JP4055283B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイなどの光変調手段を備えた、一般にヘッドマウントディスプレイと称される眼鏡取付型の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイを用いたゴーグル型(両眼視型)のヘッドマウントディスプレイが、特開平4−23582号公報に開示されている。また、液晶ディスプレイを用いたヘッドフォン型(両眼視型)のヘッドマウントディスプレイが、特開平5−91582号公報に開示されている。また、液晶ディスプレイを用いた眼鏡型(片眼視型)のヘッドマウントディスプレイが、特開平6−102467号公報に開示されている。
【0003】
これらのヘッドマウントディスプレイを装着することにより、使用者は屋外などの任意の場所で所望の映像観察をすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の技術には、以下のような問題がある。まず、上記公報に記載されたヘッドマウントディスプレイ、特にヘッドフォン型やゴーグル型はいずれも大型で重くかさばるため、長時間の使用には不向きで携帯するにも不便である。また、ヘッドフォン型やゴーグル型のヘッドマウントディスプレイでは、使用者のアイポイントとヘッドマウントディスプレイの出射光軸とを合わせるための機構が複雑であり、また、アイポイント調節のための動作も煩雑なものである。また、眼鏡型のヘッドマウントディスプレイでは、液晶ディスプレイが単に眼鏡のつる部に支持されているだけであり、アイポイント調節はほとんど不可能である。
【0005】
また、上記公報の片眼視型のヘッドマウントディスプレイには、非使用時や緊急時に装置を視界外に退避させるための機構がなく、これらの場合にいちいち眼鏡をはずすことが必要になり、非常に不便である。また、上記公報の片眼視型のヘッドマウントディスプレイでは、左目用と右目用とが別々であり、1つのヘッドマウントディスプレイで両方を兼用することができず、この点でも不便である。
【0006】
そこで、本発明の主たる目的は、比較的小型軽量であるとともに、非使用時や緊急時に装置を視界外に退避させることができる片眼視型のヘッドマウントディスプレイである表示装置を提供することである。
【0007】
また、本発明のさらなる目的は、簡単な構成および操作によって、アイポイント調節が可能な片眼視型のヘッドマウントディスプレイである表示装置を提供することである。
【0008】
また、本発明のさらなる別の目的は、左目用と右目用とを兼用することができる片眼視型のヘッドマウントディスプレイである表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の表示装置は、白色光を発する点光源と、前記点光源からの光を集光する集光光学系とからなる光源、および、前記光源からの光を変調する光変調手段を含む第1の筐体と、前記光変調手段によって変調された光を結像する結像光学系と、前記第1の筐体を眼鏡に固定するための固定部と、前記光変調手段によって変調された光が入射されるように前記第1の筐体に対して回動可能に取り付けられており、前記光変調手段によって変調された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くための反射光学系を含む第2の筐体とを備えている。そして、前記固定部は、前記第1の筐体を中心として左右対称に配置された2つの固定部材を有していることによって、前記第1の筐体を上下反転させることなく眼鏡の左右両側において前記第1の筐体を眼鏡に固定可能に構成されている。前記結像光学系の光軸が前記集光光学系の光軸と一致しているとともに、前記第2の筐体が前記集光光学系の光軸を中心として回動可能である。
【0010】
請求項1によると、片眼観察用であって光源および光変調手段が含まれていないために比較的小型軽量である第2の筐体が第1の筐体に対して回動可能に取り付けられているので、構造が簡単であり、表示画像を観察しないときや緊急時などにはわずかな力を加えるだけで容易に第2の筐体を視界外に退避させることができる。
【0011】
また、第2の筐体を回動させるという簡単な動作により、第2の筐体から出射される光の光軸をアイポイントに合わせることができるようになる。
【0012】
また、第1の筐体を眼鏡に固定するための固定部を備えているために、表示装置を後付けで簡単に眼鏡に装着可能である。
【0013】
また、光変調手段によって変調された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くための反射光学系を第2の筐体が有しているので、第1の筐体を眼鏡の側部に固定配置することができて、第1の筐体によって使用者の視界がさえぎられることがなく、しかも全体として表示装置がかさばることがない。なお、結像光学系は第1および第2のいずれの筐体中にあってもよい。
【0014】
【0015】
さらに、固定部が第1の筐体を上下反転させることなく眼鏡の左右両側において第1の筐体を眼鏡に固定可能に構成されているので、光変調手段による変調画像の上下反転機構といった他の機構を特に設けることのない簡易な構成で、表示装置を左右兼用とすることができる。従って、左眼用と右眼用の2種類の表示装置を別々に用意する必要がなくなる。
また、光源が白色光を発する点光源と点光源からの光を集光する集光光学系とからなっているので、集光光学系から出射された光のほとんどを光変調手段を介して結像光学系に与えることが可能となって、光の効率的な利用ができるようになる。
また、点光源から集光光学系で集光された光が光変調手段に与えられるので、光変調手段から出射された光の出射角度が比較的小さくなる。そのため、この光が眼球内に入射した際の眼球内絞り込み角度が小さく、焦点深度が深くなる。従って、焦点が網膜からずれた場合に像のぼけがほとんど生じない。
また、点光源が白色光を発するので、空間光変調手段によりフルカラーの画像を表示させることが可能になる。
さらに、結像光学系の光軸が集光光学系の光軸と一致しているとともに、第2の筐体が集光光学系の光軸を中心として回動可能であるので、アイポイント調整時などに第2の筐体を回動させても個々の光学系どうしの光軸がずれることがなく、結像性能の劣化が生じない。
請求項2の表示装置においては、前記固定部材が、前記第1の筐体との間に前記眼鏡のつる部を挟み込む、可撓性を有するクリップである。
請求項2によると、固定部材であるクリップが可撓性を有しているので、幅が異なる様々なつる部をも安定して挟み込むことができる。
請求項3の表示装置においては、前記固定部材が、前記第1の筐体との間に前記眼鏡のつる部を挟み込むクリップと、前記クリップに設けられた開口部に挿入されて前記第1の筐体に設けられたねじ受け部と螺合する取付ねじとを有している。
請求項3によると、第1の筐体をより確実に眼鏡に固定することができて、表示装置が脱落するなどの不測の事態を未然に防止することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
また、請求項4の表示装置においては、前記結像光学系は、前記点光源と前記結像光学系よりも任意の距離だけ後方にある第1の点とが実質的に共役関係となるように配置され、且つ、前記光変調手段と前記第1の点よりも略瞳−網膜間の距離だけ後方にある第2の点とが実質的に共役関係となるように配置されている。
【0021】
請求項4によると、点光源と第1の点(瞳)とが実質的に共役関係となるために、光変調手段を通った光のほとんどを瞳孔内に導くことができる。従って、一定の光パワーを瞳孔内に入射させるのに必要な点光源の発光パワーが少なくてもよいことになり、点光源で消費される電力を削減することができるようになる。また、光変調手段と第2の点(網膜)とが実質的に共役関係となるために、光変調手段で変調された光による画像が観察可能となる。
【0022】
【0023】
【0024】
また、請求項5の表示装置においては、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが係合することによって生じる摩擦により、前記第2の筐体を任意の位置で前記第1の筐体に対して静止させておくことが可能である。
【0025】
