JP4055352B2 - 再搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再搬送装置および画像形成装置、詳しくは、用紙などの記録媒体の両面に画像を形成するために用いられる再搬送装置、および、そのような再搬送装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタなどの画像形成装置では、用紙の両面に画像を形成するための両面印刷装置を備えているものが知られている。
【0003】
このような両面印刷装置としては、たとえば、画像形成機構において用紙の一方の面に画像を形成した後、その用紙を反転させて、裏返しの状態で、再び画像形成機構に搬送して、他方の面に画像を形成するように構成されるものが知られている。この両面印刷装置は、用紙の表裏を反転させるための反転機構部と、反転機構部によって表裏が反転された用紙を、画像形成機構に搬送するための再搬送トレイとを備えている。
【0004】
再搬送トレイには、通常、再度画像形成機構に搬送するために、用紙を受けるトレイ部材と、そのトレイ部材の全面を所定の間隔を隔てて上方から覆うカバー部材とが設けられており、反転機構部によって表裏が反転された用紙は、そのトレイ部材とカバー部材との間で形成される用紙搬送経路を通って、再び画像形成機構に送られて、他方の面に画像が形成された後に排紙される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような再搬送トレイにおいては、カバー部材がトレイ部材の全面を覆っているので、再搬送トレイ内において用紙のジャムが発生した場合には、カバー部材を取り外して、そのジャムとなった用紙を取り除く必要があり、ジャム処理が非常に煩雑である。
【0006】
そのため、たとえば、実開平5−80757号公報では、記録紙を反転して搬送するための第二紙搬送経路の第二蓋の前面に、紙の排出を可能とする切欠を設けることが提案されている。
【0007】
しかし、実開平5−80757号公報に記載される切欠は、細長状の略U字状として開口形成されており、その開口幅が狭く、ジャムとなった用紙をうまく取り除けない場合がある。そのため、そのような切欠は、広い開口幅で形成することが望ましいが、一方で、広い開口幅で切欠を形成すると、搬送される用紙が、その切り欠かれた開口部の端部で引っ掛かってしまうことがあり、良好な搬送を確保できないおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、再搬送手段において記録媒体のジャムが生じても、簡易かつ確実にジャムとなった記録媒体を取り除くことができ、しかも、記録媒体の良好な搬送を確保することのできる、再搬送装置、および、そのような再搬送装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成手段により一方の面に画像が形成された記録媒体の表裏を反転させる反転手段により反転された記録媒体を再度前記画像形成手段へ搬送する再搬送装置において、記録媒体を受ける受け部材と、その受け部材を所定の間隔を隔てて覆うカバー部材と、記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体の幅方向の位置を規制するための幅方向規制部材とを備えており、前記カバー部材には、開口部が、記録媒体の搬送方向と交差する方向に所定の幅をもって形成されており、前記開口部における記録媒体の搬送方向下流側端部が、記録媒体の搬送方向に対して、前記開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成され、前記幅方向規制部材が、前記開口部の幅方向一端部側に配置されるとともに、前記開口部の前記下流側端部は、前記幅方向規制部材が配置されている前記開口部の幅方向一端部が、幅方向他端部に対して、記録媒体の搬送方向の上流側に配置されるように形成されており、前記幅方向規制部材は、前記受け部材における記録媒体の搬送方向上流側端縁から搬送方向下流側に延び、記録媒体の幅方向一端部が進入する略コ字状に形成されたガイド部を備えていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、カバー部材には、開口部が形成されているので、再搬送手段において記録媒体のジャムが生じた場合には、その開口部から、ジャムとなった記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができる。
【0011】
また、再搬送手段において、記録媒体は、受け部材に受けられて、その受け部材とカバー部材との間を通って、再び画像形成手段に搬送されるが、記録媒体が、受け部材とカバー部材との間に進入する時に、カバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部は、記録媒体の搬送方向に対して、開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成されているので、当接した記録媒体は、その下流側端部に引っ掛かりにくく、その傾斜方向に沿って良好に案内され、受け部材とカバー部材との間に進入される。
【0012】
そのため、カバー部材の開口部を広く形成して、記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができながら、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく、良好に受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
また、受け部材とカバー部材との間に進入される記録媒体は、開口部の幅方向一端部側に配置される幅方向規制部材によって、その幅方向の位置が規制されながら、受け部材とカバー部材との間に進入され、しかも、開口部は、その幅方向規制部材が配置される幅方向一端部から他端部までが、下流側方向に向かって傾斜しているので、記録媒体は、その幅方向一端部が、幅方向規制部材によって規制された状態で、その幅方向一端部から幅方向他端部に向かう方向において、たとえカバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部に良好に案内されながら、順次、受け部材とカバー部材との間に進入される。そのため、記録媒体を、受け部材とカバー部材との間により一層良好に受け入れて搬送することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記再搬送手段には、前記幅方向規制部材に沿って記録媒体を搬送するための搬送手段が、前記カバー部材によって前記受け部材が覆われている位置に設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、受け部材とカバー部材との間に進入した記録媒体は、搬送手 段によって幅方向規制部材に沿うようにして画像形成手段に向けて搬送される。