JP4049806B2 - 上向き凸状形体に予め配置されたコアを有する衛生ナプキン - Google Patents

上向き凸状形体に予め配置されたコアを有する衛生ナプキン Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は衛生ナプキンに関し、より詳細には、上向き凸状形体によって身体接触を向上させ、かつ、折り曲げ線をもつコアを有する衛生ナプキンに関する。
【従来の技術】
衛生ナプキンは周知である。衛生ナプキンは、経血を遮り、経血により装着者の衣類や寝具が汚れるのを保護する。しかしながら、衛生ナプキンが使用時にずれることがしばしばあり、このような場合には、経血は目標領域に到達しない。さらに、衛生ナプキンが装着者の身体と密接している場合には、経血が遮られることがある。
上向き凸状形体を有する衛生ナプキンを提供することによって、装着者との身体接触を向上させ、経血を吸収し、汚れを最少にする、幾つかの試みがなされてきた。このような試みの例が、1956年5月29日にマーサーに付与された米国特許第2,747,575号、1967年9月26日にグラスマンに付与された同第3,343,543号、1992年12月15日にブール付与された同第5,171,302号、および1993年3月30日にブールに付与された同第5,197,959号に開示されている。ブールに付与された2つの特許を参考文献としてここに含める。しかしながら、グラスマンの特許は、今日商業的な成功を収めている衛生ナプキンにおいて顕著な欠点を有しており、ブールの特許以上に一層の改良が可能である。
【発明が解決しようとする課題】
例えば、マーサーの特許は、長さ方向に平均的に丸くするために、衛生ナプキンの厚さ方向に縫うことを必要としている。現在の構成に従って衛生ナプキンを縫うのは、利用している材料のため、実行不可能である。また、この方法は非常に時間がかかり、且つコスト高となる。
グラスマンの特許は、衛生ナプキンが、機械的圧縮または切り込みスリットによって衛生ナプキンの頂面に形成された長さ方向溝部を有することを必要としている。この衛生ナプキンは更に、圧縮によって形成された連続溝部を有し、この連続溝部は、衛生ナプキンの背部に防湿カバーを備えていても備えていなくともよい。溝部により、衛生ナプキンは逆U形に折り畳むことができる。しかしながら、長さ方向溝部は、装着者の恥丘のまわりで衛生ナプキンの前部を凹状形体にせず、臀裂にフィットしない。より重要なことは、連続的な長さ方向溝部は、弾性を有することを阻止する。弾性は、装着者の大腿による側方圧力のような外部変形力が除去されたとき、衛生ナプキンを非圧縮形体に復元させる能力である。目標領域が出来るだけ大きいままであり、経血が装着者の衣類に到達しないように、衛生ナプキンが弾性を有していることが重要である。さらに、圧縮された溝部は、より小さな吸収速度すなわち吸収能力を有している。
ブールの特許は、曲げヒンジをもつ変形要素を備えた衛生ナプキンを教示している。変形要素は、フォームのような成形可能な物質であり、リフォーム可能すなわち弾性であるのがよい。変形要素(したがって、衛生ナプキン)は、装着者の大腿による側方圧力に応答して、W形横断面に変形する。マーサーの特許の縫い付けと同様な、この変形要素は、衛生ナプキンに加えるべき付加的な構成要素を必要としており、したがってコスト高となる。
さらに、これらの試みのいずれも、現在商業的に成功を収めている特定の衛生ナプキンでは適当ではない。現在の衛生ナプキンはしばしば、厚さが5mm以下(しばしば3mm以下)の超吸収材料を有している。このような衛生ナプキンは、材料が薄すぎ且つ縫い付けを支持する程の強度を有していないため、マーサーの特許における教示のように、容易に縫うことはできない。Z方向の縫い付けは困難であり、非常に時間がかかりコスト高となる。同様に、衛生ナプキンは、下側に溝部が設けられている場合には、装着者の恥丘のまわりでカップ形状を形成せず弾性でもない。何故ならば、衛生ナプキンが、長さ方向の長さ全体に沿って可撓性であるからである。さらに、厚さが非常に増大するので、このような衛生ナプキンに変形要素を加えることはできない。衛生ナプキンの厚さが増大すると、装着者が衛生ナプキンを意識しがちになり、快適さが損なわれる。
