JP4054938B2 - アクチュエータ制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、シリンダ等のアクチュエータの変位速度を制御することが可能なアクチュエータ制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に電子・電気産業等において、小物品等を搬送するために空気圧アクチュエータ、例えば、シリンダが広範に用いられている。前記シリンダにおいて、シリンダチューブのシリンダ室に沿って直線状に往復運動するピストンの変位速度を制御する場合、前記シリンダ室内に圧力流体を供給する供給側通路を流通する圧力流体の流量を制御するメータイン回路1(図12参照)と、前記シリンダ室内から圧力流体が排出される排出側通路を流通する圧力流体の流量を制御するメータアウト回路2(図13参照)とが一般的に知られている。
【0003】
なお、図12および図13中、参照数字3は、チェック弁4および可変絞り弁5から構成される速度制御弁を示し、参照数字6は切換用電磁弁を示し、参照数字7aおよび7bは、それぞれ、一方および他方のシリンダ室を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、小物品等の搬送等のために、例えば、シリンダ等の空気圧アクチュエータを低速で駆動させた場合、前記メータイン回路1では、変位状態と停止状態とが間欠的に繰り返され、この結果、時間と変位量との関係を示す特性曲線が階段状となる、いわゆるスティックスリップ現象が発生するという不具合がある。
【0005】
また、従来技術に係る前記メータイン回路1では、シリンダの駆動を長時間停止した後の再始動時において、ピストンが変位を開始するまでの時間が遅延する、いわゆる応答時間の遅れが発生するという不具合がある。
【0006】
一方、メータアウト回路2では、シリンダの駆動を長時間停止した後の再始動時にピストンが固着して該ピストンがシリンダ室7a(7b)に沿って急速に変位する、いわゆる飛び出し現象が発生するという不具合がある。
【0007】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、スティックスリップ現象や飛び出し現象の発生を阻止し、アクチュエータの変位速度を低速で安定して制御することが可能なアクチュエータ制御回路を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、シリンダの駆動を長時間停止した後の再始動時に発生する応答時間の遅れを改善することが可能なアクチュエータ制御回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、アクチュエータの変位速度を制御するメータイン回路が用いられた制御回路において、
圧縮空気が出入する一組のポートが設けられ、前記各ポートから供給される圧縮空気の作用下にピストンがシリンダ室に沿って変位する空気圧シリンダと、
圧縮空気供給源から導出される圧縮空気を前記空気圧シリンダの一方または他方のポートに切り換えて供給する切換用電磁弁と、
前記一組のポートと切換用電磁弁との間に設けられ、前記シリンダ室に供給される圧縮空気の流量を制御する一組の速度制御弁と、
前記圧縮空気供給源と前記切換用電磁弁との間に設けられ、前記シリンダ室に供給される圧縮空気の供給圧、又は、該シリンダ室から排気される圧縮空気の排気圧を、予め設定された所定圧にそれぞれ保持する一組のリリーフ付減圧弁と、
を備え、
前記リリーフ付減圧弁は、空気圧シリンダにおける排気側のシリンダ室の圧力が予め設定された所定圧に対して高い場合に、圧力流体を大気中に排気することにより、前記排気側のシリンダ室の圧力を前記所定圧に保持するとともに、前記排気側のシリンダ室の圧力が前記所定圧に対して低い場合に、圧縮空気供給源からの圧縮空気を減圧して空気圧シリンダの排気側のシリンダ室に供給することにより、前記圧力が前記所定圧に対して低くならないように保持することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、一組のリリーフ付減圧弁は、圧縮空気供給源からの圧縮空気を減圧して空気圧シリンダの排気側のシリンダ室に供給することにより、前記排気側のシリンダ室の圧力を予め設定された所定圧に保持するとともに、排気側のシリンダ室の圧力が所定圧よりも高いときに圧力流体を大気中に排気することにより、前記排気側のシリンダ室の圧力を予め設定された所定圧に保持する機能を有している。そして、アクチュエータに供給される圧力流体の流量をメータイン方式によって制御することにより、アクチュエータから排出される圧力流体の圧力が予め設定された所定圧に保持されるため、飛び出し現象やスティックスリップ現象の発生が防止されるとともに、一組のリリーフ機構付減圧弁によって、排気側のシリンダ室の圧力が予め設定された所定圧に保持されるため、アクチュエータの駆動を長時間停止した後の再始動時の応答時間の遅れを短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアクチュエータ制御回路について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0018】
