従来、衛星放送受信装置に使用されるLNBが開発されている。上記LNBとは、衛星から送信される偏波信号を受信して、上記偏波信号をIF周波数帯(周波数950MHz〜2150MHz)に変換するためのものである。
図11は、衛星放送受信装置101の概略を示している。衛星放送受信装置101は、LNB102、チューナ103、およびチューナ104を備え、アンテナ100、テレビ105に接続されている。
衛星放送受信装置101の各部の動作について、簡単に述べると、LNB102は、アンテナ100から第0周波数帯(周波数12.2GHz〜12.7GHz)の上記偏波信号を受信して、上記IF周波数帯の信号を出力する。詳細は、後述する。
チューナ103およびチューナ104は、LNB102から出力される上記信号に対して、ユーザにより指示されたチャネルの周波数成分を抽出し、選局を行う選局処理と、上記選局処理において選局された信号により、映像信号および音声信号を復号する復号処理とを行う。
テレビ105は、チューナ103またはチューナ104から上記映像信号および上記音声信号を受信して、ユーザにより指示されたチャネルの番組を提示する。
次に、LNB102について詳細に説明する。なお、LNB102は、N個(N≧2)の衛星から、M個(M≧2)の種類の偏波信号を受信する、特許文献1に記載されているLNBであり、ここでは、2つの衛星(第1の衛星および第2の衛星)からそれぞれ2種類の偏波信号を受信する場合のLNBとして説明する。
図12は、LNB102の回路構成を示している。図示のように、LNB102は、入力端子P11、P12、P21、P22、低雑音増幅器3A、3B、4A、4B、イメージ除去用フィルタ回路5A、5B、6A、6B、局部発振器13、14、周波数変換回路30A、30B、信号結合器11A、11B、信号組替回路55、マイクロコンピュータ16、中間周波数増幅器17A、17B、キャパシタ18A、18B、出力端子20A、20B、および電源回路22を備えている。
次に、LNB102の各部の動作について説明する。
入力端子P11、P12は、上記第1の衛星に対応し、入力端子P11には、上記第1の衛星の第1の偏波信号(左旋偏波信号)、入力端子P12には、上記第1の衛星の第2の偏波信号(右旋偏波信号)がそれぞれ入力され、入力端子P21、入力端子P22は、上記第2の衛星に対応し、入力端子P21には、上記第2の衛星の第1の偏波信号(左旋偏波信号)、入力端子P22には、上記第2の衛星の第2の偏波信号(右旋偏波信号)がそれぞれ入力される。
低雑音増幅器3A、4Aは、上記第1の衛星に対応し、低雑音増幅器3Aは、上記第1の衛星の上記第1の偏波信号を、低雑音増幅器4Aは、上記第1の衛星の上記第2の偏波信号をそれぞれ低雑音増幅し、低雑音増幅器3B、4Bは、上記第2の衛星に対応し、低雑音増幅器3Bは、上記第2の衛星の上記第1の偏波信号を、低雑音増幅器4Bは、上記第2の衛星の上記第2の偏波信号をそれぞれ低雑音増幅する。
イメージ除去用フィルタ回路5A、6Aは、上記第1の衛星に対応し、低雑音増幅器3A、4Aにて、それぞれ低雑音増幅された上記第1の衛星の上記第1の偏波信号および上記第1の衛星の上記第2の偏波信号のイメージ信号を除去し、イメージ除去用フィルタ回路5B、6Bは、上記第2の衛星に対応し、低雑音増幅器3B、4Bにて、それぞれ低雑音増幅された上記第2の衛星の上記第1の偏波信号および上記第2の衛星の上記第2の偏波信号のイメージ信号を除去する。
局部発振器13、14は、それぞれ11.25GHz、14.35GHzの正弦波信号(ローカルオシレータ信号)を発生する。
周波数変換回路30Aは、上記第1の衛星に対応し、ミキサ7A、8A、ハイパスフィルタ9A、およびローパスフィルタ10Aを備え、上記第1の衛星の上記第1の偏波信号および上記第1の衛星の上記第2の偏波信号の周波数の帯域を、重複しないように、上記IF周波数帯域に変換する。
詳細には、ミキサ7Aにおいて、イメージ除去用フィルタ回路5Aより出力された上記第1の衛星の上記第1の偏波信号と、局部発振器14より発振された上記14.35GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、周波数が第1のIF周波数帯(周波数1650MHz〜2150MHz、以下「ハイバンド」という)に含まれる、上記第1の衛星の上記第1の偏波信号が出力され、ハイパスフィルタ9Aを通過する。
ミキサ8Aにおいて、イメージ除去用フィルタ回路6Aより出力された上記第1の衛星の上記第2の偏波信号と、局部発振器13から出力された上記11.25GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、周波数が第2のIF周波数帯(周波数950MHz〜1450MHz、以下「ローバンド」という)に含まれる、上記第1の衛星の上記第2の偏波信号が出力され、ローパスフィルタ10Aを通過する。
周波数変換回路30Bは、上記第2の衛星に対応し、ミキサ7B、8B、ハイパスフィルタ9B、およびローパスフィルタ10Bを備え、上記第2の衛星の上記第1の偏波信号および上記第2の衛星の上記第2の偏波信号の周波数の帯域を、重複しないように、上記IF周波数帯域に変換する。
詳細には、ミキサ7Bにおいて、イメージ除去用フィルタ回路5Bより出力された上記第2の衛星の上記第1の偏波信号と、局部発振器14から出力された上記14.35GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、周波数が上記第1のIF周波数帯に含まれる、上記第2の衛星の上記第1の偏波信号が出力され、ハイパスフィルタ9Bを通過する。
ミキサ8Bにおいて、イメージ除去用フィルタ回路6Bより出力された上記第1の衛星の上記第2の偏波信号と、局部発振器13から出力された上記11.25GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、周波数が上記第2のIF周波数帯に含まれる、上記第1の衛星の上記第2の偏波信号が出力され、ローパスフィルタ10Bを通過する。
信号結合器11Aは、上記第1の衛星に対応し、ハイパスフィルタ9Aを通過した上記第1の衛星の上記第1の偏波信号と、ローパスフィルタ10Aを通過した上記第1の衛星の上記第2の偏波信号とを周波数多重化して第1の合成信号を出力する。従って、上記第1の合成信号は、ハイバンド側に上記第1のIF周波数帯に含まれる、上記第1の衛星の上記第1の偏波信号が配置され、ローバンド側に上記第2のIF周波数帯に含まれる、上記第1の衛星の上記第2の偏波信号が配置された信号となる。
信号結合器11Bは、上記第2の衛星に対応し、ハイパスフィルタ9Bを通過した上記第2の衛星の上記第1の偏波信号と、ローパスフィルタ10Bを通過した上記第2の衛星の上記第2の偏波信号とを周波数多重化して第2の合成信号を出力する。従って、上記第2の合成信号は、ハイバンド側に上記第1のIF周波数帯に含まれる、上記第2の衛星の上記第1の偏波信号が配置され、ローバンド側に上記第2のIF周波数帯に含まれる、上記第2の衛星の上記第2の偏波信号が配置された信号となる。