したがって、本発明の目的は、上向き凸状横断面を形成する衛生ナプキンを提供することである。本発明の別の目的は、装着者の恥丘の方へ窪んだ衛生ナプキンを提供することである。本発明のさらに別の目的は、別個の要素を加えることなしに、弾性を有する衛生ナプキンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明は、互いに直交する長さ方向および横断方向の中心線を有する衛生ナプキンを備えている。衛生ナプキンは、液体透過性のトップシートと、液体不透過性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置決めされた吸収コアとを有している。吸収コアは、トップシートの方へ向いた第1の主要面を有している。吸収コアの第1の主要面には、折り曲げ線が設けられている。この折り曲げ線は、横断方向中心線の方に向かって開き、長さ方向中心線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している。
好ましい実施例では、第1の折り曲げ線は、一連の不連続箇所によって形成されている。不連続箇所は、熱、圧縮、又はそれらの組合せによって、トップシートと吸収コアを接合する。
衛生ナプキンは又、第1の折り曲げ線および横断方向中心線の方に向かって開き、長さ方向中心線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している第2の折り曲げ線を有している。衛生ナプキンは、長さ方向中心線に向かって凸で長さ方向側縁部に向かって開いた湾曲あるいは屈曲している付加的な折り曲げ線を有している。
第1および第2の折り曲げ線により、衛生ナプキンは、膣口のところで上向き凸状形体に、そして装着者の恥丘のまわりで上向き凸状形体に変形することができる。付加的な折り曲げ線により、衛生ナプキンは、装着者の大腿による側方圧力に応答して、W形横断面に変形することができる。
【発明の実施の形態】
ここで使用される語“吸収物品”は、身体排出物を吸収し収容する装置を意味し、より詳細には、装着者の身体に当てて或いは近接して配置され身体から排出される種々の分泌物を吸収し収容する装置を意味する。語“使い捨て”は、洗濯され或いは吸収物品として復元され再使用されたりすることを意図していない吸収物品を意味する。(すなわち、一度の使用の後、廃棄され、好適には、リサイクルされ、環境に適合するように処理されるようになっている。)語“一体の”吸収物品は、別個のホルダとライナのような別個の繰作部分を必要としないように、別々の部分を互いに結合して形成した吸収物品を意味している。本発明の一体の使い捨て吸収物品の好適な実施例は、第1図に示されるように、生理パッドすなわち衛生ナプキン20である。ここで使用される語“衛生ナプキン”は、生殖器領域の略外側の外陰部領域に隣接して女性が装着し、装着者の身体からの経血流体や他の排出物(例えば、血液、尿)を収容する吸収物品を意味する。装着者の前庭部の内外に部分的に存するインターラビアル装置も、本発明の範囲内にある。ここで使用される語“外陰部”は、外部から視認できる女性の生殖器を意味する。しかしながら、本発明は、パンティライナのような生理パッドや失禁ブリーフ等のような他の吸収物品にも適用できることを理解すべきである。
第1図は、本発明の衛生ナプキン20を拡げた状態で示した平面図であり、衛生ナプキン20の構造をより明瞭に示すため構造の一部が切り取られており、装着者に面し或いは接触する衛生ナプキン20の部分が図の手前に向けられている。第1図に示されるように、衛生ナプキン20は好ましくは、流体透過性のトップシート24と、トップシート24に接合された液体不透過性のバックシート26と、トップシート24とバックシート26との間に位置決めされた吸収コア28とを備えている。吸収コア28は、2つの面、すなわちトップシート24の方へ向いた第1の主要面と、バックシート26の方へ向いた第2の主要面とを有している。第1の主要面は、吸収コア28を上向きに凸状の形体に変形させたとき、吸収コア28の引っ張り側にある。幾つかの折り曲げ線が、吸収コア28の第1の主要面に配置されている。
衛生ナプキン20は、2つの中心線、すなわち長さ方向中心線O−Oと、横断方向中心線A−Aとを有している。ここで使用される語“長さ方向”は、衛生ナプキン20を装着したとき直立する装着者を右半身と左半身に分割する垂直面と略整合している(すなわち、垂直面と略平行な)衛生ナプキン20の平面上の線、軸線または方向のことを意味している。また、ここで使用される語“横断方向”または“側方”は同じ意味であり、長さ方向と略直交する衛生ナプキン20の平面内に位置する線、軸線または方向を意味している。Z方向は、衛生ナプキン20の長さ方向中心線および横断方向中心線と直交しており、長さ方向中心線O−Oと横断方向中心線A−Aとによって定められる衛生ナプキン20の平面から離れる方向に延びている。
