JP4054508B2 - パイプ材の連結具およびこれを用いた柄付き用具の柄 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、パイプ材を相互に連結するためのパイプ材の連結具、およびこれを用いた柄付き用具の柄に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パイプ材を用いた家庭用品として、モップや物干し竿等がある。通常、これらの用品は、少なくとも1m程度の長さを必要とするため、これらの用品を工場内で搬送する場合、工場から販売店にあるいは販売店から購買者の自宅等に輸送する場合には、その取り扱いが不便であり、そのため輸送コストも高くなる。また、工場内で保管する場合、販売店において店内に陳列する場合等においても、保管場所や陳列棚などの制約を受けることになり、その取り扱いが不便である。
【0003】
そこで、上述したような取り扱い上の不便がないように、たとえば、以下に示す方法が採用されている。すなわち、取り扱い上の不便がない程度の長さの複数のパイプ材を準備し、それらを連結具を用いて相互に連結するようにする。こうすれば、上記用品を輸送する場合に、上記各パイプ材を非連結状態で梱包等を行うことにより、その取り扱いが容易なものとなる。また、工場内で保管する場合や販売店において陳列する場合には、保管または陳列スペースの制約を受けることがない。そして、購買者が上記用品を使用する段階において上記各パイプ材を連結して使用すればよい。
【0004】
上記連結具としては、たとえば、図19および図20に示すようなものがある。この連結具は、パイプ材71の内径と略同径の外形を有する中軸部材72と、略V字状に形成されたばね部材73とを備えて構成されている。各パイプ材71には、その端部周面の対向する位置に係合孔74が形成されており、中軸部材72には、その周面に、パイプ材71の係合孔74に対応して挿通孔75が形成されている。ばね部材73は、幅方向に伸縮する弾性体であり、両端に、外側を向いた断面略円形状の突起部76が形成されている。
【0005】
上記連結具を用いてパイプ材71を連結する場合、中軸部材72の各挿通孔75にばね部材73の突起部76が中軸部材72の内側から嵌め込むようにして、中軸部材72にばね部材73を取り付ける。そして、中軸部材72の一端側から一方のパイプ材71を、中軸部材72の中間部が入り込む位まで外嵌させる。このとき、中軸部材72の挿通孔75から突出したばね部材73の突起部76をパイプ材71の係合孔74に嵌挿させるようにする。同様に、中軸部材72の他端側から他方のパイプ材71を挿入し、ばね部材73の突起部76をパイプ材71の係合孔74に嵌挿させる。
【0006】
このようにすれば、両パイプ材71は、中軸部材72を介して連結され、ばね部材73によってパイプ材71および中軸部材72が固定され、両パイプ材71を良好に連結することができる。また、パイプ材71の係合孔74から突出した、ばね部材73の突起部76を外側から押し込むことにより、ばね部材73の中軸部材72に対する係合が外れ、両パイプ材71を容易に分離させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記連結具では、各パイプ材71の係合孔74からばね部材73の突起部76が露出する恰好になるため、購買者が使用する際、誤って突起部76を押し込んでしまうと、パイプ材71の連結状態を損ねる可能性がある。また、突起部76が突出されて露出しているので、購買者は、用品の柄の部分に、ごつごつした感じを受けることになり使用時に違和感を覚える。さらに、パイプ材71をモップ等に適用する場合、用品としての見栄えを損ねる。
