JP4052855B2 - スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 - Google Patents
スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4052855B2 JP4052855B2 JP2002071976A JP2002071976A JP4052855B2 JP 4052855 B2 JP4052855 B2 JP 4052855B2 JP 2002071976 A JP2002071976 A JP 2002071976A JP 2002071976 A JP2002071976 A JP 2002071976A JP 4052855 B2 JP4052855 B2 JP 4052855B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scanner
- platen
- document
- platen surface
- posture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスキャナに関し、より詳細には、読み取るべき原稿が載置されるプラテン面を有するプラテンを備え、プラテン面に原稿を載置する際の位置決めが自動的に行われるようにしたスキャナ及びその原稿位置最適化制御方法に関する。なお、スキャナそのものは、単独のスキャナ装置として、または複写機、ファクシミリ装置及びそれらの機能を併せた複合機等の構成要素として組み込まれているものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なスキャナの外観を図35(a), (b)の模式図に示す。このスキャナは単独のスキャナ装置として構成されており、しかも設置面積を小さくするためにプラテン12のプラテン面がほぼ鉛直状態になるようにして立てた状態で使用することができるように構成されている。従って、このようなスキャナでは、プラテンにシート原稿30をセットする際に原稿から手を放すと原稿がプラテン12のプラテン面の一辺の縁によって係止されるが、読み取りのための定位置に原稿がセットされるわけではないため、結局はユーザが原稿をプラテン面上を滑らせるようにして移動させて定位置に正確にセットする必要がある。
【0003】
このような事情から、たとえば特開2000−347319号には、画像読取装置(スキャナを含む)を机上、または机の横等の設置位置に応じて、プラテン面を通常の水平に置く横置き姿勢と上述の従来例のような縦置き姿勢とのいずれかに任意に選択可能とした発明が開示されている。しかし、この発明では装置の設置面積に関しては効率がよくなるが、上述のような従来の原稿載置の問題点が解消されることはなく、特に縦置き姿勢においては上述の従来例と同様に原稿をセットすることが非常に困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のスキャナでは、原稿の読み取りのための正確な位置に原稿をセットするために手間がかかり、また原稿をセットした後に原稿から手を放した場合には原稿が定位置からずれる可能性もあったため、原稿の正確な読み取りが保証されないという問題があった。
【0005】
また、原稿を水平にプラテン面上に載置する従来の一般的なスキャナ、特にプリンタ、ファクシミリ装置、及びそれらの複合装置では近年の多機能化にともなって装置全体の上下寸法(高さ)が大きくなり、プラテン面が床面から徐々に高くなる傾向がある。このため、背の低いユーザ、特に子供、または車椅子を使用している身体障害者等にとっては原稿をプラテン面の読取基準位置に正確にセットすることが困難な事態が生じかねないというのが実情であった。
【0006】
更に、手が不自由なユーザにとっては、プラテン面の高さには拘わらず、原稿をプラテン面の読取基準位置に正確にセットすることが困難であるという問題もあった。
【0007】
また更に、近年ではコンビニエンスストア等に複写機、ファクシミリ装置が設置されていて不特定多数のユーザがこれを使用する機会も多いが、この種の装置の操作に不慣れな人は原稿をプラテン面のどの位置にセットすればよいのか理解できない場合も多い。
【0008】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、プラテン面上に設定されている原稿セット基準点が自動的に最下側になるようにプラテンを傾斜させておき、原稿をその方向、即ち縦長又は横長方向を合わせてプラテン上に載置するのみにて原稿が自重でプラテン面を滑って原稿セット基準点に自動的にセットされるように構成することにより、原稿セットを容易にしたスキャナ及びその原稿位置最適化制御方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスキャナは、原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナであって、前記プラテンは、原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢と、プラテン面が前記第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢とをとり得るようにしてあり、前記プラテンが前記第2の姿勢をとっている場合に、前記プラテンを振動させるようにしてあることを特徴とする。
【0010】
このような本発明のスキャナでは、プラテン面上に原稿が載置されるべき時点と、プラテン面上に載置されている原稿の読み取りを行なう時点とでプラテンの姿勢が異なり、従ってプラテン面の傾斜角度が変化し、更にプラテンが第2の姿勢をとっている場合に、プラテンが振動してシート原稿がプラテン面の傾斜に沿って移動する。
【0011】
また本発明に係るスキャナは、前記第2の姿勢は、前記基準点が最も下側になるようにプラテン面を傾斜させた姿勢であることを特徴とする。
【0012】
このような本発明のスキャナでは、プラテン面上に原稿が載置されるべき時点において第2の姿勢をとらせることにより、プラテン面上に設定されている基準点を最も下側になるようにプラテン面が傾斜する。
【0013】
また本発明に係るスキャナは、前記プラテンは、プラテン面の前記基準点を通る2辺に平行な2軸方向に移動及び/又は傾斜するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
このような本発明のスキャナでは、プラテンがプラテン面の基準点る通る2軸方向に移動及び/又は傾斜して第1又は第2の姿勢をとり、第2の姿勢をとった場合には基準点が最も下側になるようにプラテン面が傾斜する。
【0015】
また本発明に係るスキャナは、前記プラテンが前記第1の姿勢をとっている場合にのみ、プラテン面上に載置された原稿をプラテン面と平行に相対移動しつつ読み取る光学系を備えたことを特徴とする。
【0016】
このような本発明のスキャナでは、光学系がプラテン面上に載置された原稿を読み取る際には、プラテンが必ず原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢をとっている。
【0017】
また本発明に係るスキャナは、前記基準点から前記2軸方向それぞれにプラテン面の外郭に沿ってプラテン面上に突出して設けられた規制部材と、プラテン面と適長離隔して前記両規制部材に跨って支持された原稿落下防止用カバーとを更に備えたことを特徴とする。
【0018】
このような本発明のスキャナでは、規制部材と、原稿落下防止用カバーとでシート原稿が確実に原稿セット基準点にセットされると共に、プラテン面からの落下を防止する。
【0019】
また本発明に係るスキャナは、前記原稿落下防止用カバーは、前記基準点を1頂点とし、前記両規制部材を前記1頂点を挟む2辺とする三角形状に前記プラテン面を覆うように構成されていることを特徴とする。
【0020】
このような本発明のスキャナでは、プラテンが振動してシート原稿がプラテン面の傾斜に沿って移動した場合に、シート原稿の1頂点が前記基準点に一致し、その1頂点を挟む2辺が両規制部材に沿う状態でセットされると共に、プラテン面からの落下が防止される。
【0021】
また本発明に係るスキャナは、原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナであって、固定部と、前記プラテンを備え、プラテン面の前記基準点を通る2辺に平行な2軸方向に移動及び/又は傾斜可能に前記固定部に支持された可動部と、該可動部を前記固定部に対して前記2軸方向に移動及び/又は傾斜させて、原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢と、プラテン面が前記第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢とをとらせるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プラテンが前記第2の姿勢をとっている状態において外部からの指示が与えられた場合に、前記プラテンを振動させるよう前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする。
【0022】