そのため、記録媒体を、幅方向の誤差を少なくして、画像形成手段に向けて搬送することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記カバー部材には、記録媒体を前記搬送手段に案内するためのガイド部材が、前記開口部の前記下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長され、その折り返し部分が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、受け部材とカバー部材との間に進入した記録媒体は、ガイド部材によって搬送手段に良好に案内される。そのため、より一層円滑かつ良好な記録媒体の搬送を達成することができる。しかも、ガイド部材は、開口部の下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長されることによって形成されているので、簡易かつ確実な構成によって実現されている。
また、請求項4に記載の発明は、画像形成手段により一方の面に画像が形成された記録媒体の表裏を反転させる反転手段により反転された記録媒体を再度前記画像形成手段へ搬送する再搬送装置において、記録媒体を受ける受け部材と、その受け部材を所定の間隔を隔てて覆うカバー部材とを備えており、前記カバー部材には、開口部が、記録媒体の搬送方向と交差する方向に所定の幅をもって形成されており、前記開口部における記録媒体の搬送方向下流側端部が、記録媒体の搬送方向に対して、前記開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成され、前記再搬送手段には、前記幅方向規制部材に沿って記録媒体を搬送するための搬送手段が、前記カバー部材によって前記受け部材が覆われている位置に設けられており、前記カバー部材には、記録媒体を前記搬送手段に案内するためのガイド部材が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、カバー部材には、開口部が形成されているので、再搬送手段において記録媒体のジャムが生じた場合には、その開口部から、ジャムとなった記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができる。
また、再搬送手段において、記録媒体は、受け部材に受けられて、その受け部材とカバー部材との間を通って、再び画像形成手段に搬送されるが、記録媒体が、受け部材とカバー部材との間に進入する時に、カバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部は、記録媒体の搬送方向に対して、開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成されているので、当接した記録媒体は、その下流側端部に引っ掛かりにくく、その傾斜方向に沿って良好に案内され、受け部材とカバー部材との間に進入される。
そのため、カバー部材の開口部を広く形成して、記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができながら、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく、良好に受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
また、受け部材とカバー部材との間に進入した記録媒体は、搬送手段によって幅方向規制部材に沿うようにして画像形成手段に向けて搬送される。そのため、記録媒体を、幅方向の誤差を少なくして、画像形成手段に向けて搬送することができる。
さらに、受け部材とカバー部材との間に進入した記録媒体は、ガイド部材によって搬送手段に良好に案内される。そのため、より一層円滑かつ良好な記録媒体の搬送を達成することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ガイド部材は、前記開口部の前記下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長され、その折り返し部分が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、ガイド部材は、開口部の下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長されることによって形成されているので、簡易かつ確実な構成によって実現されている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、記録媒体の 搬送方向と交差する記録媒体の幅方向の位置を規制するための幅方向規制部材を備えており、前記幅方向規制部材が、前記開口部の幅方向一端部側に配置されるとともに、前記開口部の前記下流側端部は、前記幅方向規制部材が配置されている前記開口部の幅方向一端部が、幅方向他端部に対して、記録媒体の搬送方向の上流側に配置されるように形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、受け部材とカバー部材との間に進入される記録媒体は、開口部の幅方向一端部側に配置される幅方向規制部材によって、その幅方向の位置が規制されながら、受け部材とカバー部材との間に進入され、しかも、開口部は、その幅方向規制部材が配置される幅方向一端部から他端部までが、下流側方向に向かって傾斜しているので、記録媒体は、その幅方向一端部が、幅方向規制部材によって規制された状態で、その幅方向一端部から幅方向他端部に向かう方向において、たとえカバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部に良好に案内されながら、順次、受け部材とカバー部材との間に進入される。そのため、記録媒体を、受け部材とカバー部材との間により一層良好に受け入れて搬送することができる。
