JP3579721B2 - 布帛の漂白方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は布帛の漂白を、薬液と紫外線、及び/可視光(以下、紫外・可視光ともいう)の光源からの光エネルギーを用いて行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
布帛の漂白は、布帛に付着している着色物質を酸化剤又は還元剤で処理し、発色に関与する共役π電子系を切断する事により行っている。これらの工程は、工業的には上記酸化剤又は還元剤による0.5ないし2時間程度の煮沸とその後の洗浄を行うか、これらの薬剤の適当濃度の溶液をパディング等により布帛に付着させた後、これを95℃前後の蒸気雰囲気中で0.5〜1時間前後蒸熱することにより行っているが、一般的には木綿や麻などの植物性繊維織物の場合には酸化剤が多く用いられ、絹や毛織物の場合には還元剤が多く用いられている。また、家庭的には洗濯液等に漂白剤を加えることにより行われている。
【0003】
このような従来の漂白方法では、酸化剤又は還元剤と繊維内着色物質との反応は溶媒である水の加熱を通した熱エネルギーにより行っている。この方法は熱容量の大きい水を沸点まで加熱し、かつその温度を反応に要する時間保持する必要がある為に大きな熱量を要するものである為に反応塔全体が大型化されてしまう等の不具合があった。
【0004】
また、これらの漂白過程は高温で行われるので、大量のエネルギーを要する多消費型プロセスであり、その為に多量の二酸化炭素の放出を伴うという問題も有している。
【0005】
現在では酸化剤として多くの場合、亜塩素酸塩や次亜塩素酸塩等のハロゲン系薬剤を用いた方法が用いられているが、これらのハロゲン原子を含む薬剤は環境に対する負荷が大きいという問題を有している。
【0006】
また、これらのハロゲン原子を含む薬剤は人体に対する危険性も大きいので、操業安全性にも問題を有している。
【0007】
その為に非ハロゲン系酸化剤として過酸化水素が用いられているが、過酸化水素は急激な反応により繊維を脆化する恐れがあるので、分解抑止剤を添加して分解を遅延させながら長時間掛けて徐々に反応させなければならないことから、蒸気熱を長時間に亘って使用しなければならず、その上繊維の仕上りが硬くなるという問題点がある。
【0008】
また還元剤としては、ハイドロサルファイトやSO2等が使われるが、これらは漂白カが弱く漂白に対して十分な漂白効果が得られないという問題点もあった。
【0009】
以上述べた問題点を解決するために、水素化硼素ナトリウムなどの還元剤や過酸化水素や大過剰の水酸化ナトリウムと過炭酸ソーダなどからなる酸化剤と通常の紫外光源による光照射が報告されているが(特開平11−43861号、特開平11−43862号)、ホウ素は近年環境基準健康項目に指定された為、その大量の使用は避ける必要が有るという問題が生じた。
【0010】
この様に、いずれの場合も従来法と比べて、(I)十分な漂白効果が得られない、(II)長時間の処理時間を要する、(III)高温処理を要する、(IIII)環境負荷物質を用いる、等の少なくとも一つの問題点をかかえている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高温下での長時間の処理を要することなく室温で実施できると共に環境負荷が小さく操業安全性に優れ、しかも二酸化炭素排出の削減が可能な省エネルギー的漂白方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような、布帛の漂白に際しての難点を克服するため鋭意研究を重ねた結果、有機光化学的知見、紫外・可視光反応、及びレーザー反応の特徴を組み合わせることにより、その目的が達成しうることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)布帛を紫外線、及び/又は可視光照射により漂白する方法において、還元剤及び酸化剤の非在下、アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物を添加することを特徴とする布帛の漂白方法、
(2)アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物としてその溶液を用いることを特徴とする(1)に記載の方法、
(3)アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物と共に溶媒を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の布帛の漂白方法、
(4)溶媒がプロティック溶媒であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の布帛の漂白方法。
(5)アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物が脂肪族アミド及び/又は脂肪族イミドであることを特徴とする(1)乃至(4)何れかに記載の布帛の漂白方法、
(6)アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物が芳香族アミド及び/又は脂肪族イミドであることを特徴とする(1)乃至(4)何れかに記載の布帛の漂白方法、
(7)補助添加剤として、アンモニウム化合物、水酸基含有有機化合物、アミノ基含有有機化合物、カルボシキル基含有有機化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を用いたこと特徴とする(1)乃至(6)何れかに記載の布帛の漂白方法、
(8)紫外線、及び/又は可視光照射の波長が190〜600nmであることを特徴とする(1)乃至(7)何れかに記載の布帛の漂白方法、
(9)紫外線、及び/又は可視光照射がそのレーザー光であることを特徴とする(1)乃至(8)何れかに記載の布帛の漂白方法、
を提供するものである。
【0014】
すなわち、本発明方法は、布帛を紫外・可視光照射して漂白する方法において、高温下での長時間の処理を必要とせず室温で行え、環境負荷が小さく操業安全性に優れ、しかも二酸化炭素排出の削減が可能な省エネルギー的漂白方法を実現するために、アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物を添加することを特徴とする。
