JP4054380B2 - 消化器疾患用診断薬 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、消化器疾患をスクリーニングするための抗体試薬およびキットに関するものである。また、本発明は、消化器疾患の画像診断法に有用な診断薬およびキットに関するものである。
背景技術
虚血性大腸炎、腸閉塞は腸管の血行循環障害に基づいて生じる重篤な疾患である。その原因は動脈硬化や全身の血管炎などに基づく心血管障害による血栓塞栓症や絞扼性腸閉塞、腸重積、腸軸捻転などによる局所血行障害など多岐にわたる。とくに近年は動脈硬化性循環器疾患の増加を反映して腸循環障害は増加している。腸管への血行障害は広範な腸管組織、腸管平滑筋細胞の壊死を引き起こし、激しい腹痛を伴い、時に穿孔に至り死亡率が高く非常に重篤である。一方、潰瘍性大腸炎、クローン病や放射線、薬剤、膠原病、感染症、悪性新生物などによる潰瘍性消化器疾患も重症になると同様に腸管平滑筋細胞の壊死を伴って時には腹膜穿孔に至る。このように腸管壁の最深部で腹腔を防御している平滑筋層が傷害される病態は重篤なものが多く、これらの疾患に対して適切な治療を施すには迅速で正確な診断が不可欠である。
従来、これらの腸管平滑筋障害性疾患に特有の検査法はないため、腹部X線検査、内視鏡検査等の画像診断法や原疾患から派生する様々な一般血液生化学検査の異常値から推測診断するしかなく、その診断に苦慮することが多かった。
かかる診断法のうち、虚血性消化器疾患、重症潰瘍性消化器疾患の画像診断法としては、他の消化器疾患の場合と同様に、腹部X線写真、エコー検査、CT(X線コンピュータートモグラフィー)、消化管造影検査、内視鏡検査、血管造影検査などが用いられている。
しかし、消化管造影検査や血管造影検査は急性期には危険を伴うため一般的ではない。とくに、小腸の疾患に対しては消化管造影検査、内視鏡検査、血管造影検査は極めて診断能力が低い。また、エコー検査、CTは胃や腸の疾患の診断には有用ではない。
従って、本願発明は、虚血性消化器疾患や重症潰瘍性消化器疾患の傷害された消化管平滑筋細胞に特異的に結合し、生体外でこれらの疾患を検出するための抗体試薬の提供を目的とするものである。また、生体内で消化器疾患の疾患部位に特異的に結合して、その正確な疾患部位の特異的画像診断を可能にするトレーサー製剤の開発を目的とするものである。
発明の開示
本発明者らは、このような消化器疾患においては、血液中に平滑筋ミオシンが遊離してくることに着目し検討を行った結果、平滑筋ミオシンの検出が本疾患の診断に有用なものであることを見いだし、本願発明を完成した。
さらに、本発明は、放射性同位元素で標識された、平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平滑筋ミオシン軽鎖とは反応しないヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを含有する、虚血性大腸炎、腸閉塞、腸重積及び腸軸捻転から選ばれる虚血性消化器疾患、及び腸管平滑筋細胞の傷害に伴う潰瘍性消化器疾患の画像診断薬およびキットに関するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、標準曲線を示したものである。図2は、本発明キットに用いられる洗浄液としてTween 20溶液を用いた場合のTween 20の各濃度におけるミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図3は、本発明キットに用いられる洗浄液としてリゾレシチン溶液を用いた場合におけるミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図4は、本発明キットに用いられる洗浄液としてTriton CF-10、Triton N-101、Triton X-100、Triton X-114、Triton X-305、Triton X-405及びNonidet P-40の各々の溶液を用いた時のミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図5は、本発明キットに用いられる洗浄液としてBrij35及びBrij58の各々の溶液を用いた時のミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図6は、本発明キットに用いられる洗浄液としてTween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80及びTween 85の各々の溶液を用いた時のミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図7は、本発明キットに用いられる洗浄液としてSpan 20、Span 80及びSpan 85の各々の溶液を用いた時のミオシン濃度に対する吸光度の変化を示す図である。図8は、交叉反応性を検討した結果を示したものである。図9はオートラジオグラフィーによるイメージングの結果を示したものである。
