JP4052903B2 - 食器洗い乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器洗い乾燥機の改良、特に食器の洗浄には硬水を使用し、すすぎには軟水を使用することで洗剤の使用量を減らすことに成功した食器洗い乾燥機に関し、特に硬水の合理的な生成を簡素な装置によって達成することのできる食器洗い乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に示す従来の食器洗い乾燥機では、洗浄槽2の中に食器かご13に設置された食器類48が収められている。運転にあたり、洗剤を投入した後、ドアを閉め、スタートボタンを押すことにより運転が開始される。
まず、給水弁15の開動作により水道接続部14から給水管16を通って、給水口17より洗浄槽2の中に給水され、ヒータ4が浸漬する以上の水位まで溜まっていく。洗浄可能な水位にまで給水が溜まり、図示しない水位センサが水位を検知したら、制御回路12は、給水弁15の開動作を停止し、給水を停止させ、以後の一連の動作を自動的に遂行していく。
給水停止と同時にモータ8が正回転し、モータ軸に接続されたポンプ7のインペラも回転を開始する。これにより、ボンプは洗浄槽2の底部から吸込管6を介して水を洗浄吐出管9へと圧送する。さらに水は洗浄吐出管9から回転ノズル11へと供給され、ノズル開口部から上部に設置された食器類48へと勢いよく噴射されて、循環を繰返す。
このとき、必要に応じてヒータ4への通電が行なわれ、給水が加熱される。これにより回転ノズル11から噴射される洗浄水の機械力と、熱と、洗剤の作用により、汚れが食器から溶解、分離し、食器の洗浄が促進される。洗浄水が設定温度に到達するか、設定時間が経過すると、洗浄工程を終了し、モータ8を逆回転させて、洗浄槽2内の汚れた洗浄水を排水吐出管10を経て、排水口13から洗浄槽の外部へ排出させる。次に、給水弁15を開動作させて、新たな水道水の供給を行ない、すすぎ工程へと進む。
すすぎ工程では、ポンプ7を正回転させて、回転ノズル11から噴射される水で食器類48をすすいだ後、再びボンプ7を逆回転させて排水する工程を数回繰返して、食器および洗浄槽に残っている汚れや洗剤を排出させてすすぐ。このとき、最終すすぎ工程では、ヒータで加熱して高温の水ですすぐ。
最終すすぎ工程の排水が行なわれて全すすぎ工程が終了すると、図示しない送風ファンが運転開始されて乾燥工程が開始される。乾燥工程では、洗浄槽2内へ外部からの送風が行なわれ、ドア付近に開口した排気口から排気されるとともに、ヒータ4への断続連転が行なわれて、食器類48と洗浄槽2内部の乾燥が行なわれる。任意時間の乾燥運転が終了すると、送風ファンおよびヒータの運転が切れ、全工程が終了する。
【0003】
近年、環境問題に関する意識が高まるとともに、洗剤排水による環境への負荷が重要視されている。洗剤を投入せずに食器洗い乾燥機で食器の洗浄を行なう場合、澱粉、タンパク質、油脂などの汚れのうち、澱粉汚れは十分な温度と時間を費やせば機械力と熱だけで洗浄可能である。
また、油汚れも温度を上げれば食器から分離できるが、洗剤なしでは再付着を生じて、洗い上がりがぬめりを生じたり、ガラス製品が曇りやすくなる。さらに、卵等のタンパク質汚れは、他の汚れと異なり温度が高くなると変性を生じて硬くなってしまうため、洗剤なしでは洗浄困難である。
更に、通常の水道水を用いてすすぎを行なうと、水道水中のCaイオン、Mgイオンなどの硬度成分が、炭酸カルシウム等となって食器の表面に白く残り、いわゆるウォータースポットを生じてしまう。特に欧州では水道水の硬度が高いために、ウォータースボットが生じやすい。そこで、欧州ではイオン交換樹脂を用いて水道水を軟水化して給水する食器洗い乾燥機が製品化されている。
日本の水道水は欧州と比べて硬度成分の少ない軟水であるが、それでも食器表面に油脂成分等の汚れが少しでも残留していると、硬度成分が結合してしまい曇りを生じやすい。これに対応して、特開2OO0-300494号公報では、給水経路にイオン交換装置を配設し、洗浄工程および最終すすぎ工程のどちらかー方または両方において、水道水を軟水化させる構造が提案されている。
また、イオン交換装置で水道水を軟水化する場合、軟水化の処理の進行に応じてイオン交換樹脂にCaイオンなどが固定され、徐々に軟水化の効果が低下していく。そのため、たとえば特開2001-238845号公報では、さらに軟水化装置の再生手段を設けて最終すすぎ工程前に再生手段で再生させる構造のものが提案されている。
しかしながら、これらの従来提案では、いずれにおいても、水道水を軟水化させて、洗浄およびすすぎを行なうだけで洗浄効果としては限界がある。また後者において、再生時に再生剤によって軟水化装置から脱離した硬度成分を単に排水して捨てているだけであり、硬度成分および塩分中のNaイオンの洗浄処理への効率的使用は行われていない。
そこで出願人は、イオン交換樹脂の再生時に、従来は捨てられていたCaイオンなどの硬度成分を硬水による洗浄工程に再利用できるようにした発明を行い、すでに出願した(特願2001−399748)。
【0004】
このような改良された食器洗い乾燥機が図2に示されている。
図2に示すように、この食器洗い乾燥機Aは、キャビネット1と洗浄槽2を備え、洗浄槽2内には、食器類48を収納する食器かご3が前方へスライド可能に収まっている。洗浄槽2の底部には、モータ8の軸に接続されたボンプ7が配設されている。ボンプ7は、たとえば正逆回転式のモータにより駆動されるポンプケーシングには吸込口が1ケ所と排出口が2ケ所形成されており、吐出口はそれぞれ洗浄吐出管9と排水吐出管1Oに連結されている。両吐出口には切換弁が配設され、一方の吐出口が開く構造となっており、正回転の場合には、吸込管6から吸い込んだ水がポンプインペラ9の回転によるケーシング内流れの動圧で切換弁が排水吐出口を閉鎖して、水を洗浄吐出管9へと圧送し、逆回転の場合には切換弁が洗浄吐出口を閉鎖して、水を排水吐出管10へと圧送する構造となっている。
