JP4053271B2 - バイブレータ式麺線搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバイブレータ式麺線搬送装置に関し、特に麺線の形状を維持したまま搬送するバイブレータ式麺線搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の麺線の搬送装置における麺線の搬送は、麺、特に即席麺の製造工程において、麺を麺線と呼ばれる形状にする装置から次の工程を行う装置に引き継ぐ際に行われる。
ここで、麺線の生成及びその処理に関する主な工程について説明する。
【0003】
麺線に至るまでは、最初に、麺の原料から麺生地が生成する配合・混ねつ工程、次に、生成された麺生地を圧延し麺帯とする圧延工程、次に、麺帯を切り出し麺線とする麺線切り出し工程を経る。その後麺線は、蒸煮する蒸煮工程を経て、計量工程において1食分に切断される。
図4には、このうち圧延工程から蒸煮工程に至る様子が示されている。
【0004】
圧延工程においては、麺生地をロール圧延機30によって繰り返し圧延し、一定の厚みを持った帯状の麺帯41とする。
麺線切り出し工程においては、表面に刃がついたロールがかみ合った回転切り出し機31によって、麺帯41を一定の細さの線状となった麺線として切り出す。
【0005】
麺線切り出し工程によって切り出された麺線42は、図においては、導管32を通過することにより、波状に屈曲したウェーブがつけられた屈曲麺の麺線42となる。
導管32により排出された麺線42は、次工程の蒸煮工程を行う糊化機34まで搬送される。
【0006】
この搬送過程は、更に、区分け搬送過程と、区分け搬送過程により搬送された麺線42をそのまま糊化機34に搬送する糊化機ネットコンベヤ33による搬送過程とに分けられる。
区分け搬送過程は、区分けガイドコロ12とウェーブネットコンベヤ13と区分けガイド板11とにより行われる。この詳しい構成について、図5をも参照して説明する。
【0007】
区分けガイドコロ12は、円盤12Aと軸12Bより構成される。軸12B上に一定間隔を持って配置された円盤12Aは、搬送方向Y1へ移動するウェーブネットコンベヤ13と接触することにより、軸12Bを中心に回転する。これにより、導管32より排出された麺線42を一定間隔で区分け、区分けガイド板11に導く。区分けられた麺線は、円盤12Aの配置間隔と同じ幅の麺線列43を形成する。
【0008】
ウェーブネットコンベヤ13は、載置面がネット状になったコンベヤである。このウェーブネットコンベヤ13は、載置された麺線列43を、そのウェーブ形状を維持したまま、搬送する。
区分けガイド板11は、ウェーブネットコンベヤ13の搬送方向に沿って、かつウェーブネットコンベヤ13に対して略垂直になるように設置された平板を含んで構成される。区分けガイド板11は、一定間隔をもって複数配置される。一定間隔を持って向かい合う一対の区分けガイド板11は、そのウェーブネットコンベヤ13による搬送時において、区分けガイドコロ12によって区分けられた麺線列43を維持する。又、更に一対の区分けガイド板11、14の間隔を、搬送方向に向かうにしたがって狭めることにより、隣り合う麺線列43間の間隔を広げる。
【0009】
このように、区分け搬送過程においては、導管32より排出された麺線42を糊化機ネットコンベヤに搬送し、かつ、後の工程における処理を容易にするために、麺線42を列に区分けると同時に、隣接する麺線列43間の間隔を広げる。
蒸煮工程においては、糊化機ネットコンベヤ33によって搬送される麺線列43にそのままネットの間から水蒸気を通すことにより、麺のでん粉をα化と呼ばれる状態に変化させる。
【0010】
図示せぬ計量工程においては、蒸煮工程後、あらかじめ区分け搬送過程において一定の麺線数に区分けされている麺線を1食分ずつに切断する。この1食分は重量によって管理される。重量は、麺線の本数、麺線の長さに比例し、この過程においては、麺線の長さによって重量の加減が調節される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の麺の製造工程においては、麺線の搬送及び一定幅の列への区分けを行う区分け搬送過程を、区分けガイドコロ12とウェーブネットコンベヤ13と区分けガイド板11とを用いて行っている。
しかし、これらを用いた場合には以下のような問題点があった。
【0012】
第一に、区分けガイドコロ12及び区分けガイド板11を用いると、区分けガイドコロ12とその設置面との間及び区分けガイド板11とウェーブネットコンベヤ13との間に麺線が入り込む。このため、ガイドコロ12及び区分けガイドコロ12の圧力により、麺線同士が張り付き、分離しにくい状態となってしまうことがあった。