【0013】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記開口部の少なくとも一部は、記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体の幅よりも広い幅を有することを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、開口部の少なくとも一部が、記録媒体の幅よりも広い幅で開口形成されているので、ジャムとなった記録媒体を、より一層、簡易かつ確実に取り除くことができる。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の発明において、前記カバー部材は、板部材から構成されており、前記開口部の前記下流側端部が、板部材の折り返しによって形成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、記録媒体が、カバー部材の開口部の下流側端部に当接しても、その下流側端部は、板部材の折り返しによって形成されているので、たとえば、切断された端部のような鋭利な部分がなく、記録媒体は、その下流側端部に引っ掛かることなく、円滑に、受け部材とカバー部材との間に進入される。そのため、より一層良好に、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の発明において、前記反転手段が一体化されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、反転手段が、再搬送手段と一体化して設けられているので、記録媒体の両面に画像を形成するための構成を、ユニット化することができ、装置構成の簡略化、小型化を図ることができる。
【0019】
また、請求項10に記載の発明は、画像形成装置であって、請求項1ないしのいずれかに記載の再搬送装置を備えていることを特徴としている。
【0020】
このような再搬送装置を備える画像形成装置では、一方の面に画像が形成された記録媒体を、再び画像形成手段に向けて良好に搬送することができる。そのため、記録媒体の両面に、良好に画像を形成することができる。しかも、再搬送装置において、記録媒体のジャムが生じた場合には、カバー部材の開口部からそのジャムとなった記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができるので、簡易なメンテナンスによって、確実な動作を確保することができる。
【0021】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記再搬送装置が、着脱自在に装着されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によると、再搬送装置が、画像形成装置に対して着脱自在に装着されるので、再搬送装置を、必要であれば装着し、不要であれば装着しない、オプション装置として用いることができ、画像形成装置の使用目的に応じた装置構成を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ機構4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成手段としての画像形成機構5などを備えている。
【0024】
フィーダ機構4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる搬送ローラ10および11と、搬送ローラ10および11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0025】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ローラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設され、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によって、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ10および11によってレジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成機構5に送るようにしている。
【0026】
なお、このフィーダ機構4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット15aとを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット15aは、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側給紙パット15aの裏側に配設される図示しないばねによって、マルチパーパス側給紙パット15aがマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧されている。マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側給紙パット15aとで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
【0027】
画像形成機構5は、スキャナユニット16、プロセスユニット17、定着ユニット18などを備えている。
【0028】
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および21、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部からの発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22、レンズ21の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスユニット17の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
【0029】
プロセスユニット17は、スキャナユニット16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセスユニット17は、感光ドラム23を備えるとともに、図示しない、スコロトロン型帯電器、現像ローラ、トナー収容部などを備えている。そして、プロセスユニット17が本体ケーシング2に装着されると、感光ドラム23が、本体ケーシング2に設けられた転写ローラ24に当接する。
【0030】
トナー収容部には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーが、現像ローラに一定厚さの薄層として担持される。一方、感光ドラム23は、現像ローラと対向状に回転可能に配設されており、ドラム本体が接地されるとともに、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0031】