ポンプ7が正回転することによって洗浄槽内に溜められた洗浄水は、残渣フィルタ5を通過し、吸込管6から洗浄吐出管9を経て、回転ノズル11へと圧送され、回転ノズル11の直上に収納された食器類48に噴射される。
ポンプ7が逆回転すると、洗浄槽2内に溜まった水は、吸込管6から排水吐出管10を経て、排水口13から外部へ排出される。
ポンプ7としては、ほかに1個のモータ軸に2室のケーシングを有してそれぞれの室に吸込口と吐出口が形成され、洗浄用と排水用のインペラを配設して、正逆回転により洗浄と排水を切換える方式のものなどが使われる。また、洗浄用ポンプおよびモータと排水用ポンプおよぴモータは独立に設けられる場合がある。
洗浄槽2の底部付近には、洗浄水を加熱したり、乾燥時には洗浄槽内の空気を加熱乾燥するためのヒータ4が配設されている。また、キャビネット底付近には、洗浄からすすぎを経て乾燥に至る一連のシーケンスを各種センサを用いて実行、制御するための制御回路12が配設されている。
水道接続部14は、水道蛇ロからホースを介して水道水をシステム内に供給させるものであり、この後で、2方向に分枝し、一方は硬水給水弁30を経て、オーバーフロータンク給水管36からオーバーフロータンク37へと給水する。また、一方は、軟水給水弁29を経てイオン交換槽31へと接続されている。
オーバーフロータンク37には堰が2ケ所設けてあり、一方の堰に溜まったみずは戻し水タンク39へと、他方は食塩槽43へと流れ出る構造となっている。
戻し水タンク39の底部には、戻し水給水管4Oが接続されて、洗浄槽2の一部に形成された戻し水給水口41と連通している。食塩槽43の中には食塩45を収める食塩かご44が収納されており、食塩かご44はどの面からも水を内部へ浸入できるように構成されている。また、食塩かご44は、洗浄槽2の一部に形成された食塩かご投入口46を開いて食塩槽43から食塩45を取出し、或は食塩45を食塩かご44に補充できるよう構成されている。食塩槽43の底には開口があり、食塩槽下方に配設されたイオン交換槽31の上部と塩水給水管47で連通している。
イオン交換槽31の上部側面は洗浄槽2に形成された軟水給水口33と連通している。
【0005】
またイオン交換槽31の下部空間は、軟水給水弁29からの給水経路に連通し、さらにイオン交換槽31の底部には、洗浄槽2の最底部付近と連通する硬水給水管34が接続されている。
このような構成の食器洗い乾燥機においては、まず、食器類を槽内に収容して洗剤を投入せずにドアを閉めた後、洗浄開始すると、硬水給水弁29が開き、水道水がオーバーフロータンク37へと給水される。
オーバーフロータンク37に給水された水道水は、ここでオーバーフローにより戻し水タンク39と食塩槽43に任意の割合で分配されて供給される。戻し水タンク39に供給された水は戻し水給水口41からの水道水のまま洗浄槽2へ給水され、他方の食塩槽43に供給された水は、食塩かご44の中に浸入していき、内部に蓄えられた食塩45を溶解して塩水となり、底部の塩水給水管47からイオン交換槽31へ供給される。
イオン交換槽31の上部空間に給水された塩水は、イオン交換体32の上部から自重により下方へ染み込んでいき、下部空間に滴下する。このときイオン交換体32には予め前回の運転時のすすぎ工程における軟水化により、水道水中に含まれるCaイオン、Mgイオンなどの硬度成分が吸着されており、これらのCaイオンやMgイオンなどが、塩水中のNaイオンとイオン交換する。したがって、イオン交換体32中を通る塩水には、Naイオンとイオン交換されたCaイオンやMgイオンなどの硬度成分が多く溶け込んでいる。
こうして生成された硬水は硬水給水管34を経て、硬水給水口35から洗浄槽2へ流入して溜まっていく。
洗浄槽2内の水位が洗浄開始水位に達すると、硬水給水弁3Oが閉じ、ポンプの正回転が始まり、硬度の高い洗浄水による洗浄工程が始まる。洗浄工程の運転方法は、すでに述べたとおりである。
このようにこの食器洗い乾燥機によれば、硬度の高い塩水で洗浄することにより、Caイオン、Mgイオン、Naイオンによる塩溶効果で卵等のタンパク質が容易に溶け、洗剤なしでも良好な洗浄性能が得られる。
また、Naイオンが存在するため、低い硬度で汚れを溶解させることが可能である。
さらに洗浄工程終了後のすすぎ工程開始にあたっては、軟水給水弁29が開き、水道水がイオン交換槽31の下部空間に給水される。この給水のうちの一部は、硬水給水管34を通って洗浄槽2内に流入するが、残部はイオン交換体32を通過し、イオン交換槽31の上部空間を経て、軟水給水口33から洗浄槽内に給水される。
このとき、前工程である洗浄工程の開始時において、イオン交換体32は塩水によりCaイオンおよびMgィオンが脱離されて、イオン交換体のイオン交換能力(軟水化力)は十分に回復しているため、水道水はイオン交換体を通過する間に硬度成分をイオン交換して軟水化される。こうして、軟水となり、軟水給水口33から洗浄槽2内へ給水され、良好なすすぎ工程が開始される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように本出願人がすでに出願した特願2001−399748号にかかる食器洗い乾燥機では、以前の軟水によるすすぎ工程で、イオン交換槽31に蓄えたCaイオンやMgイオンなどの硬度成分を、これから開始しようとする硬水による洗浄処理に用いるものであるので、洗浄処理を行うその都度、イオン交換槽31内のイオン交換体32を蘇生させることが出来、高価なイオン交換体の寿命の長期化が達成される点で優秀な食器洗い乾燥機を提供しうるものである。
しかしながらこの食器洗い乾燥機では、洗浄のための硬水を得ようとする時に、オーバーフロータンク37に給水された水道水の一部が、食塩槽43に分配供給され、食塩かご44の中に浸入していき、内部に蓄えられた食塩45を溶解して塩水となり、底部の塩水給水管47から自重でそのままイオン交換槽31へ供給され、イオン交換体32に固定されたCaイオンやMgイオンなどの硬度成分を多く含む硬水となって洗浄槽2に供給されるという構成をとっている。
