JP4049512B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写記録媒体に関し、さらに詳しくは、耐熱摩耗性及び耐界面活性剤性に優れた記録画像を得ることのできる熱転写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、熱転写記録媒体としては多数のものが知られており、例えば、インク層として、着色剤と、ガラス転移温度が40〜60℃で、数平均分子量が10,000以下の、明確な融点を示さない透明な重合体と、融点又は軟化点が50〜80℃の離型性物質とを主成分としたものが提案されている(特公平05−013072号公報)。
ここに用いる重合体としては、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂又は石油樹指が開示されている。
この熱転写記録媒体は、定着安定性、耐久性に優れた記録画像を与えるものである。
しかしながら、ガラス転移温度が低いため、例えば、80℃以上となる雰囲気中では、耐熱擦過性が極端に悪化する等の欠点があった。
この欠点を解消する目的で、エポキシ基及びエチレン単位を含まない熱可塑性アクリル樹脂を主成分とした剥離層上に、アクリル−スチレン共重合体又はアクリル樹脂とを主成分とするインク層を設けることからなる熱転写記録媒体やエポキシ樹脂とアクリル樹脂を主成分とするインク層を設けることからなる熱転写記録媒体が提案されている(特許第2619290号、特公平07−025215公報、特開平09−099643号公報)。
これら熱転写記録媒体は、耐熱摩耗性、耐油性、耐薬品性には優れるものの、剥離層やインク層中に比較的極性の高いエポキシ基を含んだ樹脂を含有しているため、例えば、ブレーキオイル中に多く含まれている極性の高い界面活性剤等により転写画像が剥落してしまい、読み取れなくなるといった欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の欠点を解消し、耐熱摩耗性及び耐界面活性剤性に優れた記録画像を得ることのできる熱転写記録媒体を提供することをその課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するためにインク層に着目し鋭意検討を重ねた結果、着色剤と、特定の2種の共重合体からなるインク層を用いることによって耐熱摩耗性及び耐界面活性剤性に優れた記録画像を得ることのできる熱転写記録媒体とすることができるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明によれば、支持体上に、下記(A)、(B)及び(C)からなるインク層を形成したことを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
(A)着色剤。
(B)ガラス転移温度が80℃以上の、アクリニトリル又はメタクリロニトリルと、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種との共重合体。
(C)アクリロニトリル又はメタクリロニトリルと、スチレン及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種との共重合体。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、支持体上に少なくともインク層を形成してなる熱転写記録媒体である。
支持体としては、従来より公知の樹脂フィルムや紙をそのまま使用することがき、例えば、ポリエステル、ボリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等の比較的耐熱性の良好な樹脂フィルム、セロハン又は硫酸紙等は好適な支持体として用いることができる。
支持体の厚さは、熱転写記録に際して用いる熱源として、熱ヘッドを使用する場合には、2〜15μmであることが望ましく、また、例えば、レーザー光等のようにインク層を選択的に加熱できる熱源を使用する場合には、特別な制限はない。
熱ヘッドを使用する場合には、熱へッドと接触する支持体の面に、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース等からなる耐熱性保護層を設けることが好ましい。
さらに、熱感度を向上させる目的で、ワックスを主材とする剥離層を設けること、受容紙に対する密着性を向上させる目的で、樹脂を主材とする接着層を設けることもできる。
【0006】
本発明に用いる着色剤(A)としては、要求される色調などに応じ、カーボンブラック、有機顔料、無機顔料又は染料から適宜、選択して用いることができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、トリフェンジオキサジン系顔料、フタロシアニン顔料、キナフリドン顔料等が、無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄又は鉛、バリウム、カルシウムのクロム酸塩等が、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料等が挙げられる。
【0007】
本発明は、上記支持体上に、上記着色剤(A)、下記(B)及び(C)からなるインク層を形成したことを特徴とする熱転写記録媒体である。
(B)ガラス転移温度が80℃以上の、アクリニトリル又はメタクリロニトリルと、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種との共重合体。
(C)アクリロニトリル又はメタクリロニトリルと、スチレン及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種との共重合体。
【0008】
共重合体(B)の代表的なものとしては、アクリニトリル又はメタクリロニトリルと下記一般式(1)で表わされるモノマーの中から選ばれた少なくとも一種との共重合体を挙げることができる。