本発明の第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10を図1に示す。
【0019】
このアクチュエータ制御回路10は、メータイン制御方式を採用し、小物品等のワークWを搬送する空気圧シリンダ(以下、単にシリンダともいう)12と、前記シリンダ12の供給通路(第1通路)14側に設けられる第1速度制御弁16と、前記シリンダ12の排気通路(第2通路)18側に設けられる第2速度制御弁20と、圧力流体供給源22からの圧力流体(圧縮空気)を第1速度制御弁16と第2速度制御弁20とに切り換えて供給する切換用電磁弁(切換手段)24とを含む。
【0020】
なお、前記第1速度制御弁16および第2速度制御弁20は、それぞれ同一の構成要素からなり、チェック弁4と可変絞り弁5とを備える。
【0021】
さらにアクチュエータ制御回路10は、第1速度制御弁16と切換用電磁弁24との間の供給通路14に介装された第1圧力制御弁26と、第2速度制御弁20と切換用電磁弁24との間の排気通路18に介装された第2圧力制御弁28とを有する。この場合、前記第1速度制御弁16と第1圧力制御弁26とは直列に接続され、同様に、第2速度制御弁20と第2圧力制御弁28とは直列に接続されている。なお、前記第1圧力制御弁26および第2圧力制御弁28は、最低圧力保持手段として機能するものである。
【0022】
前記第1圧力制御弁26および第2圧力制御弁28は、それぞれ同一の構成要素からなり、チェック弁30と、リリーフ弁32とを備える。前記第1圧力制御弁26は、一方のシリンダ室34aへ圧力流体を供給する際にフリーフローとなり、前記第2圧力制御弁28は、他方のシリンダ室34bから圧力流体を排気する際に排気圧が設定圧よりも低下しないように保持する機能を有する。
【0023】
また、シリンダ12のピストン36の変位速度は、第1速度制御弁16および第2速度制御弁20によって調整される。図12に示す従来技術に係るメータイン回路1と比較して、第1圧力制御弁26および第2圧力制御弁28を設けることにより、排気圧の下限値を高く設定することができる。
【0024】
第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0025】
図示しないコントローラから入力される切換信号に基づいて切換用電磁弁24がオン状態となり、圧力流体供給源22から導出された圧縮空気は、供給通路14に連通する第1圧力制御弁26および第1速度制御弁16を経由して一方のシリンダ室34aに導入される。この場合、第1圧力制御弁26ではチェック作用が働かないためにフリーフローの状態にあり、前記第1圧力制御弁26を通過した圧縮空気は第1速度制御弁16の可変絞り弁5によって所定の流量に絞られた後、一方のシリンダ室34aに導入される。
【0026】
従って、一方のシリンダ室34aに導入された圧縮空気の押圧作用下にピストン36が矢印A方向に沿って変位し、ワークWが搬送される。その際、他方のシリンダ室34bに残存する圧縮空気は、排気通路18に連通する第2速度制御弁20および第2圧力制御弁28を経由して大気中に排気される。この場合、第2速度制御弁20ではチェック作用が働かないためにフリーフローの状態にあり、前記第2速度制御弁20を通過した圧縮空気は第2圧力制御弁28のリリーフ弁32によって予め設定された圧力値よりも低下しないように保持される。
【0027】
すなわち、フリーフローの状態にある第2速度制御弁20を通過した圧縮空気は、第2圧力制御弁28を構成するチェック弁30とリリーフ弁32の両者にそれぞれ分岐して流通するが、前記チェック弁30ではそのチェック作用下に流通が阻止され、リリーフ弁32のみを通過する。この場合、前記リリーフ弁32は、排気される圧縮空気の圧力を予め設定された圧力に保持する機能を営む。従って、リリーフ弁32により、排気圧の下限値を高く設定することができる。
【0028】
このようにして、スティックスリップ現象や飛び出し現象の発生を阻止して、シリンダ12のピストン36を低速で安定して変位させることができる。
【0029】
次に、始動時に発生するピストン36の固着による飛び出し現象について、メータアウト回路2による制御方式よりもメータイン回路1による制御方式のほうが有効であることを以下に数式を用いて説明する。
【0030】
ここでは、図2に示す空気圧シリンダ40の速度制御回路41に基づいて考察する。
【0031】
なお、参照数字42aおよび42bは絞り、参照数字43はピストンをそれぞれ示し、また、図中および数式中に示される記号は、以下の通りである。
【0032】
A:ピストンの受圧面積
F:静止摩擦力とクーロン摩擦力を含む外力
Fs:最大固着力
M:可動部質量
P:一方のシリンダ室34aまたは他方のシリンダ室34bの圧力