そして、感光ドラム23の表面は、感光ドラム23の回転に伴なって、スコロトロン型帯電器により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザービームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され、その後、現像ローラと対向した時に、現像ローラ上に担持されかつ正帯電されているトナーが、その感光ドラム23の表面に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザービームによって露光され電位が下がっている部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0032】
転写ローラ24は、感光ドラム23の下方において、この感光ドラム23に対向するように配置されている。この転写ローラ24は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されている。そのため、感光ドラム23上に担持された可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ24との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト25を介して、定着ユニット18に搬送される。
【0033】
定着ユニット18は、プロセスユニット17の側方下流側に配設され、加熱ローラ26、加熱ローラ26を押圧する押圧ローラ27、および、これら加熱ローラ26および押圧ローラ27の下流側に設けられる搬送ローラ28および29を備えている。加熱ローラ26は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、プロセスユニット17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ26と押圧ローラ27との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ28および29によって、排紙ローラ30に搬送するようにしている。排紙ローラ30に送られた用紙3は、その排紙ローラ30によって排紙トレイ81上に排紙される。
【0034】
また、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するための再搬送装置としての再搬送ユニット31を備えている。この再搬送ユニット31は、反転手段としての反転機構部32と、再搬送トレイ33とが、一体的に構成され、本体ケーシング2に着脱自在に装着されている。反転機構部32と再搬送トレイ33とを一体的に構成すれば、用紙3の両面に画像を形成するための構成を、ユニット化することができ、装置構成の簡略化、小型化を図ることができる。また、このように、再搬送ユニット31を本体ケーシング2に対して着脱自在に装着できるように構成すれば、再搬送ユニット31を、必要であれば装着し、不要であれば装着しない、オプション装置として用いることができ、レーザプリンタ1の使用目的に応じた装置構成を実現することができる。
【0035】
反転機構部32は、本体ケーシング2の後壁に外付けされ、略断面矩形状のケーシング38に、フラッパ34、反転ローラ35および再搬送ローラ36を備えるとともに、上端部から、反転ガイドプレート37を上方に向かって突出させている。
【0036】
フラッパ34は、反転機構部32が装着された状態において、搬送ローラ28の下流側近傍に配置され、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、一方の面に画像が形成され搬送ローラ28によって搬送されてきた用紙3を、排紙ローラ30に向かう方向(実線の状態)と、反転ローラ35に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えることができるように揺動可能に設けられている。
【0037】
反転ローラ35は、フラッパ34の下流側であって、ケーシング38の上部に配置され、1対のローラからなり、正方向および逆方向に回転の切り換えができるように構成されている。この反転ローラ35は、まず正方向に回転して、用紙3を反転ガイドプレート37に向けて搬送し、その後、逆方向に回転して、用紙3を反転方向に搬送できるように構成されている。
【0038】
再搬送ローラ36は、反転ローラ35の下流側であって、ケーシング38における反転ローラ35のほぼ真下に配置され、1対のローラからなり、反転ローラ35によって反転された用紙3を、再搬送トレイ33に搬送できるように構成されている。
【0039】
なお、反転ガイドプレート37は、ケーシング38の上端部から、さらに上方に向かって延びる板状部材からなり、反転ローラ35により送られる用紙3をガイドするように構成されている。
【0040】
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転機構部32において、まず、フラッパ34が、用紙3を反転ローラ35に向かわせる方向に切り換えられ、この反転機構部32に、一方の面に画像が形成された用紙3が受け入れられる。その後、その受け入れられた用紙3が反転ローラ35に送られてくると、反転ローラ35は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦反転ガイドプレート37に沿って、外側上方に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側上方に送られ、用紙3の後端が反転ローラ35に挟まれた時に、正回転を停止する。次いで、反転ローラ35は、逆回転して、用紙3を、前後逆向きの状態で、ほぼ真下に向かうようにして、再搬送ローラ36に搬送する。なお、反転ローラ35を正回転から逆回転させるタイミングは、定着ユニット18の下流側に設けられる用紙通過センサ71が、用紙3の後端を検知した時から所定時間を経過した時となるように制御されている。また、フラッパ34は、用紙3の反転ローラ35への搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ28から送られる用紙3を排紙ローラ30に送る状態に切り換えられる。
【0041】
次いで、再搬送ローラ36に逆向きに搬送されてきた用紙3は、その再搬送ローラ36によって、次に詳述する再搬送トレイ33に搬送される。
【0042】
なお、この反転機構部32では、反転された用紙3を幅方向端部で位置決めすることなく、用紙3の幅方向における中央を基準として用紙3を搬送する、いわゆるセンターレジ送りによって、用紙3を搬送するようにしている。
【0043】
図2は、再搬送トレイ33を示す要部平面図、図3は、再搬送トレイ33のカバー部材を示す要部平面図、図4は、再搬送トレイにおける斜行ローラ機構近傍の要部側断面図である。次に再搬送トレイについて詳述する。
【0044】
