JP4049371B2 - 高圧トランス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶表示パネルにおけるバックライト用放電灯の点灯回路に用いられる高圧トランスに関し、特にDC/ACインバータ回路に用いられる高圧トランスに関するものである。
【従来の技術】
従来より、例えば、ノートパソコン等に使用される各種液晶表示パネルのバックライト用として数本以上の冷陰極放電ランプ(以下、CFLと称する)を同時に放電、点灯させるようにしたものが知られている。このようにCFLを数本以上用いることで、液晶表示パネルの高輝度化、均一照明化等の要請に対応することができる。
この種のCFLを点灯させる回路としては、12V程度の直流電圧を、高圧トランスを用い、60kHz、1600V程度の高周波電圧に変換して放電を開始せしめるインバータ回路が一般的である。上記放電開始後において、このインバータ回路は、上記高周波電圧をCFLの放電維持に必要な600V程度まで低下させるように制御する。
【0002】
このようなインバータ回路に使用される高圧トランス(インバータトランス)は、液晶表示パネルの薄型化の要請から小型サイズのものが用いられているが、1枚の液晶ディスプレイに対して、上記CFLの本数に応じた数だけ必要とされることから、さらなる省スペース化および製造コストの低廉化を図る技術の確立が急務である。このような要請に応じたものとしては、例えば、特開2001-267156号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この公報記載のインバータトランスは、1つのトランスで複数のCFLを点灯させることができ、しかも各CFLの放電動作のばらつきを抑制し得るもので、図11に示すように、単一の1次側巻線1に対して、2つの2次側巻線2(各々が、対応するCFLに対して高周波電圧を出力する)が互いに電磁気的に等価な状態となるように結合されている。また、各2次側巻線2は、軟磁性材料であるフェライト等からなる棒状磁芯3に各別に巻回されており、棒状磁芯3は1次側巻線1と電磁気的に結合している。さらに、各2次側巻線2は、棒状磁芯3の軸に沿って巻回されており、高電圧の発生に伴う絶縁破壊を阻止するため、その軸方向に複数セクションに分割され、各セクション間に絶縁性の仕切り板4が設けられ、沿面放電の阻止に必要な沿面距離が保持されている。
【0004】
各2次側巻線2は、実際には筒状のボビン5の外周に巻回されており、棒状磁芯3はそのボビン5の内方に嵌挿されている。1次側巻線1も筒状のボビン6に巻回され、この1次側巻線用ボビン6は、棒状磁芯3の図中下端部分が挿入可能となるように形成されている。さらに、1次側巻線用端子台7と2次側巻線用端子台8を備えている。
【0005】
このように構成された公報記載の技術によれば、インバータトランスが、負荷の個数と1対1の関係で増加することなく、したがって、全体構成が従来のものに比べて小型で、また低コストで得られるという効果がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載技術のものでは、従来のものに比べて小型で、低コストとなってはいるものの、2次側巻線を巻回するための棒状磁芯が負荷の数に対応した数だけ必要とされることから、その小型化および低コスト化は十分なものとはなっていなかった。
【0007】
また、2次側巻線を巻回するための棒状磁芯が複数配されていることから、複数の2次側巻線を互いに電磁気的に等価な状態とすることが必ずしも容易ではなく、そのことが低コスト化を図る上で障害となっていた。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、1つのトランスにより複数個の放電ランプを安定して放電、点灯することが可能で、大幅に小型化および低コスト化を図り得る高圧トランスを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の高圧トランスは、1次側巻線に印加される1つの交流電圧入力を変圧して、複数の2次側巻線の各々から所定の交流電圧出力を発生せしめる高圧トランスにおいて、
該複数の2次側巻線を単一の巻軸に巻回するとともに、該2次側巻線の巻回領域を、絶縁仕切板によって前記巻軸の軸方向に配列される複数のセクションに分割し、
前記セクションのうち、低電圧側のセクションにおいては、前記複数の2次側巻線を同一のセクションに一緒に巻回して共通巻線部分となし、
前記セクションのうち、高電圧側のセクションにおいては、前記複数の2次側巻線毎に、対応するセクションに各別に巻回して独立巻線部分となしたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、「低電圧側」と「高電圧側」の用語は、相対的に用いられるものであって、その境界は複数の2次側巻線間で絶縁破壊が起き得るか否かということであり、境界値は、その状況に応じて適宜設定可能である。