信号組替回路55は、マイクロコンピュータ16の指示に従い、1つの出力用に上記第1の合成信号と上記第2の合成信号とから、重複を許して、2つの信号を選択し、選択した2つの信号に含まれるそれぞれの上記偏波信号から2つの上記偏波信号を取り出し、取り出した2つの上記偏波信号を合成して出力する。
信号組替回路55について、図13を用いて詳細に説明する。
信号組替回路55は、図示のように、入力端子I1、I2、2×4スイッチ回路33、帯域変換/合成回路60、および出力端子O1、O2を備える。帯域変換/合成回路60は、局部発振器47、周波数制御回路56A、56B、56C、56D、ローパスフィルタ36A、36B、ハイパスフィルタ37A、37B、および信号結合器38A、38Bを備える。
2×4スイッチ回路33は、上記IF周波数帯で動作し、信号結合器11A、11Bを介して、入力端子I1、I2へ入力された上記第1の合成信号と上記第2の合成信号とを、マイクロコンピュータ16の指示に従い、端子M1〜M4のそれぞれに出力する。その信号の組合せの数は24である。
局部発振器47は、3.1GHzのローカルオシレータ信号を発生する。
周波数制御回路56A、56B、56C、56Dは、端子M1〜M4から出力された上記第1の合成信号または上記第2の合成信号の周波数変換を行う。
周波数制御回路56Aは、マイクロコンピュータ16によって状態が切替えられる3端子のスイッチ34A、およびスイッチ34Aがオン時に接続される経路にミキサ35Aを備えている。また、スイッチ34Aがオフ時に接続される経路は、バイパス経路であり、ミキサ35Aの出力側に接続されている。
その動作は、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行う場合は、スイッチ34Aがオンとなり、ミキサ35Aにて周波数変換がなされ、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない場合は、スイッチ34Aがオフとなり、上記バイパス経路を通過する。以下、詳細に示す。
スイッチ34Aがオフの場合、すなわち、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない場合、端子M1から出力された上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号は、上記バイパス経路を通過するため、周波数制御回路56Aの出力信号として、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号がそのまま出力される。すなわち、周波数制御回路56Aの出力信号のハイバンド側には、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号のハイバンド側に配置されている上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第1の偏波信号がそのまま配置され、ローバンド側には、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号のローバンド側に配置されている上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第2の偏波信号が、そのまま配置される。その後、ローパスフィルタ36Aを介して、周波数制御回路56Aの出力信号のローバンド側に含まれる上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第2の偏波信号が信号結合器38Aへ送られる。
一方、スイッチ34Aがオン時の場合、すなわち、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行う場合、ミキサ35Aにおいて、端子M1から出力された上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号と、局部発振器47から出力された上記3.1GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号の周波数が変換される。すなわち、周波数制御回路56Aの出力信号のハイバンド側には、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号のローバンド側に配置されていた上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第2の偏波信号が配置され、周波数制御回路56Aの出力信号のローバンド側には、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号のハイバンド側に配置されていた上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第1の偏波信号が配置される。その後、ローパスフィルタ36Aを介して、周波数制御回路56Aの出力信号のローバンド側に含まれる上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第1の偏波信号が信号結合器38Aへ送られる。
周波数制御回路56Bは、マイクロコンピュータ16によって状態が切替えられる3端子のスイッチ34B、およびスイッチ34Bがオン時に接続される経路にミキサ35Bを備えている。また、スイッチ34Bがオフ時に接続される経路は、上記バイパス経路であり、ミキサ35Bの出力側に接続されている。
その動作は、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行う場合は、スイッチ34Bがオンとなり、ミキサ35Bにて周波数変換がなされ、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない場合は、スイッチ34Bがオフとなり、上記バイパス経路を通過する。以下、詳細に示す。
スイッチ34Bがオフ時の場合、すなわち、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない場合、端子M2から出力された上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号は、上記バイパス経路を通過するため、周波数制御回路56Bの出力信号は、前述したスイッチ34Aがオフ時の場合の周波数制御回路56Aの出力信号と同様な状態となる。その後、ハイパスフィルタ37Aを介して、周波数制御回路56Bの出力信号のハイバンド側に含まれる上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第1の偏波信号が信号結合器38Aへ送られる。
