JP4050592B2 - 携帯用電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の内部を調べなくても、機器が水の中に浸かり、機器内部が浸水したことが機器の外部から判定可能な携帯用電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
持ち運び可能な通信機、携帯電話機、測定器、補聴器等携帯用電子機器の故障の1つに、機器の浸水による回路のショート等が原因であるものがある。然し乍ら、携帯用電子機器の発売後の保証範囲には機器の浸水による故障についての修理は含まれないことが多い。
【0003】
前記携帯用電子機器の故障原因が浸水によるものなのかその他の事故によるものなのかの判定は機器自体を目視しただけでは非常に困難であり、ケースのネジ等を外して分解し、機器内部を調べて判定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、機器内部を調べた結果、機器の故障原因が浸水によるものだと判定しても、機器の浸水事実を証明する手段がない為、無償の修理を余儀なくされているという問題があった。
【0005】
又、故障原因の判定の為に電子機器のケースのネジ等を外す作業は大変煩わしく、場合によっては検査機器の使用が必要であり、時間が掛かり、効率の悪いものとなっていた。
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、携帯用電子機器の浸水について機器の内部を調べることなく、機器の外部から判定できる様にすると共に浸水のあったことを記録できる様にしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機器の名称、製造年月日等の表示文字が印刷された銘板シールが機器ケースの外側から貼付された携帯用電子機器に於いて、前記銘板シールが透視可能な透明部と、該透明部の裏面に設けられ水に浸漬されることで変化するインクを付着させたインク紙片と、前記透明部に対応する様前記機器ケースに穿設された孔とを有し、前記透明部を通して前記インクが目視可能に構成した携帯用電子機器に係るものである。
【0008】
携帯用電子機器が水に浸かり、機器内部に水が浸入すると、インクが滲み変色したことが機器外部から確認できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の第1の実施の形態を説明する。尚、以下は本発明を携帯電話機に実施した場合について説明する。
【0010】
図1は電池パック(図示せず)を装着して使用する携帯電話機1の背面を示し、図2は該携帯電話機1の一部を破断した側面を示す。図中、2は該携帯電話機1のケース、3は透明部材から成る透明シール、4は水に浸漬されることにより滲み変色するインクを付着させたインクシール、5はアンテナを示す。
【0011】
前記ケース2は不透明な材質で形成されている。該ケース2の背面側に前記電池パックにより充填可能な欠切部6を形成する。該欠切部6の適宜箇所に前記ケース2内部が覗ける小孔7を穿設し、該小孔7を塞ぐ様に前記ケース2の外側から前記透明シール3を貼付する。該透明シール3は水の浸入を防止し得る所要な大きさとすると共に所要の接着力を与える。
【0012】
更に、前記ケース2の内側から前記小孔7を塞ぐ様に前記インクシール4を貼付する。
【0013】
上記の様な構成とすると、前記携帯電話機1が水に浸かり、機器内部に水が浸入した場合、前記ケース2内部に設けた前記インクシール4が滲み変色したことが前記透明シール3、前記小孔7を介して機器外部から確認できる。従って、機器の故障原因を判定する為に前記ケース2のネジ等を外して機器内部を調べる必要はない。
【0014】
尚、前記透明シール3は前記小孔7に対応する部分のみ透明な材質とすればよく、残りの部分については機器の銘板とすることも可能である。又、前記欠切部6に前記電池パックを装填することにより前記透明シール3は覆い隠すことができる。
【0015】
更に、前記インクシール4は前記ケース2の内側から前記小孔7に貼付したが、図3に示す様に、前記小孔7近傍の部品8に前記小孔7に対峙させて貼付することも可能である。
【0016】
次に、図4、図5に於いて本発明の第2の実施の形態を説明する。尚、図4、図5中、図1、図2中で示したものと同一のものには同符号を付し、説明を省略する。
【0017】
図4は表示機能を具備した携帯電話機10の正面を示し、図5は該携帯電話機10の一部を破断した側面を示す。図中11は該携帯電話機10のケース、12は表示内容を見る為の透明部材から成る表示窓を示す。
【0018】