長さ方向軸線と整合している衛生ナプキン20の長さ方向縁部は、衛生ナプキン20の長さ方向側縁部である。長さ方向側縁部に接合している衛生ナプキン20の端部は、衛生ナプキン20の横断方向端部である。衛生ナプキン20の長さ方向側縁部と横断方向端部は、衛生ナプキン20の周囲を構成している。
トップシート24、バックシート26および吸収コア28は、(いわゆる、“チューブ状”製品または側部フラップ製品を含む)種々の周知の形体に組み立てることができるが、好ましい衛生ナプキンの形体は、1990年8月21日にオズボーンに付与された米国特許第4,950,264号(薄い可撓性衛生ナプキン)、1984年1月10日にデスマレスに付与された同第4,425,130号(複合衛生ナプキン)、1982年3月30日にアールに付与された同第
4,321,924号(縁付き使い捨て吸収物品)および1987年8月18日にフォン・ティルバーグに付与された同第4,589,876号(フラップを備えた成形衛生ナプキン)に記載されている。これらの特許を参考文献としてここに含める。第1図は、トップシート24とバックシート26の長さと幅が吸収コア28の長さと幅よりも全体として大きい、衛生ナプキン20の好適な実施例を示している。トップシート24とバックシート26は、吸収コア28の縁部を超えて延び、周囲部分ならびに側部フラップを形成している。
吸収コア28は、液体(例えば、経血および/又は尿)を吸収し或いは保持することができる吸収手段であるのがよい。吸収コア28は、種々の寸法および形状(例えば、短形、楕円形、砂時計形状、ドッグボーン形状、非対称形状など)で、衛生ナプキンに通常使用される種々の液体吸収物品および例えばエアフェルトと一般的に呼ばれている粉砕された木材パルプのような他の吸収物質から製造される。他の適当な吸収物質の例として、クレープ状のセルロース詰綿、コフォームを含む溶融吹込成形されたポリマー、化学的に固められ修正され又は架橋されたセルロース繊維、けん縮されたポリエステル繊維のような合成繊維、ピートモス、ティッシュラップ、ティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収フォーム、吸収スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収ゲル化材料、或いはこれらと同等な物質、或いはこれらの混合物がある。特に好ましい吸収コア28は、約15パーセントの合成繊維を含む熱結合されたエアレイド材料で形成されている。合成繊維は、後述するように融合して吸収コア28とトップシート24を接合するのが容易であるので、好ましい。特に好ましい合成繊維は、ポリエチレンのシースとポリプロピレンの中央部とを有する二成分材料である。
吸収コアの形状および構造を変えてもよい。(例えば、吸収コア28は、(例えば、中央部で厚くなるように形成された)厚み変動帯域、親水性の勾配、超吸収性の勾配、または低平均密度および低平均坪量の捕捉帯域を有していてもよく、或いは1つ以上の層または構造を備えていてもよい。)しかしながら、吸収コア28の全体吸収容量は、衛生ナプキン20の設計負荷および意図した使用に適合すべきである。さらに、吸収コア28の寸法および吸収能力は、失禁パッド、パンティライナ、普通の衛生ナプキンまたは夜間衛生ナプキンのような種々の使用に適合するように変えてもよい。
バックシート26は、液体不透過性であり、他の可撓性の液体不透過性材料を使用してもよいが、好ましくは、プラスチック薄膜によって製造される。ここで使用される語“可撓性”は、柔軟で人体の体型および輪郭に容易に順応する材料を意味している。バックシート26は、吸収コア28に吸収され収容された排出物が、装着者の衣類や寝具を濡らすのを防止する。或いは、バックシート26は、フィルムで被覆された不織布材料からなるものでもよい。好ましくは、バックシート26は、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムである。典型的なポリエチレンフィルムには、米国オハイオ州シンシナチのクロペイ社によって製造され、161−0001として販売されているもの、米国インディアナ州テール・オートのトレデガー社によって製造され、XP−39385として販売されているものがある。
