JP4053955B2 - 電気二重層キャパシタの製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関するものであり、特に低温特性に優れた電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタとは、固体と液体の異なる2層が接する面に電荷を蓄える「電気二重層」という現象を動作原理としたキャパシタのことである。電気二重層キャパシタは、大容量で充放電できるため、携帯情報機器や電気自動車、各種補助電源、深夜電力貯蔵など、幅広い産業分野において有望である。そのため、エネルギー密度が高く、急速充電が可能であり、耐久性に優れた電気二重層キャパシタが望まれている。
電気二重層キャパシタは、一般に、1対の分極性電極を電解質溶液中にセパレータを介して対向させて正極および負極を構成したもので、分極性電極と電解質溶液の界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積する。したがって、電気二重層キャパシタの静電容量は、分極性電極の表面積に比例すると考えられる。そのため、従来、分極性電極は、電気二重層の界面を増すために、表面に無数の細孔を有する比表面積の大きな炭素材が使用されてきた。
ところが、低温下では電解質溶液の粘度が増加するので、電荷の移動、特に細孔内での電荷の移動に対する抵抗が高くなり、比表面積の大きな炭素材を用いた分極性電極であっても電気二重層キャパシタの内部抵抗が著しく大きくなることが知られている。そのため、低温下では、室温(例えば25℃)での使用時に比べて大幅に容量が小さくなる。
そこで、特許文献1では、炭素質原料をアルカリ中で処理して得られた炭素質物質からなる電極であって、その炭素質物質の面間隔d002 が0.365nm以下であり、かつ比表面積が0.5m2 /g以上290m2 /g以下である電極を用いた電気二重層キャパシタを開示している。特許文献1の電気二重層キャパシタは、従来の比表面積の大きな炭素材に比べてナノメートルサイズの細孔をほとんど有していないので、低温下での電解質イオンの易動度を大きくすることができる。
特開平11−297577号公報
特許文献1の電気二重層キャパシタは、いわゆる「アルカリ賦活」により炭素質物質の表面に細孔を形成している。しかしながら、アルカリ賦活は、一般的に細孔径の制御が難しいとされており、大小入り交じった細孔が形成されてしまうため、電解質溶液の電解質イオンに対して適度な大きさの細孔を得ることが困難である。したがって、引用文献1で、ナノメートルサイズの細孔の数を抑えることはできても、必要以上に大きな細孔の存在により比表面積が低下する場合があるので、効率の良い賦活処理が行われているとは言い難い。
本願発明者は、上記問題点に着目し、電気賦活処理により炭素材表面に細孔を形成し、この電気賦活処理に用いる電解質溶液と、電気二重層キャパシタの使用時に用いる電解質溶液を選択することにより、従来よりも優れた低温特性を有する電気二重層キャパシタが得られることに想到した。
すなわち、本発明の目的は、優れた低温特性を有する電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法は、ケース内に、炭素材を所定の形状に成型してなる一対の電極部材の一面側を絶縁物からなるセパレーターを介して対向させて配置するとともに他面側に集電体を接触させて主要構成部を形成する配置工程と、
前記ケース内に賦活処理用電解質溶液を注入して、前記主要構成部が該賦活処理用電解質溶液に浸漬された状態で前記炭素材を電気賦活処理して該炭素材に細孔を形成する電気賦活処理工程と、
さらに、前記ケースに前記賦活処理用電解質溶液の電解質イオンよりも小さい径をもつ電解質イオンを含む電解質溶液を注入してキャパシタ用電解質溶液を調製するキャパシタ用電解質溶液調製工程と、
からなることを特徴とする。
前記キャパシタ用電解質溶液調製工程は、前記ケースから前記賦活処理用電解質溶液の少なくとも一部を取り除いてから、さらに、該ケースに前記電解質溶液を注入する工程であってもよい。
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法によれば、炭素材を電気賦活処理することにより形成された細孔を有する電極部材と、電解質を含み該電極部材を浸漬するキャパシタ用電解質溶液と、からなり、キャパシタ用電解質溶液は、電極部材の細孔よりも小さい径をもつ電解質イオンを含む電気二重層キャパシタが得られる。
前記電気賦活処理によって形成された前記細孔は、前記キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含む賦活処理用電解質溶液により形成されるのが好ましい。