この構成では、食塩槽43に供給された水が、塩水となって自重により洗浄槽2まで流下する手段を採用しているので、装置としての簡素化は限りなく達成されていると言える。
しかしながら、この食器洗い乾燥機では、上記したように食塩槽43に供給された水道水は、食塩槽43からそのままイオン交換槽31に流れ込む構成になっているので、食塩を十分に溶かす間もなくイオン交換槽31に流れ込んでしまうことになり、十分に高濃度の食塩水をイオン交換槽31に供給することが出来ず、結果的に十分な濃度の硬水を得ることが出来ない。そのため、十分な洗浄が達成されない。
この問題を解決するには、水道水を所定時間食塩槽43内に滞留させて、食塩が十分に水道水に融け込むまで待つ必要があるが、装置の簡素化を達成するために自重を用いて食塩槽43からイオン交換槽31への塩水の供給を行なうことを前提としたこの従来装置では、上記のような水道水の食塩槽43内での所定時間に及ぶ滞留を達成することは簡単ではない。
またこの構成では、軟水を生成する為に、軟水給水弁29を開くと、軟水給水弁29を通る水道水の多くは、硬水給水管34を通って洗浄槽2へ流入してしまい、イオン交換槽31へ導かれる量が少ないので、得られる軟水の量が十分でないという欠点を有している。
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、自重によって塩水を洗浄槽に供給すると言う簡素な装置構成を保ったまま、所定時間水道水を食塩槽内に滞留させ、食塩が十分溶け込むのを待って、必要時に所定の塩水量をイオン交換槽を経て、洗浄槽に供給することのできる装置の提供を第1の目的とする。
また、十分な軟水を得られる様に、軟水用に供給した水道水の全量がイオン交換槽を通るようにできる装置の提供を第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が採用する手段は、
食器を載置するかごを収納する洗浄槽と、
水に含まれる硬度成分のイオン交換を行うイオン交換手段と、
上記イオン交換手段に水道水を通過させることによって水道水中の+イオンを吸着し水道水を軟水化する軟水生成手段と、
食塩を水道水に漬けることで塩水を生成する塩水生成手段と、
上記塩水生成手段で生成された塩水を自重により上記イオン交換手段に供給して該イオン交換手段に固定された硬度成分をイオン交換手段から離脱させて硬水を生成し、生成された硬水を上記洗浄槽に供給する硬水供給手段と、
上記洗浄槽内に供給された硬水或は軟水を上記かご内の食器に噴射するための循環手段と、
洗い終わった食器を高温空気にさらして食器を乾燥させる乾燥手段と、
上記給水手段、循環手段及び乾燥手段を制御する制御手段とを備えてなる食器洗い乾燥機において、
上記食塩水生成手段に所定量の水道水を供給する給水手段と、
上記給水手段とは独立して制御され、上記給水手段により塩水生成手段内に供給された水と上記イオン交換手段内の水とを接続させる通水手段と、
上記塩水生成手段から上記塩水供給水路を通ってイオン交換手段へ供給される所定の塩水量を所定のタイミングに調整する塩水供給タイミング調整手段とを備えてなることを特徴とする食器洗い乾燥機である。
上記通水手段として、所定値以下の水圧のもとでは、導通することによって双方向の水の流通を可能とし、所定値を超える水圧のもとでは、上記イオン交換手段から上記塩水生成手段への水の流入を阻止する第1の弁手段を含んで構成することができる。
また、上記通水手段として、上記塩水生成手段内の水量が所定量以上では上記塩水生成手段内の塩水と上記塩水供給水路内の水とを接続させ、上記塩水量が所定値を超えて少なくなると上記接続を遮断するサイフォン機構を含んで構成することも可能である。
【0008】
更に又、上記塩水生成手段を上記食器洗い乾燥機の上段に設けらることが望ましい。
上記イオン交換手段から洗浄槽への管路中に、所定以上の水圧がかかった場合には、上記管路中の水の洗浄槽への流入を阻止し、上記所定値未満の水圧のもとでは、上記管路中の水の洗浄槽への流入を許容する第2の弁手段を設けることができる。
上記塩水生成手段に、注水された水道水のレベルを所定レベル以下に規制するオーバーフロー開口を形成する事が本発明の目的にかなう。
上記塩水生成手段と上記イオン交換手段とを接続する管路に、出口が第1の弁手段の位置より高く設定されてなる給水管路を接続することで本発明の効果は更に高度に達成される。
上記給水手段の作動から上記通水手段の作動までの間に所定の時間差を設けることで、食塩槽内の塩の溶解が促進される。
上記時間差を、上記給水手段に供給される水の温度に基づいて設定することで、上記時間差を適切に設定することができる。
【0009】
【作用】
本発明においては、上記食塩水生成手段に所定量の水道水を供給する給水手段と、上記給水手段とは独立して制御され、上記給水手段により塩水生成手段内に供給された水と上記イオン交換手段内の水とを接続させる通水手段と、上記塩水生成手段から上記塩水供給水路を通ってイオン交換手段へ供給される所定の塩水量を所定のタイミングに調整する塩水供給タイミング調整手段とが備えられているので、まず上記給水手段により十分な濃度の食塩水を作ることができる。その後、通水手段が上記食塩水生成手段に生成された塩水とイオン交換手段内の水を接続させるので、食塩水生成手段内の塩水は、洗浄槽に供給され、洗浄槽内に十分な硬水が供給される。
その際、上記塩水供給タイミング調整手段により、イオン交換手段に供給される塩水の量が適正なタイミングに供給されるので、適切な量の硬水を得ることが出来、十分な洗浄が可能となる。
上記通水手段として、所定値以下の水圧のもとでは、導通することによって双方向の水の流通を可能とし、所定値を超える水圧のもとでは、上記イオン交換手段から上記塩水生成手段への水の流入を阻止する第1の弁手段を含んで構成することができるが、この場合には、上記第1の弁手段を通る水道水の圧力を適切に調節するだけで、簡単に通水状態を得ることができる。
さらに上記通水手段が、上記塩水生成手段内の水量が所定量以上では上記塩水生成手段内の塩水と上記塩水供給水路内の水とを接続させ、上記塩水量が所定値を超えて少なくなると上記接続を遮断するサイフォン機構を含んでいる場合には、サイフォン機構に僅かな呼び水を挿すだけで、通水状態を得ることが出来、構成の簡素化を促進することができる。