【0011】
また、前記複数の2次側巻線が第1および第2の2本の巻線からなり、前記高電圧側のセクションは、該第1の巻線が巻回されるセクションと該第2の巻線が巻回されるセクションとを交互に配列するように設定されてなるように構成することが可能である。
【0012】
また、前記高圧側のセクションの各々は、当該セクションに巻回される所定の巻線以外の巻線を、該所定の巻線との間で絶縁して通過せしめる溝部を設けるように構成することが好ましい。
【0013】
また、前記溝部は、前記セクションの各々において、両側部に位置する2つの前記絶縁仕切板間に亘って前記巻軸の表面に刻設されてなり、
前記所定の巻線以外の巻線がこの溝部内に埋設されて、該巻軸の表面に巻回された前記所定の巻線との間の絶縁処理がなされるように構成することが可能である。
【0014】
さらに、前記溝部は、前記セクションの各々において、両側部に位置する2つの前記絶縁仕切板の外周面に刻設されてなり、
前記所定の巻線以外の巻線がこれらの溝部内に嵌挿され、2つの絶縁仕切板間に張設されて、該巻軸の表面に巻回された前記所定の巻線との間の絶縁処理がなされるように構成することが可能である。
【0015】
なお、前記巻軸の巻芯は、フェライトにより形成されていることが好ましいが、センダストやダストコア等のその他の一般的なコア材料から形成することは可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る高圧トランスについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る高圧トランスの概略構成を説明するもので、図1(a)は上面図、同図(b)は(a)に示されるA−A線縦断面図であり、図2(a)は一部側面図、同図(b)は(a)に示されるB−B線横断面図である。
【0017】
本実施形態の高圧トランス11は、2つのCFL(冷陰極放電ランプ)を同時に放電、点灯させるためのDC/ACインバータ回路内で使用されるインバータトランスであり、軟磁性材料であるフェライト等からなる棒状磁芯30に1次側巻線(セクション45)、および2本の導線からなる2次側巻線(セクション46、47a,b)が巻回されている。また、2次側巻線(セクション46、47a,b)は、2本の導線が共通に巻回される共通巻線部分(セクション46)と2本の導線が各別に巻回される独立巻線部分(セクション47a,b)から構成されており、1次側巻線(セクション45)および2次側巻線(セクション46、47a,b)は、共通の棒状磁芯30により互いに電磁気的に結合している。
【0018】
上記2次側巻線(セクション46、47a,b)は、棒状磁芯30の軸に沿って巻回されるが、隣接する巻線間に高電圧差が生じて絶縁破壊が生じるのを阻止するため、その軸方向に複数セクション46、47a,bに分割されており、各セクション46、47a,b間には絶縁性の仕切り板42、43が設けられ、沿面放電の阻止に必要な沿面距離が保持されている。なお、1次側巻線(セクション45)と2次側巻線(セクション46、47a,b)の間にも絶縁性の仕切り板44が設けられている。
【0019】
1次側巻線(セクション45)および2次側巻線(セクション46、47a,b)は、実際には、断面矩形で筒状のボビン21の外周に巻回されており、棒状磁芯30はそのボビン21の内方に嵌挿されている。また、ボビン21の両端面には、鍔板41a,bが設けられている。
【0020】
棒状磁芯30は、この棒状磁芯30と同様の材料により形成された枠状磁芯29と電磁気的に結合され、これにより磁路が形成される。
ただし、棒状磁芯30と枠状磁芯29との間のギャップ量は、漏れ磁束をどの程度発生させるかによって決定され、このギャップ量を略0にすることも可能である。また、上記枠状磁芯29を設けることなく、磁芯は棒状磁芯30のみで構成し、完全に開磁路構造に形成することも可能である。
【0021】
1次側巻線(セクション45)の始端、中間端子(省略することが可能;後述する図6の回路は中間端子が省略されたものである。)および終端は、巻線用端子台27に保持固定された端子ピン17b〜17dに接続されており、また、2次側巻線(セクション46、47a,b)の始端は上記巻線用端子台27に保持固定された端子ピン17a,eに、一方、その終端は巻線用端子台28に保持固定された端子ピン18a,bに接続される。これら端子台27、28は、絶縁材から形成されている。なお、1次側巻線(セクション45)および2次側巻線(セクション46、47a,b)の始端および終端の端子ピン17a〜e、18a,bへの接続態様はこれに限られるものではない。
【0022】