前記ケース11は不透明な材質で構成し、該ケース11の正面側に該ケース11内部が覗ける角孔13を穿設する。前記表示窓12は、前記ケース11の正面側から前記角孔13に嵌合可能とし、前記ケース11の正面側は前記表示窓12を前記角孔13に嵌合することにより面一に塞がれる。
【0019】
インクシール4は、前記ケース11内部の前記角孔13近傍の部品14に前記角孔13に対峙させて貼付する。
【0020】
上記した第2の実施の形態に於いても、前記携帯電話機10の内部が浸水した場合、前記インクシール4を前記表示窓12、前記角孔13を介して機器外部から確認できる。
【0021】
次に図6〜図8に於いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。尚、図6〜図8中、図1、図2中で示したものと同一のものには同符号を付し、説明を省略する。
【0022】
図6は電池パック(図示せず)を装着して使用する携帯電話機20の一部を破断した側面、図7はインクシール21の側断面、図8は該インクシール21の裏面をそれぞれ示す。
【0023】
該インクシール21は、透明シート22の裏面中央に水に浸漬されることにより滲み変色するインク紙片23が貼設されており、該インク紙片23と該インク紙片23周縁の空白部分24を除いて前記インクシール21の裏面には接着剤25が付着されている。
【0024】
前記携帯電話機20の欠切部6に小孔7を穿設し、該小孔7と前記インク紙片23が対応する様に前記インクシール21を前記ケース2の外側から貼付する。
【0025】
上記した第3の実施の形態に於いても、前記携帯電話機20の内部が浸水した場合、前記インク紙片23が滲み変色するのを機器外部から確認できる。
【0026】
尚、インクシールの裏面のインク紙片周縁に空白部分を設けたが、空白部分はなくてもよく、又インク紙片は透明シートの裏面中央に貼設したが、裏面中央に限らず、適宜な場所で構わない。更に、インク紙片は貼設したが、透明シートの裏面に同様の性質のインクを印刷してもよい。
【0027】
次に図9に於いて、本発明に用いられるインクシールの応用例を説明する。尚、図9中、図7、図8中で示したものと同一のものには同符号を付し、説明を省略する。該応用例ではインクシールを銘板シール26として使用するものである。
【0028】
銘板シール26の表面には機器の名称や製造年月日等の表示文字27が印刷され、該表示文字27と重ならない適宜な位置の裏側に水に浸漬されることにより滲み変色するインク紙片23が貼設されている。該インク紙片23と該インク紙片23周縁の空白部分24を除いて前記銘板シール26の裏面には接着剤25が付着されている。又、前記銘板シール26の表面は、少なくとも前記インク紙片23に対応する部分が透明となっており、表面から前記インク紙片23を透視できる様になっている。
【0029】
前記携帯電話機20の欠切部6に穿設された小孔7と前記インク紙片23が対応する様に前記銘板シール26を前記ケース2の外側から貼付することにより、前記携帯電話機20の内部が浸水した場合に前記インク紙片23が滲み変色するのを機器外部から確認できる。
【0030】
尚、インク紙片周縁の空白部分はなくてもよく、又インク紙片を貼設するのではなく、インク紙片と同様の性質のインクを銘板シールの裏面に印刷してもよい。
【0031】
次に図10(A)、図10(B)に於いて、インクシールの他の応用例について説明する。尚、図10(A)、図10(B)中、図7、図8中で示したものと同一のものには同符号を付し、説明を省略する。
【0032】
透明シート22裏面に水に浸漬されることにより滲み変色するインク紙片29が水という文字を象って貼設されている。該インク紙片29と該インク紙片29周縁の空白部分24を除いてインクシール28の裏面には接着剤25が付着されている。前記インクシール28の表面は、少なくとも前記インク紙片29に対応する部分には塗装等なされてなく透明となっており、表面から前記インク紙片29を透視できる様になっている。
【0033】
前記携帯電話機20の欠切部6に穿設された小孔7と前記インク紙片29が対応する様にインクシール28を前記ケース2の外側から貼付することにより、前記携帯電話機20の内部が浸水した場合に前記インク紙片29が滲み変色し、図10(A)から図10(B)の様に該インク紙片29が判定マーク29′へ変化し、機器外部から「水」という文字を確認できる。
【0034】
尚、インク紙片周縁の空白部分はなくてもよく、又インク紙片を貼設するのではなく、インク紙片と同様の性質のインクをインクシールの裏面に印刷してもよい。更に、インク紙片は水という文字に限らず、他の文字、記号、図等でもよく、又文字、記号、図等を象ったインク紙片ではなく、文字、記号、図等を刳いたインク紙片でも構わない。