【0013】
第二に、区分けガイド板11には、麺線が接触しながら搬送されるので、区分けガイド板に接触する麺線列43の両端の部分と、麺線列43の中心付近とでは搬送速度に差が生じていた。この搬送速度の差により、麺線につけられたウェーブの分布が麺線列43の両端と中心付近との間で差が生じる。すなわち、搬送される麺線列43を上方から見ると、ウェーブの突起した部分又はへこんだ部分が搬送方向に対し横一直線となって分布せず、弓なりの分布となる。これは仕上がりの即席麺の形状にも影響を与え、見た目の形状が悪くなり商品価値が下がる。
【0014】
又、麺線列43の両端における区分けガイド板12との接触は、ウェーブの偏在とともに、接触部分のウェーブ形状の崩れも生じる。これら麺線列43の崩れは、一定長さの麺線列43におけるウェーブの数の違いをもたらす。ゆえに、ウェーブ形状を解除した時に含まれる麺線の長さの差違を生じ、麺線の重量が異なることとなる。このため、一定の長さで麺線列43を切断することによって一食分の重量を管理する計量工程においては、切断される一食分の麺重量を不安定にする要因となっている。
【0015】
その他にも、区分け搬送工程において使用されるウェーブネットコンベヤ13と糊化機34への搬送に使用される糊化機ネットコンベヤ33との間には、両コンベヤの構造上、段差が生じている。ゆえに、麺線をコンベヤ間で引き継ぐ際にも、この段差を経ることより麺線列43の崩れが生じるという問題があった。
本発明の目的は、振動により麺線を搬送することにより、麺線列の形状を維持しながら麺線列の区分け及び搬送を行うことのできるバイブレータ式麺線搬送装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によるバイブレータ式麺線搬送装置は、屈曲麺の製造ラインにおいて、麺帯から切り出され、長さ方向に沿って一定の送り出し幅を持って送り出される麺線を、複数の列に区分けつつ搬送する装置であって、
前記送り出された麺線を載置する平板を有する搬送路が前記送り出し幅に沿って複数並列配置されると共に、
前記複数の搬送路に夫々載置された麺線を搬送するための振動を前記複数の搬送路に与える振動部を有し、
前記搬送路は、前記平板の一主面に対して略垂直に、かつ、前記麺線の搬送方向に沿って設置され、前記平板と一体となって振動することにより前記麺線を列状にして搬送するための一対のガイド板を路幅方向両側端部に夫々有し、
前記一対のガイド板は、前記搬送方向に向かうに従って互いの間隔が狭まっていることにより、前記麺線の搬送に伴って該麺線の列の幅が狭まるように形成されていることを特徴とする。
搬送路全体を振動させることにより、長く連なった形状をとる麺線についても搬送が可能となる。
また、ガイド板も平板と一体となって振動することにより、麺線が搬送路に導入される際に隣接する麺線同士を区分けることができる。又、麺線を列状にするとともに、麺線の列とガイド板との接触による麺線の列の両端の形状の崩れや搬送速度の遅れをもたらすことなく搬送することができる。
さらに、本発明を用いることにより、屈曲麺につけられた波状の屈曲を維持したまま搬送することができる。これにより、屈曲麺の麺線列の崩れにより生じる一定長さの麺線列における重量の差違を抑制することができる。
また、一対のガイド板の間隔が搬送後方に向かうに従って狭まるようにすることで、麺線列が複数並列になって搬送される場合に、搬送の出口付近においては隣接する麺線列に一定の間隔が設けられ、後の処理が容易になるという効果がある。
【0017】
本発明の請求項2によるバイブレータ式麺線搬送装置は、請求項1において、前記搬送路は、平板状部材の両側端部を同じ側に折り曲げて形成されたものであることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項3によるバイブレータ式麺線搬送装置は、請求項1又は2において、前記振動部は、前記搬送路に前記麺線の搬送方向に対して斜め上方に向かう振動を与えることにより前記平板上に載置された前記麺線を前記搬送方向へ搬送することを特徴とする。
【0019】
これにより、麺線の搬送方向への直線的な搬送が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等の部分が同一符号によって示されている。
本発明にかかるバイブレータ式搬送装置は、図1に示されるような即席麺の製造ラインにおける区分け搬送過程で使用される。
【0023】
区分け搬送過程は、上述のように、導管32により排出された麺線42を、糊化機ネットコンベヤ33に搬送する過程である。