発明を実施するための最良の形態
(1)ヒト平滑筋ミオシンに対する抗体
本発明に使用する抗体は、ヒト平滑筋ミオシン、特にヒト平滑筋ミオシン重鎖に対して特異的に結合するものであれば特に限定されないが、他のミオシンに交差反応性が小さいものを使用するのが好ましい。
このような抗体、特にモノクローナル抗体は、後述の実施例に示すように公知の方法を適宜用いることにより調製することができる(例えば、「免疫生化学研究法(続生化学実験講座5)」、日本生化学会編、1〜88頁(1986年)、Biochemistry,27,3807-3811(1988)、Eur.J.Biochem.,179,79-85(1989)、J.Mol.Biol.,198,143-157(1987)、J.Biol.Chem.,264,9734-9737(1989)、J.Biol.Chem.,264,18272-18275(1989)、J.Biol.Chem.,266,3768-3773(1991)、Circulation,88,1804-1810(1993)等参照)。
使用する抗体は、抗体そのものでもよいが、活性フラグメントを使用することもできる。活性フラグメントとしては、F(ab’)2、Fab’、Fabなどの各種フラグメントで、本発明の抗体の特徴を有するものであればよい。このような活性フラグメントを使用することで、非特異的な吸着を抑制し、測定誤差を最少限にすることができる。また、血中に投与した場合には、血中の半減期を早め、生体内クリアランスを高めることも可能である。
これらの活性フラグメントの調製には、精製抗体、特に精製モノクローナル抗体に対してパパイン、ペプシン、トリプシン処理などの公知の方法を適用することができる(「免疫生化学研究法(続生化学実験講座5)」、日本生化学会編、89頁(1986年)等参照)。
このように調製された抗体または活性フラグメントは、以下の抗体試薬あるいは画像診断薬に使用される。
(2)抗体試薬および検出用キット
本発明の抗体試薬は、被検サンプル中のヒト平滑筋ミオシンをイムノアッセイにより測定し、その測定値から消化器疾患をスクリーニングするために使用するものである。したがって、本発明の抗体試薬は、少なくともヒト平滑筋ミオシンに対する抗体またはその活性フラグメントを含んでいなければならない。使用する抗体およびその活性フラグメントとしては、上記(1)で説明したものを例示することができる。
抗体試薬としては、溶液状または凍結乾燥状の抗体またはその活性フラグメントを使用することができ、必要に応じて採用したアッセイ法に適した形態(固相化抗体、標識化抗体など)に修飾したものであってもよい。
抗体またはその活性フラグメントの修飾は、それぞれ常法に従って行うことができる。例えば、固相化抗体を調製する場合、使用できる担体の材質としては、抗体またはその活性フラグメントとの結合性の高いものであれば特に制限されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンなどの合成有機高分子化合物、デキストラン誘導体(セファデックスなど)、アガロースゲル(セファロース、バイオゲルなど)、セルロース(ペーパーディスク、濾紙など)などの多糖類、ガラス、シリカゲル、シリコーンなどの無機高分子化合物が挙げられ、これらはアミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル基、アシル基、水酸基などの官能基を導入したものであってもかまわない。
担体の形状としては、マイクロタイタープレート、ディスクなどの平板状、ビーズなどの粒子状、試験管、チューブなどの管状、その他繊維状、膜状などが例示され、測定法に応じて適宜選択することができる。
固相担体への抗体またはその活性フラグメントの固定化は、物理的吸着法、イオン結合法、共有結合法、包括法など公知の方法(「固定化酵素」千畑一郎編、昭和50年3月20日、(株)講談社発行など参照)を用いて行えばよい。
標識化抗体またはその活性フラグメントを調製する場合、使用する標識体としては、放射性同位体(32P、3H、14C、125Iなど)、酵素(β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、補酵素・補欠分子族(FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘムなど)、蛍光色素(フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体など)、金属粒子(金、銀、白金など)などを使用することができる。
抗体またはその活性フラグメントの標識化は、選択した標識剤に適した公知の方法(「続生化学実験 講座5免疫生化学研究法」(株)東京化学同人、(1986年発行)第102〜112頁など参照)に従って行えばよい。
本発明の検出用キットは、被検サンプル中の平滑筋ミオシンをイムノアッセイにより測定し、得られた測定値から消化器疾患を検出する方法に使用するものである。このため、キットの構成試薬としては、少なくとも上述した本発明の抗体試薬を含有し、さらに界面活性剤を含む洗浄液が構成試薬として添付されていることを特徴とする。
