JP4053347B2 - 半導体記憶装置およびその記憶データ書き込み・読み出し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体記憶装置およびその記憶データ書き込み・読み出し方法に関するものである。詳しくは、半導体集積回路及び半導体記憶装置を使用したシステムにおいて、半導体集積回路の電気的特性を調整・制御するデータグループの半導体記憶装置への記憶方法、半導体記憶装置に記憶されたデータグループを読み出し、半導体集積回路の電気的特性を調整・制御する方法、並びに一連の半導体記憶装置へのデータ書き込みおよび半導体記憶装置からのデータグループ読み出し動作が正常に行われたかを判定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非常に多くのシステムにおいて、システム内の半導体集積回路(以降ICとする)の電気的特性を調整・制御する為に、不揮発性記憶素子を用いた半導体記憶装置(以降メモリ装置とする)が使用されている。
【0003】
まず初めに、従来のシステムは不揮発性記憶素子を用いたメモリ装置に記憶させるICの電気的特性を調整・制御するデータを1グループしか記憶させないことより、初期設定により記憶させたデータは変化しないことが前提に構成されている。
【0004】
しかし、外部からの電気的ストレスや不揮発性半導体記憶素子への調整・制御データ書き込み動作異常によるデータの劣化、システムの経年使用によるデータの劣化等、何らかの異常動作により調整・制御データが変化した場合は、ICの電気的特性が大きく変化し、システムの異常動作につながるだけでなく、不揮発性半導体記憶素子に記憶された調整・制御データが変化したという異常動作を検出する手段を持っていない。
【0005】
図4は、従来の半導体記憶装置のシステム構成を示しており、1 は半導体集積回路、2 は半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのデータを記憶するための不揮発性半導体記憶素子、3 は不揮発性半導体記憶素子2に記憶されたデータを読み出した後、保持するためのデータラッチ回路、4 はデータラッチ回路3により保持されたデータを半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号に変換するDAコンバータである。
【0006】
以上のように構成された半導体記憶装置のシステムについて、以下にその動作を説明する。
【0007】
半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのデータグループを不揮発半導体記憶素子2に初期設定として書き込む。不揮発性半導体記憶素子2に書き込まれたデータは、電源投入後のデータ読み出し時にデータラッチ回路3 に送られて、電源投入期間保持されると共に、DAコンバータ4 に送られてアナログ信号に変換された後、半導体集積回路1に電気的特性調整・制御信号として入力される。
【0008】
上記構成によるシステムにおいては、半導体集積回路1の電気的特性は、不揮発性半導体記憶素子2に書き込まれたデータにより決定されるが、データが、外部からの電気的ストレスや熱ストレスおよび不揮発性半導体記憶素子2へのデータ書き込みが不完全等の何らかの理由により、万一初期設定データから変化した場合には、データラッチ回路3およびDAコンバータ4 に入力されるデータが変化するので、半導体集積回路1の電気的特性もDAコンバータ4 の出力変動に応じて大きく変化する。
【0009】
また、不揮発性半導体記憶素子2 に書き込まれた初期設定データの変化を検出する機能をシステム全体として持っていないため、初期設定データの変化という異常状態を外部から検出することが不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の半導体集積回路および半導体記憶装置を使用したシステムにおいては、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのデータを、不揮発性半導体記憶素子2 に1グループしか記憶させない為、外部からの電気的ストレスや熱ストレスおよび不揮発性半導体記憶素子2へのデータ書き込みが不完全等の何らかの理由により、万一初期設定データから変化した場合には、その変化が半導体集積回路2 の電気的特性を大きく変化し、異常動作につながるだけでなく、初期設定データの変化という異常状態を外部から検出することが不可能という課題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、初期設定データから変化した異常なデータを保持せず、正常なデータのみ保持し、システムの信頼性を向上することができる半導体記憶装置およびその記憶データ書き込み・読み出し方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体記憶装置は、任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし反転していない回数が所定回数以下のとき記憶データを保持するための信号を出力するカウンタ回路と、
カウンタ回路の信号を入力したとき、読み出した記憶データを保持するデータラッチ回路とを備えたものである。
【0013】
請求項1記載の半導体記憶装置によれば、例えば半導体集積回路の電気的特性を調整・制御するためのデータを1グループでなく、同一内容で任意の偶数回(偶数グループに)記憶させ、n−1 回目とn回目の記憶データが反転している場合には、記憶データをデータラッチ回路に送り、n−1 回目とn回目のデータが反転していない場合には、記憶データをデータラッチ回路に送らないことにより、外部からの電気的ストレスや熱ストレス及び不揮発性半導体記憶素子へのデータ書き込みが不完全等の何らかの理由により、万一初期設定データから変化した場合においても、初期設定データから変化した異常データはデータラッチ回路に保持されず、正常なデータのみ保持され、半導体集積回路の電気的特性を調整・制御することになるので、異常動作につながることがなくなり、システムの信頼性向上が図れる。