一方、スイッチ34Bがオン時の場合、すなわち、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行う場合、ミキサ35Bにおいて、端子M2から出力された第1の合成信号、または第2の合成信号と、局部発振器47から出力された上記3.1GHzのローカルオシレータ信号とが混合され、上記第1の合成信号、または上記第2の合成信号の周波数が変換される。その結果、周波数制御回路56Bの出力信号は、前述したスイッチ34Aがオン時の場合の周波数制御回路56Aの出力信号と同様な状態となる。その後、ハイパスフィルタ37Aを介して、周波数制御回路56Bの出力信号のハイバンド側に含まれる上記第1の衛星、もしくは上記第2の衛星の上記第2の偏波信号が信号結合器38Aへ送られる。
信号結合器38Aは、ローパスフィルタ36Aを通過した上記信号と、ハイパスフィルタ37Aを通過した上記信号とを合成して、第3の合成信号を出力する。
周波数制御回路56Cは、マイクロコンピュータ16によって状態が切替えられる3端子のスイッチ34C、およびスイッチ34Cがオン時に接続される経路にミキサ35Cを備えている。また、スイッチ34Cがオフ時に接続される経路は、上記バイパス経路であり、ミキサ35Cの出力側に接続されている。なお、周波数制御回路56Cの動作は、周波数制御回路56Aの動作と同じであるため、省略する。
周波数制御回路56Dは、マイクロコンピュータ16によって状態が切替えられる3端子のスイッチ34D、およびスイッチ34Dがオン時に接続される経路にミキサ35Dを備えている。また、スイッチ34Dがオフ時に接続される経路は、バイパス経路であり、ミキサ35Dの出力側に接続されている。なお、周波数制御回路56Dの動作は、周波数制御回路56Bの動作と同じであるため、省略する。
信号結合器38Bは、ローパスフィルタ36Bを通過した信号と、ハイパスフィルタ37Bを通過した信号とを合成して、第4の合成信号を出力する。
中間周波数増幅器17Aは、第3の合成信号、中間周波数増幅器17Bは、第4の合成信号をそれぞれ増幅する。
キャパシタ18Aは、中間周波数増幅器17Aにて増幅された第3の合成信号の低周波ノイズ、キャパシタ18Bは、中間周波数増幅器17Bにて増幅された第4の合成信号の低周波ノイズをそれぞれ除去する。
以上より、出力端子20A、20Bは、第1の衛星の第1の偏波信号、第1の衛星の第2の偏波信号、第2の衛星の第1の偏波信号、第2の衛星の第2の偏波信号のうちの任意の2つの信号をハイバンド側、及びローバンド側に配置した第3の合成信号および第4の合成信号を出力する。なお、電源回路22は、LNB102の各構成要素に電力を供給する。
特開2004−350149号公報(2004年12月9日公開)
以上のように、周波数制御回路56A、56B、56C、56Dにて、信号組替回路55に入力される入力信号の周波数変換を行う場合と、行わない場合とは、それぞれに備えられているスイッチ34A、34B、34C、34Dのオン・オフによって、上記入力信号が通過する経路を切り替えることによって行われている。
しかしながら、上記のような構成の場合、スイッチ34A、34B、34C、34Dのオン・オフ時に、スイッチ34A、34B、34C、34Dが接続されていない方の経路に存在する寄生容量により、上記入力信号が、スイッチ34A、34B、34C、34Dが接続されていない方の経路に漏れてしまう。
詳細に説明すると、スイッチ34A、34B、34C、34Dがオフ時の場合、スイッチ34A、34B、34C、34Dがオン時に接続される経路、すなわちミキサ35A、35B、35C、35Dが接続されている経路に存在する寄生容量により、上記入力信号が、ミキサ35A、35B、35C、35Dが接続されている経路に漏れてしまう。しかし、上記入力信号の漏れは、ミキサ35A、35B、35C、35Dを通過することで、充分に減衰されるため問題ない。
ところが、スイッチ34A、34B、34C、34Dがオン時の場合、スイッチ34A、34B、34C、34Dがオフ時に接続される経路、すなわち上記バイパス経路に存在する寄生容量により、上記入力信号が、上記バイパス経路に漏れてしまう。この場合は、スイッチ34A、34B、34C、34Dがオフ時の場合と異なり、ミキサ35A、35B、35C、35Dにて周波数変換された上記入力信号と、上記バイパス経路を通過する上記入力信号の漏れとが、ミキサ35A、35B、35C、35Dの出力側にて混合され、上記入力信号の信号品質が劣化してしまうという問題を生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記入力信号の漏れを低減できる信号組替回路に適した集積回路装置、およびそれを備えたローノイズブロックダウンコンバータを提示することである。
本発明に係る集積回路装置は、上記課題を解決するために、N個の入力と、M個の出力とを備え上記N個の入力に入力されたN個の入力信号がそれぞれ2つに分岐され、上記それぞれ2つに分岐された入力信号の一方を増幅するN個の増幅手段と、上記それぞれ2つに分岐された入力信号の他方を周波数変換するN個の帯域変換手段と、上記N個の増幅手段と上記N個の帯域変換手段とから出力された合計2N個の出力信号が2N個の入力信号となって入力され、上記2N個の入力信号の中から選択したものを、それぞれについて上記M個の出力の中から選択したものに出力するように制御される2N×Mスイッチ手段とを備え、上記N個の増幅手段が、上記N個の帯域変換手段の利得と等しい利得を有することを特徴としている。
上記の構成によれば、上記入力信号の周波数変換を行う経路と、上記周波数変換を行わない経路とに、上記入力信号がそれぞれ2つに分けられて入力される構成としている。こうして、N個の入力信号から、予め、それぞれの周波数変換を行わない信号と周波数変換を行った信号との両方を生成しておき、それら2N個の信号の中から2N×Mスイッチ手段によって、必要な信号を選択してM個の出力のうちの所望のものに出力する。その結果、上記従来技術のようにスイッチを用いて、周波数変換を行う場合と、周波数変換を行わない場合とで、経路を切り替える必要がないため、それにより生じる上記入力信号の漏れを低減することができる。以上により、上記入力信号の漏れを低減できる信号組替回路に適した集積回路装置を提示することができるという効果を奏する。
また、上記2N×Mスイッチ手段を、上記N個の帯域変換手段と上記N個の増幅手段との後段に配置することで、上記N個の帯域変換手段に備えられるミキサの数をN<Mの場合に、従来よりも少なくすることができ、低コストとすることができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記増幅手段が、上記N個の帯域変換手段の利得と等しい利得を有することが好ましい。
上記の構成によれば、上記N個の増幅手段の利得を、上記N個の帯域変換手段の利得と等しくすることで、上記入力信号の周波数変換を行う経路と、周波数変換を行わない経路とを別々に設ける場合でも、上記入力信号の出力レベルを等しくすることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の増幅手段が、差動増幅回路であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記差動増幅回路は、差動入出力構成であるため、上記差動増幅回路を上記N個の増幅手段として用いることで、シングル構成と比較して、外乱や雑音に強い上記N個の増幅手段とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の帯域変換手段が、ダブルバランスギルバートミキサであることが好ましい。
