JP4053762B2 - 超音波モータ及び超音波モータ付き電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦振動に捻り振動が結合されたロッド型超音波モータの構造及びその駆動方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロッド型超音波モータには、縦振動励振用の振動子と捻り振動励振用の振動子とを備え、両振動子に位相を異にする駆動電圧を印加することによって励振されたステータの縦−捻り合成振動は伸び動作時の捻れ方向の力をロータ3に伝達する方式のものが古くから知られている。
【0003】
この方式の他、最近は定在波型超音波モータとして、ステータ部に傾斜したスリット溝を形成して、圧電素子の縦振動により捩り振動を発生させ、縦振動と捩り振動とが合成されて生じる楕円振動によって、ロータ部を回転させるものが提示されている。すなわち、ロータと面接触するスタータが縦−捻れ結合振動を生じるとき、伸び方向の際の捻れ運動がロータに伝達され、縮み方向の際の捻れ運動は摩擦力の低下のため伝達されないで、ロータの一方向駆動が達成されるものである。
【0004】
例えば、縦振動励振用の振動子と捻り振動励振用の振動子とを備える従来型は、構造並びに給電のための回路が複雑となってコスト高となる、あるいは、外形寸法が大きくなるという問題を有しているものの、回転数、トルクの制御を自由にすることが出来る機能を備えており広い用途に対応できる利点を備えている。
【0005】
特開平9−182469号公報に開示されている超音波モータは定在波型方式に属するものであり、単相で双方向に回転可能な超音波モータ及び超音波モータの駆動方法を提供するものである。しかしながら、この課題を達成するために、上記公報は図5に示されるように、ステータ部20の端面に、縦振動及び捩り振動が合成されてなる楕円振動を発生させてロータ部10を回転駆動する超音波モータにおいて、ステータ部20の縦共振周波数の縦振動又は捩り共振周波数の捩り振動を、印加される周波数の交流電圧に応じて発生させる振動発生手段22,24と、前記縦振動又は捩り振動の一方から他方を発生させて、楕円振動が合成されるようにする斜めスリット溝38と、前記2つの振動発生手段22,24は分極方向が異なる関係にあって、縦振動及び捩り振動に対応する周波数の交流電圧を、切り換えて選択的に電圧を印加する電圧印加手段50とを備えるものである。
【0006】
このような構成をとることによって、振動発生手段は、ステータ部が大きく振動できるように、縦共振周波数の縦振動、あるいは、ステータ部の捩り共振周波数の捩り振動を生じさせるようになっている。ステータ部に縦振動を生じさせるには、これに対応する周波数を選択して電圧印加手段により交流電圧を振動発生手段に印加する。そうすると、ステータ部に生じた縦振動から振動変換手段を介して捩り振動が生じ、両振動が合成されてステータ部の端面に楕円振動が生じて、ロータ部が回転する。
【0007】
また、ステータ部に捩り振動を生じさせるには、これに対応する周波数を選択して電圧印加手段により交流電圧を振動発生手段に印加する。そうすると、ステータ部に生じた捩り振動から振動変換手段を介して縦振動が生じ、両振動が合成されてステータ部の端面に楕円振動が生じて、ロータ部が回転する。その際の回転方向が縦振動から捩り振動を変換したときと、捩り振動から縦振動を変換したときで逆になることを利用して回転切替を行うものである。
【0008】
この回転切替は、振動発生手段への印加電圧の周波数の切替によって行うものであるが、この周波数は縦振動の一次共振周波数が55kHz、捩り振動の二次共振周波数が63kHzとなっている。すなわち、この超音波モータは8kHzの周波数の差で異なるモードの共振点を有していることによって、この製造段階で生じる二つの共振周波数のバラツキにより、モータの特性にバラツキが生じてしまったり、二つの振動モードが互いに影響し合い出力パワーも小さくならざるを得なかったりする。
【0009】
さらには、振動が不安定になるという問題、自励振動方式が作動安定性の点で難しく駆動には周波数追尾機能を有する電圧印加装置が別途必要であること、分極方向を異にする2つの圧電振動子を必要とする等構造的に小型化が難しいという問題や強いて小型化をしようとするとパワーが極端に小さくなってしまうという問題をもっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題点を解決すること、すなわち、ステータの周波数−インピーダンス特性において、インピーダンス値が極小値となる共振点と隣接する共振点間の周波数値が離れるようにして、バラツキが少なく、出力パワーが大きな超音波モータを提供すると共に、1方向の分極構造を持つ圧電素子のみを用い、別途振動子駆動のための電圧印加装置を必要としない、自励発振で駆動出来ることにより小型化を図った超音波モータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波モータは、圧電素子とその上下に設けられた二つの弾性部材からなる振動体の振動により移動体を駆動する超音波モータにおいて、前記二つの弾性部材にはそれぞれ90度より小さい角度で設けられた溝を有するように構成し、大きな捻れ変位を生じるように応力集中部である定在波の節の部分に溝を設けるようにする。