【0008】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、使用の際、連結状態を容易に損ねることなく、かつ違和感を解消することのできる、パイプ材の連結具、およびそれを用いた柄付き用具の柄を提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面において提供されるパイプ材の連結具は、同径のパイプ材を突き合わせ状態で連結するためのパイプ材の連結具であって、上記パイプ材の外径と略同径の内径を有するとともに、上記パイプ材の連結部分を覆う筒状部材と、上記パイプ材の内径と略同径の外径を有し、上記パイプ材の連結部分の内部に挿入される中軸部材とを備え、上記筒状部材には、その周方向に並ぶように複数形成され、上記筒状部材の長手方向に延びる孔のそれぞれに、一端が接続片によって上記筒状部材に一体化されるとともに他端に向けて延出し、かつ、この他端に係止爪を有する屈曲可能な持着片が、周方向に隣接する持着片の延出方向が交互に異なるようにして設けられている一方、上記中軸部材には、上記持着片の係止爪が挿通する挿通孔が形成されており、上記筒状部材の各持着片の係止爪を、上記パイプ材に開けた係合孔に係合させるとともに、上記中軸部材の挿通孔に挿通させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、複数のパイプ材を連結する場合に、両パイプ材の連結部分が筒状部材により隠れるので、購買者に対して使用時の違和感を解消することができる。また、筒状部材には、パイプ材同士を持着させるための持着片が設けられているため、両パイプ材の連結状態を良好に保持することができる。
【0012】
上記持着片には、その端部にパイプ材に形成された係合孔に対して係止する係止爪が形成されるので、この係止爪によって、持着片はパイプ材に対して保持され、筒状部材は突き合わせ状態のパイプ材の連結状態を良好に維持することができる。さらには、上記中軸部材によって、突き合わせ状態のパイプ材を直線状にかつ強固に支持することができ、上記連結部分の強度を高めることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本願発明の第2の側面において提供される柄付き用具の柄は、上記第1の側面において提供されるパイプ材の連結具を用いたものであって、相互に連結可能な複数本のパイプ材を備えたことを特徴とする。
【0023】
ここで、上記柄付き用具とは、たとえば床面に押圧移動させて床面を清掃するためのモップ本体を有するモップセットや、地面、畳等を清掃するためのほうきまたはその他の清掃用具、あるいは洗濯物等を干すための物干し竿等をいう。上記構成によれば、上記柄付き用具の柄は、上記第1の側面において提供されるパイプ材の連結具を用いて相互に連結可能な複数本のパイプ材を備えているので、上述した上記第1の側面におけるパイプ材の連結具の効果を享受できる。また、上記柄付き用具の柄は、所定の長さのパイプ材を複数本連結して用いるものであるため、それぞれのパイプ材の長さを適当な長さに選択することにより、コンパクトに梱包することができ、上記柄付き用具の運搬や販売店内での陳列に都合がよい。
【0024】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
<実施形態>
図1は、本願発明の一実施形態に係るパイプ材の連結具の分解斜視図であり、図2は、上記連結具の連結状態での断面図である。図1および図2に示すように、この連結具1は、パイプ材2の外径と略同径の内径を有する複数のパイプ材2の連結部分を覆う筒状部材3と、パイプ材2の内径と略同径の外径を有する中軸部材4とを備えて構成されている。
【0027】
上記中軸部材4は、アルミニウム等の金属部材からなり、たとえば板厚1mm、長さ100mm、内径20mm程度の略円筒状に形成され、上記筒状部材3の長さより大とされている。中軸部材4の周面には、上記筒状部材3の係止爪(後述)が挿通する挿通孔5が形成されている。挿通孔5は、中軸部材4の一端から所定距離、離れた位置に、周面の上面、下面といった対向する面にそれぞれ形成され、また、他端から所定距離、離れた位置に、周面の右側面、左側面といった対向する面にもそれぞれ形成されている。
【0028】
筒状部材3は、ポリプロピレン(PP)あるいはポリアミド樹脂(たとえばナイロン)等の樹脂部材からなり、図3に示すように、中央部が膨らんだ略樽状に形成され、その周面における上面、下面、右側面、および左側面に、長手方向に延びた略楕円形状の孔9が形成されている。そして、上記各孔9に対応して、孔9の大きさと略同等の大きさを有する持着片10がそれぞれ設けられている。
【0029】