上記の構成によれば、上記ダブルバランスギルバートミキサは、差動入出力構成であるため、上記ダブルバランスギルバートミキサを上記N個の帯域変換手段として用いることで、外乱や雑音に強い上記N個の帯域変換手段とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の帯域変換手段は、上記N個の入力信号が有する第1の周波数帯域に含まれる信号と、上記第1の周波数帯域と重複しない第2の周波数帯域に含まれる信号とを、上記周波数帯域が互いに重複しないように周波数変換することが好ましい。
上記の構成によれば、上記第1の周波数帯域と、上記第2の周波数帯域とが、互いに重複しないように周波数変換することで、上記入力信号の干渉妨害を低減することができるという効果を奏する。なお、例えば、上記第1の周波数帯域は、上記従来技術で記載したハイバンドであり、上記第2の周波数帯域は、上記従来技術で記載したローバンドである。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の帯域変換手段の周波数変換を行うために、上記N個の帯域変換手段に入力される局部信号の信号周波数は、上記第1の周波数帯域よりも上記第2の周波数帯域の周波数が高い場合、上記第1の周波数帯域内の最も低い周波数と、上記第2の周波数帯域内の最も高い周波数とを足した周波数であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記局部信号の周波数を上記のように設定することで、上記N個の帯域変換手段において、上記入力信号の上記第1の周波数帯域と、上記第2の周波数帯域とが、互いに重複しないように周波数変換することができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の帯域変換手段の周波数変換を行うために、上記N個の帯域変換手段に入力される局部信号の信号周波数は、上記第1の周波数帯域よりも上記第2の周波数帯域の周波数が低い場合、上記第1の周波数帯域内の最も高い周波数と、上記第2の周波数帯域内の最も低い周波数とを足した周波数であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記局部信号の周波数を上記のように設定することで、上記N個の帯域変換手段において、上記入力信号の上記第1の周波数帯域と、上記第2の周波数帯域とが、互いに重複しないように周波数変換することができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の帯域変換手段の周波数変換を行うために上記N個の帯域変換手段に入力される局部信号が、上記N個の帯域変換手段の全てに共通であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記N個の帯域変換手段に入力される局部信号が、全て共通であるため、上記N個の帯域変換手段の数が多くなった場合でも、1つの局部発振器で全ての局部信号を供給することができ、回路規模の縮小、消費電力の低減ができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記N個の入力のそれぞれと、各分岐の上記増幅手段および上記帯域変換手段との間に低雑音増幅手段を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記N個の入力と、上記N個の増幅手段および上記N個の帯域変換手段との間に上記低雑音増幅手段を備えることにより、雑音特性が改善されるため、雑音特性に厳しい要求のあるシステムにも対応できるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記低雑音増幅回路の利得が、可変であることが好ましい。
例えば、上記入力信号レベルが大きい場合、上記低雑音増幅手段によりさらに増幅すると、上記入力信号が歪んでしまう。そこで、上記の構成のように、上記低雑音増幅回路の利得が可変であれば、上記のような場合に、上記低雑音増幅回路の利得を下げることができ、上記入力信号の歪みを抑えることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記2N×Mスイッチ手段が、差動電圧―電流変換回路で構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記差動電圧―電流変換回路は、差動入出力構成であり、入力インピーダンスが高いため、上記差動電圧―電流変換回路を上記2N×Mスイッチ手段として用いることで、外乱や雑音に強い上記2N×Mスイッチ手段とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記差動電圧‐電流変換回路は、バイアス制御により、上記差動電圧‐電流変換回路のオン・オフを切り替えることが好ましい。
上記の構成を有することで、上述した上記2N×Mスイッチ手段の動作を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記差動電圧―電流変換回路の電圧―電流変換利得が、可変であることが好ましい。
例えば、本発明の上記集積回路装置から出力される信号の出力レベルが全て等しいレベルであることを要求されるシステムの場合、上記の構成のように、上記差動電圧―電流変換回路の利得を可変としておくことで、上記差動電圧―電流変換回路内の寄生抵抗成分、もしくは寄生容量成分により生じる出力レベルの変動を補正することができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記差動電圧‐電流変換回路が、さらにスイッチを備え、該スイッチのオン・オフにより、上記差動電圧―電流変換回路の出力を導通、もしくは遮断することが好ましい。
上記の構成によれば、上記差動電圧―電流変換回路の出力部に、さらにスイッチを追加することで、上記差動電圧―電流変換回路と、その後段の回路とのアイソレーション特性をさらに改善することができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置では、上記の構成に加えて、上記の集積回路装置が、ローノイズブロックダウンコンバータが有する信号組替回路に用いられていることが好ましい。
上記の構成によれば、本発明の上記集積回路装置を上記信号組替回路に用いることで、上記入力信号の漏れを低減できるローノイズブロックダウンコンバータとすることができるという効果を奏する。
本発明に係る集積回路装置は、以上のように、N個の入力と、M個の出力と、上記N個の入力に入力されたN個の入力信号がそれぞれ2つに分岐され、上記それぞれ2つに分岐された2N個の入力信号の一方を増幅するN個の増幅手段と、上記それぞれ2つに分岐された2N個の入力信号の他方を周波数変換するN個の帯域変換手段と、上記N個の増幅手段と、上記N個の帯域変換手段とにより出力された上記2N個の出力信号を上記M個の出力のいずれかに出力する、もしくはいずれにも出力しない2N×Mスイッチ手段とを備えている。