【0012】
また、前記溝は前記弾性部材の上面、下面を含まない位置に設けること、少なくとも一部には90度よりも小さい角度で設けられた溝を有する弾性部材の上下方向には圧電素子が設けられた構造とすること、前記溝は一定角度で複数設けられるようにすること、前記溝はらせん状に、しかも前記弾性体の一周以上にわたって設けられるようにすること、前記溝はステータの中心から長手方向両側に、位置は対称に角度は同じ形態で設けるといった構成を採用する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波モータは、図1のAに示すように圧電素子1とその上下に設けられた二つの弾性部材からなる振動体2の振動によりロータ3を駆動する超音波モータであって、その駆動原理は前記弾性振動体に溝部を形成して圧電素子1の縦振動をねじり振動に変換させてステータに図1中に矢印で示した縦−捻り合成振動を生じさせ、ステータ端面部の(楕円等の)運動によってロータに回転力を与えるというものである。
【0014】
使用する振動モードによって矢印の方向が逆となるため、使用するモードによってロータの回転は逆となる。その際、ステータに安定した大きな捻れ成分変位を生ぜしめるため、本発明ではまず、振動子の両側に存在する前記二つの弾性振動体にそれぞれ90度より小さい角度で溝を設けるように構成した。その際、両側の振動体に設ける溝は運動バランスの観点からステータ長手方向に中心から対称位置に、捻れ成分の位相を合わせるため溝の方向は同方向傾斜角は同じ値とした。
【0015】
振動子を中心に両側の振動体で同じモードの振動となるためステータが全体として一つの縦−捻れ合成振動を生じることになり、大きな捻れ振動成分を得ることができる。振動が単純となるため、スプリアス振動が発生しずらく、近い周波数の共振点は存在しなくなり、所定の周波数で励振した場合に異なる振動が影響し合うことがない。これが本発明の大きな利点であり特徴点である。
【0016】
また、図1のBに励振に共振してステータ内に定在波が生じたときの振動モードの例(1次モードと2次モード)をグラフに示す。勿論更に高次の振動モードを用いても構わない。このような振動において、溝の位置については応力集中部である定在波の節の部分に設けると大きな捻れ変位を生じるとの知見を得たことに基き、本発明では定在波の振動モードに対応してその節となる部分に溝部がくるようにした。
【0017】
また、振動子の位置については中央部にこだわらず縦−捻り合成振動を生じているステータの節の部分に配置すると大きなトルクが得られることがわかった。そして振動子を中央部以外に配置する際は中心から対称位置にそれぞれ設けるようにする。
【0018】
超音波モータとして以上のような構成を採用することによって、高トルクの出力が得られるため、縦振動を大きく取るために分極方向が異なる圧電素子を重ねて位相の異なる印加電圧を加えて駆動させるというような、従来例に示された複雑な構成をもちいる必要がない。構造の単純化によって更なる小型化をはかることができる。
【0019】
また、ステータの周波数特性において隣接する共振周波数は値が大きく離れているため、ステータ内に安定した定在波を作ることが出来る。このことは振動子を自励発振で駆動することを可能にし、結果として励振のための周波数電圧印加手段を別個準備する必要がないのでシステムの小型化に有効である。この自励発振駆動は例えば時計等で常用されている水晶発振器の回路と同様のものがそのまま利用できる。
【0020】
図2のAに示したコルビッツ回路がそれである。回路中の振動子が水晶では無くこの場合駆動用の圧電振動子となるだけである。ちなみに図2のBに示したグラフが本発明のステータの周波数/アドミッタンス特性であるが、隣接する共振点は周波数が大きくずれるため、ステータ内に安定した定在波を作ることが出来、該特性にバラツキが少なく、大きなトルクを得られる利点がある。
【0021】
【実施例】
図3に本発明に用いられるステータの複数の実施例を示す。
【0022】