再搬送トレイ33は、図1および図2に示すように、用紙3が供給される用紙供給部39、受け部材としてのトレイ本体40、幅方向規制部材としてのサイドレジガイド部材42、斜行ローラ機構43およびカバー部材41を備えている。
【0045】
用紙供給部39は、図1に示すように、反転機構部32の下側に連結される状態で、本体ケーシング2の後壁に外付けされ、図2にも示すように、反転機構部32から送られてくる用紙3が供給される用紙供給口44と、その用紙供給口44から供給された用紙3を、トレイ本体40に送り出す用紙送出口45と、用紙供給口44と用紙送出口45との間に配置される湾曲形状の用紙案内部材46とを備えている。
【0046】
用紙供給部39では、反転機構部32の再搬送ローラ36からほぼ鉛直方向で送られてくる用紙3を、用紙供給口44から受け入れた後、用紙案内部材46によって、その用紙3を略水平方向に向けて案内し、次いで、用紙送出口45から、トレイ本体40に向けて略水平方向で送り出すようにしている。
【0047】
トレイ本体40は、図2に示すように、略矩形板状をなし、図1に示すように、給紙トレイ6の上方において、略水平方向に設けられており、その上流側端部が、用紙供給部39の用紙送出口45に連結されるとともに、その下流側端部が、トレイ本体40から搬送ローラ11に用紙3を案内するための反転パス47に連結されている。
【0048】
サイドレジガイド部材42は、図2に示すように、反転機構部32からセンターレジ送りによって搬送されてくる用紙3を、画像形成機構5に、その幅方向の誤差がないように搬送するために、用紙3の幅方向一端側を規制しながら搬送する、いわゆるサイドレジ送りによって搬送するためのガイド部材であって、トレイ本体40の幅方向一端部側において、用紙3の搬送方向に沿ってトレイ本体40の上流側端縁から、下流側端部に延びるように形成されており、用紙3における幅方向の位置を規制する基準部61と、用紙供給部39の用紙送出口45から送り出された用紙3を、その基準部61に案内するガイド部62とを一体的に備えている。
【0049】
基準部61は、用紙3の搬送方向に沿って延びる平面視略細長矩形状をなし、トレイ本体40の幅方向一端部側に設けられている。この基準部61は、断面略コ字状をなし、その略コ字状とされた上壁が、用紙3の幅方向一端部側の上面部分を覆い、かつ、その略コ字状とされた側壁が、用紙3の幅方向一端縁と当接して、その用紙3の幅方向移動を規制するための基準面63とされている。
【0050】
この基準面63は、用紙供給部39の用紙送出口45から、センターレジ送りによって、そのまま搬送方向に沿ってほぼ真直ぐに送り出される用紙3の幅方向一端縁よりも、少し幅方向内側に配置されている。
【0051】
ガイド部62は、用紙3の搬送方向に沿って延びる平面視略細長矩形状をなし、トレイ本体40の幅方向一端部側の基準部61の上流側おいて、トレイ本体40の上流側端縁から基準部61まで延びるように形成されている。このガイド部62は、断面略コ字状をなし、その略コ字状とされた上壁が、用紙3の幅方向一端部側の上面部分を覆い、かつ、その略コ字状とされた側壁が、用紙3の幅方向一端縁と当接して、その用紙3を基準面63に向けて案内するガイド面64とされている。
【0052】
ガイド面64は、その下流側端部が、基準面63の上流側端部と連結されるとともに、その上流側端部が、下流側端部に対して、トレイ本体40における幅方向の少し外側に配置されるような、ゆるやかな傾斜状として形成されている。
【0053】
なお、このサイドレジガイド部材42は、図示しないが、基準面63を、幅広の用紙3(たとえば、レターサイズ)を搬送するための幅広搬送位置と、幅狭の用紙3(たとえば、A4サイズ)を搬送するための幅狭搬送位置とに、選択的に切り換えることができるように、基準部61およびガイド部62が、トレイ本体40の幅方向において、スライド移動可能に構成されている。
【0054】
斜行ローラ機構43は、図2に示すように、カバー部材41によってトレイ本体40が覆われている位置において、基準部61における基準面63の近傍に、用紙3の搬送方向において所定の間隔を隔てて2つ配置されている。各斜行ローラ機構43は、その軸線が用紙3の搬送方向と略直交する方向に配置される駆動ローラ65と、その駆動ローラ65と用紙3を挟んで対向し、その軸線が、用紙3の搬送方向と略直交する方向から、用紙3の送り方向が基準面63に向かう方向に傾斜する方向に配置される斜行ローラ66とを備えている。各駆動ローラ65は、用紙3の搬送方向と略直交する方向に延びる駆動軸67に取り付けられており、後述するカバー部材41の各ローラ機構用開口部53内に配置されている。また、各斜行ローラ66は、各ローラ機構用開口部53内において、各駆動ローラ65と対向配置され、図示しない取付プレートを介してカバー部材41に回転自在に取り付けられている。なお、各斜行ローラ66は、各斜行ローラ66の搬送方向(斜行ローラ66の軸線と直交する方向)と基準面63とのなす角度が、3〜6°となるように配置されている。
【0055】
また、上流側に配置される駆動ローラ65の駆動軸67の軸端部には、本体トレイ40の幅方向一端部側において、図示しないモータからの動力が伝達される電磁クラッチ69が連結されるとともに、上流側に配置される駆動ローラ65の駆動軸67の軸端部と、下流側に配置される駆動ローラ65の駆動軸67の軸端部との間には、エンドレスベルト70が巻回されている。そして、図示しないモータからの動力が伝達されると、電磁クラッチ69およびエンドレスベルト70を介して、これら駆動ローラ65が回転駆動され、これによって、トレイ本体40に受け入れられた用紙3を、斜行ローラ66によってその用紙3の幅方向一端縁を基準面63に向けて当接させながら、駆動ローラ65によってその用紙3を搬送方向下流側に向けて搬送するようにしている。
【0056】
カバー部材41は、図2に示すように、略矩形状の板部材から構成されており、トレイ本体40を覆うように、そのトレイ本体40と所定の間隔を隔てた上方に設けられている。
【0057】
そして、このカバー部材41には、用紙3がこのトレイ本体40においてジャムを発生させた場合に、そのジャムとなった用紙3を取り除くための開口部48が、用紙3の搬送方向と直交する方向に所定の幅をもって形成されている。すなわち、この開口部48は、図3にも示すように、カバー部材41の上流側端部49における幅方向途中が、その上流側端部49の両端部を残して、下流側に向かって所定の幅をもって切り欠かかれることにより形成されており、その切り欠かれたカバー部材41の幅方向両側縁部によって、開口部48の幅方向両端部50および51が形成され、また、切り欠かれたカバー部材41の下流側縁部によって、開口部48の下流側端部52が形成されている。
【0058】