【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はグリシジル基を示す。)
R2で示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
共重合体(B)としては、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−n−ブチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−グリシジルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−グリシジルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−iso−ブチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−tert−ブチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体又はこれら共重合体のアクリロニトリルがメタクリロニトリルに代わった共重合体等を挙げることができる。
【0009】
このような共重合体の中でも、下記一般式(2)で表される共重合体は、特に好ましい共重合体(B)として用いることができる。
【化2】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R1は同一であっても異なっていてもよい。R2は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基を示す。)
共重合体(B)における(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリロニトリルの部分は、機械的強度又は熱的安定性を付与する機能を有しており、高熱がかかった状態で外力が加わっても、共重合体が破壊されにくく、また、グリシジル(メタ)アクリレートの部分は、架橋性をさらに向上させる機能を有しているものである。
この共重合体(B)は、ガラス転移温度が80℃以上に調整されていることが必要である。
ガラス転移温度が80℃以上であることによって、熱摩耗性にきわめて優れた記録画像を得ることが達成できるのである。
このガラス転移点が80℃未満では、高温雰囲気下での耐熱摩耗性に劣ることとなる。
【0010】
また、共重合体(B)における各モノマーの組成比としては、重量比で、l:m:nが0〜80:10〜70:0〜80(ただし、lとnが同時に0となることはない)であることが好ましい。
また、三元共重合体の場合には、l:m:nが、10〜60:20〜60:10〜60であることが好ましい。
この組成のバランスが欠けると、充分な機械的強度の碓保ができず、また、耐熱性が劣化する。
すなわち、nが10よりも少なくなると、機械的強度に劣ることとなり、lが10よりも少なくなり、また、mが20よりも少なくなると、耐熟性に劣ることとなるのである。
上記共重合体(B)の中でも、特に耐熱庫耗性に優れ、しかも工業的にも容易に製造可能な共重合体としては、アクリロニトリル−グリシジルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体等を挙げることができる。
【0011】
本発明においては、共重合体(B)には、本発明の目的を逸脱しない範囲で他の種々のビニルモノマーをコモノマーとして用いることができる。
また、モノマーとしてグリシジルメタクリレート等を使用して得た硬化性官能基を有する共重合体の場合には、インク層中に適当な熱硬化剤を含有させてもよい。
熱硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、第1アミン、第2アミン、アミンの錯化合物(ルイス酸、特に、三ふっ化ホウ素とアミンとの錯化合物、例えは、BF3、C2H5、NH2)、有機酸、有機酸無水物等が挙げられる。
これら硬化剤を用いる場合には、硬化させる共重合体のグリシジル基等と化学当量の官能基を用いればよい。
【0012】
共重合体(B)の分子量は、溶融粘度に影響し、インク層の熱転写時における感皮を左右するので、GPCによるポリスチレン換算値において、重量平均分子量(MW)が2000〜100万、数平均分子量(MN)が1000〜50万が好ましく、MWが3000〜50万、MNが1500〜25万であることが特に好ましい。
本発明に用いる共重合体(B)は、公知の方法により容易に製造することができる。
例えば、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤等を用い、適当な温度、溶媒下に重合させることにより製造できるものである。
また、従来公知の乳化重合法によっても容易に得ることができ、エマルジョンの形態で使用することもできる。
【0013】
本発明に用いる共重合体(C)としては、アクリロニトリル又はメタアクリロニトリルとスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン又はその誘導体の少なくとも一種との共重合体を挙げることができる。
また、ジビニルベンゼン等の多官能単量体を用いて架橋したポリマーとしてもよい。
具体例としては、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ビニルトルエン共重合体、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロスチレン共重合体、アクリロニトリル−アミノスチレン共重合体等が挙げられる。
このような共重合体(C)におけるアクリロニトリル又はメタクリルニトリルの部分は、機械的強度又は熱的安定性を付与する機能及び上記共重合体(B)との相溶性を維持する機能を有している。
また、スチレン及びその誘導体の部分は、比較的非極性であることから、界面活性剤のような極性の強い液に対して耐性の優れた記録画像を得られるものである。
【0014】