【0014】
請求項2記載の半導体記憶装置は、任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データとこの記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし反転していない回数が所定回数以上のとき記憶データを保持する動作を禁止する信号を出力するカウンタ回路と、
カウンタ回路の信号を入力したとき、読み出した記憶データを保持しないデータラッチ回路とを備えたものである。
【0015】
請求項2記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0016】
請求項3記載の半導体記憶装置は、任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし反転した回数が所定回数以上のとき記憶データを保持するための信号を出力するカウンタ回路と、
カウンタ回路の信号を入力したとき、読み出した記憶データを保持するデータラッチ回路とを備えたものである。
【0017】
請求項3記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0018】
請求項4記載の半導体記憶装置は、任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし反転した回数が所定回数以下のとき記憶データを保持する動作を禁止する信号を出力するカウンタ回路と、
カウンタ回路の信号を入力したとき、読み出した記憶データを保持しないデータラッチ回路とを備えたものである。
【0019】
請求項4記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0020】
請求項5記載の半導体記憶装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、カウンタ回路の比較判定結果を外部に出力する出力回路を有するものである。
【0021】
請求項5記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、データ比較回路でのn− 1 回の比較動作における、カウンタ回路のカウント数により、書き込み・読み出し動作が正常であるか異常であるかを外部に出力する機能を有する。このように、初期設定データの変化という異常状態を外部から検出する手段を設けることにより、その製品の使用者に異常状態を知らせることが出来るようになり、異常状態での継続使用により発生する問題を未然に防止することが可能となることにより、さらなるシステムの信頼性向上が図れる。
【0022】
請求項6記載の半導体記憶装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、不揮発性半導体素子に、電気的書き換え可能なEEPROMを用いたものである。
請求項7記載の半導体記憶装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、不揮発性半導体素子に、ヒューズROMを用いたものである。
請求項8記載の半導体記憶装置は、請求項1〜4の何れかにおいて、不揮発性半導体素子に、ツェナーザップを用いたものである。
請求項6〜8記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0023】
請求項9記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法は、不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
順に比較された結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、
反転していない数が所定数以下のとき記憶データをデータラッチ回路に保持させることを特徴とする。
請求項10記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法は、不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、反転していない数が所定数以上のとき記憶データを保持する動作を禁止することを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法は、不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、反転している数が所定回数以上のとき記憶データをデータラッチ回路に保持させることを特徴とするものである。
請求項12記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法は、不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データと記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、反転している数が所定回数以下のとき記憶データを保持する動作を禁止することを特徴とする。
【0025】