上述したように、本実施形態の高圧トランス11は、2つのCFLを同時に放電、点灯させるものであり、2次側巻線(セクション46、47a,b)は、2本の導線を巻回することで構成されている。そして2次側巻線が巻回された各セクション46、47a,bは、2本の導線が共通に巻回される、低電圧側の共通巻線部分(3つのセクション46)と、2本の導線が各別に巻回される高電圧側の独立巻線部分(各導線毎に3つのセクション47a,b)からなっている。
【0023】
このように、本実施形態においては、各CFLを放電、点灯させるための2本の導線が、ボビン21を介して1つの棒状磁芯30上に巻回されており、これにより、複数個の放電ランプを放電、点灯する高圧トランスの小型化および製造費の低コスト化を大幅に促進することが可能である。
【0024】
しかも、本実施形態においては、2次側巻線が巻回される各セクション46、47a,bが、共通巻線部分(セクション46)と、独立巻線部分(セクション47a,b)とに区別されており、2本の導線間で絶縁破壊のおそれがない低電圧側ではこれら2本の導線が共通に巻回されて省スペース化が図られ、一方、2つのCFLの放電、点灯のタイミングに時差がある場合等に2本の導線間で絶縁破壊のおそれがある高電圧側では2本の導線が各別に巻回されるように配慮されている。
【0025】
そして、2本の導線が各別に巻回される独立巻線部分(セクション47a,b)では、第1の導線を巻回する2次側巻線(セクション47a)と、第2の導線を巻回する2次側巻線(セクション47b)とが巻軸に沿って交互に配され、そのセクション47a,bに巻回される導線と、そのセクションに巻回されない導線47a,bとの絶縁状態が良好に保持されるように、かつ自動巻線機等を用いても導線の巻回操作を行ない得るように後述するような溝部が設けられている。
【0026】
図3および図4は、上記第1実施形態に係る高圧トランスのボビン21の概略構成を説明するもので、図3(a)は上面図、同図(b)は底面図、同図(c)は側面図、図4は要部斜視図である。
【0027】
図示するように、共通巻線部分における3つのセクション46を分離する仕切り板42には、巻軸の径方向に略ボビン巻回表面に至るまで切り欠かれた溝部50が設けられている。また、この共通巻線部分(セクション46)と独立巻線部分(セクション47a,b)とを分離する仕切り板43および独立巻線部分における6つのセクション47a,bを分離する仕切り板43には、巻軸の周方向に互いに所定角度だけ離れた2つの位置において、巻軸の径方向に、ボビン巻回表面よりも深い位置まで切り欠かれた溝部49が設けられている。さらに、各セクション47a,bのボビン巻回表面には、隣接する仕切り板43の溝部49を斜めに接続するように、溝部51が刻設されている。なお、溝部49を巻軸の軸と平行に刻設することも可能であるが、本実施形態のもののように該軸に対して傾いて、ボビン21の角部を通過するような溝部49とすれば、後述するように導線を溝部に埋設した場合に、その導線に対して適切な張力を付与することが容易である。
【0028】
前述したように、共通巻線部分における3つのセクション46に対しては、2本の導線が一緒に巻回されるようになっており、1つのセクション46の巻回操作が終了すると、仕切り板42の溝部50を通された2本の導線により、次のセクション46の巻回操作が行われるようになっている。そして、3つのセクション46の巻回操作が全て終了すると、独立巻線部分における6つのセクション47a,bの導線巻回操作が開始される。
【0029】
独立巻線部分における6つのセクション47a,bの導線巻回操作は、3つのセクション47aについては、第1の導線を巻回し、3つのセクション47bについては、第2の導線を巻回することにより行われる。すなわち、第1の導線の巻回操作と第2の導線の巻回操作が交互に行われることになる。
その際、そのセクション47a,bについて巻回操作が行われない導線については、巻回操作が行われる導線との間で絶縁しつつ通過させるため、図5に示すように、そのセクション47a,bのボビン巻回表面に刻設された溝部51に埋設するようにしている。すなわち、第1の導線71aが巻回されるセクション47aについては、第2の導線71bが溝部51に埋設され、一方、第2の導線71bが巻回されるセクション47bについては、第1の導線71aが溝部51に埋設されるようになっている。
【0030】
なお、この溝部51は導線71a,bを埋設した際に、そのセクション47a,bに巻回される導線71a,bと接触しない程度の深さを有するように形成されており、また導線を巻回する際に、埋設する導線71a,bが浮き上がらない程度に張設されている。
【0031】
また、仕切り板43に形成された溝部49は、溝部51と滑らかに接続されるように形成されており、その接続部分において、これらの溝部49、51を通過する導線71a,bが、他方の導線71a,bと接触しないような深さとなるように形成されている。
