JP4051837B2 - 冷凍変性防止剤、耐冷凍変性すり身 - Google Patents

冷凍変性防止剤、耐冷凍変性すり身 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は魚肉用冷凍変性防止剤、耐冷凍変性魚肉すり身に関する。更に詳しくは、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上を含有する魚肉用冷凍変性防止剤、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上と魚肉すり身とからなる耐冷凍変性魚肉すり身に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、すり身の冷凍変性防止には、蔗糖、ソルビトール、若しくはそれらの混合物、更に補助剤としてリン酸塩(重合リン酸塩)が主に用いられてきた。
【0003】
一方、蔗糖やソルビトールを用いる以外の冷凍変性防止方法として、特開平4−281774号公報には、カードランやイオータ型カラーギナンを助剤であるグリセリン、プロピレングリコール、糖類、燐脂質等と共に食材に混合する方法が開示されており、また、特開平6−292542号公報には、ヒドロキシプロピル澱粉水解物、球状デキストロース、またはこれらの混合物をすり身に混合する方法が開示されており、また、特開平9−289870号公報には、トレハロースおよびエタノールを有効成分とする凍結変性防止剤を食品に添加する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
蔗糖、ソルビトール、若しくはそれらの混合物を冷凍変性防止剤として使用する場合、その効果は該冷凍変性防止剤の濃度に依存する。長期にわたりすり身を冷凍貯蔵し、その貯蔵期間中該すり身の品質を維持するためには、蔗糖やソルビトールを高濃度(補助剤である重合リン酸塩を含め、すり身に対して8.0〜10.0%重量)ですり身に対し添加することが必要であった。
一方、すり身への蔗糖やソルビトールの添加は、すり身に甘みを与え、結果的にすり身本来の食味を低下させることになる。
従って、すり身の食味の面からは蔗糖やソルビトールの添加割合は低い方が望ましく、蔗糖やソルビトールでは、すり身の長期に亘る冷凍貯蔵と食味の維持を両立させることは困難であった。
【0005】
一方、カードランやイオータ型カラーギナン、ヒドロキシプロピル澱粉水解物、球状デキストロース、トレハロースおよびエタノールのすり身への添加は、前述の蔗糖やソルビトールの添加に比べ、冷凍変性防止の効果が低い場合が多く、実用的とは言い難い。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前述の従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上をすり身に添加すれば、すり身の長期に亘る冷凍貯蔵と食味の維持が両立可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0007】
以上の記述から明らかなように、本発明は、すり身の食味を損なうことなく長期間の冷凍保存を可能とする、魚肉用冷凍変性防止剤、および耐冷凍変性魚肉すり身を提供するものである。
【0008】
本発明は下記の(1)〜(6)から構成される。
(1)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上を含有する魚肉用冷凍変性防止剤。
(2)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩の平均分子量が1,000〜2,000,000の範囲である前記第1項に記載の魚肉用冷凍変性防止剤。
(3)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩が鶏冠もしくは微生物由来である前記第1項または第2項に記載の魚肉用冷凍変性防止剤。
(4)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上と、すり身とからなる耐冷凍変性魚肉すり身であって、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上の魚肉すり身への添加割合が、魚肉すり身に対して2.0〜10重量%の範囲である耐冷凍変性魚肉すり身
(5)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩の平均分子量が、1,000〜2,000,000の範囲である前記第4項に記載の耐冷凍変性魚肉すり身。
(6)ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩が、鶏冠もしくは微生物由来である前記第4項または第5項に記載の耐冷凍変性魚肉すり身。
【0009】
以下、詳細に本発明を説明する。
本発明に使用するヒアルロン酸とは、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸とからなる直鎖状の酸性ムコ多糖の一種で、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0010】
【化1】
Figure 0004051837
Figure 0004051837
【0011】
ヒアルロン酸塩とは、一般式(1)で表されるヒアルロン酸の、D-グルクロン酸部位のカルボキシル基の水素イオンが、一価もしくは二価のアルカリ金属イオンに置換した化合物である。一価もしくは二価のアルカリ金属イオンとしては、具体的にはナトリウムイオンを挙げることができる
【0012】
