JP4054482B2 - 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4054482B2
JP4054482B2 JP15308599A JP15308599A JP4054482B2 JP 4054482 B2 JP4054482 B2 JP 4054482B2 JP 15308599 A JP15308599 A JP 15308599A JP 15308599 A JP15308599 A JP 15308599A JP 4054482 B2 JP4054482 B2 JP 4054482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
gas
pressure
thermal decomposition
pretreatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15308599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000336372A (ja
Inventor
正嗣 吉森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15308599A priority Critical patent/JP4054482B2/ja
Publication of JP2000336372A publication Critical patent/JP2000336372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4054482B2 publication Critical patent/JP4054482B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を熱分解した後、ガス改質およびガス浄化を行うことによりクリーンな燃料ガスを得る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、廃棄物を熱分解した後、ガス改質およびガス浄化を行うことにより、クリーンな燃料ガスを得る廃棄物処理技術が知られている。
【0003】
このような技術においては、廃棄物処理装置に供給される被処理物が過大な水分を含んでいる場合には、熱分解工程での温度上昇が不十分となり、熱分解ガスの発生に支障をきたすことがあるため、廃棄物前処理工程で乾燥を実施するのが一般的である。
【0004】
乾燥に際しては、後流の熱分解工程へ空気を持ち込むことを避けつつ、乾燥を実現する必要がある。乾燥を効率よく実現させるためには、蒸発してきた水蒸気やガス成分を吸引および排除することにより廃棄物表面における水蒸気分圧や蒸気ガス成分の分圧を下げ蒸発へのライビングフォースを確保する必要があり、吸引ブロワのような機器を適用するのが一般的であるが、吸引の度合が強すぎると廃棄物前処理工程の圧力が熱分解工程の圧力よりも低くなり、熱分解工程で発生した熱分解ガスの廃棄物前処理工程への圧力よりも低くなってしまい、熱分解工程で発生した熱分解ガスの廃棄物前処理工程への逆流が起こりうる状況となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術においては圧力逆転や熱分解ガスの逆流が生じる可能性がある。これにより、逆流量が多くなると廃棄物処理装置から得られる製品(浄化ガス)の量および質に悪影響がでるばかりでなく、熱分解ガス中の可燃成分による燃焼や高沸点成分の固着による閉塞などの弊害が生ずる可能性もある。このため、そのような逆流を防止するための手段を確立する必要がある。
【0006】
また、廃棄物前処理工程で乾燥を実施する場合のように、仮に廃棄物前処理工程の圧力が下流の熱分解工程の圧力よりも低い状況にあったとしても、熱分解ガスの逆流防止に有効な手段を採ることができれば、さらに望ましい。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、燃料ガスの質を低下させる原因となっている熱分解工程への空気やガスの漏入を防止するとともに、廃棄物前処理工程への熱分解ガス逆流を阻止することにより熱分解工程の上流で非意図的な燃焼等が起きる可能性を排除し、それにより良質の製品が、安全かつ確実に製造できる廃棄物処理装置および廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1の発明では、燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構と、前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段との間の運転圧力差を計測するための圧力計測手段と、この圧力差計測手段によつて検出された差圧に基づいて前記遮断機構の制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0009】
請求項2に係る発明では、燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構と、前記廃棄物前処理手段と前記熱分解手段との間の運転圧力等を計測するための圧力計測手段と、前記廃棄物前処理手段と前記熱分解手段との間の圧力差を計測するための圧力計測手段とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0010】