本実施例においてバイブレータ式搬送装置Aは、搬送路1と振動部5とより構成される。
搬送路1の構成については、図1及び図2を参照して説明する。搬送路1は、平板4と二枚のガイド板2,3とを含んで構成され、図においては同様の構成の搬送路が併設されている。
【0024】
平板4は、導管32の麺線42の排出口と糊化機ネットコンベヤ33との間を結ぶように、略水平に設置される。これにより、導管32の排出口から排出される麺線42を、糊化機ネットコンベヤ33まで搬送することができる。又、平板4はほとんど厚みがないため、糊化機ネットコンベヤ33に引き継ぐ際にも、段差等により麺線列43を崩すことなく移行させることができる。
【0025】
平板4の材質は、鋼板など、振動を与えられることにより形状が変化しない硬いものを用いる。
ガイド板2は、平板4に略垂直に、かつ搬送方向に沿って設置される平板である。平板4上に載置された麺線が振動により搬送方向とは異なる方向に拡散するのを防止し、搬送方向に沿った麺線の列を形成させる。
【0026】
ガイド板2は、本実施例においては、平板4の端部を折り曲げることにより形成され、平板4と一体となっているが、溶接等により平板4に設置してもよい。但し、後述するように平板4の底面に与えられる振動がガイド板2にも伝わるように、平板4にガイド板2を付着させなければならない。
ガイド板2の高さは、振動によりわずかに浮き上がる麺線がガイド板2を乗り越えることのない程度の高さとする。
【0027】
ガイド板3も、ガイド板2と同様の構成であり、ガイド板2と一定の間隔をもって設置される。
本実施例においては、ガイド板2,3が平板4の両端に設置され、平板4と一体となったトレイ状の一つの搬送路を形成している。平板4に設置されるガイド板の数は特に限定されるものではなく、一つの平板4に、対となって列を形成するガイド板を複数対設置し、複数列の麺線列を形成させても良い。
【0028】
向かい合うガイド板2とガイド板3との間隔は、搬送される麺線の列の幅を決定する。本実施例においては、ガイド板2とガイド板3との間隔は、搬送方向に向かうにしたがって狭まっている。ゆえに、麺線列は、図2に示されるように搬送路の入口付近の幅W3よりも出口の幅Wが細いものとなり、それと同時に、隣接する麺線列に幅W2の間隔が設けられる。これにより、通常の製造ラインのように複数の麺線列が隣接する場合には、麺線列の一列一列を互いに明確に区別することができ、後の処理が容易になる。又、更に麺線列の幅をどのようなものとするかは、後の処理である、蒸煮工程や計量工程における条件によって定まる。例えば、麺線列の幅が狭く、麺線が密である時は、蒸煮工程で蒸しむらが発生する可能性があるので幅が狭くなりすぎないように注意する必要がある。
【0029】
振動部5は、図1に示されるように、本実施例においては搬送路1の底面に設置され、搬送路1の底面に振動を与える。
図3には、振動部5の振動及び振動を与えられた搬送路1の動きを説明する図が示されている。振動部5の構成は、後述する振動を行うものであれば特に限定されない。本実施例では、断続的に磁場の変化する電磁コイルが設置されたベースと、傾斜した板ばねを鋏んでベース上方に設置され、底面が磁性を帯びた振動板との断続的な引き合いにより機械的振動を引き起こすリニアフィーダーを用いる。
【0030】
図に示されるように、振動部5は、矢印Y2に示されるように、搬送方向前方Y1に対して斜め上方に向かう振動を行う。この振動は、例えば振動数が80〜110Hz、振動幅Xは0.7mm前後が適切である。振動数は、搬送速度に関係するので、麺線を搬送すべき速度、すなわち製造ラインの製造数に対応して、この範囲内において調節すればよい。
【0031】
振動を与えられることにより、搬送路1は図に示される位置から、矢印Y2で示されるように、すなわち麺線列の搬送方向Y1に対して斜め上方へ向かうように移動する。更にその後、搬送路1は、その移動位置から、矢印Y2と正反対の矢印3の方向へ移動して図に示される位置に戻る。振動においては、この往復移動が繰り返される。
【0032】