このような本発明のスキャナでは、プラテンを備えた可動部がプラテン面の基準点を通る2辺に平行な2軸方向に移動及び/又は傾斜可能に固定部に支持されており、この可動部がアクチュエータによって固定部に対して移動及び/又は傾斜させられ、原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢と、プラテン面が第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢とをとるように制御手段により駆動制御され、更にプラテン面上に原稿が載置されたプラテンが第2の姿勢をとっている状態において必要に応じてプラテンが振動させられる。
【0023】
また本発明に係るスキャナは、前記制御手段が、初期状態として前記第2の姿勢をとるように、次いで前記第1の姿勢をとるように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
このような本発明のスキャナでは、原稿を載置するために、初期状態としてプラテン面が第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢をとり、次いで原稿を読み取るために、第2の姿勢をとるようにアクチュエータが駆動制御される。
【0025】
また本発明に係るスキャナは、前記制御手段が、外部からの指示が与えられた場合に、プラテン面の傾斜角度を任意に設定及び/又は調整するように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする。
【0026】
このような本発明のスキャナでは、アクチュエータが制御手段によって駆動制御されることにより、プラテン面が適宜の傾斜角度に設定及び/又は調整される。
【0027】
また本発明に係るスキャナは、前記制御手段が、外部からの指示が与えられた場合に、プラテン面に前記第1の姿勢または前記第2の姿勢のいずれかを強制的にとらせるように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする。
【0028】
このような本発明のスキャナでは、アクチュエータが制御手段によって駆動制御されることにより、プラテン面が必要に応じて第1の姿勢または第2の姿勢のいずれかに強制的にされる。
【0031】
また本発明に係るスキャナの原稿位置最適化制御方法は、原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナの原稿位置最適化制御方法であって、原稿が載置されている状態で前記プラテンを傾斜させるステップと、前記基準点に原稿の一頂点を一致させるべく前記プラテンを振動させるステップと、原稿の読み取りを行なうために前記プラテンを水平状態にさせるステップとを含むことを特徴とする。
【0032】
このような本発明のスキャナの原稿位置最適化制御方法では、原稿が載置されている状態でプラテンが傾斜させられ、次に原稿の一頂点をプラテン面上に設定されている読取基準位置に一致させるべくプラテンが振動させられ、次に原稿の読み取りを行なうためにプラテンが水平状態にされる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1及び図2は本発明のスキャナの一実施の形態においてプラテンを傾斜させた状態を示す模式図である。
【0034】
本発明のスキャナは、たとえば単独型であれば机上に、複写機、ファクシミリ装置及び複合機であればそれらの装置の最上部に実質的に水平に設置されるスキャナ固定部1と、このスキャナ固定部1に対して相対的に傾斜した状態に分離可能に構成されることによってプラテン12のプラテン面を傾斜させることが可能なスキャナ可動部2とを主たる構成要素として備えている。
【0035】
なお、以下の説明では、スキャナ(プラテン面)の長手方向(図1、図2上で左右方向)をX方向とし、このX方向に配置される構成要素の名称には(X)を付し、またスキャナ(プラテン面)の短手方向(図1、図2上で奥行き方向)をY方向とし、このY方向に配置される構成要素の名称には(Y)を付して説明を簡略化する。
【0036】
また以下の説明では、スキャナ可動部2を支持すると共に傾斜させるアクチュエータとして油圧で伸縮するピストンを有する油圧シリンダを使用する例について説明するが、これに限定されるものではなく、他の種々のアクチュエータを利用すること可能であることはいうまでもない。
【0037】
図1に示すように、スキャナ固定部1には、油圧シリンダ(X)6の端部がスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(X)5で接続されている。従って、油圧シリンダ(X)6はスキャナ固定部1の基準面1Pに対して自由に方向を変えることが可能である。また油圧シリンダ(X)6は、そのシリンダの動作に伴なって油圧シリンダ(X)6の軸長方向に沿って伸縮量を変化させるピストン(X)7を有している。このピストン(X)7はその先端がスキャナ可動部2にスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(X)4で接続されている。従って、ピストン(X)7はスキャナ可動部2の基準面2Pに対して自由に方向を変えることが可能である。
【0038】
なお、スキャナ固定部1の基準面1Pは実質的に水平(水平面と平行)に設置される。また、スキャナ可動部2の基準面2Pは上述のピストン(X)7と後述するピストン(Y)11とが共に最小の伸縮量である場合にスキャナ固定部1の基準面1Pと平行に、換言すれば実質的に水平になる。
【0039】
図3はスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(X)4によるスキャナ可動部2とピストン(X)7との接続状態の、図4はスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(X)5によるスキャナ固定部1と油圧シリンダ(X)6との接続状態のそれぞれ具体的な構成例を示す模式図である。
【0040】
同様に図2に示すように、スキャナ固定部1には、油圧シリンダ(Y)10がスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(Y)9で接続されている。従って、油圧シリンダ(Y)10はスキャナ固定部1の基準面1Pに対して自由に方向を変えることが可能である。また油圧シリンダ(Y)10は、そのシリンダの動作に伴って油圧シリンダ(Y)10の軸長方向に沿って伸縮量を変化させるピストン(Y)11を有している。このピストン(Y)11はその先端がスキャナ可動部2にスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(Y)8で接続されている。従って、ピストン(Y)11はスキャナ可動部2の基準面2P水平面に対して自由に方向を変えることが可能である。
【0041】
なお、図5はスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(Y)9によるスキャナ固定部1と油圧シリンダ(Y)10との接続状態の、図6はスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(Y)8によるスキャナ可動部2とピストン(Y)11との接続状態のそれぞれ具体的な構成例を示す模式図である。
【0042】
またスキャナ可動部2はその原稿セット基準点32が設定されている一頂点においてスキャナ固定部1の一隅とスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3で接続されている。従って、スキャナ可動部2全体がスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3を支点としてスキャナ固定部1の基準面1Pに対して自由に方向を変えることが可能である。
【0043】
図7はスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3によるスキャナ固定部1とスキャナ可動部2との接続状態の具体的な構成例を示す模式図である。
【0044】
以上のように、スキャナ可動部2は、スキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3と、スキャナ可動部・ピストン接続自在継手(X)4と、スキャナ可動部・ピストン接続自在継手(Y)8との3点で支持されており、基本的には十分な構成であるが、より安定した傾斜状態を維持するために、スキャナ可動部2とスキャナ固定部1とを図8に示すように、蝶番33、34で連結する構成を採ってもよい。なお、図8は、スキャナ可動部2がスキャナ固定部1に対してほぼ最大限分離した、換言すればスキャナ可動部2が最大限度傾斜した状態をスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3が備えられている位置とは逆側の方向から見た状態を示す模式図である。
【0045】
蝶番33、34は両者を接続するヒンジ36を関節として折れ曲がることにより角度を変えることが可能である。蝶番33は、スキャナ固定部1の原稿セット基準点32が設定されている一頂点の頂点角40の二等分線42上に設けられているヒンジ35でスキャナ固定部1に取り付けられている。従って、蝶番33は頂点角40の二等分線42を含みスキャナ固定部1の基準面1Pと直交する面内で角度を変えることが可能である。また蝶番34は、ヒンジ38とヒンジ37とで構成される自在継手でスキャナ可動部2の原稿セット基準点32が設定されている一頂点の頂点角41の二等分線43上の支点39に接続されている。従って、蝶番34はヒンジ38で頂点角41の二等分線43を含みスキャナ可動部2の基準面2Pと直交する面内で角度を変えることが可能である。