請求項3に係る発明では、燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構とを具備し、前記遮断機構は前記廃棄物流路および前記熱分解手段に接続した圧力計測手段の計測値に基づいて前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力より高くなった場合に閉となることを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0011】
請求項4に係る発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構と前記廃棄物挿入手段との間に廃棄物貯槽を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0012】
請求項5に係る発明では、請求項1からまでのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構のうち前記廃棄物前処理手段に最も近い側に配置された遮断機構の前記廃棄物挿入手段側に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0013】
請求項6に係る発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構が複数の遮断機構から成る場合に、前記廃棄物挿入手段に最も近い側に配置された遮断機構の前記廃棄物前処理手段側に、ガス排出手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0014】
請求項7に係る発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記圧力計測手段からの信号を用いて前記遮断機構を開閉させることにより前記それぞれの手段の運転圧力が所定の圧力順位を満たすように制御する制御手段を配したことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0015】
請求項8に係る発明では、請求項1からまでのいずれかに記載の廃棄物処理装置において前記廃棄物前処理手段を出て前記廃棄物挿入手段に入るまでの経路を複数本の並列経路としたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0016】
請求項9の発明では、請求項1から8までのいずれかに記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、前記各手段の内部における運転圧力が前記廃棄物前処理手段、前記廃棄物挿入手段、前記熱分解手段、前記ガス改質手段、前記ガス冷却手段、前記ガス浄化手段の順で低くなるように運用することを特徴とする廃棄物処理方法を提供する。
【0017】
請求項10の発明では、請求項8記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを繋ぐ複数本の経路のうちの一本を、まず前記廃棄物前処理手段に最も近い側の遮断機構を開とするとともに、前記廃棄物挿入手段に最も近い側の遮蔽機構を閉として両遮蔽機構の間の空間に廃棄物を受け入れ、次に前記廃棄物前処理手段に最も近い側の遮断機構を閉とするとともに、前記不活性ガス供給手段から不活性ガスを供給して前記ガス排出手段から排出することでパージを行い、続いて前記廃棄物挿入手段に最も近い側の遮蔽機構を開とすることにより廃棄物を前記廃棄物挿入手段へと導入して熱分解工程へ挿入するといった順序で、また他の経路はこれと同一の順序で位相をずらした形で運用することにより、熱分解手段への廃棄物の挿入が全体ではあたかも連続して行われるようにすることを特徴とする廃棄物処理方法を提供する。
【0018】
請求項11の発明では、請求項1から8までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記固体状残さ排出手段に固体状残さ排出経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0019】
請求項12の発明では、請求項11記載の廃棄物処理装置において、前記熱分解手段と前記固体状残さ排出手段とを結ぶ経路内に前記熱分解手段で生じた固体状残さを貯留するための固体状残さ貯槽を備え、貯留された固体状残さによるシールを行わせることを特徴とする廃棄物処理装置を提供する。
【0020】
請求項13の発明では、請求項11または12記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、固体状残さ排出のタイミングに同期するように固体状残さ排出経路の遮断機構を開閉させることにより、前記固体状残さ排出手段の後流から前記熱分解手段へのガス逆流や前記固体状残さ排出手段の周辺雰囲気から前記熱分解手段への空気漏れ込みを阻止することを特徴とする廃棄物処理方法を提供する。
【0021】
請求項14の発明では、請求項9記載の廃棄物処理方法において、各手段の運転圧力を計測するための圧力計測手段及び二つの工程間の圧力差を計測するための圧力差計測手段の少くともいずれかを使用して、前記廃棄物前処理手段で廃棄物の乾燥を行わせる際に廃棄物から蒸発した水蒸気などを吸引および排出する機構の能力を前記計測手段からの信号を基にして調整することにより、前記廃棄物前処理手段の圧力が前記ガス改質手段の圧力よりも低くならないように運用することを特徴とする廃棄物処理方法を提供する。