バックシート26は、吸収コア28の方へ配向された内側面と、内側面と反対側に配向された外側面とを有する。バックシート26の外側面は、装着者の下着に面しており、使用時には下着に接触する。所望ならば、衛生ナプキン20の装着者の下着への取付けを容易にするために、接着剤のストリップを、バックシート26の外側面に接合してもよい。
トップシート24は、柔軟で柔らかい感触であり、装着者の皮膚を刺激しない。さらに、トップシート24は、液体透過性であり、液体(例えば、経血および/又は尿)をその厚さを通して容易に浸透させる。適当なトップシート24は、孔開き成形フィルム、フォーム、天然繊維または合成繊維によって構成される織布または不織布材料で製造される。好ましいトップシート24は、1975年12月30日にトンプソンに付与された米国特許第3,929,135号(テーパのついた厚みを有する吸収構造体)、1982年4月13日にミューランに付与された同第4,324,246号(ひずみ抵抗トップシートを有する使い捨て吸収物品)、1982年8月3日にラデル等に付与された同第4,342,314号(繊維状の性質を呈する弾性プラスチックウェブ)、1984年8月3日にアール等に付与された同第4,463,045号(非光沢可視表面および布状の触感を呈する巨視的に膨張する三次元プラスチックウェブ)および1991年4月9日にベァードに付与された同第5,006,394号(多層ポリマーフィルム)に記載されているような、孔開き成形フィルムを含む。これらの特許を参考文献としてここに含める。
本発明の好ましいトップシート24は、上述の特許のうち1つ以上に記載され、米国オハイオ州シンシナチのP&G社によって製造され衛生ナプキン“ドライ・ウィーブ”として販売されている成形フィルムである。ここに記載され請求されている発明については、トップシート24を熱によって吸収コア28の合成繊維に接合することができるように、合成繊維であることが好ましい。ここに記載されている実施例については、トップシート24と吸収コア28は、表面温度が約149〜177℃のエンボスプレートを使用して,連続または不連続の折り曲げ線30,30′のところで接合されている。エンボスプレートは、合成材料を各々有するトップシート24と吸収コア28に、約10秒間圧力を加えるのに使用される。
バックシート26とトップシート24は、バックシート26とトップシート
24との間に吸収コア28があるように、吸収コア28の第1および第2の主要面にそれぞれ隣接して位置決めされている。バックシート26とトップシート
24は好ましくは、当該技術分野において周知の取付け手段(図示せず)によって、取付け手段に及び互いに結合されている。満足すべき取付け手段と思われる接着剤は、米国ミネソタ州セントポールのH.B.フラー社によって製造され、HL−1258またはH−2031として販売されている。取付け手段は好ましくは、1986年3月4日にミネトーラ等に付与された米国特許第4,573,986号(使い捨ての排泄物収容下着)に開示されているような、フィラメントの開放パターン網状構造の接着剤を含む。この特許を参考文献としてここに含める。別の取付け手段として、熱結合、圧力結合、超音波結合および動的機械結合がある。
本発明の好適な変形例では、衛生ナプキン20は、2つのフラップ(図示せず)を有し、各フラップは、衛生ナプキン20の長さ方向側縁部を側方に超えて延びている。フラップは、装着者の下着の縁部を覆うように形作られている。フラップは、好ましくは下着の縁部に沿って二重壁バリアを形成することによって、経血で装着者の身体とパンティが汚れないようにするのに役立つ。フラップには好ましくは、フラップを下着の股部分の下に折り返すことができるように、下着面に取付け手段が設けられている。このようにして、フラップは、衛生ナプキン
20を適当に位置決めするのに役立つ。
フラップは、トップシート24、バックシート26、これらの組合せに使用される材料を含む種々の材料で構成することができる。さらに、フラップは、衛生ナプキン20の主本体部分に取付けられた別個の要素でもよく、或いは、トップシート24および/又はおよびバックシート26の延長部からなるものでもよい。好ましいフラップは、1987年8月18日にファン・ティルバーグに付与された米国特許第4,687,478号、1986年5月20日にファン・ティルバーグに付与された同第4,589,876号に従って作ることができる。これらの特許を参考文献としてここに含める。
フラップは、遠位縁部が、衛生ナプキン20に接合された近位端部から外方に延びている。ここに記載されている実施例では、フラップの近位端部を、衛生ナプキン20の長さ方向側部の内側のところで、衛生ナプキン20のバックシート26の下着側面に接合するのが好ましい。
