【0048】
(2)アンプ部3側のEEPROM37に設定用のデータを格納する際に、同じデータをプリアンプ部2のEEPROM22にも格納する。このようにすれば、アンプ部3を故障などにより取り替えた場合には、新たなアンプ部3のCPU36は、EEPROM22に格納されたデータを読み出して自装置のEEPROM37に設定することができる。よってアンプ部3を取り替えた場合に、先のアンプ部3に対して行ったのと同じ設定処理を繰り返し行う必要がなく、取替作業の効率を向上することができる。
【0049】
(3)通常の検出処理において、CPU36が発振回路21の動作異常(発振振幅がゼロに近似する状態が所定時間以上続くなど)を検出できるようにする。ここでCPU36は、異常を検出したとき、その異常の内容を示すコード情報や異常発生時刻を表示器32に表示するとともに、この表示データと同様のデータをプリアンプ2側のEEPROM22に格納する。
このようにすれば、故障によりヘッド部1からプリアンプ部2までが取り外されて修理センターなどに持ち込まれた場合、プリアンプ部2内のEEPROM22に格納されたデータに基づき、故障の原因を容易に判断することができ、修復作業を的確かつ効率よく行うことができる。
【0050】
なお、上記実施例では、検出対象物までの距離を高精度に出力させたり、上記(1)〜(3)のような付加価値を付けるために、プリアンプ部2内にEEPROM22を配備するようにしたが、単にこの近接センサを検出対象物に応じてオン動作する近接スイッチとして機能させる場合には、EEPROM22を持たないプリアンプ部2を使用してもよい。また非磁性体金属を検出対象とする場合には、アンプ部3を、発振周波数の変化に応じて金属体の有無や金属体までの距離を検出するように設定することもできる。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、検出用コイルが収容されたヘッド部と検出結果を示す信号を出力するアンプ部との間にケーブルを介してプリアンプ部を介装し、このプリアンプ部に、検出用コイルの種類によって設定を変更しなければならない発振回路や、処理回路の処理に用いられる情報が格納されたメモリを収容するようにしたので、ヘッド部を小型化かつ耐環境性の高いものにできると共に、検出用コイルの種類が変わっても同じ型式のアンプ部を使用することが可能となり、ユーザー側,メーカー側のコストをともに低減することができる。またヘッド部とプリアンプ部との間のケーブル長を固定する一方で、プリアンプ部とアンプ部との間のケーブル長を自由に変更できるようにすれば、発振回路の動作に影響を及ぼすことなく、アンプ部を所望の場所に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる近接センサの外観を示す斜視図である。
【図2】プリアンプ部の上面図および正面図である。
【図3】近接センサの電気構成を示すブロック図である。
【図4】従来のアンプ分離型センサの構成例を示すブロック図である。
【図5】従来のアンプ分離型センサの他の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
L 検出用コイル
1 ヘッド部
2 プリアンプ部
3 アンプ部
5 シールドケーブル
6a,6b 多芯ケーブル
7a,7b コネクタ
21 発振回路
22 EEPROM
34 検波回路
35 A/D変換回路
36 CPU
37 EEPROM
38 出力回路
Claims (7)
- 検出用コイルが収容されたヘッド部と、
発振回路を有するプリアンプ部と、
処理回路を有するアンプ部と、
ヘッド部とプリアンプ部とを接続する第1のケーブルと、
プリアンプ部とアンプ部とを接続する第2のケーブルとを備え、
前記プリアンプ部の発振回路は、第1のケーブルを介して前記ヘッド部の検出用コイルと接続されて、検出用コイルを、発振の持続と停止、発振振幅、または発振周波数に影響を与える共振回路要素として、発振するものであり、
前記プリアンプ部は、前記発振回路の発振状態を示す信号を第2のケーブルを介して前記アンプ部へと出力し、
前記プリアンプ部には、前記検出用コイルと発振回路の組み合わせに対応する情報が格納されたメモリが配備されるとともに、このメモリが前記第2のケーブルを介してアンプ部の処理回路に接続されており、
前記アンプ部の処理回路は、前記発振回路の発振状態を示す信号を前記第2のケーブルを介して取り込んで、この取り込んだ信号と前記メモリ内の情報とを用いて、物体の有無もしくは物体との間の距離を検出する近接センサ。 - 前記プリアンプ部には検波回路が設けられており、この検波回路により前記発振回路の出力を検波した信号が前記第2のケーブルを介して前記アンプ部の処理回路に入力される請求項1に記載された近接センサ。
- 前記アンプ部の処理回路は、前記発振回路の発振状態を示す信号を距離を示す信号に変換する処理を実行し、前記メモリには、前記変換処理を行うのに必要なパラメータが格納されて成る請求項1または2に記載された近接センサ。
- 前記メモリには、前記発振回路の基準の発振状態を示す情報が書き込まれており、前記処理回路には、前記発振回路の発振状態とメモリ内の基準の発振状態とを照合して発振回路の動作異常を検出する異常検出手段が設けられて成る請求項3に記載された近接センサ。
- 前記メモリは読み書き可能な不揮発性メモリであり、前記処理回路は前記メモリに所定の情報を書き込むことが可能に設定されて成る請求項3に記載された近接センサ。
- 前記プリアンプ部には、前記第2のケーブルを繋ぐためのコネクタが設けられて成る請求項1に記載された近接センサ。
- 前記第2のケーブルは、プリアンプ部に取り付けられたケーブルと、アンプ部に取り付けられたケーブルと、これらのケーブルの端部にそれぞれ配備され、互いに接合可能な一対のコネクタとを含んで成る請求項1に記載された近接センサ。
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