共重合体(C)における各モノマーの組成比としては、重量比で、アクリロニトリル又はメタクリルニトリル:スチレン又はその誘導体が、5〜50:95〜50、好ましくは、10〜30:90〜70とすることが望ましい。
また、上記共重合体(C)の重量平均分子量が、1000〜30,000であることが転写性及び感度の点から好ましい。
重量平均分子量が1000未満であると、極端にインク層の成膜性が落ちるため、耐溶剤性や耐熱摩擦性が劣化してくる。
重量平均分子量が30,000を超えると、インク層の成膜性が良くなるため、やや感度が落ちる傾向となるからである。
【0015】
本発明は、上記のとおり、支持体上に、着色剤(A)、共重合体(B)及び共重合体(C)からなるインク層を形成したことを特徴とする熱転写記録媒体である。
ここにおいて、インク層に含有される着色剤(A)、共重合体(B)及び共重合体(C)の量としては、重量基準で、着色剤(A)が5〜30%、共重合体(B)20〜90%、共重合体(C)が5〜50%であることが好ましい。
共重合体(C)が5%未満であると、耐界面活性剤がやや悪化し、50%を超えると、耐熱摩耗性がやや悪化してくるので望ましくない。
【0016】
このようなインク層に対して、さらに、可撓性付与剤、熱感度調整剤等を添加することができ、EVA、EEA、合成ゴム等の柔軟剤、耐摩耗性を劣化させないポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂やワックス類等を挙げることができる。
インク層の厚さは、熱転写記録画像が形成される被記録体面の平滑性によって適宜、設定される。
ポリエステルフィルム等の平滑度の大きいものに対しては、インク層の厚さが1.0〜2.5μmで充分に強靱な画像を形成することができ、かつ熱感度も良良好なものとなる。
また、コート紙、上質紙に対しては、インク層の厚さは2.5〜4.0μm程度であることが画質の点から好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
なお、「部」とあるのは重量基準である。
実施例1
支持体として、4.5μm厚さのポリエステルフィルムを用い、この支持体上に、下記組成のインク層形成用塗工液を乾燥後の膜厚が3.0μmになるように塗布し、乾燥温度80℃で乾燥してインク層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:95℃、Mw:8000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 10部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0018】
実施例2
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:80℃、Mw:6000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 10部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0019】
実施例3
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:90℃、Mw:9000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 10部
(Mw:30000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0020】
実施例4
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 75部
(ガラス転移点Tg:95℃、Mw:8000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 5部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0021】
実施例5
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 77部
(ガラス転移点Tg:95℃、Mw:8000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 3部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0022】
実施例6
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 30部
(ガラス転移点Tg:95℃、Mw:8000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 50部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0023】
実施例7
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 28部
(ガラス転移点Tg:80℃、Mw:6000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 52部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0024】
実施例8
支持体として4.5μm厚さのポリエステルフィルムを用い、この支持体上に、下記組成の剥離層形成用塗工液を乾燥後の膜厚が1.5μmになるように塗布し、乾燥温度40℃で乾燥して剥離層を形成した。
カルナバワックス 90部
キャンデリラワックス 8部
エチレンエチルアクリレート樹脂 2部
トルエン 900部
次いで、下記組成のインク層形成用塗工液を乾燥後の膜厚が2.0μmになるように塗布し、乾燥温度60℃で乾燥してインク層を形成し熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 20部