【0022】
請求項15に係る発明では、請求項9,13または14記載の廃棄物処理方法において、前記熱分解残さ排出手段の後流で、前記熱分解残さ排出手段から排出された熱分解残さを導入するとともに、燃料と酸化剤とを添加して溶融物とガス状生成物を得、それにより生じたガス状生成物を前記ガス冷却手段の上流あるいは前記ガス浄化手段の上流へ合流させるガス化溶融処理を行うことを特徴とする廃棄物処理方法を提供する。
【0023】
このような本発明においては、各工程の圧力を計測するための計測手段を設け、それらによる計測結果を基に廃棄物前処理工程を起点としてガス浄化工程に至る各工程の圧力が単調減少していくように運転圧力を制御することにより、ガス逆流を防止することができる。
【0024】
即ち、熱分解ガスの逆流が生じるのを防止するための手段を確立しようとする場合、廃棄物処理装置の運転時を通して、常に廃棄物前処理工程の圧力を熱分解工程の圧力より若干高く静翼し続けるのは高度な制御が必要となりコスト高にもなる一方で十分な乾燥が達成できなくなる可能性もあり、現実的な対策とは言えない。
【0025】
本発明では、十分な乾燥を実現できるとともに、圧力的な逆転が生じないような機器プロセス構成とその運用方法についてなされたものである。
【0026】
また、廃棄物前処理工程で乾燥を実施する場合、仮に廃棄物前処理工程の圧力が下流の熱分解工程の圧力よりも低い状況にあっても、廃棄物前処理工程から熱分解工程へ至る複数本の経路を用意し、そのそれぞれに廃棄物前処理工程と熱分解工程とを遮断する遮断機構を設置することにより、熱分解ガスの逆流を防止することが可能である。複数本の経路に設置された遮断機構を開閉させながら複数本の経路を順次切り替えていくことにより、廃棄物前処理工程と熱分解工程との接続を絶ちながら連続的廃棄物処理を達成することが可能である。
【0027】
さらに、熱分解残さ排出工程から熱分解工程への空気やガスの漏入防止対策については熱分解残さ排出工程に少なくとも一つの遮断機構を配し、残さ排出時にこの遮断機構を残さ排出のタイミングに同期するように開閉させることにより熱分解残さ排出工程の下流からのガス逆流を防止することが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0029】
第1実施形態(図1,図10)
図1は、本発明の第1実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0030】
この図1に示すように、廃棄物処理装置は前段に、廃棄物導入路1および廃棄物前処理手段2を備える。
【0031】
そして、これらの後段に、順に、廃棄物流路3、廃棄物挿入手段4、熱分解手段5、ガス改質手段6、ガス冷却手段7、ガス浄化手段8、ガス吸引・昇圧手段9、ガス取り出し路10、固体状残さ取り出し路11、固体状残さ排出手段12および遮断機構13を備える。
【0032】
廃棄物前処理手段2は、例えば破砕装置、分級装置、乾燥装置等を備え、ここで被処理物である廃棄物が所定粒度の乾燥粉体状に前処理された後、供給手段によって廃棄物流路3に供給される。
【0033】
図10(A),(B),(C)は、この供給手段50による供給作用を概略的に示している。
【0034】
この供給手段50は、例えば貯留部51、この貯留部51の前後に設けられた一対のゲート52,53および空気排出用の弁54,55を有するイナートライン56,57を備えている。そして、図10(A)に示すように、入口ゲート52を用いて被処理物58を貯留部51に導入した後、図10(B)に示すように入口ゲート52を閉じてイナートライン56,57の弁54,55を開とし、不活性ガス等を用いて空気を排出する。その後、図10(C)に示すように、出口ゲート53を開いて被処理物58を廃棄物流路3へ送り込む。
【0035】
次に、図1に示すように、被処理物58は廃棄物流路3を介して廃棄物挿入手段4から熱分解手段5に送られ、ここで熱分解処理され、その後、ガス改質手段6、ガス冷却手段7、ガス浄化手段8、ガス吸引・昇圧手段9、ガス取り出し路10、固体状残さ取り出し路11および固体状残さ排出手段12に順次に送られる。
【0036】
熱分解手段5では、燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る。
【0037】
ガス改質手段6では、ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて、ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分や一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ、高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得る。
【0038】
ガス冷却手段7では、ガス改質手段6で得られた高温ガス混合物の冷却が行われ、ガス浄化手段8では、ガス冷却手段7で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分の浄化処理が行われる。ガス吸引・昇圧手段9では、ガス浄化手段8で得られたガスを吸引し、その後の工程で利用可能な圧力まで昇圧し、ガスをガス取り出し路10によって取出す。