R:気体定数
T:空気の温度(絶対温度)
v:速度
Vc:シリンダ40の容積
x:変位量
b:粘性摩擦係数
kp:速度制御弁の圧力−流量係数
κ:空気の比熱比
ζ:減衰係数
ωn :固有周波数
添字で示す符号は、Hはヘッド側、Rはロッド側、aは大気圧状態をそれぞれ示す。
【0033】
先ず、始動時に発生する固着による飛び出し現象について考える。ピストン43が飛び出す直線には、次の(1)式で示す力平衡方程式が成立する。
【0034】
【数1】
【0035】
ここで、0は飛び出し直前の初期状態を表す。ピストン43が最大固着力Fsに打ち勝って飛び出し、再び平衡状態に到達する。ここで、クーロン摩擦力と動摩擦力を無視すると、前記(1)式は次の(2)式のようになる。
【数2】
飛び出し過程では、時間が短いので、シリンダ室34a、34b内の空気の流入と流出を無視し、さらに一方のシリンダ室34aと他方のシリンダ室34b内の状態変位を等温的とすれば、気体状態方程式により(3)式が得られる。
【数3】
ここで、符号xj は、ピストン43が飛び出してから再び平衡状態となるまでに移動したピストン43の変位量(飛び出し距離)を示す。
【0036】
非対称性を無視し、すなわちPa(AH −AR )=0とすれば、上記した(1)式〜(3)式より、飛び出し距離xj は次式のように表される。
【0037】
【数4】
【0038】
(4)式より、最大固着力Fsが小さいほど、排気側の初期圧力Proが高いほど、ヘッド側とロッド側の初期容積が小さいほど、飛び出し距離xjを小さくすることができる。この場合、図13に示す従来技術に係るメータアウト回路2では、給気側がフリーフローとなるので、VH0≒∞、VR0≒Vcとなる。これに対して、図12に示す従来技術に係るメータイン回路1では、給気側が絞られて、排気側がフリーフローとなるので、VH0≒0、VRO≒∞となる。よって飛び出し現象の発生を防止する観点からは、メータイン回路1の方が好ましく、排気側の初期圧力を高くすることが望まれる。
【0039】
次に、スティックスリップ現象の発生を防止するための方法について考察する。
【0040】
通常、ピストン43の変位途中では可変絞り弁5の開度が固定されているため、ピストン43の変位速度の変動は、主に摩擦力等の負荷外力の変化に起因するものと考えられる。ここでは、回路の速度と外力の間の伝達関数を導出し、ピストン43の変位速度に及ぼす外力変化の影響を調べる。
【0041】
水平状態に取り付けられたシリンダ40に対して、ピストン43の運動方程式は次の(5)式で与えられる。
【0042】
【数5】
【0043】
シリンダ室34a、34b内の空気温度は供給空気温度に等しく、またシリンダ室34a、34b内の状態変化は断熱的であると仮定し、さらに非対称性を無視すれば、ピストン43の変位速度vと外力Fの間の伝達関数は次の(6)式のように表される。
【0044】
【数6】
【0045】
ここで、sはLaplace 変数である。
【数7】
(6)式は、外力の変化とこれにより生ずるピストン43の変位速度の変化の伝達関数関係を表している。この(6)式より、外力に起因するピストン43の変位速度の変化を小さくするためには、固有振動数ωn が高いほど望ましい。また、(7)式より、規格寸法が一定のシリンダ40に対して固有振動数ωn を高くするためには、排気側である他方のシリンダ室34b内の圧力を高く維持することが必要となる。
【0046】
以上の解析結果により、飛び出し現象を阻止するためにはメータイン制御が好ましく、排気側の初期圧力を高くすることが望まれる。また、スティックスリップ現象の発生を防止するためには、シリンダ室34a、34b内の圧力を高く維持することが有効であることがわかった。
【0047】
本発明の第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10は、このような考察に基づいて構成された回路であり、前記アクチュエータ制御回路10を用いることにより、始動時におけるピストン36の固着による飛び出し現象やスティックスリップ現象が発生することを阻止することができる。
【0048】
次に、第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10による応答特性曲線を図3に示す。この場合、供給圧(ゲージ圧)を0.5Mpa、圧力制御弁26、28の設定圧(ゲージ圧)を0.3Mpa、制御速度を65mm/sにそれぞれ設定して実験を行った。
【0049】
図3から諒解されるように、ヘッド側のシリンダ室34aの圧力PH およびロッド側のシリンダ室34bの圧力PR がそれぞれ設定圧に保持されながら略均一的な変位速度で駆動されていることがわかる。
【0050】
次に、第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10と、比較例に係るメータイン回路1(図12参照)およびメータアウト回路2(図13参照)とを用いて実験を行った。
【0051】