そのため、上記N個の入力信号の漏れを低減できる信号組替回路に適した集積回路装置を提示することができる、という効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図を用いて説明すると以下の通りである。なお、以下では、本発明の集積回路装置(以下、スイッチブロックとする)をLNBの信号組替回路の一部に用いた場合の説明を行う。
図2は、LNB102の回路構成を示しており、図13の信号組替回路55を本実施の形態に係る信号組替回路2に置き換えたものである。なお、LNB102の回路構成については、上記従来技術で記載したため、ここでは省略する。また、同一の符号を付した部材は、特に説明しない限り同一の機能を有するものとする。
なお、信号組替回路2には、第1の合成信号および第2の合成信号が入力される。上記第1の合成信号および上記第2の合成信号は、上記従来技術で述べた上記第1の合成信号および上記第2の合成信号と同様に形成されるため、ここではその説明を省略する。
信号組替回路2は、図示のように、スイッチブロック1A、図13のローパスフィルタ36A、36B、図13のハイパスフィルタ37A、37B、および図13の信号結合器38A、38Bを備えている。
スイッチブロック1Aは、信号組替回路2の入力端子でもある2個の入力端子In1、In2、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2、4×4スイッチ回路SW2、4個の出力端子PO1〜PO4、ミキサに入力する局部信号を出力する局部信号発生器L1、および4×4スイッチ回路SW2の制御を行う制御装置S1を備えている。
以下、信号組替回路2の詳細な説明を行う。
入力端子In1には、上記第1の合成信号が入力され、入力端子In2には、上記第2の合成信号が入力される。増幅器a1は、入力端子In1に入力された上記第1の合成信号を増幅するものであり、増幅器a2は、入力端子In2に入力された上記第2の合成信号を増幅するものである。ミキサm1は、入力端子In1に入力された上記第1の合成信号を周波数変換するものであり、ミキサm2は、入力端子In2に入力された上記第2の合成信号を周波数変換するものである。
4×4スイッチ回路SW2は、制御装置S1の指示に従い、増幅器a1、a2で増幅された上記第1の合成信号および上記第2の合成信号と、ミキサm1、m2で周波数変換された上記第1の合成信号および上記第2の合成信号との中から選択したものを、それぞれについて、出力端子PO1〜PO4の中から選択したものに出力する。
ローパスフィルタ36A、36B、ハイパスフィルタ37A、37B、および信号結合器38A、38Bは、上記従来技術で記載したものと同じであるため、ここでは省略する。
信号組替回路2の接続関係を以下に示す。
入力端子In1は2つに分岐され、上記2つに分岐された入力端子In1の一方に、増幅器a1が接続され、上記2つに分岐された入力端子In1の他方に、ミキサm1が接続されている。同様に、入力端子In2は2つに分岐され、上記2つに分岐された入力端子In2の一方に、増幅器a2が接続され、上記2つに分岐された入力端子In2の他方に、ミキサm2が接続されている。
また、増幅器a1、a2の出力と、ミキサm1、m2の出力とに、4×4スイッチ回路SW2が接続されている。そして、4×4スイッチ回路SW2の出力端子PO1に、ローパスフィルタ36Aが接続され、4×4スイッチ回路SW2の出力端子PO2に、ハイパスフィルタ37Aが接続され、4×4スイッチ回路SW2の出力端子PO3に、ローパスフィルタ36Bが接続され、4×4スイッチ回路SW2の出力端子PO4に、ハイパスフィルタ37Bが接続されている。
さらに、ローパスフィルタ36Aの出力と、ハイパスフィルタ37Aの出力とに、信号結合器38Aが接続され、ローパスフィルタ36Bの出力と、ハイパスフィルタ37Bの出力とに、信号結合器38Bが接続されている。
信号組替え回路2の動作について説明する。
入力端子In1に入力された上記第1の合成信号は、2つに分けられて、増幅器a1、ミキサm1にそれぞれ入力される。増幅器a1は、上記第1の合成信号を増幅して、4×4スイッチ回路SW2へ出力する。ミキサm1は、上記第1の合成信号と局部信号発生器L1から送られる局部信号とを混合して周波数変換を行い、4×4スイッチ回路SW2へ出力する。
入力端子In2に入力された上記第2の合成信号は、2つに分けられて、増幅器a2、ミキサm2にそれぞれ入力される。増幅器a2は、上記第2の合成信号を増幅して、4×4スイッチ回路SW2へ出力する。ミキサm2は、上記第2の合成信号と局部信号発生器L1から送られる上記局部信号とを混合して周波数変換を行い、4×4スイッチ回路SW2へ出力する。
4×4スイッチ回路SW2は、制御装置S1の指示に従い、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2の出力信号の中から選択したものを、それぞれについて、出力端子PO1〜PO4の中から選択したものに出力する。
ローパスフィルタ36Aは、出力端子PO1から出力される上記出力信号のローバンド側に含まれる周波数成分を通過させ、ハイパスフィルタ37Aは出力端子PO2から出力される上記出力信号のハイバンド側に含まれる周波数成分を通過させ、信号結合器38Aは、ローパスフィルタ36A、ハイパスフィルタ37Aの上記出力信号を合成して、第3の合成信号を出力する。
ローパスフィルタ36Bは、出力端子PO3から出力される上記出力信号のローバンド側に含まれる周波数成分を通過させ、ハイパスフィルタ37Bは出力端子PO4から出力される上記出力信号のハイバンド側に含まれる周波数成分を通過させ、信号結合器38Bは、ローパスフィルタ36B、ハイパスフィルタ37Bの上記出力信号を合成して、第4の合成信号を出力する。
なお、上記第3の合成信号および上記第4の合成信号が、下段の中間周波数増幅器17A、17Bに入力されてから以降の処理については、上記従来技術で述べたとおりであるため、省略する。
以上に記載したように、信号組替回路2は、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない経路(増幅器a1、a2の経路)と、周波数変換を行う経路(ミキサm1、m2の経路)とに、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号が、それぞれが2つに分けられて入力される構成となっている。本実施の形態では、こうして、第1の合成信号および第2の合成信号から、予め、それぞれの周波数変換を行わない信号と周波数変換を行った信号との両方を生成しておく。そして、それら4つの信号の中から4×4スイッチ回路SW2によって、必要な信号を選択して出力端子PO1〜PO4のうちの所望のものに出力する。例えば、信号結合器38Aによって所望の第3の合成信号を得るには、4×4スイッチ回路SW2の4つの入力信号から2つを選択して、その一方を出力端子PO1に、他方を出力端子PO2に出力する。