衛生ナプキン20の第1の主要面には、第1の折り曲げ線30が設けられている。折り曲げ線30は、連続したものであっても不連続なものであってもよい。折り曲げ線30は、圧縮或いは衛生ナプキン20の吸収コア28への切り込み等による、多数の方法で設けられる。衛生ナプキン20は、折り曲げ線30のまわりで変形し或いは曲げられる。
第1の折り曲げ線30は好ましくは、長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している。“長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している”とは、折り曲げ線が長さ方向軸線に対して対称であり且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲していることを意味し、より詳細には、折り曲げ線30は、衛生ナプキン20の横断方向中心線A−Aの方に向かって開いている。
第1の折り曲げ線30により、折り曲げ線の湾曲あるいは屈曲している部分の内側の衛生ナプキン20の部分は、上向き凸状形体に折り曲げられるようになっている。かかる構成により、衛生ナプキン20は、装着者の大腿によって加えられる圧力に応答して、膣口のところで上向き凸状形体に変形する。
横断方向中心線A−Aの方に開き、長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している第1の折り曲げ線30は、装着時に衛生ナプキン20の前部に配向されるべきである。かかる構成により、衛生ナプキン20は、装着者の恥丘のまわりで上向き凸状形体に変形する。
第1の折り曲げ線30は、長さ方向軸線O−Oに対して約15〜約50°(好ましくは約20°)の挟角Θを形成する。長さ方向の全体長さが約21cmの衛生ナプキン20に関する実施例では、第1の折り曲げ線30は、長さ方向中心線O−Oの頂点から、長さ方向中心線O−Oから最も離れている箇所まで測定して、約2.5cm〜約6.0cmの長さを有している。
より好ましい実施例では、衛生ナプキン20は更に、第2の折り曲げ線30′を備えている。第2の折り曲げ線30′も又、横断方向中心線A−Aの方に開き、長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している。かかる構成により、装着時に装着者が衛生ナプキン20を適切に配置したか或いは逆に配置したかを考慮することなしに、衛生ナプキン20をいずれの配向にも装着することができる。
所望ならば、第1および第2の折り曲げ線30、30′を、長さ方向に配向された(好ましくは、長さ方向に平行な)中間折り曲げ線30′′によって連結してもよい。中間折り曲げ線30′′は(図示されているように)平行であるのがよく、或いは、第1および第2の折り曲げ線30、30′が長さ方向中心線O−Oから等しく延びていない場合には、長さ方向中心線O−Oに対して角度をなすようにしてもよい。
第2図を参照すると、横断方向中心線A−Aの方に開き、長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している第2の折り曲げ線30′は、装着時に衛生ナプキン20の後部に配置される。かかる構成により、装着時に装着者が衛生ナプキン20を適切に配置したか或いは逆に配置したかを考慮することなしに、衛生ナプキン20をいずれの配向にも装着することができる。かかる構成は、横断方向中心線A−Aに対して対称であり且つ好ましくは長さ方向中心線O−Oに対して対称である2つの折り曲げ線30、30′を提供する。もちろん、後述するように、第1および第2の折り曲げ線30、30′の対称性は、本発明の衛生ナプキン20が、第4図に示されるように、付加的な折り曲げ線34を備えることを妨げない。
第2図における第1および第2の折り曲げ線30、30′は、一連の不連続箇所によって構成されている。不連続箇所36の間の領域は、上述のように圧縮や切り込みによって弱められていない。
第2図〜第4図に示されるような不連続な折り曲げ線30、30′または34は、連続的な折り曲げ線30、30′または34以上の利点を提供する。例えば、連続的な折り曲げ線30、30′、34も不連続な折り曲げ線30、30′、34もいずれも、衛生ナプキン20を、上述の上向き凸状形体に優先的に変形させることができる。しかしながら、不連続な折り曲げ線30、30′、34での屈曲箇所は典型的には、頂点のところで発生する。屈曲箇所での尖った頂点は一般的に望ましくない。何故ならば、尖った頂点が、衛生ナプキン20を破壊し或いは少なくとも衛生ナプキン20の弾性を最少にし、更に、装着者への順応性を損ない吸収コア28を過剰に圧縮し、その結果、吸収速度すなわち容量を減少させるからである。