図4乃至図6は、空気圧シリンダ12のピストン36の変位速度を約1.7mm/sで連続駆動したときの応答特性曲線をそれぞれ示す。図4に示されるように、比較例に係るメータアウト回路2では、ピストン36の始動時に変位量xが急速に上昇する、いわゆる飛び出し現象が発生している。また、図5に示されるように、比較例に係るメータイン回路1では、ピストン36の変位途中に停止状態と変位状態とを間欠的に繰り返して階段状となるスティックスリップ現象が発生している。
【0052】
これに対して、図6に示されるように、この第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10では、前記飛び出し現象やスティックスリップ現象が発生せず、低速で安定してピストン36を変位させることができた。
【0053】
図7および図8は、速度1.3mm/sで作動している図示しないアクチュエータを、それぞれ2時間、16時間放置した後に再始動させた場合の最初のサイクル応答曲線を示している。図7および図8に示されるように、比較例に係るメータアウト回路2およびメータイン回路1では、放置後の応答に大きな飛び出し現象が発生しているのに対し、第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10では、そのような飛び出し現象が発生しないことがわかる。
【0054】
以上の実験結果から、第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10によれば、従来、回路に発生していた飛び出し現象やスティックスリップ現象の発生を阻止するために有効であることがわかった。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路50を図9に示す。なお、以下に示す実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路10と同一の構成要素には同一の参照数字を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
この第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路50は、シリンダ12と切換用電磁弁24との間の供給通路14側に第1速度制御弁52と第1圧力制御弁54とを並列に配設するとともに、排気通路18側に第2速度制御弁56と第2圧力制御弁58とを並列に配設している点で第1の実施の形態と構成的に相違している。この場合、第1速度制御弁52および第2速度制御弁56を構成するチェック弁4および可変絞り弁5は、それぞれ直列に接続して構成されている。また、第1圧力制御弁54および第2圧力制御弁58を構成するチェック弁30およびリリーフ弁32は、それぞれ直列に接続して構成されている。
【0057】
第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路50では、構成を簡素化することにより、より一層の小型・軽量化を図ることができるという利点が得られる。なお、その他の作用効果は、第1の実施の形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路60を図10に示す。
【0059】
この第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路60は、シリンダ12と切換用電磁弁24との間に第1速度制御弁16および第2速度制御弁20をそれぞれ並列に接続するとともに、さらに切換用電磁弁24と圧力流体供給源22との間の通路62中に第1リリーフ付減圧弁64aおよび第2リリーフ付減圧弁64b(リリーフ機構付圧力制御弁)をそれぞれ並列に接続して構成している。
【0060】
この場合、前記第1および第2リリーフ付減圧弁64a、64bは、それぞれ、圧力流体供給源22からの圧縮空気を減圧してシリンダ12の排気側のシリンダ室34b(34a)に供給することにより、前記排気側のシリンダ室34b(34a)の圧力を予め設定された設定圧に保持するとともに、排気側のシリンダ室34b(34a)の圧力が設定圧よりも高いときに圧力流体を大気中に排気することにより、前記排気側のシリンダ室34b(34a)の圧力を予め設定された所定圧に保持する機能を有する。
【0061】
ところで、図12に示す従来技術に係るメータイン回路1では、シリンダの駆動を長時間停止した後の再始動時において、ピストンが変位を開始するまでの時間が遅延する、いわゆる応答時間の遅れが発生するという不具合がある。
【0062】
すなわち、シリンダの停止時間が長い場合(ピストンの往復動作を長時間停止した場合)には、再始動時において供給側の流量が絞られるため、圧縮空気を充填してピストンを駆動させる所定圧となるまでに時間がかかり、その分だけピストンの始動が遅れて応答時間の遅れが発生するという不具合がある。
【0063】