そのため、上記従来技術(図13)で示した信号組替回路55と比べ、スイッチ34A、34B、34C、34Dを使用して、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない経路と、周波数変換を行う経路とを、切り替える必要がないため、スイッチ34A、34B、34C、34Dのオン・オフ時に、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない経路と、上記周波数変換を行う経路とを切り替えることにより生じていた上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の漏れを低減できる。
また、スイッチブロック1Aは、4×4スイッチ回路SW2を、ミキサm1、m2と、増幅器a1、a2との後段に配置しているため、ミキサが、入力端子の数と同じ数だけでよいので、N<Mの場合において、ミキサの数を従来よりも減らすことができる。その結果、信号組替回路2のレイアウト面積を小さくすることが可能となり、低コストとなる。
ところが、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の周波数変換を行わない経路と、周波数変換を行う経路とを別々に設けるため、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号が、上記周波数変換を行わない経路から出力される場合と、上記周波数変換を行う経路から出力される場合とで、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の出力レベルが変化してしまう。LNB102の後段に接続されるチューナへの信号入力レベルは一定であることが望ましい。
そこで、スイッチブロック1Aが備えるミキサm1、m2の利得と、増幅器a1、a2の利得とを等しくさせる。その結果、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号が、上記周波数変換を行わない経路から出力される場合と、上記周波数変換を行う経路から出力される場合とで、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の出力レベルを等しくすることができる。
以上、スイッチブロック1Aを備えた信号組替回路2の動作、特徴等を述べた。次に、信号組替回路2内のスイッチブロック1Aの一般形であるスイッチブロック1の概略を図1に示す。
スイッチブロック1は、図示のように、N個の入力端子In1〜InN(N個の入力)、N個の増幅器a1〜aN(N個の増幅手段)、N個のミキサm1〜mN(N個の帯域変換手段)、2N×Mスイッチ回路SW1(2N×Mスイッチ手段)、M個の出力端子PO1〜POM(M個の出力)、図示しないミキサに入力する局部信号を出力する局部信号発生器L1、および2N×Mスイッチ回路SW1の制御を行う制御装置S1を備えている。
スイッチブロック1の接続関係を示す。
N個の入力端子In1〜InNはそれぞれ2つに分岐され、上記それぞれ2つに分岐されたN個の入力端子In1〜InNの一方に、N個の増幅器a1〜aNがそれぞれ接続され、上記それぞれ2つに分岐されたN個の入力端子In1〜InNの他方に、N個のミキサm1〜mNがそれぞれ接続されている。また、N個の増幅器a1〜aNとN個のミキサm1〜mNとの出力に、2N×Mスイッチ回路SW1が接続されている。
なお、入力端子In1〜InNが差動入力端子であるとき、および、出力端子PO1〜POMが差動出力端子であるときは、1対の差動対端子を1個の入力端子および出力端子とする。
次に、ミキサm1、m2が、周波数変換を行う時の動作について、ミキサmNを用いて説明する。
図3は、ミキサmNに第1の周波数帯域Aと第2の周波数帯域Bとで構成される合成信号が入力される場合であり、入力端子P1はミキサmNの入力端子、出力端子P2はミキサmNの出力端子、局部信号入力端子P3はミキサmNの局部信号入力端子、局部信号周波数fLOは、ミキサmNに入力される局部信号の周波数である。第1の周波数帯域Aの帯域はf1〜f1+Δf、第2の周波数帯域Bの帯域はf2−Δf〜f2であり、f1<f2である。
ここで、局部信号周波数fLOの設定方法について記載する。
まず、第1の周波数帯域Aよりも第2の周波数帯域Bの周波数が高い場合、局部信号周波数fLOは、第1の周波数帯域A内の最も低い周波数と、第2の周波数帯域B内の最も高い周波数とを足した周波数とすればよい。一方、第1の周波数帯域Aよりも第2の周波数帯域Bの周波数が低い場合、局部信号信号周波数fLOは、第1の周波数帯域A内の最も高い周波数と、第2の周波数帯域B内の最も低い周波数とを足した周波数とすればよい。上記合成信号は、f1<f2であり、第1の周波数帯域Aよりも第2の周波数帯域Bの周波数が高いため、局部信号周波数fLO=f1+f2となる。
以上のように、局部信号周波数fLOを設定することで、第1の周波数帯域Aと、第2の周波数帯域Bとが、互いに重複しないように周波数変換することが可能となる。その結果、上記合成信号の干渉妨害を低減することができる。
次に、ミキサmNの動作について説明する。入力端子P1より入力された上記合成信号は、ミキサmNにおいて、局部信号入力端子P3より入力された上記局部信号と混合され、上記合成信号の上記第1の周波数帯域Aが、fLO−(f1〜f1+Δf)=f2−Δf〜f2となり、上記第2の周波数帯域Bが、fLO−(f2−Δf〜f2)=f1〜f1+Δfとなる。このようにして、上記合成信号内の上記第1の周波数帯域Aと上記第2の周波数帯域Bとを相互に入れ替えることができる。
なお、上記局部信号は、全てのミキサに共通であることが好ましい。上記局部信号が、全て共通であれば、ミキサの数が多くなった場合でも、1つの局部発振器で全ての局部信号を供給することができ、回路規模の縮小、消費電力の低減ができる。
次に、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2の実施例、さらに、4×4スイッチ回路SW2以外の2N×Mスイッチ回路SW1の実施例について述べる。
まず、図4に、ミキサm1をダブルバランスギルバートミキサ、増幅器a1を差動増幅回路で構成する場合の実施例を示す。
上記ダブルバランスギルバートミキサは、トランジスタ差動対Q1・Q2、トランジスタ差動対Q1・Q2のトランジスタQ1(NPN型)のエミッタと、トランジスタ差動対Q1・Q2のトランジスタQ2(NPN型)のエミッタとの間に接続されたインピーダンス素子ZE1、トランジスタQ1のエミッタに接続された直流電流源I1、およびトランジスタQ2のエミッタに接続された直流電流源I2を備えている。
また、局部信号によりスイッチング動作を行うトランジスタ差動対Q5・Q6、トランジスタ差動対Q7・Q8、トランジスタ差動対Q5・Q6のトランジスタQ5(NPN型)のコレクタと基準電圧源Vccとの間に接続されたインピーダンス負荷ZL1、およびトランジスタ差動対Q7・Q8のトランジスタQ8(NPN型)のコレクタと基準電圧源Vccとの間に接続されたインピーダンス負荷ZL2を備えている。