【0035】
次に図11、図12に於いて本発明の第4の実施の形態について説明する。図11、図12中、図1で示したものと同一のものには同符号を付し、説明を省略する。
【0036】
図11は電池パック(図示せず)を装着して使用する携帯電話機30の背面を示し、図12は該携帯電話機30の一部を破断した側面を示す。
【0037】
携帯電話機30のケース31は透明部材から成り、欠切部6に透明窓32を形成する様、一部を養生して残りの部分全体を塗装して、塗装膜35を形成する。水に浸漬されることにより滲み変色するインクシール33を前記透明窓32に対応する様、前記ケース31の内側から貼付する。
【0038】
前記携帯電話機30の内部が浸水した場合に前記インクシール33が滲み変色したことが前記透明窓32を介して機器外部から確認できる。
【0039】
更に、前記インクシール33は前記ケース31の内側から前記透明窓32に貼付したが、図13に示す様に該透明窓32近傍の部品34に前記透明窓32に対峙させて貼付することも可能である。
【0040】
尚、上述した全ての実施の形態に於いて、機器の浸水により変色したインクシール或は銘板シールは修理時に貼替える様にする。
【0041】
又、浸水の事実を判定するだけなら、インクシール或は銘板シールは外部から直接見える必要はなく、ケースを外した時に見え易い位置に貼付されていてもよい。
【0042】
【付記】
又、本発明は下記の態様を含む。
【0043】
(付記1)機器ケースに孔を穿設し、該孔を塞ぐ様にインクシールを前記機器ケースの外側から貼付し、前記インクシールの裏面の前記孔と対応する部分に水に浸漬されることにより変色するインク紙片が貼設されたことを特徴とする携帯用電子機器。
【0044】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、携帯用電子機器の浸水について、機器の内部を調べずに機器の外部から判定できる様にしたので、機器の故障原因の判定に余計な手間が掛からず、迅速な修理対策が取れ、修理作業の合理化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の背面図である。
【図2】同前携帯電話機の一部を破断した側面図である。
【図3】同前携帯電話機の他の例を示し、一部を破断した側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話機の正面図である。
【図5】同前携帯電話機の一部を破断した側面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話機の一部を破断した側面図である。
【図7】同前実施の形態に係るインクシールの側断面図である。
【図8】同前実施の形態に係るインクシールの背面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るインクシールの応用例を示した図である。
【図10】(A)は本発明の実施の形態に係るインクシールの他の応用例を示した図であり、(B)は該インクシールが水に浸漬した様子を示した図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話機の背面図である。
【図12】同前携帯電話機の一部を破断した側面図である。
【図13】同前携帯電話機の他の例を示し、一部を破断した側面図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
2 ケース
4 インクシール
7 小孔
10 携帯電話機
11 ケース
20 携帯電話機
21 インクシール
23 インク紙片
26 銘板シール
27 ケース
28 インクシール
29 インク紙片
29′ 判定マーク
30 携帯電話機
31 ケース
32 透明窓
33 インクシール
Claims (1)
- 機器ケースが欠切部を有し、該欠切部に電池パックを装填して使用する携帯用電子機器であって、前記欠切部の前記機器ケースに孔を穿設し、水に浸漬されることで変化するインクを付着させたインク紙片を前記孔を塞ぐ様にケース内側に貼設し、水に浸漬されたか否かを前記孔を通して前記インク紙片により判別可能とし、前記電池パックが前記欠切部に装填された状態で、前記孔が前記電池パックにより覆われることを特徴とする携帯用電子機器。
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JP2002319994A JP4050592B2 (ja) | 1997-01-09 | 2002-11-01 | 携帯用電子機器 |
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