本発明の検出用キットに添付する抗体試薬としては、上述した抗体試薬の中からキットで採用するイムノアッセイ法に好適な形態のものを適宜選択し、それをキットに添付すればよい。
洗浄液に添加する界面活性剤としては、水溶性のものであれば特に制限されず、特に両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤が好ましい。より具体的には、両性界面活性剤としては、卵黄リゾレシチン等を例示することができ、非イオン性界面活性剤としては、Tween系(Tween20、同40、同60、同80、同85など;ナカライテスク社製)、Span系(Span20、同80、同85、同80など;ナカライテスク社製)、Brij系(Brij35、同58など;ナカライテスク社製)、(n)p−t−オクチルフェニルエーテル系(TritonCF−10、同N−101、同X−100、同X−114、同X−305、同X−405、NonidetP−40など;ナカライテスク社製)等を例示することができる。界面活性剤の添加量は、0.003%(重量/容量)以上が適当である。
このような界面活性剤を添加した洗浄液を本発明の検出用キットに添付し、これをアッセイ時に使用することにより、サンプル中の平滑筋ミオシンをより高感度に測定することが可能となる。
上記試薬以外は、採用したアッセイ法で通常使用しているもの(標準抗体液、酵素溶液、基質溶液、反応停止液、検体希釈液など)の中から、適宜選択して使用すればよい。
本発明キットで採用できるアッセイ法としては、イムノアッセイで既に採用されている公知方法であれば特に限定されず、競合法、サンドイッチ法、凝集法、プロットオーバレイ法などいずれのアッセイ法も採用することができる。
採用したアッセイ法における詳細な測定法に関しては、たとえば下記の文献を参照にして行えばよい。
(a)入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」((株)講談社、昭和54年5月1日発行)
(b)石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)((株)医学書院、1982年12月15日発行)
(c)臨床病理 臨時増刊 特集第53号「臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」(臨床病理刊行会、1983年発行)
(d)「バイオテクノロジー事典」((株)シーエムシー、1986年10月9日発行)
(e)特公平6−43998号公報、特開昭55−15100号公報、特開昭52−148620号公報及び特開昭54−91296号公報
(f)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.70」(Immunochemical techniques(Part A))
(g)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.73」(Immunochemical techniques(Part B))
(h)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.74」(Immunochemical techniques(Part C))
(i)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.84」(Immunochemical techniques(Part D:Selected Immunoassay))
(j)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.92」(Immunochemical techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))
[(f)〜(j)はアカデミックプレス社発行]
アッセイ法の中でも好適な方法の一つであるサンドイッチ法を例に挙げ、更に本発明の測定法及びキットを説明すれば、たとえば以下に示すキットAを例示することができる。
キットA;
▲1▼固相化第一抗体
▲2▼第二抗体
▲3▼標識化抗イムノグロブリン抗体
▲4▼既知濃度の抗原
▲5▼洗浄液
キットAの第二抗体と標識化抗イムノグロブリン抗体の代わりに標識化第二抗体を使用することもでき、その場合には、下記のキットBが例示される。
キットB;
▲1▼固相化第一抗体
▲2▼標識化第二抗体
▲3▼既知濃度の抗原
▲4▼洗浄液
また、ビオチン−アビジン法を採用した場合には、下記のキットCが例示される。キットC;
▲1▼固相化第一抗体
▲2▼ビオチン化第二抗体
▲3▼標識化アビジン
▲4▼既知濃度の抗原
▲5▼洗浄液
上述のキットを使用した血清などの血液サンプル中の平滑筋ミオシンの測定法は、サンドイッチ法を採用した他の公知の検査用キットと何等かわるところがない。即ち、固相化抗体試薬と被検サンプルを反応させ、必要によりBF分離後、さらに(標識化)抗体試薬を反応させる(ツーステップ法)か、固相化抗体試薬、被検サンプルおよび(標識化)抗体試薬を同時に反応させ(ワンステップ法)、反応後いずれの場合でも標識化に応じたそれ自体公知の方法によりサンプル中の平滑筋ミオシンを検出または定量することができる。