請求項9〜12記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法によれば、請求項1と同様の効果がある。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図を示すものである。図1において、1 は半導体集積回路、2 は半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するための任意のxビットデータを、同一内容で任意の偶数グループ(以降n回とする)、1 回目(n−1回目)と2回目(n回目)のデータの極性を反転させて記憶させるための不揮発性半導体記憶素子、6は電源投入後に不揮発性半導体素子2からデータを読み出すため入力端子に入力されるクロック信号、5 は不揮発性半導体記憶素子2に記憶されたデータを読み出す時に、クロック信号6により順次読み出されてくる1 回目(n−1 回目)と2 回目(n回目)のデータをクロック信号6により順次格納するxビットのシフトレジスタ、7 はクロック信号6により、不揮発性半導体素子2から読み出されてくる2回目(n回目)のデータを第1の入力とし、クロック信号6によりシフトレジスタ5から出力されてくる1 回目(n−1 回目)のデータを第2の入力とし、第1の入力と第2の入力のデータ極性が反転しているかどうかを比較し、その結果を出力するデータ比較回路、3 はデータ比較回路7における1回目(n−1 回目)の2回目(n回目)のデータ比較結果が正常に反転している場合には、シフトレジスタ5に格納されているデータをラッチし、正常に反転していない場合にはデータをラッチしないデータラッチ回路,4 はデータラッチ回路3により保持されたデータを、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号に変換するDAコンバータである。
【0027】
以上のように構成された本発明の第1の実施の形態について、以下にその動作を説明する。
【0028】
半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのデータグループを同一内容で任意の偶数回、1回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータの極性を反転させて、初期設定として不揮発性半導体記憶素子2に書きこむ。不揮発性半導体素子2に書きこまれたデータは、電源投入後、まず最初にクロック信号6により1回目(n−1 回目)が読み出され、シフトレジスタ5に送られて格納されると共に、データ比較回路7に送られる。
【0029】
この時、シフトレジスタ5には、1 回目(n−1 回目)のデータがデータラッチ回路3 の入力として格納されているが、データ比較回路7 には第1の入力である1回目(n−1 回目)のデータしか入力されておらず、第2の入力であるシフトレジスタ5の出力が出て来ないため、データ比較結果は正常に反転していないと判断され、データラッチ回路3にデータラッチ動作NG信号を送る。よって、1 回目(n−1 回目)のデータはデータラッチ回路3 に保持されない。
【0030】
次に、1 回目(n−1 回目)の動作に引き続いて、2 回目(n回目)のデータが、クロック信号6により読み出され、1 回目の読み出し動作と同様に、シフトレジスタ5に送られて順次格納されると共に、データ比較回路7に送られる。
【0031】
この時、シフトレジスタ5は、クロック信号6により、2 回目(n回目)のデータを順次格納すると同時に、1 回目(n−1 )回目のデータをデータ比較回路7の第2の入力として出力していく。その動作に同期して、不揮発性半導体記憶素子2から読み出された2 回目(n回目)のデータがデータ比較回路7 に第1の入力として入力され、データ比較回路7 において、第1の入力と第2の入力が反転しているかを比較判定し、データが正常に反転している場合には、データラッチ回路3にデータラッチ動作OK信号を送り、データが正常に反転していない場合には、データラッチ動作NG信号を送る。
【0032】
データラッチ回路3は、1 回目と2 回目‥‥‥n−1 回目とn回目の比較動作において、データ比較回路7 における判定がOKの場合のみシフトレジスタ5 のデータを取り込み、保持すると共に、DAコンバータ4 にデータを出力する。
【0033】
DAコンバータ4はデータラッチ回路3 の出力データに応じて、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号を出力する。
【0034】
図2は、本発明の第2の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図を示すものである。
【0035】
図2において、1 は半導体集積回路、2 は半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するための任意のxビットデータを、同一内容で任意の偶数グループ(以降n回とする)、1回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータの極性を反転させて記憶させるための不揮発性半導体記憶素子、6 は電源投入後に不揮発性半導体素子2からデータを読み出すための入力端子に入力するクロック信号、5は不揮発性半導体記憶素子2に記憶されたデータを読み出す時に、クロック信号6により順次読み出されてくる1回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータをクロック信号6により順次格納するxビットのシフトレジスタ、7 はクロック信号6により、不揮発性半導体素子2から読み出されてくる2回目(n回目)のデータを第1の入力とし、クロック信号6によりシフトレジスタ5から出力されてくる1回目(n−1 回目)のデータを第2の入力とし、第1の入力と第2の入力のデータ極性が反転しているかどうかを比較し、その結果を出力するデータ比較回路、8はデータ比較回路7より出力されたn−1 回の比較判定結果のNG(データが反転していない)であった回数をカウントし、そのカウント数に応じて比較判定結果を出力するカウンタ回路、3 はカウンタ回路8の比較判定結果に応じて、シフトレジスタ5のデータを取り込み、保持するデータラッチ回路3、4 はデータラッチ回路3により保持されたデータを、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号に変換するDAコンバータである。
【0036】
以上のように構成された本発明の第2の実施の形態について、以下にその動作を説明する。
【0037】
半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのデータグループを同一内容で任意の偶数のn回、1 回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータの極性を反転させて、初期設定として不揮発性半導体記憶素子2に書きこむ。不揮発性半導体素子2に書きこまれたデータは、電源投入後、まず最初にクロック信号6により1回目(n−1 回目)が読み出され、シフトレジスタ5に送られて格納されると共に、データ比較回路7 に送られる。
【0038】
この時、シフトレジスタ5には、1 回目(n−1 回目)のデータがデータラッチ回路3の入力として格納されているが、データ比較回路7には第1の入力である1回目(n−1 回目)のデータしか入力されておらず、第2の入力であるシフトレジスタ5の出力が出て来ないため、データ比較結果は正常に反転していないと判断され、データラッチ回路3にデータラッチ動作NG信号を送る。よって、1 回目(n−1 回目)のデータはデータラッチ回路3に保持されない。
【0039】
次に、1 回目(n−1 回目)の動作に引き続いて、2 回目(n回目)のデータが、クロック信号6により読み出され1回目の読み出し動作と同様に、シフトレジスタ5に送られて順次格納されると共に、データ比較回路7に送られる。
【0040】
この時、シフトレジスタ5は、クロック信号6により、2 回目(n回目)のデータを順次格納すると同時に、1 回目(n−1 )回目のデータをデータ比較回路7の第2の入力として出力していく。その動作に同期して、不揮発性半導体記憶素子2から読み出された2回目(n回目)のデータがデータ比較回路7に第1の入力として入力され、データ比較回路7において、第1の入力と第2の入力が反転しているかを比較判定し、データが正常に反転しているかいないかをカウンタ回路8に出力する。カウンタ回路8は、データ比較回路7より出力されたn−1 回の比較判定結果のNGであった回数をカウントし、あらかじめ設定した回数以下の場合には、データラッチ回路3にデータラッチ動作OK信号を送り、あらかじめ設定した回数以上の場合には、データラッチ回路3にデータラッチ動作NG信号を送る。
【0041】
データラッチ回路3は、カウンタ回路8のカウント数があらかじめ設定した回数以下の場合のみシフトレジスタ5のデータを取り込み、保持すると共に、D A コンバータ4にデータを出力する。DAコンバータ4はデータラッチ回路3の出力データに応じて、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号を出力する。
【0042】
図3は、本発明の第3の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図を示すものである。
【0043】
図3において、1 は半導体集積回路、2 は半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するための任意のxビットデータを、同一内容で任意の偶数グループ(以降n回とする)、1回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータの極性を反転させて記憶させるための不揮発性半導体記憶素子、6 は電源投入後に不揮発性半導体素子2からデータを読み出すための入力端子に入力するクロック信号、5 は不揮発性半導体記憶素子2に記憶されたデータを読み出す時に、クロック信号6により順次読み出されてくる1回目(n−1 回目)と2回目(n回目)のデータをクロック信号6により順次格納するxビットのシフトレジスタ回路、7 はクロック信号6により、不揮発性半導体素子2から読み出されてくる2回目(n回目)のデータを第1の入力とし、クロック信号6によりシフトレジスタ5から出力されてくる1回目(n−1 回目)のデータを第2の入力とし、第1の入力と第2の入力のデータ極性が反転しているかどうかを比較し、その結果を出力するデータ比較回路、8はデータ比較回路7より出力されたn−1 回の比較判定結果のNG(データが反転していない)であった回数をカウントし、そのカウント数に応じて比較判定結果を出力するカウンタ回路、9 はカウンタ回路8の比較判定結果を外部に出力するための出力回路、10は比較判定結果出力端子、3 はカウンタ回路8の比較判定結果に応じて、シフトレジスタ5のデータを取り込み、保持するデータラッチ回路、4はデータラッチ回路3により保持されたデータを、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御するためのアナログ信号に変換するDAコンバータである。
【0044】
以上のように構成された本発明の第3の実施の形態について、以下にその動作を説明する。
【0045】
1 の半導体集積回路の電気的特性を調整・制御する為のデータグループを同一内容で任意の偶数のn回、1 回目(n−1 回目)と2 回目(n回目)のデータの極性を反転させて、初期設定として不揮発性半導体記憶素子2に書きこむ。不揮発性半導体素子2に書きこまれたデータは、電源投入後、まず最初にクロック信号6により1回目(n−1 回目)が読み出され、シフトレジスタ5に送られて格納されると共に、データ比較回路7に送られる。
【0046】
この時、シフトレジスタ5には、1 回目(n−1 回目)のデータがデータラッチ回路3の入力として格納されているが、データ比較回路7には第1の入力である1回目(n−1 回目)のデータしか入力されておらず、第2の入力であるシフトレジスタ5の出力が出て来ないため、データ比較結果は正常に反転していないと判断され、データラッチ回路3にデータラッチ動作NG信号を送る。よって、1 回目(n−1 回目)のデータはデータラッチ回路3に保持されない。
【0047】
次に、1 回目(n−1 回目)の動作に引き続いて、2 回目(n回目)のデータが、クロック信号6により読み出され1回目の読み出し動作と同様に、シフトレジスタ5に送られて順次格納されると共に、データ比較回路7に送られる。
【0048】
この時、シフトレジスタ5は、クロック信号6により、2 回目(n回目)のデータを順次格納すると同時に、1 回目(n−1 )回目のデータをデータ比較回路7の第2の入力として出力していく。その動作に同期して、不揮発性半導体記憶素子2から読み出された2回目(n回目)のデータがデータ比較回路7に第1の入力として入力され、データ比較回路7において、第1の入力と第2の入力が反転しているかを比較判定し、データが正常に反転しているかいないかをカウンタ回路8に出力する。カウンタ回路8は、データ比較回路7より出力されたn−1 回の比較判定結果のNGであった回数をカウントし、あらかじめ設定した回数以下の場合には、データラッチ回路3にデータラッチ動作OK信号を送り、あらかじめ設定した回数以上の場合には、データラッチ回路3にデータラッチ動作NG信号を送る。
【0049】
出力回路9はカウンタ回路8から出力されるデータラッチ動作信号がOKかNGかを外部に出力するための信号に変換し、比較判定結果出力端子10より出力する。データラッチ回路3は、カウンタ回路8のカウント数があらかじめ設定した回数以下の場合のみシフトレジスタ5のデータを取り込み、保持すると共に、DAコンバータ4にデータを出力する。DAコンバータ4はデータラッチ回路3の出力データに応じて、半導体集積回路1の電気的特性を調整・制御する為のアナログ信号を出力する。
【0050】
なお、出力回路9は、カウンタ回路8での比較動作において、1 回目(n−1 回目)と2 回目(n回目)のデータが反転していない場合に、データラッチ回路3に異常データを送らないための信号が出力されたとき、その出力極性によりON/OFF 制御されるスイッチング素子を設けたものとし、その出力を外部に出すことにより、書き込み・読み出し動作が正常であるか異常であるかを外部より検出させることができる。
【0051】
またこの出力回路9は、第1の実施の形態を含むデータ比較回路7の出力についても適用可能である。
【0052】
さらに、実施の形態において、カウンタ回路8はデータが反転していない場合をカウントしたが、データがカウントしている場合をカウントし、所定回数以上のときOK信号を出力する構成も可能である。
【0053】
また、不揮発性半導体素子2に、電気的書き換え可能なEEPROM、ヒューズROM 、ツェナーザップを用いることが可能である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の半導体記憶装置によれば、例えば半導体集積回路の電気的特性を調整・制御するためのデータを1グループでなく、同一内容で任意の偶数回(偶数グループに)記憶させ、n−1 回目とn回目の記憶データが反転している場合には、記憶データをデータラッチ回路に送り、n−1 回目とn回目のデータが反転していない場合には、記憶データをデータラッチ回路に送らないことにより、外部からの電気的ストレスや熱ストレス及び不揮発性半導体記憶素子へのデータ書き込みが不完全等の何らかの理由により、万一初期設定データから変化した場合においても、初期設定データから変化した異常データはデータラッチ回路に保持されず、正常なデータのみ保持され、半導体集積回路の電気的特性を調整・制御することになるので、異常動作につながることがなくなり、システムの信頼性向上が図れる。
【0056】
請求項2から請求項4記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0057】
請求項5記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、初期設定データの変化という異常状態を外部から検出する手段を設けることにより、その製品の使用者に異常状態を知らせることが出来るようになり、異常状態での継続使用により発生する問題を未然に防止することが可能となることにより、さらなるシステムの信頼性向上が図れる。
請求項6から請求項8記載の半導体記憶装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
請求項9から請求項12記載の半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法請求項1と同様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における半導体記憶装置を使用したシステム構成図である。
【図4】 従来の半導体記憶装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
1 半導体集積回路
2 不揮発性半導体記憶素子
3 データラッチ回路
4 DAコンバータ
5 シフトレジスタ回路
6 クロック信号入力端子
7 データ比較回路
8 カウンタ回路
9 出力回路
10 比較判定結果出力端子
Claims (12)
- 任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して前記記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし前記反転していない回数が所定回数以下のとき前記記憶データを保持するための信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ回路の前記信号を入力したとき、読み出した前記記憶データを保持するデータラッチ回路とを備えた半導体記憶装置。 - 任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の記憶データに対して順に、記憶データとこの記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して前記記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし前記反転していない回数が所定回数以上のとき前記記憶データを保持する動作を禁止する信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ回路の前記信号を入力したとき、読み出した前記記憶データを保持しないデータラッチ回路とを備えた半導体記憶装置。 - 任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して前記記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし前記反転した回数が所定回数以上のとき前記記憶データを保持するための信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ回路の前記信号を入力したとき、読み出した前記記憶データを保持するデータラッチ回路とを備えた半導体記憶装置。 - 任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶する不揮発性半導体素子と、
この不揮発性半導体素子に記憶された記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータを比較して互いに反転しているか否かの比較結果を出力するデータ比較回路と、
このデータ比較回路の出力信号を入力して前記記憶データが反転している回数または反転していない回数をカウントし前記反転した回数が所定回数以下のとき前記記憶データを保持する動作を禁止する信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ回路の前記信号を入力したとき、読み出した前記記憶データを保持しないデータラッチ回路とを備えた半導体記憶装置。 - カウンタ回路の比較判定結果を外部に出力する出力回路を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
- 不揮発性半導体素子に、電気的書き換え可能なEEPROMを用いた請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
- 不揮発性半導体素子に、ヒューズROMを用いた請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
- 不揮発性半導体素子に、ツェナーザップを用いた請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
- 不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
前記順に比較された結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、
前記反転していない数が所定数以下のとき前記記憶データをデータラッチ回路に保持させることを特徴とする半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法。 - 不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
前記順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、前記反転していない数が所定数以上のとき前記記憶データを保持する動作を禁止することを特徴とする半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法。 - 不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
前記順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、前記反転している数が所定回数以上のとき前記記憶データをデータラッチ回路に保持させることを特徴とする半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法。 - 不揮発性半導体素子を内蔵する半導体記憶装置に任意のビットデータを記憶させる時に、そのデータを同一内容で、2回以上の偶数回記憶するとともに、奇数回目あるいは偶数回目のデータの極性を反転させて記憶させ、
記憶データの読み出し時に、1回目からk回目(kは2以上の整数)の前記記憶データに対して順に、前記記憶データと前記記憶データに次いで記憶されたデータが互いに反転しているか否かを、データ比較回路を用いて比較結果を出力しながら読み出す半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法において、
前記順に出力された比較結果に対して反転している数または反転していない数をカウントし、前記反転している数が所定回数以下のとき前記記憶データを保持する動作を禁止することを特徴とする半導体記憶装置の記憶データ書き込み・読み出し方法。
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