図3(a)に示す実施例は、中央の圧電素子からなる振動子1を挟む上下の弾性部材からなる円柱状の振動体2の表面に螺旋状の溝21を複数設けたものである。上側の振動体の溝21と下側の振動体の溝21の数と溝の方向と角度は全く同じにしてある。すなわち、部材としては上側と下側の振動体2は同一のものが使われる。この実施例は、構造上の均一性が高いため振動体2に応力集中部がなく、耐疲労・耐破壊性に極めて優れた特徴がある。また、捻り変位への変換率が高く高速駆動のモータが得られると共に、全体的に溝部が設けられているため、二次モードを励振する上でも優れている。
【0023】
図3(b)に示す実施例は、上下の振動体2に中央部を空間を持たせた円筒状の弾性部材を用い、該上下の振動体2の表面に螺旋状の溝21を振動子1と接する端部近傍のみに複数設21ものである。この実施例の特徴は振動の節に溝部が設けられているため、高捻り変換率に優れており高速駆動モータとしての使用に適している。また、ロータ3との接触部には溝が無いため、移動体であるロータ3と回転力伝達部材として機能する振動体2間の耐摩耗性にも優れている。
【0024】
図3(c)に示す実施例は、上下の振動体2に円柱状の弾性部材を用い、該上下の振動体2の表面に螺旋状の溝21を外側端部近傍のみに複数設けたものである。この実施例の特徴は振動子1として用いる圧電素子の出力伝達効率が極めてよく、かつ高トルクの出力が得られる点にある。これは圧電素子と弾性部材が全面で接触していることにより、トルクを生み出す圧電素子の縦方向の変位をよく伝達出来る電気−機械結合係数の大きなステータが得られるためである。
【0025】
図3(d)に示す実施例は、上下の振動体2に円柱状の弾性部材を用い、該上下の振動体2の表面に90度より小さい角度で設けられた溝21を中央部に同じ方向同じ角度で周方向に180度もしくは90度間隔に複数個設けたものである。そしてこの溝は円柱部材の側面に平面状の切り込み加工をしたものであるため、溝の長手方向中心部が表面から最も深い溝部となっている。この実施例の特徴は、耐疲労・耐破壊性、加工容易性、振動子の出力伝達効率、高トルク、ロータと振動体間の耐摩耗性の点で優れている。
【0026】
図3(e)に示す実施例は、上下の振動体2に四角柱状の弾性部材を用い、該上下の振動体2の表面に90度より小さい角度で設けられた溝21を中央部に同じ方向同じ角度で四角柱の各面に設けたものである。そしてこの溝は四角柱部材の側面に平面状の切り込み加工をしたものであるが、振動体2の表面が平面であるため等しい深さの溝部となっている。部材としては上側と下側の振動体2は同一のものが使われる。この実施例の特徴は実施例(d)と同様、耐疲労・耐破壊性、加工容易性、振動子の出力伝達効率、高トルク、ロータと振動体間の耐摩耗性の点で優れている。
【0027】
図3(f)に示す実施例は、上下の振動体2に円柱状の弾性部材を用い、該上下の振動体2の表面に90度より小さい角度で設けられた螺旋状の溝21を1周面以上にわたり設けたものである。したがって、複数の溝を設けたステータに比べ、個々の製品の性能のバラツキが小さく、また、スプリアス振動も発生し難い。上側の振動体の螺旋溝21と下側の振動体の螺旋溝21の数と溝の方向と角度は全く同じにしてある。したがって、部材としては上側と下側の振動体2は同一のものが使われる。この実施例の特徴は構造上の均一性が高いため振動体2に応力集中部がなく、耐疲労・耐破壊性に極めて優れた特徴がある。また、二次モード励振へも有効であり、加工容易性、振動子の出力伝達効率、高トルク、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れている。
【0028】
図3(g)に示す実施例は、ステータの長手方向中央部分に振動子1では無く弾性部材からなる振動体2を配置し、その両側に振動子1を配設した異形の実施例であって、中央の振動体2の表面に90度より小さい角度で設けられた溝21を周方向に等間隔で複数個設けたものである。この実施例の特徴は高捻り変換効率が極めてよく、また体積の大きな圧電素子の力をそのまま利用できるため、高速トルクのモータが実現できる。また、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れている。
【0029】
図3(h)に示す実施例は、ステータの長手方向中央部分に弾性部材からなる振動体2を配置し、その両側に振動子1を配設し、更にその外側に弾性部材からなる振動体2を配置した実施例であって、中央の振動体2の表面に90度より小さい角度で設けられた溝21を周方向に等間隔で複数個設けたものである。この実施例の特徴は実施例(g)と同様に高捻り変換効率が極めてよく、高速回転を求められるモータ用として適している。また、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れている。
【0030】
図3(i)に示す実施例は、ステータの長手方向中央部分に圧電素子からなる振動子1を配置し、その両側に弾性部材からなる円柱状の振動体2を配設したものであって、上下の振動体2の表面中央部に90度より小さい角度で設けられた溝21を周方向に等間隔で複数個設けたものである。そして、好ましくは該溝21の位置がステータ内に生じる定在波の節にくるように設ける。この実施例の特徴は二次モード励振へ有効であると共に、圧電振動子出力伝達効率、高捻り変換効率の点で極めて優れており、高速、高トルクであると共に、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れている。
【0031】
図3(j)に示す実施例は、ステータの長手方向中央部分に弾性部材からなる振動体2を配置し、その両側に振動子1を配設し、更にその外側に弾性部材からなる振動体2を配置した実施例であって、中央の振動体2の中央部表面に90度より小さい角度で設けられた溝21を周方向に等間隔で複数個設けたものである。そして、前記上側の振動子1と下側の振動子1はステータ内に生じる定在波の節となる中心から対称位置にくるように設ける。この実施例の特徴は二次モード利用への有効性と高捻り変換効率の点で極めて優れており、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れている。更には、圧電素子の縦振動を有効に使えるため、電気−機械結合係数が大きく高トルクが得られる。
【0032】
以上に説明したステータモデルの各実施例の特徴点を表に整理して示す。
【0033】
【表1】
本発明によって実現可能となった小型超音波モータを内視鏡に適用した利用例について図4を参照しつつ説明する。
【0034】
図4に示すように、内視鏡先端部内に本発明のロッド型超音波モータ10を配設し駆動軸31にミラー8を取りつける。内視鏡の管部にはオプティカルファイバー9が通されており、そのファイバー8は患部を照明するため光源からの光を導くと共にミラー8を介して写される患部の画像を体外に導く機能をもつものである。本発明の小型超音波モータ10の駆動によりミラー8は回転駆動され、血管内面や腸や臓器の内面を360度観察することができる。
【0035】
また、ミラーに代え、CCDカメラを取りつけたり、手術におけるメス等の駆動に用いたり超音波内視鏡への適用といった内視鏡としての多様な使用の他、人の入れない空間内観察や細長い管であるカランの点検検査などに応用ができる。本発明の超音波モータはロッド状形態で、更に小型化が可能であること、そして駆動力が大きいことから細さが求められる機器、内視鏡のように長尺の管状部材の先端に操作部を備えた機器に適したものといえる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の超音波モータは、圧電素子とその上下に設けられた二つの弾性部材からなる振動体の振動により移動体を駆動する超音波モータにおいて、前記二つの弾性部材にはそれぞれ90度より小さい角度で溝を設けたものであるから、振動子を中心に両側の振動体で同じモードの振動となるため振動モードが単純となるため、近い周波数の共振点は存在しなくなり、所定の周波数で励振した場合に異なる振動が影響し合うことがない。このことによって、ステータの周波数特性のバラツキは少なくなり、出力パワーも大きなものとなる。また、駆動印加電圧の周波数に若干の変動があっても、それによって近接する振動同士の影響し具合が変るというようなことがない。
【0037】
そして、本発明では前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝はステータの中心から長手方向に対称位置にあるようにし、上下の弾性部材ともに同じ方向で同じ角度の複数の溝に形成する構成を採用することにより、ステータが全体として一つの縦−捻れ合成振動を生じることになり振動が更にシンプルになる。
【0038】
また、本発明においては弾性部材にそれぞれ設けられる溝の位置をステータ内に生じる定在波の節の部分とすることにより、縦振動を縦−捻れ合成振動に変換するに際し大きな捻れ変位を生じさせることができる。
【0039】
本発明は、圧電素子からなる振動子と少なくとも一部には、90度よりも小さい角度で溝を設けた弾性部材からなる振動体が重ねられて、ロッド状形態となるステータの振動により移動体を駆動する超音波モータにおいて、前記圧電素子は前記ステータ内に生じる定在波の節の部分であって、中心から対称位置にそれぞれ配置する構成を採用することにより、高捻り変換効率が極めて高く高速駆動用の超音波モータを提供することができる。
【0040】
また、振動体に設けられた溝を該振動体の一周以上にわたってらせん状に設けける構成を採用することにより、構造上の均一性が高くなりスプリアス振動が生じないと共に、振動体2に応力集中部がなく、耐疲労・耐破壊性に極めて優れたものとなる。また、二次モード利用への有効性、加工容易性、振動子の出力伝達効率、高トルク、ロータと振動体間の耐摩耗性の点でも優れたものとなる。
【0041】
また、本発明の超音波モータで用いられる振動子を発振回路に組み込んで自励発振方式で駆動させる構成を採用することにより、モータ駆動のために別個電圧供給手段を備える必要が無く装置の小型化が図れると共に、温度や電圧、外部負荷の変化による共振周波数の変化に自動的に追尾しモータの安定駆動が実現される。
【0042】
更に、ロッド型超音波モータは、もともと細長い形状である上に本発明によって小型化が可能であること、そして駆動力が大きいことから、より細いものが求められる機器、例えば内視鏡のように長尺の管状部材の先端に操作部を備えた機器に適したものといえ、この種の検査等各種電子機器の稼動部の駆動源に広く採用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータにおけるステータの基本構成と定在波振動モードを説明する図である。
【図2】Aは本発明の圧電素子を発振回路の振動子として自励型とする際の回路図であり、Bは本発明のステータの周波数/アドミッタンス特性を示す図である。
【図3】本発明に採用されるステータモデル例を示す図である。
【図4】本発明に係る超音波モータを内視鏡に組み込んだ例を示す図である。
【図5】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 振動子
2 振動体
3 移動体(ロータ)
8 ミラー
9 オプティカルファイバー
10 超音波モータ
21 切欠き溝
Claims (10)
- 厚み方向に変位を発生する圧電素子と、
前記圧電素子の厚み方向上下に設けられた二つの弾性部材と、からなる振動体の振動により移動体を駆動する超音波モータにおいて、
前記二つの弾性部材それぞれの側面には前記振動体の長手方向と直交する方向に対して90度より小さい角度を有する溝が前記振動体の中心から前記長手方向に対象位置に設けられたことを特徴とする超音波モータ。 - 前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝は、前記振動体の長手方向両端部を含まない位置に設けられている請求項1に記載の超音波モータ。
- 前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝は、前記弾性部材と前記圧電素子の接触面を含まない位置に設けられている請求項1に記載の超音波モータ。
- 前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝は、前記振動体の長手方向両端部並びに前記圧電素子との接触面を含まない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
- 前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝は上下の弾性部材ともに同じ方向で同じ角度の複数の溝に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波モータ。
- 前記弾性部材にそれぞれ設けられる前記溝の位置はステータ内に生じる定在波の節の部分であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波モータ。
- 厚み方向に変位を発生する複数の圧電素子と、複数の弾性部材が交互に前記圧電素子の厚み方向に重ねられて配置されて構成された振動体の振動により移動体を駆動する超音波モータにおいて、
前記弾性部材の少なくとも二つには前記厚み方向と直交する方向に対して90度より小さい角度を有する溝が設けられ、
前記圧電素子は前記振動体に生じる定在波の節の部分に設けられていることを特徴とする超音波モータ。 - 前記溝は前記弾性部材の一周以上にわたって螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1,5又は7のいずれかに記載の超音波モータ。
- 前記振動体と増幅回路とにより自励発振回路を構成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の超音波モータ。
- 長尺の管状部材の先端に操作部を備えたものであって、該先端操作部に請求項1乃至9のいずれかに記載の超音波モータを駆動源として配設し、該超音波モータの動力によって適宜の作業を実行させることを特徴とする超音波モータ付き電子機器。
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