すなわち、この開口部48は、開口部48の幅方向両端部50および51が、カバー部材41の上流側端部49から、用紙3の搬送方向に沿って、用紙3の幅よりも広い所定の間隔を隔てて対向状に、下流側に向かって、カバー部材41における途中部分まで延びており、開口部48の幅方向一端部50が、他端部51よりも短く形成されている。そして、開口部48の下流側端部52は、その開口部48の幅方向一端部50の下流側端部と、他端部51の下流側端部との間に形成され、用紙3の搬送方向に対して、開口部48の幅方向一端部50から他端部51に向かって傾斜するように形成されている。
【0059】
より具体的には、この開口部48の幅方向一端部50側には、サイドレジガイド部材42が配置されており、開口部48の下流側端部52は、サイドレジガイド部材42が配置されている開口部48の幅方向一端部50側から他端部51側まで、用紙3の搬送方向に対して、斜め下流側に向かって延びるように形成されている。
【0060】
このような開口部48を設けることによって、トレイ本体40において用紙3のジャムが生じた場合には、その開口部48から、ジャムとなった用紙3を簡易かつ確実に取り除くことができる。しかも、この開口部48は、幅方向両端部50および51が、用紙3の幅よりも広い幅を有しているので、ジャムとなった用紙3を、より一層、簡易かつ確実に取り除くことができるように開口形成されている。
【0061】
また、この開口部48には、各傾斜ローラ機構43の駆動ローラ65および斜行ローラ66が配置される位置に対応して、略矩形状の斜行ローラ機構用開口部53が開口形成されている。
【0062】
また、この開口部48の下流側端部52は、図3にも示すように、板部材の折り返しによって形成されており、この折り返し部分を延長することにより、用紙3を斜行ローラ66と駆動ローラ65とのニップ部分に案内するためのガイド部材54が形成されている。すなわち、このガイド部材54は、図4に示すように、開口部48の下流側端部52を構成する板部材の折り返し部分が延長され、その折り返し部分が、上流側に配置される斜行ローラ機構43の上流側近傍において、用紙3の搬送方向に沿ってトレイ本体40に向かって徐々に近づくような傾斜状(断面略三角形状)に突出形成されることにより形成されている。
【0063】
そして、この再搬送トレイ33では、反転機構部32の再搬送ローラ36からほぼ鉛直方向で送られている用紙3が、まず、用紙供給部39において、用紙供給口44から受け入れられた後、用紙案内部材46によって、その用紙3が略水平方向に向けて案内され、次いで、用紙送出口45からトレイ本体40に向けて略水平方向に送り出される。
【0064】
次いで、用紙送出口45から送り出された用紙3は、トレイ本体40で受けられるとともに、まず、その用紙3の幅方向一端部が、サイドレジガイド部材42の略コ字状とされたガイド部62内に進入される。この時、サイドレジガイド部材42の基準面63が、用紙供給部39の用紙送出口45からほぼ真直ぐに送り出される用紙3の幅方向一端縁よりも、少し幅方向内側に配置されていることから、用紙3の幅方向一端縁は、ガイド部62のガイド面64に必ず当接して、その用紙3が、トレイ本体40の幅方向内側に向かうように案内される。
【0065】
なお、用紙3の先端部がガイド面64に当接する時には、その先端部が略水平方向に向いている一方、用紙3の後端部が未だ用紙供給部39において略鉛直方向に向いているので、その先端部がトレイ本体40の幅方向において比較的自由に移動しやすいこと、および、ガイド面64が緩やかな斜面として形成されていることから、たとえば、用紙3の先端部の角部が、ガイド面64に当接しても、角折れなどを生じることなく、ガイド面64に沿って、良好にトレイ本体40の幅方向内側に向かうように案内される。
【0066】
そして、用紙3は、その幅方向一端部がガイド部62内に進入した状態で、トレイ本体40とカバー部材41との間に進入される。より具体的には、カバー部材41の開口部48は、そのガイド部62が配置される幅方向一端部50から他端部51までが、下流側方向に向かって傾斜しているので、用紙3は、その幅方向一端部から幅方向他端部に向かう方向において、順次、トレイ本体40とカバー部材41との間に進入される。この時、用紙3における幅方向他端部側が、トレイ本体41から少し浮き上がり、順次進入される用紙3の先端部が、開口部48の下流側端部52に当接したとしても、その下流側端部52は傾斜状に形成されていることから、当接した用紙3は、その下流側端部52に引っ掛かることなく、その傾斜方向に沿って良好に案内され、トレイ本体40とカバー部材41との間に良好に進入される。(そのような状態は、たとえば、図2において、仮想線で示す用紙3のように、用紙3の先端部がカール状となっている場合に、その幅方向他端部側がトレイ本体41から浮き上がって、P点において開口部48の下流側端部52において当接しても、その下流側端部52の傾斜方向Fに沿って、良好に案内される状態として示される。)そのため、カバー部材41の開口部48を広く形成して、用紙3を簡易かつ確実に取り除くことができながら、用紙3を、開口部48において支えさせることなく、良好にトレイ本体40とカバー部材41との間に受け入れて搬送することができる。
【0067】
さらに、この開口部48の下流側端部52は、図4に示すように、カバー部材41を構成する板部材の折り返しによって形成されているので、たとえば、切断された端部のような鋭利な部分がなく、用紙3は、その下流側端部52に引っ掛かることなく、円滑に、トレイ本体40とカバー部材41との間に進入される。そのため、より一層良好に、用紙3を、開口部48において支えさせることなく、トレイ本体40とカバー部材41との間に受け入れて搬送することができる。
【0068】
また、幅方向一端部50および他端部51も、板部材の折り返しによって形成されている。よって、開口部48の端部である下流側端部52、幅方向一端部50および他端部51が板部材の折り返しによって形成されているので、ジャムとなった用紙3を取り除く時に、端部にて手を傷つけることなく取り除くことができる。
【0069】
そして、トレイ本体40とカバー部材41との間に進入された用紙3は、各斜行ローラ機構43によって、その用紙3の幅方向一端縁が基準面63に当接されながら、反転パス47を介して、再び、画像形成機構5に向けて搬送される。これによって、反転機構部32からセンターレジ送りによって搬送されてくる用紙3の幅方向一端縁を規制しながらサイドレジ送りによって搬送して、画像形成機構5に、その幅方向の誤差がないような搬送を達成している。
【0070】