上記サイフォンの原理を用いて塩水の自重で塩水を食塩水生成手段からイオン交換手段、更には洗浄槽に供給する場合には、塩水の自重が十分に発揮できるように、塩水生成手段が高い位置に設けられなければならない。この構成により、簡単に自重による塩水のイオン交換手段への供給が達成される。
上記イオン交換手段から洗浄槽への管路中に、所定以上の水圧がかかった場合には、上記管路中の水の洗浄槽への流入を阻止し、上記所定値未満の水圧のもとでは、上記管路中の水の洗浄槽への流入を許容する第2の弁手段が設けられた場合には、イオン交換手段に供給される水道水が、イオン交換機に供給される前に洗浄槽に流入してしまう不都合が回避され、効率の良いすすぎ処理が実現される。
上記塩水生成手段に、注水された水道水のレベルを所定レベル以下に規制するオーバーフロー開口を形成することで、簡単に塩水生成手段に溜められる塩水の量を所定量に調整することができる。
上記塩水生成手段と上記イオン交換手段とを接続する管路に、出口が第1の弁手段の位置より高く設定されてなる給水管路を接続すれば、イオン交換手段でイオン交換された軟水をこの給水管から洗浄槽に供給できると共に、イオン交換手段から塩水生成手段に送り込まれる少量の水が、塩水生成手段に行く前に洗浄槽に排出されてしまうということがなくなる。
上記給水手段の作動から上記通水手段の作動までの間に所定の時間差が設けることで、その間に食塩の溶解が進み、十分な濃度と量の食塩水を得ることに成功する。
上記食塩の溶解量は、溶解させる水道水の温度に大きく依存するので、上記給水手段に供給される水の温度に基づいて時間差を設定することで、食塩水の濃度を適切に調節することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて本発明の一実施形態にかかる食器洗い乾燥機Bの構造について図を参照して説明する。
ここに図1は、本発明の一実施形態にかかる食器洗い乾燥機Bの流水経路を含む全体構成図である。
図に示すようにこの食器洗い乾燥機Bは、図2に示した従来の食器洗い乾燥機Aと共通の多くの構成要素を具備している。
例えば本体キャビネット1内に設けられた洗浄槽2には、食器類48を収納する食器かご3が設けられており、上記洗浄槽2の下部には、該洗浄槽2の底に溜まった洗浄水を加熱するヒータ4、食器類48に洗浄水を噴射する回転ノズル11、上記洗浄水を上記回転ノズル11に送り込むポンプ7、該ポンプ7を駆動するモータ8、洗浄槽2内の残渣から水を濾し取る残渣フィルタ5、及び洗浄槽2に軟水を供給するためのイオン交換槽31、該イオン交換槽31内のイオン交換体32からCaイオンなどを離脱させるための食塩水を上記イオン交換槽31に供給する食塩槽43等を具備する点において、図2に示した食器洗い乾燥機Aと共通である。
しかしながらこの実施形態にかかる食器洗い乾燥機Bにおいては、上記イオン交換槽32及び食塩槽43を用いて硬水を得るための流水経路、更には、上記洗浄槽2の下部に設けられた超音波振動子100を含む超音波霧化ユニット100a及びこの超音波霧化ユニット100aの制御手法などにおいて図2に示した従来の食器洗い乾燥機Aとは大きく異なるものである。
まず上記流水経路の特徴点について図を参照して説明する。
図1に示すように、水道管に接続された水道接続部14には、3個の給水弁V1,V2,V3が接続されている。
第1の給水弁V1には、呼び水用導水管101が接続され、この呼び水用導水管101は、食器洗い乾燥機Bの最上段に設けられた前記食塩槽43の呼び水給水室102内にその出口101aが突出している。
ここで前記食塩槽43の詳細構造について図3を参照して説明する。
ここに図3(a)は、食塩槽43の正面図、(b)は、その平面図、(c)は、(a)におけるY矢視図であり、また図4は食塩槽43に塩を供給する状態を示す分解斜視図である。
図3及び図4に示すごとく、食塩槽43は、図1には図示されていない開閉自在の外箱103内に収納されており、食塩45を収納する食塩かご44を若干浮かせた状態で保持する食塩室104と、前記呼び水用導水管101の出口部101aが突出する呼び水給水室102と、内部に下向きに開放されたサイフォンキャップ105を具備し、該サイフォンキャップ105内に、導水管106の出口106aを臨ませた導水室107とを具備している。
上記呼び水給水室102、食塩室104及び導水室107は、全て連通している。
【0011】
また食塩槽43の側面には、オーバーフロー開口108が形成されている。上記オーバーフロー開口108の下縁108aのレベルは、食塩水の最高水面レベル109をなし、食塩槽43内に蓄えられる水のレベルは上記オーバーフロー開口108があるために上記最高水面レベル109を超えることはない。
また上記導水管106の出口106a及び前記呼び水導水管101の出口101aは、図3(a)に示すように上記食塩水の最高水面レベル109より上方に僅かながら突出する高さに設定されている。
さらに図3(a)に示すように食塩室104内に収納された食塩かご44の下面44aは、フィルターで覆われており、上記食塩水の最高水面レベル109よりも下方にあり、食塩槽43内に溜められた水に上記食塩かご44が浸かるために、上記食塩かご内の食塩は、水の中に融けていく構造となっている。
但し、上記食塩かご44の下面44aは、食塩室104の下面104aよりは高く設定され、下面104aとの間に、空間が形成されているために、食塩槽43内の水が減っていき、その水面レベルが低下していくと、食塩かご44の底面が水面から離れ、それ以上には食塩が溶け出さない構造となっている。これにより、食塩の余分な溶け出しは防止される。
また上記サイフォンキャップ105は、前記導水管106の出口106aを空間106bを介して囲む構造となっており、該サイフォンキャップ105の下端105aは、前記食塩水の最高水面レベル109よりも下方に突出し、前記食塩室104の下面104aとの間に僅かな隙間105bが形成されている。
