JP4054660B2 - パームオイル食物繊維粉末及びその含有食品と製造方法 - Google Patents

パームオイル食物繊維粉末及びその含有食品と製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、パームオイル幹由来の食物繊維粉末を得る方法、及び、それを有用に活用した食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
パームオイルは、およそ北緯10度から南緯10度の間に栽培され、原産地西アフリカからジャワに導入され、現在アフリカ各地、マレーシア、インドネシア、タイ国中心に広く栽培が行われている油科作物である。その果肉からとる油をパームオイル、殻内の身から搾る油をパーム核油、カーネル油と呼び、いずれも、食用及び工業用に供されている。パームオイルは、単位面積当たりの油生産量が最高で、植物油の供給源として世界貿易上最重要品のひとつになっている。商業的大規模農園が開かれたのは、東アジアのスマトラ及びマラヤ地域が最初であり、20世紀初頭のことである。それ以後、大農園によるパームオイル栽培が、全世界の熱帯に広がり、各大規模農園内または生産集団内部に近代的搾油工場が建設された。非常に良質のパームオイル及びパーム核油の生産を行なう大農園の出現と共に、パームオイル生産も大きく変化し、現在では、マレーシアとインドネシアの2国で、世界のパームオイル輸出量の90%を占める。このような生産量の増大に伴い、計画的栽培が要求されている。
【0003】
25年以上の幹齢のパームオイルの幹は、老幹となり、幹の処理に困難をきたしている。
パームオイル幹内部は、維管束組織が物理的支えになり養分の流路にもなっている。
幹全体の水分含有率が75%以上あるので、熱帯の気温の高さにより、倒してからの腐敗が早く、従来は副産物の再利用ができなかった。
そのため、老パームオイル幹は倒されその場で焼き捨てられるのが通常であった。また、老パームオイル幹を切って栽培園外へ運びだすコストが高価である点から、再植計画も困難であった。
【0004】
本発明者は、パームオイル幹を有効利用し、農園の経費節減と再植にも寄与するために、
【特許文献1】
特許公開2000-333641号
を開示している。
この文献では、茶などの加工飲料に適するパームオイル食物繊維粉末を開示している。
しかし、多種多様の飲食品に汎用できるパームオイル食物繊維粉末が得られたとは、必ずしも言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、一層パームオイル幹を有効利用し、多種多様の飲食品に汎用できるパームオイル食物繊維粉末及びその含有食品と、その製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、更なる改良研究の結果、パームオイル幹を一層有効に活用し、多種多様の飲食品に汎用できるパームオイル食物繊維粉末及びその含有食品と、その製造方法を得た。
すなわち、本発明のパームオイル食物繊維粉末の製造方法は、パームオイル幹を切断成形した製材を粉砕して、水分約6〜18%に熱乾燥し、次いで食物繊維と維管束に篩い分けすることで、食物繊維を約70%以上含むと共に、へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有するパームオイル幹由来の食物繊維粉末を得ることを特徴とする。
【0007】
ここで、食物繊維の篩い分けを、約35〜400メッシュ程度で行ってもよい。
【0008】
パームオイル幹の切断形成は、パームオイル幹を倒して切断した丸太から、幹皮を約5cm取り除き、その丸太を粉砕機で粉砕するか、製材機械にて角材または板材に成形する方法で行ってもよい。
【0009】
製材または粉砕したパームオイル幹を、約−70〜0℃に冷凍した後に、乾燥を行ってもよい。
【0010】
製材または粉砕したパームオイル幹の乾燥は、乾燥室における熱風乾燥及び凍結乾燥、または、気温約15〜35℃の自然環境下における風乾燥でもよい。
【0011】
本発明によるパームオイル食物繊維粉末は、パームオイル幹を切断成形した製材を粉砕して、水分約6〜18%に熱乾燥し、次いで食物繊維と維管束に篩い分けすることで得て、食物繊維を約70%以上含むと共に、へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有することを特徴とする。
【0012】