【0032】
図6は、上述した高圧トランス11に2つのCFL(CFL1、CFL2)を接続した場合の回路例を示すものである。図示するように、高圧トランス11と、その前段に配されたスイッチング回路90とにより他励式のインバータ回路が構成される。スイッチング回路90は、発振制御用IC92とトランジスタQからなり、入力された直流電圧(例えば12V)を交流電圧に変換して1次側巻線101に印加するものであり、高圧トランス11は、前述したように、2つの2次側巻線102a,bの両方に対して、CFLの放電開始時において60KHz、1600V程度の高周波電圧を各々独立に発生させる。
【0033】
このように構成された結果、いずれか一方のCFLが先に放電しても、他方の2次側巻線102a,bの出力電圧は降下せず、一方のCFLの放電、点灯後に、他方のCFLを正常に放電、点灯させることが可能である。
【0034】
図7および図8は本発明の第2実施形態に係る高圧トランスの概略構成を説明するもので、図7(a)はボビン上面図、同図(b)はボビン底面図、図8(a)は図7のA側からみたときの側面図、同図(b)は図7のB側からみたときの側面図である。なお、この第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べると、主として共通巻線部分と独立巻線部分の溝部49、50、51が異なっているので、この異なっている部分について詳細に説明し、その他の部分についての詳細な説明は省略する。また、図面上、第1実施形態と対応する部分については、第1実施形態において用いた付番に100を加えて表す。
【0035】
図示するように、この第2実施形態の高圧トランスのボビン121は、上記第1実施形態のものと同様に、1次側巻線(セクション145)、および2本の導線からなる2次側巻線(セクション146、147a,b)が巻回される。また、2次側巻線(セクション146、147a,b)は、上記第1実施形態のものと同様に、2本の導線が共通に巻回される共通巻線部分(セクション146)と2本の導線が各別に巻回される独立巻線部分(セクション147a,b)から構成されており、1次側巻線(セクション145)および2次側巻線(セクション146、147a,b)は、図示されない共通の棒状磁芯により互いに電磁気的に結合している。
【0036】
上記2次側巻線(セクション146、147a,b)は、上記第1実施形態のものと同様に、棒状磁芯30の軸に沿って巻回され、その軸方向に複数のセクション146、147a,bに分割されており、各セクション146、147a,b間には絶縁性の仕切り板142、143が設けられている。
【0037】
また、上記第1実施形態のものと同様に、2次側巻線が巻回される各セクション146、147a,bが、共通巻線部分(セクション146)と、独立巻線部分(セクション147a,b)とに区別されており、2本の導線間で絶縁破壊のおそれがない低電圧側ではこれら2本の導線が共通に巻回され、一方、2本の導線間で絶縁破壊のおそれがある高電圧側では2本の導線が各別に巻回されるように配慮されている。
そして、独立巻線部分(セクション147a,b)では、第1の導線を巻回する領域(セクション147a)と、第2の導線を巻回する領域(セクション147b)とが巻軸に沿って交互に配されている。
【0038】
ところで、この第2の実施形態のものでは、この独立巻線部分の各セクション147a,bにおける2つの導線の絶縁操作が上記第1の実施形態のものとは異なっている。すなわち、第1の導線を巻回する、独立巻線部分(セクション147a)の巻軸径は大きく、第2の導線を巻回する、独立巻線部分(セクション147b)の巻軸径は小さくなるように設定されている。
【0039】
また、巻軸の径が大きい独立巻線部分(セクション147a)の一方の側面(A側)においては、図9(a)に示すように、巻軸の径が小さい独立巻線部分(セクション147b)の表面高さと同程度まで切り欠かれた溝部151が形成されている。なお、この溝部151は、図示するように、仕切り板143にも形成されている。
【0040】
一方、ボビンの他方の側面(B側)においては、図9(b)に示すように、各仕切り板143に浅い溝部152が形成されている。
【0041】
この第2の実施形態における独立巻線部分(セクション147a,b)では、前述した如く、第1の導線を巻回する領域(セクション147a)と、第2の導線を巻回する領域(セクション147b)とが巻軸に沿って交互に配され、そのセクション147a,bに巻回される導線と、そのセクションに巻回されない導線147a,bとの絶縁状態が良好に保持されるように、かつ自動巻線機等を用いても導線の巻回操作を行ない得るように前述した溝部151、152が設けられている。
【0042】