食塩槽43の構造は以上の通りである。
前記流水経路に戻ると、前記給水弁V2は先端110aが、洗浄槽2に開放された給水管110に接続されている。
また給水弁V3は、給水管111を介して、イオン交換槽31の下端部31aに接続されている。
更に上記イオン交換槽31の下端部31aには、先端112aが洗浄槽2の最深部に開口された軟水給水管112が接続されている。
また上記軟水給水管112の先端112aには、所定値未満の水圧で開弁し、上記所定値以上の水圧では、通水を阻止するボール弁B2が設けられている。
更に、前記食塩槽43の導水室107に差し込まれた前記導水管106の下端部106cは、前記イオン交換槽31の上端部31bに接続されており、上記下端部106c内には、所定値以下の水圧において開弁し、上記所定値を超える水圧のもとでは通水を阻止するボール弁B1が収納されている。
また前記イオン交換槽31の上端部31bには、給水管113が接続され、この給水管113の出口部113aは、上記ボール弁B1の設置位置よりも所定量上方に位置している。
【0012】
次に図1及び図6を参照して、上記食器洗い乾燥機Bの制御に付いて説明する。
図5に示すように食器洗い乾燥機B内に設けられたコンピュータを含む制御手段114の入力部には、図示しない入力インターフェースを介して、洗浄槽2内の洗浄水の量を検出する水量センサ115(低レベル水位を検出する115aと、通常水位を検出する115bからなる)、洗浄水の水温を検出する水温センサ116、図6に示す操作部132に設けられた電源スイッチ(電源入/切 オートオフスイッチ)117、スタート一時停止スイッチ118、給湯スイッチ125、乾燥時間設定スイッチ121、及び運転プログラムを選択するためのイオンコース選択スイッチ123、イオン+洗剤コース選択スイッチ122、更には、塩セットスイッチ130、図外の扉の開閉を検出する扉閉検出スイッチ131が接続されている。
又上記制御手段114の出力側には、図外の出力インターフェースを介して、前記給水弁V1、V2、V3、洗浄ポンプ7、超音波振動子100、ヒータ4、ドア閉状態表示ランプ128、食塩かご44内の食塩が無くなったことを表示する塩補充表示ランプ124、選択メニュー表示部126、給湯ランプ129、乾燥用ファン134、進行状態標示部127がそれぞれ接続されている。
ここで前記イオンコース選択スイッチ123或はイオン+洗剤コース選択スイッチ122を一回押すと、上記選択メニュー表示部126の標準メニューを示す「標準」ランプが点灯し、2回押すと速洗メニューが選択されたことを標示する「速洗」ランプが点灯する。さらに3回、4回と押すと、「ナイト」メニュー、「念入り」メニュー、「予洗」メニューがそれぞれ選択されたことを表示する各表示ランプが順次点灯し、各々表示されたメニューにおける洗浄、すすぎなどが操作者に選択されたことが表示される。これらの洗濯されているコース名(イオン、イオン+洗剤)及び「標準」「速洗」「ナイト」…のメニュー名は制御部114に接続された記憶部Mに一時的に記憶される。
その状態でスタート一時停止スイッチ118を押すと、選択された洗浄及びすすぎのメニューが実行され、各処理の現在状態が進行表示部127に順次表示されていく。また乾燥時間設定スイッチ121を一度押すと、乾燥時間が20分に設定され、乾燥時間表示部121aにおける20分の表示が点灯する。また2回押すと60分の表示が点灯し、3回押すと、ドライキープの表示が点灯し、乾燥時間が設定される。
【0013】
上記した流水経路における水、湯、或は塩水の流れに付いて、イオンコース選択スイッチ123が1回押されて、イオンコースの「標準」メニューが選択された場合について、図7〜10に記載のフローチャートを参照して説明する。
ここにS1、S2、D3…は、処理手順(ステップ)の番号である。ここに図7はそのメインメニュー、図8は、イオンコース標準メニューの準備工程と、霧化工程を示し、図9は、同じく硬水洗浄工程と、すすぎ工程を示すフローチャート、図10は、同じく乾燥工程を示すフローチャートである。
食器洗い乾燥機Bを使用するには、操作者はまず電源入/切 オートオフスイッチ117を押して電源をオンする。
次にイオンコースの標準メニューを選択するには、イオンコース選択スイッチ123を1回押し、標準メニュー表示ランプを点灯させ、次にスタート/一時停止スイッチ118を押す。この場合スタート/一時停止スイッチ118は、イオンコース選択スイッチ123又はイオン+洗剤コース選択スイッチ122が、押されることによって、126で示す選択メニューのいずれかが既に選択されていることを前提としてオンされ、処理を開始する。
従って、図7に示すように電源入/切 オートオフスイッチ117が押されたと判断されると(S1でYES)、続いてスタート/一時停止スイッチ118が押されたか否かが判断される(S2)。
上記のようにスタート/一時停止スイッチ118が押されることによってオンとなるためには、イオンコース選択スイッチ123又はイオン+洗剤コース選択スイッチ122が押されて、126で示すいずれかのメニューが選択されていることが前提であるので、制御部114は、イオンコース選択スイッチ123がオンされているか、否かをS3において判断する。
ここで判断がYESであればイオンコースが選択されていると判断されるので、制御部114は、続いてイオンコースのうちで標準、速洗、ナイト、念入り、予洗のうちの、いずれのメニューが洗濯されているかを、記憶部Mからの情報に基づき判断する(S4)。
S3において、イオンコース選択スイッチ123が押されていないと判断された場合には、当然にイオン+洗剤コース洗濯スイッチ122が押されていることになるので、S5においてイオン+洗剤コースのうちのいずれのメニューが洗濯されているかを判断する。
以下まずS6で示すように、イオンコースのうちの標準メニューが選択されている場合について、図8以下のフローチャートを用いて説明する。
