JP2002002109A - 可逆性感熱記録体 - Google Patents

可逆性感熱記録体

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JP2002002109A
JP2002002109A JP2000186822A JP2000186822A JP2002002109A JP 2002002109 A JP2002002109 A JP 2002002109A JP 2000186822 A JP2000186822 A JP 2000186822A JP 2000186822 A JP2000186822 A JP 2000186822A JP 2002002109 A JP2002002109 A JP 2002002109A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
twenty
monomer
alkylene
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Application number
JP2000186822A
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English (en)
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Ryuichi Yamamoto
隆一 山本
Saiji Sugimori
斉司 杉森
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Ipposha Oil Industries Co Ltd
Original Assignee
Ipposha Oil Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線吸収ユニットとシリコーンマクロマーユ
ニットとを含むポリマー型コーティング剤組成物を用い
て、可逆性感熱記録体の表面を被覆することにより、耐
光性、耐久性、透明性、ハードコート性及び防汚性を改
善した可逆性感熱記録体を提供する。 【解決手段】ベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーから選ばれる
少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(A)と、共重合性
ビニルモノマー(B)と、官能基含有共重合性ビニルモノ
マー(C)と、で表されるハードコート成分であるシリコ
ーンマクロマー(D)を含むモノマーを共重合させた高分
子紫外線吸収ポリマー層6を、可逆性感熱記録層5の外側
表面に形成するか又は前記記録層5の中に高分子紫外線
吸収ポリマーを混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐光性を有するポリ
マー型コーティング剤組成物を用いて表面を被覆した可
逆性感熱記録体に関する。さらに詳しくは、耐光性、耐
久性、透明性、ハードコート性及び防汚性を有する可逆
性感熱記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から発色と消色を可逆的に繰り返す
記録媒体が提案されている。例えば、顕色剤として没食
子酸とフロログリシノールを組み合わせて用いる特開昭
60-193691号公報、顕色剤にフェノールフタレインやチ
モールフタレインなどの化合物を用いる特開昭61-23768
4号公報、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質
相溶体を記録層に含有する特開昭62-138556号公報、顕
色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸
と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平2-188293号公
報、発色剤としてロイコ染料を用いる特開平5-124360号
公報及び特開平6-210954号公報、特定の大きさの粒子を
添加した特開平8-156410号公報、特定の光沢度及び表面
粗さの保護層を設ける特開平8-156410号公報、重量平均
分子量が30万以上熱可塑性樹脂を保護層に用いる特開
平10-291370号公報、電子供与性呈色性化合物と電子受
容性化合物と特定の2級アミド基を有する消色促進剤を
用いる特開2000-118141号公報などが提案されている。
【0003】ところで、近年プラスチックフィルムなど
の支持体上に発色性組成物を主成分とする可逆感熱発色
層を設けたシートを、ICカード、プリベイトカード、
定期券などのカード類に貼り合わせ、使用者に残金、振
り込み予定金額、使用可能金額、使用可能回数、獲得ポ
イント数などの必要情報を表示することが試みられ、
「リライトカード」として提案されている。このような
場合、前記の可逆感熱発色層が太陽光線などに直接また
は間接的に当たると顕在化されている情報記録が消色し
てしまうという問題がある。とくに可逆感熱発色層に染
料を用いた場合は消色しやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決するため、可逆性感熱記録体の耐光性を改善
することを第1番目の目的とする。本発明の第2番目の
目的は、可逆性感熱記録体の耐久性、透明性、ハードコ
ート性及び防汚性を改善することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の可逆性感熱記録体は、下記式(化4)で表
されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び下記式
(化5)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モ
ノマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収モノマ
ー(A)と、共重合性ビニルモノマー(B)と、官能基
含有共重合性ビニルモノマー(C)と、下記式(化6)
で表されるハードコート成分であるシリコーンマクロマ
ー(D)を含むモノマーを共重合させた高分子紫外線吸
収ポリマー層を、可逆性感熱記録層の外側表面に形成す
るかまたは前記可逆性感熱記録層の中に高分子紫外線吸
収ポリマーを混合することを特徴とする。
【0006】
【化4】
【0007】(式(1)中、R11は水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基
を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭
素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又
は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示
す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、
又はウレタン結合を示す。)
【0008】
【化5】
【0009】(式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン
原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素
数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10の
アルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン
基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8
のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアル
キレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8の
アルキレン基を示し、m 22は0又は1を示す。R25は水
素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結
合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示
す。)
【0010】
【化6】
【0011】(式(3)中、R31は水素原子、又はメチ
ル基を示す。R32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は
炭素数1〜6のオキシアルキレン基を示し、m31は0又
は1を示す。R33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミ
ノ基を有する炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロ
キシル基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
32は0又は1を示す。nは1〜200の整数を示
す。) 本発明においては、シリコーンマクロマー(D)の重量
平均分子量は、200〜10,000であることが好ま
しい。
【0012】また本発明においては、紫外線吸収モノマ
ー(A)と、官能基含有共重合性ビニルモノマー(B)
と、官能基非含有共重合性ビニル化合物(C)と、シリ
コーンマクロマー(D)との割合が、モノマー成分全量
に対して、(A)/(B)/(C)/(D)=5〜50
/50〜80/5〜20/5〜60(重量%)であるこ
とが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においては、紫外線吸収ユ
ニットとシリコーンマクロマーユニットとを含むポリマ
ー型コーティング剤組成物を用いて、可逆性感熱記録体
の表面を被覆するので、耐光性、耐久性、透明性、ハー
ドコート性及び防汚性を発揮できる。このうち耐光性
は、本発明のポリマーの紫外線吸収ユニットで達成でき
る。耐久性、ハードコート性及び防汚性は、シリコーン
マクロマーユニットで達成できる。シリコーンマクロマ
ーをポリマー中に加えると表面の滑り性が向上し、情報
記録機器で機械的接触を受けたり、人の手や収納物と接
触しても傷つきにくいものとなる。また透明性は、本発
明のポリマー全体の相溶性がよいことに起因する。
【0014】本発明の紫外線吸収剤は、シリコーン含有
高分子紫外線吸収剤の重量平均分子量を好ましくは1
0,000〜100,000としているので、樹脂に対
する相溶性が優れている。そのため、シリコーン含有高
分子紫外線吸収剤を樹脂と混合すると、高分子の紫外線
吸収剤を樹脂中に均一又はほぼ均一に分散させることが
でき、コーティング層の強度にばらつきを生じさせない
だけでなく、紫外線吸収能にもばらつきを生じさせな
い。従って、本発明の紫外線吸収剤は、コーティング層
又は樹脂本来の強度を維持しつつ、優れた耐光性(特に
紫外線吸収特性)を付与することができる。
【0015】また、紫外線吸収剤として特定の重量平均
分子量を有する高分子の紫外線吸収剤を用いているの
で、紫外線吸収剤のコーティング層表面への移行がな
く、長期間にわたって優れた紫外線吸収能を発揮し続け
ることができ、耐久性が優れている。
【0016】本発明では、透明なコーティング層を形成
することも可能である。これは、シリコーン含有高分子
紫外線吸収剤は透明であるだけでなく、前述のように、
高分子の紫外線吸収剤を樹脂中に均一又はほぼ均一に分
散させ表面への移行が生じないので、コーティング層を
曇らせず、コーティング層の色にばらつきを生じさせな
いからである。従って、透明な樹脂を用いることによ
り、透明なコーティング層を形成することが可能であ
る。
【0017】本発明では、シリコーンマクロマー(B)
の重量平均分子量が200〜10,000であることが
好ましい。シリコーンマクロマー(B)の重量平均分子
量が200〜10,000であると、シリコーン含有高
分子紫外線吸収剤の樹脂に対する相溶性をより一層高め
ることができるだけでなく、ハードコート性及び防汚性
が一層優れたコーティング層を形成することができる。
【0018】本発明では、紫外線吸収モノマー(A)
と、シリコーンマクロマー(B)と、官能基含有共重合
性ビニルモノマー(C)と、官能基非含有共重合性ビニ
ル化合物(D)との割合が、モノマー成分全量に対し
て、(A)/(B)/(C)/(D)=5〜50/5〜
60/50〜80/5〜20(重量%)であることが好
ましい。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤を構成する
モノマーが、このような割合であると、高い紫外線吸収
能を発揮することができるだけでなく、高分子の紫外線
吸収剤の樹脂に対する相溶性が高く、コーティング層の
ハードコート性及び防汚性も優れている。
【0019】本発明には、前記シリコーン含有高分子紫
外線吸収剤と、樹脂とを含有するコーティング剤組成物
も含まれる。
【0020】本発明のコーティング剤組成物の好適な態
様では、樹脂がシリコーン系樹脂である。本発明では、
シリコーン含有高分子紫外線吸収剤の重量平均分子量を
特定の値に限定しているため樹脂に対する相溶性が優れ
ており、さらに当該高分子の紫外線吸収剤はシリコーン
成分を含有しているので、樹脂の中でも特にシリコーン
系樹脂に対する相溶性が優れている。従って、本発明に