請求項5によると、使用者のアイポイントの個人差による微調整などを行なう際、光軸がアイポイントに一致したことを使用者が確認した段階で第2の筐体を静止させれば、光軸をアイポイントに固定しておくことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1は、本発明の原理を説明するための第1の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。また、図2は、図1に示す表示装置における光学的共役関係について説明するための模式図である。図1に示す表示装置1は、白色光を発する点光源である白LED12と、白LED12からの光を集光する正パワーのコンデンサレンズ14と、コンデンサレンズ14によって集光された光を変調して選択的に透過させるカラー液晶ディスプレイ(空間光変調手段)16と、液晶ディスプレイ16によって変調された光を使用者の眼球22内の網膜24に結像させる正パワーの結像レンズ18とを有している。なお、空間光変調手段としては、反射型液晶やDMD(deformable mirror device)などを用いることも可能である。
【0028】
表示装置1において、液晶ディスプレイ16上の1点には、説明のための仮想的絞り20を介して白LED12から出射された光が比較的小さな絞り込み角度θ11で入射する。そのため、液晶ディスプレイ16上の1点からの出射光の射出角度θ12は絞り込み角度θ11と同程度の比較的小さな角度となる。そして、射出角度θ12で拡がった光のほとんどが結像レンズ18に入射し、さらに結像レンズ18を通過した光のほとんどが虹彩26で囲まれた瞳孔に入射し、水晶体28を経て網膜24に達する。
【0029】
このように、白色光を発する白LED12およびコンデンサレンズ14を用いることにより、液晶ディスプレイ16の1点から出射された光の射出角度θ12が比較的小さくなるだけでなく、網膜24上の焦点29にて結像される光の絞り込み角度θ13も水晶体28の一部の領域に対応する比較的小さな角度になる。つまり、本参考例の表示装置においては、網膜24上の焦点29に結像される光の焦点深度が深く、光軸方向に焦点ずれが起こったとしても画像がぼけて見えることがほとんどない。従って、ピント調整をほとんど行わなくても、常に鮮明な画像を使用者に観察させることが可能となる。
【0030】
また、本参考例によると、液晶ディスプレイ16上の1点からの出射光の射出角度θ12が比較的小さいために、この出射光が所定場所にいる使用者以外に到達することがほとんどない。従って、液晶ディスプレイ16が外部に露出している場合に液晶ディスプレイ16に表示された画像が光軸方向にいる使用者以外に見られることがほとんどなくなり、表示画像の秘匿性が高い。
【0031】
次に、図2を参照すると、本参考例の表示装置1においては、白LED12から出射された光(光路1で表されている)が、所定位置にいる使用者の眼球22の前方表面の瞳において結像されている。つまり、白LED12と瞳とが共役関係を有しており、この共役関係が成り立つように、結像レンズ18は、表示装置1が組み込まれる具体的機器ごとに定められる白LED12に対する使用者の瞳の位置に応じた位置に配置されている。従って、白LED12からコンデンサレンズ14を通過する光は、虹彩26に遮られることなく、そのほとんどが水晶体28を経て網膜24に到達することになる。そのため、図28に示したように眼球への入射光が虹彩に遮られる場合と比較すると、一定の光パワーを瞳孔内に入射させるのに必要な白LED12の発光パワーが少なくてもよいことになり、白LED12で消費される電力を削減することが可能である。ここでは、白LED12から出射された光が使用者の眼球前方表面の瞳において結像される例を示したが、この光がほとんど虹彩26に遮られることなく瞳孔内に入射するという条件が満たされれば、焦点は光軸方向に多少前後してもよい。
【0032】
さらに、本参考例の表示装置1においては、液晶ディスプレイ16において変調されて出射された光(光路2で表されている)が、所定位置にいる使用者の網膜24において結像されている。つまり、液晶ディスプレイ16と網膜24とが共役関係を有している。これにより、使用者は液晶ディスプレイ16で変調された光による画像を観察することが可能になっている。ここで、光路2の光は使用者の水晶体28を通過することになるが、水晶体28による調節範囲は比較的狭いため、結像レンズ18の位置を調整することにより上述の共役関係を達成することが可能となっている。
【0033】
また、本参考例では、点光源である白LED12が白色光を発するので、液晶ディスプレイ16によりフルカラーの画像を表示させることが可能になる。本参考例のような表示装置1の光源として、従来の技術の項目で説明した白色光を発する蛍光灯を用いることのほか、単色光を発するレーザ光源を用いることが考えられるが、本参考例では白色光を発する点光源を用いることにより、上述の利益に加えてフルカラーの画像が観察できるようになっている。この点で、本参考例の表示装置1はきわめて実用的である。
【0034】
本参考例では、白色光を発する白LED12として、青色発光ダイオードの外側に蛍光物質を塗付したもの(発光範囲がおよそ300μm四方)を用いている。蛍光物質はダイオードからの青色光を受けて可視光領域の様々な波長の光を出射し、白LED12から全体として白色光が出射されるようにする。このように、青色発光ダイオードを用いた白LED12を使用することにより、光源をコンパクトに形成できるとともに、非常に小さな発光面積の光源を安価に実現することが可能となる。また、低電力での駆動が可能な発光ダイオードを用いているので、消費電力を削減することができる。なお、青色発光ダイオードの代わりに紫外線発光ダイオードを用いることもできる。
【0035】
また、白色光を発する点光源は、例えばRGBの3つのLEDを用いたものや、ハロゲンランプや豆電球などの白色光源の前方にピンホールを有する遮光部材を設けたものであってもよいが、上述したような利益を有する点で青色発光ダイオードまた紫外線発光ダイオードを用いた白LED12であることが好ましい。
【0036】
また、本参考例において、点光源の発光面積は1mm以下であることが好ましい。これは、点光源の発光面積を1mm以下とすることにより、光束の広がりを抑制し、上述した本参考例の表示装置1の効果(深い焦点深度、高い秘匿性)をより増強することができるからである。
【0037】
次に、本発明の第2の参考例について説明する。図3は、本発明の第2の参考例に係るハンドヘルド型携帯ディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。また、図4は、図3に示したハンドヘルド型携帯ディスプレイの使用状態を示した図である。図3に示すように、本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ30には、図1および図2で説明した表示装置1が組み込まれている。ハンドヘルド型携帯ディスプレイ30の筐体32は、バッテリ蓋37から出し入れ可能に2本の単3電池34を内蔵した下部32aと、表示装置1を内蔵した上部32bとから構成されている。
【0038】
筐体32の下部32aは、図4に示すように使用者の片手により容易に把持できるような大きさおよび形状を有している。また、使用者41が下部32aを把持したときに、下部32a表面で使用者41の人差し指に対応する個所には、ハンドヘルド型携帯ディスプレイ30のパワースイッチ35が設けられている。下部32aの底面にはビデオ信号入力コネクタ36が設けられており、図4に示すように、ビデオ信号入力コネクタ36はビデオケーブル43を介してDVD再生装置42などの画像再生装置と接続される。ビデオ信号入力コネクタ36から入力されたビデオ信号は、液晶ディスプレイ16の駆動回路(図示せず)などを含んだ基板38、LCDコネクタ31およびLCDハーネス33を介して液晶ディスプレイ16に送られる。
【0039】
筐体32の上部32bの結像レンズ18と対向する位置には、画像観察用の窓部39が設けられている。上述したように、白LED12から出射された光は、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16、結像レンズ18、窓部39を経て、光軸44上で使用者の眼球22の瞳近傍において結像される。窓部39は単なる開口部であってもよく、開口部に透明な板材がはめ込まれたものであってもよい。この窓部39から使用者は表示装置1による表示画像を観察することが可能となっており、使用者は片手でハンドヘルド型携帯ディスプレイ30を把持して、屋外などの任意の場所で所望の画像を見ることができる。また、上部32bは、窓部39が設けられた側において下部32aよりも突出している。これにより、図4からも分かるように、使用者が窓部39に顔を近づけた際に顔面が下部32aと接触することがなく快適に画像を観察することができる。
【0040】