【0046】
従って、上述のような蝶番33、34を設けることにより、スキャナ可動部2の頂点角41の二等分線43が常にスキャナ固定部1の頂点角40の二等分線42を含みスキャナ固定部1の基準面1Pと直交する面内に位置するようになるため、スキャナ可動部2はスキャナ固定部1に対して常に安定した角度を維持しつつ傾斜することが可能である。
【0047】
また、図1、図2に示されているように、スキャナ可動部2の上面、即ちスキャナ固定部1とは逆側の面にはプラテン12が備えられている。このプラテン12は上述した構成により、原稿セット基準点32が最下側になる状態で傾斜している。
【0048】
また、プラテン12には、両長辺の内のスキャナ固定部1が傾斜した場合に下側になる一方の長辺、換言すれば原稿セット基準点32を含む長辺に原稿ガイド(X)14が、両短辺の内のスキャナ固定部1が傾斜した場合に下側になる一方の短辺、換言すれば原稿セット基準点32を含む短辺に原稿ガイド(Y)15がそれぞれプラテン12のプラテン面より若干突出した状態で備えられている。
【0049】
以上のような構成の本発明のスキャナでは、ユーザがシート原稿をプラテン12上に載置するのみにて、シート原稿がプラテン面上を自重で原稿セット基準点32方向に滑り降りて行き、原稿ガイド(X)14と原稿ガイド(Y)15とに係止されて停止し、原稿セット基準点32にシート原稿の一頂点が一致した状態で正確にセットされる。
【0050】
このように、本発明のスキャナでは、シート原稿がその一頂点を原稿セット基準点32に一致させた状態でプラテン面上に自動的にセットされるので、ユーザが自身の手でシート原稿の一頂点を原稿セット基準点32へ移動させてセットする必要がなくなり、操作性が向上する。
【0051】
以上のように本発明のスキャナでは、プラテン面上をシート原稿が自重で滑るように構成してあるが、シート原稿とプラテン面との間の摩擦係数は、シート原稿の紙質、その時点の湿度等の要因により変動する。従って、シート原稿とプラテン面との間の摩擦係数がなんらかの事情で大きい場合にはシート原稿が滑り難い状態になる可能性がある。また逆に、プラテン面の傾斜が大きすぎる場合には、シート原稿の滑り速度が大になりすぎる可能性があり、この場合には原稿ガイド14、15でシート原稿を係止しきれず、シート原稿が原稿ガイド14、15を乗り越えてしまってプラテン12から落下する可能性もある。従って、このような問題を回避するため、本発明のスキャナでは、シート原稿の滑り具合に合わせてユーザがスキャナ固定部2の傾斜角度を調整することが可能に構成されている。以下に、そのような構成について説明する。
【0052】
図9はスキャナ可動部2の傾斜角度を調整制御するための回路構成を示すブロック図である。
【0053】
入力インタフェース(入力I/O)22には、ピストン(X)7の伸縮量を調整することによりスキャナ可動部2のX方向の傾斜角度を調整するための角度調整スイッチ(SW)(X)24と、ピストン(Y)11の伸縮量を調整することによりスキャナ可動部2のY方向の傾斜角度を調整するための角度調整SW(Y)25とが接続されている。入力インタフェース22は、図10のスイッチ状態表に示されているように、両スイッチ24、25から「H」「L」「Open」の3状態を読み込む。
【0054】
なお、両スイッチ24、25の状態が「H」である場合は「UP」、即ち両ピストン7、11の伸縮量を拡大させることを、「L」である場合は「DOWN」、即ち両ピストン7、11の伸縮量を縮小させることを、「Open」である場合は無動作をそれぞれ意味している。
【0055】
出力インタフェース(出力I/O)23には、油圧シリンダ(X)6を制御する、具体的にはピストン(X)7の伸縮量を制御する油圧シリンダ制御出力(X)27と、油圧シリンダ(Y)10を制御する、具体的にはピストン(Y)11の伸縮量を制御する油圧シリンダ制御出力(Y)28とが接続されている。
【0056】
CPU19はROM20に予め格納されているプログラムに従って角度調整SW(X)24及び角度調整SW(Y)25の状態を入力インタフェース22を介して読み込み、それぞれの状態に応じて出力インタフェース23を介して油圧シリンダ制御出力(X)27及び油圧シリンダ制御出力(Y)28から油圧シリンダ(X)6及び油圧シリンダ(Y)10へそれぞれ制御信号を与えることにより、スキャナ可動部2の傾斜角度を制御する。
【0057】
たとえば、本発明のスキャナにおいて傾斜角度を大きくした場合のスキャナ可動部2は、図11、図12の模式図に示すような状態になる。このような角度調整SW(X)24及び角度調整SW(Y)25の状態に基づくスキャナ可動部2の傾斜角度制御のCPU19による処理手順について、図13及び図14、図15のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0058】
図13はスキャナ可動部2を傾斜させるためのCPU19による処理手順を示すメインルーチンのフローチャートであり、サブルーチンとして別途定義されている「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」(ステップS11)を反復実行することによりスキャナ可動部2の角度調整処理を継続処理することが可能である。
【0059】
図14、図15は図13のフローチャートのステップS11からサブルーチンとしてコールされる「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。スキャナ可動部2の傾斜角度調整は、スキャナ可動部2の傾斜状態を見ながらユーザが適宜に調整操作を行なえるように、傾斜角度の変化を段階的に変化させる必要がある。従って、図14、図15のフローチャート中の「規定量」は両ピストン7、11の伸縮量を段階的に変化させるための予め定められている一定の変化量(伸縮量)である。
【0060】
まず、CPU19は角度調整SW(X)24の状態を調べる(ステップS21)。この角度調整SW(X)24の状態が「H」である場合には、スキャナ可動部2のX方向の傾斜角度を拡大させる操作が指示されていることを意味している。従って、角度調整SW(X)24の状態が「H」である場合には(ステップS21で「YES」)、CPU19はスキャナ可動部2のX方向の傾斜を拡大させるためにステップS25へ処理を進める。
【0061】
一方、角度調整SW(X)24の状態が「L」である場合には、スキャナ可動部2のX方向の傾斜角度を縮小させる操作が指示されていることを意味している。従って、角度調整SW(X)24の状態が「L」である場合には(ステップS21で「NO」、S22で「YES」)、CPU19はスキャナ可動部2のX方向の傾斜を縮小させるためにステップS27へ処理を進める。
【0062】
次に、CPU19は角度調整SW(Y)25の状態を調べる(ステップS23)。この角度調整SW(Y)25の状態が「H」である場合には、スキャナ可動部2のY方向の傾斜角度を拡大させる操作が指示されていることを意味している。従って、角度調整SW(Y)25の状態が「H」である場合には(ステップS23で「YES」)、CPU19はスキャナ可動部2のY方向の傾斜を拡大させるためにステップS29へ処理を進める。
【0063】
一方、角度調整SW(Y)25の状態が「L」である場合には、スキャナ可動部2のY方向の傾斜角度を縮小させる操作が指示されていることを意味している。従って、角度調整SW(Y)25の状態が「L」である場合には(ステップS23で「NO」、S24で「YES」)、CPU19はスキャナ可動部2のY方向の傾斜を縮小させるためにステップS31へ処理を進める。
【0064】
ステップS24で「NO」であった場合、角度調整SW(X)24と角度調整SW(Y)25とのいずれも操作されていないことを意味しているので、CPU19はこのフローチャートの処理を終了し、図13のメインルーチンへリターンしてステップ11の次へ処理を進める。
【0065】
ステップS21で「YES」であった場合、即ち角度調整SW(X)24の状態が「H」であってスキャナ可動部2のX方向の傾斜を拡大させる指示が与えられていた場合は、CPU19はピストン(X)7を規定量伸ばすことが可能であるか否かを調べ(ステップS25)、伸ばすことが可能な状態である場合にはステップS26へ処理を進める。このステップS26においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(X)27から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量伸ばし、ステップS23へ処理を進める。
【0066】
一方、ステップS25においてピストン(X)7を規定量伸ばすことが既にできない状態である場合には、CPU19は上述のステップS23へ直接処理を進める。
【0067】
ステップS22で「YES」であった場合、即ち角度調整SW(X)24の状態が「L」であってスキャナ可動部2のX方向の傾斜を縮小させる指示が与えられていた場合は、CPU19はピストン(X)7を規定量縮めることが可能であるか否かを調べ(ステップS27)、縮めることが可能な状態である場合にはステップS28へ処理を進める。このステップS28においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(X)27から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量縮め、ステップS23へ処理を進める。
【0068】