おけるシリコーン含有高分子紫外線吸収剤を、シリコー
ン系樹脂と組み合わせて用いると、コーティング層又は
シリコーン系樹脂本来の特性(強度など)を維持しつ
つ、優れた紫外線吸収特性を備えることができるだけで
なく、長期間にわたって優れた紫外線吸収能を発揮し続
けることができ、耐久性が優れている。
【0021】次に本発明のポリマーの各成分について詳
述する。
【0022】(紫外線吸収モノマー(A))本発明で
は、紫外線吸収モノマー(A)としては、前記式(1)
で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び前
記式(2)で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収
モノマーから選択された少なくとも一種が用いられる。
なお、これらの紫外線吸収のモノマーでは、ヒドロキシ
ル基はベンゼン環の2位に置換している。
【0023】式(1)において、炭素数1〜6のアルキ
ル基(R11)としては、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げ
られ、好ましくは炭素数1〜4(さらに好ましくは1〜
2)のアルキル基が挙げられる。また、炭素数1〜6の
アルコキシル基(R11)としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げ
られ、好ましくは炭素数1〜4(さらに好ましくは1〜
2)のアルコキシル基が挙げられる。
【0024】R11は、ヒドロキシル基が置換しているベ
ンゼン環において、どの部位に置換していてもよく、好
ましいR11の置換位置は3位又は5位である。
【0025】また、式(1)及び/又は式(2)におい
て、炭素数1〜10のアルキレン基(R12、R23)とし
ては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレ
ン基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキ
レン基(さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン
基)が挙げられる。炭素数1〜10のオキシアルキレン
基(R12、R23)としては、例えば、オキシメチレン
基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げ
られる。
【0026】R12は、ヒドロキシル基が置換しているベ
ンゼン環において、どの部位に置換していてもよく、好
ましいR12の置換位置は4位又は5位であり、特に4位
が好ましい。また、R23は、ヒドロキシル基が置換して
いるベンゼン環においてどの部位に置換していてもよ
い。好ましいR23の置換位置は5位である。
【0027】低級アルキル基(R13、R25)としては、
例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、具体的
には、前記例示のアルキル基のうち炭素数が1〜4のア
ルキル基が挙げられる。
【0028】ハロゲン原子(R21)としては、例えば、
フッソ原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、好ま
しくは塩素原子である。R21がハロゲン原子又はメチル
基の場合、R21はベンゼン環において、どの部位に置換
していてもよい。好ましいR 21としては水素原子が挙げ
られる。
【0029】炭素数1〜6の炭化水素基(R22)におい
て、炭化水素基としてはアルキル基が好適に用いられ
る。このようなアルキル基には、前記例示のアルキル基
のうち炭素数が1〜6のものが含まれる。R22は、ヒド
ロキシル基が置換しているベンゼン環において、どの部
位に置換していてもよく、好ましいR22の置換位置は3
位である。
【0030】炭素数1〜8のアルキレン基(R24)とし
ては、例えば、前記例示のアルキレン基のうち炭素数が
1〜8のアルキレン基が挙げられ、好ましくは炭素数1
〜4(さらに好ましくは1〜2)のアルキレン基が挙げ
られる。また、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキ
レン基又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアル
キレン基としては、前記例示のアルキレン基に、アミノ
基又はヒドロキシル基が置換しているものが挙げられ
る。
【0031】X1、X2はエステル結合、アミド結合、エ
ーテル結合、又はウレタン結合を示しており、具体的に
は、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CON
H−、−O−、−NHCOO−、−COONH−などで
ある。
【0032】m1、m21、m22は0又は1を示してお
り、例えば、m1が0の場合は、X1が、ヒドロキシル基
が置換しているベンゼン環に、R12を介さず、直接結合
していることを意味している。また、m21が0の場合
は、X2が、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環
に、R23を介さず、直接結合していることを意味してお
り、m22が0の場合は、X2が、R25が結合している炭
素原子に、R24を介さず、直接結合していることを意味
している。すなわち、m1、m21またはm22が0の場合
は、R12、R23又はR24が存在していないことを意味し
ている。一方、m1、m21又はm22が1の場合は、
12、R23又はR24が存在していることを意味し、例え
ば、X1がR12と結合していることを意味している。
【0033】より具体的には、前記式(1)で示される
ベンゾフェノン系紫外線吸収モノマーとしては、例え
ば、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイ
ルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリ
ロイルオキシ)エトキシベンゾフェノンなどが挙げられ
る。
【0034】また、前記式(2)で示されるベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収モノマーとしては、例えば、2−
[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシ)
フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキ
シ−5´−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾト
リアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチ
ル−5´−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾ
トリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−メチル
−5´−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリ
アゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリ
ロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタ
クリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾー
ル、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(アクリロイルオ
キシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2
´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−[2´−ヒドロキシ−3´−メチル−5´−(アク
リロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾー
ル、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(アクリロイルオ
キシブチル)フェニル]−5−メチルベンゾトリアゾー
ル、[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリ
ロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル]ベ
ンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0035】紫外線吸収モノマー(A)は、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン骨格又は2−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール骨格、および官能基(ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、アミノ基など)を有する紫外線吸収性化合物
と、官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ
基など)を有する共重合性ビニル化合物(アクリル酸や
メタクリル酸など)とを、反応させて結合させること
(エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン
結合など)により調製することができる。
【0036】(官能基非含有共重合性ビニル化合物
(B))官能基非含有共重合性ビニル化合物(B)と
は、カルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基を有
していないビニル化合物のことを意味している。従っ
て、本発明では、共重合性ビニル化合物のうち、官能基
を有しているものは下記の官能基含有共重合性ビニルモ
ノマー(C)に含まれ、官能基を有していないものは官
能基非含有共重合性ビニル化合物(B)に含まれる。官
能基非含有共重合性ビニル化合物(B)は単独で又は二
種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】官能基非含有共重合性ビニル化合物(B)
としては、特に制限されず、例えば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル、
アルキルビニルエステル、スチレンなどが挙げられる。
【0038】より具体的には、アクリル酸エステル又は
メタアクリル酸エステルには、例えば、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどの
アクリル酸−C1-18アルキルエステル、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレートなどのメタクリル酸−C1-18アルキルエス
テルなどが含まれる。
【0039】アルキルビニルエーテルには、例えば、メ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのC
1-18アルキルビニルエーテルが含まれる。アルキルビニ
ルエステルには、例えば、酢酸ビニルエステル、プロピ
オン酸ビニルエステル、酪酸ビニルエステルなどのC1-
18アルキルビニルエステルが含まれる。
【0040】(官能基含有共重合性ビニルモノマー
(C))官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)と
は、カルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基を有
するビニル化合物のことを意味している。このような官
能基含有共重合性ビニルモノマーを用いることにより、
コーティング剤組成物の皮膜強度やコーティング面(ガ
ラスなど)への密着性を向上させることができる。具体
的には、官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)とし
ては、特に制限されず、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレ
ングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。官
能基含有共重合性ビニルモノマー(C)は単独で又は二
種以上組み合わせて用いることができる。
【0041】(シリコーンマクロマー(D))シリコー
ンマクロマー(D)は、前記式(3)で表されるシリコ
ーン成分含有のビニル系化合物である。前記式(3)に
おいて、炭素数1〜6のアルキレン基(R32)又は炭素
数1〜6のオキシアルキレン基(R32)としては、前記
例示のアルキレン基又はオキシアルキレン基のうち炭素
数が1〜6のものが挙げられる。
【0042】炭素数1〜6のアルキレン基(R33)とし
ては、例えば、前記例示のアルキレン基のうち炭素数が
1〜6のアルキレン基が挙げられ、好ましくは炭素数1
〜4(さらに好ましくは1〜2)のアルキレン基が挙げ
られる。また、アミノ基を有する炭素数1〜6のアルキ
レン基又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアル
キレン基としては、前記例示のアルキレン基に、アミノ
基又はヒドロキシル基が置換しているものが挙げられ
る。
【0043】X3はエステル結合、アミド結合を示して
おり、具体的には、-COO-,-OCO-,-NHCO-,-CONH-などで
ある。
【0044】m31、m32は0又は1を示しており、これ
らの0又は1の意味は、前記のm1、m21、m22の場合
と同様である。例えば、m31が0の場合は、R31が結合
している炭素原子にX3が直接結合していることを意味
し、すなわち、R32が存在していないことを意味してい
る。一方、m31が1の場合は、X3がR32に結合してい
ることを意味し、R32が存在していることを意味してい
る。
【0045】nはシリコーン成分の繰り返し数又は重合
度を意味しており、1〜200の整数である。
【0046】具体的には、シリコーンマクロマー(D)
としては、例えば、1−(3−メタクリロキシプロピ
ル)ポリジメチルシロキサン、3−メタクリロキシプロ
ピルポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン
メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0047】このようなシリコーンマクロマー(D)と
しては、例えば、商品名「サイラプレーンFM−071
1」(チッソ株式会社製)、商品名「サイラプレーンF
M−0721」(チッソ株式会社製)、商品名「サイラ
プレーンFM−0725」(チッソ株式会社製)などが
市販されている。
【0048】シリコーンマクロマー(D)の調製方法は
特に制限されない。例えば、1−(3−ヒドロキシプロ
ピル)ポリジメチルシロキサンと、アクリル酸又はメタ
クリル酸とのエステル化反応により、または2−ヒドロ
キシエチルアクリレートと、1−(3−グリシドキシプ
ロピル)ポリジメチルシロキサンとの反応により、シリ
コーンマクロマー(D)を調製することができる。
【0049】シリコーンマクロマー(D)の重量平均分
子量は、特に制限されないが、シリコーン含有高分子紫
外線吸収剤の樹脂に対する相溶性の観点から、200〜
10,000であることが好ましい。従って、式(3)
のnは、1〜130程度であることが好ましい。シリコ
ーンマクロマー(B)の重量平均分子量として、さらに
好ましくは500〜5,000である。
【0050】なお、シリコーンマクロマー(D)は単独
で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0051】(シリコーン含有高分子紫外線吸収剤)本
発明では、シリコーン含有高分子紫外線吸収剤は、紫外
線吸収モノマー(A)と、シリコーンマクロマー(D)
と、官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)と、官能
基非含有共重合性ビニル化合物(B)との重合物であ
る。前記シリコーン含有高分子紫外線吸収剤の重量平均
分子量は、好ましくは10,000〜100,000で
ある。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤の重量平均分
子量が、10,000より少ないと紫外線吸収剤がブリ
ードアウトし易くなり耐久性が低下する傾向となり、1
00,000より多いと配合する樹脂との相溶性が低下
して乾燥皮膜が濁ってしまい、外観性が低下する傾向と
なる。
【0052】シリコーン含有高分子紫外線吸収剤におい
て、各成分の割合は、特に制限されないが、例えば、高
分子の紫外線吸収剤全量(モノマー成分全量)に対し
て、紫外線吸収モノマー(A)/シリコーンマクロマー
(D)/官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)/官
能基非含有共重合性ビニル化合物(B)=5〜50/5
〜60/50〜80/5〜20(重量%)、好ましくは
10〜30/10〜30/60〜70/10〜15(重
量%)である。
【0053】シリコーン含有高分子紫外線吸収剤は、慣
用の重合方法(例えば、溶液重合方法、懸濁重合方法、
乳化重合方法など)により調製することができる。例え
ば、溶液重合方法により調製する場合、有機溶剤にモノ
マー成分(紫外線吸収モノマー(A)、シリコーンマク
ロマー(D)、官能基含有共重合性ビニルモノマー
(C)、官能基非含有共重合性ビニル化合物(B))を
加え、重合開始剤の存在下、重合を行うことにより調製
することができ、溶液重合で用いられる有機溶剤や重合
開始剤などは、特に制限されず、公知のものを広く用い
ることができる。また、乳化重合方法により調製する場
合は、必要に応じて乳化剤を用いて、モノマー成分を乳
化させて、重合開始剤の存在下、乳化重合を行うことに
より調製することができ、乳化重合で用いられる乳化剤
や重合開始剤などは、特に制限されず、公知のものを広
く用いることができる。
【0054】(コーティング剤組成物)本発明のコーテ
ィング剤組成物では、シリコーン含有高分子紫外線吸収
剤とともに、樹脂が用いられている。本発明では、シリ
コーン含有高分子紫外線吸収剤の重量平均分子量が限定
されているので、当該高分子の紫外線吸収剤の樹脂に対
する相溶性が優れており、高分子の紫外線吸収剤を樹脂
中に均一に又はほぼ均一に分散させ混合することが可能
である。このように、コーティング剤組成物は、シリコ
ーン含有高分子紫外線吸収剤と、樹脂とを単に混合する
だけで調製することができる。
【0055】樹脂としては、アクリル系樹脂、エステル
系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系
樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂、シリコー
ン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン
系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂などの熱硬化性
樹脂や紫外線硬化性樹脂などの種々の樹脂を用いること
ができる。本発明のコーティング剤組成物を構造物の屋
外面に適用する場合、樹脂としては熱硬化性樹脂又は紫
外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0056】なお、樹脂は単独で又は二種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0057】本発明に使用する好ましい樹脂としては、
シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂
が挙げられ、特にシリコーン系樹脂が最適である。本発
明のシリコーン含有高分子紫外線吸収剤は、シリコーン