さらに、不連続箇所36間の非圧縮領域が、吸収コア28の吸収性を維持する。第2図〜第4図の第1および第2の折り曲げ線30、30′を含む不連続箇所36は、楕円形や三角形、短形のような任意の幾何学的形状を備えたものでよい。しかしながら、女性の消費者の美観上の好みのため、円形が好ましい。さらに、不連続箇所36に尖った隅部がないと、トップシート24を引き裂いたり或いはトップシート24と吸収コア28に望ましくない応力集中を生じさせる傾向が最少になる。不連続箇所36の形状を円形にした場合は、ここに記載した実施例では、円の直径は、約1.5〜約2.0mmであるのがよく、そして中心間が約5mm離れているのがよい。ここに記載した実施例では、不連続箇所36の深さは約1mmであって、トップシート24から吸収コア28に延びている。かかる構成は、トップシート24および吸収コア28に接合するのに通常使用される接着剤を、衛生ナプキン20がこのような接着剤から解放されるように除去することができるという利点を提供する。
或いは、特定の折り曲げ線30、30′、34に適合させ或いはこれらの折り曲げ線と並置させることなしに、吸収コア28の第1の主要面の一部或いは全体にわたって、付加的な不連続箇所36′を分散させてもよい。この実施例では、折り曲げ線30、30′、34は、高密度の不連続箇所36によって形成されている。不連続箇所36は好ましくは、吸収コア28の表面積の約5パーセント以下を占めている。
或いは、第2図に示されるように、折り曲げ線30、30′、34を含む不連続箇所36および衛生ナプキン20にある他の不連続箇所36を、衛生ナプキン20を三等分した中央に限定するのが、より好ましい。長さ方向の長さが約16〜約21cmの吸収コアを備えた衛生ナプキン20では、折り曲げ線を含む不連続箇所36および吸収コア28を弱化させる他の不連続箇所を、横断方向中心線A−Aの両側の約35〜約55mmの領域に限定すべきである。
不連続箇所36は、図示されているような理論的な折り曲げ線Tに対して、両側方に互い違いになっているのがよい。両側方に互い違いになっていることは、(厚さをもたない)理論的な折り曲げ線Tが、折り曲げ線30、30′を構成する不連続箇所36の中央間を通過することを意味する。もちろん、不連続箇所
36のセグメント(一部分)は理論的な折り曲げ線Tに重複してもよいが、不連続箇所36の中央は重複していない。かかる構成は、曲げ軸線がより漸進的に生じて、衛生ナプキン20の弾性および装着者の目標領域全体に備える復元能力を向上させるという利点を提供する。
第3図を参照すると、特に好ましい実施例では、不連続箇所36は、熱による吸収コア28の圧縮によって生ずる。この構成は、吸収コア28を不連続箇所36のところでトップシート24に接合する。不連続箇所36のところでの吸収コア28とトップシート24の接合は、衛生ナプキン20のこれらの二成分を単一の層に一体化し、良好な流体処理性能を提供する。所望のコア28の構造体を非圧縮領域に維持する不連続箇所36を有することによって、衛生ナプキン20の吸収コア28に吸収された経血は、吸収コア28全体に拡散し、衛生ナプキン20に連続的な線が圧縮形成されている場合のように、連続的な折り曲げ線によって構成された衛生ナプキン20の領域に限定されるようなことがない。トップシート24と吸収コア28を接合し一体化する連続な或いは不連続な折り曲げ線30、30′、34は、トップシート24に堆積した経血の一層迅速な吸収を行う。
第4図を参照すると、衛生ナプキン20は、長さ方向中心線O−Oの両側に配置され長さ方向中心線O−Oに向かって凸で側方に向かって開いている第3および第4の折り曲げ線34を備えている。第3および第4の折り曲げ線34は、長さ方向中心線O−Oに関して対称である。第3および第4の折り曲げ線34によって囲まれた吸収コア28の領域は、装着者の大腿からの側方圧力に応答して、長さ方向側縁部のところで上向きに変形する。