これに対して、第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路60では、供給通路14にメータイン回路1と同一構成からなる第1速度制御弁16を設け、前記第1速度制御弁16によって一方のシリンダ室34aに供給される圧縮空気の流量を制御し、一方、シリンダ12から排気する際に、排気通路18と圧力流体供給源22との間に第2リリーフ付減圧弁64bを設け、前記第2リリーフ付減圧弁64bから充填される圧縮空気によって他方のシリンダ室34bの排気圧が予め設定された所定圧に保持される。
【0064】
従って、シリンダ12の駆動を長時間停止するときに、第2リリーフ付減圧弁64b(または第1リリーフ付減圧弁64a)を介して圧縮空気を充填することにより、排気側のシリンダ室34b(または一方のシリンダ室34a)が所定の圧力に保持される。この結果、圧縮空気が排気される他方のシリンダ室34b(または一方のシリンダ室34a)内の圧力を予め一定値に保持することにより、圧縮空気が他方のシリンダ室34b(または一方のシリンダ室34a)内に充填される時間が短縮され、従来技術に係るメータイン回路1と比較して応答時間の遅れを縮小することができるという利点がある(図11参照)。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0066】
すなわち、アクチュエータに供給される圧力流体の流量をメータイン制御方式により制御し、アクチュエータから排出される圧力流体の圧力を予め設定された所定圧力に保持することにより、スティックスリップ現象や飛び出し現象の発生を阻止し、アクチュエータの変位速度を、例えば、低速からなる所定の速度で安定して制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路の回路構成図である。
【図2】メータイン制御方式およびメータアウト制御方式の説明に供される回路構成図である。
【図3】前記アクチュエータ制御回路の圧力およびピストンと時間との関係を示す特性曲線図である。
【図4】従来技術に係るメータアウト回路の圧力と時間との関係を示す特性曲線図である。
【図5】従来技術に係るメータイン回路の圧力と時間との関係を示す特性曲線図である。
【図6】前記アクチュエータ制御回路の圧力と時間との関係を示す特性曲線図である。
【図7】アクチュエータを2時間放置した後に再始動させた場合の最初のサイクル応答曲線を示す図である。
【図8】アクチュエータを16時間放置した後に再始動させた場合の最初のサイクル応答曲線を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路の回路構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路の回路構成図である。
【図11】前記第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御回路と従来技術に係るメータイン回路の応答時間の遅れをそれぞれ示す特性曲線図である。
【図12】従来技術に係るアクチュエータの制御方法を示すメータイン回路の回路構成図である。
【図13】従来技術に係るアクチュエータの制御方法を示すメータアウト回路の回路構成図である。
【符号の説明】
10、50、60…アクチュエータ制御回路
12…空気圧シリンダ 14…供給通路
16、20、52、56…速度制御弁
24…切換用電磁弁 26、28、54、58…圧力制御弁
30…チェック弁 32…リリーフ弁
34a、34b…シリンダ室 36、43…ピストン
64a、64b…リリーフ付減圧弁
Claims (1)
- アクチュエータの変位速度を制御するメータイン回路が用いられた制御回路において、
圧縮空気が出入する一組のポートが設けられ、前記各ポートから供給される圧縮空気の作用下にピストンがシリンダ室に沿って変位する空気圧シリンダと、
圧縮空気供給源から導出される圧縮空気を前記空気圧シリンダの一方または他方のポートに切り換えて供給する切換用電磁弁と、
前記一組のポートと切換用電磁弁との間に設けられ、前記シリンダ室に供給される圧縮空気の流量を制御する一組の速度制御弁と、
前記圧縮空気供給源と前記切換用電磁弁との間に設けられ、前記シリンダ室に供給される圧縮空気の供給圧、又は、該シリンダ室から排気される圧縮空気の排気圧を、予め設定された所定圧にそれぞれ保持する一組のリリーフ付減圧弁と、
を備え、
前記リリーフ付減圧弁は、空気圧シリンダにおける排気側のシリンダ室の圧力が予め設定された所定圧に対して高い場合に、圧力流体を大気中に排気することにより、前記排気側のシリンダ室の圧力を前記所定圧に保持するとともに、前記排気側のシリンダ室の圧力が前記所定圧に対して低い場合に、圧縮空気供給源からの圧縮空気を減圧して空気圧シリンダの排気側のシリンダ室に供給することにより、前記圧力が前記所定圧に対して低くならないように保持することを特徴とするアクチュエータ制御回路。
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