【0039】
なお、熱分解手段5で得られた固体状の残さは、固体状残さ取り出し路11および固体状残さ排出手段12を介して排出される。
【0040】
このような構成の下で、本実施形態では、廃棄物前処理手段2と廃棄物流路3とを結ぶ経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構13を備えている。この遮断機構13は、例えばシャッタ機構により構成されており、廃棄物流路3および熱分解手段5に接続した圧力計測手段61,62の計測値に基づいて、例えば熱分解手段5の内部圧力が廃棄物流路3の内部圧力よりも高くなったような場合に、制御手段63または操作手段64により瞬時に閉となる。
【0041】
したがって、本実施形態によれば、遮断機構13の閉動作によって、図10に示した廃棄物前処理手段2にガスが逆流することが確実に防止され、安全性の高い運転が確保できるようになる。
【0042】
第2実施形態(図2)
図2は、本発明の第2実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0043】
本実施形態でも基本的な構成は第1実施形態と同様である。即ち、図2に示すように、廃棄物処理装置は前段に、廃棄物導入路1および廃棄物前処理手段2を備え、これらの後段に、順に、廃棄物流路3、廃棄物挿入工程4、熱分解手段5、ガス改質手段6、ガス冷却手段7、ガス浄化手段8、ガス吸引・昇圧手段9、ガス取り出し路10、固体状残さ取り出し路11、固体状残さ排出手段12および遮断機構13を備える。なお、図示しないが、第1実施形態と同様の制御手段63等も備える。
【0044】
このような構成において、本実施形態では、廃棄物流路3に遮断機構13が設けられるとともに、さらにその廃棄物流路3における遮断機構13の後段に、廃棄物貯槽14が設けられている。この廃棄物貯槽14は、廃棄物挿入手段4以降での各手段により、ある一定時間以上の運転が継続できる所要量の廃棄物を収容および送り出すことができるものとなっている。
【0045】
このような構成によると、前記第1実施形態と同様に、遮断機構13による通路遮断が行われるが、その場合に廃棄物貯槽14によって廃棄物供給を続行できるので、装置全体の運転を停止する必要がなく、通常のガス処理が継続できるようになる。
【0046】
第3実施形態(図3)
図3は、本発明の第3実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0047】
本実施形態では、廃棄物前処理手段2と前記廃棄物挿入手段4の内部圧力を計測する圧力計測手段16と、両者間の運転圧力差を計測するための圧力差計測手段17とを備えている。
【0048】
そして、圧力差計測手段17によって検出された差圧に基づいて、図1と同様の制御手段によって遮断機構13の制御を行うようになっている。
【0049】
また、本実施形態ではこれに加えて熱分解手段5の内部の運転圧力を計測するための圧力計測手段18と、廃棄物前処理手段2と熱分解手段5との間の圧力差を計測するための圧力差計測手段19も備え、この圧力差検出値も制御手段に入力されて前記同様の遮断が行えようになっている。
【0050】
本実施形態によると、下流側に配される廃棄物挿入手段4および熱分解手段5の両方の圧力検出に基づく遮断制御を行うことで、差圧発生状況や差圧の消滅状況の把握、あるいは差圧発生場所の特定等がさらに高精度で行えるとともに、制御動作のタイミングをより的確に行えるようになる。
【0051】
第4実施形態(図4)
図4は、本発明の第4実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0052】
本実施形態では、複数の遮断機構13−1,〜13−nを備え、その遮断機構のうち廃棄物前処理手段2に最も近い側に配置された遮断機構13−1の前記廃棄物挿入手段4側に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段20と、その供給されたガスを排出するガス排出手段21とを備えている。
【0053】
また、廃棄物導入路1の内部圧力を計測する圧力計測手段65と、廃棄物挿入手段4の内部圧力を計測する圧力計測手段66と、これらの圧力計測手段65,66の測定値に基づいて動作制御を行う制御手段67とを備え、この制御手段67によって不活性ガス供給手段20とガス排出手段21とに設けた弁の制御を行うことができるようになっている。
【0054】
このような構成によると、不活性ガス供給手段20への不活性ガスの供給によって遮断機構13間の圧力を高めて廃棄物挿入手段4以降の高圧に対処できるとともに、ガス排出手段21からのガス排出によって低圧化も図れる。したがって、ガスの逆流防止とともに管内圧力調整とが行える。
【0055】
第5実施形態(図5)
図5は、本発明の第5実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0056】
本実施形態では、圧力計測手段15,18および圧力差計測手段19からの信号22を用いて遮断機構13を開閉させることにより、それぞれの手段2,4,5の運転圧力が所定の圧力順位を満たすように制御する制御手段23が配されている。
【0057】