測定対象の被検サンプルとしては、消化器疾患の疑いのある患者から採血した血液、またはその分画物(血清など)であり、これらは必要に応じてPBSなどの適当な緩衝液で希釈して測定に用いてもよい。
測定の結果、健常人の平均値よりも高い値を得た場合には、消化器疾患の可能性があると判断し、さらに精密な検査を行う必要がある。また、測定の結果が、健常人の平均値と同等またはそれ以下の場合には、消化器疾患ではない可能性が高いと判断できる。
(3)画像診断薬
本発明の画像診断薬は、放射性同位元素で標識されたヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体を消化器疾患の疾患部位に特異的に結合させることにより、その正確な疾患部位の画像診断を行うために使用するものである。従って、少なくとも放射性同位元素で標識されたヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体を含んでいなければならない。
本発明に使用するモノクローナル抗体は、上記(1)で説明したものを利用でき、モノクローナル抗体又はその活性フラグメントを放射性同位元素で標識し、本発明の画像診断薬として使用する。
放射性同位元素の核種としては、ヨウ素−125、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、インジウム−113m、テクネチウム−99m、ガリウム−67、鉛−203、ルテニウム−97、水銀−197、タリウム−201、ビスマス−212などが挙げられ、その標識化法としては、種々の公知の方法の中から、それぞれの核種に応じて選択し用いることができる。
例えば、クロラミンT法、ラクトペルオキシダーゼ法など放射性同位元素を抗体または活性フラグメントに直接標識する方法、あるいは、抗体または活性フラグメントに二官能基性キレート剤を共有結合させ、このカップリング化合物を上記核種で標識する方法などが挙げられる。
ここで使用される二官能基性キレート剤としては、1−アミノ−6,17−ジヒドロキシ−7,10,28,21−テトラオキソ−27−(N−アセチルヒドロキシイミノ)−6,11,17,22−テトラアザヘプタエイコサン(デスフェリオキサミン)、8−ヒドロキシキノリン、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ジアミノシクロヘキシルテトラ酢酸、などが例示され、これらと抗体または活性フラグメントとのカップリング法は、カルボジイミド法、酸無水物法、グルタルアルデヒド法など通常使用している方法を使用すればよい。
本発明の画像診断薬は、放射性同位元素により標識されたヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを消化器疾患の疾患部位に特異的に結合させることにより、その正確な疾患部位の画像診断を行うために使用するものであり、少なくとも放射性同位元素で標識されたヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを含んでいればよいが、その態様の1つとして、ヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントと二官能性キレート化剤との結合物と放射性同位元素溶液を含有するキットも包含する。
本発明画像診断薬およびキットには、上記試薬の他、核種を精製するためのクロマトグラフィー用カラム、投与形態に調製するための塩化ナトリウム溶液やグルコース溶液などの担体、その他安定化剤などを構成させることもできる。
本発明画像診断薬は、静脈内注射により人体に投与するものである。従って、本発明薬剤は、上述のような担体などを使用することによって、注射投与に適した形態で用いられる。
本発明薬剤の投与量は、標識に使用する放射性同位元素の各種にもよるが、通常100μCi〜30mCi、好ましくは500μCi〜3mCiの範囲で投与される。
本発明薬剤を使用した画像診断の方法は、本発明薬剤投与後1〜48時間後に、オートラジオグラフィー、シンチレーションスキャナー、シンチレーションカメラなどにより、患者の腹部などの消化器疾患の疾患部位を走査して、本発明薬剤由来の放射能を検出し、それを画像描写することにより行うことができる。
実施例
以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
実施例1(各種ミオシンの調製)
ヒト子宮平滑筋ミオシン、ヒト小腸平滑筋ミオシン、ヒト大動脈平滑筋ミオシン、ヒト血小板ミオシン及びヒト骨格筋ミオシンは佐賀医科大学、松村先生より分与された。ヒト心筋ミオシンは矢崎の方法(Circ.Res.,36:208,1975)により精製した。各種ミオシンともSDS−PAGEにより純度を確認後、ローリー法(J.Biol.Chem.,193:265-275,1951)によりウシ血清アルブミンを標準物質としてタンパク定量を行い濃度を求めた。
