JP4054866B2 - 布帛の漂白方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は布帛の還元剤と紫外線、及び/又は可視光(以下、紫外・可視光ともいう)照射の組み合わせによる漂白を行う際の、反応促進と長時間処理における再着色を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
布帛の漂白は、布帛に付着している着色物質を酸化剤又は還元剤で処理し、発色に関与する共役π電子系を切断する事により行っている。これらの工程は、工業的には上記酸化剤又は還元剤による0.5ないし2時間程度の煮沸とその後の洗浄を行うか、これらの薬剤の適当濃度の溶液をパディング等により布帛に付着させた後、これを95℃前後の蒸気雰囲気中で0.5〜1時間前後蒸熱することにより行っているが、一般的には木綿や麻などの植物性繊維織物の場合には酸化剤が多く用いられ、絹や毛織物の場合には還元剤が多く用いられている。また、家庭的には洗濯液等に漂白剤を加えることにより行われている。
【0003】
このような従来の漂白方法では、酸化剤又は還元剤と繊維内着色物質との反応は溶媒である水の加熱を通した熱エネルギーにより行っている。この方法は熱容量の大きい水を沸点まで加熱し、かつその温度を反応に要する時間保持する必要がある為に大きな熱量を要するものである為に反応塔全体が大型化されてしまう等の不具合があった。
【0004】
また、これらの漂白過程は多くの場合高温で行われるので、大量のエネルギーを要する多消費型プロセスであり、その為に多量の二酸化炭素の放出を伴うという問題も有している。
【0005】
現在では酸化剤として多くの場合、亜塩素酸塩や次亜塩素酸塩等のハロゲン系薬剤を用いた方法が用いられているが、これらのハロゲン原子を含む薬剤は環境に対する負荷が大きいという問題を有している。
【0006】
また、これらのハロゲン原子を含む薬剤は人体に対する危険性も大きいので、操業安全性にも問題を有している。
【0007】
その為に非ハロゲン系酸化剤として過酸化水素が用いられているが、過酸化水素は急激な反応により繊維を脆化する恐れがあるので、分解抑止剤を添加して分解を遅延させながら長時間掛けて徐々に反応させなければならないことから、蒸気熱を長時間に亘って使用しなければならず、その上繊維の仕上りが硬くなるという問題点がある。
【0008】
また還元剤としては、ハイドロサルファイトやSO等が使われるが、これらは漂白カが弱く漂白に対して十分な漂白効果が得られないという問題点もあった。
【0009】
以上述べた問題点を解決するために、水素化ホウ素ナトリウム又は過酸化水素とレーザー照射(特開平11−43861)、及び水素化ホウ素ナトリウムと通常の紫外光源による光照射(特開平11−43862)が報告されているが、紫外可視光照射の継続により布帛が再着色するという問題が有る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は布帛の還元剤と紫外・可視光照射の組み合わせによる漂白を行う際の、漂白の促進と長時間処理における再着色を防止する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような、布帛の漂白における反応促進と再着色の問題を克服するため鋭意研究を重ねた結果、有機光化学的知見、紫外・可視光反応、及びレーザー反応の特徴を組み合わせることにより、その目的が達成しうることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば、布帛を還元剤と紫外線照射の組み合わせにより漂白を行う方法において、脂肪族アミンを添加することを特徴とする布帛の漂白方法が提供される。
【0013】
すなわち、本発明方法は、布帛を、還元剤と紫外・可視光照射の組み合わせにより漂白する方法において、漂白の促進と長時間処理における再着色を防止するために、脂肪族アミンを添加することを特徴とする。
本発明の漂白方法は、基本的に、紫外・可視光照射により布帛に含まれている着色物質の芳香環や多重結合から成るπ電子共役系化合物が、基底状態から励起状態への電子励起が起こり、その結果、より活性な性質を有する状態に転じ、そのことにより還元剤との反応性が高まり該着色物質の分解反応若しくは無色化反応が促進する機構、或いはその逆に該紫外・可視光照射により還元剤がより活性な物質に転じ、そのことにより着色物質との反応性が向上し、該着色物質の分解若しくは無色化反応が増大する機構等を伴うものであると解釈できるが、必ずしもこの反応機構に限定されるものではなく、脂肪族アミンの存在下で紫外・可視光を照射することにより起こる反応を包括し、本発明者は、脂肪族アミンはこれらの反応を効果的に促進する物質であることを確認した。
また、本発明者は、上記のような長時間処理における再着色の原因は、布帛に付着している着色物質の酸化剤又は還元剤処理により、発色に関与する共役π電子系が切断され、生成した無色の化合物が光による二次的反応により再び共役π電子系を形成すること等の二次反応によるものであり、この二次反応を抑制又は防止すること、及び/又は再生成した共役π電子系を再び切断することにより無色化すること等の二次反応生成物の無色化により再着色が防げるものと考え、更に検討を進めた結果、脂肪族アミンが、このような再着色防止剤として有効であることを確認した。
【0014】
本発明方法で用いる脂肪族アミンとしては、分子内に少なくとも一つ以上のアミノ基を有するものであればよく、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アミノエタンやトリエタノールアミン、1,2−ジアミノエタンや1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。