本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ30は、表示装置1を1つだけ有する片目観察タイプである。そのため、このハンドヘルド型携帯ディスプレイ30を使用する際に、使用者の一方の目には液晶ディスプレイ16の表示画像が、他方の目には外界像が映ることになる。ところが、人間の目は左右独立にピント調節を行うことができず、左右の目で観察する画像が異なる場合であっても意識が向いたいずれか一方にしかピントを合わせることができない。本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ30は、そこに組み込まれた表示装置1が上述したように焦点深度が深いという特性を有しているので、外界像にピントが合うようにしておけば、液晶ディスプレイ16の表示画像もピントがほとんどずれることなく観察することができるので、両目においてぼけのない鮮明な画像を見ることが可能となる。
【0041】
また、本参考例では、小型に構成可能な点光源である白LED12を用いているので、ハンドヘルド型携帯ディスプレイ30を全体として小型にすることができる。さらには、白LED12は低消費電力であるので電源として比較的小型軽量である単三電池34を用いればよくなり、ハンドヘルド型携帯ディスプレイ30を小型、軽量化された携帯性に優れたものとすることができる。
【0042】
本参考例では表示装置1を1つだけ有し、片目で画像を観察するタイプのハンドヘルド型携帯ディスプレイについて説明したが、表示装置1を2つ有する両目観察タイプのハンドヘルド型携帯ディスプレイも、同様にして構成することが可能である。
【0043】
両目観察タイプのハンドヘルド型携帯ディスプレイの場合、そこに組み込まれた表示装置1が上述したように焦点深度が深いという特性を有しているので、外界像を見ていた直後に窓部39をのぞき込んで液晶ディスプレイ16の表示画像を見たとしても表示画像がほとんどぼけることなく観察できるという利点がある。また、本参考例では、画像再生手段としてのDVD再生装置がハンドヘルド型携帯ディスプレイ30の外部に設けられる場合を示したが、画像再生手段がハンドヘルド型携帯ディスプレイ30の内部に設けられていてもよい。
【0044】
次に、本発明の第3の参考例について説明する。図5は、本発明の第3の参考例に係るパーソナルプロジェクタの構成を示す概略的な模式図である。図5に示すように、本参考例のパーソナルプロジェクタ50には、図1および図2で説明した表示装置1が組み込まれている。パーソナルプロジェクタ50の筐体52は、上面が平らな机57上に安定に設置することができるように、その底面が平らに設計されている。なお、筐体52は、底面が平らなものに限られず、台上に安定して設置できるように設計されていればよい。
【0045】
パーソナルプロジェクタ50の筐体52内には、白LED12、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16の制御装置53、ビデオ信号入力コネクタ54が配されている。ビデオ信号入力コネクタ54には、ビデオケーブル55を介してDVD再生装置56が接続されている。
【0046】
液晶ディスプレイ16は、その表面が外界に露出するようにして筐体52に支持されている。上述したように、白LED12から出射された光は、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16、結像レンズ18を経て、光軸58上で使用者の眼球22の瞳近傍において結像される。光軸58は、使用者が表示画像を観察しやすい適当な角度だけ上方に傾いている。そのため、使用者は、例えば椅子に座った楽な姿勢で所望の画像を見ることが可能である。
【0047】
本参考例によると、小型に構成可能な点光源である白LED12を用いるためにパーソナルプロジェクタ50を小型にできるという利点がある。また、白LED12は低消費電力であるので使用電力の削減ができるとともに、例えば小さな電池によっても動作させることが可能である。さらに、第1の参考例で説明した表示装置1が組み込まれていることにより、焦点深度が深く表示画像のぼけが生じにくく、かつ、表示装置1から所定方向に所定距離離れた場所からでないと表示画像を見ることができないという点で表示画像の秘匿性が高いという第1の参考例と同様の効果を奏する。例えば、図5において白抜きの矢印A、Bで示した方向からは液晶ディスプレイ16の表示画像を見られることがない。
【0048】
次に、本発明の第4の参考例について説明する。図6は、本発明の第4の参考例に係る頭部装着型のヘッドマウントディスプレイ60の構成を示す概略的な模式図である。図6に示すように、本参考例のヘッドマウントディスプレイ60には、図1および図2で説明した表示装置1と類似した表示装置2が組み込まれている。表示装置2は、白LED12、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16のほかに、結像光学系としての凹面鏡19を有している、表示装置1と表示装置2の相違点は、表示装置1が結像レンズ18を有しているのに対して、表示装置2が正パワーの凹面鏡19を有している点である。凹面鏡19は、表示装置1における結像レンズ18と同等の機能を有しており、白LED12と使用者の瞳とが実質的に共役関係になるように配置されているとともに、LCD16と使用者の網膜とが実質的に共役関係になるように配置されている。
【0049】
本参考例のヘッドマウントディスプレイ60は、凹面鏡19を着脱可能に取り付けるための取り付け部61と、ヘッドマウントディスプレイ60を使用者の頭部に固定するための頭部固定枠62と、取り付け部61を支持する支持バー63とを有している。取り付け部61には凹部61aが設けられており、凹面鏡19は凹部61aに差し込まれることにより取り付け部61に着脱可能に支持されている。使用者の頭部形状に沿って湾曲した頭部固定枠62には、白LED12、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16のほか、液晶ディスプレイ16の駆動回路64、バッテリ65、ビデオ信号入力コネクタ66が支持されている。ビデオ信号入力コネクタ66には、図示しないDVD再生装置などの画像再生装置が接続されており、ビデオ信号入力コネクタ66に入力されたビデオ信号はケーブル69を介して駆動回路64および液晶ディスプレイ16に供給される。
【0050】
液晶ディスプレイ16は、その表面が外界に露出するようにして頭部固定枠62に支持されている。白LED12から出射された光は、図中に示された光束範囲F内を進み、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16、凹面鏡19を経て、光軸67上で使用者の左右いずれかの眼球のアイポイント(正面を向いたときの瞳の位置)68近傍において結像される。このように構成されたヘッドマウントディスプレイ60を用いることにより、使用者は、屋外など任意の場所において所望の画像を両手ともにフリーにした状態で観察することが可能である。
【0051】
本参考例によると、小型に構成可能な点光源である白LED12を用いるためにヘッドマウントディスプレイ60を小型にできるという利点がある。また、白LED12は低消費電力であるので使用電力の削減ができるとともに、小さな容量および電圧のバッテリ65によっても動作させることが可能である。従って、ヘッドマウントディスプレイ60を小型、軽量で携帯性に優れたものとすることができる。
【0052】
さらに、第1の参考例で説明したのと同様の機能を有する表示装置2が組み込まれていることにより、焦点深度が深く表示画像のぼけが生じにくく、かつ、表示装置2から所定方向に所定距離離れた場所からでないと表示画像を見ることができないという点で表示画像の秘匿性が高いという第1の参考例と同様の効果を奏する。例えば、図6において白抜きの矢印A、Bで示した方向からは液晶ディスプレイ16の表示画像を見られることがない。
【0053】
次に、本発明の第5の参考例について説明する。図7は、本発明の第5の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。図7に示す表示装置3は、白色光を発する点光源である白LED12と、白LED12からの光を集光する正パワーのコンデンサレンズ14と、コンデンサレンズ14によって集光された光を散乱させる散乱板17と、散乱板17を通過した光を変調して選択的に透過させる液晶ディスプレイ(空間光変調手段)16と、液晶ディスプレイ16によって変調された光を使用者の眼球22内の網膜24に結像させる正パワーの結像レンズ18とを有している。なお、本参考例において、散乱板17は白LED12と液晶ディスプレイ16との間の任意の位置に配置することが可能である。
【0054】