そして、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタ差動対Q5・Q6のエミッタとが接続され、トランジスタQ2のコレクタとトランジスタ差動対Q7・Q8のエミッタとが接続され、トランジスタ差動対Q5・Q6のトランジスタQ6(NPN型)のコレクタとトランジスタQ8のコレクタとが接続され、トランジスタ差動対Q7・Q8のトランジスタQ7(NPN型)のコレクタとトランジスタQ5のコレクタとが接続されている。
なお、トランジスタQ5のコレクタとインピーダンス負荷ZL1との接続点と、トランジスタQ8のコレクタとインピーダンス負荷ZL2との接続点とが、差動出力端子Pout2・Pout2Xとなっている。
さらに、トランジスタQ5のベースとトランジスタQ8のベースとが互いに接続され、トランジスタ差動対Q5・Q6とトランジスタ差動対Q7・Q8との局部信号入力端子Ploとなり、トランジスタQ6のベースとトランジスタQ7のベースとが互いに接続され、トランジスタ差動対Q5・Q6とトランジスタ差動対Q7・Q8との局部信号入力端子PloXとなっている。
上記差動増幅回路は、トランジスタ差動対Q3・Q4、トランジスタ差動対Q3・Q4のトランジスタQ3(NPN型)のエミッタと、トランジスタ差動対Q3・Q4のトランジスタQ4(NPN型)のエミッタとの間に接続されたインピーダンス素子ZE2、トランジスタQ3のエミッタに接続された直流電流源I3、トランジスタQ4のエミッタに接続された直流電流源I4、トランジスタQ3のコレクタと基準電圧源Vccとの間に接続されたインピーダンス負荷ZL3、およびトランジスタQ4のコレクタと基準電圧源Vccとの間に接続されたインピーダンス負荷ZL4を備えている。
そして、トランジスタQ3のコレクタとインピーダンス負荷ZL3との接続点と、トランジスタQ4のコレクタとインピーダンス負荷ZL4との接続点とが、差動出力端子Pout1・Pout1Xとなっている。
なお、上記ダブルバランスギルバートミキサに備えられるトランジスタQ1のベースと上記差動増幅回路に備えられるトランジスタQ3のベースとが互いに接続され、上記ダブルバランスギルバートミキサに備えられるトランジスタQ2のベースと上記差動増幅回路に備えられるトランジスタQ4のベースとが互いに接続され、上記ダブルバランスギルバートミキサと上記差動増幅回路とに共通の差動入力端子Pin・PinXとなっている。
なお、信号組替回路1の増幅器a1〜aNの利得とミキサm1〜mNの利得とを等しくすることが好ましいことを前述したが、増幅器a1〜aNを上記差動増幅回路、ミキサm1〜mNを上記ダブルバランスギルバートミキサで構成した場合は、上記ダブルバランスギルバートミキサのインピーダンス負荷ZL1、ZL2の大きさと、上記差動増幅回路のインピーダンス負荷ZL3、ZL4の大きさとを適当な値に調整することによって、増幅器a1〜aNの利得とミキサm1〜mNの利得とを等しくすることができる。また、増幅器a1〜aNとミキサm1〜mNを上記のような差動型の回路を用いて構成することで、外乱に強く、雑音特性に優れた回路とすることができる。
次に、図5に、2N×Mスイッチ回路SW1の実施例として、4×2スイッチ回路SW3の実施例を示す。上記4×2スイッチ回路SW3は、スイッチsw11、sw12、sw13、sw14、sw15、sw16、sw17、sw18、スイッチsw11、sw12の共通の入力端子PI11、sw13、sw14の共通の入力端子PI12、sw15、sw16の共通の入力端子PI21、sw17、sw18の共通の入力端子PI22、sw11、sw13、sw15、sw17の共通の出力端子PO1、およびsw12、sw14、sw16、sw18の共通の出力端子PO2を備えている。
上記のような構成を有することで、スイッチsw11〜sw18の制御によって、任意の入力端子PI11、PI12、PI21、PI22から、任意の出力端子PO1、PO2への経路を与えることができ、さらに、出力端子PO1、PO2への経路をもたないようにすることも可能である。
さらに上記4×2スイッチ回路SW3の他の実施例として、図6に、差動電圧−電流変換回路で構成する4×2スイッチ回路SW4の実施例を示す。なお、4×2スイッチ回路SW3と同一の符号を付した部材は、特に説明しない限り同一の機能を有するものとする。さらに、以下に記載する差動入力端子および差動出力端子は、1つのトランジスタ差動
対の差動入力端子、または差動出力端子で、スイッチ回路の1つの入力、または出力である。
図6に示される4×2スイッチ回路SW4は、スイッチsw21、sw22、sw23、sw24、sw25、sw26、sw27、sw28を備えている。
スイッチsw21〜sw28のそれぞれは、トランジスタ差動対Q9・Q10、トランジスタ差動対Q9・Q10のトランジスタQ9(NPN型)のエミッタと、トランジスタ差動対Q9・Q10のトランジスタQ10(NPN型)のエミッタとの間に接続されたインピーダンス素子Z1、トランジスタQ9のエミッタに接続された直流電流源I5、およびトランジスタQ10のエミッタに接続された直流電流源I6を備えた差動―電圧電流変換回路である。
また、スイッチsw21、sw22のそれぞれのトランジスタQ9のベースが互いに接続されるとともに、スイッチsw21、sw22のそれぞれのトランジスタQ10のベースが互いに接続されることにより、スイッチsw21、sw22に共通の差動入力端子PI11・PI11Xが構成されている。
同様に、スイッチsw23、sw24のそれぞれのトランジスタQ9のベースが互いに接続されるとともに、スイッチsw23、sw24のそれぞれのトランジスタQ10のベースが互いに接続されることにより、スイッチsw23、sw24に共通の差動入力端子PI12・PI12Xが構成されている。
同様に、スイッチsw25、sw26のそれぞれのトランジスタQ9のベースが互いに接続されるとともに、スイッチsw25、sw26のそれぞれのトランジスタQ10のベースが互いに接続されることにより、スイッチsw25、sw26に共通の差動入力端子PI21・PI21Xが構成されている。
同様に、スイッチsw27、sw28のそれぞれのトランジスタQ9のベースが互いに接続されるとともに、スイッチsw27、sw28のそれぞれのトランジスタQ10のベースが互いに接続されることにより、スイッチsw27、sw28に共通の差動入力端子PI22・PI22Xが構成されている。
なお、4つの上記差動入力端子は、4×2スイッチ回路SW4の4つの入力端子に相当する。
また、スイッチsw22、sw24、sw26、sw28のそれぞれのトランジスタQ9のコレクタが互いに接続されるとともに、スイッチsw22、sw24、sw26、sw28のそれぞれのトランジスタQ10のコレクタが互いに接続されることにより、差動出力端子PO1・PO1Xが構成されている。
同様に、スイッチsw21、sw23、sw25、sw27のそれぞれのトランジスタQ9のコレクタが互いに接続されるとともに、スイッチsw21、sw23、sw25、sw27のそれぞれのトランジスタQ10のコレクタが互いに接続されることにより、差動出力端子PO2・PO2Xが構成されている。