持着片10は、端部が外側に開放するように屈曲可能とされている。具体的には、筒状部材3の端部において、筒状部材3の本体11と持着片10との間に、これらを接続する接続片12が、適宜数形成されている。これにより、持着片10は、筒状部材3の本体11と一体化されつつ、接続片12が形成される反対側の端部が開放される。
【0030】
そして、隣り合う持着片10は、互いに開放される方向が異なっており、すなわち、筒状部材3の上面および下面において対向する持着片10は、図2における左側の端部が開放され、右側面および左側面において対向する持着片10は、同図における右側の端部が開放される。なお、持着片10は、外観上、良好なように略楕円形状とされたが、この形状に限らない。また、接続片12を形成せずに、端部は本体11と面一に接続されて構成されてもよい。
【0031】
持着片10の開放される端部の内面側には、図4および図5に示すように、パイプ材2に形成された係合孔(後述)に係止するための係止爪14が筒状部材3の軸心に向かって突出するように形成されている。係止爪14は、略円柱形状に形成され、図2に示すように、その一部がテーパ状に形成された案内面15を有している。これは、係止爪14をパイプ材2の係合孔16にスムーズに案内されやすくするためである。
【0032】
パイプ材2は、図1に示すように、たとえばスチールの表面に塩化ビニール等を貼り付けた略円筒形状とされている。パイプ材2の周面には、端面近傍に、持着片10の係止爪14が係止する係合孔16が形成されている。具体的には、筒状部材3の各係止爪14と対応するように、図1における手前側のパイプ材2では、その周面における上面および下面に係合孔16が形成され、図1における奥側のパイプ材2では、その周面における右側面および左側面に係合孔16が形成されている。
【0033】
上記のように構成された連結具1は、以下のようにして使用される。まず、上記連結具1によりパイプ材2を連結する場合について説明する。中軸部材4の一端をパイプ材2に挿入する。この場合、パイプ材2の係合孔16と中軸部材4の挿通孔5とが一致するように、中軸部材4の半分が隠れる位まで中軸部材4を挿入する。次いで、筒状部材3を中軸部材4およびパイプ材2に覆い被せるように外嵌させる。そして、持着片10の一端側の係止爪14をパイプ材2の係合孔16および中軸部材4の挿通孔5に嵌め込む。このとき、持着片10は、係止爪14が係合孔16に嵌まり込むまでは屈曲されているが、係止爪14が係合孔16に嵌まり込むと同時に通常の姿勢に戻る。
【0034】
次に、他方のパイプ材2を取り付ける。すなわち、他方のパイプ材2を、その端面が一方のパイプ材2の端面と当接されるまで、中軸部材4と筒状部材3との間に形成された空間に挿入する。この場合、一方のパイプ材2および中軸部材4は、持着片10の係止爪14がそれらの係合孔16および挿通孔5に係止されていることにより、互いにずれることなく保持される。そして、他方のパイプ材2の係合孔16と中軸部材4の挿通孔5とが一致するように、パイプ材2を挿入していくと、持着片10の係止爪14がパイプ材2の係合孔16および中軸部材4の挿通孔5に嵌まり込む。これにより、複数本のパイプ材2が、中軸部材4を介して筒状部材3により連結される。
【0035】
次に、上記連結具1を取り外すときには、持着片10の一端をドライバ等の工具やユーザの爪等によりめくり上げ、持着片10を屈曲させる。そして、係止爪14が中軸部材4の挿通孔5およびパイプ材2の係合孔16から完全に離脱した時点で、一方のパイプ材2を引き抜くことにより、両パイプ材2が分離される。なお、この場合、他方のパイプ材2には、中軸部材4および筒状部材3が装着されたままであるが、再度、一方のパイプ材2を取り付ける際には、上記の状態のままの方が時間の節約となるので、差し支えない。
【0036】
このようにして、一組のパイプ材2が、筒状部材3および中軸部材4を介して連結および抜脱される。ここで、パイプ材2が連結された場合、連結されたパイプ材2を両側から引っ張っても、持着片10の係止爪14がパイプ材2の係合孔16および中軸部材4の挿通孔5に嵌まり込んでいるので、この係止爪14によって、持着片10はパイプ材2に対して保持され、筒状部材3は複数のパイプ材2の連結状態を良好に維持することができる。
【0037】
また、パイプ材2の周面方向から力が加わっても、中軸部材4がパイプ材2の連結部分に挿入されているため、これが補強部材として機能し、両パイプ材2が連結部分である端面部分で折れ曲がることはない。そのため、中軸部材4は、パイプ材2の連結部分における強度を十分に高めることができる。