第5図を参照すると、衛生ナプキン20が装着者の大腿からの側方圧力に応答してW形横断面に変形するように、第3および第4の折り曲げ線34のところに頂点を形成している。この構成は、装着者の臀裂により良く適合するという利点を提供する。この構成は更に、図示した構成を有する比較的薄い衛生ナプキン20の折り曲げ線30、30′、34が恥骨のところで上向き凸状形体を、膣口のところで良好な膣口への接触を提供するW形横断面を、そして臀裂のところで上向き凸状形体を与えるという利点を提供する。この構成は更に又、側方に流れる経血が衛生ナプキン20の縁部から流出し装着者の衣類や寝具を汚すのを回避するという利点を提供する。さらに、折り曲げ線30、30′、34のまわりで衛生ナプキン20を曲げると、衛生ナプキン20の剛性が増大し、これにより、目標領域を小さくする折り畳みの発生を減少させる。この構成は特に、比較的長い衛生ナプキン20について有利である。
使用に際して、衛生ナプキン20を、当該技術分野において周知の手段によって適所に保持することができる。好ましくは、衛生ナプキン20は、装着者の下着に置かれ、接着剤によって下着に固定される。接着剤は、バックシート26の下着側面に接合されている。適当な接着剤は、米国オハイオ州コロンバスのセンチュリー・アドヒーシィブ社によって製造されているセンチュリーA−305−IV、ニュージャージー州ブリッジウォーターのナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社によって製造されているインスタントロック34−2823、およびオハイオ州コンビントンの3シグマによって製造されているXG−0716−111である。このような目的のために通常使用される市販の剥離ライナで接着剤を被覆するのがよい。
W形横断面を維持するために、好ましいパンティの接着剤は、長さ方向中心線O−Oに対して対称にV形を有しており、衛生ナプキン20の端部が接近するにつれて長さ方向中心線から外方に広がっている。このような接着剤の特に好ましい構成は、1992年7月23日にハインズ等によって出願された米国特許出願第07/915,134号に開示されており、この出願を参考文献としてここに含める。
衛生ナプキン20は更に、V形を有し且つ装着時に衛生ナプキン20の後部に配置されるようになった付加的な折り曲げ線(図示せず)を備えている。このような付加的な折り曲げ線も又、長さ方向中心線O−Oに対して対称にV形を有しており、衛生ナプキン20の端部が接近するにつれて長さ方向中心線から外方に広がっている。
第6図を参照すると、所望ならば、第1および第2の折り曲げ線30、30′は、横断方向中心線A−Aを横切っている。この構成では、第1および第2の折り曲げ線30、30′は、中間折り曲げ線30′′を必要とすることなしに、互いに連結されている。このような実施例も又、第3および第4の折り曲げ線34を有しており、これらの第3および第4の折り曲げ線34は、横断方向中心線A−Aのところで第1および第2の折り曲げ線30、30′を横切っている。このような構成は、横断方向中心線A−Aと一致し且つ長さ方向中心線O−Oに対して対称な2つの頂点を提供する。
本発明の特定の実施例について説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、種々の変形および修正をなし得ることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変形および修正は全て、添付の請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続的な折り曲げ線を有する本発明の衛生ナプキンの部分切り取り平面図。
【図2】2つの不連続な折り曲げ線を有する本発明の衛生ナプキンの平面図。
【図3】第2図の線3−3に沿った垂直断面図。
【図4】長さ方向中心線に向かって凸で長さ方向側縁部に向かって開く付加的な折り曲げ線を有する本発明の衛生ナプキンの変形例の平面図。
【図5】横断面がW形の上向き凸状形体に変形された第4図の衛生ナプキンの端面図。
【図6】横断方向中心線を横切る第1および第2の折り曲げ線を有する、第4図と同様な本発明の衛生ナプキンの変形例の平面図。

Claims (16)

  1. 長さ方向中心線とそれに直交する横断方向中心線とを有し、長さ方向側縁部と横断方向端部とを有する衛生ナプキンであって、
    液体透過性のトップシートと、液体不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアとを備え、
