JP4054062B2 - 複合材及び接着剤用途の熱硬化性重合体 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、熱硬化性ビスマレイミド樹脂系及びその製造に関する。更に詳細には、本発明は、ビスマレイミド反応物が比較的低温で残りの樹脂系成分中ヘスラリー混合されるビスマレイミド系樹脂の製造に関する。
本発明は更に、液状のプロペニルベンゾフェノン共反応物と反応して熱硬化性重合体を生成する。特定の固体のジアミンビスマレイミド樹脂反応物に関する。その結果得られる重合体は、高温での熱処理中の重量損失が非常に小さい。
発明の背景
ビスマレイミド系樹脂は、繊維強化複合材及び構造接着剤を含む種々の用途のために商業的に重要な樹脂である。しかしながら、ビスマレイミド系樹脂は高温において高い強度を有する一方、幾分脆い傾向にある。従って、耐衝撃性を改良するためにコモノマーを追加して、ビスマレイミド系樹脂を改質するのが一般的である。
芳香族ビスマレイミド及びプロペニル化合物をベースとする硬化性混合物は、例えば、米国特許第4,871,821号、第4,917,954号、第4,789,704号、第4,939,305号及び第5,120,824号に開示されているように、ビスマレイミドとアルケニルフェニルヒドロキシエーテルからの種々の硬化性樹脂及び該樹脂から製造される積層製品に関するH.D.Stenzenbergerらの文献(「Stenzenberger」)から既知である。スラリー混合によるビスマレイミドとプロペニル化合物との組み合わせは、Stenzenberger特許のいずれにも開示されていない。
ビスマレイミドとプロペニル化合物を含むいくつかの硬化性混合物がA.Kramerの米国特許第5,013,804号(「Kramer」)に開示されている。種々の芳香族ビスマレイミドが検討されているけれどもメチレンジアニリンビスマレイミドを使用する教示も示唆も開示されていない。これに加えて、Kramerは、ビスマレイミド化合物とプロペニル化合物を一緒にするために融解工程を開示している。Kramerは、スラリー混合を用いて製造された熱硬化性樹脂及びそれの製造について教示も示唆もしていない。
ビスマレイミド系樹脂をスラリー混合する方法は、L.Repeckaの米国特許第5,003,018号(「Repecka」)に開示されている。o,o’−ジアリルビスフェノールAのような液状の共反応物と組み合わせたいくつかの芳香族ビスマレイミドが開示されている。上述の特許はすべて引用することによって本明細書に組み込まれる。
多くのコモノマーは、高温での初期の配合の後にビスマレイミド成分が加工中に結晶化することがあるので、ビスマレイミド系樹脂とは物理的に非相溶である。そのときに生成する大きな結晶の結果、樹脂系は、不均一で加工が困難であり、繊維強化複合材を製造するために使用すると微細な亀裂が入る傾向がある系となる。ビスマレイミド成分が物理的に相溶する樹脂系では、従来のやり方で製造された系によってそれから製造された接着剤及びプレプレッグは、それらに望まれているドレープ(drape)と粘着力を有しない場合が多い。
その結果、この技術分野においては、耐高温性があり、優れた酸化安定性を有しそして、複合材部品を製造するために必要な程度の粘着力とドレープを有するビスマレイミド系樹脂が望まれている。
発明の概要
驚くべきことに、特定のビスマレイミド成分と、最適化された処方における硬化剤としての特定の共反応物成分、及びスラリー混合技術を用いて形成されたビスマレイミド重合体の系は、複合材、接着剤等にした際に、予想外に改良された熱及び酸化安定性を有する系であることが見出された。特に、本発明の新規な処方は、固体のジアミンビスマレイミド樹脂反応物及び液状プロペニルベンゾフェノン共反応物を含んで成り、反応物と共反応物が実質的に約1:1の重量比で存在する組成物をスラリー混合することによって製造された熱硬化性樹脂組成物、を含んで成るものである。この特定の組成物は、熱老化時における重量損失が減少しており、また複合材部品を製造するために必要な粘着力とドレープを有している。
本発明は、また、粉末ビスマレイミド系樹脂反応物を、50℃と15℃の間に加熱した液状共反応物にスラリー混合することによる、熱硬化性樹脂組成物の製造方法に関する。
好ましい態様の説明
本発明の方法は、1種以上の固体のビスマレイミド単量体と他の樹脂系の成分とのスラリー混合を包含する。このようにして得られたビスマレイミド樹脂系を冷却した後に、非常に微細なビスマレイミド粒子が安定な分散液の形で存在する。放置しておいてもビスマレイミドの実質的な結晶化が更に追加して起こることはない。従って、得られる熱硬化性樹脂系は均質である。
