JP4051877B2 - 曲面上メッシュデータ作成装置及び曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲面上メッシュデータ作成装置及び曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体にかかり、特に、CAD(Computer Aided Design)における曲面データからFEM(有限要素解析)等に適用可能な曲面上メッシュデータを作成する装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車分野をはじめとするプレス部品を利用する分野では、プレス成形にかかる金型製作費の低減や生産準備にかかる日程の短縮を主な目的として、FEM(有限要素解析)を用いたプレス成形シミュレーションが広く利用されている。これにより、事前にシミュレーションを行うことによって成形性を予め検討し、設計された型の修正を最小限に止めることが可能となる。
【0003】
有限要素解析を行うための従来の作業手順としては、まず、CAD上で三次元曲面形状データを作成する。この曲面形状データは、n次のスプライン関数(区分的多項式関数)で表現され、複数の曲面片の結合から成る(図3参照)。次に、この曲面形状データと所定の基準平面との交線を周囲線として抽出し、この周囲線に囲まれる平面形状データを等ピッチの格子状メッシュデータ(又は網目データ、ワイヤフレームデータ)に変換する(図7参照)。そして、この平面に生成されたメッシュデータを曲面上に投影して、曲面上メッシュデータを作成する(図15参照)。このとき、このデータの変換処理は、CAD上ではなく別個のシステム上で実行するため、CADで作成した曲面形状データを変換処理用のシステムに転送して上記処理を行う必要がある。そして、変換処理されたメッシュデータは有限要素解析用システムに転送され、当該メッシュデータに基づいた有限要素解析が行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、平面形状データに対して生成された等ピッチの格子状メッシュがベースであるため、CADデータの曲率に対応したメッシュが形成できないという問題が生じる。すなわち、基準平面上の形状データに生成されたメッシュデータは、その上方にある曲面の形状のいかんによらず生成されるため、この等ピッチのメッシュを曲面上に投影すると、曲率の大きい部分のメッシュサイズが大きくなってしまったり、曲率が小さいにも関わらずメッシュサイズが小さくなってしまったりと、平面上のメッシュに対して曲面上のメッシュの形状が変形し、形状近似度の低下やメッシュ数及び節点数の増加に伴うデータ量の膨大化を招いてしまう。
【0005】
また、曲率の大きい部分の形状近似度を上げようとしてあらかじめ細かいメッシュとすると、曲率の小さい部分も同様のメッシュサイズとなり、全体では膨大なメッシュ数が必要となる。そして、膨大なメッシュの要素数は、保存のために多くのディスク容量を必要とし、また、計算およびグラフィック処理において計算機に負担がかかり、各種の作業工程も増大し、解析時間も増大するという問題が生じる。
【0006】
【発明の目的】
本発明では、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に形状近似度に影響のない平面部分などはメッシュサイズを大きくすることにより、形状近似度の低下を抑制することができると共に、メッシュの要素数の削減しメッシュデータ量の減少を図ることができ、全体として効率のよいメッシュを自動的に作成することができる曲面上メッシュデータ作成装置及びプログラムを提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、所定の処理能力を有する演算装置を備え、CADにおける解析対象の表面形状が定義された曲面データから解析モデルデータとしてFEMに適用可能な曲面上メッシュデータを作成する曲面上メッシュデータ作成装置において、
前記演算装置が、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出機能と、曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出機能と、所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成機能と、周囲線の近傍に位置する格子状のメッシュ線の交点である節点をメッシュ線と共に周囲線上に移動する平面メッシュ変形機能と、節点を曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点をメッシュ線に沿って連結して曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影機能と、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの外周の長さを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの外周の長さを算出する仮結合形状データ算出機能と、前記曲面仮結合メッシュの外周の長さが、前記平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにあるか否かを判定する形状データ比較機能と、この比較機能による判定結果が真となった場合に限って前記仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュに定義するメッシュ再定義機能とを備えた、という構成を採っている。
【0008】
このようにすることにより、まず、演算装置の形状データ読出機能にて、曲面形状データが読み出される。続いて、演算装置の周囲線抽出機能にて、曲面形状データとあらかじめ定められた基準平面との交線が周囲線として抽出される。そして、演算装置の平面メッシュ生成機能にて、基準平面に等ピッチのメッシュ線が形成され、平面メッシュが生成される。続いて、演算装置の平面メッシュ変形機能にて、周囲線の近傍に位置する平面メッシュが、周囲線に対応して変形される。これにより、形状近似度の向上を図っている。続いて、演算装置の節点投影機能により、平面メッシュの節点が平面に形成されたメッシュが曲面上に投影されることによって曲面上にメッシュが生成される。そして、演算装置の仮結合形状データ算出機能により、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの外周の長さと当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの外周の長さとが算出される。次いで、演算装置の形状データ比較機能により、前記曲面仮結合メッシュの外周の長さが、前記平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにあるか否かが判定される。そして、判定結果が真となった場合に限り、演算装置のメッシュ再定義機能により前記仮結合メッシュが新たな1つの曲面メッシュとして定義される。
曲面仮結合メッシュの外周の長さが、平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにある場合、つまり、節点投影の前後で変化が少なく平面に対して曲面の曲率が低いと考えられ、メッシュを再定義しても形状近似度を落とさない場合にだけ仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュとして定義するようにしているので、曲率が小さい箇所はメッシュを粗く、すなわち、大きく形成し、曲率の小さいところはメッシュを細かく、すなわち、小さく形成することができる。これにより、形状近似度を低下させることなく、メッシュ数を削減することができ、解析等に用いるデータ量の削減を図ることができる。
なお、ここでいう所定の値とは、メッシュを再定義しても形状近似度を落とさない程度の値であり、具体的には、0≦Ev<1を条件として1.0+Evの範囲、より望ましくは、Evが0.03〜0.1となる範囲である。