実施例2(モノクローナル抗体の作製)
1)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製
ヒト子宮平滑筋ミオシン25〜50μgをフロインド完全アジュバントと共に、6〜8週令のBALB/cマウスに、2〜4週間おきに4〜7同腹腔内に投与し、最後にヒト子宮平滑筋ミオシン10μgを静脈内投与した。
最終免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出し、この脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞P3×63Ag8U.1(P3U1)(ATCC CRL−1597)を10:1で混合後、遠心分離して得たペレットに、50%ポリエチレングリコール含有RPMI1640溶液1mlを徐々に加えて細胞融合を行った。さらにRPMI1640培地を加えて10mlとし、遠心分離して得たペレットを10%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI1640培地にP3U1として3×104個/0.1mlとなるように懸濁させ、96ウェルマイクロプレートに各ウェル0.1mlずつ分注した。
1日後、HAT培地を0.1ml添加し、その後3〜4日おきに培地の半分量を新しいHAT培地で交換した。
融合後7〜10日目に培養上清をサンプリングし、あらかじめヒト子宮平滑筋ミオシンでコートし、3%ゼラチンでブロッキングしてある96ウェルポリ塩化ビニル(PVC)プレートに50μl添加し室温で1時間反応させた。PBSで3回洗浄後、ビオチン化ウマ抗マウスIgG(ベクター社製)を1%ウシ血清アルブミン(BSA)含有PBSで1/500に希釈した溶液を、50μlずつ分注し室温で1時間静置した。PBSで3回洗浄後、ペルオキシダーゼ−アビジンD(ベクター社製)を1%BSA含有PBSで1/2000に希釈した溶液を、50μlずつ分注し室温で15分間静置した。PBSで3回洗浄後、基質溶液(4−アミノアンチピリン,0.25mg/ml、フェノール,0.25mg/ml,0.4M過酸化水素)200μlを加え室温で発色させた。マイクロプレートフォトメーターを用いて550nmにおける吸光度を測定し、ヒト子宮平滑筋ミオシンに特異的に反応するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選択した。
このようにして選択した各ハイブリドーマは限界希釈法によりクローニングを行いヒト子宮平滑筋ミオシンに対する抗体産生ハイブリドーマ5株(lH6,4E12,9A12,9D7,10G2)を樹立した。特異抗体陽性ウェル数、増殖ウェル数及び全ウェル数を表1に示す。この中で、ハイブリドーマ1H6とハイブリドーマ4E12は、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305))にSMHMW1H6およびSMHMW4E12としてブタペスト条約に基づき1994年10月13日に国際寄託され、1994年10月13日付けで受託番号としてFERMBP−4829およびFERMBP−4830が付与されている。
Figure 0004054380
2)モノクローナル抗体の調製及び精製
次に、樹立した各ハイブリドーマを培養し、あらかじめプリスタンを投与してあるマウスの腹腔内に1匹当り3×106個を投与した。約2週間後マウス1匹当り5mlの腹水を採取した。3M塩化ナトリウム含有1.5Mグリシン塩酸緩衝液,pH8.9にて平衡化した、プロテインAセファロースCL−4B(ファルマシア社製)カラムに、等量の同グリシン塩酸緩衝液と混合した腹水を流した。充分量の同グリシン塩酸緩衝液で洗浄後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)にて抗体を溶出した。溶出液をPBSにて透析後、SDS−ポリアクリアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にて純度を確認し、精製モノクローナル抗体とした。
実施例3(モノクローナル抗体の性質)
1)アイソタイプ
ヒト子宮平滑筋ミオシンをコートし、3%ゼラチンでブロッキング処理してある96ウェルPVCプレートに各ハイブリドーマの培養上清を添加し、MonoAb−ID EIAキット(ザイメッド社製)を用いて抗体のアイソタイプの検索を行った。
Figure 0004054380
2)ウエスタンブロッティングによる特異性の解析
各モノクローナル抗体の特異性をウエスタンブロッティングにより解析した。
ヒト子宮平滑筋ミオシン1mg/mlを同量の還元処理液を加えて100℃で5分間加熱処理した。SDS−PAGEは、10%分離ゲル、5%濃縮ゲルを用い、ミニゲル電気泳動装置(マリソル社製)で10mV、約3時間、を行った。ブロッティングはミニゲル用ブロッティング装置(マリソル社製)を用い、37Vで約18時間通電してニトロセルロース膜にタンパク質を転写させた。このニトロセルロース膜を試料の泳動ラインに沿って短冊状に切断し、一部はアミドブラックを用いてタンパク質を染色した。残りは3%ゼラチンでブロッキング後、各ハイブリドーマの培養上清と室温で1時間反応させた。