    前記コアは前記トップシートの方に向いた第1の主要面と前記バックシートの方に向いた第2の主要面という2つの主要面を有し、前記第1主要面は折り曲げ線を有し、前記折り曲げ線は不連続箇所を有し前記不連続箇所は前記折り曲げ線を境にしてその両側に互い違いに配置され、使用時に前記衛生ナプキンが上向き凸状形体に変形するように、前記横断方向中心線に向かって開き長さ方向軸線に関して対称であって且つ横断方向端部に向かって凸に湾曲あるいは屈曲していることを特徴とする衛生ナプキン。
  2. 前記折り曲げ線は、少なくとも一部が前記コア中の圧縮部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生ナプキン。
  3. 前記折り曲げ線は、少なくとも一部が前記コアの切り込み又はスリットにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生ナプキン。
  4. 前記折り曲げ線により、前記コアと前記トップシートが結合されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生ナプキン。
  5. 前記衛生ナプキンは前記コアと前記トップシートとを結合する接着剤を有していないことを特徴とする請求項4に記載の衛生ナプキン。
  6. 前記長さ方向中心線の相対する両側の前記コアに、前記長さ方向中心線に向かって凸で前記長さ方向側縁部に向かって開いている湾曲あるいは屈曲した折り曲げ線をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の衛生ナプキン。
  7. 前記衛生ナプキンの端部に近づくにつれて前記長さ方向中心線から外方に広がったV字形の折り曲げ線をさらに有していることを特徴とする請求項6に記載の衛生ナプキン。
  8. 前記コアは、前記長さ方向中心線の相対する両側にあって、前記長さ方向中心線に向かって凸で前記長さ方向側縁部に向かって開いている湾曲あるいは屈曲した折り曲げ線をさらに有していることを特徴とする請求項4に記載の衛生ナプキン。
  9. 前記折り曲げ線は前記横断方向中心線と前記長さ方向中心線に関して対称であることを特徴とする請求項8に記載の衛生ナプキン。
  10. 装着者の下着に取り付けるためのフラップをさらに有し、前記フラップは前記衛生ナプキンの前記長さ方向側縁部の内側で前記バックシートに結合されていることを特徴とする請求項9に記載の衛生ナプキン。
  11. 前記横断方向中心線に向かって開き長さ方向軸線に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している折り曲げ線を2つ有し、前記2つの折り曲げ線は前記横断方向中心線に近接して配置された頂点を有していることを特徴とする請求項10に記載の衛生ナプキン。
  12. 前記衛生ナプキンが装着者の太腿からの側方圧力に応じてW字形の横断面に変形することを特徴とする請求項11記載の衛生ナプキン。
  13. 前記バックシートは前記コアに配向された内側面と、内側面と対向して配置され、装着者の下着に接触する外側面とを有し、前記衛生ナプキンはさらに前記衛生ナプキンを装着者の下着に取り付けるための接着剤ストリップを備え、前記接着剤ストリップは衛生ナプキンの端部に向かって前記長さ方向中心線から外方に広がっていることを特徴とする請求項12に記載の衛生ナプキン。
  14. 長さ方向中心線とそれに直交する横断方向中心線とを有する衛生ナプキンであって、
    液体透過性のトップシートと、液体不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアとを備え、
    前記吸収コアと前記トップシートは、前記長さ方向の軸に関して対称且つ前記横断方向中心線に向かって開き外方に凸に湾曲あるいは屈曲している折り曲げ線を形成する不連続箇所のところで互いに結合され、前記不連続箇所は前記折り曲げ線を境にしてその両側に互い違いに配置されていることを特徴とする衛生ナプキン。
  15. 前記折り曲げ線に対して前記横断方向中心線の反対側にあって前記横断方向中心線に向かって開き、前記長さ方向の軸に関して対称であって且つ外方に凸に湾曲あるいは屈曲している第2の折り曲げ線をさらに有していることを特徴とする請求項14に記載の衛生ナプキン。
  16. 前記コアと前記トップシートとを結合する不連続箇所をさらに備え、前記不連続箇所は折り曲げ線に整合することなく前記衛生ナプキンの一部に分散され且つ前記折り曲げ線を形成する不連続箇所より低い分散密度を有していることを特徴とする請求項14に記載の衛生ナプキン。
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