【0009】
前述した仮結合形状データ算出機能を、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの面積を算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの面積を算出する仮結合形状データ算出機能に置き換えると共に、
前述した形状データ比較機能を、前記曲面仮結合メッシュの面積が前記平面仮結合メッシュの面積に予め決められた所定の値を乗じた範囲内の面積にあるか否かを判定する形状データ比較機能に置き換えてもよい。
実質的に前記と同等の効果を得ることができる。
【0011】
また、演算装置のメッシュ再定義機能にて結合される曲面メッシュの個数が、所定の整数の2乗であると望ましい。これにより、例えばメッシュが正方形の場合には、再定義されるメッシュも正方形となるというように、もとのメッシュと同一形状のメッシュを再定義することができ、解析等に用いるときに利用が容易であると共に要素数が削減されたメッシュデータを作成することができる。
【0025】
さらに、本発明では、所定の処理能力を有する演算装置を用いて、CADにおける解析対象の表面形状が定義された曲面形状データから解析モデルデータとしてFEMに適用可能な曲面上メッシュデータを作成する曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記演算装置に、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出処理と、曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出処理と、所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成処理と、周囲線の近傍に位置する格子状のメッシュ線の交点である節点をメッシュ線と共に周囲線上に移動する平面メッシュ変形処理と、節点を曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点を変形されたメッシュ線に沿って連結して曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影処理と、
曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの外周の長さを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの外周の長さを算出する仮結合形状データ算出処理と、前記曲面仮結合メッシュの外周の長さが、前記平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにあるか否かを判定する形状データ比較処理と、この比較処理による判定結果が真となった場合に限って仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュに定義するメッシュ再定義処理とを実行させる曲面上メッシュデータ作成用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体をも提供している。
前記仮結合形状データ算出処理に代えて、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの面積を算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの面積を算出する仮結合形状データ算出処理を前記演算装置に実行させると共に、
前記形状データ比較処理に代えて、前記曲面仮結合メッシュの面積が、前記平面仮結合メッシュの面積に予め決められた所定の値を乗じた範囲内の面積にあるか否かを判定する形状データ比較処理を前記演算装置に実行させるようにしてもよい。これにより、上記目的を達成しようとするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図18に基づいて説明する。
【0027】
本実施形態による曲面上メッシュデータ作成方法は、コンピュータ等の演算装置を使用してCADデータ等の曲面形状データから解析モデルであるメッシュデータを作成する。この作成されたメッシュデータを用いて、有限要素法(FEM)等による解析を行うことができる。そして、主に2輪、4輪、特機の全てのプレス部品に適用可能である。
【0028】
〈全体構成〉
図1は、本発明の一実施形態の構成例を示すフローチャートである。図1を参照すると、本実施形態による曲面上メッシュデータ作成方法は、曲面形状データを読み出す形状データ読出工程(ステップS1)と、曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出工程(図示せず)と、所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成工程(ステップS2)と、周囲線の近傍に位置する格子状のメッシュ線の交点である節点をメッシュ線と共に周囲線上に移動する平面メッシュ変形工程(ステップS3)と、節点を曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点をメッシュ線に沿って連結して曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影工程(ステップS4)と、曲面メッシュのうち互いに近接する所定の複数の曲面メッシュを結合して新たな1つの曲面メッシュを定義するメッシュ再定義工程(ステップS5)と、再定義されたメッシュをディスプレイに表示する等の処理を行うメッシュ作成後工程(ステップS6)とを備えている。
【0029】
そして、上記工程における所定の処理は、所定の処理能力を有する演算装置を用いて実行されるようになっている。以下、これを詳述する。
【0030】
〈演算装置〉
図2に、本実施形態において使用される演算装置の構成例のブロック図を示す。本実施形態における演算装置としては、所定の情報処理能力を有するコンピュータ1を用いている。このコンピュータ1は、CPU11と、このCPU11の作業用メモリとなる主記憶部12と、曲面形状データあるいはメッシュデータ等を記憶する記憶装置13とを備えている。また、このコンピュータ1は、作成したメッシュデータ等を表示するディスプレイ14と、CPU11に対して各種命令を入力するキーボード15とを備えている。但し、キーボード15は、他の入力装置、例えばマウス等であってもよい。
【0031】
そして、記憶装置13には、CADにより作成された曲面形状データが格納されている。この曲面形状データは、CPU11が有する後述する各機能が作動することにより上記工程の手順に従って処理され、当該曲面形状データに基づいたメッシュデータが作成されるようになっている。
【0032】
また、上記演算装置としてのコンピュータ1は、ネットワーク16を介して解析システム17に接続されている。そして、コンピュータ1にて作成されたメッシュデータは、ネットワーク16を介して解析システム17に送信される。当該解析システム17は、メッシュデータに基づいて、例えば、有限要素法(FEM)などにより構造解析等を行う。
【0033】
ここで、上記演算装置としてのコンピュータ1は、ワークステーション等の比較的処理能力の高いコンピュータであることが望ましい。また、曲面形状データは、あらかじめコンピュータ1の記憶装置に格納されていなくてもよい。ネットワーク16に接続された他のコンピュータにて作成され、当該他のコンピュータから受信してもよい。さらに、解析システム17は、ネットワーク16に接続されたものに限定されない。当該演算装置としてのコンピュータ1が解析システム17として動作してもよい。
【0034】
〈形状データ読出工程〉
形状データ読出工程にて、上記コンピュータ1の作業メモリである主記憶部12に、記憶装置13に記憶された曲面形状データを読み出す。図3に読み出される曲面形状データ2の一例を示す。この曲面形状データ2は、n次のスプライン関数(区分的多項式関数)で表現され、複数の曲面片の結合から成るものである。