本発明の漂白方法は、基本的に、紫外・可視光照射により布帛に含まれている着色物質の芳香環や多重結合から成るπ電子共役系化合物が、基底状態から励起状態へ電子励起され、その結果、より活性な性質を有する状態に転じ、そのことによりアミド基及び/又はイミド基含有有機化合物との反応性が高まり該着色物質の分解反応若しくは無色化反応が促進する機構、或いはその逆に該紫外可視光照射によりアミド基及び/又はイミド基含有有機化合物がより活性な物質に転じ、そのことにより着色物質との反応性が向上し、該着色物質の分解若しくは無色化反応が増大する機構等を伴うものであると解釈できるが、必ずしもこの反応機構に限定されるものではなく、紫外・可視光を照射することにより起こる反応を包括し、本発明者は、アンモニウム化合物、水酸基含有有機化合物、アミノ基含有有機化合物、カルボシキル基含有有機化合物がこれらの反応を効果的に促進する物質であることを確認した。
【0015】
本発明方法で用いるアミド及び/又はイミド基含有有機化合物としては、脂肪族アミド、芳香族アミド、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族アミド、脂肪族イミド、芳香族イミド、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族イミド等を用いれば良いが、これらの化合物に限定される物ではなく、分子内に少なくとも一つのアミド及び/又はイミド基が有ればよい。脂肪族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族基、芳香族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万の芳香族基等が例示される。上記の芳香族基には部分構造としてピリジンやフラン等に代表されるヘテロ原子を含む複素環も含む。本発明で特に好ましく用いられるアミド及び/又はイミド基含有有機化合物は、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、スクシンアミド、オキサミド、カルボキシイミド、スクシンイミド等である。
【0016】
アミド及び/又はイミド基含有有機化合物はその溶液として用いることが好ましく、また単独で使用しても良いが、紫外・可視光を透過する溶媒に溶解、若しくは混合等させて使用することができる。溶媒としては水、アルコール類、鎖状または環状のアルカン類、エーテル類、等の紫外可視光を透過する溶媒、或いはそれらの混合溶媒を用いることができるが、水、アルコール類、アミン類、等のプロティック溶媒が適しており、プロティック溶媒としては有機及び無機のいずれでも良い。本発明で特に好ましく使用されるプロティック溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどである。好ましい溶媒は水である。
【0017】
アミド及び/又はイミド基含有有機化合物を紫外・可視光を透過する溶媒と混合して用いる場合には、その混合比には特に制限は無い。また、アミド及び/又はイミド基含有有機化合物を紫外・可視光を透過する溶媒に溶解して用いる場合にも、その濃度に特に制限は無く、溶媒に対するアミド及び/又はイミド基含有有機化合物の飽和濃度以下であればよいが、好ましくは溶媒に対して0〜50重量%、より好ましくは0〜30重量%とするのが適当である。
【0018】
本発明方法で用いる添加剤は、アミド及び/又はイミド基含有有機化合物を必須成分とするものであるが、その漂白効果を高めるために、アンモニウム化合物、水酸基含有有機化合物、アミノ基含有有機化合物及びカルボシキル基含有有機化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を補助添加剤として用いることができる。
【0019】
アンモニウム化合物としては、有機又は無機の置換基、及び無機又は有機の一価、又は二価、又は三価の陰イオンを有するもの等を用いる事が出来る。有機置換基としては、脂肪族基、芳香族基、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族基、脂肪族エーテル基、芳香族エーテル基、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族エーテル基等が、無機置換基としては水酸基、アミノ基、アンモニウム基等が例示される。脂肪族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族基、芳香族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万の芳香族基、脂肪族エーテル基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族エーテル基、芳香族エーテル基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万芳香族エーテル基等が例示される。上記の芳香族基には部分構造としてピリジンやフラン等に代表されるヘテロ原子を含む複素環も含む。有機陰イオンとしては、脂肪族基、芳香族基、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族基を有するカルボン酸イオン、スルホン酸イオン等が、無機陰イオンとしては、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、ハロゲンイオン、四ホウ酸イオン等が例示される。有機陰イオンにおける、脂肪族基、芳香族基、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族基は、上記有機置換基において用いられたものと同様のものが好ましく用いられる。本発明で特に好ましく用いられるアンモニウム化合物は一つ以上の水素を有するアンモニウム化合物で、硫酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、塩化アンモニウム等である。
【0020】
水酸基含有有機化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族アルコール等を用いれば良いが、これらの化合物に限定される物ではなく、分子内に少なくとも一つの水酸基が有ればよい。脂肪族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族基、芳香族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万の芳香族基等が例示される。上記の芳香族基には部分構造としてピリジンやフラン等に代表されるヘテロ原子を含む複素環も含む。本発明で特に好ましく用いられる水酸基含有有機化合物はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1,1−ジメチルエチルアルコール、フェノール、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、各種トリヒドロキシベンゼン等である。