賦活処理用電解質溶液がキャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含むことにより、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンは細孔よりも相対的に小さい径となる。そのため、電気二重層キャパシタの内部抵抗、特に低温使用時における細孔内での電解質イオンの移動に対する抵抗が緩和され、電気二重層キャパシタの容量の低下を抑えることができる。
前記キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンは、イオン径が2〜10Åであるのが好ましい。また、前記賦活処理用電解質溶液の電解質イオンは、イオン径が4〜15Åであるのが好ましい。
前記キャパシタ用電解質溶液は、LiBF4 ,Et4 NBF4 ,Et3 MeNBF4 およびLiPF6 のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。
前記賦活処理用電解質溶液は、四級アルキルアンモニウムのトリフルオロメタンスルホン酸塩,過塩素酸塩および六フッ化リン塩のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。また、前記賦活処理用電解質溶液は、Bu4 NCF3 SO3 ,Pr4 NCF3 SO3 ,Et4 NClO4 およびEt4 NCF3 SO3 のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。
さらに、前記キャパシタ用電解質溶液は、前記賦活処理用電解質溶液の賦活処理用電解質を含む混合溶液であってもよい。本構成によれば、賦活処理後に、賦活処理用電解質溶液にキャパシタ用電解質溶液を混合し、電気二重層キャパシタを組み立てればよいので、実用的である。
また、前記炭素材は、非多孔性炭素であるのが望ましい
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法により得られる電気二重層キャパシタは、キャパシタ用電解質溶液が細孔よりも小さい径をもつ電解質イオンを含むことにより、電気二重層キャパシタの内部抵抗、特に低温使用時における細孔内での電解質イオンの移動に対する抵抗が緩和され、電気二重層キャパシタの容量の低下を抑えることができる。すなわち、本発明の電気二重層キャパシタによれば、低温特性に優れる電気二重層キャパシタが得られる。
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法の実施形態を説明する。
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法により得られる電気二重層キャパシタは、炭素材を電気賦活処理することにより形成された細孔を有する電極部材と、電解質を含み該電極部材を浸漬するキャパシタ用電解質溶液と、からなる。
電極部材は細孔を有し、その細孔は炭素材を電気賦活処理することにより形成される。以下に電気賦活処理について説明する。
電気賦活処理とは、電気賦活処理用の電解溶液中に炭素を含む電極部材が浸漬されている状態において、電極部材に印加する電圧がある閾値を越えると、電解質イオンが炭素組織内に侵入し、層間を押し広げることにより電気二重層を形成する界面、すなわち電解質イオンの吸着サイトとなる細孔を発現させる賦活処理方法である。電気賦活処理では、電解質イオンが炭素組織内に侵入(インターカレート)し層間を押し広げることにより細孔を形成するため、発現する細孔のサイズは、炭素にインターカレートした電解質イオンの径と同等となる。したがって、電気賦活処理では、電解質イオンの大きさを選択することにより細孔の大きさを制御することが容易にできる。
気二重層キャパシタに用いられる電極部材の細孔は、炭素材を電気賦活処理することにより形成された細孔が適する。なお、他の賦活処理法(例えば、水蒸気賦活、アルカリ賦活など)では、細孔の大きさを制御するのが困難であり、必要以上に大きな細孔や、必要以上に小さな細孔が出来ることがある。必要以上に大きな細孔は炭素材の比表面積を減少させ、必要以上に小さな細孔は電気二重層キャパシタ使用時に電解質イオンの移動の抵抗となるため、電気二重層キャパシタの電極部材の単位重量当たりの容量が減少する。
キャパシタ用電解質溶液は、電気二重層キャパシタの使用時、つまり充放電時に用いられる電解質溶液であり、電極部材を浸漬する。
キャパシタ用電解質溶液は、電極部材の細孔よりも相対的に小さい径をもつ電解質イオンを含む。キャパシタ用電解質溶液が細孔よりも相対的に小さい径をもつ電解質イオンを含むことにより、細孔内でのキャパシタ用電解質溶液の電解質イオンの移動に対する抵抗が緩和されるので、電極部材の単位重量当たりの容量の大きな電気二重層キャパシタとなる。特に、キャパシタ用電解質溶液の粘度が高くなる低温使用時において、電気二重層キャパシタの容量の低下を抑えることができる。なお、イオンの「径」とは、そのイオンの直径である。