即ち、制御手段23は各信号22を受け、廃棄物前処理手段2および遮断機構13を制御するようになっている。これにより、遮断機構13の動作のみでなく、廃棄物前処理手段2(図10参照)の内部における遮断制御も行えるようになる。
【0058】
また、各手段の運転圧力を計測するための圧力計測手段及び二つの工程間の圧力差を計測するための圧力差計測手段の少くともいずれかを使用して、廃棄物前処理手段2で廃棄物の乾燥を行わせる際に廃棄物から蒸発した水蒸気などを吸引および排出する機構の能力を計測手段からの信号を基にして調整することにより、廃棄物前処理手段2の圧力がガス改質手段6の圧力よりも低くならないように運用することができる。
【0059】
第6実施形態(図6)
図6は、本発明の第6実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0060】
本実施形態では、廃棄物前処理手段2を出て廃棄物挿入手段4に入るまでの経路3が、複数本の並列経路3−1,3−2,3−3,…3−nとされている。
【0061】
このような構成の各経路3−1,…3−n内には、それぞれ前述した遮断機構13およびガス供給手段20および排出手段21等が設けられている。
【0062】
そして、各手段の内部における運転圧力が、廃棄物前処理手段2、廃棄物挿入手段4、熱分解手段5、ガス改質手段6、ガス冷却手段7およびガス浄化手段8の順で低くなるように運用するようにしている。
【0063】
即ち、廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを繋ぐ複数本の経路のうちの一本を、まず廃棄物前処理手段2に最も近い側の遮断機構13を開とするとともに、廃棄物挿入手段4に最も近い側の遮蔽機構13を閉として両遮蔽機構13の間の空間に廃棄物を受け入れ、次に廃棄物前処理手段2に最も近い側の遮断機構13を閉とするとともに、不活性ガス供給手段20から不活性ガスを供給してガス排出手段21から排出することでパージを行う。
【0064】
続いて、廃棄物挿入手段4に最も近い側の遮蔽機構13を開とすることにより廃棄物を廃棄物挿入手段4へと導入して熱分解手段5へ挿入するといった順序で、また他の経路はこれと同一の順序で位相をずらした形で運用する。
【0065】
これにより、熱分解手段5への廃棄物の挿入が全体ではあたかも連続して行われるようにすることができる。
【0066】
第7実施形態(図7)
図7は、本発明の第7実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0067】
本実施形態では、固体状残さ排出手段12に固体状残さ取り出し路11を遮断する少なくとも一つの遮断機構25を備えている。
【0068】
このような構成により、固体状残さ排出のタイミングに同期するように固体状残さ取り出し路11の遮断機構を開閉させることにより、固体状残さ排出手段12の後流から熱分解手段5へのガス逆流や固体状残さ排出手段の周辺雰囲気から熱分解手段への空気漏れ込みを阻止することができる。
【0069】
第8実施形態(図8)
図8は、本発明の第8実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0070】
本実施形態では、図7の構成に加えて、熱分解手段5と固体状残さ排出手段12とを結ぶ固体状残さ取り出し路11内に、熱分解手段5で生じた固体状残さを貯留するための固体状残さ貯槽26を備え、貯留された固体状残さによるシールを行わせるようになっている。
【0071】
これにより、固体状残さ部分に高度のシール性を与えることができる。
【0072】
第9実施形態(図9)
図9は、本発明の第9実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0073】
本実施形態では、熱分解残さ排出手段12の後流に、熱分解残さ排出手段12から排出された熱分解残さを導入するとともに、燃料と酸化剤とを添加して溶融物とガス状生成物を得、それにより生じたガス状生成物をガス冷却手段6の上流あるいはガス浄化手段8の上流へ合流させるガス化溶融手段27およびこれからのガス状生成物流路28を備えている。
【0074】
このような構成によると、残さ中に含まれるガス成分等を再び主流側に戻して有効に処理,回収等することができる。
【0075】
第10実施形態(図10,図11)
図11は、本発明の第10実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図である。
【0076】
本実施形態では、図10(A),(B),(C)に示した基本的な供給手段50を利用して、図11(A)に示すように、廃棄物受入、ガスパージおよび廃棄物排出を、複数の廃棄物流路3において、順次に行うものである。
【0077】
即ち、図11(B)は図中にA,B,Cで示した3組のゲートを相互に制御する。例えば、図11(B)では最上位の経路Aで受入れを行い、中間経路Bでガスパージを行い、最下位の経路Cで排出を行う。
【0078】
図11(C)では、上記の図11(B)の作用が順に上側にずれ、図11(D)では、さらに上側にずれる。
【0079】
このようにして、順次に複数の経路で廃棄物の受入、ガスパージおよび排出を行う。この場合、1つの経路で行う場合と異なり、経路は常時遮断された状態となっている。
【0080】