【0021】
アミノ基含有有機化合物としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族アミン等を用いれば良いが、これらの化合物に限定される物ではなく、分子内に少なくとも一つのアミノ基が有ればよい。脂肪族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族基、芳香族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万の芳香族基等が例示される。上記の芳香族基には部分構造としてピリジンやフラン等に代表されるヘテロ原子を含む複素環も含む。アミノ基としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、及びアンモニア、ジアミノエタンやトリエタノールアミン等のアミノ基を複数有する化合物、モルフォリン、ピペリジン等の単環性アミン、キヌクリジンやジアザビシクロオクタン等の二環性や多環性アミン、ピリジンなどの芳香族アミン等があるが、これらの物に限定されるわけではない。また、本発明で特に好ましく用いられるアミノ基含有有機化合物はエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロピルアミン、アニリン、ジアミノエタン等である。
【0022】
カルボキシル基含有有機化合物としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、分子内にヘテロ原子を含む脂肪族及び芳香族カルボン酸等を用いれば良いが、これらの化合物に限定される物ではなく、分子内に少なくとも一つのカルボキシル基が有ればよい。脂肪族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数1〜1万の脂肪族基、芳香族基としては、好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜10万、より好ましくは炭素及びヘテロ原子の数6〜1万の芳香族基等が例示される。上記の芳香族基には部分構造としてピリジンやフラン等に代表されるヘテロ原子を含む複素環も含む。本発明で特に好ましく用いられるカルボキシル基含有有機化合物はギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、オレイン酸、フマール酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、等である。
【0023】
本発明の漂白方法を行うには、アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物、その溶液又は該化合物と溶媒との混合物、更に必要に応じて上記補助添加剤を加えた混合物等をパディングやスプレー等により布帛に含ませ、この布帛が静止した状態、又は移動している状態で光照射を行えばよい。光照射温度には特に制限はなく、用いたアミド基及び/又はイミド基含有有機化合物、その溶液あるいは該有機化合物と溶媒との混合物の凝固点以上、沸点以下であればよいが、好ましくは−80℃〜100℃、より好ましくは0〜50℃である。
【0024】
紫外・可視光としては180〜800nmの、好ましくは190〜600nmの紫外・可視光を用いることが望ましい。紫外・可視光源としては特に制限はなく、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン灯等の通常の光源や、各種エキシマランプ等を用いることができる。照射光強度にも特に制限は無いが、紫外・可視光として0.1mW〜10kWの光源が適している。
【0025】
レーザー光源としては特に制限はなく、レーザー光はパルス光でも連続照射光でもよいが、エキシマレーザー(ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、XeFエキシマレーザー等)、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、YAGレーザーの第2、及び第3高調波等を用いることができる。
【0026】
紫外・可視レーザー光としては、特別な制約はないが、波長が180〜800nm、好ましくは190〜600nm程度のものを用いることが望ましい。レーザー照射光強度にも特に制限は無いが、パルス光では0.1mJ/パルス〜1kJ/パルス、連続光は0.1mW〜10kWの光源が適している。
【0027】
光照射時間は、布帛の着色度、アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物や溶媒の種類、溶液の濃度、添加剤の種類や濃度、更には、照射紫外・可視光の種類や光強度等を考慮することにより適宜定められるが、通常、1〜60分もあれば充分である。光照射後に、水酸基含有有機化合物及びその光反応等により生じた化合物等を、溶媒等により除去し引き続き乾燥することにより布帛の漂白を完了することができる。
【0028】
【実施例】
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【0029】
実施例1
糊抜精錬済み綿布を6%ホルムアミド水溶液にてパディングした後、40mJ/cm・パルス、5Hzのクリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射した後洗浄し、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)を測定したところ、それぞれ44.52と4.72であった。
【0030】
実施例2
実施例1と同様の操作を、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ48.89と3.38であった。
【0031】
実施例3
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%メチルアルコールを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ46.46と4.26であった。
【0032】
実施例4