本発明で好ましく用いられる脂肪族アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等である。
【0015】
脂肪族アミンは単独で使用しても良いが、紫外・可視光を透過する溶媒に溶解、若しくは混合等させて使用することができる。溶媒としては水、アルコール類、鎖状または環状のアルカン類、エーテル類、等の紫外可視光を透過する溶媒、或いはそれらの混合溶媒を用いる事が出来る。
【0016】
脂肪族アミンを紫外・可視光を透過する溶媒と混合して用いる場合には、その混合比には特に制限は無い。また、脂肪族アミンを紫外・可視光を透過する溶媒に溶解して用いる場合にも、その濃度に特に制限は無く、溶媒に対する脂肪族アミンの飽和濃度以下であればよいが、好ましくは溶媒に対して0〜50重量%、より好ましくは0〜30重量%とするのが適当である。
【0017】
これらの脂肪族アミン溶液をパディングやスプレー等により布帛に含ませ、この布帛が静止した状態、又は移動している状態で光照射を行えばよい。光照射温度には特に制限は無く、用いた脂肪族アミン溶液の凝固点以上、沸点以下であればよいが、好ましくは−80℃〜100℃、より好ましくは0〜50℃である。
【0018】
脂肪族アミンを添加した還元剤と紫外・可視光の組み合わせによる漂白においては、紫外・可視光としては180〜800nmの、好ましくは190〜600nmの紫外・可視光を用いることが望ましい。紫外・可視光源としては特に制限はなく、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン灯等の通常の光源や、各種エキシマランプ等を用いることができる。照射光強度にも特に制限は無いが、紫外・可視光として0.1mW〜10kWの光源が適している。
【0019】
紫外・可視光源としてレーザーを用いる場合には、レーザー光源としては特に制限はなく、レーザー光はパルス光でも連続照射光でもよいが、エキシマレーザー(ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、XeFエキシマレーザー等)、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、YAGレーザーの第2、及び第3高調波等を用いることができる。紫外・可視レーザー光としては、特別な制約はないが、波長が180〜800nm、好ましくは190〜600nm程度のものを用いることが望ましい。レーザー照射光強度にも特に制限は無いが、パルス光では0.1mJ/パルス〜1kJ/パルス、連続光は0.1mW〜10kWの光源が適している。
【0020】
本発明の漂白対象となる布帛は、未漂白でも漂白済みの何れであってもよい。このような布帛としては、たとえば、生機、糊抜済布帛、精錬済布帛、漂白後の使用により着色した布帛、染色された布帛等の着色布帛等が挙げられる。
【0021】
光照射時間は、布帛の着色度、脂肪族アミン、溶媒の種類、溶液の濃度、更には、照射紫外・可視光の種類や光強度等を考慮することにより適宜定められる。光照射後に、還元剤、脂肪族アミン、及びその光反応等により生じた化合物を溶媒等により除去し、引き続き乾燥する事により布帛の漂白を完了することが出来る。
【0022】
【実施例】
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【0023】
実施例1
糊抜精錬済み綿布を6%の水素化ホウ素ナトリウム、6%のエチルアミンを含む水溶液にてパディングした後、40mJ/cm・パルス、5Hzのクリプトンフッ素エキシマレーザーを20分間照射した後洗浄し、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)を測定したところ、それぞれ57.71と0.32であった。
【0024】
実施例2
実施例1と同様の操作を、6%のエチルアミンの代わりに6%のジエチルアミンを用いて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ57.86と0.31であった。
【0025】
実施例3
実施例1と同様の操作を、6%のエチルアミンの代わりに6%のトリエチルアミンを用いて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ56.99と0.29であった。
【0026】
実施例4
実施例1と同様の操作を、6%のエチルアミンの代わりに6%のジイソプロピルアミンを用いて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ57.44と0.34であった。
【0027】
比較例1
糊抜精錬済み綿布を水で洗浄し、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)を測定したところ、それぞれ31.63と9.74であった。
【0028】
比較例2
実施例1と同様の操作を、添加剤を用いずに6%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液のみで行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ56.31と1.23であった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に従うと、布帛の還元剤と紫外・可視光照射の組み合わせによる漂白を行う際の、反応促進と長時間処理における再着色を防止することができる。したがって、反応が促進されると共に長時間処理による再着色が起こる、という難点が除かれるので、本発明は布帛の漂白法として好適である。

Claims (1)

  1. 布帛を還元剤と紫外線照射の組み合わせにより漂白を行う方法において、脂肪族アミンを添加することを特徴とする布帛の漂白方法。
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