成分を含有しているので、特にシリコーン系樹脂との相
溶性が高く、紫外線吸収剤成分をシリコーン系樹脂中に
高い分散性で混合することができ、分散にばらつきを生
じさせない。従って、シリコーン含有高分子紫外線吸収
剤を、熱硬化性樹脂(シリコーン系樹脂、ウレタン系樹
脂など)と組み合わせて用いると、そのなかでもシリコ
ーン系樹脂と組み合わせて用いると、耐久性が優れ、か
つ優れたハードコート性及び防汚性を有するコーティン
グ層を形成することができる。
【0058】本発明では、樹脂(シリコーン系樹脂やウ
レタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、特にシリコーン系樹
脂)に対して相溶性が高い高分子紫外線吸収剤を用いて
いるので、高分子紫外線吸収剤が樹脂中に均一又はほぼ
均一に分散され、かつ紫外線吸収剤がコーティング層表
面に移行することがない。そのため、本発明のコーティ
ング剤組成物を用いると、耐光性(又は紫外線吸収能)
が長期間にわたって持続し、耐久性が優れている。
【0059】樹脂と高分子紫外線吸収剤との割合は、特
に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して高分
子紫外線吸収剤が3〜100重量部、好ましくは5〜5
0重量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。
高分子紫外線吸収剤の使用量が樹脂100重量部に対し
て3重量部より少ないと紫外線吸収能が低下する傾向と
なり、100重量部より多いとハードコート性などが低
下する傾向となる。
【0060】本発明のコーティング剤組成物には、例え
ば、加水分解防止剤、酸化防止剤、防黴剤、消泡剤、着
色剤(染料など)などの種々の添加剤が含まれていても
よい。なお、着色剤を用いることによりコーティング層
を各種の色に調整することができる。
【0061】本発明のコーティング剤組成物をコーティ
ングするのに適した基材は、特に制限されず、各種のプ
ラスチックシートまたはフィルムにコーティングするこ
とができる。ここで、適用できるプラスチックとしては
格別限定されないが、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等の透明
シートまたはフィルムを例示することができる。
【0062】本発明のコーティング剤組成物を用いる方
法(例えば、塗布方法など)は特に制限されない。例え
ば、刷毛塗り方法、スプレー塗布方法、ディッピング方
法、フローコーティング方法などを採用することができ
る。
【0063】次に図面を用いて説明する。図1は本発明
の可逆性感熱記録体を備えたプリベイトカードの平面図
である。図1において、カード1はプラスチック製の基
材部分2と感熱記録層の部分3を備えている。前記感熱
記録層の部分3は、目視できる情報を書き込み可能にし
ている。次に図2は、図1のI−I線部分の断面図であ
る。基材部分2の表面に透明なプラスチックフィルム層
4と、その表層に感熱記録層5と、その表層に本発明の
高分子紫外線吸収ポリマー層6とを備えている。この場
合、高分子紫外線吸収ポリマー層6の厚さは1〜15μ
mの範囲が好ましい。別の例としては、感熱記録層5の
中に本発明の高分子紫外線吸収ポリマーを混合してもよ
い。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。
【0065】(実施例1)ジムロート、滴下ロート、温
度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた1Lのセパラブル
フラスコに、紫外線吸収モノマー(A)として2−ヒド
ロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン:4
0g、シリコーンマクロマー(D)としてシリコーンマ
クロマー(商品名「サイラプレーンFM−0711」、
チッソ株式会社製、重量平均分子量1,000):60
g、官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)(以下、
「官能基含有ビニルモノマー(C)」と称する場合があ
る)として2−ヒドロキシエチルメタクリレート:80
g、官能基非含有共重合性ビニル化合物(B)(以下、
「官能基非含有ビニル化合物(B)」と称する場合があ
る)としてメタクリル酸メチル:20g、連鎖移動剤と
してn−ドデシルメルカプタン:2g、有機溶剤として
メチルエチルケトン:200gを加え、窒素導入管から
窒素を吹き込みながら50℃まで昇温する。その後、ア
ゾビスイソブチロニトリル:1.0gを少量のメチルエ
チルケトンに溶解させたものを30分かけて滴下し、滴
下終了後70℃まで昇温し、8時間反応を行い、シリコ
ーン含有高分子紫外線吸収剤を作成した。当該シリコー
ン含有高分子紫外線吸収剤を液体クロマトグラフィで調
べたところ、その重量平均分子量は約20,000であ
った。
【0066】(実施例2〜4)シリコーン含有高分子紫
外線吸収剤のモノマー成分として、表1に示すモノマー
成分を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施
例2〜4に係るシリコーン含有高分子紫外線吸収剤を調
製した。実施例2〜4に係るシリコーン含有今分子紫外
線吸収剤について、液体クロマトグラフィによる重量平
均分子量は表1に併記している。なお、表1において、
各成分の割合の単位はg(グラム)である。
【0067】なお、実施例1〜4に係るシリコーン含有
今分子紫外線吸収剤の重量平均分子量は、液体クロマト
グラフィ(GPC)により求めた。当該GPCでは、カ
ラムとしては、品名「TSKGel GMHXL(東ソ
ー株式会社製」)×2および品名「TSKGel G2
000HXL(東ソー株式会社製)」×1を、移動相と
してはテトラヒドロフランを、検出器としては、品名
「UV−8000」と「RI−80000」とを用い
た。また、測定条件は、温度が40℃で流量が0.8m
l/分である。
【0068】なお、原料としては、以下のものを用い
た。
【0069】(紫外線吸収モノマー(A)) ・紫外線吸収モノマー:2−ヒドロキシ−4−メタク
リロイルオキシベンゾフェノン ・紫外線吸収モノマー:2−ヒドロキシ−4−アクリ
ロイルオキシベンゾフェノン ・紫外線吸収モノマー:2−[2´−ヒドロキシ−5
´−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリア
ゾール (シリコーンマクロマー(D)) ・シリコーンマクロマー:商品名「サイラプレーンF
M−0711」、チッソ株式会社製、重量平均分子量
1,000) ・シリコーンマクロマー:商品名「サイラプレーンF