すなわち、図10(a)に示すように、一方の導線171aについて巻回操作がなされるセクション147aにおいては、巻回操作が行われない他方の導線171bが、上記溝部151に埋め込まれて、このセクション147aに巻回される一方の導線171aの下方を通過することで、導線171aとの間の絶縁処理がなされるようになっている。
【0043】
一方、図10(b)に示すように、他方の導線171bについて巻回操作がなされるセクション147bにおいては、巻回操作が行われない一方の導線171aが、上記溝部152間に張設されて、このセクション147bに巻回される他方の導線171bの上方を通過することで、導線171bとの間の絶縁処理がなされるようになっている。
【0044】
なお、上記溝部151は導線171bを埋設した際に、そのセクション147aに巻回される導線171aと接触しない程度の深さを有するように形成されており、また、埋設する導線171bがこの溝部151内で浮き上がらない程度に張設されている。また、上記溝部152は、導線171aを張設した際に、そのセクション147bに巻回される導線171bと接触しない程度の深さを有するように形成されており、また、導線171aが、この溝部152からはずれない程度に張設されている。
【0045】
この第2の実施形態においては、巻回されないセクションを渡す態様が2本の導線171a,b間で互いに異なっており、溝部151に埋め込まれる処理がなされる導線171aの巻回操作を溝部152間に張設される導線171bの巻回操作に所定タイミングだけ先行して行なうように設定することにより、1つのボビン121に対する2本の導線171a,bの巻回操作を同時に行なうことができる。これにより、製造時間の短縮を図ることができる。
【0046】
なお、本発明の高圧トランスとしては、上述したものに限られるものではなく、種々の態様の変更を採用可能であり、例えば、上述した実施形態では、2次側巻線を2本設けた場合について説明するものであるが、これに替え、2次側巻線を3本以上設けるようにしてもよい。
【0047】
また上記実施形態においては、互いに異なる導線を巻回するセクションが交互に配列されるように構成されているが、互いに異なる導線を巻回するセクションは、必ずしも交互もしくは規則的に配列されていなくともよく、さらに低電圧側のセクションおよび高電圧側のセクションの数は適宜選択可能である。
【0048】
また、該各セクションに巻回される所定の巻線以外の巻線を、該所定の巻線との間で絶縁して通過せしめる溝部は、種々のタイプのものを採用可能であり、例えば、2次側巻線を3本設けた場合に、第1の巻線については上記溝部51のタイプにより、また、第2の巻線については上記溝部151のタイプにより、さらに、第3の巻線については上記溝部152のタイプにより、各々絶縁処理を行なうようにすることが可能である。
【0049】
さらに、所定の高電圧側のセクションにおいて巻回される巻線と、そのセクションに巻回されない巻線との絶縁を図る手段は、溝部に限られるものではなく、例えば、これら2本の巻線間に絶縁部材を介在させることも可能である。
【0050】
さらに、前述したように、上記磁芯29、30はフェライトにより形成されていることが好ましいが、例えば、パーマロイ、センダスト、鉄カルボニル等の材料を用いることが可能であり、これらの微粉末を圧縮成型したダストコアを使用することも可能である。
【0051】
さらに、本発明の高圧トランスは、インバータトランスのみならず、その他の種々のトランスに適用することが可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の高圧トランスによれば、2次側巻線の巻回領域を、複数の絶縁仕切板によって巻軸の軸方向に複数のセクションに分割し、各セクションのうち、低電圧側のセクションにおいては、複数の巻線を同一のセクションに巻回するように、一方、高電圧側のセクションにおいては、各巻線毎に、各巻線に対応するセクションに巻回するように構成されており、2次側巻線が巻回される各セクションが、低電圧側の共通巻線部分と、高電圧側の独立巻線部分とに区別されることになる。これにより、複数本の巻線間で絶縁破壊のおそれがない低電圧側ではこれら複数本の巻線が共通に巻回されて省スペース化が図られ、一方、高電圧側では複数本の巻線が各別に巻回され、各巻線に対して負荷となる放電灯の放電、点灯のタイミングに時差がある場合等においても複数本の巻線間で絶縁破壊が生じるのを阻止することが可能となる。
【0053】
したがって、本発明の高圧トランスによれば、大幅な小型化および低コスト化を図りつつ、1つのトランスにより複数個の放電ランプを安定して放電、点灯することが可能である。
【0054】