【0038】
さらにまた、複数本のパイプ材2を連結する場合に、両パイプ材2の連結部分が筒状部材3により隠れるので、購買者に対して使用時の違和感を解消することができる。また、持着片10は、筒状部材3に一体的に設けられているので、購買者が部品を紛失するおそれがなく、また、上記構成によれば、略V字状のばね部材を用いていた従来の構成に比べ、部品点数を少なくして製作コストを削減することができる。
【0039】
図6は、本実施形態に係るパイプ材の連結具を用いたモップセットを表す平面図であり、図7は、上記モップセットを組み立てた状態を示す全体斜視図である。上記モップセットSは、図6に示すように、上記連結具1によって相互に連結可能な複数本のパイプ材2と、一方のパイプ材2の端部に接続されるとともに、床面に押圧移動させて床面を清掃するためのモップ本体17とを備えて構成されている。
【0040】
上記一方のパイプ材2の一端部は、購買者が使用する際に握る把持部18が取り付けられ、把持部18によって開口が閉塞されており、他端部は開放されている。また、他方のパイプ材2の一端部は、中軸部材4が内接して挿入され、筒状部材3が外嵌されている。他方のパイプ材2の他端部は、モップ本体17と接続するためのジョイント19が挿入されている。
【0041】
上記モップ本体17の中央部には、ユニバーザルジョイント20が取り付けられており、このユニバーザルジョイント20が上記パイプ材2の他端部に挿入されたジョイント19と螺合等の手段によって連結されるように構成されている。
【0042】
上記モップセットSは、各部品が互いに連結されて、図7に示すような状態でモップとして使用される。上記モップセットSは、所定の長さのパイプ材2を連結して用いるものであるため、それぞれのパイプ材2の長さを適当な長さに選択することにより、極めてコンパクトに梱包することができる。
【0043】
このように、パイプ材2が分割可能とされれば、用品をコンパクトに梱包することができるので、工場内での搬送や工場から販売店までの輸送等においては、その取り扱いが容易となる。また、倉庫に保管する場合や販売店において陳列する場合等においても、収納スペースや展示スペースを制約することもない。そのため、たとえば、今までに輸送不可能であった倉庫、販売店等にも輸送することができ、陳列不可能であった販売店等にも陳列することができるので、用品の販売の促進に寄与することができる。
【0044】
<参考例>
図8は、本願発明の参考例に係るパイプ材の連結具の連結状態での断面図である。このパイプ材2の連結具1は、パイプ材2同士を持着させるための持着片21が、筒状部材3に対して別体的に設けられている。その他の構成については、上記実施形態において示した構成と略同様である。上記の構成により、持着片21を筒状部材3から取り外す際に、筒状部材3に一体的に設けられている構成に比べ、持着片21に対して曲げ力が加わることが少なくなる。そのため、部品の劣化を抑えることができる。
【0045】
より詳細に説明すると、持着片21は、上記実施形態の持着片10と略同等の大きさを有し、両端部の裏面にパイプ材2に形成された係合孔16に係止するための複数の係止爪22が形成されている。係止爪22は、突出されて先端がすぼまった略円柱状に形成され、その直径は、パイプ材2の係合孔16の径よりやや大とされている。係止爪22の周面には、係止爪22が係合孔16から容易に抜脱しないための突条23が形成されている。なお、係止爪22には、中央部の垂直方向に凹部24が形成されていてもよい。この凹部24により、係止爪22が係合孔16に挿入する際、凹部24の隙間が内方側にせばまり、すなわち、係止爪22の先端側がよりすぼまることになるので、係止爪22がスムーズに係合孔16に導かれるといった利点がある。
【0046】
筒状部材3は、上記実施形態と略同等の大きさを有し、その周面における上面および下面に、長手方向に延びた平面視略楕円形状の凹陥部25が形成されている。凹陥部25の底面には、係止爪22の断面形状と略同等の大きさを有する孔26が形成されている。筒状部材3の周面の一端には、図9に示すように、凹陥部25と連通する溝部27が形成されている。この溝部27は、凹陥部25に嵌め込まれた持着片21を取り外す場合に、ドライバ等の工具を差し込むためのものである。