M−0721」、チッソ株式会社製、重量平均分子量
5,000) (官能基含有ビニルモノマー(C)) ・2−ヒドロキシエチルメタクリレート ・ジエチレングリコールモノメタクリレート (官能基非含有ビニル化合物(B)) ・メタクリル酸メチル ・アクリル酸ブチル
【0070】
【表1】
【0071】(比較例1)実施例1の組成物中における
2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェ
ノン(40g)の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤(商品名「チヌビン327」CIBA−GEI
GY社製)(40g)を用いること以外は実施例1と同
様にして、紫外線吸収剤含有シリコーンポリマーを調製
した。なお、商品名「チヌビン327」は、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールである。
【0072】(評価)市販のシリコーン系ハードコート
剤である商品名「トスガード510」(東芝シリコーン
社製)、または、市販のウレタン系塗料である商品名
「タイフォースCS−383」(大日本インキ化学工業
株式会社製):400gに対して、実施例1〜4又は比
較例1に係る化合物(シリコーン含有高分子紫外線吸収
剤又は紫外線吸収剤含有シリコーンポリマー)を100
g加え撹拌し混合して、混合液を調製した。次いで、各
混合液を、大きさ:約300mm×300mm、厚さ:
約3mmのガラス板上に、乾燥厚みが約3μmになるよ
うに塗布し、熱風乾燥機を用いて、温度:150℃、時
間:30分の条件で乾燥して硬化させて、可逆性感熱記
録体の支持体フイルムであるポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムにコーティング層を作製した。
【0073】また、紫外線吸収剤を含有していないブラ
ンクとして、市販のシリコーン系ハードコート剤である
商品名「トスガード510」、または、市販のウレタン
系塗料である商品名「タイフォースCS−383」を、
大きさ:約300mm×300mm、厚さ:約3mmの
PETフィルム上に、乾燥厚みが約3μmになるように
塗布し、熱風乾燥機を用いて、温度:150℃、時間:
30分の条件で乾燥して硬化させた。
【0074】そして、これらのコーティング層を有する
PETフィルムを用いて、下記の紫外線吸収特性及び透
明性試験、鉛筆硬度試験、防汚性試験を行い、紫外線吸
収特性、透明性、鉛筆硬度、防汚性を評価した。評価結
果としては、商品名「トスガード510」(シリコーン
系樹脂)に関するものは表2及び表4に、商品名「タイ
フォース−383」(ウレタン系樹脂)に関するものは
表3及び表5に示した。
【0075】(紫外線吸収特性及び透明性試験)コーテ
ィング層を有するPETフィルムを、水/メタノール=
50/50(重量比)の混合溶媒中に、温度:60℃、
時間:24時間の条件で浸漬して、抽出操作を行う。抽
出前後のPETフィルムについて、日立株式会社製「U
−3200」を用いて、波長370nmで紫外線の透過
率を測定する。また、PETフィルムへの塗布前後にお
ける塗布面の外観を目視により観察して、透明性を評価
する。
【0076】(鉛筆硬度試験)コーティング層を有する
PETフィルムについて、鉛筆硬度を、塗料一般試験法
の鉛筆引っかき試験法(JIS K 5400)に準じ
て測定する。
【0077】(防汚性試験)コーティング層を有するP
ETフィルムの塗布面(コーティング層の面)に、カー
ボンブラックの粉末を振りかけ、温度:80℃で1時間
放置した後、流水により水洗する。水洗後風乾し、塗布
面の汚染状況をグレースケールにて、汚染度がほとんど
ないものを「1」とし、汚染度が非常に高いものを
「5」とした5段階評価で評価する。すなわち、防汚性
が優れているものは汚染度の評価が1であり、劣るもの
は5である。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】表2〜表5より、実施例1〜4に係るコー
ティング剤組成物は透明であり、これは、高分子の紫外
線吸収剤が樹脂(シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂)
に対して高い相溶性を有していることを意味している。
【0083】なお、溶剤(水/メタノール混合溶液)に
より抽出後、透過率が上昇していることは、紫外線吸収
剤がブリードアウトを起こしていることを意味してい
る。
【0084】さらに、実施例1〜4に係るコーティング
剤組成物は、紫外線吸収剤の配合により組成物中の樹脂
(シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂)本来の強度が低
下することなく保持しており、ハードコート性が優れて
いる。
【0085】 (配合例1) 感熱記録層への添加 (可逆性感熱記録シートの作製) A液 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 10部 実施例1から4の高分子紫外線吸収剤、比較例1の添加剤 5部 トルエン 40部 B液 没食子酸・ステアリルアミン錯塩 10部 ダイヤナールBR−106(三菱レーヨン製メタクリル樹脂)10部 上記組成のA液およびB液をそれぞれボールミルで20
時間粉砕、分散させた後、A液1部、B液4部の割合で
混合し、記録層塗工液を作製した。この塗工液をマイヤ
ーバーを用いて、50μmの白色ポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムに乾燥膜厚が約10μmにな
るように塗工し、乾燥して耐光性可逆性感熱記録シート
を作製した。
【0086】 (配合例2) 保護層への応用 (可逆性感熱記録シートの作製) A液 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 10部 トルエン 40部 B液 没食子酸・ステアリルアミン錯塩 10部 ダイヤナールBR−106(三菱レーヨン製メタクリル樹脂) 10部 上記組成のA液およびB液をそれぞれボールミルで20
時間粉砕、分散させた後、A液1部、B液4部の割合で
混合し、記録層塗工液を作製した。この塗工液をマイヤ
ーバーを用いて、50μmの白色PETフイルムに乾燥
膜厚が約10μmになるように塗工し、乾燥して可逆性
感熱記録シートを作製した。
【0087】作製した可逆性感熱記録シートに実施例1
から4および比較例1を乾燥膜厚3μmになるようにマ
イヤーバーで塗工し、乾燥して耐光性可逆性感熱記録シ
ートを作製した。 試験例1 発色性 以上のようにして作製した耐光性可逆性感熱記録シート
を大倉電機社製感熱印字装置THPMDにて電圧13.