また、この時、カバー部材41の裏面側には、開口部48の下流側端部52の折り返し部分が延長されることにより形成されるガイド部材54が設けられているので、トレイ本体40とカバー部材41との間に進入した用紙3は、図4に示すように、このガイド部材54によって、上流側に配置される斜行ローラ機構43の駆動ローラ65と斜行ローラ66との間のニップ部分に良好に案内される。そのため、より一層円滑かつ良好な用紙3の搬送を達成することができる。しかも、ガイド部材54は、開口部48の下流側端部52を構成する板部材の折り返し部分が延長されることによって形成されているので、簡易かつ確実な構成によって実現されている。
【0071】
また、各斜行ローラ機構43の斜行ローラ66は、上記したように、その搬送方向(斜行ローラ66の軸線と直交する方向)と基準面63とのなす角度が、3〜6°となるように配置されているので、用紙3は基準面63に対して大きな角度をもって当接することはなく、たとえば、これら斜行ローラ66に送られる用紙3の先端部の角部が、基準面63に当接しても、角折れなどを生じることなく、基準面63に沿って良好に案内される。
【0072】
これによって、ガイド部62のガイド面64に当接してトレイ本体40の幅方向内側に向かう用紙3は、各斜行ローラ機構43によって、再び、トレイ本体40の幅方向外側に向かい、その用紙3の幅方向一端縁が基準面63に当接されながら搬送されるので、用紙3における幅方向の精度がより一層向上された状態でのサイドレジ送りが実現されている。しかも、上記したように、用紙3の先端部の角部が、ガイド面64や基準面63に当接しても、角折れなどを生じることが少ないので、用紙3を損傷させることの少ない、サイドレジ送りが実現されている。
【0073】
また、基準面63は、反転機構部32からセンターレジ送りによって、そのまま搬送方向に沿ってほぼ真直ぐに送り出される用紙3の幅方向一端縁よりも、少し幅方向内側に配置されているため、この基準面63を基準として搬送される用紙3の他方の面(裏面)にそのまま画像を形成する場合には、一方の面(表面)形成される画像に対して、位置ずれを生じるが、このレーザプリンタ1では、この位置ずれを、スキャナユニット16から感光ドラム23にレーザによって静電潜像を形成する時に、その静電潜像の相対位置を、この位置ずれに対応してずらすことにより補償するようにしているので、用紙3の両面における同じ位置での良好な画像形成が確保されている。
【0074】
そして、各斜行ローラ機構43によって、このトレイ本体40から送り出された用紙3は、図1に示すように、反転パス47を介して、再び、画像形成機構5に向けて搬送され、既に画像が形成されている一方の面(表面)と反対側の他方の面(裏面)が、感光ドラム23と対向接触され、可視像が転写された後、定着ユニット18において定着され、搬送ローラ28および29によって、排紙ローラ30に搬送されて、その排紙ローラ30によって排紙トレイ81上に排紙される。
【0075】
そして、このような再搬送ユニット31が備えられるレーザプリンタ1では、一方の面に画像が形成された用紙3を、再び画像形成機構5に向けて良好に搬送することができるので、用紙3の両面に、良好に画像を形成することができる。しかも、再搬送トレイ33において、用紙3のジャムが生じた場合には、カバー部材41の開口部48からそのジャムとなった用紙3を簡易かつ確実に取り除くことができるので、簡易なメンテナンスによって、確実な動作を確保することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、カバー部材の開口部を広く形成して、記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができながら、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく、良好に受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
また、記録媒体は、その幅方向一端部が、幅方向規制部材によって規制された状態で、その幅方向一端部から幅方向他端部に向かう方向において、たとえカバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部に良好に案内されながら、順次、受け部材とカバー部材との間に進入される。そのため、記録媒体を、受け部材とカバー部材との間により一層良好に受け入れて搬送することができる。
請求項2に記載の発明によれば、記録媒体を、幅方向の誤差を少なくして、画像形成手段に向けて搬送することができる。
請求項3に記載の発明によれば、より一層円滑かつ良好な記録媒体の搬送を達成することができるとともに、ガイド部材は、開口部の下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長されることによって形成されるので、簡易かつ確実な構成によって実現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、カバー部材の開口部を広く形成して、記録媒体を簡易かつ確実に取り除くことができながら、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく、良好に受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
また、記録媒体を、幅方向の誤差を少なくして、画像形成手段に向けて搬送することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ガイド部材は、開口部の下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長されることによって形成されるので、簡易かつ確実な構成によって 実現することができる。
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体は、その幅方向一端部が、幅方向規制部材によって規制された状態で、その幅方向一端部から幅方向他端部に向かう方向において、たとえカバー部材の開口部の下流側端部に当接したとしても、その下流側端部に良好に案内されながら、順次、受け部材とカバー部材との間に進入される。そのため、記録媒体を、受け部材とカバー部材との間により一層良好に受け入れて搬送することができる。
【0077】
請求項に記載の発明によれば、開口部の少なくとも一部が、記録媒体の幅よりも広い幅で開口形成されているので、ジャムとなった記録媒体を、より一層、簡易かつ確実に取り除くことができる。
【0078】
請求項に記載の発明によれば、より一層良好に、記録媒体を、開口部の下流側端部において引っ掛かることなく受け部材とカバー部材との間に受け入れて搬送することができる。
【0079】
請求項に記載の発明によれば、記録媒体の両面に画像を形成するための構成を、ユニット化することができ、装置構成の簡略化、小型化を図ることができる。