本発明による食物繊維粉末含有食品は、例えば、穀物粉末及び穀物外皮粉末:モロヘイヤ、ほうれんそう、人参、アロエ、高麗人参等の野菜粉末:豆類の粉末、とうふ:いも類の粉末、種実類粉末:果実粉末:きのこ類粉末:海藻類粉末;植物根幹葉粉末、香辛料粉末、カレー粉末等の植物性食品の乾燥粉末など、少なくとも、穀物粉末、穀物外皮粉末、野菜粉末、種実類粉末、果実粉末、きのこ類粉末、海藻類粉末、植物根幹葉粉末のいずれかの乾燥粉末を、パームオイル食物繊維粉末に混合して形成してもよい。
【0013】
また、例えば、グルコマンナン、サイリュウム、モロヘイヤ、粘質物等の粘質物;アラビアガム、ガラヤガム、ガッテンガム、タマリンド種子ガム、ローカストビーンガム、グアーガム等の植物ガム:ペクチン及びその誘導体:等の植物性食品から得られる水溶性食物繊維を含有する製品など、少なくとも、食用粘質物、植物ガム、ペクチン及びその誘導体のいずれかの水溶性食物繊維を、パームオイル食物繊維粉末に混合して形成してもよい。
【0014】
例えば、穀類外皮:野菜類:ビート、ごぼう、かんぴょう、たけのこ等:いも類、きのこ類及び海藻類等から得られる食物繊維:等の不溶性食物繊維を主とする製品など、少なくとも、穀類外皮、野菜類、いも類、きのこ類、海藻類のいずれかの不溶性食物繊維を、パームオイル食物繊維粉末に、混合して形成してもよい。
【0015】
例えば、カードラン、ジェランガム等の微生物産生多糖類:食用酵母粉末及びクロレラ粉末:乳酸菌など、少なくとも、微生物産生多糖類、食用酵母粉末、食用微生物粉末、食用菌類のいずれかの微生物系物質を、パームオイル食物繊維粉末に、混合して形成してもよい。
【0016】
例えば、難消化性デキストリン:抵抗でんぷん:オリゴ糖類:等の難消化性糖類など、
パームオイル食物繊維粉末に、難消化性糖類を混合して形成してもよい。
【0017】
例えば、粉ミルク、コーヒー粉末、カカオ粉末、紅茶粉末、茶葉粉末など、水溶によって飲料になる粉体を、パームオイル食物繊維粉末に、混合して形成してもよい。
【0018】
他方、例えば、味噌、醤油、マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング、魚ペースト、肉ペーストなどの調味料に、パームオイル食物繊維粉末を混合して形成してもよい。
【0019】
また、例えば、穀物ジュース、野菜ジュ−ス、果実ジュース、飲料水、果実ジャム、冷菓、冷凍食品など、液体または半個体性食品に、パームオイル食物繊維粉末を混合して形成してもよい。
【0020】
例えば、ビスケット、飴、せんべい、パン、カステラ、羊羹、餡子、ケーキ、洋菓子、和菓子、ハンバーグ、餃子、シュウマイ、ソーセージ、コロッケ、てんぷら、麺類;うどん、そば、ラーメン、スパゲッティー、マカロニ、即席麺;めん、うどん、ラーメン、焼きそばなど、粉体を材料に含有して製造される食品に、パームオイル食物繊維粉末を混合して形成してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面の例を用いて説明する。
図1は、植樹されているパームオイルの一部正面図であり、図2は、パームオイル幹の断面図である。
パームオイル幹は、75%以上の水分含有量があり、強度の維管束組織と維管束をとりまく繊維質からなっていて、特に維管束(13)は網の目のように幹全体を張りめぐらしている。そのため、その処理に困難をきわめていたが、鋭意検討の結果、老パームオイル幹を倒し、維管束(13)と維管束をとりまく繊維質(14)に選別することにより、パームオイル幹を焼き捨てることなく、食物繊維パームオイル幹粉末として再利用できる知見を得た。
【0022】
幹齢25年以上経った老パームオイル幹をも含めて、パームオイル幹を、その地上約3〜4mの高さ位置に、ブルドーザーの先端を当てて押し倒し、根より1〜2m上部の幹をチェンソーで切断して、根部(11)と幹(12)に分離する。そして、パームオイル幹丸太を製材工場に運搬し製材機械にて、図3及び4に示す角材(21)、板材(22)に製材する。
【0023】
製材、丸太材を、大鋸屑に粉砕し、維管束と食物繊維を自然環境下、または、熱風乾燥で水分6〜18%になるまで乾燥し、次いで微細粉砕機械にて粉砕する。次いで、35〜400メッシュに篩い別けすることで、食物繊維70%以上含み、かつ、不溶性ヘミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有した食物繊維パームオイル幹粉末を得る。