3V、パルス幅1.2msecで印字し得られた画像の
発色性を目視により観察した。 試験例2 消色性 試験例1で発色させた画像を東洋精機社製熱傾斜試験機
で110℃、1secの条件で消色して消色性を目視に
より観察した。 試験例3 耐光性 試験例1で発色させた画像をスガ試験機社製ウエザーメ
ーターS80にて0時間、10時間、20時間照射後の
発色部の変色および未発色部の黄変性を目視により観察
した。
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の可逆性感熱記録
体は、紫外線吸収ユニットとシリコーンマクロマーユニ
ットとを含むポリマー型コーティング剤組成物を用い
て、可逆性感熱記録体の表面を被覆するので、耐光性、
耐久性、透明性、ハードコート性及び防汚性の高い可逆
性感熱記録体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録体を備えたプリベイト
カードの平面図。
【図2】図1のI−I線部分の断面図。
【符号の説明】
1 プリベイトカード 2 プラスチック製の基材部分 3 感熱記録層の部分 4 透明なプラスチックフィルム層 5 感熱記録層 6 高分子紫外線吸収ポリマー層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月30日(2001.1.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式(1)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキ
ル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12
は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10
のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。
13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエ
ステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン
結合を示す。)
【化2】 (式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン原子、又はメ
チル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭
化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン
基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、
21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレ
ン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、
又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン
基を示し、m 22は0又は1を示す。R25は水素原子、又
は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド
結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
【化3】 (式(3)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。
32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6
のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。
33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する
炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有
する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は
1を示す。nは1〜200の整数を示す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【化5】 (式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン原子、又はメ
チル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭
化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン
基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、
21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレ
ン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、
又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン
基を示し、m 22は0又は1を示す。R25は水素原子、又
は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド
結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また本発明においては、紫外線吸収モノマ
ー(A)と、官能基含有共重合性ビニルモノマー
(B)と、官能基含有共重合性ビニル化合物(C)と、
シリコーンマクロマー(D)との割合が、モノマー成分
全量に対して、(A)/(B)/(C)/(D)=5〜
50/50〜80/5〜20/5〜60(重量%)であ
ることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明では、紫外線吸収モノマー(A)
と、シリコーンマクロマー()と、官能基含有共重合
性ビニルモノマー(C)と、官能基非含有共重合性ビニ
ル化合物()との割合が、モノマー成分全量に対し
て、(A)/()/(C)/()=5〜50/5〜
60/50〜80/5〜20(重量%)であることが好
ましい。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤を構成する
モノマーが、このような割合であると、高い紫外線吸収
能を発揮することができるだけでなく、高分子の紫外線
吸収剤の樹脂に対する相溶性が高く、コーティング層の
ハードコート性及び防汚性も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 BB02 BB24 DD12 DD15 DD17 DD45 DD46 DD48 DD53 DD55 EE05 FF01 FF11 2H111 HA07 HA23 HA35 4J027 AF05 AF06 BA07 BA14 CD08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(化1)で表されるベンゾフェノン
    系紫外線吸収モノマー及び下記式(化2)で表されるベ
    ンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーから選ばれる少
    なくとも一種の紫外線吸収モノマー(A)と、共重合性
    ビニルモノマー(B)と、官能基含有共重合性ビニルモ
    ノマー(C)と、下記式(化3)で表されるハードコー
    ト成分であるシリコーンマクロマー(D)を含むモノマ
    ーを共重合させた高分子紫外線吸収ポリマー層を、可逆
    性感熱記録層の外側表面に形成するかまたは前記可逆性
    感熱記録層の中に高分子紫外線吸収ポリマーを混合する
    ことを特徴とする可逆性感熱記録体。 【化1】 (式(1)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキ
    ル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12
    は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10
    のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。
    13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエ
    ステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン
    結合を示す。) 【化2】 (式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン原子、又はメ
    チル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭
    化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン
    基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、
    21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレ
    ン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、
    又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン
    基を示し、m 22は0又は1を示す。R25は水素原子、又
    は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド
    結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。) 【化3】 (式(3)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。
    32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6
    のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。
    33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する
    炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有
    する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は
    1を示す。nは1〜200の整数を示す。)
  2. 【請求項2】シリコーンマクロマー(D)の重量平均分
    子量が200〜10,000である請求項1に記載の可
    逆性感熱記録体。
  3. 【請求項3】紫外線吸収モノマー(A)と、官能基含有
    共重合性ビニルモノマー(B)と、官能基非含有共重合
    性ビニル化合物(C)と、シリコーンマクロマー(D)
    との割合が、モノマー成分全量に対して、(A)/
    (B)/(C)/(D)=5〜50/50〜80/5〜
    20/5〜60(重量%)である請求項1又は2に記載
    の可逆性感熱記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242375A (ja) * 2008-03-13 2009-10-22 Shin Etsu Chem Co Ltd 化粧料
US8966557B2 (en) 2001-01-22 2015-02-24 Sony Computer Entertainment Inc. Delivery of digital content
US9483405B2 (en) 2007-09-20 2016-11-01 Sony Interactive Entertainment Inc. Simplified run-time program translation for emulating complex processor pipelines
JP2017013292A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 共同印刷株式会社 可逆性感熱記録シート

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