なお、2つの上記差動出力端子は、4×2スイッチ回路SW4の2つの出力端子に相当する。
スイッチsw21〜sw28は、それぞれが備える直流電流源I5、I6をオン・オフすることで、任意の差動入力端子PI11・PI11X、PI12・PI12X、PI21・PI21X、PI22・PI22Xから、任意の差動出力端子PO1・PO1X、PO2・PO2Xへの経路を与える、もしくは差動出力端子PO1・PO1X、PO2・PO2Xへの経路をもたないように動作する。
なお、図7に、スイッチsw21〜sw28がそれぞれ備える直流電流源I5、I6のオン・オフ動作を行うための回路の実施例を示す。図7は、スイッチsw21を例として示している。スイッチsw21の基本的な回路構成は、前述しているため、省略する。
図示のように、スイッチsw21の直流電流源I5、I6として、トランジスタQ11、Q12、Q13(NPN型)によるカレントミラー回路、直流電流源I7、スイッチsw30を新たに備え、スイッチsw30のオン・オフにより、直流電流源I5、I6のオン・オフ動作が可能となり、その結果、スイッチsw21〜sw28の動作が行える。
以上のように、2N×Mスイッチ回路SW1を、差動型の回路を用いて構成することにより、外乱や雑音に強い2N×Mスイッチ回路SW1とすることができる。
また、スイッチsw21〜sw28がそれぞれ備えるトランジスタ差動対Q9・Q10のエミッタ間に接続されるインピーダンス素子Z1を可変とすれば、スイッチsw21〜sw28の電圧―電流変換利得を可変とすることができる。このような構成を有するスイッチsw21〜sw28の実施例を図8に示す。なお、図8は、スイッチsw21を例として示している。スイッチsw21の基本的な回路構成は、前述しているため、省略する。
図8は、スイッチsw21が備えるトランジスタ差動対Q9・Q10のエミッタ間に接続されるインピーダンス素子Z1が、直列に接続された抵抗R1、R2、R3、抵抗R2の両端に接続されたMOSトランジスタM1(nチャンネル型)、およびMOSトランジスタM1のゲートであるインピーダンス制御端子Pctrlから構成されている。インピーダンス制御端子Pctrlに与えられる電圧によって、MOSトランジスタM1がオン・オフし、その結果、インピーダンス素子Z1が可変となる。
このような構成を有することで、信号組替回路1から出力される信号の出力レベルが全て等しいレベルであることを要求されるシステムの場合、スイッチsw21〜sw28の回路内の寄生抵抗成分、もしくは寄生容量成分により生じる出力レベルの変動を補正することができる。
また、スイッチsw21〜sw28のオフ時の信号アイソレーション特性をさらに強化するために、スイッチsw21〜sw28内に、新たにスイッチを含む構成としてもよい。このような構成のスイッチsw21〜sw28の実施例を図9に示す。なお、図9は、スイッチsw21を例として示している。スイッチsw21の基本的な回路構成は、前述しているため、省略する。
図9は、スイッチsw21が備えるトランジスタ差動対Q9・Q10のコレクタに、MOSトランジスタMsw1、Msw2(nチャンネル型)、MOSトランジスタMsw1、Msw2のゲートである制御端子Pswが配置された構成を示している。MOSトランジスタMsw1、Msw2は、制御端子Pswに与えられる電圧により、オン・オフする。
以上のような構成を有することで、スイッチsw21〜sw28のオフ時に、トランジスタMsw1、Msw2をオフすることにより、アイソレーション特性を強化することができる。
以上、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2、4×4スイッチ回路SW2以外の2N×Mスイッチ回路SW1の実施例について述べたが、上記の構成に限られるわけではない。
以上に示した信号組換回路2をLNBに備えることで、上記第1の合成信号および上記第2の合成信号の漏れや出力レベルの差が出にくく、かつ、ミキサの数が少ないLNBとすることができる。また、LNBが図1の2N×Mスイッチ回路SW1を備える場合には、N個の合成信号が信号組替回路に入力可能である。
〔実施の形態2〕
図10は、本発明の他の実施の形態に係る信号組替回路2内のスイッチブロック1Bの概略を示している。なお、スイッチブロック1Aと同一の符号を付した部材は、特に説明しない限り同一の機能を有するものとする。
図示のように、スイッチブロック1Bは、2個の入力端子In1、In2、低雑音増幅器(LNA)lna1、lna2、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2、4×2スイッチ回路SW5、2個の出力端子PO1、PO2、局部信号発生器L1、および制御装置S1を備えている。
低雑音増幅器lna1は、入力端子In1に入力される第1の合成信号を低雑音増幅するためのものであり、低雑音増幅器lna2は、入力端子In2に入力される第2の合成信号を低雑音増幅するためのものである。また、4×2スイッチ回路SW5は、2N×Mスイッチ回路SW1の1例である。
その接続関係を示す。
入力端子In1に低雑音増幅器lna1が接続され、低雑音増幅器lna1の出力が2つに分岐され、上記2つに分岐された低雑音増幅器lna1の出力の一方に増幅器a1が接続され、上記2つに分岐された低雑音増幅器lna1の出力の他方にミキサm1が接続されている。
同様に、入力端子In2に低雑音増幅器lna2が接続され、低雑音増幅器lna2の出力が2つに分岐され、上記2つに分岐された低雑音増幅器lna2の出力の一方に増幅器a2が接続され、上記2つに分岐された低雑音増幅器lna2の出力の他方にミキサm2が接続されている。
また、増幅器a1、a2の出力と、ミキサm1、m2の出力とに、4×2スイッチ回路SW5が接続されている。
なお、その動作は、上記実施の形態1で示した信号組替回路2と同様であるため、省略する。
LNBの雑音特性は、信号組替回路より後段の回路よりも、前段の回路の影響が支配的である。よって、低雑音増幅器lna1、lna2を入力端子In1、In2と、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2との間に配置することで、スイッチブロック1Aを備えた信号組替回路2よりも雑音特性が優れたものとなり、雑音特性に厳しい要求のあるシステムにも対応できる。
また、低雑音増幅器lna1、lna2の利得を可変としてもよい。これは、入力端子In1、In2に入力される信号レベルが大きい場合、低雑音増幅器lna1、lna2で増幅してしまうと、上記信号が歪んでしまう。そこで、低雑音増幅器lna1、lna2の利得を可変としておけば、上記のような場合に、低雑音増幅器lna1、lna2の利得を下げることができ、上記信号の歪みを抑えることができる。
以上のように、増幅器a1、a2、ミキサm1、m2の前段に低雑音増幅器lna1、lna2を設けることで、より雑音特性が優れた信号組替回路2とすることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。