したがって、前述した遮断機構13を省略することができ、その場合でも、ガスの逆流を防止することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明によれば、熱分解ガス中の可燃成分による燃焼・爆発や高沸点成分の固着による閉塞などの弊害を回避することができ信頼性、安全性の確保が有効に図れる。
【0082】
また、熱分解工程への非意図的なガスの流入・特に空気の流入を阻止することができ廃棄物処理装置性能低下防止や安全性確保にも有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図2】本発明の第2実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図3】本発明の第3実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図4】本発明の第4実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図5】本発明の第5実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図6】本発明の第6実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図7】本発明の第7実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図8】本発明の第8実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図9】本発明の第9実施形態による廃棄物処理装置を示すシステム構成図。
【図10】(A),(B),(C)は、この供給手段による供給作用を概略的に示した図。
【図11】(A),(B),(C),(D)は、本発明の第10実施形態による廃棄物処理装置を説明するためのシステム構成図。
【符号の説明】
1 廃棄物導入路
2 廃棄物前処理手段
3 廃棄物流路
4 廃棄物挿入手段
5 熱分解手段
6 ガス改質手段
7 ガス冷却手段
8 ガス浄化手段
9 ガス吸引・昇圧手段
10 ガス取り出し路
11 固体状残さ取り出し路
12 固体状残さ排出手段
13 遮断機構
14 廃棄物貯槽
15,16 圧力計測手段
17 圧力差計測手段
18 圧力計測手段
19 圧力差計測手段
20 不活性ガス供給手段
21 ガス排出手段
22 信号
23 制御手段
25 遮断機構
26 固体状残さ貯槽
27 ガス化溶融手段
28 ガス状生成物流路
50 供給手段
51 貯留部
52 入口ゲート
53 出口ゲート
54,55 弁
56,57 イナートライン
58 被処理物
61,62 圧力計測手段
63 制御手段
64 操作手段

Claims (15)

  1. 燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構と、前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段との間の運転圧力差を計測するための圧力計測手段と、この圧力差計測手段によつて検出された差圧に基づいて前記遮断機構の制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構と、前記廃棄物前処理手段と前記熱分解手段との間の運転圧力等を計測するための圧力計測手段と、前記廃棄物前処理手段と前記熱分解手段との間の圧力差を計測するための圧力計測手段とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  3. 燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを用いて、有機物を含む廃棄物を空気を遮断した状態下で間接的に加熱することにより、ガス状の熱分解生成物と固体状の残さを得る熱分解手段と、前記熱分解手段の上流に接続され、前記熱分解手段へ廃棄物を挿入するための廃棄物流路およびこれに接続された廃棄物挿入手段と、前記廃棄物挿入手段の上流における前記廃棄物流路に接続され、前記廃棄物挿入手段へ導入される廃棄物の性状を調整するための破砕、分級または乾燥を行う廃棄物前処理手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記ガス状の熱分解生成物を導入するとともに空気または酸素富化空気あるいは酸素から成る酸化剤ガスの導入を行い、前記ガス状の熱分解生成物中に含まれる可燃成分の少なくとも一部と前記酸化剤ガス中の酸素とが介在する反応を起こさせて前記ガス状の熱分解生成物中の高位炭化水素成分を低位炭化水素成分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気へと変換させ高位炭化水素成分を含まない高温ガス混合物を得るガス改質手段と、前記ガス改質手段の後流に接続され、前記ガス改質手段で得られた高温ガス混合物を冷却するためのガス冷却手段と、前記ガス冷却手段の後流に接続され、前記ガス冷却手段で得られたガスを導入してその中に含まれるダストや有害成分を浄化処理するためのガス浄化手段と、前記ガス浄化手段の後流に接続され、前記ガス浄化手段で得られたガスを吸引してその後の手段で利用可能な圧力まで昇圧するためのガス吸引・昇圧手段と、前記熱分解手段の後流に接続され、前記熱分解工程で得られた固体状の残さを排出するための固体状残さ排出手段と、前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力よりも高くなった場合に前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを結ぶ前記廃棄物流路としての経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構とを具備し、前記遮断機構は前記廃棄物流路および前記熱分解手段に接続した圧力計測手段の計測値に基づいて前記熱分解手段の内部圧力が前記廃棄物流路の内部圧力より高くなった場合に閉となることを特徴とする廃棄物処理装置。