本発明に使用するヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩の平均分子量は特に限定されるものではないが、すり身に対するなじみやすさの面から1,000〜2,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは1,000〜100,000の範囲である。
【0013】
一般にヒアルロン酸は、動物諸組織、特に間充組織に広く分布し、硝子体、水様液、へその緒、関節液、ろく膜液、皮膚、鶏の鶏冠などに多く含まれ、これらの諸組織から抽出することによって得ることが可能である。
また、ストレプトコッカス属(Streptococcus属)のヒアルロン酸生産菌を用いて、発酵法により得ることも可能である。
【0014】
本発明において、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩は、何れの方法によって得られたものであっても使用することができるが、鶏冠若しくは微生物由来であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、微温ないし温水、或いはアルカリ性水溶液、或いは酸性水溶液を用いてヒアルロン酸またはヒアルロン酸塩を鶏冠から抽出し、この抽出液をエタノール若しくは含水エタノールによる処理、若しくは酵素による処理を行った後、エタノール若しくは含水エタノールで処理し、精製する方法で得られたヒアルロン酸またはヒアルロン酸塩を用いることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、Lancefield group AとCに属するストレプトコッカス属(Streptococcus属)のヒアルロン酸産生菌の培養液を、冷時から温時(約4℃〜60℃)において除菌した後、エタノール若しくは含水エタノールで処理し、精製する方法で得られたヒアルロン酸またはヒアルロン酸塩を用いることが好ましい。
【0017】
該ヒアルロン酸産生菌としては、ストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Streptococcus zoopidemicus)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・エクィ(Streptococcus equi)、ストレプトコッカス・エクィシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・ダイスガラクティア(Streptococcus dysgalactiae)などを挙げることができ、その中でもストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Streptococcus zooepidemicus)FERM BP−878(工業技術院微生物工業技術研究所寄託)が好ましい。
【0018】
本発明の冷凍変性防止剤は、前述のヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上のみからなるものであってもよく、また、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩以外の補助剤を含むものであってもよい。
【0019】
補助剤としては、重合リン酸塩、具体的には、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム等を挙げることができる。
これら補助剤の配合割合は、本発明の冷凍変性防止剤に対して10〜30重量%の範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明の冷凍変性防止剤の形態は粉末状、液状の何れであってもよい。液状とする場合、その溶媒には水や含水エタノールを使用することができる。
【0021】
本発明の冷凍変性防止剤の用途としては、魚肉すり身、鳥獣肉すり身、若しくはそれら混合物のすり身等に使用することができる。
その中でも、魚肉のすり身は鳥獣肉のすり身に比べて冷凍変性を受け易く、また、冷凍貯蔵期間が長い場合が多いことから、本発明の冷凍変性防止剤を魚肉のすり身に使用した場合には、顕著な冷凍変性防止効果が得られる。
【0022】
本発明の冷凍変性防止剤の、すり身への添加割合は特に限定されるものではないが、該冷凍変性防止剤に含まれるヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上を、すり身に対して0.01〜10重量%の割合となるように添加することが好ましい。
【0023】
本発明の冷凍変性防止剤の、すり身への添加方法は特に限定されるものではない。粉状もしくは液状の本発明冷凍変性防止剤を、すり身に添加し、該冷凍変性防止剤をすり身中で均一になるまで充分混合すればよい。
【0024】
本発明の耐冷凍変性すり身は、前述のヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上とすり身とからなるものであり、更に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前述の重合リン酸塩等の補助剤を含有するものであってもよい。
【0025】
前述のすり身とは、一般に、原料魚肉から骨、魚油、その他のきょう雑物を除去し擂潰処理した、主成分が筋原繊維タンパク質からなる魚肉、牛、豚、鶏、羊、馬、山羊、猪および鯨等の鳥獣肉、およびそれらから選ばれた2種以上の混合物を云う。その中でも魚肉すり身の場合は鳥獣肉すり身に比べて冷凍変性を受け易く、また、冷凍貯蔵期間が長い場合が多い。
【0026】
本発明においては、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上のすり身への添加割合は、すり身に対して0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜8重量%である。