イオンコースの標準メニューにおいては、まずカウンタnを5に設定する。このカウンタnは、図9に示洗浄すすすぎ工程の回数を設定するものである。カウンタnの値は、選択された処理メニューに応じて異なる数字が設定される。次に制御部114は、水量センサ115からの信号に基づき、洗浄槽2内の洗浄水の量を判断する。
水量センサ115は、水面レベルのもっとも上の通常レベルを検出するためのセンサ115bと、比較的低レベルの水面を検出するセンサ115aとからなっており、両水量センサからの信号に基づいて、制御部114は、洗浄槽2内の水のレベルを判断することができる。
ここに水量レベルが高、即ち、S11においてYESと判断された場合には、排水弁133を所定の時間T1だけ開く(S12)。また水量レベルが高でないと判断された場合には、排水弁133を所定の時間T2(T1>T2)だけ開き排水する(S13)。
【0014】
次に給水弁V2が開かれ、水道水が図1に示す給水管110を通って洗浄槽2内に供給されていく(S16)。
制御部114は、水量センサ115aからの信号を取り込み、水量が低水位レベルに達しているか否かを判断する(S18)。
水量が低水位レベルに達していなければ(S18においてNO)、処理をS16に戻し、給水を続行する。
S18において水量が低水位レベルに達していると判断された場合には、給水弁V2を閉じ(S19)、続いてヒータ4がオンされる(S17)。続いてS20において水温センサ116からの信号に基づき、水温が所定の温度、例えば60℃に達しているか否かを判断する。ここで水温が所定の温度に達していなければ(S20においてNO)、処理をS17に戻す。
S20において水温が所定の温度に達したと判断された場合、即ちS18において水量が低水位レベルに達し、且つその温度が所定温度以上であると判断された場合には、S21において、ヒータ4をオフする。
以上述べたS10からS21の処理によって、次に実施される霧化工程及び洗浄工程の準備が行なわれる。
上記準備工程が実行され、水道水が低水位レベルまで給水され、その温度が所定温度以上に達していると、次にS22において洗浄槽2の下部に設けた超音波霧化ユニット100aの超音波振動子100をオンする。
この超音波振動子のオン状態は、所定の値T3秒間維持される。その間に、制御部114は上記低水位の水に超高速の振動が与えられ、洗浄槽2内に微細な水粒、即ち霧が発生し、食器類48の表面を濡らす。この霧状態により、食器表面の濡れが発生すると、食器表面に付着した汚れの分解或は水への溶け込みが促進され、その後の洗浄工程の効率化が著しく促進される。
上記のようにS22において、超音波振動子100により霧化作用が進んでいるうちに、S23において給水弁V1が、所定の僅かな時間だけ開かれ、水道水が呼び水用導水管101を通り、その出口101aから食塩槽43内の呼び水給水室102に供給される。
すでに述べたように呼び水給水室102は、食塩室104と連通しており、呼び水導水管101から供給された水は、食塩室104に供給されるが、その量が多い場合には、呼び水給水室102の側壁に穿たれたオーバーフロー開口108から外部に排出されるので、呼び水導水管101から供給された水は、オーバーフロー開口108の下縁と同一面の最高水面レベル109以上に食塩室104に水が溜まることはない。
こうして食塩室104内に溜まった水によって食塩かご44内の食塩が溶け出す。
前記したように食塩かご44はその底面44aがフィルターで覆われており、上記した水面109より下に水没しているので食塩の溶け出しは確実に行なわれる。
【0015】
続いてS24において所定時間放置されることによって、食塩が十分に食塩室104内の水に融け込む。この放置時間は、水温により塩の溶解度が変ることから、前記水温センサ116による検出値に応じて設定される。
その後、給水弁V3が所定の僅かな時間だけ開弁される。図3に示す導水管106の出口106aからサイフォンキャップ105との間の空間106bを通り、既にS23で食塩槽43内に供給されていた水と導水管106内の水とが繋がることになる。ここに給水弁V3の開く時間は僅かであるので、導水管106に供給された水の水圧は低く、導水管106に供給された水は、ボール弁B1を通って前記したように空間106bに供給される。
もちろんこの水量が多い場合には、その一部は給水管113を通って、その出口113aから洗浄槽2内に供給されるが、その量は、既に洗浄槽2内に供給されている水の量と較べて僅かであるので無視し得る。
上記S25における導水管106への僅かな給水が行なわれると、次にS26において、給水弁V3が閉じられる。
この時、前記したように食塩室104内の水と、導水管106内の水とは図3に示すサイフォンキャップ105と導水管106との間の空間106bをみたす水によって連通され、サイフォンの状態となっているので、自重によりイオン交換槽31を通って流下しようとする導水管106内の水に引かれて、食塩槽43内の食塩水が導水管106からイオン交換槽31に流れ込む。この時、イオン交換槽31に連通する軟水給水管112の出口部112aに設けられたボール弁B2は、自重により流下する水の水圧が低いので、導通状態となっており、食塩槽43内の食塩水は、前記したように導水管106、イオン交換槽31、軟水給水管112を通って、その出口112aから洗浄槽2内に供給される。
この時イオン交換槽31内のイオン交換体32に固定されているCaイオンや、Mgイオンは、食塩中のNaイオンと置き換えられ、食塩水と共に洗浄槽2内に供給される。
このように、本実施形態では、食塩槽43内に水道水が所定時間保持されるので、食塩が水道水中によく溶けて、これによって洗浄槽2内には硬度成分であるCaイオンや、Mgイオンが多量に供給され、洗浄槽2内の水が濃度の高い硬水に生成される。
この間にも超音波振動子100による霧化作用は続いており、食器類の表面に付着した汚れの軟化、分解などが進行する。そしてS22における超音波振動子オンから所定のT3秒後にS27で示すように超音波振動子100がオフされる。