0.05%ツイーン20含有20mMトリス、500mMNaCl、pH7.5緩衝液(T−TBS)で10分ずつ2回洗浄後、ビオチン化ウマ抗マウスIgG(ベクター社製)の1/500希釈液と室温で1時間反応させた。T−TBSで10分ずつ2回洗浄後、ペルオキシダーゼ−アビジンD(ベクター社製)の1/2000希釈液と室温で15分間反応させた。T−TBSで10分ずつ2回洗浄後、発色液(HRP発色試薬(バイオラッド社製)30mg、メタノール10ml、TBS50ml、30%過酸化水素水30μl含有)にて発色後、蒸留水で洗浄した。
アミドブラックによるタンパク染色の結果、200K(子宮平滑筋ミオシン重鎖)、140K(子宮平滑筋ミオシン重鎖のフラグメント)、70K(子宮平滑筋ミオシン重鎖のフラグメント)、20K(子宮平滑筋ミオシン軽鎖)、17K(子宮平滑筋ミオシン軽鎖)5本のバンドがみられた。いずれの抗体もヒト子宮平滑筋ミオシン重鎖に反応し、軽鎖には反応しないことが確認された。
実施例4(サンドイッチ法を利用した検出用キット)
1)ビオチン化抗体の調製
上記各モノクローナル抗体を0.1M炭酸水素ナトリウム溶液に透析後、セントリフロー(アミコン製)により2mg/mlまで濃縮した。ビオチン(ロングアーム)NHS試薬(ベクター社製)を10mg/mlになるようにジメチルフォルムアミドに溶解し、その20μlと上記抗体溶液1mlを混合し、室温で2時間反応させた。エタノールアミン5μlを加え反応を止めた後、PBSに2回透析し、ビオチン化抗体を得た。このビオチン化抗体を1%BSA含有PBSで1μg/mlに希釈し、ビオチン化抗体溶液を得た。
2)固相化抗体の調製
抗平滑筋ミオシンモノクローナル抗体(4E12)をPBSで10μg/mlに希釈し、96ウェルプレート(Hタイプ:住友ベークライト社製)に50μlずつ分注し、4℃で一晩静置した。0.05%Tween20含有PBSで3回洗浄後、0.5%スキムミルクを300μlずつ分注し、室温で1時間静置した。スキムミルク溶液を除去し、固相化抗体試薬を得た。
3)その他の試薬の調製およびキットの調製
・平滑筋ミオシン標準液;
ヒト大動脈平滑筋ミオシンを25、12.5、6.25、3.125、1.563、0.781、0.391ng/mlとなるように1%BSA含有PBSで希釈して調製した。
・洗浄液;
Tween20をPBSに0.05%(重量/容量)になるように溶解させて調製した。
・酵素標識アビジン溶液;
ペルオキシダーゼ標識アビジンD(A−2004:ベクター社製)を1%BSA含有PBSで1/5000に希釈して調製した。
・基質溶液;
0.2Mクエン酸緩衝液(pH3.8)に3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン二塩酸塩(TMBZ)が0.3mM、過酸化水素水が0.005%(重量/重量)になるように溶解させて調製した。
・酵素反応停止液;
1N硫酸を用いる。
上記各試薬を1つのキットに添付し、本発明の検出用キットを調製した。
実施例5
1)標準曲線
固相化抗体試薬の各ウェルに1%BSA含有PBSを100μlずつ分注後、平滑筋ミオシン標準液を50μlずつ分注し撹拌後、室温で4時間静置した。洗浄液で3回洗浄後、ビオチン化抗体(1H6)溶液を50μlずつ分注し、室温で30分間静置した。洗浄液で3回洗浄後、酵素標識アビジン溶液を50μlずつ分注し、室温で15分間静置した。洗浄液で3回洗浄後、基質溶液を100μlずつ分注し、室温で10分間静置して発色させた。酵素反応停止液を100μlずつ加えて反応を停止させ、マイクロプレートフォトメーターを用いて450nmにおける吸光度を測定した。得られた標準曲線を図1に示す。
2)界面活性剤の効果
上記1)の操作法において、Tween20の洗浄剤への添加量につき検討した結果、図2に示すように、0.003%(重量/容量)以上の濃度で測定感度を著しく高めることができることが明らかとなった。また、Tween20以外の各種界面活性剤の効果をTween20の場合と比較検討した。すなわち、洗浄液に各種界面活性剤を0.05%(重量/容量)となるように添加し、標準曲線を作成した。その結果、図3〜7に示されているように、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を洗浄液に添加することにより、Tween20と同様に顕著な効果が得られることが判明した。
3)再現性
上記1)の操作法に準じ、3種類の検体を用いて同時再現性及び測定日間再現性を検討した。その結果表3及び4に示すように、いずれの再現性においてもCV値が10%以内となり、良好な再現性を示すことが明らかとなった。
Figure 0004054380
Figure 0004054380
4)交叉反応性
上記1)の操作法に準じ、各種ミオシンとの交叉反応性を検討した。その結果、図8に示すように、子宮平滑筋ミオシンおよび小腸平滑筋ミオシンとは同等に反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシンおよび血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とはほとんど反応しないことが確認された。
5)モデルケースにおける平滑筋ミオシンの測定
雄のウィスターラットを用いて、ペントバルビタール麻酔下に開腹し、腸間膜動脈を結紮、2時間後に解除して腸梗塞を作成した。結紮解除後15分、30分、1時間、2時間、4時間後に上記1)の操作法に準じ、血中平滑筋ミオシン濃度を測定した。
その結果、血中の平滑筋ミオシン濃度は、結紮解除後30分で上昇し、1時間後には、ピークとなった。(30分後0.553±0.012ng/ml、1時間後2.334±0.02ng/ml)
6)健常人血清の測定
上記1)の操作法に準じ、健常人血清75例の平滑筋ミオシン濃度を測定した結果、平均0.9ng/ml、標準偏差0.9ng/mlであった。
7)患者血清の測定
上記1)の操作法に準じ、消化器疾患における術前及び術後の平滑筋ミオシンを測定し、その変化を表5に示す。表5から明らかなように、術前に高値であったものが、術後ではいずれも正常域まで低下し、治療の効果をよく反映するものであることが確認された。
Figure 0004054380
実施例6
1)モノクローナル抗体の標識化
1mg/mlの抗平滑筋ミオシンモノクローナル(9D7)抗体溶液20μlとNa125I 3.7MBqを混合し、さらに0.3%クロラミンT溶液5μlを加えて正確に30秒間ボルテックスで混合した。この混合液に0.5%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液10μl、1%ヨウ化カリウム溶液5μl、1%BSA溶液5μlを順次加え混合した。反応液を1%BSA溶液で平衡化してあるPD10カラム(ファルマシア社製)にかけ、1%BSA溶液で溶出し、1mlずつ分取した。各フラクションをオートガンマカウンターで測定した結果、2つのピークがみられたため、最初のピークのフラクションを集めて125I抗平滑筋ミオシンモノクローナル抗体とした。
2)モデルケースにおける虚血性消化器疾患の画像診断
実施例5と同様にして腸梗塞を作成したラットに、結紮解除後125I抗平滑筋ミオシンモノクローナル抗体1.85MBqを静注し、1.5時間後、6時間後、24時間後に屠殺して、各臓器を摘出し、組織1g当たりの125Iのカウントを比較するとともに、オートラジオグラフィーによるイメージングを行った。
その結果、表6に示すように梗塞部のカウントは正常部に比べ、1.5時間後で既に高値で、オートラジオグラフィーでは、梗塞部に一致して125Iの集積がみられた。
Figure 0004054380
実施例7
ヒト子宮平滑筋ミオシンの代わりにヒト小腸平滑筋ミオシンを用い、実施例2の1)と同様の方法でヒト小腸平滑筋ミオシンに特異的に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ8B8を樹立した。このハイブリドーマ8B8は通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305))にIMH8B8としてブタペスト条約に基づき1996年3月5日に国際寄託され、1996年3月5日付けで受託番号としてFERM BP−5444が付与されている。
このハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を実施例2の2)と同様の方法で精製後、モノクローナル抗体の諸性質を実施例3に記載の方法と同様の方法を用いて調べた。その結果を以下に示す。
▲1▼アイソタイプ:IgG2b/κ
▲2▼反応特異性 :平滑筋重鎖と反応し、軽鎖とは反応しない
▲3▼交叉反応性 :小腸平滑筋ミオシン、子宮平滑筋ミオシンおよび大動脈平滑筋ミオシンとは反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシン及び血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とは反応しない
▲4▼種特異性 :ヒト平滑筋ミオシンのみならずラット平滑筋ミオシンにも反応する
次に、このモノクローナル抗体(8B8)を実施例6の1)と同様の方法で標識化し、実施例6の2)に記載の方法に従ってラットを用いたモデル実験における腸管梗塞部位の画像診断を試みた。その結果、図9に示すように腸管梗塞部位に一致して125Iの集積が確認された。
産業上の利用可能性
被検サンプル中の平滑筋ミオシンを測定することにより、消化器疾患を生化学的に診断できること、及び放射性同位元素で標識されたヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体が消化器疾患の疾患部位に特異的に結合・集積させることにより、その正確な疾患部位の画像診断を行えることは本願発明者らによって初めて見いだされたことである。