【0047】
上記連結具1によりパイプ材2を連結する場合は、一方のパイプ材2に筒状部材3を仮状態に嵌めておき、中軸部材4の一端から上記パイプ材2を外嵌させる。中軸部材4の他端から他方のパイプ材2を外嵌させ、このとき、パイプ材2の係合孔16、中軸部材4の挿通孔5とが一致するようにする。そして、筒状部材3をパイプ材2に対して摺動させ、筒状部材3の孔26がパイプ材2の係合孔16と一致させる。次に、図8に示すように、筒状部材3の孔26に持着片21の係止爪22を挿入すれば、両パイプ材2が連結される。
【0048】
次に、上記連結具1を取り外すときには、図10に示すように、ドライバやユーザの爪等を溝部27に差し込んで、持着片21をめくり上げ、持着片21の一端側の係止爪22を筒状部材3の孔26から離脱させる。この状態で、一方のパイプ材2を引き抜くことにより、両パイプ材2が分離される。上記持着片21が、端部側が外側に屈曲可能な弾性体、すなわち、軟質系のポリプロピレン等から構成されれば、他方の係止爪22をパイプ材2の係合孔16に差し込んだままで、持着片21の端部側を容易に開放することができる。これにより、持着片21の端部を筒状部材3から開放させる際に、パイプ材2の係合孔16および中軸部材4の挿通孔5から係止爪22をスムーズに離脱させることができる。
【0049】
なお、持着片21の材質としては、上記ポリプロピレンに限らず、ゴムやラバー等の弾性体としてもよい。また、持着片21の開放される反対側の端部では、筒状部材3と一体的に形成されていてもよい。
【0050】
図11は、他の参考例を示す図である。同図によれば、持着片21に、その中間部から端部に至る部位を外側に折曲可能にするための折曲部28が設けられている。詳細には、折曲部28は、持着片21の短手方向に延びた凹部からなる。この構成においても、上記と同様に、持着片21の端部を筒状部材3から開放させる際に、パイプ材2の係合孔16および中軸部材4の挿通孔5から係止爪22をスムーズに離脱させることができる。なお、持着片21の筒状部材3に対する取り付け方法は、図8に示す参考例と同様である。また、上記折曲部28は、上記凹部に代わり、持着片21が2つに分割され、一方の持着片21を回動自在に支持する支持軸が他方の持着片21に支持された構成とされてもよい。
【0051】
図12および図13は、さらに他の参考例を示す図である。この参考例による持着片31は、パイプ材2の各係合孔16にそれぞれ対応して、上記参考例における持着片21をさらに細かく分離して設けられている。詳細には、各持着片31は、係合孔16に係止され、一端が丸まった略円柱形状に形成された本体部32と、本体部32の他端に接続され、筒状部材3の軸心方向と直交する方向に延びた略矩形状のフランジ部33とを有している。また、筒状部材3には、その周面に上記フランジ部33と略同等の大きさを有する凹陥部34が形成され、さらに凹陥部34の底面に、本体部32の断面形状と略同等の大きさを有する孔35が形成されている。
【0052】
この構成によれば、フランジ部33のフランジ部分の面積が大きく形成されているため、フランジ部分を爪等でめくり上げることにより、ドライバ等の工具を用いることなく、より容易に持着片31を筒状部材3から離脱させることができるといった利点がある。なお、持着片31の筒状部材3に対する取り付け方法は、図8に示す参考例と同様である。
【0053】
図14は、本願発明のさらに他の参考例に係るパイプ材の連結具を示す側面図である。この第3実施形態に係るパイプ材2の連結具1では、切欠部(後述)によって一部が離間した環状部材とされ、かつ筒状部材3の周面に形成された凹陥部(後述)に嵌め込み可能とされた持着片40が備えられている。
【0054】
詳細には、この参考例に係る持着片40は、金属製の弾性体からなり、図15に示すように、所定の幅を有するリング状に形成され、一部に切欠部41を有している。持着片40の内周面には、パイプ材2に形成された係合孔16に対して係止する係止爪42が形成されている。また、筒状部材3の両端近傍の周面には、その外周に沿って上記持着片40を嵌合支持するための凹陥部43が形成されている。さらに、凹陥部43の上面および下面には、上記係止爪42を係止するための凹部44が形成されている。その他の構成については、上記した実施形態において示した構成と略同様である。