【0027】
ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上の、すり身への添加方法は特に限定されるものではない。粉状もしくは液状の本発明冷凍変性防止剤を、すり身に添加し、該冷凍変性防止剤をすり身中で均一になるまで充分混合すればよい。
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。
【0028】
【実施例】
1.すり身の調製
冷凍変性防止剤としてすでに蔗糖、ソルビトール、および補助剤として重合リン酸塩が添加されている市販スケトウダラすり身6gに、15mM Tris-malate buffer(pH7.0)を60g加え、5,000〜10,000rpmで3分間ホモジナイズし懸濁液を得た。該懸濁液を16.5gずつ4本の遠心管に分け入れ、5,000〜10,000×g、4℃で10分間遠心分離して沈殿物を得た。前述の操作のうち、ホモジナイズ以降の操作を該沈殿物に対して再度繰り返して冷凍変性防止剤をはじめとする添加剤を除去し、本発明の実施例および比較例に使用するすり身を得た。
【0029】
2.Ca−ATPase活性測定
筋原繊維タンパク質懸濁液の調製
サンプリングされたすり身1gに対し、15mM Tris-malate buffer(0.45M NaCl含む、pH7.0)5gを加えて5,000〜10,000rpmで3分間ホモジナイズして筋原繊維タンパク質懸濁液を得た。
筋原繊維タンパク質の定量
筋原繊維タンパク質の定量は『ANALYTICAL BIOCHEMISTRY』(Martin M,Bradfod:Vol.72,248〜254,1976)に記載の方法に準じて行った。
リン酸量測定の検量線作成
リン酸量の測定は『化学と生物』(中村道徳:Vol.3,39〜46,1965)に記載の方法に準じて行った。
Ca−ATPase活性の測定
容量10mlの試験管に、20mMのATP溶液を1.0mL、50mMの塩化カルシウム溶液を0.4mL、15mMのTris-malate buffer(0.45M NaCl含む、pH7.0)を0.2mL、および前述の方法で調製した筋原繊維タンパク質懸濁液を0.4mL入れた。該試験間を25℃で15分間インキュベーションし、15分後、該試験管に12%Trichloroacetic acid(以下「TCA」と云う)溶液を添加し反応を終了し、これを測定サンプルとした。
一方、インキュベーション前に12%TCA溶液を1.5mL加えて反応を止めておいたものをブランクとした。
前述の測定サンプルおよびブランクの該試験管に、モリブデン試薬(3.3%モリブデン酸アンモニウム溶液)、アミドール試薬(0.4%アミドールを含む8.0%亜硫酸ナトリウム溶液)、および15%硫酸溶液を各0.5mL加えて発色させ、870×gで10分間遠心分離し、上清の波長740nmの吸光度を測定し、(3)で作成した検量線からリン酸量を求めた。リン酸量と筋原繊維タンパク質量からCa−ATPase活性を以下の式を用いて計算した。
Ca−ATPase活性=(リン酸量(μmoles/3.5mL)/筋原繊維タンパク質量(mg/mL)×0.4)/15
【0030】
実施例1
前述の「1.すり身の製造」で得られたすり身4.9gに平均分子量100万のヒアルロン酸ナトリウムを0.1g添加、擂潰し耐冷凍変性すり身を得た。
この耐冷凍変性すり身を、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、冷凍貯蔵後0、1、5、10日目に1gずつサンプリングし、Ca−ATPase活性を測定した。結果を図1に示した。
【0031】
比較例1
前述の「1.すり身の製造」で得られたすり身を、−20℃の冷凍庫に貯蔵し、冷凍貯蔵後0、1、5、10日目に1gずつサンプリングし、Ca−ATPase活性を測定した。結果を図1に示した。
【0032】
実施例2
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.9g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量70万のヒアルロン酸ナトリウム0.1gとし、サンプリングを冷凍貯蔵後0、5、10、20、40日目に行った以外は、実施例1に準拠して行った。結果を図2に示した。
【0033】
実施例3
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.6g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量45万のヒアルロン酸ナトリウム0.4gとした以外は、実施例2に準拠して行った。結果を図2に示した。
【0034】
実施例4
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.6g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量10万のヒアルロン酸ナトリウム0.4gとした以外は、実施例2に準拠して行った。結果を図2に示した。
【0035】
実施例5
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.6g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量0.5万のヒアルロン酸ナトリウム0.4gとした以外は、実施例2に準拠して行った。結果を図2に示した。
【0036】
比較例2
冷凍貯蔵後のサンプリングを0、5、10、20、40日目に行った以外は、比較例1に準拠して行った。
【0037】
冷凍変性防止剤等製造用剤除去すり身(比較例2)のCa−ATPase活性が冷凍貯蔵40日目にはほぼ完全に失活したのに対して、ヒアルロン酸ナトリウムを添加したすり身はCa−ATPase活性の維持が可能であり、ヒアルロン酸(塩)の分子量が低くなるにつれてその傾向は顕著であった。また、同時にヒアルロン酸(塩)の分子量が低くなるにつれ、製造時のなじみにくさといった違和感は感じられなくなった。
【0038】
実施例6
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.9g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量0.38万のヒアルロン酸ナトリウム0.1gとし、サンプリングを冷凍貯蔵後0、20日目に行った以外は、実施例1に準拠して行った。結果を表1に示した。
【0039】
実施例7
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.8g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量0.38万のヒアルロン酸ナトリウム0.2gとした以外は、実施例6に準拠して行った。結果を表1に示した。
【0040】
実施例8
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.7g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量0.38万のヒアルロン酸ナトリウム0.3gとした以外は、実施例6に準拠して行った。結果を表1に示した。
【0041】
実施例9
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身を4.6g、ヒアルロン酸ナトリウムを平均分子量0.38万のヒアルロン酸ナトリウム0.4gとした以外は、実施例6に準拠して行った。結果を表1に示した。
【0042】
比較例3
冷凍貯蔵後のサンプリングを0、20日目に行った以外は、比較例1に準拠して行った。結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0004051837
【0044】
比較例4〜7
前述の「1.すり身の調製」で得られたすり身4.6gに、蔗糖とソルビトールの混合物を0.4g添加したもの(比較例4)、ヒドロキシプロピル澱粉分解物を0.4g添加したもの(比較例5)、球状セルロースを0.4g添加したもの(比較例6)、およびトレハロースとエタノールを有効成分とする冷凍変性防止剤を0.4g添加したもの(比較例7)をそれぞれ擂潰し、耐冷凍すり身を得た。これらの耐冷凍すり身を−20℃の冷凍庫で貯蔵し、冷凍貯蔵後0、5、10、20、40日目に1gずつサンプリングし、Ca−ATPase活性を測定した。結果を図3に示した。
【0045】
甘み官能試験
実施例6〜9で得られた平均分子量0.38万のヒアルロン酸ナトリウムを2.0〜8.0%含有するすり身(実施例6〜9)、比較例3および、比較例4のすり身各々について、10名のボランティアによる官能検査で甘みを評価した。甘みは「明らかに甘みを感じる〜甘みを感じない」を5〜1までの5段階(明らかに甘みを感じる=5、甘みを感じる=4、やや甘みを感じる=3、あまり甘みを感じない=2、まったく甘みを感じない=1)で評価した。結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0004051837
【0047】
【発明の効果】
本発明の冷凍変性防止剤であれば、魚肉すり身の食味を損なうことなく長期間の冷凍保存を可能とし、本発明の耐冷凍変性魚肉すり身であれば、魚肉すり身の食味を損なうことなく長期間の冷凍保存が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷凍貯蔵後における、耐冷凍変性すり身のCa−ATPase活性の変化を示したグラフ(実施例1、比較例1)。
【図2】冷凍貯蔵後における、耐冷凍変性すり身のCa−ATPase活性の変化を示したグラフ(実施例2〜5、比較例2)。
【図3】冷凍貯蔵後における、耐冷凍変性すり身のCa−ATPase活性の変化を示したグラフ(比較例4〜7)。

Claims (6)

  1. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上を含有する魚肉すり身用冷凍変性防止剤。
  2. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩の平均分子量が1,000〜2,000,000の範囲である請求項1に記載の魚肉すり身用冷凍変性防止剤。
  3. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩が鶏冠もしくは微生物由来である請求項1または2に記載の魚肉すり身用冷凍変性防止剤。
  4. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上と、すり身とからなる耐冷凍変性魚肉すり身であって、ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩から選ばれた1種以上の魚肉すり身への添加割合が、魚肉すり身に対して2.0〜10重量%の範囲である耐冷凍変性魚肉すり身
  5. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩の平均分子量が、1,000〜2,000,000の範囲である請求項4に記載の耐冷凍変性魚肉すり身。
  6. ヒアルロン酸およびヒアルロン酸塩が、鶏冠もしくは微生物由来である請求項4または5に記載の耐冷凍変性魚肉すり身。
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