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%メチルアルコールを加え、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ51.50と2.51であった。
【0033】
実施例5
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%エチルアルコールを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ45.99と4.29であった。
【0034】
実施例6
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%エチルアルコールを加え、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ50.60と2.65であった。
【0035】
実施例7
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%イソプロピルアルコールを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ44.88と4.58であった。
【0036】
実施例8
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%イソプロピルアルコールを加え、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ50.60と2.65であった。
【0037】
実施例9
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%1,1−ジメチルエチルアルコールを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ45.68と6.61であった。
【0038】
実施例10
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%1,1−ジメチルエチルアルコールを加え、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ48.98と3.48であった。
【0039】
実施例11
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%ジイソプロピルアミンを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ45.11と4.99であった。
【0040】
実施例12
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%ジイソプロピルアミンを加え、クリプトンフッ素エキシマレーザーを5分間照射する代わりに20分照射して行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ49.98と2.72であった。
【0041】
実施例13
実施例1と同様の操作を、添加剤として6%硫酸アンモニウムを加えて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ45.70と4.20であった。
【0042】
比較例1
糊抜精錬済み綿布を水で洗浄し、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)を測定したところ、それぞれ31.63と9.74であった。
【0043】
比較例2
実施例1と同様の操作を、6%ホルムアミド水溶液の代わりに水を用いて行ったところ、布帛(1枚)の白色度(JIS Z 8715)と黄色度(JIS K 7103)は、それぞれ41.51と5.86であった。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に従うと、布帛の漂白を紫外・可視光照射下で、還元剤及び酸化剤の非在下、アミド及び/又はイミド基含有有機化合物を用いて室温で行うことができる。したがって、従来法の欠点であるハロゲン原子を含む漂白剤を用いることによる環境への大きな負荷と操業安全性の問題、及び高温で処理を行うことによる大量の二酸化炭素排出と多量のエネルギーの消費、という難点が除かれるので、本発明は布帛の漂白法として好適である。

Claims (9)

  1. 布帛を、紫外線、及び/又は可視光照射により漂白する方法において、還元剤及び酸化剤の非在下、アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物を添加することを特徴とする布帛の漂白方法。
  2. アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物としてその溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物と共に溶媒を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の布帛の漂白方法。
  4. 溶媒がプロティック溶媒であることを特徴とする請求項2又は3に記載の布帛の漂白方法。
  5. アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物が脂肪族アミド/及び/又はイミドであることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の布帛の漂白方法。
  6. アミド基及び/又はイミド基含有有機化合物が芳香族アミド/及び/又はイミドであることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の布帛の漂白方法。
  7. 補助添加剤として、アンモニウム化合物、水酸基含有有機化合物、アミノ基含有有機化合物、カルボシキル基含有有機化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を用いたこと特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の布帛の漂白方法。
  8. 紫外線、及び/又は可視光の波長が190〜600nmであることを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の布帛の漂白方法。
  9. 紫外線、及び/可視光がそのレーザー光であることを特徴とする請求項1乃至8何れかに記載の布帛の漂白方法。
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