【0055】
上記の構成によれば、持着片40を筒状部材3に嵌合させる場合には、予めパイプ材2に持着片40を外嵌させておき、パイプ材2に中軸部材4および筒状部材3を取り付けた後、筒状部材3の凹陥部43に対して筒状部材3の両側から持着片40を嵌合させる。持着片40は、一部に切欠部41を有しているので、筒状部材3の凹陥部43に対して嵌脱可能とされる。このようにすれば、上記持着片40により、パイプ材2をその周面から締め付ける恰好になり、複数のパイプ材2をより堅固に連結することができる。
【0056】
図16は、本願発明のさらに他の参考例に係るパイプ材の連結具を示す側面図である。また、図17は、上記パイプ材の連結具の連結状態での断面図である。この連結具では、筒状部材50は2つの部材からなり、各筒状部材50は互いに嵌合可能な略わに口状に形成され、各筒状部材50の先端部に、パイプ材2に形成された係合孔16に対して係止するための係止爪51が形成されている。その他の構成については、上記実施形態において示した構成と略同様である。
【0057】
上記の構成によれば、筒状部材50は、略わに口状の部材が互いに直交方向に嵌合されており、筒状部材50の先端部に係止爪51が形成されているので、一方の係止爪51が他方のパイプ材2に係止され、他方の係止爪51が一方のパイプ材2に係止される。そのため、パイプ材2が連結状態にある場合、パイプ材2を引き離す方向に力が加わったとき、各係止爪51が両パイプ材2を互いに接近させる方向に力が加わるように作用させるので、パイプ材2の連結を強固に保持することができる。
【0058】
上記連結具1によりパイプ材2を連結する場合は、両パイプ材2に筒状部材50をわに口状の部分が対向するように仮状態にそれぞれ嵌めておき、中軸部材4に対して両パイプ材2を外嵌させる。このとき、パイプ材2の係合孔16、中軸部材4の挿通孔5とが一致するようにする。そして、両筒状部材50をパイプ材2に対して摺動させ、パイプ材2の係合孔16に筒状部材50の係止爪51を挿入する。このとき、図17における左側の筒状部材50の係止爪51は、右側のパイプ材2の係合孔16に挿入させる。また、図17における右側の筒状部材50の係止爪51は、左側のパイプ材2の係合孔16に挿入させる。これにより、パイプ材2が連結される。
【0059】
次に、上記連結具1を取り外すときには、筒状部材50の先端をユーザの爪等によりめくり上げ、筒状部材50の対向する係止爪51をパイプ材2の係合孔16からそれぞれ離脱させる。この状態で、一方のパイプ材2を引き抜くことにより、両パイプ材2が分離される。
【0060】
図18は、本願発明のさらに他の参考例に係るパイプ材の連結具の連結状態での断面図である。この参考例に係る連結具では、2つの部材からなる筒状部材60と、両端にパイプ材2に形成された係合孔16に対して係止する係止爪61を有する略V字状のばね部材62とを備えて構成されている。
【0061】
詳細には、各筒状部材60の内周面には、ばね部材62の係止爪61を収納するための収納部63と、パイプ材2の端部に形成された雌ねじ部64に螺合する雄ねじ部65とが形成されている。その他の構成については、上記実施形態において示した構成と略同様である。
【0062】
この構成によれば、略V字状のばね部材62をパイプ材2に取り付ける際、パイプ材2の内方にばね部材62を挿入するため、ばね部材62の係止爪61がパイプ材2の係合孔16から外部に露出することになるが、筒状部材60には、その係合爪61を収納する収納部63が設けられているので、ばね部材62の係止爪61を隠蔽することができ、見栄えのよい連結具とすることができる。また、ばね部材62の弾性力により中軸部材4とパイプ材2とが堅固に密着するとともに、筒状部材60同士が互いに螺合されているので、パイプ材2の連結力を高めることができる。
【0063】