【0035】
〈周囲線抽出工程〉
後述する平面メッシュを生成するための前処理として、平面メッシュの生成前処理工程が備えられている。この平面メッシュの生成前処理工程は、前述した周囲線抽出工程を含んでいる。以下、この周囲線抽出工程を含めて、平面メッシュの生成前処理工程を図4乃至図5を参照して説明する。図4は、平面メッシュ生成前処理工程の手順を示すフローチャートであり、図5は、その処理結果を示す図である。
【0036】
まず、形状データ読出工程にて読み出した曲面形状データと、所定の平面、(あらかじめ定められた基準平面)との交線を周囲線として抽出する(周囲線抽出工程、ステップS11)。本実施形態では、図3に示された立体的形状の底面に該当するXY平面を基準平面として周囲線21を抽出した。周囲線21の周出例を図5(a)に示す。この周囲線21は、曲面形状データと同様に、n次のスプライン関数で表現されている。
【0037】
続いて、周囲線21をスプライン関数により表現される曲線の最小単位にセグメント分解する(ステップS12)。そして、分解された各セグメントのX,Y座標値の最大値及び最小値をそれぞれ算出し、この結果から周囲線21全体でのX,Y座標値の最大値と最小値をそれぞれ算出する(ステップS13)。その後、算出されたX,Y座標の各最大値及び最小値の結果に基づいて、図5(b)に示すように周囲線21全体を囲む包含矩形22を仮定する(ステップS14)。この際、対角点a,bの座標を割り出してから包含矩形22を仮定する。この包含矩形22の内側の領域を以降の処理を行う対象として限定する。こうして平面メッシュの作成前処理が完了すると、平面メッシュの生成が実行される(図1のステップS2)。
【0038】
〈平面メッシュ生成工程〉
平面メッシュ生成工程を、図6乃至図7を参照して説明する。図6は、平面メッシュ生成工程の手順を示すフローチャートであり、図7は、その処理結果を示す図である。
【0039】
上記コンピュータ1に、キーボード15等の入力手段からメッシュピッチが入力されると、指定されたメッシュピッチにより、包含矩形22で囲まれた処理範囲内で基準平面に等方の格子状メッシュを仮定する(ステップS21)。当該基準平面にメッシュ線を仮定した例を図7に示す。ここで、仮定するメッシュは「等方」のものに限らず、長方形や他の多角形にすることも可能である。そして、周囲線21とメッシュ線との交点を算出する(ステップS22)。ここで、周囲線21とメッシュ線との交点は複数存在し、各交点の座標を個別に算出する。
【0040】
ここで、周囲線21とメッシュ線との交点は、例えば次の手順で算出する。まず、セグメント化した個々の曲線データについてそれぞれ包含矩形を求め、それらの曲線と交点を持つと考えられるメッシュ線を限定する。そして、限定したメッシュ線と曲線データとの交点を高次方程式の解法により求める。即ち、互いの線上点の距離が0となる位置を求める。この場合、例えばニュートンラプソン法等の収束演算を用いることができる。そして、算出した各交点の情報は、メッシュ線毎にリスト化し管理する(ステップS23)。
【0041】
〈平面メッシュ変形工程〉
続いて、平面メッシュの変形処理を実行する(図1のステップS3)。この平面メッシュの変形処理では、周囲線21の近傍に位置するメッシュの所定の節点をメッシュ線の移動を伴いながら当該周囲線21上に移動する。ここで、節点とは、縦横のメッシュ線の交点をいう。以下、この処理を図8乃至図11を参照して、平面メッシュの変形(1)と平面メッシュの変形(2)との2つの処理に分けて説明する。図8、図9は、平面メッシュ変形処理の手順を示すフローチャートであり、図10は、処理手順を示す説明図であり、図11は、処理結果を示す図である。また、図10では、一つのメッシュ(網目)を拡大して図示しており、点線M1 が変形前のメッシュ線を、実線M2 が変形後のメッシュ線を表している。
【0042】
平面メッシュの処理(1)を、図8及び図10(a)を参照して説明する。この処理は、先ほど算出した周囲線21とメッシュ線M1 との交点Pc (Pc は位置ベクトル、以下同じ)に最も近い節点Pb (Pb は位置ベクトル、以下同じ)を特定し、この節点Pb を周囲線21上の所定位置に移動するものである。ここで、以下の説明において、周囲線21の内側に位置する節点を有効節点PO (PO は位置ベクトル、以下同じ)といい、図10の中で○印で示す。また、周囲線21の外側に位置する節点を無効節点Px (Px は位置ベクトル、以下同じ)といい、同図において×印で示す。
【0043】
まず、周囲線21とメッシュ線M1 との交点Pc を一つ選択し、当該交点Pc からこれを挟む有効節点Po 及び無効節点Px までの距離Do ,Dx を算出する(ステップS31)。この距離Do ,Dxを図10(a)に示す。
Do =|Po −Pc |
Dx =|Px −Pc |
この結果から、節点Po ,Px のうち交点Pc に近いほうの節点を選択し、これをPb と置く(ステップS32)。図10(a)では、Px の方が交点Pc に近いので、Pb =Px となる。続いて、節点Pb から最も近い周囲線21上の点Pa を算出する(ステップS33)。周囲線21上の最近点は、例えば、ニュートンラプソン法等の収束演算を用い高次方程式の解法により算出される。そして、節点Pb を周囲線21上の最近点Pa に移動する(ステップS34)。図10(a)では、左上の節点Pb が、その下の交点Pc より幾分左に位置する周囲線21上の最近点Pa に移動される。これに伴って当該節点Pb に接続されているメッシュ線もM1 からM2 に移動する。ここで、メッシュ線の情報が節点の情報(節点の座標と各節点の接続関係)のみで特定されている場合は、節点の移動により概念的にメッシュ線もこれに伴って移動されたものと考えて良い。即ち、必ずしもメッシュ線の情報が節点の情報と別個独立に存在し、メッシュ線の情報自体を操作するという処理を伴うものでなくても良い。
【0044】
以上説明した図10(a)のステップS31〜ステップS34の処理は、周囲線21とメッシュ線との全ての交点について実行される(ステップS35)。すなわち、処理していない交点が残っている場合には、ステップS31に戻ることになる。
【0045】
続いて、平面メッシュの処理(2)を、図9及び図10(b)を参照して説明する。図10(b)に示すように周囲線21に不連続な点Pe (Pe は位置ベクトル、以下同じ)がある場合、当該不連続点Pe を囲む4つの節点P1 ,P2 ,P3 ,P4 (それぞれ位置ベクトル、以下同じ)のうち該不連続点Pe に最も近い節点を該不連続点Pe に移動する処理を実行する。ここで、不連続な点(以下、端点という)とは、周囲線21がそれぞれ異なるスプライン関数で表現される複数の線分の結合から成る箇所であり、その結合点をいう。
【0046】
まず、周囲線21の端点Pe を抽出する(ステップS41)。ここで、図10(b)における周囲線21の凸部が端点Pe であるとする。続いて、端点Pe を囲む4つの節点P1 ,P2 ,P3 ,P4 を特定する(ステップS42)。このとき、図10(b)において、節点P1 ,P2 は、先に説明した図8のステップS31〜S35の処理により既に周囲線21上の点P11,P22に移動された状態にある。次に、各節点P1 ,P2 ,P3 ,P4 と端点Pe との距離Dn を算出する(ステップS43)。
Dn =|Pn −Pe | (n=1,2,3,4)
【0047】
この結果、端点Pe に最も近い節点Pn を選択し、Pb と置く(ステップS44)。図10(b)では、節点P3 が端点Pe に最も近いから、Pb =P3 となる。そして、節点Pb を端点Pe に移動する(ステップS45)。図10(b)では、節点P3 が端点Pe に移動される。また、これに伴ってメッシュ線もM1 からM2 に移動されることは、上述した図8のステップS34の場合と同様である。
【0048】
以上説明した図9のステップS42〜ステップS45の処理は、周囲線21の全ての端点について実行される(ステップS46)。すなわち、処理していない端点が残っている場合には、ステップS42に戻ることになる。ここで、本実施形態では、図8のステップS31〜ステップS35の処理の後に図9のステップS41〜ステップS46までの処理を実行するが、図9のステップS41〜ステップS46までの処理を実行した後に図8のステップS31〜ステップS35までの処理を実行する手順も考えられる。以上の処理の後に周囲線21の外側の節点及びメッシュ線を無効とすることにより、図11に示すような平面メッシュが得られる。これにより、周囲線付近のメッシュがよりもとの形状に近似するようになり、形状近似度の向上を図ることができる。
【0049】
〈節点投影工程〉
次に、節点の曲面への投影処理を実行する(図1のステップS4)。この処理では、図13に示すように、移動後のメッシュMの各節点Pを曲面S上に投影し、曲面S上に投影された節点Ps を移動後のメッシュ線Mに沿って連結して曲面上メッシュデータを作成する(P,Ps は位置ベクトル、以下同じ)。この処理を、図12乃至図15を参照して説明する。図12は、節点投影処理の手順を示すフローチャートであり、図13及び図14は、処理手順を示す説明図であり、図15は、処理結果を示す図である。
【0050】
まず、前述したコンピュータ1のキーボード15等の入力手段から節点Pの曲面Sへの投影方向の入力を受け付ける(ステップS51)。図13では、XY平面の法線方向、即ちZ方向が指定されたものとする。この節点の投影方向はキーボード15等により任意に設定可能となっている。つまり図13に示す角度ψ,θを90度以外の角度とすることができる。続いて、曲面S上に節点Pを投影し、投影節点Ps のZ値を算出する(ステップS52)。
【0051】
このZ値は、例えば、次のように算出される。節点Pから投影方向に無限直線L(位置ベクトルと方向ベクトルの和で表現される)を仮定し、曲面Sとの交点を高次方程式の解法により求める。即ち、直線L上の点と曲面S上の点との距離が0となる位置を求める。このような投影節点Ps の算出処理を平面メッシュの全ての節点について実行する。
【0052】
一方、節点の投影方向で曲面の一部が欠落している場合、当該欠落面の周囲に投影された複数の投影節点の座標に基づいて該欠落面に曲面が存在したならば投影されたであろう投影節点の座標を近似的に算出する。例えば、図14において、曲面Sの中央部には欠落面Nが存在するため、当該欠落面Nに投影される節点E(以下、欠落点Eという)のZ値を上述の収束演算等で算出することはできない。そこで、例えば周囲の投影節点A,B,C,DのZ値の平均値を欠落点EのZ値として用いる。今、投影節点A,B,C,DのZ値をそれぞれZ1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 とすれば、欠落点EのZ値は、
Z=(Z1 +Z2 +Z3 +Z4 )/4
として算出することができる。
【0053】
続いて、投影した各節点Ps を平面メッシュのメッシュ線に沿って連結し曲面上メッシュデータを作成する(ステップS53)。ここで、連結するとは、メッシュ線により連結されるべき節点と節点とをデータの上で関連づけることを意味し、必ずしもメッシュ線自体の情報(線分データ等)を作成するものでなくとも良い。このようにして作成された曲面上メッシュデータを図15に示す。
【0054】
〈メッシュ再定義工程〉
次に、メッシュの再定義の処理を実行する(図1のステップS5)。この処理では、図17(a)に示すE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10の4つのメッシュを、図17(b)に示すE2_1 メッシュに結合して再定義する。この処理を、図16乃至図17を参照して説明する。図16は、メッシュ再定義の処理手順を示すフローチャートであり、図17は、処理手順を示す説明図である。ここで、図17(a)は、曲面メッシュの所定の一部分を示した図であり、図17(b)は、図17(a)に示した曲面メッシュに対応した平面メッシュを示した図である。すなわち、図17(b)の平面メッシュは、図17(a)の曲面メッシュが生成される際の節点の投影元になっているメッシュである。
【0055】
まず、所定の曲面メッシュE1_1 が選択され、このメッシュE1_1 の近傍に位置する3つのメッシュE1_2 ,E1_9 ,E1_10が選択される。このとき、図17(a)において、メッシュE1_1 の右側及び上側のメッシュE1_2 ,E1_9 と、この2つのメッシュE1_2 ,E1_9 と接するメッシュE1_10とが選択される。このようにすることにより、これら4つのメッシュE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10は、全体としてほぼE1_1 と同一形状となっている。すなわち、選択された4つのメッシュは、もとの1つのメッシュとほぼ同一形状となっている。そして、これら4つのメッシュE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10を仮結合すると共に、この仮結合された仮結合メッシュの形状データを算出する(仮結合形状データ算出工程、ステップS61)。図17(a)に、仮結合されたメッシュを太線の四角形にて囲んで示す。
【0056】
続いて、この4つのメッシュE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10に対応した4つの平面メッシュを仮結合し、この平面仮結合メッシュE2_1 の形状データを算出する(ステップS62)。図17(b)に、平面仮結合メッシュE2_1 を太線の四角形にて囲んで示す。このとき、上記形状データは、仮結合されたメッシュの各辺の総和である。すなわち、曲面仮結合メッシュの各辺の総和L1_2 と平面仮結合メッシュの各辺の総和L2 である。但し、形状データは、上記各仮結合メッシュの各辺の総和に限定されるものではない。各仮結合メッシュの面積であってもよい。
【0057】
算出されたL1_2 とL2 とは、比較される(形状データ比較工程、ステップS63)。そして、その比較の結果、所定の条件をみたす場合には、曲面上の4つのメッシュE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10は、結合して1つのメッシュとして再定義される。ここで比較における所定の条件とは、
L1_2 <L2 ×(1.0+Ev) (0≦Ev<1)
である。このとき、Evは0.03〜0.1(3%〜10%)であると望ましい。従って、曲面メッシュが再定義されるためには、曲面仮結合メッシュの各辺の総和が、当該曲面メッシュのもととなる平面メッシュを仮結合したときの各辺の総和の数%増しよりも、小さい値であればよいことになる。これは、平面メッシュに対して曲面メッシュの変形が少ないことを意味している。例えば、ある平面メッシュの節点を、当該平面に対して傾斜している曲面に投影した場合には、投影後の各節点間の距離は投影前よりも長くなる。このようなメッシュに対してメッシュ再定義の処理を行うことは、形状近似度を低下させることにつながってしまうため、好ましくない。そのため、上記Evの値程度の変形であれば、形状近似度を所定の値以下に低下させずにメッシュの要素数を削減することができる。
【0058】
ここで、上記Evの値は、実験により好適であると判断された値である。また、Evは、0.03より小さい値、あるいは、0.1より大きい値であってもよい。但し、Evがあまりに小さい値であると、平面メッシュに対する曲面メッシュの変形が微小である場合でも当該曲面メッシュを結合して再定義することができなく、メッシュ数の効率のよい削減を図ることができない。一方、Evがあまりに大きい値であると、平面メッシュに対する曲面メッシュの変形が大きい場合でも当該曲面メッシュを結合して再定義してしまうため、形状近似度の低下を招いてしまう。従って、上述したように、Evは0.03〜0.1(3%〜10%)にすることにより、形状近似度の低下を抑制しつつメッシュの要素数の削減を図ることができる。
【0059】
ここで、上記処理により再定義される前の図17(a)に示す4つのメッシュE1_1 ,E1_2 ,E1_9 ,E1_10をレベル1メッシュとして定義し、1つのメッシュに結合されて再定義された後のメッシュを、レベル1メッシュに対して辺の長さが2倍のレベル2メッシュと定義する。すると、前述した節点投影工程にて作成された曲面メッシュは、全てレベル1メッシュであり、メッシュ再定義工程にて再定義されたメッシュは、レベル2メッシュとなる。一方、再定義されないメッシュ、すなわち、平面メッシュに対して変形が大きい曲面メッシュは、形状近似度の低下を抑制するため、レベル1メッシュのままとする。
【0060】
また、メッシュ再定義工程終了後に、レベル2メッシュに対して再びメッシュ再定義工程を実行してもよい。これにより、曲率が低く、形状近似度が高い曲面の所定箇所は、さらにメッシュのレベルを上げることが可能となり、要素数を削減することができる。
【0061】
〈メッシュ作成後工程〉
上述のようにして曲面上メッシュデータの作成後、当該曲面上メッシュデータに対して処理を行う(図2のステップS6)。この処理を、図18を参照して説明する。図18は、メッシュ作成後処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
作成された曲面上メッシュデータをディスプレイ14に表示させ(ステップS71)、作成後のメッシュデータを確認することができる。また、所定の外部ファイルに書き込む(ステップS72)。例えば、ネットワーク16を介して解析システム17の記憶装置に書き込む。そして、処理を終了する。
【0063】
ここで、本実施形態における形状データ比較工程は、曲面仮結合メッシュの各辺上の所定の点と曲面形状データとの距離データが、これに対応したあらかじめ定められた比較データより大きいか否かを比較してもよい。これは、曲面上に形成されるメッシュは平面的であり、当該曲面メッシュは曲面から離れて生成されるため、はじめから多少形状近似度が損なわれているが、この距離が微小であれば形状近似度は高く、その周囲のメッシュを結合して再定義しても形状近似度の低下を抑制できるからである。従って、曲面上に形成されるメッシュと曲面データ自体との距離が比較され、この距離が短い場合にはメッシュを再定義することにより、形状近似度を維持しつつ、メッシュ数の削減を図ることができる。
【0064】
このようにすることにより、本実施形態においては、形状近似度の低下を抑制しつつメッシュの要素数の削減を図ることができ、自動的に効率よく曲面上メッシュデータを作成することができる。そして、この作成されたメッシュデータは、要素数が減ることに伴いデータ量が減少しているため、これを格納するディスク容量が少なくてすむと共に、解析等に利用したときに演算処理の迅速化を図ることができる。
【0065】
【実施例】
以下、実施例を図19乃至23を参照して説明する。
【0066】
本実施例における曲面上メッシュデータ作成方法は、図1に示した方法と同一な基本的な構成を備えている。以下、本実施例が備えている工程を、メッシュ再定義工程を中心に説明する。図19は、その手順を示すフローチャートである。図20及び図21は、本実施例における処理手順を説明する説明図であり、図22及び図23は、本実施例における処理結果を示す図である。
【0067】
本実施例では、まず、前述した平面メッシュ生成工程とメッシュ再定義工程との間に、平面メッシュのうち所定個数のメッシュを平面ブロックとして形成する平面ブロック生成工程を備えると共に、曲面メッシュ生成工程とメッシュ再定義工程との間に、平面ブロックに対応した曲面ブロックを形成する曲面ブロック形成工程を備えている(ステップS100)。各ブロック形成工程共に、上記した工程の間であればその順序は限定されるものではない。例えば、平面ブロック生成工程は平面メッシュ生成工程に続いて、そして、曲面ブロック生成工程は、節点投影工程に続いて実行される。
【0068】
平面メッシュ生成工程は、所定個数のメッシュを1つのブロックとして平面ブロックを形成する。このとき、1つのブロックを形成するメッシュ数を、図20(a)に示すように、8×8の64とする。但し、1つのブロック内のメッシュ数は、これに限定されるものではない。また、曲面ブロック形成工程は、上記平明ブロックに対応して曲面ブロックを、曲面上に形成する。すなわち、曲面ブロック内の曲面メッシュ数は、平面ブロックと同一の64であり、各曲面メッシュの節点は各平面メッシュの節点に対応している。
【0069】
また、メッシュ再定義工程の前に、平面メッシュ及び曲面メッシュに所定のラベル付けを行う第1のラベリング工程を備えている(ステップS100)。これは、前述したメッシュ作成直後のレベル1メッシュに対して、例えば、「1」というラベルが付けられるものである。この第1のラベリング工程は、メッシュ再定義工程の前であればその順序は限定されるものではない。今回は、平面メッシュに対しては平面メッシュ生成工程後、曲面メッシュに対しては節点投影工程後にラベリングされる。また、上記レベル1メッシュのラベルは「1」に限定されるものではない。
【0070】
さらに、メッシュ再定義工程に続いて、当該メッシュ再定義工程にて再定義された曲面メッシュとこの曲面メッシュに対応する平面メッシュとに新たな所定のラベル付けを行う第2のラベリング工程を備え(ステップ109)、この第2のラベリング工程に続いて、当該第2のラベリング工程にて新たな所定のラベル付けがされた曲面メッシュを処理対象としてメッシュ再定義工程と第2のラベリング工程とを交互に所定回数備えている。
【0071】
第2のラベリング工程は、上記レベル1メッシュが前述したメッシュ再定義工程にて4つのメッシュが結合されてレベル2メッシュに再定義されたとき、当該レベル2メッシュに「2」というラベルを付ける。但し、このラベルは「2」に限定されるものではない。そして、このレベル2メッシュを処理対象として、再びメッシュ再定義工程が行われる。すなわち、レベル1メッシュをレベル2メッシュに再定義したときと同様に、レベル2メッシュを4つ結合してよいと判断された場合には、結合されたレベル2メッシュは、レベル3メッシュと再定義される。そして、その後、第2のラベリング工程により、さらに新しいラベル、例えば「3」がレベル3メッシュに付けられる。この処理を図20を参照して詳述する。
【0072】
図20は、所定の曲面ブロック内のメッシュを示した図である。そして、図20(a)は、レベル1メッシュを示し、図20(b)はレベル2メッシュを、図20(c)はレベル3メッシュを、図20(d)はレベル4メッシュを示している。このとき、1つのブロックは64個のメッシュにて形成され、メッシュ再定義工程にて結合されるメッシュの個数は4とする。そして、図20内の網掛け箇所は、仮結合されたメッシュを示している。
【0073】
まず、レベル1メッシュからレベル2メッシュへの再定義処理が行われる。この処理は前述したように、曲面仮結合メッシュの各辺の総和L1_2 が平面仮結合メッシュの各辺の総和にL2 のEv%増し(Evは3〜10が望ましいが、この値に限定されない)よりも小さい場合に再定義が行われる。このとき、上記第1のラベリング工程にてラベル「1」が付けられたメッシュのうち、再定義がされなかったメッシュははそのままラベル「1」であり、再定義がされたメッシュは、第2のラベリング工程にてラベル「2」が付けられる。そして、図20(b)は、全てのレベル1メッシュがレベル2メッシュに再定義された状態を示している。
【0074】
続いて、図20の(b)に示したレベル2メッシュに対して、上記同様、曲面仮結合メッシュの各辺の総和が平面仮結合メッシュの各辺の総和のEv%増しであるか否かの判断が行われる。このとき、曲面仮結合メッシュは4つのレベル2メッシュE2_1 ,E2_2 ,E2_5 ,E2_6 を仮結合したメッシュであり、その各辺の総和L2_3 が判断の対象となる。また、その比較対象は、平面メッシュをレベル3メッシュの状態に仮結合したときに各辺の総和L3 である。そして、上記同様にL2_3 がL3 のEv%増しよりも小さい場合にレベル2メッシュからレベル3メッシュへの再定義が行われる(図20(c)参照)。以下、同様にレベル3メッシュからレベル4メッシュへの再定義も行われる(図20(d)参照)。
【0075】
また、図20では、全てのメッシュが再定義できる場合を示したが、このとき前述したように1つのブロックを64個のメッシュとし、結合して再定義されるメッシュを4個とすると、レベル4メッシュにて1つのブロックが1つのメッシュとなる。従って、全てが再定義できるほど曲率の低いブロックにおいては、形状近似度を低下させることなく、効率よくメッシュの再定義を行うことができ、要素数を削減することができる。
【0076】
ここで、図19のステップS100に戻って手順を説明する。上述のように、ステップS100の工程を終了したら、メッシュ再定義工程に移る。
【0077】
まず、処理対象ブロックが、処理するに値するか否かが判断される(ステップS101)。この処理は、平面ブロック内の平面メッシュの少なくとも1つの辺が周囲線上にある場合に、当該平面メッシュを含む平面ブロックに対応した曲面ブロック内の全ての曲面メッシュを処理対象としないとする処理である。すなわち、周囲線上にメッシュが位置するブロックは、既に平面メッシュ変形工程にて変形されているメッシュが含まれているので、かかるメッシュは形状近似度に影響のあるため、再定義処理対象から外すというものである。これにより、このようなメッシュは再定義せず形状近似度を劣化させることなく、処理対象のメッシュ数の減少を図り、再定義工程の迅速化を図ることができる。そして、対象ブロックでないと判断されたら次のブロックに進み(ステップS102)、処理対象ブロックを検索する。一通り検索し、処理対象ブロックがない場合には、メッシュ再定義工程の処理を終了する。
【0078】
処理対象の曲面ブロックが検索された場合には、まずパラメータ「n」、「m」をそれぞれ「1」とする(ステップS103)。「n」は、各メッシュに付けられるラベルであり、「m」は、再定義工程における処理対象のメッシュのレベルを表す。従って、曲面メッシュが生成された直後は、全てのメッシュがレベル1であり、レベル1メッシュが再定義の処理対象になるので、”n=1,m=1”とする。
【0079】
続いて、処理を行うメッシュに対して、「n」と「m」とが等しいか否かが判断される(ステップS104)。上記のように、”n=1,m=1”とした直後である場合は、当然等しいので次の処理に移る。「n」、「m」が等しくない場合は、ステップS111に進む。この処理内容は後述する。
【0080】
続いて、前述したメッシュ仮結合の処理に移る(ステップS105)。このとき、仮結合された曲面メッシュは、レベル1メッシュをレベル2メッシュに再定義できるか否かが判断されるが、その判断対象であるメッシュのレベル「n」は、仮に「n+1」とされる。そして、その判断は、前述したように仮結合された曲面メッシュと平面メッシュとの各辺の総和を所定の演算式にて比較することにより行う(ステップS106、ステップS107)。
【0081】
上記比較にて、所定の条件を満たすと判断された場合には、メッシュの再定義を行う(ステップS108)。このとき、レベル1メッシュはレベル2メッシュと再定義され、第2のラベリングにより当該再定義されたメッシュのラベルは「1」から「2」へと新たに付けられる(ステップS109)。その後、別のレベル1メッシュ、すなわち、再定義未処理のレベル1メッシュを検索し(ステップS111)、検索された場合にはステップS104に戻り、そのメッシュに対して再定義の処理を行う。また、仮結合されたメッシュが再定義の条件を満たさないと判断された場合には、当該仮結合されたメッシュはそれぞれレベル1メッシュのままとされる。そして、この場合にも続いて未処理メッシュを検索し、他のメッシュの再定義処理を行う。
【0082】
ここで、1つのブロック内の全てのレベル1メッシュの処理が終わったときには、「m」の値が最終レベルであるか否かが調べられる(ステップS112)。最終レベルとは、再定義されうるメッシュの最終レベルである。本実施例においては、1つのブロックが64個のメッシュで形成され、4個のメッシュを次のレベルに再定義している。従って、図20に示すように最大でレベル4にて1つのブロックが1つのメッシュとなるので、最終レベルは「4」となる。
【0083】
しかし、現段階では”m=1”であるので、次のレベルの再定義処理に移る。このとき、まず”m=2”とされる(ステップS114)。そして、上述したステップS104に戻る。ここでは、再び「n」と「m」とが等しいか否かが判断される。すなわち、各メッシュのレベルと現段階にて処理対象であるメッシュレベルとが等しいか否かが判断される。従って、現在”m=2”であるので、レベル2メッシュのみが処理の対象となる。すなわち、レベル2メッシュをレベル3メッシュに再定義する処理が上記の処理手順に従って行われる。このとき、再定義されずにレベル1のままのメッシュにに対しては当然処理が行われず、未処理のレベル2メッシュが検索される(ステップS111)。そして、再定義処理がレベル4メッシュまで繰り返される。1つのブロック内の全てのメッシュが再定義できた場合の例を図20に示す。
【0084】
ここで、レベル4メッシュまで再定義されたときのステップS112の処理を説明する。現段階では”m=4”、すなわち、「m」は最終レベルであるので、続いてステップS113に進むこととなる。従って、本ブロックはブロック全体が1つのメッシュに再定義されてしまったため(図20(d)参照)処理が終了し、再定義処理が必要な次のブロックを検索することとなる。そして、上述したステップ101に戻る。
【0085】
ここで、図21に示すクランク形状の曲面形状データを、図19に示す上記手順に従って実行した例を示す。図21(a)、(b)、(c)、(d)は全てのメッシュをそれぞれレベル1,レベル2,レベル3,レベル4のメッシュとした場合の例を示した図であり、実際の処理結果は図21(e)である。なお、それぞれクランク図形に対して上方の図は基準平面における平面メッシュを示している。このように、所定の基準平面に対してほぼ平行である面(図20(e)の両端部分)のメッシュは、レベル4メッシュにまで再定義されている。そして、中央の部分は、レベル1もしくはレベル2メッシュとなっている。これは、図20(c)および(d)を見るとわかるように、クランク部分をレベル3もしくはレベル4メッシュに再定義すると形状近似度が低下するためである。従って、上記処理により形状近似度を落とさずにメッシュの要素数を削減することができ、効率のよい曲面上メッシュデータを作成することができる。
【0086】
さらに、他の形状データに対して本実施例における処理を実行した例を図22乃至図23に示す。
【0087】
図22は、メッシュ再定義工程による処理を実行した場合としない場合との差を示したものである。図22(a)は、図2に示す曲面形状データを、図1に示す節点投影工程まで処理を実行した結果を示した図である。図22(b)は、図22(a)の状態からさらに図19のフローチャートに示したメッシュ再定義工程による処理を実行した結果を示した図である。この図のメッシュが大きくなっている箇所が再定義処理された箇所であるが、この箇所はほぼ平坦な箇所であるため、図22(b)は(a)に対して形状近似度はほぼ低下していない。そして、各図の下にそれぞれのメッシュの要素数及び節点数を表示したが、要素数及び節点数共に減少している。
【0088】
図23(a)は、ハッチバック型自動車の後部のメッシュデータを作成した例である。そして、図23(b)は、図23(a)の四角で囲った箇所の拡大図である。この例においても効率よくメッシュの再定義が実行されていることがわかる。
【0089】
ここで、上述してきた各工程は、図2に示す演算装置であるコンピュータ1のCPU11が各機能を実行することにより実現できる。すなわち、CPU11は、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出機能と、曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出機能と、所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成機能と、周囲線の近傍に位置する格子状のメッシュ線の交点である節点をメッシュ線と共に周囲線上に移動する平面メッシュ変形機能と、節点を曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点を変形されたメッシュ線に沿って連結して曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影機能と、曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの形状データを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの形状データを算出する仮結合形状データ算出機能と、当該算出された形状データを比較する形状データ比較機能と、この比較結果に基づいて仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュを定義するメッシュ再定義機能とを備えている。
【0090】
また、CPU11は、平面メッシュのうち所定個数のメッシュを平面ブロックとして形成する平面ブロック生成機能と、この平面ブロックに対応した曲面ブロックを形成する曲面ブロック形成機能と、平面メッシュ及び曲面メッシュに所定のラベル付けを行う第1のラベリング機能と、メッシュ再定義機能にて再定義された曲面メッシュとこの曲面メッシュに対応する平面メッシュとに新たな所定のラベル付けを行う第2のラベリング機能とを備え、この第2のラベリング機能にて新たな所定のラベル付けがされた曲面メッシュを処理対象としてメッシュ再定義機能と前記第2のラベリング機能とが作動するようになっている。
【0091】
但し、CPU11が有する機能は、上記のものに限定されるものではない。前述した各工程による処理に該当する機能をすべて備えていてもよい。そして、上記各機能の動作は、前述した各工程における処理と同一である。
【0092】
また、上記各機能は、コンピュータ1がCD−ROM18等の記憶媒体に格納された曲面上メッシュデータ作成用プログラムを実行することにより実現できる。すなわち、当該プログラムは、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出処理と、曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出処理と、所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成処理と、周囲線の近傍に位置する格子状のメッシュ線の交点である節点をメッシュ線と共に周囲線上に移動する平面メッシュ変形処理と、節点を曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点を変形されたメッシュ線に沿って連結して曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影処理と、曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの形状データを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの形状データを算出する仮結合形状データ算出処理と、当該算出された形状データを比較する形状データ比較処理と、この比較結果に基づいて仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュを定義するメッシュ再定義処理とを実行するようコンピュータ1を制御するプログラムである。ただし、当該プログラムは、上記処理を実行するプログラムに限定されない。前述した各工程による処理をすべて実行するプログラムであってもよい。
【0093】
また、上記プログラムは、CD−ROM18等の可搬性のある記憶媒体に格納されて当該コンピュータ1に供給されることに限定されない。ネットワーク16を介して他のコンピュータからダウンロードするようにしてもよく、あらかじめコンピュータ1が有している記憶装置13に格納されていてもよい。そして、当該プログラムは、コンピュータ1にあらかじめインストールされているオペレーティングシステム等のサービス上で実行されてもよく、他のソフトウェアを介さずに直接コンピュータ1上にて実行されてもよい。
【0094】
このようにすることにより、段階的にメッシュを結合して再定義できるので、形状近似度を低下させることなく要素数を削減することができ、曲面形状に応じたサイズのメッシュデータを自動作成することができる。従って、データ容量を小さくすることができ、FEM解析に使用する際のパラメータ数も減少するため、当該解析における作業工数を削減することができ、解析時間の短縮化を図ることができる。また、作成されたメッシュを三角形に分解してシェーディング用パッチとして利用する場合においても、形状確認、レイアウト検討などの作業工数が大幅に削減できる。さらに、パラメータの減少により、グラフィック能力の比較的低いコンピュータでも、処理を行うことが可能となる。
【0095】
逆に、要素数を従来と同一にする場合には、メッシュを細かく設定することができ、より形状近似度の高い曲面上メッシュデータを作成することができる。従って、このデータを解析システムにて利用することにより、従来と処理時間が同一にも関わらず精度の高い解析結果を得ることができる。
【0096】
また、作成されたメッシュデータは、基本的には不連続となるが、近年のプレス成形シミュレーションに用いる金型のメッシュ等は、それ自体は剛体で変形しないため、不連続であっても問題とならない。
【0097】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、メッシュの再定義に際して、所定の曲面メッシュの近傍に位置する複数のメッシュが、これらメッシュを仮結合したときの形状が平面メッシュの形状に対してほぼ変形していない場合に、1つのメッシュとして結合され再定義されるため、曲面上メッシュのうち、例えば曲面上の曲率が低い部分においては、メッシュを粗くしても当該部分の形状近似度は低下せず、その近傍のメッシュを結合して、結合されたメッシュを1つのメッシュとして再定義とすることにより、メッシュの要素数を削減することができるので、形状近似度の低下を抑制しつつデータ量の膨大化を抑制することができ、自動的に曲面上メッシュデータを作成できる、という従来にない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成例を示すフローチャートである。
【図2】本発明において使用される演算装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に開示した形状データ読出工程にて読み出される曲面形状データの一例を示す図である。
【図4】図1に開示した平面メッシュ生成工程の前処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図4に開示した平面メッシュの生成前処理にて図3に開示した曲面形状データを処理した結果を示す図である。図5(a)は、周囲線を示す図であり、図5(b)は、周囲線全体を囲む包含矩形を示す図である。
【図6】図1に開示した平面メッシュ生成工程の手順を示すフローチャートである。
【図7】図6に開示した平面メッシュ生成工程の手順にて処理された結果を示す図である。
【図8】図1に開示した平面メッシュ変形工程のうちの一処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に開示した平面メッシュ変形工程のうちの一処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10(a)は、図8に開示した平面メッシュ変形工程の手順における処理を説明する説明図であり、図10(b)は、図9に開示した平面メッシュ変形工程の手順における処理を説明する説明図である。
【図11】図8及び図9に開示した処理手順にて処理された結果を示す図である。
【図12】図1に開示した節点投影工程の手順を示すフローチャートである。
【図13】図12に開示した節点投影工程の手順における処理を説明する説明図である。
【図14】図12に開示した節点投影工程の手順における処理を説明する説明図である。
【図15】図12に開示した処理手順にて処理された結果を示す図である。
【図16】図1に開示したメッシュ再定義工程の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17(a)、図17(b)は、図16に開示したメッシュ再定義工程の手順における処理を説明する説明図である。
【図18】図1に開示したメッシュ作成後工程の手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施例の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、図19に開示した本実施例の手順により再定義される曲面メッシュの例を示す説明図である。図20(a)は、レベル1メッシュを示す図であり、図20(b)はレベル2メッシュを、図20(c)はレベル3メッシュを、図20(d)はレベル4メッシュを示す図である。
【図21】図21は、クランク形状の曲面形状データを、図19に開示した手順により処理した例を示す図である。図21(a)、(b)、(c)、(d)は全てのメッシュをそれぞれレベル1,レベル2,レベル3,レベル4のメッシュとした場合の例を示した図であり、図21(e)は、処理結果を示した図である。
【図22】図22は、本実施例における処理結果の一例を示す図である。図22(a)は、従来例におけるメッシュデータ作成結果を示し、図22(b)は、図22(a)に対して図19に開示した手順による処理をした結果を示す図である。
【図23】図23は、本実施例における処理結果の一例を示す図である。図23(a)は、ハッチバック型自動車の後部のメッシュデータを作成した例であり、図23(b)は、図23(a)の四角で囲った箇所の拡大図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ(演算装置)
2 曲面形状データ
11 CPU
12 主記憶部
13 記憶装置
14 ディスプレイ
15 キーボード
16 ネットワーク
17 解析システム
18 CD−ROM
21 周囲線
22 包含矩形
Claims (6)
- 所定の処理能力を有する演算装置を備え、CADにおける解析対象の表面形状が定義された曲面データから解析モデルデータとしてFEMに適用可能な曲面上メッシュデータを作成する曲面上メッシュデータ作成装置であって、
前記演算装置が、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出機能と、前記曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出機能と、前記所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成機能と、前記周囲線の近傍に位置する前記格子状のメッシュ線の交点である節点を前記メッシュ線と共に前記周囲線上に移動する平面メッシュ変形機能と、前記節点を前記曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点を前記変形されたメッシュ線に沿って連結して前記曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影機能とを備えると共に、
前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの外周の長さを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの外周の長さを算出する仮結合形状データ算出機能と、前記曲面仮結合メッシュの外周の長さが、前記平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにあるか否かを判定する形状データ比較機能と、この比較機能による判定結果が真となった場合に限って前記仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュに定義するメッシュ再定義機能とを備えたことを特徴とする曲面上メッシュデータ作成装置。 - 前記仮結合形状データ算出機能を、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの面積を算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの面積を算出する仮結合形状データ算出機能に置き換えると共に、
前記形状データ比較機能を、前記曲面仮結合メッシュの面積が、前記平面仮結合メッシュの面積に予め決められた所定の値を乗じた範囲内の面積にあるか否かを判定する形状データ比較機能に置き換えたことを特徴とする請求項1記載の曲面上メッシュデータ作成装置。 - 前記メッシュ再定義機能にて結合される曲面メッシュの個数が、所定の整数の2乗であることを特徴とする請求項1または請求項2のうち何れか一項に記載の曲面上メッシュデータ作成装置。
- 所定の処理能力を有する演算装置を用いて、CADにおける解析対象の表面形状が定義された曲面データから解析モデルデータとしてFEMに適用可能な曲面上メッシュデータを作成する曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記演算装置に、解析対象の表面形状が定義された曲面形状データを読み出す形状データ読出処理と、前記曲面形状データと所定の平面との交線を周囲線として抽出する周囲線抽出処理と、前記所定の平面に所定のピッチを有する格子状のメッシュ線を仮定して平面メッシュを生成する平面メッシュ生成処理と、前記周囲線の近傍に位置する前記格子状のメッシュ線の交点である節点を前記メッシュ線と共に前記周囲線上に移動する平面メッシュ変形処理と、前記節点を前記曲面形状データに投影すると共に当該投影された節点を前記変形されたメッシュ線に沿って連結して前記曲面形状データの曲面上に曲面メッシュを生成する節点投影処理と、
前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの外周の長さを算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの外周の長さを算出する仮結合形状データ算出処理と、前記曲面仮結合メッシュの外周の長さが、前記平面仮結合メッシュの外周の長さに予め決められた所定の値を乗じた範囲内の長さにあるか否かを判定する形状データ比較処理と、この比較処理による判定結果が真となった場合に限って前記仮結合メッシュを新たな1つの曲面メッシュに定義するメッシュ再定義処理とを実行させることを特徴とした曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記仮結合形状データ算出処理に代えて、前記曲面メッシュのうち互いに近接する複数の曲面メッシュを仮結合した曲面仮結合メッシュの面積を算出すると共に当該曲面仮結合メッシュの要素である節点投影前の複数の平面メッシュを仮結合した平面仮結合メッシュの面積を算出する仮結合形状データ算出処理を前記演算装置に実行させると共に、
前記形状データ比較処理に代えて、前記曲面仮結合メッシュの面積が、前記平面仮結合メッシュの面積に予め決められた所定の値を乗じた範囲内の面積にあるか否かを判定する形状データ比較処理を前記演算装置に実行させることを特徴とした請求項4記載の曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記メッシュ再定義処理にて結合される曲面メッシュの個数が、所定の整数の2乗であることを特徴とする請求項4または請求項5のうち何れか一項に記載の曲面上メッシュデータ作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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