また、電気賦活処理によって形成された細孔は、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含む賦活処理用電解質溶液により形成されるのが好ましい。
従来、電気賦活処理によって形成された細孔を有する電極を用いる電気二重層キャパシタでは、電気賦活処理時に用いた賦活処理用電解質溶液をそのままキャパシタ用電解質溶液として用い、電気二重層キャパシタを使用した。電気賦活処理では、細孔の大きさは炭素材にインターカレートされた電解質イオンの径と同等となるので、賦活処理用電解質溶液をそのままキャパシタ用電解質溶液として用いると、細孔と電解質イオンとの大きさの差がほとんどなく、細孔内での電解質イオンの動きが悪い。特に、低温での使用では、使用時の温度が低下するに従い、電解質溶液の粘度が高くなるので、細孔内での電解質イオンの動きがさらに悪くなり、電気二重層キャパシタの容量が低下する。
そこで、本発明では、電気賦活処理によって形成される細孔を、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含む賦活処理用電解質溶液により形成する。電気賦活処理にキャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含む賦活処理用電解質溶液を用いると、結果的に、細孔径がキャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも大きくなる。このため、電気二重層キャパシタの内部抵抗、特に低温使用時における細孔内でのキャパシタ用電解質溶液の電解質イオンの移動に対する抵抗が緩和され、電気二重層キャパシタの容量の低下を抑えることができる。
さらに、本発明では、電極部材の細孔の大きさに合わせて、適度な大きさの電解質イオンからなるキャパシタ用電解質を選択することができ、電極部材の単位重量当たりの容量が大きく低温特性に優れた電気二重層キャパシタが得られる。この際、電気賦活処理された電極部材は、前述のように細孔の大きさにバラツキがなく、電解質イオンに対して不必要に大きな細孔や小さな細孔が無いため、電気賦活処理により得られた細孔はイオン吸着サイトとして効率よくはたらく。そのため、細孔の大きさにバラツキがあるもの、例えば前述した水蒸気賦活やアルカリ賦活により得られた電極部材は、電気二重層キャパシタの電極部材として適さない。すなわち、賦活処理用電解質の種類を選択することにより細孔の大きさを制御することが容易にでき、かつ大きさが揃った細孔を形成できる電気賦活処理が、本発明で用いられる賦活処理法として最も効率がよいと言える。
各電解質イオンの大きさは、(賦活用電解質溶液の電解質イオン径)>(キャパシタ用電解質溶液の電解質イオン径)の関係であれば特に限定はないが、賦活用電解質溶液の電解質イオン径がキャパシタ用電解質溶液の電解質イオン径の1.2〜4倍であるのが好ましい。そして、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンはイオン径が2〜10Å、また、賦活処理用電解質溶液の電解質イオンはイオン径が4〜15Åであるのが好ましい。電気賦活処理においては、細孔径は、炭素材にインターカレートされた賦活用電解質溶液の電解質イオンの径と同等となるので、細孔径は、4〜15Åであるのが好ましい。
キャパシタ用電解質溶液および賦活処理用電解質溶液は、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも相対的に大きい径をもつ電解質イオンを含む賦活処理用電解質溶液であれば、通常電気二重層キャパシタに用いられている電解質溶液で特に限定はないが、キャパシタ用電解質溶液は、LiBF4 (陽イオン径:3.6Å,陰イオン径:5.2Å),Et4 NBF4 (陽イオン径:9.1Å,陰イオン径:5.2Å),Et3 MeNBF4 (陽イオン径:8.5Å,陰イオン径:5.2Å)およびLiPF6 (陽イオン径:3.6Å,陰イオン径:6.1Å)のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。また、賦活処理用電解質溶液は、四級アルキルアンモニウムのトリフルオロメタンスルホン酸塩,過塩素酸塩および六フッ化リン塩のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。中でも、Bu4 NCF3 SO3 (陽イオン径:12.4Å,陰イオン径:6.9Å),Pr4 NCF3 SO3 (陽イオン径:11.7Å,陰イオン径:6.9Å),Et4 NClO4 (陽イオン径:9.1Å,陰イオン径:5.9Å),Et4 NCF3 SO3 (陽イオン径:9.1Å,陰イオン径:6.9Å),Bu4 NPF6 (陽イオン径:12.4Å,陰イオン径:6.1Å),Pr4 NPF6 (陽イオン径:11.7Å,陰イオン径:6.1Å),Et4 NPF6 (陽イオン径:9.1Å,陰イオン径:6.1Å)のうち少なくとも1種の電解質を含むのが好ましい。特に、電解質としてBu4 NCF3 SO3 および/またはPr4 NCF3 SO3 を含む賦活処理用電解質溶液と、LiBF4 および/またはEt4 NBF4 を含むキャパシタ用電解質溶液との組み合わせで用いると効果的である。
さらに、キャパシタ用電解質溶液は、賦活処理用電解質を含む溶液であってもよい。本構成によれば、賦活処理後に、賦活処理用電解質溶液にキャパシタ用電解質溶液を混合し、電気二重層キャパシタを組み立てればよいので、賦活処理用電解質溶液を取り除く工程を省略でき、特に製造工程において実用的な構成となる。この際、賦活処理用電解質溶液とキャパシタ用電解質溶液との混合比は、モル比で1:2〜1:10であるのが好ましい。この範囲の混合比であれば、低温特性の優れた電気二重層キャパシタとなる。
なお、キャパシタ用電解質溶液の溶媒は、通常、電気二重層キャパシタの電解質溶液に用いられる溶媒であれば特に限定はないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジエトキシエタン(DEE)、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、アセトニトリル(ACN)、エチルメチルカーボネート(EMC)のうち少なくとも1種を含む溶媒が好ましい。
また、電気賦活処理される炭素材に特に限定はないが、非多孔性炭素が好ましい。ここで、非多孔性炭素とは、各種電解質イオン、溶媒、窒素ガスなどを取り込める程度の大きさの細孔がない炭素をいう。具体的には、BET法による比表面積が、270m2 /g以下、より好ましくは100m2 /g以下である炭素である。また、非多孔性炭素は、層間距離d002 が、0.360〜0.380nmの範囲にある、多層グラファイト構造をもつ炭素であるのが好ましい。さらに、非多孔性炭素は、炭素骨格に直接結合した水素以外の水素や酸素が除かれ、かつ、空気中において酸素や水などと反応する反応活性部位が水素で置換されターミネートあるいはブロックされているような炭素であるのが好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタの製造方法の実施例を比較例と共に、図を用いて説明する。図1は、コイン型の電気二重層キャパシタの説明図である。コイン型の電気二重層キャパシタは、アルミニウム製のケース5内に、一対の電極部材1a,1bの一面側を絶縁物からなるセパレーター3を介して対向して配置するとともに、電極部材1a,1bの他面側に集電体2a,2bを接触させることにより、主要構成部を形成するものである。なお、以下の比較例および実施例の電気二重層キャパシタは、上記のコイン型電気二重層キャパシタとする。
(比較例)
BET法による比表面積が100m2 /g以下である非多孔性炭素を乳鉢に回収し、平均粒径10μm以下に粉砕後、加熱真空乾燥を実施した。次に、この非多孔性炭素に、カーボンブラック、メチルセルロースを加え、乳棒で混合練り合わせ、水を溶媒としたスラリー状の混合材料とした。なお、非多孔性炭素、カーボンブラック、メチルセルロースの重量比は8:1:1である。
次に、混合材料をドクターブレード法により集電体(アルミ箔)2a,2bに塗布し、乾燥して、成型厚さ0.5mmのシート状態にした。そして、シート状態からパンチング治具で19mmφに切り抜き、2枚の電極部材1a,1bを得た。この成型した電極部材を正極1bおよび負極1aとし、セパレーター3を介して対向させ、共に加熱真空乾燥した後、真空含浸槽に移し、賦活処理用電解質溶液4’(プロピレンカーボネート溶媒に、1mol/lのEt4 NBF4 電解質を溶解した溶液)を含浸させた。その後、電極部材に、CCCV充電にて3.7Vで1時間、電圧印加した後、定電流放電で0Vまで放電させて電気賦活処理を行った。
そして、ケース5を封止して、電気二重層キャパシタNo.1を作成した。なお、Et4 NBF4 電解質を含む賦活処理用電解質溶液4’は、そのままキャパシタ用電解質溶液4として用いた。
(実施例1)
本実施例では、比較例の賦活処理用電解質溶液4’を、プロピレンカーボネート溶媒に、1mol/lのPrNCFSO電解質を溶解した溶液とした他は、比較例と同様にして、電気賦活処理を行った。
その後、賦活処理用電解質溶液4’を取り除き、キャパシタ用電解質溶液4(プロピレンカーボネート溶媒に、1mol/lのEt4 NBF4 電解質を溶解した溶液)を含浸させ、ケース5を封止して、電気二重層キャパシタNo.2を作成した。
(実施例2)
本実施例では、実施例1のキャパシタ用電解質溶液4を、プロピレンカーボネート溶媒に、0.8mol/lのEt4 NBF4 電解質および0.2mol/lのPr4 NCF3 SO3 電解質を溶解した溶液とした他は、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタNo.3を作成した。この際、賦活処理用電解質溶液4’を完全に取り除かず、Et4 NBF4 電解質とPr4 NCF3 SO3 電解質とのモル比が8:2となるように、賦活処理用電解質溶液にEt4 NBF4 電解質溶液を加えることによりキャパシタ用電解質溶液4を調製した。
なお、表1に、各電解質溶液に用いた賦活処理用電解質とキャパシタ用電解質をまとめた。
Figure 0004053955
[評価]
以下の測定により、電気二重層キャパシタNo.1〜3の静電容量の温度依存性を求めた。
No.1〜3の電気二重層キャパシタを用い、市販の充放電装置を使用し、0〜3.7Vまでの充電・放電を定電流(10mA)にて100サイクル繰り返して、静電容量を求めた。なお、静電容量の測定は、−40〜60℃までの温度範囲にて実施した。測定より求められた各電気二重層キャパシタの静電容量の温度依存性を、図2に示す。
比較例の電気二重層キャパシタNo.1では、電気賦活処理に用いた賦活処理用電解質溶液を、そのままキャパシタ用電解質溶液として用いて電気二重層キャパシタを使用した。そのため、電気賦活処理により形成された細孔の大きさは、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンと同等であり、細孔内での電解質イオンの動きが悪くなり電気二重層キャパシタの容量が低く、特に低温になると容量の低下は顕著であった。
実施例の電気二重層キャパシタNo.2およびNo.3では、電気賦活処理に用いた賦活処理用電解質のPr4 NCF3 SO3 のPr4 + およびCF3 SO3 -イオンのイオン径が、電気二重層キャパシタの使用時に用いたキャパシタ用電解質のEt4 + およびBF4 -イオンのイオン径よりも大きい。そのため、電気賦活処理により形成された細孔の大きさは、キャパシタ用電解質溶液の電解質イオンよりも大きく、電気二重層キャパシタの使用時における細孔内での電解質イオンの移動に対する抵抗が緩和され、低温となっても電気二重層キャパシタの容量の低下を抑えることができた。
なお、No.3では、No.2に比べ、電気二重層キャパシタの容量が僅かに劣るものの、低温特性に優れた電気二重層キャパシタであった。
比較例および実施例で用いるコイン型の電気二重層キャパシタの説明図である。 実施例1,2および比較例の電気二重層キャパシタについて、静電容量の温度依存性を示すグラフである。
符号の説明
10:電気二重層キャパシタ
1:電極部材
2:集電体
3:セパレーター
4:キャパシタ用電解質溶液
4’:賦活処理用電解質溶液
5:ケース

Claims (6)

  1. ケース内に、炭素材を所定の形状に成型してなる一対の電極部材の一面側を絶縁物からなるセパレーターを介して対向させて配置するとともに他面側に集電体を接触させて主要構成部を形成する配置工程と、
    前記ケース内に賦活処理用電解質溶液を注入して、前記主要構成部が該賦活処理用電解質溶液に浸漬された状態で前記炭素材を電気賦活処理して該炭素材に細孔を形成する電気賦活処理工程と、
    さらに、前記ケースに前記賦活処理用電解質溶液の電解質イオンよりも小さい径をもつ電解質イオンを含む電解質溶液を注入してキャパシタ用電解質溶液を調製するキャパシタ用電解質溶液調製工程と、
    からなることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
  2. 前記キャパシタ用電解質溶液調製工程は、前記ケースから前記賦活処理用電解質溶液の少なくとも一部を取り除いてから、さらに、該ケースに前記電解質溶液を注入する工程である請求項記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  3. 前記キャパシタ用電解質溶液は、LiBF ,Et NBF ,Et MeNBF およびLiPF のうち少なくとも1種の電解質を含む請求項1または2記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  4. 前記賦活処理用電解質溶液は、四級アルキルアンモニウムのトリフルオロメタンスルホン酸塩,過塩素酸塩および六フッ化リン塩のうち少なくとも1種の電解質を含む請求項1または2記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  5. 前記賦活処理用電解質溶液は、Bu NCF SO ,Pr NCF SO ,Et NClO およびEt NCF SO のうち少なくとも1種の電解質を含む請求項1または2記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  6. 前記炭素材は、非多孔性炭素である請求項1または2記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
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