【0024】
乾燥程度は、パームオイル幹粉砕物の水分含有量の状態によって適宜設定されるが、乾燥後に食物繊維を多量含有し、パームオイル幹粉末の水分量が18%以下となっていることが好適である。この条件は、商品として流通させることと、パームオイル幹粉末を腐敗させないことからも必要である。
【0025】
たんぱく質の栄養価は、それを構成するアミノ酸の種類量によって優劣がきまる。アミノ酸のうちでも、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニールアラニン、スレオニン、トリフトファン、バリンの8種類は人体でほとんど合成されないために、人体にとって必要不可欠なものであり、これら必修アミノ酸はかならず食物からとらなければならないものである。この他に、ヒスチジンが新たに必須と認められ、アルギニンも発育期には不可欠であるとされている。
食物繊維パームオイル幹粉末は、これらの必修アミノ酸を含有している。今までの学説及び学術文献等では、食物繊維には、栄養素がないとのことであったが、食物繊維パームオイル幹粉末は、繊維質の他に栄養素をも含有するので、創医療栄養食品、創栄養食品として活用できる。
また、ビタミンについては、ビタミンB2、B5、B6、ビタミンD、ビタミンKが含有されている。
【0026】
上記製法によって得られた食物繊維パームオイル幹粉末は、多量に食物繊維を含有し、その成分の分析結果は次の通りである。
表1
パームオイル幹粉末中の含有成分
Figure 0004054660
【0027】
表2
食物繊維中の含有成分
Figure 0004054660
【0028】
表3
パームオイル幹粉末100g中の無機質(ミネラル)含有量
Figure 0004054660
【0029】
表4
食物繊維多量含有パームオイル幹粉末100g中のビタミン含有量
Figure 0004054660
【0030】
表5
食物繊維多量含有パームオイル幹粉末100g中アミノ酸含有量
Figure 0004054660
【0031】
表6
食物繊維多量含有パームオイル幹粉末の衛生的品質
Figure 0004054660
【0032】
以上のように、食物繊維パームオイル幹粉末は、不溶性へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液質を多量に含有しているが、これを服用することにより、どのように整理作用があるかどうか検討してみたところ次のような結果が得た。
【0033】
身長169cm体重60kg64歳男性に、朝食、昼食、夕食1週間同一食(ご飯300g、鶏肉野菜煮込み約850g(鶏肉100g、白菜200g、きゃべつ200g、じゃがいも150g、いんげん100g、人参70g)、セロリ100g、マヨネーズ20g、焼き海苔、朝食だけ納豆50gを摂取し、かつ、食物繊維パームオイル幹粉末250メッシュ、大スプーン2杯14g乾燥水分10%をお湯または水300mlに混ぜて、食中に飲用させた。人体の腸内における生理作用について、消化管内の通過時間及び微生物による有害物質等を検査した。
【0034】
その結果、食物の通過時間は約60時間であった。
5日間毎朝、排便を回収したところ、1回の標準排便量は約110gであり、色は明るい壁色で、粘度があり、臭気がなく、粘液水分約80%で柔らかであった。
回収した110gの排便を水で溶解し、水だけを脱水する布で脱水して、食物の残渣物約20g水分約65%を回収した。
回収した食物残渣物20gを、室内気温24〜28度で、製紙の上に広げ約7〜10時間乾燥して、水分約16%の食物残渣物を回収した。
取り出した残渣物からは、約90%食物繊維パームオイル幹粉末約12g水分約15%が回収された。
従って、食物繊維パームオイル幹粉末は、1日42gを飲用したが、約30gが腸内の細菌などによって消化されたか、ペクチンやへミセルロースの一部が腸内で吸収されたと推測される。
【0035】
食物摂取に対して野菜で比較的食物繊維含有が多い野菜を選定してこころみたが、野菜からの残渣物は少なく、食物繊維パームオイル幹粉末の作用にて完全に消化されたか、もともと不溶性の食物繊維の含有が少ないかは判断に苦慮するが、食物繊維パームオイル幹粉末は、消化管内で消化作用を助け、食物中に均等に混入して腸内細菌等有害物質の生成を抑え、臭気のない糞便を作ることが明らかになった。大腸管内での細菌等の生成を完全に抑え、便秘の改善はもとより、血糖値の大幅な改善効果があり糖尿病の改善及び肥満、高血圧、高脂血症等に効果があがることが判明した。
【0036】
血糖値が高く糖尿病と診断されている64歳男性に、パームオイル幹粉末を朝食、昼食、夕食(約1800カロリー)中に約14g(大さじ山盛り2杯)をお湯または水300mlで60日間摂取した結果、表7のように、血糖値234が114、総コレステロール209が169、中性脂肪221が119、ヘモグロビン9.4が6.4、最高血圧149が128、最低血圧99が82に改善された。
【0037】
表7
摂取による血液の変化
Figure 0004054660
【0038】
本発明による食物繊維含有パームオイル幹粉末は、白黄色の粉末であり、必要に応じて賦形剤、例えば澱粉、乳糖、ブドウ糖、水等を加えた後、慣用の手段を用いて食用に適した形状、顆粒状、錠剤、カプセル、ペースト、等に形成し、食物繊維を有効に利用した食品として提供できる。
【0039】
また、32歳女性が、食物繊維含有パームオイル幹粉末7gを食後お湯または水に良く混ぜて飲用した結果、3日後大幅に便秘が改善された。
【0040】
35歳女性が、下剤で便秘改善をこころみたが改善せず、食物繊維含有パームオイル幹粉末をハチミツで固めて錠剤にし、錠剤1個250mgを食後15錠良く噛んで水またはお湯200mlで飲んだ結果、3日後に改善された。
【0041】
1歳6ヶ月の女子乳児が、粉ミルク計量スプーン6杯お湯240mlに食物繊維含有パームオイル粉末2gを良く混ぜて飲用の結果、質が良く硬い便に改善された。
【0042】
59歳女性が、食物繊維含有パームオイル幹粉末大さじ1杯(7g)をお湯または水200mlで良くかき混ぜて食事後3ヶ月飲用した結果、水虫が改善された。
【0043】
50歳男性が3年間通風で苦しんでいたが、食物繊維含有パームオイル幹粉末を1日7gを2ヶ月飲用した結果、痛みが改善した。
【0044】
このように食物繊維含有パームオイル幹粉末は創医療食品、創栄養食品として有効な効能を有するものであるが、その作用を学術的に検証するため、以下のように実験を行った。
まず、5週齢のsprague-dawly系の雄ラットを用いて、飼料中に食物繊維含有パームオイル幹粉末(60及び100メッシュ)を5%含有させた場合の消化官機能への影響を、同じ木材由来の食物繊維であるセルロースを5%含有する飼料の場合と比較した。
【0045】
表8
摂取による糞の変化
Figure 0004054660
【0046】
表9
摂取による糞の変化
Figure 0004054660
【0047】
この表に示すように、内容物の消化管通過時間に差は見られないが、排泄された糞の性状に著しい特徴のあることが判明した。すなわち、セルロース群に比べて、食物繊維含有パームオイル幹粉末群は、糞の湿重量及び乾物重量には差は見られないが、1日当たりの糞個数が多い上に糞1個当りの長さと幅が大きかった。このことは、糞のカサのみ大きいが、必ずしも消化管通過時間を短縮するとは限らないことを示している。
【0048】
この結果を受けて、糞のカサ増大効果により、糞のその他の性状(pH、臭気等)について、他の食物繊維(セルロース、グルコマンナン、小麦フスマ)と混合して投与した場合に、どのような効果が現れるかを検討するために、次の実験を行った。
4週齢(体重73g〜84g)のSprague-Dawly系雄ラット(東京実験動物(株))を用い、ショ糖を糖質源として、各種の栄養素及び食物繊維を含有する6群(A〜F)の飼料群を投与して、28日間飼育した。ここでグルコマンナンは水溶性食物繊維製品、小麦フスマは不溶性食物繊維製品、セルロースはコントロールとして選択したものである。各飼料(実験食)群の成分組成を表10に示す。
【0049】
表10
実験食群の成分組成(%)
Figure 0004054660
【0050】
ラットは1群につき7匹飼育し、糞は、飼育終了前の5日間毎日採取し、各群7匹分の糞について、湿重量、pH、消化管通過時間、アンモニア、総アミンを測定し、平均値を算出した。
各飼料群における測定結果を図5に示す。パームオイル繊維群及びパームオイル幹繊維群+グルコマンナン群、パームオイル幹繊維+小麦フスマ群の各測定結果をコントロールであるセルロース群と比較検討する。
まず、糞の湿重量についてみると、パームオイル幹繊維群及びパームオイル幹繊維+グルコマンナン群、パームオイル幹繊維+小麦フスマ群についてはセルロース群との間にはほとんど差はみられなかった。
【0051】
糞のpHについてみると、セルロース群においては7.6と弱アルカリ性となっているのに対し、パームオイル幹繊維群では6.8と弱酸性となって、低下効果が認められた。パームオイル幹繊維+グルコマンナン群、パームオイル幹繊維+小麦フスマ群についても同様に弱酸性となっている。
このようなpHの低下は腸内において微生物による有害物質の生成現象が抑えられていることを示している。
そこで、有害な代謝産物であるアンモニア、アミン等の臭気成分量を比較してみると、パームオイル幹繊維群においてはセルロース群と比較して10分の1以下に低下していて、顕著な効果が認められた。パームオイル幹繊維+グルコマンナン群、パームオイル幹繊維+小麦フスマ群についても同様な効果が認められた。
【0052】
糞の消化管内通過時間についてみると、パームオイル幹繊維とセルロース群との間に有意差は認められない。しかしながら、パームオイル幹繊維+グルコマンナン群、パームオイル幹繊維+小麦フスマについてはセルロース群と比較して消化管内通過時間の短縮が顕著に認められた。特にパームオイル幹繊維+グルコマンナン群について効果が顕著である。
消化管内通過時間の短縮に関しては、他の食物繊維を添加することによって消化管内通過時間の短い良質な食品が得られる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成を備えることによって、下記の効果を奏する。
すなわち、パームオイル幹は75%以上保持しているため熱帯地方の気温の高さで倒してからの腐敗が早く副産物の再利用ができなかったものを、本発明によれば老パームオイル幹を倒し粉砕し、維管束と維管束を取り巻く繊維質に選別し、繊維質をさらに細かいメッシュにかけることにより、不溶性食物繊維を70%以上含有し、かつ、へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有し、かつ、ビタミンB1、B5、B6、ビタミンD、ビタミンKも含有しているパームオイル食物繊維粉末が得られる。
人体で合成されない必須アミノ酸であるイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニールアラニン、スレオニン、トリプトフアン、バリンの8種類も含有しているので、創医療栄養食品、創栄養食品として活用できる。
更に、短期間の摂取でも、血糖の低下と糞便のカサが増大される。
また、腸内における微生物による有害物質の生成現象を抑え、糞便のpHを下げ、臭気成分を減少させる効果も有する。
他の食物繊維を混合することにより、消化管内通過時間を短縮し、糞便のpHを下げ、かつ臭気成分の少ない便を排出させ便質を改良させると共に、便量を増加するなど便通改善の効果を有する優れた作用を兼ね備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】植樹されているパームオイル幹の一部正面図
【図2】同、平面断面図
【図3】角材の斜視図
【図4】板材斜視図
【図5】飼料の違いによる糞への影響を示すグラフ
【符号の説明】
1 地面
10 切断面
11 根部
12 幹内
13 維管束
14 繊維質(食物繊維)
15 幹皮
21 角材
22 板材

Claims (3)

  1. パームオイル幹を切断成形した製材を粉砕して、水分約6〜18%に熱乾燥し、次いで食物繊維と維管束に篩い分けして得た、食物繊維を約70%以上含むと共に、へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有するパームオイル食物繊維粉末と、
    調味料とを混合して形成したパームオイル食物繊維粉末含有食品。
  2. 前記調味料が、味噌、醤油、マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング、魚ペーストおよび肉ペーストからなる群から選択される1種以上である、請求項1記載のパームオイル食物繊維粉末含有食品。
  3. パームオイル幹を切断成形した製材を粉砕して、水分約6〜18%に熱乾燥し、次いで食物繊維と維管束に篩い分けして得た、食物繊維を約70%以上含むと共に、へミセルロース、ペクチン、セルロース、リグニン、粘液を含有するパームオイル食物繊維粉末と、
    穀物ジュース、野菜ジュ−ス、果実ジュース、飲料水および果実ジャムからなる群から選択される1種以上とを混合して形成したパームオイル食物繊維粉末含有食品。
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