本参考例においても、第1の参考例と同様に、白LED12と使用者の眼球22の瞳とが共役関係を有するように結像レンズ18が配置されている。そのため、第1の参考例で説明したように、白LED12で消費される電力を削減することが可能となっている。また、液晶ディスプレイ16において変調されて出射された光が、所定位置にいる使用者の網膜24において結像されるように結像レンズ18が配置されている。つまり、液晶ディスプレイ16と網膜24とが共役関係を有している。これにより、使用者は液晶ディスプレイ16で変調された光による画像を観察することが可能になっている。
【0055】
散乱板17は、可視光の波長より大きなピッチ、ここでは0.5〜10μm程度のピッチで液晶ディスプレイ16側の表面に凹凸が形成された、ガラス、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)などの透明な材料からなる板である。散乱板17での散乱特性は、表面の凹凸ピッチなどの形状を変更することによって調整が可能である。ここでは、散乱板17による光度分布が、後述する特性式I(θ)=cosθにおいてn=3となるようなものを用いるものとする。
【0056】
液晶ディスプレイ16上の1点を狙って白LED12の1点から出射された光(経路71で示す)は、コンデンサレンズ14により集光されて光軸72と平行になり、散乱板17上の1点に入射する。そして、この光は、散乱板17の表面の凹凸によって散乱され、角度θ21で拡がった光束となる。
【0057】
散乱板17を通過した光束のうち、液晶ディスプレイ16の1点において変調された光は、説明のための仮想的絞り73を経て射出角度θ22で液晶ディスプレイ16から出射される。この射出角度θ22は、散乱板17がない場合すなわち図1で説明したのと同様の場合の射出角度θ12よりも比較的大きくなっている。
【0058】
従って、散乱板17を通過して射出角度θ22で液晶ディスプレイ16から出射された光は、使用者の眼球22の前方表面位置において、使用者の瞳孔幅よりも広くほぼ虹彩28のそれに等しい(10mm)程度の幅L1 の光束となっている。一方、射出角度θ12で液晶ディスプレイ16から出射された光は、使用者の眼球22の前面位置において、使用者の瞳孔幅よりも狭い幅L2 の光束となっている。
【0059】
そのため、本参考例によると、使用者の眼球22が図中白抜きの矢印Cで示す方向に若干移動(±5mm)したとしても、瞳孔が幅L1 で示された範囲内にある限りは液晶ディスプレイ16の1点で変調された光が眼球内に入射し、水晶体28を経て網膜24で結像される。つまり、眼球の移動に伴う表示画像の輝度むらが生じることが比較的少ない。これに対して、散乱板17がない場合には、幅L2 自体が瞳孔幅よりも狭いため、使用者の眼球22が矢印Cで示す方向に例えば±0.5mm程度移動しただけで、幅L2 の光束が瞳孔に入射しなくなる。そのため、表示画像に大きな輝度むらが生じることになってしまう。このように、本参考例では、コンデンサレンズ14と液晶ディスプレイ16との間に散乱板17を配置することにより、眼球22の移動に伴う表示画像の輝度むらを抑制することが可能となっている。
【0060】
ここで、散乱板17の好ましい散乱特性について説明する。まず、図8に示すように、散乱板17を用いたときの光度分布が、散乱板17の法線からの偏角θによってI(θ)=cosθと近似的に表されるとする。ここで、Iは単位カンデラで表される光度であり、nは散乱板17の表面形状に依存した係数である。つまり、図8に示すように、散乱板17上の1点に平行光81が入射したとき、散乱板17の法線82から角度θだけ離れた方向における光度がcosθで表されるとする。このとき、係数nの変化に伴う、照明効率および瞳相当位置での光束幅L1 を図9および図10にそれぞれ示す。ここで、照明効率は、白LED12から出射された光のうち瞳孔内に導かれる光の割合を示すものである。また、光束幅L1 は、上述のように、散乱板17を通過して液晶ディスプレイ16の1点から出射された光の使用者の眼球の前方表面位置における拡がり幅(mm)を示すものである。
【0061】
図9に示すように、照明効率は係数nの増加に伴って増加するが、係数nの増加とともに増加率が低下し、係数nが3を超えると増加の程度が非常に緩やかとなる。照明効率の点からは係数nは大きいほど好ましいが、実用的には3以上であることが好ましいといえる。また、図10に示すように、光束幅は係数nの増加に伴って減少するが、係数nの増加とともに減少率が低下し、係数nが100になると光束幅がほぼ1mmに近づく。ここで、1mmは人間の瞳のおよその最小径であり、光束幅がこれ以上小さくなると散乱板17を用いたことによる上述の効果が実質的に得られなくなる。そのため、係数nは100以下であることが好ましい。従って、照明効率および光束幅の両面から考察すると、係数nは3以上100以下であることが好ましい。これにより、照明効率をある一定以上に保ちつつ輝度むらの生じない観察エリアの全幅を必要最小限度以上に維持することができる。
【0062】
また、本参考例によると、第1の参考例と同様の白LED12およびコンデンサレンズ14を用いているために、上述した散乱板17の係数nにも依存するものの、液晶ディスプレイ16の1点から出射された光の射出角度θ22を比較的小さくすることができ、網膜24上の焦点にて結像される光の絞り込み角度も水晶体28の一部の領域に対応する比較的小さな角度にすることができる。つまり、本参考例の表示装置3においては、網膜24上に結像される光の焦点深度が深く、光軸方向に焦点ずれが起こったとしても画像がぼけて見えることがほとんどない。従って、ピント調整をほとんど行わなくても、常に鮮明な画像を使用者に観察させることが可能となる。
【0063】
また、本参考例によると、散乱板17の係数nにも依存するものの、液晶ディスプレイ16の1点からの出射光の射出角度θ22が比較的小さいために、この出射光が所定場所にいる使用者以外に到達することがほとんどない。従って、液晶ディスプレイ16が外部に露出している場合に液晶ディスプレイ16に表示された画像が使用者以外に見られることがほとんどなくなり、表示画像の秘匿性が高い。これらの効果(深い焦点深度、画像の高秘匿性)は、係数nが大きいほど大きくなる。
【0064】
次に、本発明の第6の参考例について説明する。図11は、本発明の第6の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。図11に示す表示装置4は、表示装置3におけるものと異なる位置に配置された結像レンズ18を用いている点以外は表示装置3と同じである。従って、本参考例によっても、散乱板17による輝度むらおよび表示画像のぼけを抑制することができるなど第5の参考例と同様の効果を得ることができる。
【0065】
ただし、本参考例において、結像レンズ18の位置が第5の参考例とは異なっているために、白LED12と使用者の眼球22の瞳とは共役関係を有しておらず、白LED12と眼球22の網膜24よりも後方の点112とが共役関係を有するようになっている。そのため、本参考例では、液晶ディスプレイ16を通過した光の一部が虹彩26などによって遮られることになり、液晶ディスプレイ16の一部を観察できなくなるほか、上述した第5の参考例よりも白LEDに必要とされる発光パワーは大きくなる。ただし、本参考例においても、液晶ディスプレイ16と網膜24との共役関係は維持されているため、液晶ディスプレイ16の少なくとも一部の画像を観察することが可能となっている。なお、本参考例では、結像レンズ18の位置を変えることにより、白LED12と使用者の眼球22の瞳とが共役関係を失っているが、同じことは、白LED12、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16を単独で或いは結像レンズ18をも含めて複数の要素を移動させることによっても、または、使用者が移動することによっても実現される。
【0066】
次に、本発明の第7の参考例について説明する。図12は、本発明の第7の参考例に係るハンドヘルド型携帯ディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。図12に示すように、本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ120には、図7で説明した表示装置3が組み込まれているほかは、図3で説明した第2の参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ30と同様に構成されている。
【0067】