以上述べたように、超音波振動子100のオン(S22)からオフ(S27)までが、霧化・硬水供給工程である。但し、必要に応じてS22とS27の超音波振動子による霧化作業を省略することも可能である。霧化処理を省略しても、本発明に特段の影響はない。
【0016】
続いて図9に示す硬水による洗浄工程が開始される。
洗浄工程においては、十分な量の洗浄水が必要であるので、S30において給水弁V2が開かれ、給水が始められる。給水は、上部の水量センサ115bが水面を検知するまで、即ち通常水位になるまで続けられる。
十分な水位が得られると、モータ8の駆動によりポンプ7がオンされ、洗浄槽2内に蓄積された硬水が回転ノズル11から食器類48に噴射され、硬水による洗浄が所定時間行なわれる(S31)。
洗浄が終了すると、排水弁133が開かれ、洗浄槽2内の洗浄水が全部外部に排出される(S32)。
上記S30からS32の処理が硬水洗浄の工程である。
次にすすぎ工程が開始される。
すすぎ工程に先立って、カウンタnの値から1が減じられる(S40)。
次にS41において、カウンタnの値が4以上であるか否かが判断される。カウンタnの値は当初S10において5に設定されているので、ここではn=4となっているはずである。従ってS41での判断はYESとなり、S50以下のすすぎ1工程が開始される。
S50においてはまず、給水弁V3が所定時間開かれる。給水弁V3の開かれる時間は、十分に長いので給水管111内の水圧は十分に高く、給水管111と連通する軟水給水管112の出口112aに設けられたボール弁B2は、閉状態となり、出口112aからの水の流出は阻止される。
従って、給水管111を通る水道水は、その全量がイオン交換槽31に供給され、イオン交換体32に沿って上昇する。
この時、イオン交換体32は、前記S25からS26における塩水の流下によりその表面から硬度成分CaイオンやMgイオンが離脱し再生されているので、新たな水道水中のCaイオンや、Mgイオンを取り込み、水道水を軟水化させる。
こうして軟水となった水道水の圧力は前記した様に給水弁V3が長時間に渡って開かれているので十分に高い値に維持されており、導水管106内に流入しようとしても、高い水圧によって閉となっているボール弁B1により導水管106内に入ることが出来ず、その全量が給水管113を通ってその出口113aから洗浄槽2内に供給される。
即ち洗浄槽2内に軟水が供給される。次にS53において通常水位に達していれば、吸水弁V3を閉じる。
上記S50とS53の処理により軟水を供給し、ヒータ4がオンされ(S51)、供給された軟水の温度を上昇せしめる。
【0017】
S51にてヒータをONした後ポンプ7を回転せしめて、所定時間且つS52での水温コントロールをしながら回転ノズル11からの軟水の噴射を行い、軟水による食器類のすすぎを実行する(S55)。
水温がToに達したらヒータは、OFFされ、所定時間内に水温に合わせてヒータのON、OFFが繰り返される。上記軟水によるすすぎと同時に、S56において所定時間超音波振動子100を駆動して、霧を発生させ、食器類からの汚れ除去の効率化を促進することもできる。
上記のようにS50からS56までの処理が第1回目のすすぎ(すすぎ1)の処理であり、すすぎ1の工程が終了すると、処理は再度S40のカウンタnから1を減算する処理に戻る。
ここでカウンタnの値は、3となるので、S41の処理においてはNOと判断され、処理はS42に進む。
ここではカウンタnの値が3であるかが判断され、この時カウンタnの値は2であるので、処理はYESとなり、2回目のすすぎ(すすぎ2)に移行する。
すすぎ2はすすぎ1と同じであっても場合によってすすぎの時間や、水温を変化させてもよい。
すすぎ2が終了すると、処理は再度S40に戻り、カウンタnの値から1を減じる。
その後処理はS41に進み、ここでNOとなり、更にS42において、カウンタnは1であるので再度NOとなる。
従って処理はS43のカウンタnが2以上であるかどうかの判断処理に進む。ここではカウンタn=2であるので、判断はYESとなり、すすぎ3が開始される。
すすぎ3もすすぎ2と同様、すすぎ1或は2と同じ処理に設定されていてもよく、これらよりも更にすすぎ時間を長く、或は水温を上昇させたものであっても良い。
すすぎ3が終了すると、処理は再度S40に戻り、カウンタnの値から1が減算される。従ってカウンタnの値は1となる。
従って処理は、S40からS41、S42、S43へと進み、S43において、NOとなるので、温水すすぎが次に実行される。
温水すすぎは、標準のすすぎ工程における最終工程であって、丁寧なすすぎのために、水温を更に上昇させ、更にすすぎ時間を十分に長く設定する。
上記のようにして温水すすぎが終了すると、処理は図10の乾燥工程に進む。
上記したすすぎ1〜温水すすぎまでの各すすぎの回数、すすぎ時間、水温の設定は、「標準」「速洗」「ナイト」「念入り」「予洗い」等のメニューに対応して予めプログラム化されており、これらのデータが選択されたメニューに応じて採用される。
最後に乾燥工程においては、洗浄槽2中の蒸気成分を排出することが必要であり、まずヒータ4がオフされると共に、ファン134が例えば40%などの所定の低負荷率で回転駆動され、洗浄槽2内の蒸気成分が排出される(S60)。
続いて本格的な乾燥工程を開始するためにヒータ4がオンされ、ファン134が定格とおりの100%の負荷率で回転駆動され、食器類の乾燥が進められる。
この所定時間の乾燥工程が終了すると、ヒータ4を停止させ、ファン134を100%の負荷率で回転させることにより、食器類のクーリングが実行される(S62)。
以上の乾燥工程(S60〜S62)が終了することによりイオンコースにおける標準メニューの洗浄、すすぎ、及び乾燥の処理がすべて終了する。
【0018】
【実施例】
上記実施形態では、小さい水圧でのみ開弁して、少量の呼び水を食塩槽のサイフォンキャップに供給する弁として、ボール弁B1を採用し、給水弁V3を僅かな時間開ける事で上記小さい水圧を得るようにしているが、これを電磁弁などに置き換えることで、この電磁弁の開く時間を調整することで呼び水給水を行なうこともできる。
同様に、硬水供給時には開弁し、軟水供給時には閉弁するためにボール弁B2を使用しているが、これを電磁弁に置き換えることも可能である。