上記搬送路1の移動によって、平板4上に載置された麺線列は以下のように運動する。搬送路1の平板4が、矢印Y2の方向へ移動すると、載置された麺線列43も、同様の方向へ移動する。その後、更に平板4が図に示される位置、すなわち移動位置に対して搬送方向の後方へ戻る時は、麺線列は平板4に載置された状態で移動せずに、慣性によってその場にとどまった後、自然落下する。このため、矢印Y2の方向への移動に伴う水平方向への変位は、往復運動によって戻ることなく保たれて搬送方向へ前進することができる。1回の往復に伴う水平方向への変位は、振動の水平移動距離である、振動幅とほぼ一致する。振動において、この移動が繰り返されることにより、麺線列を搬送することができる。麺線列は、長く連なった線状の形状をとるが、図に示された運動を、麺線列全体が均等に行う。又、屈曲麺の麺線列にあっては、麺線が載置面上に突起してループ状に折返す一つ一つのひだが無数に集まって全体としてウェーブがつけられている。このウェーブを構成する一つ一つのひだの幅に比し微少な振動を、麺線列の全体に同時かつ均等に加えることにより、その形状を維持したまま搬送することができる。
【0033】
又、搬送路1の振動時には、ガイド板2も平板4と同様に振動する。このため、ガイド板2も平板4と同様の搬送作用をガイド板2に接触した麺線に対して行うことになり、ガイド板2の摩擦抵抗による麺線列両端の搬送の遅れを防止することができる。
このガイド板2の振動により、搬送路1入口においても、導管より排出された麺線に対して搬送作用が及ぼされる。このため、入口付近に特別に列を形成するよう区分けし、搬送路1へ麺線を導くための装置を設けることなく、隣接する麺線列を区分けし搬送路1に導入することができる。
【0034】
更に、本実施例のように、麺線列の幅を狭めた場合においては、幅が狭まって行くに従って、麺線列の麺線密度が高まり、ガイド板2に接触する麺線の量も多くなる。しかし、ガイド板2も振動する本実施例においては、麺線列の幅が狭まり、麺線列両端のガイド板2への接触による抵抗が大きくなった状態においても、麺線列の両端に遅れを生じることなく搬送することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るバイブレータ式麺線搬送装置を用いることにより、搬送路全体の細かな振動の繰り返しによって、麺線の形状、特に屈曲麺の麺線につけられたウェーブを崩すことなく、隣接する麺線と隔てられた麺線の列を形成し、搬送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイブレータ式麺線搬送装置を用いた麺線の区分け搬送過程を説明する図である。
【図2】搬送路の構成を説明する斜視図である。
【図3】振動部及び搬送路の振動を説明する図である。
【図4】従来の装置を用いた麺線の区分け搬送過程を説明する図である。
【図5】区分け搬送過程に使用される装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
A バイブレータ式搬送装置
1 搬送路
2,3 ガイド板
4 平板
5 振動部
11 区分けガイド板
12 区分けガイドコロ
12A 円盤
12B 軸
13 ウェーブネットコンベヤ
30 ロール圧延機
31 回転切り出し機
32 導管
33 糊化機ネットコンベヤ
34 糊化機
41 麺帯
42 麺線
Claims (3)
- 屈曲麺の製造ラインにおいて、麺帯から切り出され、長さ方向に沿って一定の送り出し幅を持って送り出される麺線を、複数の列に区分けつつ搬送する装置であって、
前記送り出された麺線を載置する平板を有する搬送路が前記送り出し幅に沿って複数並列配置されると共に、
前記複数の搬送路に夫々載置された麺線を搬送するための振動を前記複数の搬送路に与える振動部を有し、
前記搬送路は、前記平板の一主面に対して略垂直に、かつ、前記麺線の搬送方向に沿って設置され、前記平板と一体となって振動することにより前記麺線を列状にして搬送するための一対のガイド板を路幅方向両側端部に夫々有し、
前記一対のガイド板は、前記搬送方向に向かうに従って互いの間隔が狭まっていることにより、前記麺線の搬送に伴って該麺線の列の幅が狭まるように形成されていることを特徴とするバイブレータ式麺線搬送装置。 - 前記搬送路は、平板状部材の両側端部を同じ側に折り曲げて形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のバイブレータ式麺線搬送装置。
- 前記振動部は、前記搬送路に前記麺線の搬送方向に対して斜め上方に向かう振動を与えることにより前記平板上に載置された前記麺線を前記搬送方向へ搬送することを特徴とする請求項1又は2記載のバイブレータ式麺線搬送装置。
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- 2001-10-03 JP JP2001307652A patent/JP4053271B2/ja not_active Expired - Lifetime
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