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート
アクリロニトリル共重合体 60部
(ガラス転移点Tg:90℃、Mw:8000)
α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体 15部
(Mw:6000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0025】
実施例9
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク層を形成した。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート
アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:90℃、Mw:8000)
ビニルトルエン−アクリロニトリル共重合体 10部
(Mw:8000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
次いで、下記接着層形成用塗工液を乾燥後の膜厚が0.3μmになるように塗布し、乾燥温度50℃で乾燥して接着層を形成し熱転写記録媒体を得た。
ポリエステル樹脂 95部
カルナバワックス 5部
トルエン 300部
【0026】
比較例1
実施例1のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク層を形成し熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:77℃、Mw:10000)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 10部
(Mw:10000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0027】
比較例2
実施例9のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例9と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート
アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:90℃、Mw:8000)
ポリエステル樹脂 10部
(Mw:20000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0028】
比較例3
実施例9のインク層形成用塗工液を、下記インク層形成用塗工液に代えた以外は、実施例9と同様にして熱転写記録媒体を得た。
カーボンブラック 15部
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート
アクリロニトリル共重合体 70部
(ガラス転移点Tg:90℃、Mw:8000)
エチレン−酢酸ビニル共重合体 10部
(Mw:20000)
カルナバワックス 5部
メチルエチルケトン 300部
【0029】
〔評価〕
このようにして得られた熱転写記録媒体を用いて、裏面にのり付処理されラベル状のポリエステルフィルム表面に、下記の熱転写記録条件により熱転写記録を行ったところ、良好な熱転写記録画像が得られた。
(熱転写記録条件)
サーマルヘッド:部分グレーズ薄膜ヘッドタイプ
プラテン圧:150g/cm
熱転写記録媒体の引き剥がし角度:非記録体に対して30度
引き剥がしトルク値:200g
印加エネルギー:20mj/mm2
記録速度:100mm/sec
【0030】
これらの熱転写記録画像について、下記の方法により耐熱磨耗性及び耐界面活性剤性の評価を行った。
(耐熱摩耗性の評価方法)
80℃に設定された恒温層中に、熱転写記録画像を有する上記被記録体を置き、熱転写記録画像面を段ボール紙で60g/cm2の荷重、30cm/secのスピードで往復ラブテストを行い、画像が判読できなくなったときの回数を記録した。
(耐界面活性剤性の評価方法)
0.5mlを綿棒に含ませ、500g/cm2の荷重下にラブテストを行い、被転写紙面を露出させるのに要した回数を記録した。
結果を表1に示す。
【表1】
表1から明らかなように、実施例の熱転写記録媒体により形成された熱転写記録画像は、比較例の熱転写記録媒体により形成された熱転写記録画像に比べ、耐熱磨耗性及び耐界面活性剤性に優れたものであることが分かる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱摩耗性及び耐界面活性剤性に優れ、高温に晒された状態で熱転写記録画像をダンボール紙等擦ったとしても画像の乱れがなく、しかもブレーキオイルのような界面活性剤で画像を擦ったとしても画像の乱れがない信頼性の高い熱転写記録画像を得ることができる熱転写記録媒体が提供され、熱転写記録媒体の設計、作製分野に寄与するところはきわめて大きい。
Claims (3)
- 支持体上に、下記(A)、(B)及び(C)からなるインク層を形成したことを特徴とする熱転写記録媒体。
(A)着色剤。
(B)ガラス転移温度が80℃以上の、アクリニトリル又はメタクリロニトリルと、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種との共重合体。
(C)アクリロニトリル又はメタクリロニトリルと、スチレン及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種との共重合体。 - 該(C)の重量平均分子量が、1000〜30,000である請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- インク層中の該(C)の含有量が、重量基準で5〜50%である請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体。
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