JP3787612B2 - パルプ漂白方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルプの漂白方法に関し、更に詳しくは酸化剤を用いるパルプ漂白法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材中の純粋な繊維は、通常、無色であるが、木材等を加工することにより得られる粗パルプには種々の不純物が含まれるために着色している。これを白色度の高い紙の原料とするためには、着色不純物を薬剤などにより分解、又は無色化する漂白工程を必要とする。
【0003】
従来、このような漂白薬剤としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素等が用いられているが、ハロゲン原子を含む薬剤は環境に対する負荷が大きく、また人体に対する危険性も大きいので、操業安全性に問題があり、また、これらの漂白過程は多くの場合に高温で行われるので、大量のエネルギーを要する多消費型プロセスであり、その為に多量の二酸化炭素の放出を伴うという難点も包含している。
【0004】
これらの問題点を解決するために、過酸化水素を用いる方法が報告されており、その中で通常の光の照射を行いながら過酸化水素と処理する方法が提案されている(例えば、Koplik, M.; Milichovsky, M. "Photochemical bleaching of paper webs", Cellul. Chem. Technol., 32, 349 (1998);Ruggiero, R.; Machado, A. E. H.; Da S. P. D.;Grelier, S.; Nourmamode, A.; Castellan, A. "Bleached chemical pulp from Eucalyptus grandis wood produced by peroxyformic acid pulping and photochemical bleaching", Holzforschung, 52, 325 (1998))。
しかし、この方法では過酸化水素の紫外・可視光照射による光化学反応過程により生じたヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかなく、その結果、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られない、処理時間が長い、といった問題点をかかえている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、充分な漂白効果が短時間に達成できると共に環境に優しいパルプの漂白方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる従来技術の難点を解消するために鋭意検討した結果、レーザー光化学反応の特徴を利用する方法が有効であることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち本発明によれば、
第一に、過酸化水素と光を用いるパルプの漂白方法において、光源として紫外レーザー光又は可視レーザー光(以下、紫外・可視レーザー光ともいう)を照射することを特徴とするパルプの漂白方法が提供される。
【0008】
すなわち、従来の過酸化水素と通常の紫外・可視光を用いる漂白方法においては、過酸化水素の紫外・可視光照射による光化学反応過程により生じたヒドロキシラジカルが、該着色物質と反応して該着色物質の分解若しくは無色化反応を起こすものと考えられるが、過酸化水素の紫外可視領域のモル吸光係数は通常の芳香族化合物や共役系を有する有機化合物と比べて極端に小さいので、光化学的に発生するヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかなく、その結果、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られないこと、処理時間が長いこと、といった問題点を包含していたが、本発明においては、紫外・可視レーザー光を照射するという特有な手段を採用したことから、該着色物質の分解若しくは無色化反応を行うために必要なヒドロキシラジカルの濃度を高くすることが可能となり、従来の紫外・可視光を照射した場合に比べ該反応が著しく高速化されることから、その漂白時間に要する時間が短縮されるといった顕著な作用効果を呈する。更に、従来の紫外・可視光照射による光化学的ヒドロキシラジカル生成は一光子過程のみによるものであるのに対し、レーザー光を用いると、一光子過程の他に多光子過程によるヒドロキシラジカル生成の可能性も高くなる為に、更に漂白時間に要する時間の短縮効果が促進されるといった作用効果が期待できる。
【0009】
本発明の漂白の対象となるパルプには、木材より得られる機械パルプ、半化学パルプ、化学パルプの他、回収古紙より得られる古紙パルプ、藁や亜麻等から得られる非木材パルプ等が包含される。
【0010】
本発明における過酸化水素は単独で用いても良いが、紫外・可視光を透過する溶媒に分散若しくは溶解させて使用することが望ましい。
このような溶媒としては、水、アルコール類、鎖状または環状のアルカン類、エーテル類等の単独溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられるが、過酸化水素を溶解または分散する溶媒、或いは混合溶媒であればその種類に限定されない。
過酸化水素の使用量は特に制限はないが、好ましくは溶媒に対する過酸化水素の飽和濃度以下であれば良く、より好ましくは0.1〜20重量%とするのが適当である。
【0011】
本発明においては、上記したようにパルプを過酸化水素の存在下で漂白する工程において、紫外・可視レーザー光を照射してパルプを漂白する。
【0012】
紫外可視レーザー光としては、特別な制約はないが、波長が180〜800nm、好ましくは180〜400nm程度のものを用いることが望ましい。
レーザー光源としては特に制限はなく、またレーザー光はパルス光でも連続照射光でもよいが、エキシマレーザー(ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、XeFエキシマレーザー等)、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、YAGレーザーの第2、及び第3高調波等が好ましく使用される。
【0013】
光照射強度に特に制限は無いが、パルス光では0.1mJ/パルス・cm2〜1kJ/パルス・cm2、連続光は0.1mW〜10kW/cm2が適している。
光照射温度にも特に制限は無く、用いた溶媒及び過酸化水素の凝固点以上、沸点以下であればよいが、好ましくは−80℃〜100℃、より好ましくは0〜40℃である。
光照射時間は、原料パルプの着色度、過酸化水素あるいは溶媒の種類やその濃度更には、用いる紫外・可視レーザー光の種類や光強度等を考慮することにより適宜定められるが、通常、1秒〜30分もあれば充分である。
【0014】
本発明方法は、粗パルプと過酸化水素を接触させた所に紫外・可視レーザー光を照射すればよく、特にその実施の態様に制限はない。好ましい実施の態様としては、例えば、原料パルプを、酸化剤を含む紫外・可視レーザー光を透過する溶媒に、分散、溶解した後、紫外・可視レーザー光を照射する方法、原料パルプをシート状、或いは薄片状に成型した後、これを上記の酸化剤を含む溶媒に含浸、あるいは含浸させた後、紫外・可視レーザー光を照射する方法等が挙げられる。
【0015】
【実施例】
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
実施例1
粗パルプ約0.11g(乾燥重量)を30mlの6%過酸化水素水溶液に分散させ、この分散液に400mJ/パルスで半値全幅が23ナノ秒のクリプトンフッ素エキシマレーザーを5Hzで1分間照射した(実質光照射時間、6.9マイクロ秒)。この分散液を濾過し、引き続き濾過物を水で洗浄した。洗浄後の濾過物を直径約2.5cmの円盤状にし、乾燥後、該パルプの白色度(JIS Z 8715)を拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により測定したところ、−44であった。
【0017】
実施例2
実施例1において、その照射時間を10分間(実質光照射時間、69マイクロ秒)に代えた以外は同様の漂白操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS
Z 8715)は、−35であった。
【0018】
実施例3
実施例1において、その照射時間を20分間(実質光照射時間、138マイクロ秒)に代えた以外は同様の漂白操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS Z 8715)は、−22であった。
【0019】
比較例1
粗パルプ約0.11g(乾燥重量)を30mlの水に分散させ、この分散液を濾過し、直径約2.5cmの円盤状にし、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計によりパルプの白色度(JIS Z 8715)を測定したところ−55であった。
【0020】
比較例2
実施例1において、400mJ/パルス、5Hzのクリプトンフッ素エキシマレーザーに代えて、Toshiba UV−25フィルターを装着した500Wのキセノンランプを1分間照射した(実質光照射時間、1分間)以外は実施例1と同様の操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS Z 8715)は、−140であった。
【0021】
【発明の効果】
従来の、過酸化水素と通常の紫外・可視光を用いる漂白方法においては、過酸化水素の紫外可視領域のモル吸光係数が通常の芳香族化合物や共役系を有する有機化合物と比べて極端に小さいので、光化学的に発生するヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかないことから、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られない、処理時間が長いといった問題点を包含していたが、本発明においては、紫外・可視レーザー光を照射するという特有な手段を採用したことから、該着色物質の分解若しくは無色化反応を行うために必要なヒドロキシラジカルの濃度を高くすることが可能となると共に、多光子過程によるヒドロキシラジカル生成の可能性も高くなることより、更にヒドロキシラジカルの濃度を高くすることができるため、上記着色物質の分解反応や無色化反応が促進され、従来の紫外・可視光を照射した場合に比べ該反応が著しく高められることから、その漂白時間に要する時間を短縮するといった顕著な作用効果を呈する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルプの漂白方法に関し、更に詳しくは酸化剤を用いるパルプ漂白法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材中の純粋な繊維は、通常、無色であるが、木材等を加工することにより得られる粗パルプには種々の不純物が含まれるために着色している。これを白色度の高い紙の原料とするためには、着色不純物を薬剤などにより分解、又は無色化する漂白工程を必要とする。
【0003】
従来、このような漂白薬剤としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素等が用いられているが、ハロゲン原子を含む薬剤は環境に対する負荷が大きく、また人体に対する危険性も大きいので、操業安全性に問題があり、また、これらの漂白過程は多くの場合に高温で行われるので、大量のエネルギーを要する多消費型プロセスであり、その為に多量の二酸化炭素の放出を伴うという難点も包含している。
【0004】
これらの問題点を解決するために、過酸化水素を用いる方法が報告されており、その中で通常の光の照射を行いながら過酸化水素と処理する方法が提案されている(例えば、Koplik, M.; Milichovsky, M. "Photochemical bleaching of paper webs", Cellul. Chem. Technol., 32, 349 (1998);Ruggiero, R.; Machado, A. E. H.; Da S. P. D.;Grelier, S.; Nourmamode, A.; Castellan, A. "Bleached chemical pulp from Eucalyptus grandis wood produced by peroxyformic acid pulping and photochemical bleaching", Holzforschung, 52, 325 (1998))。
しかし、この方法では過酸化水素の紫外・可視光照射による光化学反応過程により生じたヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかなく、その結果、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られない、処理時間が長い、といった問題点をかかえている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、充分な漂白効果が短時間に達成できると共に環境に優しいパルプの漂白方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる従来技術の難点を解消するために鋭意検討した結果、レーザー光化学反応の特徴を利用する方法が有効であることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち本発明によれば、
第一に、過酸化水素と光を用いるパルプの漂白方法において、光源として紫外レーザー光又は可視レーザー光(以下、紫外・可視レーザー光ともいう)を照射することを特徴とするパルプの漂白方法が提供される。
【0008】
すなわち、従来の過酸化水素と通常の紫外・可視光を用いる漂白方法においては、過酸化水素の紫外・可視光照射による光化学反応過程により生じたヒドロキシラジカルが、該着色物質と反応して該着色物質の分解若しくは無色化反応を起こすものと考えられるが、過酸化水素の紫外可視領域のモル吸光係数は通常の芳香族化合物や共役系を有する有機化合物と比べて極端に小さいので、光化学的に発生するヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかなく、その結果、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られないこと、処理時間が長いこと、といった問題点を包含していたが、本発明においては、紫外・可視レーザー光を照射するという特有な手段を採用したことから、該着色物質の分解若しくは無色化反応を行うために必要なヒドロキシラジカルの濃度を高くすることが可能となり、従来の紫外・可視光を照射した場合に比べ該反応が著しく高速化されることから、その漂白時間に要する時間が短縮されるといった顕著な作用効果を呈する。更に、従来の紫外・可視光照射による光化学的ヒドロキシラジカル生成は一光子過程のみによるものであるのに対し、レーザー光を用いると、一光子過程の他に多光子過程によるヒドロキシラジカル生成の可能性も高くなる為に、更に漂白時間に要する時間の短縮効果が促進されるといった作用効果が期待できる。
【0009】
本発明の漂白の対象となるパルプには、木材より得られる機械パルプ、半化学パルプ、化学パルプの他、回収古紙より得られる古紙パルプ、藁や亜麻等から得られる非木材パルプ等が包含される。
【0010】
本発明における過酸化水素は単独で用いても良いが、紫外・可視光を透過する溶媒に分散若しくは溶解させて使用することが望ましい。
このような溶媒としては、水、アルコール類、鎖状または環状のアルカン類、エーテル類等の単独溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられるが、過酸化水素を溶解または分散する溶媒、或いは混合溶媒であればその種類に限定されない。
過酸化水素の使用量は特に制限はないが、好ましくは溶媒に対する過酸化水素の飽和濃度以下であれば良く、より好ましくは0.1〜20重量%とするのが適当である。
【0011】
本発明においては、上記したようにパルプを過酸化水素の存在下で漂白する工程において、紫外・可視レーザー光を照射してパルプを漂白する。
【0012】
紫外可視レーザー光としては、特別な制約はないが、波長が180〜800nm、好ましくは180〜400nm程度のものを用いることが望ましい。
レーザー光源としては特に制限はなく、またレーザー光はパルス光でも連続照射光でもよいが、エキシマレーザー(ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、XeFエキシマレーザー等)、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、YAGレーザーの第2、及び第3高調波等が好ましく使用される。
【0013】
光照射強度に特に制限は無いが、パルス光では0.1mJ/パルス・cm2〜1kJ/パルス・cm2、連続光は0.1mW〜10kW/cm2が適している。
光照射温度にも特に制限は無く、用いた溶媒及び過酸化水素の凝固点以上、沸点以下であればよいが、好ましくは−80℃〜100℃、より好ましくは0〜40℃である。
光照射時間は、原料パルプの着色度、過酸化水素あるいは溶媒の種類やその濃度更には、用いる紫外・可視レーザー光の種類や光強度等を考慮することにより適宜定められるが、通常、1秒〜30分もあれば充分である。
【0014】
本発明方法は、粗パルプと過酸化水素を接触させた所に紫外・可視レーザー光を照射すればよく、特にその実施の態様に制限はない。好ましい実施の態様としては、例えば、原料パルプを、酸化剤を含む紫外・可視レーザー光を透過する溶媒に、分散、溶解した後、紫外・可視レーザー光を照射する方法、原料パルプをシート状、或いは薄片状に成型した後、これを上記の酸化剤を含む溶媒に含浸、あるいは含浸させた後、紫外・可視レーザー光を照射する方法等が挙げられる。
【0015】
【実施例】
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
実施例1
粗パルプ約0.11g(乾燥重量)を30mlの6%過酸化水素水溶液に分散させ、この分散液に400mJ/パルスで半値全幅が23ナノ秒のクリプトンフッ素エキシマレーザーを5Hzで1分間照射した(実質光照射時間、6.9マイクロ秒)。この分散液を濾過し、引き続き濾過物を水で洗浄した。洗浄後の濾過物を直径約2.5cmの円盤状にし、乾燥後、該パルプの白色度(JIS Z 8715)を拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計により測定したところ、−44であった。
【0017】
実施例2
実施例1において、その照射時間を10分間(実質光照射時間、69マイクロ秒)に代えた以外は同様の漂白操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS
Z 8715)は、−35であった。
【0018】
実施例3
実施例1において、その照射時間を20分間(実質光照射時間、138マイクロ秒)に代えた以外は同様の漂白操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS Z 8715)は、−22であった。
【0019】
比較例1
粗パルプ約0.11g(乾燥重量)を30mlの水に分散させ、この分散液を濾過し、直径約2.5cmの円盤状にし、乾燥後に拡散反射装置の付いた紫外可視分光光度計によりパルプの白色度(JIS Z 8715)を測定したところ−55であった。
【0020】
比較例2
実施例1において、400mJ/パルス、5Hzのクリプトンフッ素エキシマレーザーに代えて、Toshiba UV−25フィルターを装着した500Wのキセノンランプを1分間照射した(実質光照射時間、1分間)以外は実施例1と同様の操作を行った。漂白後のパルプの白色度(JIS Z 8715)は、−140であった。
【0021】
【発明の効果】
従来の、過酸化水素と通常の紫外・可視光を用いる漂白方法においては、過酸化水素の紫外可視領域のモル吸光係数が通常の芳香族化合物や共役系を有する有機化合物と比べて極端に小さいので、光化学的に発生するヒドロキシラジカルの濃度は低いものでしかないことから、ハロゲン系薬剤漂白法と比べて十分な漂白効果が得られない、処理時間が長いといった問題点を包含していたが、本発明においては、紫外・可視レーザー光を照射するという特有な手段を採用したことから、該着色物質の分解若しくは無色化反応を行うために必要なヒドロキシラジカルの濃度を高くすることが可能となると共に、多光子過程によるヒドロキシラジカル生成の可能性も高くなることより、更にヒドロキシラジカルの濃度を高くすることができるため、上記着色物質の分解反応や無色化反応が促進され、従来の紫外・可視光を照射した場合に比べ該反応が著しく高められることから、その漂白時間に要する時間を短縮するといった顕著な作用効果を呈する。
Claims (1)
- 過酸化水素と光を用いるパルプの漂白方法において、光源として紫外レーザー光又は可視レーザー光を照射することを特徴とするパルプの漂白方法。
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JP2000265657A JP3787612B2 (ja) | 2000-06-20 | 2000-09-01 | パルプ漂白方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-183861 | 2000-06-20 | ||
JP2000183861 | 2000-06-20 | ||
JP2000265657A JP3787612B2 (ja) | 2000-06-20 | 2000-09-01 | パルプ漂白方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002088673A JP2002088673A (ja) | 2002-03-27 |
JP3787612B2 true JP3787612B2 (ja) | 2006-06-21 |
Family
ID=26594237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000265657A Expired - Lifetime JP3787612B2 (ja) | 2000-06-20 | 2000-09-01 | パルプ漂白方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP4666450B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2011-04-06 | 日本製紙株式会社 | 印刷用紙の製造方法 |
CN100338303C (zh) * | 2003-12-20 | 2007-09-19 | 广西大学 | 纸浆光化学漂白方法 |
EP1790771A4 (en) * | 2004-06-08 | 2012-10-03 | Jujo Paper Co Ltd | METHOD FOR WHITENING PULP |
JP4603298B2 (ja) * | 2004-06-08 | 2010-12-22 | 日本製紙株式会社 | パルプの漂白方法 |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000265657A patent/JP3787612B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002088673A (ja) | 2002-03-27 |
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