【0080】
請求項10に記載の発明によれば、記録媒体の両面に、良好に画像を形成することができ、しかも、簡易なメンテナンスによって、確実な動作を確保することができる。
【0081】
請求項11に記載の発明によれば、再搬送装置をオプション装置として用いることができ、画像形成装置の使用目的に応じた装置構成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置としての、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】 図1に示すレーザプリンタにおいて、再搬送トレイを示す要部平面図である。
【図3】 図2に示す再搬送トレイのカバー部材を示す要部平面図である。
【図4】 図2に示す再搬送トレイにおける斜行ローラ機構近傍の要部側断面図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
3 用紙
5 画像形成機構
31 再搬送ユニット
32 反転機構部
33 再搬送トレイ
40 トレイ本体
41 カバー部材
42 サイドレジガイド部材
43 斜行ローラ機構
48 開口部
50 開口部の幅方向一端部
51 開口部の幅方向他端部
52 開口部の下流側端部
54 ガイド部材

Claims (11)

  1. 画像形成手段により一方の面に画像が形成された記録媒体の表裏を反転させる反転手段により反転された記録媒体を再度前記画像形成手段へ搬送する再搬送装置において、
    記録媒体を受ける受け部材と、
    その受け部材を所定の間隔を隔てて覆うカバー部材と
    記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体の幅方向の位置を規制するための幅方向規制部材とを備えており、
    前記カバー部材には、開口部が、記録媒体の搬送方向と交差する方向に所定の幅をもって形成されており、
    前記開口部における記録媒体の搬送方向下流側端部が、記録媒体の搬送方向に対して、前記開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成され
    前記幅方向規制部材が、前記開口部の幅方向一端部側に配置されるとともに、前記開口部の前記下流側端部は、前記幅方向規制部材が配置されている前記開口部の幅方向一端部が、幅方向他端部に対して、記録媒体の搬送方向の上流側に配置されるように形成されており、
    前記幅方向規制部材は、前記受け部材における記録媒体の搬送方向上流側端縁から搬送方向下流側に延び、記録媒体の幅方向一端部が進入する略コ字状に形成されたガイド部を備えていることを特徴とする、再搬送装置。
  2. 前記再搬送手段には、前記幅方向規制部材に沿って記録媒体を搬送するための搬送手段が、前記カバー部材によって前記受け部材が覆われている位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の再搬送装置。
  3. 前記カバー部材には、記録媒体を前記搬送手段に案内するためのガイド部材が、前記開口部の前記下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長され、その折り返し部分が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の再搬送装置。
  4. 画像形成手段により一方の面に画像が形成された記録媒体の表裏を反転させる反転手段により反転された記録媒体を再度前記画像形成手段へ搬送する再搬送装置において、
    記録媒体を受ける受け部材と、
    その受け部材を所定の間隔を隔てて覆うカバー部材とを備えており、
    前記カバー部材には、開口部が、記録媒体の搬送方向と交差する方向に所定の幅をもって形成されており、
    前記開口部における記録媒体の搬送方向下流側端部が、記録媒体の搬送方向に対して、前記開口部の幅方向一端部から他端部に向かって傾斜するように形成され、
    前記再搬送手段には、前記幅方向規制部材に沿って記録媒体を搬送するための搬送手段が、前記カバー部材によって前記受け部材が覆われている位置に設けられており、
    前記カバー部材には、記録媒体を前記搬送手段に案内するためのガイド部材が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴とする、再搬送装置。
  5. 前記ガイド部材は、前記開口部の前記下流側端部を構成する板部材の折り返し部分が延長され、その折り返し部分が、前記受け部材に向かって突出されることにより形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の再搬送装置。
  6. 記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体の幅方向の位置を規制するための幅方向規制部材を備えており、
    前記幅方向規制部材が、前記開口部の幅方向一端部側に配置されるとともに、前記開口部の前記下流側端部は、前記幅方向規制部材が配置されている前記開口部の幅方向一端部が、幅方向他端部に対して、記録媒体の搬送方向の上流側に配置されるように形成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の再搬送装置。
  7. 前記開口部の少なくとも一部は、記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体の幅よりも広い幅を有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の再搬送装置。
  8. 前記カバー部材は、板部材から構成されており、前記開口部の前記下流側端部が、板部材の折り返しによって形成されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の再搬送装置。
  9. 前記反転手段が一体化されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の再搬送装置。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の再搬送装置を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
  11. 前記再搬送装置が、着脱自在に装着されていることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
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