また上記実施形態では、イオンコースと、イオン+洗剤コースを選択でき、更にこれらのコースの中で「標準」「速洗」「ナイト」「洗剤のみ」など多くのメニューを選択できるように構成されているが、これらのコースやメニューの選択は、本発明とは特に関係ないので、省略することも可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように構成されているので、洗浄槽内に十分な硬水が供給される。
また、イオン交換手段に供給される水道水が、イオン交換機に供給される前に洗浄槽に流入してしまう不都合が回避され、効率の良いすすぎ処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる食器洗い乾燥機の概念図。
【図2】 従来の食器洗い乾燥機の概念図。
【図3】 一実施形態に使用する食塩槽を示すもので、(a)は、その正面図、(b)は、その平面図、(c)Y矢視図。
【図4】 食塩槽の使用状態を示す斜視図。
【図5】 一実施形態にかかる食器洗い乾燥機の制御ブロック図。
【図6】 本発明の一実施例における食器洗い乾燥機の操作表示部をしめす図。
【図7】 本発明の一実施例にかかる食器洗い乾燥機の制御に関するメインメニューを示すフローチャート。
【図8】 イオンコース標準メニューの準備工程と、霧化工程を示すフローチャート。
【図9】 同じく硬水洗浄工程と、すすぎ工程を示すフローチャート。
【図10】 同じく乾燥工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
B 食器洗い乾燥機
2 洗浄槽
4 ヒータ
7 ポンプ
11 回転ノズル
31 イオン交換槽
32 イオン交換体
43 食塩槽
44 食塩かご
48 食器類
100 超音波振動子
101 呼び水用導水管
102 呼び水給水室
104 食塩室
105 サイフォンキャップ
106 導水管
107 導水室
108 オーバーフロー開口
109 最高水面レベル
110 給水管
111 給水管
112 硬水給水管
113 軟水給水管
114 制御部
115 水量センサ
116 水温センサ
118 スタートスイッチ
B1 ボール弁
B2 ボール弁
V1,V2,V3 給水弁

Claims (9)

  1. 食器を載置するかごを収納する洗浄槽と、
    水に含まれる硬度成分のイオン交換を行うイオン交換手段と、
    上記イオン交換手段に水道水を通過させることによって水道水中の+イオンを吸着し水道水を軟水化する軟水生成手段と、
    食塩を水道水に漬けることで塩水を生成する塩水生成手段と、
    上記塩水生成手段で生成された塩水を自重により上記イオン交換手段に供給して該イオン交換手段に固定された硬度成分をイオン交換手段から離脱させて硬水を生成し、生成された硬水を上記洗浄槽に供給する硬水供給手段と、
    上記洗浄槽内に供給された硬水或は軟水を上記かご内の食器に噴射するための循環手段と、
    洗い終わった食器を高温空気にさらして食器を乾燥させる乾燥手段と、
    上記給水手段、循環手段及び乾燥手段を制御する制御手段とを備えてなる食器洗い乾燥機において、
    上記食塩水生成手段に所定量の水道水を供給する給水手段と、
    上記給水手段とは独立して制御され、上記給水手段により塩水生成手段内に供給された水と上記イオン交換手段内の水とを接続させる通水手段と、
    上記塩水生成手段から上記塩水供給水路を通ってイオン交換手段へ供給される所定の塩水量を所定のタイミングに調整する塩水供給タイミング調整手段とを備えてなることを特徴とする食器洗い乾燥機。
  2. 上記通水手段が所定値以下の水圧のもとでは、導通することによって双方向の水の流通を可能とし、所定値を超える水圧のもとでは、上記イオン交換手段から上記塩水生成手段への水の流入を阻止する第1の弁手段を含んでなる請求項1記載の食器洗い乾燥機。
  3. 上記通水手段が、上記塩水生成手段内の水量が所定量以上では上記塩水生成手段内の塩水と上記塩水供給水路内の水とを接続させ、上記塩水量が所定値を超えて少なくなると上記接続を遮断するサイフォン機構を含んでなる請求項1或は2のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  4. 上記塩水生成手段が上記食器洗い乾燥機の上段に設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  5. 上記イオン交換手段から洗浄槽への管路中に、所定以上の水圧がかかった場合には、上記管路中の水の洗浄槽への流入を阻止し、上記所定値未満の水圧のもとでは、上記管路中の水の洗浄槽への流入を許容する第2の弁手段が設けられてなる請求項1〜4のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  6. 上記塩水生成手段に、注水された水道水のレベルを所定レベル以下に規制するオーバーフロー開口が形成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  7. 上記塩水生成手段と上記イオン交換手段とを接続する管路に、出口が第1の弁手段の位置より高く設定されてなる給水管路が接続されてなる請求項2〜6のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  8. 上記給水手段の作動から上記通水手段の作動までの間に所定の時間差が設けられてなる請求項1〜7のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
  9. 上記時間差が、上記給水手段に供給される水の温度に基づいて設定されてなる請求項1〜8のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
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