従って、本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ120は、第2の参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ30が奏する効果を同様に奏するとともに、第5の参考例で説明した表示装置3の効果をも奏する。特に、本参考例のハンドヘルド型携帯ディスプレイ120は、表示装置3に散乱板17を備えていることにより、使用者の眼球22の位置が移動したとしても液晶ディスプレイ16からの光束を瞳孔内に導くことができて、輝度むらを抑制することが可能となる。
【0068】
次に、本発明の第8の参考例について説明する。図13は、本発明の第8の参考例に係るパーソナルプロジェクタの構成を示す概略的な模式図である。図13に示すように、本参考例のパーソナルプロジェクタ130には、図7で説明した表示装置3が組み込まれているほかは、図5で説明した第3の参考例のパーソナルプロジェクタ50と同様に構成されている。
【0069】
従って、本参考例のパーソナルプロジェクタ130は、第3の参考例のパーソナルプロジェクタ50が奏する効果を同様に奏するとともに、第5の参考例で説明した表示装置3の効果をも奏する。すなわち、本参考例のパーソナルプロジェクタ130は、表示装置3に散乱板17を備えていることにより、使用者の眼球22の位置が移動したとしても液晶ディスプレイ16からの光束を瞳孔内に導くことができて、輝度むらを抑制することが可能となるという効果を奏する。
【0070】
また、本参考例のようなパーソナルプロジェクタの場合、上述のハンドヘルド型携帯ディスプレイやヘッドマウントディスプレイと比較すると観察者が常に同じ位置から表示画像を観察する場合が少なく、散乱板17を用いて輝度むらが生じない範囲を大きくしておくことで、観察者は表示画像を輝度むらなく観察可能な位置を容易に見つけ出すことができる。これと同時に、上述した係数nの値を適宜設定変更することで、必要以上の広範囲から表示画像が見られないようにすることができて、表示画像の秘匿性を高めるようにできるという利点がある。
【0071】
次に、本発明の第9の参考例について説明する。図14は、本発明の第9の参考例に係るヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。図14に示すように、本参考例のヘッドマウントディスプレイ140には、図7で説明した表示装置3と類似した表示装置5が組み込まれている。表示装置5は、白LED12、散乱板17、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16、凹面鏡19を有している。表示装置5と表示装置3の相違点は、表示装置3が結像レンズ18を有しているのに対して、表示装置5が正パワーの凹面鏡19を有している点である。凹面鏡19は、表示装置3における結像レンズ18と同等の機能を有しており、白LED12と使用者の瞳とが実質的に共役関係になるように、かつ、LCD16と使用者の網膜とが実質的に共役関係になるように配置されている。本参考例のヘッドマウントディスプレイ140は、これ以外は、図6で説明した第4の参考例のヘッドマウントディスプレイ60と同様に構成されている。
【0072】
従って、本参考例のヘッドマウントディスプレイ140は、第4の参考例のヘッドマウントディスプレイ60が奏する効果を同様に奏するとともに、第5の参考例で説明した表示装置3の効果をも奏する。すなわち、本参考例のヘッドマウントディスプレイ140は、表示装置5に散乱板17を備えていることにより、使用者の眼球22の位置が多少移動したとしても液晶ディスプレイ16からの光束を瞳孔内に確実に導くことができて、輝度むらを抑制することが可能となるという効果を奏する。
【0073】
次に、本発明の第10の参考例について説明する。図15は、本発明の第10の参考例に係る眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイの構成およびこれを左目側に取り付けた様子を上方から描いた概略的な模式図である。図16は、本参考例の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイを右目側に取り付けた様子を使用者の正面から示した図である。つまり、本参考例の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイは、眼鏡の左右いずれ側にも取り付け可能である。
【0074】
図15に示すように、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150の筐体154には、図7で説明した表示装置3と類似した表示装置6が組み込まれている。表示装置6は、白LED12、コンデンサレンズ14、散乱板17、液晶ディスプレイ(光変調手段)16、ミラー152、結像レンズ18を有している。そして、表示装置6においては、第1の参考例で説明したような共役関係が成り立っている。ミラー152は、コンデンサレンズ14の光軸153を結像レンズ18によって規定される出射光軸176の方向に直角に曲げて、表示画像を示す光を開口151を介して使用者の左右いずれかの眼球に導いている。
【0075】
筐体154内には、表示装置6のほか、LCD駆動回路155、画像反転回路156およびビデオ信号入力コネクタ158が載せられた基板157と、反転スイッチ159および白LED12が載せられた基板160と、ヘッドマウントディスプレイ150を移動させるときに使用者が指を添えるための固定突出部161とが組み込まれている。また、筐体154の眼鏡フレーム162および眼鏡レンズ(図15では左目用レンズ163)と接触する部分には弾性部材、具体的にはゴム部材165が取り付けられている。
【0076】
また、筐体154側と、固定突出部161と対になってヘッドマウントディスプレイ150を移動させるときに使用者が指を添えるための操作部166との間は、ばね部167などの弾性部材で接続されている。また、操作部166とは反対側の端部に設けられた挟持部168の先端近傍は弾性部材、具体的にはゴム部材169で被覆されている。ばね部167は、常に挟持部168を筐体154のゴム部材165の方向に付勢している。
【0077】
図15または図16に示すように、ヘッドマウントディスプレイ150が眼鏡に取り付けられた状態では、眼鏡のつる部(図15では左つる部170、図16では右つる部171)の下方において眼鏡に差し込まれた挟持部168は眼鏡レンズ163または164を介して筐体154と対向している。そのため、ばね部167の弾性力によって2つのゴム部材165、169がレンズ163または164を挟み込むことになり、ヘッドマウントディスプレイ150は眼鏡に対して固定されることになる。このように、本参考例では、固定突出部161と操作部166と挟持部168とばね部材167とゴム部材165、169とによって、固定部172が構成されている。
【0078】
本参考例のヘッドマウントディスプレイ150において、光軸153を使用者の瞳の位置すなわちアイポイントに合わせるためには、指で固定突出部161と操作部166を両側から押さえ込んで、ばね部167の弾性力に抗してゴム部材169をレンズ163または164から離した状態でレンズ面に沿って筐体154を移動させる。このような簡単な操作によって、例えば図17に示すように、実線位置にあった筐体154を破線位置にまでスムーズに移動させることができ、これに伴って黒丸(●)位置176aにあった出射光軸を白丸(○)位置176bへと移動させることができる。そして、出射光軸がアイポイント68に一致したことを使用者が確認した段階で固定突出部161および操作部166から指を離せば、再び2つのゴム部材165、169がレンズ163または164を挟み込むことになり、出射光軸176をアイポイント68に固定しておくことができる。上述のような簡単な構成および操作により、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150では、使用者はアイポイント調整を2次元的に行うことができるため、アイポイント調整の自由度が高く、広い範囲でアイポイント68と出射光軸176とを一致させることが可能である。
【0079】
また、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150は、結像された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くように構成された片眼観察用であるので、筐体154を比較的小型軽量に構成することができる。また、固定部172が眼鏡のレンズ163、164を両側から挟持するように構成されているので、フレームのない眼鏡であってもヘッドマウントディスプレイ150を固定することが可能である。また、フレーム162やつる部170、171には様々な形状のものがあるので、これらの部分にヘッドマウントディスプレイ150を固定しようとすると、取り付ける眼鏡ごとに固定部172の形状や構造を変更する必要が生じる。本参考例では、レンズ163、164を両側から挟持してヘッドマウントディスプレイ150を固定するという構成を採用することにより、このような不都合が生じないようにしている。さらに、固定部172のレンズと接触する部分がゴム部材165、169からなるので、挟持によりレンズ163、164を傷つけることがない。