一方、ステップS27においてピストン(X)7を規定量縮めることが既にできない状態である場合には、CPU19は上述のステップS23へ直接処理を進める。
【0069】
ステップS23で「YES」であった場合、即ち角度調整SW(Y)25の状態が「H」であってスキャナ可動部2のY方向の傾斜を拡大させる指示が与えられていた場合は、CPU19はピストン(Y)11を規定量伸ばすことが可能であるか否かを調べ(ステップS29)、伸ばすことが可能な状態である場合にはステップS30へ処理を進める。このステップS30においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(Y)28から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばし、処理を終了する。
【0070】
一方、ステップS29においてピストン(Y)11を規定量伸ばすことが既にできない状態である場合には、CPU19は処理を終了する。
【0071】
ステップS24で「YES」であった場合、即ち角度調整SW(Y)25の状態が「L」であってスキャナ可動部2のY方向の傾斜を縮小させる指示が与えられていた場合は、CPU19はピストン(Y)11を規定量縮めることが可能であるか否かを調べ(ステップS31)、縮めることが可能な状態である場合にはステップS32へ処理を進める。このステップS32においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(Y)28から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)7を規定量縮め、処理を終了する。
【0072】
一方、ステップS31においてピストン(Y)11を規定量縮めることが既にできない状態である場合には、CPU19は処理を終了する。
【0073】
なお、この図14、図15のフローチャートに示されている処理が終了した場合、CPU19は図13のメインルーチンへリターンして図13のステップ11の次へ処理を進める。
【0074】
以上のようにして図16の模式図に示すようにスキャナ可動部2の傾斜が調整されてプラテン12のプラテン面が傾斜するので、図17の模式図に示すようにシート原稿30をプラテン面12上に載置すると、シート原稿30はプラテン面上を滑り降りてその一頂点が原稿セット基準点32に一致した状態でセットされる。なお、図16、図17において参照符号16は両原稿ガイド(X)14、原稿ガイド(Y)15がオリジナルカバー13により押圧されることを避けるための原稿ガイド溝であり、オリジナルカバー13の原稿ガイドカバー17と接触する範囲を他の部分に比して若干凹ませることにより設けられている。
【0075】
ところで、シート原稿30の滑りが速い場合、またはシート原稿30の原稿セット基準点32に一致させるべき一頂点を含む隅部がカールしているような場合には、シート原稿30が原稿ガイド14、15を乗り越えてプラテン12から落下する可能性がある。以下にこのような問題を回避するための構成について説明する。
【0076】
図18に示すように、原稿ガイド(X)14と原稿ガイド(Y)15とに跨って、原稿セット基準点32をカバーする三角形状の原稿落下防止用カバーである原稿ガイドカバー17が備えられている。この原稿ガイドカバー17により、スキャナ可動部2が、具体的にはプラテン面が傾斜している状態において、シート原稿30がプラテン面上を滑る速度が速い場合、またはシート原稿30の原稿セット基準点32と一致すべき一頂点が存在している隅部が上側へカールしているような場合でも、両原稿ガイド14、15と原稿ガイドカバー17とでシート原稿30を受け止めることが可能になる。従って、図19に示されているように、シート原稿30はその一頂点が原稿セット基準点32に一致した状態でプラテン12上にセットされる。
【0077】
このような原稿ガイドカバー17の構成に付いて、図20、図21に示す図19のA−A断面を参照して説明する。
【0078】
原稿ガイド(X)14と原稿ガイド(Y)15とは、図20に示すように、スキャナ可動部2の筐体に固定されているスプリング31により支えられている。そして両原稿ガイド(X)14及び原稿ガイド(Y)15に跨るような状態で原稿ガイドカバー17が備えられている。
【0079】
従って、原稿ガイド(X)14、原稿ガイド(Y)15に跨って備えられている原稿ガイドカバー17は、シート原稿30をセットするためにオリジナルカバー13が解放されている状態では、両原稿ガイド(X)14、原稿ガイド(Y)15がスプリング31により支持されているため、プラテン12のプラテン面から適長離隔していてプラテン面との間に適度の間隙を形成している。このため、原稿セット基準点32と一致すべきシート原稿30の一頂点がこの原稿ガイドカバー17とプラテン面との間に形成されている間隙に進入し、シート原稿30の一頂点が原稿セット基準点32と一致した状態で停止する。
【0080】
そして、上述のようにしてセットされたシート原稿30の読み込みを行なう場合にはオリジナルカバー13が閉じられるので、図21に示すように、原稿ガイドカバー17はオリジナルカバー13により上から押さえられる。このため、スプリング31が圧縮されて原稿ガイドカバー17は両原稿ガイド14、15と一体的にプラテン面側へ押さえ付けられるので、シート原稿30はプラテン面に密着させられる。また、オリジナルカバー13の裏面、即ちシート原稿30と接触する側には、図18、図19に示すように、原稿ガイドカバー17と接触する範囲を他の部分に比して若干凹ませた原稿ガイドカバー溝18が設けられている。従って、オリジナルカバー13は、自身が閉じられた場合に、原稿ガイドカバー17及び両原稿ガイド14、15の部分と、その他のプラテン面とを均一に押さえ付けることが可能になる。
【0081】
以上のように、本発明のスキャナでは、プラテン12(プラテン面)を傾斜させることにより、シート原稿30をその自重でプラテン面上を滑り降りさせることが可能であると共に、プラテン12から落下することも防止可能であるが、その半面、シート原稿30の紙質、その時点の湿度等の要因によりシート原稿30とプラテン面との間の摩擦係数が大きい場合、またはシート原稿30がプラテン12上に載置された際の向きによってはシート原稿30がプラテン上を滑らない可能性もある。以下にこのような問題を回避するための構成、具体的にはスキャナ可動部2を振動させて強制的にシート原稿30を滑らせるための構成について説明する。
【0082】
図22は、前述したスキャナ可動部2を傾斜させる操作の指示と、スキャナ可動部2を振動させる操作の指示との双方のための回路構成を示すブロック図である。
【0083】
なお、スキャナ可動部2を傾斜させる処理については前述したので、ここではスキャナ可動部2を振動させる処理に関してのみ説明する。前述の図9の回路構成と異なる点は、入力インタフェース22にオリジナルカバー13の開閉状況を検出するセンサの出力が与えられるオリジナルカバー開閉センサSW26が接続されていることである。図23はSW状態表を示しており、角度調整スイッチ24及び25に関しては前述の図10と同様であるが、オリジナルカバー開閉センサSW26からは「H」「L」の2状態を取得することが可能である。
【0084】
なお、オリジナルカバー開閉センサSW26の状態が「H」である場合はオリジナルカバー13は閉鎖状態(Close )であり、「L」である場合はオリジナルカバー13は解放状態(Open)であることをそれぞれ意味している。このようなオリジナルカバー開閉センサSW26は、オリジナルカバー13が閉じられていてシート原稿30をプラテン12に載置できない状態、またはシート原稿30がプラテン12に既に載置されていて読み込みを行なうためにオリジナルカバー13が閉じられている状態ではスキャナを振動させることを禁止するために設けられている。
【0085】
なお、オリジナルカバー13の状態を検出するセンサそのものに関しては、従来公知のセンサ技術を利用可能であることはいうまでもない。
【0086】
CPU19はROM20に予め格納されているプログラムに従って、オリジナルカバー開閉センサSW26の状態を入力インタフェース22を介して読み込み、必要に応じて出力インタフェース23を介して油圧シリンダ制御出力(X)27及び油圧シリンダ制御出力(Y)28から油圧シリンダ(X)6及び油圧シリンダ(Y)10へ制御信号を与えることにより、スキャナ可動部2を振動させることが可能である。
【0087】
このスキャナ可動部2を振動させる処理手順について、図24及び図25、図26のフローチャートを用いて説明する。なお、実際にはこの処理を反復して実行することにより、前述した角度調整処理とスキャナ振動処理とを継続的に実行することが可能である。
【0088】
図24はスキャナ可動部2を傾斜させるため、及び振動させるためのCPU19による処理手順を示すフローチャートであり、サブルーチンとして別途定義されている「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」(ステップS11)及び「スキャナ振動処理」(ステップS13)を反復実行することによりスキャナ可動部2の角度調整処理及びスキャナ振動処理とを継続処理する。なお、ステップS12においてCPU19はオリジナルカバー開閉センサSWの状態を調べ、「H」であればオリジナルカバー13は閉じているので、「スキャナ振動処理」は行なわずにこの処理を終了する。また、ステップS11の「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」に関しては前述したので、ここでは省略する。
【0089】
図25、図26は図24のフローチャートのステップS13からサブルーチンとしてコールされる「スキャナ振動処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。スキャナ可動部2を振動させるためには、両シリンダ6、10のピストン7、11の伸縮量を微少変化させる必要がある。従って、図25、図26のフローチャート中の「規定量」は両ピストン7、11の伸縮量を微小変化させるための予め定められている一定の変化量である。
【0090】
まず、CPU19はピストン(X)7を伸ばすことが可能であるか否かを調べ(ステップS41)、伸ばすことができなければ(ステップS41で「NO」)、ステップS50へ処理を進める。
【0091】
ステップS41において「YES」であった場合、具体的にはピストン(X)7を伸ばすことが可能である場合は、CPU19は油圧シリンダ制御出力(X)27から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量伸ばす(ステップS42)。
【0092】
次に、CPU19はピストン(Y)11を伸ばすことが可能であるか否かを調べ(ステップS43)、伸ばすことができなければ(ステップS43で「NO」)、ステップS47へ処理を進める。
【0093】
ステップS43において「YES」であった場合、具体的にはピストン(Y)11を伸ばすことが可能である場合は、CPU19は油圧シリンダ制御出力(Y)28から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばす(ステップS44)。
【0094】
次に、CPU19は油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量縮め(ステップS45)、更に油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量縮める(ステップS46)。以上により、1回の振動処理が終了する。
【0095】
前述のステップS43で「NO」であった場合、具体的にはピストン(Y)11を伸ばすことができない場合は、CPU19は油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量縮め(ステップS47)、次に油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量縮め(ステップS48)、次に油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばす(ステップS49)。以上により、1回の振動処理が終了する。
【0096】
また、前述のステップS41で「NO」であった場合、具体的にはピストン(X)7を伸ばすことができない場合は、CPU19は油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量縮める(ステップS50)。そして、CPU19は次にピストン(Y)11を伸ばすことが可能であるか否かを調べ(ステップS51)、伸ばすことができない場合(ステップS51で「NO」)、ステップS55へ処理を進める。
【0097】
前述のステップS51で「YES」であった場合、具体的にはピストン(Y)11を伸ばすことが可能である場合は、CPU19は油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばし(ステップS52)、次に油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量伸ばし(ステップS53)、次に油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量縮める(ステップS54)。以上により、1回の振動処理が終了する。
【0098】
前述のステップS51で「NO」であった場合、具体的にはピストン(Y)11を伸ばすことができない場合は、CPU19は油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量縮め(ステップS55)、次に油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量伸ばし(ステップS56)、次に油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばす(ステップS57)。以上により、1回の振動処理が終了する。
【0099】
なお、この図25、図26のフローチャートのサブルーチンの処理が終了した場合には、CPU19は図24のフローチャートのメインルーチンのステップS13の次へ処理を戻す。
【0100】
以上のように、プラテン12(プラテン面)を傾斜させると共に振動させる、または振動のみをさせることにより、シート原稿30にプラテン面上を強制的に滑り降りさせることが可能であるが、ブック原稿の場合はプラテン面が水平状態である方が原稿を載置し易い。以下にプラテン面を水平状態にするか、または水平状態から傾斜状態に戻すかの操作を行なえるようにした構成について説明する。
【0101】
図27は前述同様にスキャナ可動部2を傾斜させる処理及び振動させる処理を行なうと共に、上述のようなブック原稿をセットするためにプラテン面を水平にすることが可能な回路構成例を示すブロック図である。
【0102】
なお、スキャナ可動部2を傾斜させる処理及び振動させる処理については前述したので、ここではスキャナ可動部2、換言すればプラテン面を水平にする処理に関してのみ説明する。前述の図22の回路構成と異なる点は、入力インタフェース22にプラテン12を水平にするかまたは傾斜させるかの指示が与えられるスキャナ水平・傾斜SW29が接続されていることである。図28はSW状態表を示しており、角度調整スイッチ24及び25とオリジナルカバー開閉センサSW26とに関しては前述の図10と同様であるが、スキャナ水平・傾斜SW29からは「H」「L」の2状態を取得することが可能である。
【0103】
スキャナ水平・傾斜SW29は、スキャナ可動部2、換言すればプラテン面を水平状態にするかまたは傾斜状態に戻すかの指示をスイッチ操作により受け付けるためのものであり、スキャナ水平・傾斜SW29の状態が「H」である場合はスキャナ可動部2を水平状態にする操作が指示されていることを、「L」である場合はスキャナ可動部2を傾斜状態にする操作が指示されていることをそれぞれ意味している。
【0104】
CPU19はROM20に予め格納されているプログラムに従って入力インタフェース22を介してスキャナ水平・傾斜SW29の状態を読み込み、その状態に応じて出力インタフェース23を介して油圧シリンダ制御出力(X)27及び油圧シリンダ制御出力(Y)28から油圧シリンダ(X)6及び油圧シリンダ(Y)10へ制御信号を与えることにより、スキャナ可動部2を水平状態にし、または傾斜状態に戻す。
【0105】
なお、図29、図30はスキャナ可動部2を水平状態、具体的にはスキャナ可動部2の基準面2Pをスキャナ固定部1の基準面1Pと平行にした状態を示す模式図であり、図31はその状態におけるスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手3によるスキャナ固定部1とスキャナ可動部2との接続状態を示す模式図である。
【0106】
スキャナ可動部2を水平状態にしたり傾斜状態に戻したりする処理手順について、図32及び図33、図34のフローチャートを用いて説明する。なお、実際にはこの処理を反復して実行することにより、前述した角度調整処理及びスキャナ振動処理を継続的に実行することができ、その間にスキャナ水平・傾斜SW29からの指示があった場合にはスキャナ可動部2(プラテン12)を水平・傾斜状態にする処理を実行することが可能である。
【0107】
図32はスキャナ可動部2を傾斜させるため及び振動させるためと、スキャナ可動部2を水平・傾斜状態にする処理とのCPU19による処理手順を示すメインルーチンのフローチャートであり、サブルーチンとして別途定義されている「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」(ステップS11)及び「スキャナ振動処理」(ステップS13)を反復実行することによりスキャナ可動部2の角度調整処理及びスキャナ振動処理とを継続処理する。
【0108】
なお、ステップS14においてCPU19はスキャナ水平・傾斜SW29の状態を調べ、「H」であればスキャナ可動部2を水平にし、「L」であればスキャナ可動部2を傾斜させ、どちらでもなければなんらの処理も行なわない「スキャナ水平・傾斜SW処理」を実行する。また、ステップS15においてCPU19は、スキャナ可動部2が水平状態であるか否かを調べ、水平状態である場合には「スキャナ振動処理」は行なわない。更に、ステップS12においてCPU19はオリジナルカバー開閉センサSWの状態を調べ、「H」であればオリジナルカバー13は閉じているので、「スキャナ振動処理」は行なわずにこの処理を終了する。ステップS11の「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」及びステップS13の「スキャナ振動処理」に関しては前述したので、ここでは省略する。
【0109】