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構と前記廃棄物挿入手段との間に廃棄物貯槽を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  5. 請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構のうち前記廃棄物前処理手段に最も近い側に配置された遮断機構の前記廃棄物挿入手段側に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  6. 請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記少なくとも一つの遮断機構が複数の遮断機構から成る場合に、前記廃棄物挿入手段に最も近い側に配置された遮断機構の前記廃棄物前処理手段側に、ガス排出手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  7. 請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記圧力計測手段からの信号を用いて前記遮断機構を開閉させることにより前記それぞれの手段の運転圧力が所定の圧力順位を満たすように制御する制御手段を配したことを特徴とする廃棄物処理装置。
  8. 請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において前記廃棄物前処理手段を出て前記廃棄物挿入手段に入るまでの経路を複数本の並列経路としたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  9. 請求項1から8までのいずれかに記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、前記各手段の内部における運転圧力が前記廃棄物前処理手段、前記廃棄物挿入手段、前記熱分解手段、前記ガス改質手段、前記ガス冷却手段、前記ガス浄化手段の順で低くなるように運用することを特徴とする廃棄物処理方法。
  10. 請求項8記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、前記廃棄物前処理手段と前記廃棄物挿入手段とを繋ぐ複数本の経路のうちの一本を、まず前記廃棄物前処理手段に最も近い側の遮断機構を開とするとともに、前記廃棄物挿入手段に最も近い側の遮蔽機構を閉として両遮蔽機構の間の空間に廃棄物を受け入れ、次に前記廃棄物前処理手段に最も近い側の遮断機構を閉とするとともに、前記不活性ガス供給手段から不活性ガスを供給して前記ガス排出手段から排出することでパージを行い、続いて前記廃棄物挿入手段に最も近い側の遮蔽機構を開とすることにより廃棄物を前記廃棄物挿入手段へと導入して熱分解工程へ挿入するといった順序で、また他の経路はこれと同一の順序で位相をずらした形で運用することにより、熱分解手段への廃棄物の挿入が全体ではあたかも連続して行われるようにすることを特徴とする廃棄物処理方法。
  11. 請求項1から8までのいずれかに記載の廃棄物処理装置において、前記固体状残さ排出手段に固体状残さ排出経路を遮断する少なくとも一つの遮断機構を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  12. 請求項11記載の廃棄物処理装置において、前記熱分解手段と前記固体状残さ排出手段とを結ぶ経路内に前記熱分解手段で生じた固体状残さを貯留するための固体状残さ貯槽を備え、貯留された固体状残さによるシールを行わせることを特徴とする廃棄物処理装置。
  13. 請求項11または12記載の廃棄物処理装置を使用し廃棄物処理する方法であって、固体状残さ排出のタイミングに同期するように固体状残さ排出経路の遮断機構を開閉させることにより、前記固体状残さ排出手段の後流から前記熱分解手段へのガス逆流や前記固体状残さ排出手段の周辺雰囲気から前記熱分解手段への空気漏れ込みを阻止することを特徴とする廃棄物処理方法。
  14. 請求項9記載の廃棄物処理方法において、各手段の運転圧力を計測するための圧力計測手段及び二つの工程間の圧力差を計測するための圧力差計測手段の少くともいずれかを使用して、前記廃棄物前処理手段で廃棄物の乾燥を行わせる際に廃棄物から蒸発した水蒸気などを吸引および排出する機構の能力を前記計測手段からの信号を基にして調整することにより、前記廃棄物前処理手段の圧力が前記ガス改質手段の圧力よりも低くならないように運用することを特徴とする廃棄物処理方法。
  15. 請求項9,13または14記載の廃棄物処理方法において、前記熱分解残さ排出手段の後流で、前記熱分解残さ排出手段から排出された熱分解残さを導入するとともに、燃料と酸化剤とを添加して溶融物とガス状生成物を得、それにより生じたガス状生成物を前記ガス冷却手段の上流あるいは前記ガス浄化手段の上流へ合流させるガス化溶融処理を行うことを特徴とする廃棄物処理方法。
JP15308599A 1999-05-31 1999-05-31 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法 Expired - Fee Related JP4054482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15308599A JP4054482B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15308599A JP4054482B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007293782A Division JP2008101223A (ja) 2007-11-12 2007-11-12 廃棄物処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000336372A JP2000336372A (ja) 2000-12-05
JP4054482B2 true JP4054482B2 (ja) 2008-02-27

Family

ID=15554658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15308599A Expired - Fee Related JP4054482B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4054482B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8845771B2 (en) * 2008-07-23 2014-09-30 Latif Mahjoob System and method for converting solids into fuel
CN114181747A (zh) * 2021-10-21 2022-03-15 北京工业大学 一种废弃有机无机复合材料过热催化转化制备富氢燃气的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000336372A (ja) 2000-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2442818C2 (ru) Горелка для хорошо коксующихся углей и газификатор
CA2570228C (en) Method and apparatus for discharging slag from gasification reactors
KR101534589B1 (ko) 용광로 플랜트에서 축열식 히터들을 작동시키는 방법
WO2005085397A1 (ja) バイオマスガス化システムおよびその運転方法
KR101351823B1 (ko) 석탄가스의 성분을 분석하기 위한 가스 분석 시스템
JP4295731B2 (ja) フィルタの再生方法及びその装置
US9127207B2 (en) Pyrolyser
JP5761932B2 (ja) フィルタ装置の再生方法及びフィルタ装置の再生システム
JP4054482B2 (ja) 廃棄物処理装置およびその廃棄物処理方法
JP2004269758A (ja) 廃棄物の熱分解装置
JP2009112968A (ja) 廃棄物処理装置及びその運転方法
US20160200991A1 (en) Process and plant for at least partial gasification of solid organic feed material
JP5787742B2 (ja) フィルタエレメント再生方法
JP4224920B2 (ja) 熱分解ガス加熱方法及び装置
JP3824911B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006317053A (ja) 廃棄物を熱分解ガス化する設備における自己熱熱分解方法及び装置
JP2008101223A (ja) 廃棄物処理装置
KR102574944B1 (ko) 고로가스 더스트 측정시스템
JP2022067699A (ja) ガス化システムおよびガス化炉の運転方法
JP4585348B2 (ja) 廃棄物からの燃焼成分の回収、貯蔵方法および装置
JP3777339B2 (ja) 廃棄樹脂の油化装置
JPH07126648A (ja) 竪型成形コークス乾留炉のガス混合室と高温羽口間の除煤方法
JP3806829B2 (ja) 廃プラスチック熱分解装置およびこのクリーニング方法
JP3916759B2 (ja) 熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置
JP2001247872A (ja) 廃棄物処理装置および廃棄物処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees