JP4051511B2 - 清淨具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジの加熱庫内壁や冷蔵庫内壁等の閉鎖空間を形成する内壁の表面を清淨する為の清淨具に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジの加熱庫内壁や冷蔵庫内壁等の閉鎖空間を形成する内壁の清淨作業は、閉じた空間内での作業となる為、容易に行えることではない。以下に、前記閉鎖空間として電子レンジ加熱庫を例に、斯かる清淨作業の問題点を説明する。
【0003】
電子レンジを用いて食品を加熱する際、食品から発生する蒸気で電子レンジの加熱庫内に食品の汁等が飛び散って、加熱庫内壁面に付着することがある。このような食品の付着物は、付着直後であれば比較的容易に除去できるが、一旦、冷却して電子レンジ加熱庫内壁面に固着してしまうと、簡単には除去することはできないものである。さらに、電子レンジ加熱庫は、前述のように、閉じた空間であり、通常、前面のみが開閉可能とされているから、加熱庫後壁の隅部周辺に汚れが付着した場合には、特に、拭き取り作業が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、閉鎖空間を形成する内壁に付着した汚れを簡便に除去し得る清淨具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、可撓性を有した拭き取り材と、該拭き取り材を密封状態下に収容する包材とを備え、前記拭き取り材には、加熱作用によって蒸発する液体が含浸され、前記包材の少なくとも一部には、前記加熱作用による包材の内圧上昇によって破断開口する破断部が形成されている清淨具を提供する。
【0006】
好ましくは、前記加熱作用は、電子レンジによるマイクロ波照射によって行われるものとすることができる。
【0007】
また、前記包材内に、外部操作によって発熱を開始する発熱体が備え、前記加熱作用を、該発熱体による発熱によって行われるものとすることもできる。
【0008】
好ましくは、前記拭き取り材に含浸させる液体を水とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る清淨具の好ましい一の実施の形態につき、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお、図中、シール部分に、メッシュ模様を付している。
【0010】
本実施の形態に係る清淨具の平面図,正面図及び右側面図を、図1(a),(b)及び(c)に示す。本実施の形態に係る清淨具1は、電子レンジの加熱庫内壁面を清淨する為に用いられるものであって、図1に示すように、拭き取り材20と、該拭き取り材20を密封状態下に収容する包材10とを備えている。
【0011】
前記拭き取り材20には、電子レンジによる加熱作用によって蒸発する液体が含浸されている。該拭き取り材20は、吸液性を有し且つ拭き取り具として使用し得る可撓性を有するものであれば、種々の材質を用いることができる。このような材質として、例えば、化学繊維又はコットン等からなる不織布若しくは編織物又は紙、セルロース、若しくは発泡ウレタンのスポンジ状材料等を用いることができる。
【0012】
前記拭き取り材に含浸させる液体は種々のものを用いることができるが、好ましくは、水又は不揮発性物質の含有量が少量の水溶液とすることができる。該少量とは2度拭きが不要となる程度の含有量を言い、具体的には、不揮発性物質の含有量が3重量%以下程度とすることができる。電子レンジ加熱庫内壁面が直接に食品が触れる可能性の高い箇所であるため、不揮発性物質を多く含む水溶液を含浸させた場合には、衛生上の観点から2度拭きの必要が生じ、これにより、清淨作業の効率が悪化するからである。
【0013】
前記包材10は、図1に示すように、一枚の矩形フィルム30を、その一辺31及びこれの対辺32が他の2辺33,34の長手方向略中央部分で突き合わされるように折り曲げて袋体を形成し、且つ、該袋体の周縁のうち開口する側辺部分12,13及び突き合わせた中央部分11をヒートシールしてなる中央合掌シール形とされている。なお、シール部11,12,13のうちの何れか一つは、包材内に拭き取り材20を挿入した後、シールされる。
【0014】
さらに、前記中央シール部分の少なくとも一部は、他のシール部分に比して、シール力が弱くされた破断部14とされている。該破断部14は、種々の方法を用いて形成することができる。本実施の形態においては、図1(b)によく表されているように、開口させたい中央シール部11の一部を他のシール部分に比して幅狭とすることにより破断部14を形成しているが、これに代えて、図3に示すように、破断開口させたい部分14′、若しくは、破断開口させたい部分を含むシール辺11′全域のシール力を他のシール部分12,13のシール力より弱めるようにしても良い。なお、シール力を弱める方法としては、例えば、ヒートシール温度やヒートシール時間を変えたり、又は、ヒートシール力の弱い材料をシール面の間に挟んだり、さらには、ヒートシール部の厚みを変更する等、種々の方法を用いることができる。
【0015】
また、本実施の形態においては、前述のように、包材10を中央合掌シール形としたが、当然ながら、側面シール形や2方シール形等の種々のシール形態を用いることができる。また、シール方法自体も、ヒートシールに代えて、接着剤によるシール等、種々の方法を用いることができる。さらに、包材の材質も限定されるものではない。本実施の形態におけるように、ヒートシールを用いる場合には、ヒートシール性を有する種々のフィルム、例えば、ポリエチレン,二軸延伸ポリプロピレン,無延伸ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ナイロン,紙等からなる単層又は積層のフィルムを用いることができる。
【0016】
次に、このように構成された清淨具1の作用について、図4を参照しつつ、拭き取り材20に水を含浸させた場合を例に説明する。図4は、加熱状態における清淨具1の正面図である。
【0017】
まず、清淨具1を、電子レンジ加熱庫内に入れて加熱する。すると、拭き取り材20に含浸された水が蒸発して水蒸気となり、包材10の内圧が上昇する。この状態で、さらに加熱を続けると、図4に示すように、上昇する包材の内圧によって、包材シール部分11,12,13の中で最もシール力の弱い破断部14が破裂開口する。そして、包材10の内外圧差によって、包材内の水蒸気が放射状に飛散する(図中、矢印で示す)。この飛散する水蒸気は、加熱庫内壁面に到達し、固着した汚れを膨潤し軟化させる。該水蒸気による汚れの軟化を十分に行わせる為、さらには、その後の拭き取り作業における火傷を防止する為に、好ましくは、加熱終了後1分〜3分程度、放置しておくのが良い。
【0018】
その後、清淨具1を電子レンジから取り出し、包材10から拭き取り材20を抜き出す。この際、包材10の破断部14が開口しているので、該開口を拡げる等して拭き取り材20は容易に取り出される。そして、該拭き取り材20を用いて、加熱庫内の汚れを拭き取る。加熱庫内の汚れは、前述のように、水蒸気によって軟化させられているので、この拭き取り材による拭き取りだけで電子レンジ内の汚れを容易に取り除くことができる。なお、好ましくは、前述の水蒸気飛散後においても拭き取り材に水分を残留させ、拭き取り作業をさらに容易とする為に、拭き取り材20に含浸させる水分量を調整することができる。
【0019】
このように、本実施の形態に係る清淨具によれば、使用者は、電子レンジ内で所定時間、加熱して、その後、拭き取り材によって拭き取るだけの簡単な作業で、電子レンジ加熱庫内のこびり付いた汚れを簡単に除去することができる。
【0020】
なお、本実施の形態においては、清淨具を電子レンジの加熱庫清淨用とし、その為、電子レンジによるマイクロ波照射を利用して拭き取り材に含浸させた液体を蒸発させる構成としたが、冷蔵庫やオーブンの内壁清淨用の場合には、図5に示すように、包材10′内に発熱体40を備え、該発熱体による発熱作用によって拭き取り材20に含浸させた液体を蒸発させる清淨具1′とすることができる。なお、図5においては、構成を明確とする為に、未発熱状態において包材10′を膨張させたものを描いている。また、図中、15は、拭き取り材20と発熱体40とを分離する仕切りである。
【0021】
斯かる発熱体40は、例えば、図5に示すように、混和反応させることによって発熱する第1物質41と第2物質42とを分離状態で収容しておき、包材10′の外方から操作可能な操作手段43によって前記第1物質41と第2物質42とを混和させ得る構成とすることができる。前記第1及び第2物質としては、例えば、水及び石灰、又は酸化可能な物質及び酸化促進剤を用いることができる。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明に係る清淨具の一実施例について説明する。本実施例においては、図3に示す形態の電子レンジ用清淨具を用いた。該清淨具の具体的に構成は以下の通りである。
【0023】
包材は、ナイロン15μm/ポリエチレン・ポリプロピレン共重合フィルム65μmからなる積層フィルムを用い、11cm×14.5cmの中央合掌シール形とした。そして、中央シール部のシール時間を側辺シール部のシール時間より短くすることにより、中央シール部全域のシール力を側辺シール部に比して弱くした。なお、中央シール部及び側辺シール部のシール幅は、それぞれ、5.0mm及び9.5mmとした。また、拭き取り材にはポリエステルにゴムの微粒子を加工して、吸油性をもたせた不織布を用い、該不織布に水12gを含浸させた。斯かる清淨具の加熱前の総重量は15.4gであった。
【0024】
この清淨具を、加熱庫が幅300mm×高さ154mm×奥行き300mm、高周波出力500Wの電子レンジで2分間加熱した。
【0025】
加熱を開始すると、拭き取り材20からの蒸気によって包材の内圧が上昇し、加熱開始約30秒後に中央シール部11の長手方向略中央部分が破断開口して、水蒸気が電子レンジ加熱庫内に飛散した。図6に、本実施例に係る清淨具の加熱状態における斜視図を示す。前記破断開口部14′の長さaは15mmで、加熱時における清淨具1の高さHは60mmであった。なお、図中、14aは、シールは剥がれたが開口には至らなかった部分である。
【0026】
加熱終了後さらに2分間放置して、清淨具1の総重量を測定したところ、5.35gであった。即ち、約10gの水分が水蒸気となって電子レンジ加熱庫内に飛散していた。
【0027】
その後、包材10から取り出した拭き取り材20で電子レンジ加熱庫内壁面を拭いた。加熱庫内壁面にこびり付いていた汚れはやわらかくなっており、拭き取り材20による拭き取りだけで簡単に除去できた。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る清淨具によれば、可撓性を有した拭き取り材と、該拭き取り材を密封状態下に収容する包材とを備え、前記拭き取り材には加熱作用によって蒸発する液体を含浸させ、前記包材の少なくとも一部には前記加熱作用による包材の内圧上昇によって破断開口する破断部を形成するようにしたので、前記液体を飽和蒸気状態で外方へ飛散させることができる。従って、斯かる清淨具を、閉鎖空間で作用させれば、該閉鎖空間を形成する内壁表面に固着した汚れを軟化させることができ、その後、前記拭き取り材を用いて該汚れを容易に拭き取ることができる。
【0029】
前記加熱作用を電子レンジによるマイクロ波照射によって行うようにすれば、清淨具を電子レンジ内で加熱し、その後、拭き取り材を用いて拭き取るという簡単な作業で、電子レンジ加熱庫内のこびり付いた汚れを容易に取り除くことができる。
【0030】
また、前記包材内に、外部操作によって発熱を開始する発熱体を備え、前記加熱作用を、該発熱体による発熱によって行うようにすれば、冷蔵庫やオーブン等の種々の閉鎖空間において使用することができる。
【0031】
また、前記拭き取り材に含浸させる液体を水とすれば、2度拭きの必要がなく、更に、拭き取り作業を簡便にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図l】図1(a),(b)及び(c)は、本発明に係る清淨具の一実施の形態の平面図,正面図及び右側面図である。
【図2】図2は、図1に示す清淨具における包材の製造方法を説明するための斜視図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明に係る清淨具の他の形態の平面図及び正面図である。
【図4】図4は、図1に示す清淨具の加熱状態における正面図である。
【図5】図5は、本発明に係る清淨具の他の形態の正面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例に係る清淨具の加熱状態における斜視図である。
【符号の説明】
1 清淨具
10 包材
11 中央シール部
12,13 側辺シール部
14 破断部
20 拭き取り材
40 発熱体
Claims (2)
- 可撓性を有した拭き取り材と、該拭き取り材を密封状態下に収容する包材とを備え、前記拭き取り材には、マイクロ波照射による加熱作用によって蒸発する液体が含浸され、前記包材は、矩形フィルムの一辺及びその対辺が、他の2辺の長手方向中央部分で突き合わされるように折り曲げられ、前記一辺及び他辺並びに突き合わせた部分をシールして袋体を形成しており、前記中央部分のシール部の少なくとも一部は、他のシール部に比してシール力が弱くされ前記加熱作用による包材の内圧上昇によって破断開口する破断部とされていることを特徴とする電子レンジ用清淨具。
- 前記拭き取り材に含浸させる液体は水であることを特徴とする請求項1に記載の清淨具。
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