図33、図34は図32のフローチャートのステップS14からサブルーチンとしてコールされる「スキャナ水平・傾斜SW処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。スキャナ可動部2を水平状態にしたり傾斜状態に戻したりするためには、スキャナ可動部2の傾斜角度を段階的に変化させる必要がある。従って、図33、図34のフローチャート中の「規定量」は両ピストン7、11の伸縮量を段階的に変化させるための予め定められている一定の変化量である。また、スキャナ可動部2を傾斜状態に戻す場合には、ある一定の傾斜状態にする、換言すれば両ピストン7、11の伸縮量をそれぞれに予め定められている定位置とする。
【0110】
まず、CPU19はスキャナ水平・傾斜SW29の状態が「H」であるか否かを調べ(ステップS61)、「H」である場合(ステップS61で「YES」)、具体的にはスキャナ水平・傾斜SW29の操作によりスキャナ可動部2を水平状態にするように指示されている場合には、ステップS62へ処理を進め、「H」でない場合は(ステップS61で「NO」)、ステップS69へ処理を進める。
【0111】
ステップS62においてCPU19は、ピストン(X)7を縮めることが可能であるか否かを示すフラグを「0」にセットする(フラグ=0)。なお、「フラグ=0」はピストン(X)7を縮めることが可能であることを、「フラグ=1」はピストン(X)7を縮めることができないことをそれぞれ意味する。
【0112】
次にCPU19は、ピストン(X)7を縮めることが可能であるか否かを調べ(ステップS63)、縮めることが可能である場合は(ステップS63で「YES」)、ステップS64へ処理を進め、ピストン(X)7を縮めることができない場合は(ステップS63で「NO」)、ステップS65へ処理を進める。
【0113】
ステップS64においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(X)27から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量縮める。一方、ステップS65ではCPU19は、ステップS63においてピストン(X)7を縮めることができなかったため、フラグを「1」にセットする(フラグ=1)。
【0114】
次にCPU19は、ピストン(Y)11を縮めることが可能であるか否かを調べ(ステップS66)、縮めることが可能である場合は(ステップS66で「YES」)、ステップS67へ処理を進め、ピストン(Y)11を縮めることができない場合は(ステップS66で「NO」)、ステップS68へ処理を進める。
【0115】
ステップS67においてCPU19は、油圧シリンダ制御出力(Y)28から制御信号を出力することにより油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量縮め、ステップS63へ処理を戻す。一方、ステップS68ではCPU19は、フラグの値が「1」であるか否かを調べる。フラグが「1」にセットされている場合(ステップS68で「YES」)、ピストン(X)7は既に縮めることができず、またピストン(Y)11もステップS66において縮めることができないことが判明しているので、スキャナ可動部2は既に水平状態になっているとして、この「スキャナ水平・傾斜SW処理」を終了する。
【0116】
なお、ステップS68でフラグが「1」にセットされていない場合(「0」にセットされている場合)、ピストン(Y)11は既に縮めることができないが、ピストン(X)7は縮めることが可能であるので、更にピストン(X)7を縮めるためにステップS63へ処理を戻す。
【0117】
ステップS61において「NO」であった場合、CPU19はステップS69へ処理を進めるが、このステップS69においてスキャナ水平・傾斜SW29の状態が「L」である場合(ステップS69で「YES」)、具体的にはスキャナ水平・傾斜SW29の操作によりスキャナ可動部2を傾斜状態にするように指示されている場合には、ステップS70へ処理を進め、「L」でない場合(ステップS69で「NO」)、即ちスキャナ水平・傾斜SW29によるスキャナ可動部2の水平・傾斜の指示が行なわれていない場合は、いずれの指示も行なわれていないため、この「スキャナ水平・傾斜SW処理」を終了する。
【0118】
ステップS70においてCPU19は、ピストン(X)7が定位置まで既に伸びているか否かを示すフラグを「0」にセットする(フラグ=0)。なお、ここでの「フラグ=0」はピストン(X)7が定位置まで未だ伸びていないことを、「フラグ=1」はピストン(X)7が定位置まで既に伸びていることをそれぞれ意味する。
【0119】
次にCPU19はピストン(X)7が定位置まで伸びているか否かを調べ(ステップS71)、伸びていない場合は(ステップS71で「NO」)、ステップS72へ処理を進め、ピストン(X)7が定位置まで伸びている場合は(ステップS71で「YES」)、ステップS73へ処理を進める。
【0120】
ステップS72においてCPU19は、油圧シリンダ(X)6を制御してピストン(X)7を規定量伸ばす。一方、ステップS73ではCPU19は、ピストン(X)7が既に定位置まで伸びているので、フラグを「1」にセットする(フラグ=1)。
【0121】
次にCPU19はピストン(Y)11が定位置まで伸びているか否かを調べ(ステップS74)、伸びていない場合は(ステップS74で「NO」)、ステップS75へ処理を進め、ピストン(Y)11が定位置まで伸びている場合は(ステップS74で「YES」)、ステップS76へ処理を進める。
【0122】
ステップS75においてCPU19は、油圧シリンダ(Y)10を制御してピストン(Y)11を規定量伸ばし、ステップS71へ処理を戻す。一方、ステップS76ではCPU19は、フラグが「1」であるか否かを調べる。フラグが「1」にセットされている場合(ステップS76で「YES」)、ピストン(X)7は既に定位置にまで伸びており、またピストン(Y)11もステップS74において定位置にまで伸びていることが判明しているので、スキャナ可動部2は既に傾斜状態になっているとして、この「スキャナ水平・傾斜SW処理」を終了する。なお、ステップS76で「NO」、即ちフラグが「1」にセットされていない場合(「0」にセットされている場合)、ピストン(Y)11は既に定位置にまで伸びているが、ピストン(X)7は未だ定位置まで伸びていないので、更にピストン(X)7を定位置にまで伸ばすためにステップS71へ処理を戻す。
【0123】
以上のようにして、スキャナ水平・傾斜SW29によりスキャナ可動部2を水平状態にすることが指示されている(スキャナ水平・傾斜SW29の状態が「H」)場合は両ピストン7、11が共に完全に縮められた状態になってスキャナ可動部2が水平状態にされる。一方、スキャナ水平・傾斜SW29によりスキャナ可動部2を傾斜状態にすることが指示されている(スキャナ水平・傾斜SW29の状態が「L」)場合は両ピストン7、11が共に定位置にまで伸縮した状態にされてスキャナ可動部2が所定の角度で傾斜状態にされる。
【0124】
なお以上に説明した実施の形態では、スキャナ可動部2を支持すると共に傾斜させるアクチュエータとして油圧で伸縮するピストンを有する油圧シリンダを使用する例について説明したが、油圧シリンダに代えてたとえば空気圧で伸縮するピストンを有するエアシリンダを使用することも可能であり、更にラック・アンド・ピニオン、ボールねじをモータで駆動させる構成等によっても同様の作用・効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
【0125】
また更に以上に説明した実施の形態では、シリンダ(X)6及びピストン(X)7とシリンダ(Y)10及びピストン(Y)11とでスキャナ可動部2をスキャナ固定部1で支持する構成としているが、スキャナ固定部1の頂点角40の二等分線42上の原稿セット基準点32からなるべく遠い一点においてスキャナ可動部2をスキャナ固定部1に対して接近・離隔させる構成によっても同様の作用・効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
【0126】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明のスキャナによれば、プラテン面上に原稿を載置した際の原稿ズレを未然に防止出来るのみならず、プラテン面を直接目視することが出来ない背の低い人、子供、車椅子を使用している身体障害者、この種の装置の操作に不慣れな人等でも原稿を容易に原稿セット基準点に合わせてセットすることが可能になるので、適切な印字物が入手できる。
【0127】
一般にスキャナでは、原稿の一頂点をプラテン面の一頂点に設定されている原稿セット基準点に正確に一致させてセットする必要がある。本発明のスキャナでは、原稿セット基準点が最も下側になるようにプラテン面を傾斜させることにより、シート原稿をプラテン上に置くのみにて、シート原稿がプラテン面上を滑って原稿セット基準点へ移動するため、ユーザが自身の手で原稿を原稿セット基準点に一致させてセットする必要がなくなり、操作性が向上する
【0128】
特に、近年ではこの種の装置の多機能化が進み、複数の給紙カセットが装置の下側に配置される等の理由により装置全体の高さが高くなる傾向にあるため、背の低いユーザ、又は車椅子を使用している身体障害者等のユーザにおいては原稿が正規の位置にセットされたか否かを目視にて直接確認出来ない場合があるが、本発明のスキャナでは傾斜しているプラテン上にシート原稿を載置するのみにてシート原稿の一頂点が原稿セット基準点に自動的に一致した状態にセットされるので、原稿に対してズレのない印字物が容易、かつ確実に得られる。
【0129】
また、プラテン面にセットされるシート原稿の紙質、湿度等の条件によシートり原稿とプラテン面との間の摩擦係数が大きい場合には、プラテン面を一定の角度に傾斜させたのみでは原稿が自動的に移動しない可能性もあり得るが、そのような場合にはプラテン面の傾斜を調整することである程度は対処可能である。
【0130】
逆に、プラテン面の傾斜が大きすぎる場合にはシート原稿の滑り速度が大きくなりすぎてプラテン面から落下する可能性があり、また原稿の遇部がカールしているような場合にも原稿がプラテン面から落下する可能性がある。しかし、本発明のスキャナでは、原稿ガイド上に原稿落下防止用のカバーを設けてあるため、原稿がプラテン上から落下する可能性は極めて小さい。
【0131】
更に、プラテン面の傾斜を調整しても原稿がプラテン面上を滑らない可能性もあり得るが、本発明のスキャナでは、プラテンを振動させることにより、原稿とプラテン面の摩擦を減少させて原稿の滑りを促進させることが可能である。
【0132】
なお、原稿の種類によってはプラテン面を傾斜させないほうが好ましい場合もあり得る。たとえば、ブック原稿の場合にはプラテン面を水平にしておいた方が原稿のプラテン面への載置が容易である。また、背の高いユーザにとってはプラテンを傾斜させる必要性がない場合があり、むしろ煩わしく感じることさえありうる。従って、本発明のスキャナでは、ユーザの事情に合わせてプラテンを傾斜させることも、傾斜させないことも任意に選択としてあり、ユーザによる操作性が向上する。
【0133】
更にまた、本発明のスキャナでは、シート原稿がプラテン面上に載置された場合に、ユーザが直接原稿のセット位置を確認できない状態であっても自動的に正規の位置にシート原稿がセットされるように制御されるため、原稿に対してズレのない印字物が容易、かつ確実に自動的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスキャナの一実施形態においてプラテンを傾斜させた状態を示す模式図である。
【図2】本発明のスキャナの一実施形態においてプラテンを傾斜させた状態を示す模式図である。
【図3】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(X)によるスキャナ可動部とピストン(X)との接続状態の構成例を示す模式図である。
【図4】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(X)によるスキャナ固定部と油圧シリンダ(X)との接続の構成例を示す模式図である。
【図5】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部・ピストン接続自在継手(Y)によるスキャナ固定部と油圧シリンダ(Y)10との接続状態の具体的な構成例を示す模式図である。
【図6】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(Y)によるスキャナ可動部とピストン(Y)との接続状態の具体的な構成例を示す模式図である。
【図7】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手によるスキャナ固定部とスキャナ可動部との接続状態の具体的な構成例を示す模式図である。
【図8】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部がスキャナ固定部に対してほぼ最大限分離した状態をスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手が備えられている位置とは逆側の方向から見た状態を示す模式図である。
【図9】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部の傾斜角度を調整制御するための回路構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す回路構成のスイッチ状態表である。
【図11】本発明のスキャナの一実施形態において傾斜角度を大きくした場合のスキャナ可動部の状態を示す模式図である。
【図12】本発明のスキャナの一実施形態において傾斜角度を大きくした場合のスキャナ可動部の状態を示す模式図である。
【図13】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を傾斜させるための処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明のスキャナの一実施形態において図13のフローチャートからコールされる「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明のスキャナの一実施形態において図13のフローチャートからコールされる「角度調整SW(X)・SW(Y)処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部の傾斜が調整されてプラテンのプラテン面が傾斜した状態を示す模式図である。
【図17】本発明のスキャナの一実施形態においてシート原稿がプラテン面上を滑り降りてその一頂点が原稿セット基準点に一致した状態でセットされた状態を示す模式図である。
【図18】本発明のスキャナの一実施形態において原稿ガイド(X)と原稿ガイド(Y)とに跨って原稿セット基準点を一頂点とする三角形状の原稿ガイドカバーが備えられている状態を示す模式図である。
【図19】本発明のスキャナの一実施形態においてシート原稿がその一頂点が原稿セット基準点に一致した状態でプラテン上にセットされた状態を示す模式図である。
【図20】本発明のスキャナの一実施形態において原稿ガイドカバーの構成を示す図19のA−A断面図である。
【図21】本発明のスキャナの一実施形態において原稿ガイドカバーの構成を示す図19のA−A断面図である。
【図22】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を傾斜させる操作の指示と、スキャナ可動部を振動させる操作の指示との双方のための回路構成を示すブロック図である。
【図23】図22に示す回路構成のスイッチ状態表である。
【図24】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を傾斜させるため、及び振動させるための処理手順を示すフローチャートである。
【図25】本発明のスキャナの一実施形態において図24のフローチャートからコールされる「スキャナ振動処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明のスキャナの一実施形態において図24のフローチャートからコールされる「スキャナ振動処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を傾斜させる処理及び振動させる処理を行なうと共に、プラテン面を水平にすることが可能な回路構成例を示すブロック図である。
【図28】図27に示す回路構成のスイッチ状態表である。
【図29】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を水平状態にした状態を示す模式図である。
【図30】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を水平状態にした状態を示す模式図である。
【図31】本発明のスキャナの一実施形態において図29、図30の状態におけるスキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手によるスキャナ固定部とスキャナ可動部との接続状態を示す模式図である。
【図32】本発明のスキャナの一実施形態においてスキャナ可動部を傾斜させるため及び振動させるためと、スキャナ可動部を水平・傾斜状態にする処理との処理手順を示すフローチャートである。
【図33】本発明のスキャナの一実施形態において図32のフローチャートからコールされる「スキャナ水平・傾斜SW処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図34】本発明のスキャナの一実施形態において図32のフローチャートからコールされる「スキャナ水平・傾斜SW処理」の実際の処理手順を示すフローチャートである。
【図35】従来技術を示す模式図である。
【符号の説明】
1 スキャナ固定部
2 スキャナ可動部
3 スキャナ固定部・スキャナ可動部接続球面継手
4 スキャナ可動部・ピストン接続自在継手(X)
5 スキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(X)
6 油圧シリンダ(X)
7 ピストン(X)
8 スキャナ可動部・ピストン接続自在継手(Y)
9 スキャナ固定部・油圧シリンダ接続自在継手(Y)
10 油圧シリンダ(Y)
11 ピストン(Y)
12 プラテン
14 原稿ガイド(X)
15 原稿ガイド(Y)
17 原稿ガイドカバー
18 原稿ガイドカバー溝
19 CPU
20 ROM
24 角度調整SW(X)
25 角度調整SW(Y)
26 オリジナルカバー開閉センサSW
29 スキャナ水平・傾斜SW
30 シート原稿
32 原稿セット基準点
Claims (11)
- 原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナにおいて、