従って、本願発明の抗体試薬および画像診断薬は、虚血性大腸炎、腸閉塞などの虚血性消化器疾患、潰瘍性大腸炎などの潰瘍性消化器疾患などの消化器疾患の診断に有用なものであり、これらを使用することにより、緊急検査および疾患部位の特定が可能となった。

Claims (6)

  1. 放射性同位元素で標識された、平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平滑筋ミオシン軽鎖とは反応しないヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを含有する、虚血性大腸炎、腸閉塞、腸重積及び腸軸捻転から選ばれる虚血性消化器疾患用画像診断薬または腸管平滑筋細胞の傷害に伴う潰瘍性消化器疾患用画像診断薬。
  2. 平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平滑筋ミオシン軽鎖とは反応しないヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメント及び二官能性キレート化剤とからなる結合物と放射性同位元素溶液とを含有する、虚血性大腸炎、腸閉塞、腸重積及び腸軸捻転から選ばれる虚血性消化器疾患の画像診断薬用キットまたは腸管平滑筋細胞の傷害に伴う潰瘍性消化器疾患の画像診断薬用キット。
  3. 放射性同位元素で標識された以下の特性を有するヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを含有する、虚血性大腸炎、腸閉塞、腸重積及び腸軸捻転から選ばれる虚血性消化器疾患用画像診断薬。
    (抗体の特性)
    ▲1▼反応特異性:平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平絹筋ミオシン軽鎖とは反応しない
    ▲2▼交叉反応性:平滑筋ミオシンとは反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシンおよび血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とは反応しない
    ▲3▼種特異性 :ヒト平滑筋ミオシンのみならずラット平滑筋ミオシンにも反応する
  4. 以下の特性を有するヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメント及び二官能性キレート化剤とからなるカップリング化合物と放射性同位元素溶液とを含有する、虚血性大腸炎、腸閉塞、腸重積及び腸軸捻転から選ばれる虚血性消化器疾患の画像診断薬キット。
    (抗体の特性)
    ▲1▼反応特異性:平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平滑筋ミオシン軽鎖とは反応しない
    ▲2▼交叉反応性:平滑筋ミオシンとは反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシンおよび血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とは反応しない
    ▲3▼種特異性 :ヒト平滑筋ミオシンのみならずラット平滑筋ミオシンにも反応する
  5. 放射性同位元素で標識された以下の特性を有するヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメントを含有する、腸管平滑筋細胞の傷害に伴う潰瘍性消化器疾患用画像診断薬。
    (抗体の特性)
    ▲1▼反応特異性:平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平絹筋ミオシン軽鎖とは反応しない
    ▲2▼交叉反応性:平滑筋ミオシンとは反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシンおよび血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とは反応しない
    ▲3▼種特異性 :ヒト平滑筋ミオシンのみならずラット平滑筋ミオシンにも反応する
  6. 以下の特性を有するヒト平滑筋ミオシンに対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメント及び二官能性キレート化剤とからなるカップリング化合物と放射性同位元素溶液とを含有する、腸管平滑筋細胞の傷害に伴う潰瘍性消化器疾患の画像診断薬キット。
    (抗体の特性)
    ▲1▼反応特異性:平滑筋ミオシン重鎖と反応し、平滑筋ミオシン軽鎖とは反応しない
    ▲2▼交叉反応性:平滑筋ミオシンとは反応するが、骨格筋ミオシン、心筋ミオシンおよび血小板ミオシン(非筋型ミオシン)とは反応しない
    ▲3▼種特異性 :ヒト平滑筋ミオシンのみならずラット平滑筋ミオシンにも反応する
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