【0080】
上述のように、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150は、眼鏡の左右いずれ側にも取り付けられるようになっている。しかし、左右の取り付け位置を変えると、筐体154が上下ひっくり返ることになるため、なんら手段を講じないと使用者は上下反転した画像を見ることになる。そこで、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150は、上記した画像反転回路156と反転スイッチ159を備えることにより、左右の取り付け位置を変えたとしても使用者が常に通常の画像を観察できるようにしている。
【0081】
すなわち、図18に示すように、右目側に取り付ける場合と左目側に取り付ける場合とでは筐体154が上下逆転するので(図18に筐体の上下方向の目印として白抜き矢印が描かれている)、右目側にヘッドマウントディスプレイ150を取り付ける場合には反転スイッチ159を突出状態にしておき、左目側に取り付ける場合には反転スイッチ159を引込状態としておく。そして、反転スイッチ159の突出または引込のいずれかの状態が、画像反転回路156の走査線上下逆転手段191および走査線左右逆転手段192(ともに図19参照)に供給される。
【0082】
画像反転回路156の走査線上下逆転手段191および走査線左右逆転手段192は、例えば反転スイッチ159が突出状態であることを示す信号を受け取ると、外部からのビデオ信号をそのままLCD駆動回路155に供給する。そして、反転スイッチ159が引込状態であることを示す信号を受け取ると、外部からのビデオ信号を走査線上下逆転手段191で上下逆転させ、さらに走査線左右逆転手段192で左右逆転させた信号がLCD駆動回路155に供給される。
【0083】
このように、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150は、筐体154を眼鏡の左右どちら側に固定した場合であっても、画像反転回路156の走査線上下逆転手段191および走査線左右逆転手段192により常に上下反転していない正常画像を使用者に観察させることができる。従って、ヘッドマウントディスプレイ150を左右兼用とすることができるようになって、左目用と右目用の2種類の表示装置を別々に用意する必要がなくなるという利点がある。
【0084】
また、本参考例のヘッドマウントディスプレイ150は、単に光軸を曲げるために用いられるミラー152を有する以外は図7で説明した表示装置3と同様の表示装置6を有しているので、第5の参考例の表示装置3と同様の利点を有する。すなわち、焦点深度が深いために表示画像がぼけることがほとんどなく、また、点光源である白LED12とコンデンサレンズ14とを用いているとともに白LED12と瞳とが実質的に共役関係を有しているので、白LED12での消費電力を削減することができる。また、白LED12を用いているためにカラー画像を観察することが可能になっている。
【0085】
さらに、散乱板17を用いているので、眼球位置が多少ずれても輝度むらが生じないという効果を得ることができる。また、このときも第1の実施の形態で説明したように、散乱板17を用いたときの光度分布をI(θ)=cosθとして係数nが3以上100以下(3≦n≦100)であることが好ましい。
【0086】
図20は、本参考例において固定部の変形例を示す図であって、眼鏡の背面側(使用者側)から描かれた図である。図20に示すように、本変形例のヘッドマウントディスプレイ200は、その固定部201が、操作部202と、これに連なる2本の挟持部206a、206bと、挟持部206a、206bの先端近傍を被覆するゴム部材208と、挟持部206a、206bを筐体154の方向に付勢するばね部204と、筐体154側のゴム部材165(図15参照)とを有している。操作部202と2本の挟持部206a、206bは、1本の長尺部材を略コの字型に折り曲げることにより構成されている。
【0087】
本変形例のヘッドマウントディスプレイ200を眼鏡に取り付ける場合には、2本の挟持部206a、206bにより眼鏡のつる部170を挟み込むようにする。このように、本変形例では、固定部201が眼鏡のつる部170を間に挟み込んだ状態で筐体154を眼鏡に固定することが可能であるので、いわば固定部201がつる部170に支持されることになり筐体154が安定し、筐体154が所定位置からずれたり、眼鏡から脱落するといった事態の発生を極力防止することができる。なお、本変形例では、挟持部を2本としたが、3本以上の挟持部を設けてそれらうちいずれか2本の間につる部を挟み込むようにしてもよい。また、本参考例において、光変調手段として、液晶ディスプレイ16の代わりに、レーザ光を変調しながら走査させて画像を表示させるものを用いてもよい。
【0088】
また、本参考例のヘッドマウントディスプレイに組み込まれた表示装置6はミラーを1つだけ有しているが、例えば2個のミラーを有していてもよい。このような例について、図21に基づいて説明する。図21に示したヘッドマウントディスプレイ210に内蔵された表示装置7は、白LED12、コンデンサレンズ14、散乱板17、液晶ディスプレイ16、ミラー212、結像レンズ18、ミラー214を有している。そして、表示装置7においては、第1の参考例で説明したような共役関係が成り立っている。表示装置7の光軸216は、ミラー212、214の2カ所においてそれぞれ直角に曲げられて、表示画像を示す光を開口151を介して使用者の左右いずれかの眼球に導かれる。ここで、固定部218は、図15で説明したようなレンズ挟持型ではなく、筐体219を移動させてアイポイント調節可能となるように、例えばねじ機構などによって、つる部170または171のいずれにかに筐体219を取り付けるように構成されたものである。なお、図21では表示装置7以外の詳細な図示を省略している。
【0089】
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイの構成およびこれを右目側に取り付けた様子を上方から描いた概略的な模式図である。図23は、本実施の形態の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイを右目側に取り付けた様子を使用者の正面から示した図である。上述の第10の参考例と同様、本実施の形態の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイも、眼鏡の左右いずれ側にも取り付け可能である。
【0090】
図22に示すように、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220は、固定部材である固定クリップ226または228によって眼鏡のつる部171または170に固定される固定筐体222、および、固定筐体222に対して回動可能に取り付けられた回転筐体224の2つの筐体を有している。
【0091】
固定筐体222内には、白LED12、コンデンサレンズ14、散乱板17、液晶ディスプレイ(光変調手段)16のほか、ビデオケーブル43を介して外部の画像再生装置に接続されるビデオ信号入力コネクタ230、図示しない制御回路が設けられた基板232が含まれている。また、回転筐体224内には、白LED12からの光を反射させて使用者の左右いずれかの眼球22(ここでは右目)に導くためのミラー234、235と、液晶ディスプレイ16によって変調された光を結像するための結像レンズ18とが含まれている。
【0092】
本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220には、第5の参考例で説明した表示装置3と類似した表示装置8が組み込まれている。表示装置8は、白LED12、コンデンサレンズ14、散乱板17、液晶ディスプレイ16、ミラー234、結像レンズ18、ミラー235を有している。そして、表示装置8においては、第1の参考で説明したような共役関係が成り立っている。
【0093】
ここで、固定筐体222と回転筐体224との接続部分237の詳細について、図24をさらに参照して説明する。図24は、固定筐体222と回転筐体224との接続部分237の拡大分解斜視図である。固定筐体222の先端部には、コンデンサレンズ14の光軸236を中心とした円形の開口部238が設けられている。そして、光軸236方向に突出した突出部239が開口部238に沿って設けられているとともに、その先端には突出部239の外側に凹部239aを画定するフリンジ240が設けられている。
【0094】
一方、回転筐体224には、凹部239aにおける突出部239の外径を直径とする円形の開口部242が設けられている。そして、凹部239aが開口部242と係合することによって、回転筐体224が光軸236を中心として360°回動自在に固定筐体222に対して支持されることになるとともに、両者の摩擦により任意の位置で回転筐体224を静止させることができるようになる。
【0095】
すなわち、図23に示すように、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220においては、上述した簡単な構成および回転筐体224を光軸236の回りに回動させるという簡単な操作により、出射光軸244をアイポイント68に合わせることができるようになっている。この点について、さらに図25を参照して説明する。図25は、図23の部分拡大図である。本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220において、出射光軸244を使用者の瞳の位置すなわちアイポイント68に合わせるためには、指で回転筐体224を保持して回転筐体224を回動させる。このような簡単な操作によって、実線位置にあった回転筐体224を破線位置にまでスムーズに移動させることができ、これに伴って黒丸(●)位置244aにあった光軸を破線で示す経路246に沿って白丸(○)位置244bへと移動させることができる。従って、使用者のアイポイントの個人差による微調整などを行なう際、光軸244がアイポイント68に一致したことを使用者が確認した段階で回転筐体224を静止させれば、光軸244をアイポイント68に固定しておくことができる。
【0096】
可撓性を有する材料からなる固定クリップ226は、略L字型をしており先端が外側に向けて若干湾曲した形状を有している。そのために、固定筐体222との間で右側のつる部171を挟み込むことにより、固定筐体222を眼鏡に固定することができるようになっている。しかも固定クリップ226が可撓性を有しているので、幅が異なる様々なつる部171をも安定して挟み込むことができる。また、固定クリップ228も固定クリップ226と同様に構成されており、固定筐体222との間で左側のつる部170を挟み込むことにより、固定筐体222を眼鏡に固定することができるようになっている。
【0097】
上述のような固定クリップ226、228を備えているために、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220は、後付けで簡単に眼鏡に装着できるようになっている。また、これらの固定クリップ226、228を用いると、固定筐体222を上下反転させることなく左右いずれかのつる部170、171に固定筐体222を固定することが可能である。従って、第10の参考例のヘッドマウントディスプレイ150で必要であった画像を上下反転させるための機構が本実施の形態では不要であり、簡略な構造により左右兼用とすることができ、左目用と右目用の2種類のヘッドマウントディスプレイを別々に用意することもない。
【0098】
すなわち、図26に示すように、右目側に取り付ける場合と左目側に取り付ける場合とでは回転筐体224を上下逆転させる必要があるものの、固定筐体222を上下反転させる必要がない(図26に固定筐体222および回転筐体224の上下方向の目印として黒矢印および白抜き矢印がそれぞれ描かれている)。
【0099】
また、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220は、液晶ディスプレイ1によって変調された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くためのミラー234、235を回転筐体224が有しているので、固定筐体222を眼鏡の側部に固定配置することができて、固定筐体222によって使用者の視界がさえぎられることがなく、しかも全体としてヘッドマウントディスプレイ220がかさばることがないという利点を有している。なお、本実施の形態では結像レンズ18は回転筐体224内にあるが、固定筐体222内に結像レンズを配置してもよい。
【0100】
また、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220では、回転筐体224が片眼観察用であって白LED12、コンデンサレンズ14、液晶ディスプレイ16などを含まないために比較的小型軽量である。そして、この回転筐体224が固定筐体222に対して回動可能に取り付けられているので、表示画像を観察しないときや緊急時などにはわずかな力を加えるだけで容易に回転筐体224を視界外に退避させることができる。
【0101】
また、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220においては、結像レンズ18の光軸243がコンデンサレンズ14の光軸236と一致するように、結像レンズ18およびミラー234が配置されている。そのために、アイポイント調整時などに回転筐体224を回動させても結像レンズ18とコンデンサレンズ14の光軸どうしがずれることがなく、結像性能の劣化が生じない。
【0102】
また、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ220は、単に光軸を曲げるために用いられるミラー234、235を有する以外は図7で説明した表示装置3と同様の表示装置8を有しているので、第5の参考例の表示装置3と同様の利点を有する。すなわち、焦点深度が深いために表示画像がぼけることがほとんどなく、また、点光源である白LED12とコンデンサレンズ14とを用いているとともに白LED12と瞳とが実質的に共役関係を有しているので、白LED12での消費電力を削減することができる。また、白LED12を用いているためにカラー画像を観察することが可能になっている。
【0103】
また、表示装置8が散乱板17を備えているので、眼球位置が多少ずれても輝度むらが生じないという効果を得ることができる。また、このときも第5の参考例で説明したように、散乱板17を用いたときの光度分布をI(θ)=cosθとして係数nが3以上100以下(3≦n≦100)であることが好ましい。
【0104】
図27(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態のヘッドマウントディスプレイの要部を示す図である。図27(a)は眼鏡の側面から固定部を見た図、(b)はそのA−A線での断面図である。本実施の形態においては、固定クリップ226とほぼ同様に構成された固定クリップ273に開口部276が設けられているとともに、固定筐体271の開口部276と対向する部分にねじ受け部277が設けられている。そして、取付ねじ275を開口部276を介してねじ受け部277と螺合させることにより、眼鏡の右側のつる部170に対して固定筐体271が固定できるようになっている。本実施の形態では、ねじ機構によって固定筐体271を眼鏡に装着するため、固定筐体271をより確実に眼鏡に固定することができて、ヘッドマウントディスプレイが脱落するなどの不測の事態を未然に防止することができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、片眼観察用であって光源および光変調手段が含まれていないために比較的小型軽量である第2の筐体が第1の筐体に対して回動可能に取り付けられているので、構造が簡単であり、表示画像を観察しないときや緊急時などにはわずかな力を加えるだけで容易に第2の筐体を視界外に退避させることができる。また、第2の筐体を回動させるという簡単な動作により、第2の筐体から出射される光の光軸をアイポイントに合わせることができるようになる。また、第1の筐体を眼鏡に固定するための固定部を備えているために、表示装置を後付けで簡単に眼鏡に装着可能である。また、光変調手段によって変調された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くための反射光学系を第2の筐体が有しているので、第1の筐体を眼鏡の側部に固定配置することができて、第1の筐体によって使用者の視界がさえぎられることがなく、しかも全体として表示装置がかさばることがない。
【0106】
さらに、固定部が第1の筐体を上下反転させることなく眼鏡の左右両側において第1の筐体を眼鏡に固定可能に構成されているので、光変調手段による変調画像の上下反転機構といった他の機構を特に設けることのない簡易な構成で、表示装置を左右兼用とすることができる。従って、左眼用と右眼用の2種類の表示装置を別々に用意する必要がなくなる。
また、光源が白色光を発する点光源と点光源からの光を集光する集光光学系とからなっているので、集光光学系から出射された光のほとんどを光変調手段を介して結像光学系に与えることが可能となって、光の効率的な利用ができるようになる。また、点光源から集光光学系で集光された光が光変調手段に与えられるので、光変調手段から出射された光の出射角度が比較的小さくなる。そのため、この光が眼球内に入射した際の眼球内絞り込み角度が小さく、焦点深度が深くなる。従って、焦点が網膜からずれた場合に像のぼけがほとんど生じない。また、点光源が白色光を発するので、空間光変調手段によりフルカラーの画像を表示させることが可能になる。
さらに、結像光学系の光軸が集光光学系の光軸と一致しているとともに、第2の筐体が集光光学系の光軸を中心として回動可能であるので、アイポイント調整時などに第2の筐体を回動させても個々の光学系どうしの光軸がずれることがなく、結像性能の劣化が生じない。
請求項2によると、固定部材であるクリップが可撓性を有しているので、幅が異なる様々なつる部をも安定して挟み込むことができる。
請求項3によると、第1の筐体をより確実に眼鏡に固定することができて、表示装置が脱落するなどの不測の事態を未然に防止することができる。
【0107】
【0108】
請求項4によると、点光源と第1の点(瞳)とが実質的に共役関係となるために、光変調手段を通った光のほとんどを瞳孔内に導くことができる。従って、一定の光パワーを瞳孔内に入射させるのに必要な点光源の発光パワーが少なくてもよいことになり、点光源で消費される電力を削減することができるようになる。また、光変調手段と第2の点(網膜)とが実質的に共役関係となるために、光変調手段で変調された光による画像が観察可能となる。
【0109】
請求項5によると、使用者のアイポイントの個人差による微調整などを行なう際、光軸がアイポイントに一致したことを使用者が確認した段階で第2の筐体を静止させれば、光軸をアイポイントに固定しておくことができる。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。
【図2】 図1に示す表示装置における光学的共役関係について説明するための模式図である。
【図3】 本発明の第2の参考例に係るハンドヘルド型携帯ディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。
【図4】 図3に示したハンドヘルド型携帯ディスプレイの使用状態を示した図である。
【図5】 本発明の第3の参考例に係るパーソナルプロジェクタの構成を示す概略的な模式図である。
【図6】 本発明の第4の参考例に係るヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。
【図7】 本発明の第5の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。
【図8】 図7に示した表示装置に用いられる散乱板の好ましい散乱特性について説明するための図である。
【図9】 光度分布を表す式内の係数nと照明効率との関係を示すグラフである。
【図10】 光度分布を表す式内の係数nと瞳相当位置での光束幅との関係を示すグラフである。
【図11】 本発明の第6の参考例にかかる表示装置の概略的な模式図である。
【図12】 本発明の第7の参考例に係るハンドヘルド型携帯ディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。
【図13】 本発明の第8の参考例に係るパーソナルプロジェクタの構成を示す概略的な模式図である。
【図14】 本発明の第9の参考例に係るヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略的な模式図である。
【図15】 本発明の第10の参考例に係る眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイの構成およびこれを左目側に取り付けた様子を上方から描いた概略的な模式図である。
【図16】 本発明の第10の参考例の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイを右目側に取り付けた様子を使用者の正面から示した図である。
【図17】 本発明の第10の参考例において、筐体の移動に伴う出射光軸の移動について説明するための図である。
【図18】 本発明の第10の参考例において、右目側に取り付ける場合と左目側に取り付ける場合とで筐体が上下逆転する様子を示した図である。
【図19】 本発明の第10の参考例において、画像上下反転制御手段を示すブロック図である。
【図20】 本発明の第10の参考例において、固定部の変形例を示す図である。
【図21】 本発明の第10の参考例において、2個のミラーを有する変形例を示す図である。
【図22】 本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイの構成およびこれを右目側に取り付けた様子を上方から描いた概略的な模式図である。
【図23】 本発明の第1の実施の形態の眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイを右目側に取り付けた様子を使用者の正面から示した図である。
【図24】 本発明の第1の実施の形態において、固定筐体と回転筐体との接続部分の拡大分解斜視図である。
【図25】 本発明の第1の実施の形態において、回転筐体の回動に伴う出射光軸の移動の様子および固定クリップによる固定の様子を説明するための図である。
【図26】 本発明の第1の実施の形態において、右目側に取り付ける場合と左目側に取り付ける場合とで回転筐体だけが上下逆転する様子を示した図である。
【図27】 本発明の第2の実施の形態に係る眼鏡取り付け型ヘッドマウントディスプレイの要部を示す図である。
【符号の説明】
8 表示装置
12 白LED
14 コンデンサレンズ
16 液晶ディスプレイ
17 散乱板
18 結像レンズ
24 網膜
26 虹彩
29 焦点
220 ヘッドマウントディスプレイ
222 固定筐体
224 回転筐体
226、228 固定クリップ

Claims (5)

  1. 白色光を発する点光源と、前記点光源からの光を集光する集光光学系とからなる光源、および、前記光源からの光を変調する光変調手段を含む第1の筐体と、
    前記光変調手段によって変調された光を結像する結像光学系と、
    前記第1の筐体を眼鏡に固定するための固定部と、
    前記光変調手段によって変調された光が入射されるように前記第1の筐体に対して回動可能に取り付けられており、前記光変調手段によって変調された光を使用者の左右いずれかの眼球に導くための反射光学系を含む第2の筐体とを備えており、
    前記固定部は、前記第1の筐体を中心として左右対称に配置された2つの固定部材を有していることによって、前記第1の筐体を上下反転させることなく眼鏡の左右両側において前記第1の筐体を眼鏡に固定可能に構成されており、
    前記結像光学系の光軸が前記集光光学系の光軸と一致しているとともに、前記第2の筐体が前記集光光学系の光軸を中心として回動可能であることを特徴とする表示装置。
  2. 前記固定部材が、前記第1の筐体との間に前記眼鏡のつる部を挟み込む、可撓性を有するクリップであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記固定部材が、前記第1の筐体との間に前記眼鏡のつる部を挟み込むクリップと、前記クリップに設けられた開口部に挿入されて前記第1の筐体に設けられたねじ受け部と螺合する取付ねじとを有していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記結像光学系は、前記点光源と前記結像光学系よりも任意の距離だけ後方にある第1の点とが実質的に共役関係となるように配置され、且つ、前記光変調手段と前記第1の点よりも略瞳−網膜間の距離だけ後方にある第2の点とが実質的に共役関係となるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記第1の筐体と前記第2の筐体とが係合することによって生じる摩擦により、前記第2の筐体を任意の位置で前記第1の筐体に対して静止させておくことが可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
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