また、上述した高圧側の各セクションにおいて、該各セクションに巻回される所定の巻線以外の巻線を、該所定の巻線との間で絶縁して通過せしめる溝部を設けるように構成することで、複数本の巻線間で絶縁破壊が生じるおそれがある高電圧側で、容易かつ安価に、これら複数本の巻線間の絶縁処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスにおける、上面図(a)、および(a)におけるA−A線縦断面図(b)
【図2】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスにおける、一部側面図(a)、および(a)におけるB−B線縦断面図(b)
【図3】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスのボビンにおける、上面図(a)、底面図(b)、および側面図(c)
【図4】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスのボビンにおける要部斜視図
【図5】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスのボビンの溝部についての、要部拡大前面図(a)、および要部拡大上面図(b)
【図6】本発明の第1実施形態に係る高圧トランスを含むインバータ回路を示す回路図
【図7】本発明の第2実施形態に係る高圧トランスのボビンにおける、上面図(a)、および底面図(b)
【図8】本発明の第2実施形態に係る高圧トランスのボビンにおける、A側側面図(a)、およびB側側面図(b)
【図9】本発明の第2実施形態に係る高圧トランスのボビンにおける、A側要部斜視図(a)、およびB側要部斜視図(b)
【図10】本発明の第2実施形態に係る高圧トランスのボビンの溝部についての、A側要部拡大図(a)、およびB側要部拡大図(b)
【図11】従来技術に係る高圧トランスを示す概略図
【符号の説明】
11 高圧トランス
17a〜17e、18a,b、
117a〜117e、118a,b 端子ピン
21、121 ボビン
27、28、127、128 巻線用端子台
29 枠状磁芯
30 棒状磁芯
41a,b、141a,b 鍔板
42、43、44、142、143、144 仕切り板
45、145 セクション(1次側巻線側)
46、47a,b、146、147a,b セクション(2次側巻線側)
49、50、51、151、152 溝部
71a、171a 第1の導線
71b、171b 第2の導線
90 スイッチング回路
92 発振制御用IC
101 1次側巻線
102a,b 2次側巻線
CFL1,2 冷陰極放電ランプ

Claims (6)

  1. 1次側巻線に印加される1つの交流電圧入力を変圧して、複数の2次側巻線の各々から所定の交流電圧出力を発生せしめる高圧トランスにおいて、
    該複数の2次側巻線を単一の巻軸に巻回するとともに、該2次側巻線の巻回領域を、絶縁仕切板によって前記巻軸の軸方向に配列される複数のセクションに分割し、
    前記セクションのうち、低電圧側のセクションにおいては、前記複数の2次側巻線を同一のセクションに一緒に巻回して共通巻線部分となし、
    前記セクションのうち、高電圧側のセクションにおいては、前記複数の2次側巻線毎に、対応するセクションに各別に巻回して独立巻線部分となしたことを特徴とする高圧トランス。
  2. 前記複数の2次側巻線が第1および第2の2本の巻線からなり、前記高電圧側のセクションは、該第1の巻線が巻回されるセクションと該第2の巻線が巻回されるセクションとを交互に配列するように設定されてなることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  3. 前記高圧側のセクションの各々は、当該セクションに巻回される所定の巻線以外の巻線を、該所定の巻線との間で絶縁して通過せしめる溝部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の高圧トランス。
  4. 前記溝部は、前記セクションの各々において、両側部に位置する2つの前記絶縁仕切板間に亘って前記巻軸の表面に刻設されてなり、
    前記所定の巻線以外の巻線がこの溝部内に埋設されて、該巻軸の表面に巻回された前記所定の巻線との間の絶縁処理がなされることを特徴とする請求項3記載の高圧トランス。
  5. 前記溝部は、前記セクションの各々において、両側部に位置する2つの前記絶縁仕切板の外周面に刻設されてなり、
    前記所定の巻線以外の巻線がこれらの溝部内に嵌挿され、2つの絶縁仕切板間に張設されて、該巻軸の表面に巻回された前記所定の巻線との間の絶縁処理がなされることを特徴とする請求項3または4記載の高圧トランス。
  6. 前記巻軸の巻芯はフェライトにより形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の高圧トランス。
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