本明細書においては、固体のビスマレイミド単量体はまた、「特定のビスマレイミド成分」、「固体の反応物」及び「固体の芳香族ジアミンビスマレイミド樹脂反応物」と記載することもできる。
液状共反応物は、「硬化剤」、「プロペニル化合物」、「液状均一系ベンゾフェノン共反応物」及び「非相溶性コモノマー」を含むと記載することもできる。
本明細書で用いられる「樹脂組成物」なる用語は、その最終的な形態での熱硬化性樹脂組成物を指す。その組成物は、1種以上の反応性の単量体及び/又はコモノマー、硬化剤、必要な触媒、そして場合によっては、充填剤、レオロジー調節剤、粘着付与剤、強靭性付与剤、希釈材、染料及び顔料を含有することができる(但し、繊維強化材は除外する)。
本明細書で用いられる「非相溶性のコモノマー」なる用語は、それが存在すると、あるビスマレイミド成分の溶融物を冷却した際にそのビスマレイミド成分を結晶化させてしまうコモノマー及び他の成分を指す。非相溶性のコモノマーは、従って、他のビスマレイミドコモノマーと同様にマレイミド以外の化学官能性を持つ1種以上の追加の成分を含んで成ることができる。
例えば、あるビスマレイミド単量体とコモノマーの特定量の均一溶融物が、冷却の際にビスマレイミドの結晶化に関する問題をおこさないかもしれない。しかし、第二のビスマレイミドを、又は第一のビスマレイミドを追加して、その溶融物に添加したときに、実質的な結晶化が同じ条件下で起こり得る。その結晶化は、添加されたビスマレイミドと他の成分との間の、本発明によって使用される意味における非相溶性を示している。そのような非相溶は、ビスマレイミドを高濃度にして用いた場合に、特に単一の又は限られた数のビスマレイミドを高濃度にして用いた場合に、起こりやすい。
相溶性のない成分を含むビスマレイミド樹脂系の製造においてスラリー混合を使用することは、単に本発明を実施する一つの方法である。この方法は、大量の結晶性のビスマレイミドが樹脂処方に含まれる場合に、そのような処方は完全に溶解して製造すると加工が非常に困難な場合が多いので、重要である。スラリー混合の方法は、全体の樹脂系成分が相溶性であってもなくても有用であることが見出された。そのような樹脂系は、相溶性のないコモノマーよりむしろ相溶性のあるコモノマーを用いる場合に生じ得る。相溶性のないコモノマーを用いる一例は、ビスマレイミドとシアン酸エステル官能性のコモノマーの使用であり得る。
スラリー混合は、単に本発明の樹脂の製造における補助手段である。スラリー混合は良好な抗酸化性のために必要なのではないことは注目さるべきである。良好な抗酸化性は、製造方法にではなく単量体に関係がある。しかしながら、プレプレッグ及び接着剤分野に関しては、本発明は多分スラリー混合を用いて実施される。他の分野例えば樹脂移送成形ではスラリー混合は必要とされないであろう。
樹脂系には、冷却時に、多くの又は重要な量の結晶の存在が見られないのが通常である。ある場合には樹脂系は固溶体又はガラス状の外観を呈することもある。これらの未硬化の樹脂系は、均質な外観にもかかわらず、実際上粘着力を有しない場合が多く、屡々非常にもろい状態である。驚くべきことに、その同じ成分をスラリー混合すると、得られる樹脂系は優れた粘着力とドレープ(drape)を有する。
本明細書で用いられる「実質的に約1:1の重量比」なる用語は、固体の反応物と液状の共反応物の重量比に関するもので希釈材や他の重合体成分には関係ない。固体の反応物は、一般的に液状の共反応物と約1:1の重量比で存在する。本明細書で用いられる「実質的に約」なる用語は、その比はある限定された範囲にまで変化することができ、そして依然として本発明の一部と考えられるであろうということを示している。この重量比は固体の反応物:液状の共反応物で約1:1.5から約1.5:1まで変化し得る。しかし、好ましくは、この重量比は固体の反応物:液状の共反応物で約1:1である。
本明細書中で用いられる「減少した重量損失」なる用語は、硬化した複合材の、それが熱処理された後の重量損失の比較に関する。熱老化は、空気中である期間熱で静的な(dormant)処理を受けた後の樹脂及び複合材料の影響を測定するために用いられる。樹脂及び複合材のある成分が老化過程で酸化されることが予想される。ある特定の複合構造の安定性における相関関係が、重量損失を熱老化後の複合構造から比較することによって得られる。一般的には、熱老化現象はある特定の温度においてある期間にわたって起こる。本発明の目的にはそのような老化に対する時間は1日から数年の範囲である。試験目的のために使用された熱老化時間は3週間から9週間であった。本発明の目的には、熱老化を評価した温度は約200℃〜300℃の範囲であり、好ましい温度は220℃〜280℃の範囲である。これらの時間と温度は複合材の促進評価に使用されている。
本発明の請求の範囲の熱硬化性樹脂系は、(無機充填剤、繊維、並びにビスマレイミド以外の樹脂原料及び共反応物樹脂原料を除外して)1種以上の固体のビスマレイミド反応物を約20〜80重量%含有する。固体のビスマレイミド共反応物は、全樹脂組成物の約40〜60重量%存在するのが好ましい。請求の範囲の熱硬化系は、又、1種以上の共反応物をも約20〜80重量%含有する(無機充填剤、繊維、並びにビスマレイミド樹脂原料及び共反応物以外の樹脂原料を除外して)。液状共反応物は、全樹脂組成物の40〜60重量%存在するのが好ましい。ビスマレイミド反応物及び液状共反応物の芳香族基含有量が高いのが好ましい。ある構造を持つビスマレイミドが顕著に改良された酸化安定性を有することが予想外に見出された。
固体の反応物と液状共反応物が硬化時の組成物の全重量の70%を超え100%に近いことが最も好ましい。コモノマーは液状共反応物を包含してもよい。しかし、本発明では、液状共反応物以外のコモノマーは、硬化時の組成物の全重量の約20%以下である。本発明の最も好ましい例として、MDA−BMI(固体の反応物として)がPPB(液状共反応物として)と重量比1:1で組み合わせられ、その組み合わせ重量が硬化時の組成物の全重量の100%近い場合が挙げられる。また、固体のビスマレイミドが、液状の共反応物とコモノマー中で、固体のビスマレイミドの大部分が液体部分に溶解しないような温度で、100μ未満の平均サイズを有するのが好ましく、20μ未満であるのがより好ましい。
数多くの適切なビスマレイミド単量体が存在する。この単量体の共通の特徴はそれが高い芳香族性を有しなければならないことであり、1個より多い芳香族基を持つのが好ましい。芳香族環に結合する基は、メチレン、イソプロピリデン、酸素、ケトン、スルホン又はスルフィドであり得る。そのようなビスマレイミドは、本発明において使用された場合大幅に改良された酸化安定性を有することが空気中での熱老化の結果として見出された。側鎖のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル等の脂肪族基は悪影響を及ぼす。しかし、固体の反応物中のメチレン基の存在は、酸化反応に対する芳香族核の安定性を増大させる傾向にある。本発明の目的には、メチレンジアニリンビスマレイミド(MDA−BMI)が好ましい。他の好ましい本発明の固体のビスマレイミド反応物の例としては、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパンビスマレイミド(BAPP−BMI)、オキシジアニリンビスマレイミド(ODA−BMI)、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼンビスマレイミド(APB−BMI)、ジアミノジフェニルスルホンビスマレイミド(DADS−BMI)、ジアミノジフェニルイソプロピリデン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルヘキサフルオルイソプロピリデン、ビス(ジアミノジフェニルイソプロピリデン)ベンゼン等が挙げられる。メチレンジアニリンビスマレイミド(MDA−BMI)、トルエンジアニリンビスマレイミド(TDA−BMI)及びトリメチレンヘキサメチレンジアミン−ビスマレイミド等を含有する、BMI単量体のいくつかの市販の共融混合物は、熱老化過程に対してあまり安定ではない。
全脂肪族ビスマレイミド、例えばヘキサメチレン−ジアミンビスマレイミドは、粘着力を増大させるために、熱老化性が許容範囲である限り、少量使用することができる。
ビスマレイミド単量体は当業者には周知であり、一般的に、無水マレイン酸又は置換された無水マレイン酸と、適切なジアミンとの反応によって製造される。芳香族ジアミンと脂肪族ジアミンの両方がビスマレイミドの製造に好適である。ビスマレイミドの製造に好適なジアミンの例としてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルイソプロピリデン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルオキシド及びジアミノジフェニルスルフィド等のような芳香族ジアミンをも挙げることができる。
ヘテロ原子を含有するジアミンに由来するビスマレイミド、例えばアミノ停止された、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン及び類似の、米国特許第4,175,175号に従って製造されたオリゴマー、並びにアミノ停止されたポリオキシアルキレンポリエーテル、アミノ停止されたN,N−ジアルキルピペリジン等に由来するビスマレイミドも又有用である。
化学量論的に過剰の1種以上のビスマレイミドとジー又はポリアミンとの反応を介して製造することが出来るポリアミノビスマレイミドプレポリマーも又有用である。そのようなポリアミノビスマレイミド又は関連生成物は、前述したジアミンの一つ、好ましくはジアミノジフェニルスルホンの一つをその樹脂系の中に包含することによってその場で製造することもできる。
好ましいコモノマーは、アルケニルフェノール類及びアルケニルオキシフェニル類である。例えば、o,o’−ジアリル−及びo,o’−ジプロペニルビスフェノールA、ビスフェノールF及び/又はビスフェノールSのようなo,o’−ジアリル−及びo,o’−ジプロペニルビスフェノール類が好適である。また、アルケニルフェノール停止及びアルケニルオキシフェニル停止ジシクロペンタジエンも好適である。後者は、まず最初に、米国特許第3,536,734号に教示されているようにフェノール化ジシクロペンタジエン前駆体を生成させることにより製造される。次いで前駆体と塩化アリル又は塩化プロピルのような必須のハロゲン化アルケニルとを塩基の存在下で反応させ、アリル又はプロペニルエーエルを生成させる。これらのエーテルはそのままでも使用できるし、クライゼン転位によってオルト置換フェノールに異性化してもよい。種々の他のコモノマーは、米国特許第5,003,018号に記載されており、この特許は引用することにより本明細書に組み込まれる。本発明の樹脂系は1種以上のコモノマーを含有することができる。これらのコモノマーはビスマレイミド単量体と反応するか又はそれ自体もしくは他のコモノマーと反応するコモノマーであるか、あるいは、同じか又は異なった液状のビスマレイミド樹脂であることができる。他のコモノマーの例として米国特許第4,100,140号及び第4,035,345号(これらは、引用することによって本明細書に組込まれる)で議論されているコモノマーが挙げられる。アリルナジックイミド樹脂、エポキシ樹脂、ジ−及びポリアミン、シアン酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びヨーロッパ公開出願230,741に開示されているものに類似した、アルキルフェノールで停止したオリゴマー系の強靭化剤が有用である。シリコーンゴム、特にマレイミド、エポキシ、ビニル及びアミノ基で停止したシリコーンゴムも、コモノマーとして利用できる。そのようなコモノマーに加えて、本発明の樹脂系は、エンジニアリング樹脂系の熱可塑性強靭化剤特にポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンスルホン、ポリエーテルスルホン等をも含有することができる。そのような熱可塑性の強靭化剤は、約100℃を超えるガラス転移温度、Tgを持つべきである。
好適なエポキシコモノマー樹脂は、論文Handbook of Epoxy Resins,McGraw−Hill,Inc,1967に開示されている。そのような樹脂の例は、ビスフェノール類のビスグリシジルエーテル、特にビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSである。更に、種々のフェノール系及びクレゾール系のノボラック型の樹脂、並びに種々のグリシドキシアミン及びアミノフェノール、特にN,N,N’,N’−テトラキス(グリシジル)−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びN,N,O−トリス(グリシジル)−4−アミノフェノールも好適である。種々のジヒドリキシナフタレン及びフェノール化ジシクロペンタジエンのグリシジルエーテルをベースとするエポキシ樹脂も好適である。
シアン酸エステル官能性コモノマーも有用である。そのような単量体は塩化又は臭化ジシアンとジオール又はポリオールとの反応によって製造される。好適なジオールの例としては、ビスフェノール類、テトラメチルビスフェノール類、市販されている及び文献にある他のシアン酸エステル、レゾルシノール、ヒドロキシシアヌル酸エステル、イソシアヌル酸エステル等が挙げられる。そのようなシアン酸エステル系は、当技術分野において当業者には周知であり多くの供給源から商業的に入手できる。それらの製造も周知でありそして米国特許第4,546,131号に提案されている方法によって達成できる。シアン酸エステル樹脂は触媒を必要とする可能性がある。
本発明の樹脂系は他の成分をも含有することができ、その内のある成分はビスマレイミド単量体の相溶性に影響を与えることもあり得る。一般的には触媒が、例えば0.01重量%〜約5.0重量%の量で、存在する。好ましい触媒の例としては、トリフェニルホスフィン、種々な第三級アミン、イミダゾール又はジアミンが挙げられる。コモノマーの重合のために触媒が必要となる場合もある。系は種々の染料、顔料、充填剤及びレオロジー調節剤をも含有できる。これらの追加の成分は当業者にとって周知である。
ラジカル抑制剤が樹脂とプレプレッグを安定化するために有用であることが分かった。一つの抑制剤、ハイドロキノンが特に有利である。プレプレッグが0.05%のハイドロキノンで粘着力をより長く保持するので、ハイドロキノンは殆どの実用分野で使用される。ハイドロキノンを0.05%使用すると、大部分の応用分野、特に樹脂移送成形分野で有用なMDA/プロペニルフェノキシベンゼン組成物において室温保存後の150℃ゲル化時間が50%以上増加する。
本発明の樹脂系は、ビスマレイミドを相溶性のない液状共反応物中に均質な分散系が得られるような方法で分散させることによって製造することが好ましい。そのような分散系を形成する方法は「スラリー混合」と名付けられ、数種類の手段で達成される。これらの手段のいくつかを以下に述べるが、他のこれと同等な手段は樹脂配合の当業者には容易に類推できるであろう。
本発明の安定した分散系を形成するためには、固体のビスマレイミド成分の平均粒子サイズ(容量による)は100μm未満に保持されなければならず、好ましくは、平均粒子サイズは50μm未満である。このビスマレイミド成分の粒子サイズは、従来からのサイズ減少法、例えば、溶液からの沈殿、空気ジェット粉砕(air-jet milling)、3本ロール粉砕又は高せん断混合によって得ることができる。好ましくは、所望の粒子サイズはジェット粉砕によって達成される。
樹脂系の液相は、固体のビスマレイミド粒子又は他の成分を除いた樹脂系の部分として定義することができる。液相は、ある場合には、相溶性のあるコモノマー及び液状の又は溶解したビスマレイミドをも含有することもあり得る。液相は低いガラス転移温度を持つべきであり、その数値は個々の用途に依存する。
「液状コモノマー」なる用語は、全樹脂系の中の、スラリー混合過程中連続相を構成する成分を意味する。これらの成分は、室温で液体、好ましくは粘調な液体であり得る。本発明における配合に好適なそのような液状コモノマーの例として、ビスマレイミドの共融混合物、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RDGE)、シス−スチルベン(C−STIL)、トランス−スチルベン(T−STIL)、ジアリルビスフェノールA(DABA)、種々のエポキシ及びシアン酸エステルのようなその他の樹脂系が挙げられる。
液状コモノマーは、1官能性又は2官能性であり得る。一般的に、芳香族部分の他の基に対する比が高いことが好ましい。好ましい2官能性液状共反応物は、4,4’−ビス[O−(1−プロペニル)−フェノキシ]ベンゾフェノン(「PPB」)及び2,6−ビス[O−(1−プロペニル)−フェノキシ]ピリジン(「PPP」)が例として挙げられるが、これに限定されるものではない。アルケニル基を1個だけ持つ1官能性共反応物も又好ましい態様の一部である。そのような物質は一般的に2個のアルケニル基を持つ物質に比較して分子量が低く従って粘度が低いのでプレプレッグ粘着性を与えることができる。1官能性共反応物は又、芳香族基の脂肪族基に対する高い比率を持ち得るので酸化安定性を低下させない。1官能性の硬化剤は分子ネットワーク中の結合を減少させる傾向がありTgを低下させる可能性があるので、基本的には2官能性の硬化剤を有するのが一般的に好ましい。1官能性の改質剤の一例は(3−アリル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゼンである。
液相のTgは室温程度以下であるのが好ましい。これらの低いTgは、製品が、接着フィルム又はプレプレッグ形態である場合に、適切な粘着力とドレープを有することができるという目的のために望ましい。もし液相の粘度又はTgが低すぎた場合は、通常のやり方でビスマレイミドの一部を他の成分の中へ溶解させることによってより高い値へ上昇させることが可能である。高温で多くのビスマレイミドを溶解し過ぎて低温での溶解性を相当程度に超過すると、ビスマレイミドが晶出する可能性があるので、このようなことがないように注意しなけれはならない。この結晶化は、結晶化の核化中心として作用し得る最終樹脂系中の分散した固体のビスマレイミドの存在によって促進される。もし単に極少量の結晶化が起こった場合には、生じた不均一性は3本ロール粉砕のような加工を追加して行うことによって解消することが可能である。しかし、かなりの量の結晶化が起こった場合には、その製品は再生するか、廃棄しなければならない。
本発明の最も好ましい態様においては、樹脂系のスラリー混合は、必要量のビスマレイミドを微細粒子形状で、好ましくは50μm未満の粒子として、液相中に分散させることによって達成される。そのスラリー混合は、幾分高温で、好ましくは30℃から約150℃までの温度で、但しその場合に使用されるビスマレイミドがその他の成分と溶解もしくは相溶する温度より低い温度で行われる。この比較的低い温度では、ビスマレイミドの粒子サイズが小さくても連続相に溶解するビスマレイミドは、もしあるとしても、そのごく小部分のみであろう。
従来の高せん断混合装置を用いることができる。硬化用触媒もこの段階で添加することができる。この様にして得られた均質な分散体は、続いて3本ロール粉砕機にかけることもできるし、また接着剤として又はホットメルトプレプレッグ用樹脂として使用するために直接シリコーン離型紙上に塗布することもできる。この技術によって製造されたマトリックス樹脂は、炭素/グラファイト及びガラス繊維用途に特に好適である。
最高の酸化安定性が必要ではない分野での本発明の目的のために、酸化安定性がより低い共反応物とビスマレイミドとの混合物もまた本発明の好ましい一部である。例えば、4,4’−ビス[O−(1−プロペニル)−フェノキシ]ベンゾフェノン(「PPB」)と2,6−ビス[O−(1−プロペニル)−フェノキシ]ピリジン(「PPP」)との混合物、又はPPPとジアリルビスフェノールA(DABA)との混合物が、いくつかの分野においては特に好適である。
好ましい態様は、固体のビスマレイミドの実質的な部分が固体状のまま残ることである。「実質的な部分」なる用語は、スラリー混合過程が微細粒子サイズのビスマレイミドを液状の共成分に添加することによって実施される場合にそのスラリー混合過程中に溶解する固体のビスマレイミドの量を用いて最もよく定義される。この部分は、スラリー混合過程に続いて熱硬化性樹脂系から製造される樹脂フィルム又はプレプレッグが所望の粘着力がドレープを有するような、そして固体のビスマレイミド成分の実質的な結晶化が起こらないような量でなければならない。
例えば、多くの系では、固体のビスマレイミドの、混合及びプレプレッグ製造の間に溶解する部分は、0重量%に近いと推定され、一般的に添加された固体ビスマレイミド成分全体の約20重量%未満である。しかしながら、いくつかの場合には、固体状のままで残っているビスマレイミドのかなりの量が系の他の成分にともなって変化し得る。固体のビスマレイミドの内スラリー混合の間に溶解する量は、その特定のビスマレイミドの貯蔵温度での溶解度をあまり超えないことが好ましい。ビスマレイミドの、固体状のままで残っている「実質的な量」は、いくつかの場合には添加した固体のビスマレイミドの10%と低いが、一般的には、そして好ましくは、それより遥かに高い。
「実質的な部分」を明かにする種々の予言的な例が、米国特許第5,003,018号に見出される。この特許は引用することにより本明細書に組み込まれる。
本発明によって成分をスラリー混合する次善の手段は、ビスマレイミド成分をその融点以上に加熱し、そしてそれを高いせん断の条件下で連続相に徐々に添加することである。混合物はビスマレイミドの融点以下の温度に冷却するが、その開始時期は、液状のビスマレイミド添加の前でもよいし、添加中から冷却してもよいし、又添加後に冷却してもよい。しかし、所望のビスマレイミドの微細粒子を維持するためには、添加と冷却の過程の間高いせん断の状態を維持することが必要である。この方法は特別に高い融点を持つビスマレイミドを使用する場合は実用的ではない。又液状系が過冷却状態になり易い場合には、この方法は使用できないし、それ故に本発明の範囲に入らない。これらの条件下では、分散した固体のビスマレイミドを初期に含有しない準安定な樹脂系が保持されるであろう。
もう一つの次善の方法では、固体のビスマレイミドを、比較的粗い粒子の形状で、せん断力が20μm未満、好ましくは1〜5μmの範囲への急速なサイズ低下をもたらすような高せん断下で、連続相に添加する。所望の条件を作り出すせん断攪拌機が市販されている。そのような高せん断攪拌機を使用する場合は、高エネルギーせん断条件の結果生じる発熱が樹脂の温度を望ましくない高い温度に上昇させる可能性があるので、樹脂混合物を冷却しなければならない場合が多い。温度は、固体のビスマレイミドが完全に溶解する温度よりかなり低い温度に保持しなければならない。
本発明を実施する更なる手段は、最初に全ビスマレイミド成分の一部分を含む樹脂成分の少なくとも一部分を通常のやり方で一緒に溶融することである。次いで、追加の固体のビスマレイミドを、低い温度で、適切なサイズを持った微細粒子として添加するか又は、より大きな粒子として添加した後、例えば前述したような高せん断混合技術を用いることによってその場でサイズを低下させる。
本発明の方法を最善に使用するためには、混合温度が臨界的である。その温度は、含まれている樹脂成分にとって実際的である限りにおいて低い温度であるべきである。例えば、もし適当な高回転力攪拌機が利用できるならば、ビスマレイミドを高い粘度のコモノマー中へスラリー混合する場合でも室温もしくはそれ以下の温度で行うことができるであろう。しかし、混合温度をある程度上昇させることが望ましい場合が多い。室温で固体であったり粘度が高すぎるコモノマーに関しては高い温度が必要となり得る。最も望ましい温度は、当業者が容易に決定することができる。
以下に記載するスラリー混合法は、加工を改良し、「粘着力」を増大させ、そして室温貯蔵安定性を向上させるために使用される。固体の単量体(固体反応物)は、固体としてスラリー中に残留した。その樹脂はスラリー混合なしでは製造できないであろうしそしてなお良好なプレプレッグ粘着力とドレープを有しておりそしてスラリー混合は含浸された繊維(プレプレッグ)に良好な室温貯蔵安定性を与えるので、この方法は、本発明の必要な一成分でもある。
重量損失試験を行う手順は、硬化した試験パネルからの5cmx12.5cmプレプレッグ試料から成っていた。
これらの試料を秤量し、232℃又は260℃の空気循環式の乾燥器中に静置した。6週間後に酸化による重量損失を測定するために秤量した。重量損失%は、6週間老化後の重量を初期重量で除し、100を掛け、その積を100から引いて計算した。データは表に報告してある。種々の複合材の重量損失を比較することによって、試験を解析した。重量損失が少なければ少ないほど複合材は酸化に対してより安定である。
以下の個々の実施例は、本発明のある面を具体的に示すためのものであり、本発明の限定と解釈されるべきではない。
実施例 1
ハイドロキノン(「HQ」)を0.1%含有するPPBを120℃で完全な溶液になるまで加熱した。HQを含有するPPB50重量部を70℃〜95℃に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部及びハイドロキノン0.05重量部を添加した。ハイドロキノンを121℃で、全てのハイドロキノンが溶解するまで加熱した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌した。この70〜95℃のプレポリマー樹脂をシリコーン離型紙上に秤量しながら供給し、次いでT−300 3K 70P Type の炭素繊維布にプレスした(含浸した)。樹脂含有量は30〜35%であり、残りは炭素繊維であった。この含浸された布を12枚重ねた。重ねた含浸布を「真空バッグ」中に置き、オートクレーブ中で227℃、85psiで6時間加熱することにより、試験パネルを製造した。試験片をパネルから切り出し、上に記載した手順に従って重量損失について試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.68%であり、そして260℃においては1.62%である。
例 2(比較例)
DABA40重量部とTPP0.15部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI60重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては2.14%であり、そして260℃においては4.53%である。
例 3(比較例)
ハイドロキノンを0.1%含有するPPB25重量部及びDABA25重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては1.22%であり、そして260℃においては2.99%である。
実施例 4
HQを含有するPPB47.5重量部及びRDGE5重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI47.5重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.91%であり、そして260℃においては1.74%である。
実施例 5
HQを含有するPPB50重量部及びCPM10重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI40重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.65%であり、そして260℃においては2.58%である。
実施例 6
HQを含有するPPB40重量部及びCPMI10重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.73%であり、そして260℃においては1.57%である。
実施例 7
HQを含有するPPB45重量部及びC−STIL5重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.64%であり、そして260℃においては1.50%である。
実施例 8
HQを含有するPPB40重量部及びT−STIL10重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.75%であり、そして260℃においては1.83%である。
実施例 9
HQを含有するPPB40重量部及びTPE10重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸しオートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.69%であり、そして260℃においては1.72%である。
実施例 10
HQを含有するPPB50重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI30重量部及び粉砕したBAPP−BMI20重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.79%であり、そして260℃においては1.64%である。
実施例 11
HQを含有するPPB50重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI40重量部及び粉砕したBAPP−BMI10重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.79%であり、そして260℃においては1.58%である。
実施例 12
HQを含有するPPB49.5重量部及びハイドロキノン1重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI49.5重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.72%であり、そして260℃においては1.62%である。
例 13(比較例)
PPP50重量部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては1.38%であり、そして260℃においては10.78%である。
実施例 14
PPP25重量部及びPPB25部を70℃〜95℃の間に加熱し、次いで粉砕したMDA−BMI50重量部を添加した。この「スラリー」混合物を均質になるまで攪拌しプレポリマー樹脂を製造した。次いでこのプレポリマー樹脂を秤量しながら供給し、含浸し、オートクレーブ中で硬化し、そして実施例1と同様にして試験した。硬化した複合材の重量損失は232℃においては0.94%であり、そして260℃においては2.32%である。
上記の生成物や方法に対する変更及び修正が、添付の請求の範囲に規定した本発明の精神や範囲から離れることなく当業者によってなされ得ることが認識されるであろう。
Claims (3)
- (A)メチレンジアニリンビスマレイミド(MDA−BMI)である固体のビスマレイミド反応物、
及び
(B)4,4′−ビス[O−(1−プロペニル)フエノキシ]ベンゾフエノン(PPB)である液状のプロペニルベンゾフエノン共反応物、
から成り、該固体のビスマレイミド反応物及び該液状の共反応物が1:1.5から1.5:1までの重量比で該組成物に含まれている硬化性樹脂組成物であって、該組成物は硬化後に熱老化時における減少した重量損失を示し、且つ、該反応物及び該共反応物は硬化時の該組成物中の反応性成分の全重量に対して70%を超えて含まれている、ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - (A)平均粒子サイズ(容量による)が100μm未満のメチレンジアニリンビスマレイミドである固体のビスマレイミド反応物を、液状の4,4′−ビス[O−(1−プロペニル)フエノキシ]ベンゾフエノン共反応物から成る液相の中に、混合後に少なくとも10重量%の固体のビスマレイミドが固体形態のままに残るような温度において混合分散させ、
(B)液相中に固体のビスマレイミドを含んだ均一な分散液を得る、ただし該分散液は該固体のビスマレイミド反応物及び該液状の共反応物を1:1.5から1.5:1までの重量比で含んでいる、
ことを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 該温度が30℃から150℃までの温度である、請求項2に記載の方法。
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