上記連結具1によりパイプ材2を連結する場合は、中軸部材4の各挿通孔5にばね部材62の突起部61が中軸部材4の内側から嵌め込むようにして、中軸部材4にばね部材62を取り付ける。中軸部材4の両端から、筒状部材60を仮状態に嵌め込んだ両パイプ材2を外嵌させる。このとき、中軸部材4の挿通孔5から突出したばね部材62の突起部61をパイプ材2の係合孔16に嵌挿させるようにする。次いで、両筒状部材60をパイプ材2に対して摺動させ、パイプ材2の端部に形成された雌ねじ部64に筒状部材60の雄ねじ部65を螺合させる。このとき、ばね部材62の突起部61は収納部63に案内される。両筒状部材60の端部が当接するまで螺合させ、これにより、パイプ材2が連結される。
【0064】
次に、上記連結具1を取り外すときには、螺合された筒状部材60を外し、ばね部材62の突起部61を露出させる。そして、ばね部材62の突起部61を外側から押し込むことにより、ばね部材61の中軸部材4に対する係合が外れ、パイプ材2を引き抜くことにより、パイプ材2が分離される。
【0065】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、パイプ材の連結具をモップセットに適用して説明したが、モップセットに限らず、地面や畳を清掃するためのほうきや、洗濯物を干すための物干し竿等の長尺状のものに適用するようにしてもよい。また、上記実施形態では、筒状部材にそれぞれ適当な数の係止爪が設けられていたが、この数に限定されるものではない。また、上記実施形態において説明した中軸部材、筒状部材およびパイプ材等の材質は、上述した記載の材質に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態に係るパイプ材の連結具の分解斜視図である。
【図2】 図1に示す連結具の連結状態での断面図である。
【図3】 図1に示す筒状部材の側面図である。
【図4】 図3に示す筒状部材のI−I断面図である。
【図5】 図3に示す筒状部材のII−II断面図である。
【図6】 本願発明に係るパイプ材の連結具を用いたモップセットを表す平面図である。
【図7】 モップセットを組み立てた状態の全体斜視図である。
【図8】 本願発明の参考例に係るパイプ材の連結具の連結状態での断面図である。
【図9】 図8に示す連結具の平面図である。
【図10】 図8に示す連結具の持着片が開放されたときの状態を示す図である。
【図11】 さらに他の参考例を示す図である。
【図12】 さらに他の参考例を示す図である。
【図13】 図12に示す連結具の平面図である。
【図14】 さらに他の参考例に係るパイプ材の連結具を示す側面図である。
【図15】 図14に示す持着片の外観図である。
【図16】 さらに他の参考例に係るパイプ材の連結具を示す側面図である。
【図17】 図16に示す連結具の連結状態での断面図である。
【図18】 さらに他の参考例に係るパイプ材の連結具の連結状態での断面図である。
【図19】 従来のパイプ材の連結具を示す分解斜視図である。
【図20】 図19に示す連結具の連結状態での断面図である。
【符号の説明】
1 連結具
2 パイプ材
3,50,60 筒状部材
4 中軸部材
10,21,31,40 持着片
14,51,61 係止爪
16 係合孔
17 モップ本体
28 折曲部
43 凹陥部
62 ばね部材
63 収納部
S モップセット
Claims (2)
- 同径のパイプ材を突き合わせ状態で連結するためのパイプ材の連結具であって、
上記パイプ材の外径と略同径の内径を有するとともに、上記パイプ材の連結部分を覆う筒状部材と、上記パイプ材の内径と略同径の外径を有し、上記パイプ材の連結部分の内部に挿入される中軸部材とを備え、
上記筒状部材には、その周方向に並ぶように複数形成され、上記筒状部材の長手方向に延びる孔のそれぞれに、一端が接続片によって上記筒状部材に一体化されるとともに他端に向けて延出し、かつ、この他端に係止爪を有する屈曲可能な持着片が、周方向に隣接する持着片の延出方向が交互に異なるようにして設けられている一方、
上記中軸部材には、上記持着片の係止爪が挿通する挿通孔が形成されており、
上記筒状部材の各持着片の係止爪を、上記パイプ材に開けた係合孔に係合させるとともに、上記中軸部材の挿通孔に挿通させるようにしたことを特徴とする、パイプ材の連結具。 - 請求項1に記載のパイプ材の連結具を用いた柄付き用具の柄であって、
相互に連結可能な複数本のパイプ材を備えたことを特徴とする、柄付き用具の柄。
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