前記プラテンは、原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢と、プラテン面が前記第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢とをとり得るようにしてあり、
前記プラテンが前記第2の姿勢をとっている場合に、前記プラテンを振動させるようにしてあること
を特徴とするスキャナ。 - 前記第2の姿勢は、前記基準点が最も下側になるようにプラテン面を傾斜させた姿勢であることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ。
- 前記プラテンは、プラテン面の前記基準点を通る2辺に平行な2軸方向に移動及び/又は傾斜するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のスキャナ。
- 前記プラテンが前記第1の姿勢をとっている場合にのみ、プラテン面上に載置された原稿をプラテン面と平行に相対移動しつつ読み取る光学系を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスキャナ。
- 前記基準点から前記2軸方向それぞれにプラテン面の外郭に沿ってプラテン面上に突出して設けられた規制部材と、
プラテン面と適長離隔して前記両規制部材に跨って支持された原稿落下防止用カバーと
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載のスキャナ。 - 前記原稿落下防止用カバーは、前記基準点を1頂点とし、前記両規制部材を前記1頂点を挟む2辺とする三角形状に前記プラテン面を覆うように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のスキャナ。
- 原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナにおいて、
固定部と、
前記プラテンを備え、プラテン面の前記基準点を通る2辺に平行な2軸方向に移動及び/又は傾斜可能に前記固定部に支持された可動部と、
該可動部を前記固定部に対して前記2軸方向に移動及び/又は傾斜させて、原稿の読み取りを行なうための第1の姿勢と、プラテン面が前記第1の姿勢におけるプラテン面とは平行でない第2の姿勢とをとらせるアクチュエータと、
該アクチュエータを駆動制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記プラテンが前記第2の姿勢をとっている状態において外部からの指示が与えられた場合に、前記プラテンを振動させるよう前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とするスキャナ。 - 前記制御手段は、初期状態として前記第2の姿勢をとるように、次いで前記第1の姿勢をとるように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする請求項7に記載のスキャナ。
- 前記制御手段は、外部からの指示が与えられた場合に、プラテン面の傾斜角度を任意に設定及び/又は調整するように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする請求項7又は8に記載のスキャナ。
- 前記制御手段は、外部からの指示が与えられた場合に、プラテン面に前記第1の姿勢または前記第2の姿勢のいずれかを強制的にとらせるように前記アクチュエータを駆動制御するようにしてあることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のスキャナ。
- 原稿の読み取りを行なうために原稿の一頂点を一致させるべき基準点がプラテン面の一頂点に設定されているプラテンを備え、プラテン面上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナの原稿位置最適化制御方法において、
原稿が載置されている状態で前記プラテンを傾斜させるステップと、
前記基準点に原稿の一頂点を一致させるべく前記プラテンを振動させるステップと、
原稿の読み取りを行なうために前記プラテンを水平状態にさせるステップと
を含むことを特徴とするスキャナの原稿位置最適化制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002071976A JP4052855B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002071976A JP4052855B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270738A JP2003270738A (ja) | 2003-09-25 |
JP4052855B2 true JP4052855B2 (ja) | 2008-02-27 |
Family
ID=29202099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002071976A Expired - Fee Related JP4052855B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4052855B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101945199B (zh) | 2004-09-21 | 2012-05-30 | 兄弟工业株式会社 | 图像处理设备 |
US8243339B2 (en) * | 2005-08-31 | 2012-08-14 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Multifunction apparatus that can be configured to a plurality of dimensions |
KR101330435B1 (ko) * | 2013-05-22 | 2013-11-15 | (주)오맥스 | 북 스캐너 |
-
2002
- 2002-03-15 JP JP2002071976A patent/JP4052855B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003270738A (ja) | 2003-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6101291A (en) | Platen-based image-aquisition apparatus having preview feature | |
US8218016B2 (en) | Image stabilization mechanism for camera module | |
JP4052855B2 (ja) | スキャナ及びその原稿位置最適化制御方法 | |
US9432534B2 (en) | Image reading apparatus and image forming apparatus | |
JP4215231B2 (ja) | 画像読み取り装置及び画像形成装置 | |
JP2010041427A (ja) | 画像読取装置、画像形成装置、制御方法、制御プログラム及び記録媒体 | |
TWI288257B (en) | Lens moving mechanism, image formation unit, and electronic machine | |
JPH06250296A (ja) | 本原稿台 | |
JP6916516B2 (ja) | ヒンジ | |
EP1173000B1 (en) | Image reading apparatus and original cover thereof | |
JPH11196235A (ja) | 画像読取装置 | |
JPH0983692A (ja) | 複合装置 | |
JP2000235226A (ja) | 書画カメラ装置 | |
KR20050056411A (ko) | 책 전용 스캐너 | |
JPH048420Y2 (ja) | ||
JPH07250219A (ja) | 本原稿台 | |
JP2010056784A (ja) | 画像読取装置 | |
JP3260889B2 (ja) | 本原稿台 | |
JP2000224386A (ja) | 画像読み取り装置 | |
JP2020017991A (ja) | 画像読取装置及び画像形成装置 | |
JPH0983684A (ja) | 複合装置 | |
JPH0779326A (ja) | 画像読取装置 | |
JP2007127864A (ja) | 撮像装置、レンズの駆動方法、及び、レンズの駆動プログラム | |
JPH0758926A (ja) | ブック原稿の原稿台 | |
JP2003219110A (ja) | 画像読み取り装置及び方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040728 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071204 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071204 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4052855 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |