JP4049292B2 - 物品保持装置および物品移載装置 - Google Patents

物品保持装置および物品移載装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を保持する物品保持装置、およびこの物品保持装置を用いて物品を移載する物品移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、荷積み装置や荷降し装置などの物品移載装置では、物品保持装置(以下、ハンドという)を備え、このハンドで物品を保持して荷積みや荷降し作業をしている。
【0003】
例えば、特開平8−119451号公報に記載されているパレタイザは、パレット上に例えば飲料用のプラスチックボトルなどの複数の容器を複数列に配列するもので、ハンドで1列分の容器を挟持してパレット上に移載し、容器を1列分ずつ順次移載していってパレット上に所定の列数分の容器を配列している。
【0004】
このパレタイザに用いられるハンドを含めて、ハンドは、一般に、互いに対向する2面の挟持板を有し、一方の挟持体に対して他方の挟持体の間隔を拡縮可能とし、両挟持体間に容器を挟持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のハンドでは、2面の挟持板によって物品を挟持しているが、物品の個数や物品の種類などによっては確実に挟持して移載することができない問題がある。物品として、例えば、特開平8−119451号公報に記載の容器の場合、1列分の容器を2面の挟持体で挟持できるが、複数列分の容器を2面の挟持体で挟持しようとすれば、2面の挟持体で挟持しようとする方向と直交する方向に容器が逃げて、容器の配列が崩れ、容器を確実に挟持できない問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、物品を確実に保持できる物品保持装置および物品移載装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の物品保持装置は、並列に整列された複数の物品を四方から保持する物品保持装置であって、フレーム体と、このフレーム体を中心とする四方の4面にそれぞれ配置されるとともに、互いに対向する各2面がそれぞれ対向方向に移動可能に設けられる4面の挟持体と、これら4面の挟持体のうち、互いに対向する各2面の挟持体をそれぞれ互いに拡縮移動可能に連動させる各連動手段と、前記各2面の挟持体をそれぞれ互いに拡縮移動させる各駆動手段と、前記隣接する物品間に差し込まれる複数のスペーサと、前記フレーム体に設けられ、前記スペーサを前記フレーム体側から前記4面の挟持体の間を通じて前記隣接する物品間に対して昇降可能に支持し、前記スペーサを前記4面の挟持体の間より上昇させた位置を待機位置とし、前記4面の挟持体で前記複数の物品を四方から保持する際に前記スペーサを前記待機位置から前記隣接する物品間に下降させ、前記4面の挟持体で前記複数の物品を四方から保持するのが解除された後に前記スペーサを前記隣接する物品間から前記待機位置に上昇させるスペーサ昇降手段とを具備しているものである。
【0008】
そして、4面の挟持体によって物品を四方から挟持することにより、物品を四方から確実に挟持して保持する。しかも、互いに対向する各2面の挟持体の拡縮移動をそれぞれ連動手段により連動させることにより、フレーム体の中心に対応して物品を四方から位置決めするとともに、例えば容器のような物品が複数列に配列されている場合でも、物品の配列を崩すことなく、物品を四方から確実に挟持して保持する。また、並列に整列された複数の物品を4面の挟持体で保持する保持対象とするとき、フレーム体側から4面の挟持体の間を通じて隣接する物品間に対して昇降するスペーサを備えることにより、隣接する物品の上部間に隙間がある場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持し、さらに、物品同士の摩擦係数が小さい場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に物品同士が滑るのを防いで安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持し、しかも、スペーサを隣接する物品間に差し込んで4面の挟持体で保持することにより、スペーサで物品を引き上げる状態に支持し、物品の保持を補助する。
【0009】
請求項2記載の物品保持装置は、請求項1記載の物品保持装置において、4面の挟持体の高さ位置が合わされるとともに、各挟持体の両端部には隣接する他の挟持体と干渉を互いに避けて交差可能とする切欠部が設けられているものである。
【0010】
そして、隣接する挟持体同士を干渉せずに交差可能に設けたことにより、挟持体の寸法より小形の物品を挟持して保持可能とする。
【0011】
請求項3記載の物品保持装置は、請求項1または2記載の物品保持装置において、吸着体と、この吸着体をフレーム体側から4面の挟持体の間を通じて昇降させる吸着体昇降手段とを具備しているものである。
【0012】
そして、フレーム体側から4面の挟持体の間を通じて昇降する吸着体を備えることにより、物品の吸着による保持を可能とする。
【0013】
求項記載の物品保持装置は、請求項1ないし3いずれか記載の物品保持装置において、スペーサ昇降手段に対して各スペーサを所定範囲内で遊動可能に支持する支持部を有しているものである。
【0014】
そして、各スペーサを所定範囲内で遊動可能に支持することにより、物品間の位置とスペーサの位置との位置ずれを吸収する。さらに、並列に整列された複数の物品を4面の挟持体で保持する保持対象とするとき、フレーム体側から4面の挟持体の間を通じて隣接する物品間に対して昇降するスペーサを備えることにより、隣接する物品の上部間に隙間がある場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持し、さらに、物品同士の摩擦係数が小さい場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に物品同士が滑るのを防いで安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持し、しかも、スペーサを隣接する物品間に差し込んで4面の挟持体で保持することにより、スペーサで物品を引き上げる状態に支持し、物品の保持を補助する。
【0015】
請求項記載の物品移載装置は、請求項1ないしいずれか記載の物品保持装置を備え、この物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込み、4面の挟持体で四方から複数の物品を挟持し、物品保持装置を移動させて複数の物品を移載するものである。
【0016】
そして、物品保持装置の4面の挟持体で四方から物品を挟持し、物品保持装置を移動させて物品を移載する
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1ないし図7に前提となる技術を示す。
【0019】
図1ないし図4に、物品保持装置としてのハンド11を示し、このハンド11は、フレーム体12を具備し、さらに、このフレーム体12は、ベース13、このベース13の下側に取り付けられた第1のフレーム14、およびこの第1のフレーム14の下側で第1のフレーム14と直交する方向に取り付けられた第2のフレーム15を有している。
【0020】
ベース13は、第1のフレーム14上に取り付けられ、フレーム体12の中心軸16の位置に対応して取付部17を有している。
【0021】
第1のフレーム14は、長尺状の一対のフレーム部18、およびこれらフレーム部18の両端を連結する連結部19を有する長方形枠状に形成され、各フレーム部18の下面両端にはガイドレール20が取り付けられている。第2のフレーム15は、長尺状の一対のフレーム部21、およびこれらフレーム部21の両端を連結する連結部22を有する長方形枠状に形成され、各フレーム部21の下面両端にはガイドレール23が取り付けられている。これら第1のフレーム14および第2のフレーム15は、中心軸16を中心として、長手方向が互いに直交した状態に配設されている。
【0022】
また、フレーム体12には、フレーム体12の中心軸16を中心とする四方の4面に挟持体31〜34がそれぞれ配置され、これら4面の挟持体31〜34のうち、一方の互いに対向する2面の挟持体31,32は対向方向に移動可能に第1のフレーム14に配設される第1の挟持体31,32として構成され、他方の互いに対向する2面の挟持体33,34は対向方向に移動可能に第2のフレーム15に配設される第2の挟持体33,34として構成される。
【0023】
第1の挟持体31,32は、第1のフレーム14に沿って移動する移動枠35を有し、この移動枠35には第1のフレーム14の各ガイドレール20にスライド可能に係合するスライド部材36が取り付けられている。移動枠35の外端下面には複数の縦枠37が取り付けられ、これら縦枠37の下端内側に上下に複数の挟持板38が配設されている。これら挟持板38は、第1の挟持体31,32がそれぞれ配置される各面に沿って長尺の板状に形成され、両端には隣接する第2の挟持体33,34との干渉を避けて交差可能とする切欠部39が形成されている。
【0024】
第2の挟持体33,34は、第2のフレーム15に沿って移動する移動枠40を有し、この移動枠40には第2のフレーム15の各ガイドレール23にスライド可能に係合するスライド部材41が取り付けられている。移動枠40の外端下面には複数の縦枠42が取り付けられ、これら縦枠42の下端内側に上下に複数の挟持板43が配設されている。これら挟持板43は、第2の挟持体33,34が配置される面に沿って長尺に形成され、両端には隣接する第1の挟持体31,32との干渉を避ける切欠部44が形成されている。
【0025】
また、互いに対向する2面の第1の挟持体31,32、および第2の挟持体33,34は、各(第1および第2の)連動手段51,52によりそれぞれ互いに連動して拡縮移動される。第1の挟持体31,32の連動手段51は、第1のフレーム14の両端の連結部19に回転自在に軸支された複数のタイミングプーリ53、これら両端のタイミングプーリ53にわたって張設されたタイミングベルト54を有し、このタイミングベルト54に第1の挟持体31,32の各移動枠35に取り付けられた連結部材55が連結され、したがって、タイミングベルト54の回動により、第1の挟持体31,32が互いに連動して拡縮移動される。
【0026】
第2の挟持体33,34の連動手段52は、第2のフレーム15の両端の連結部22に回転自在に軸支されたタイミングプーリ56、これら両端のタイミングプーリ56にわたって張設されたタイミングベルト57を有し、このタイミングベルト57に第2の挟持体33,34の各移動枠40に取り付けられた連結部材58が連結され、したがって、タイミングベルト57の回動により、第2の挟持体33,34が互いに連動して拡縮移動される。
【0027】
また、互いに対向する2面の第1の挟持体31,32、および第2の挟持体33,34は、各(第1および第2の)駆動手段61,62により互いに拡縮駆動される。第1の挟持体31,32の駆動手段61は、第1のフレーム14の各フレーム部18に取り付けられたシリンダ63を有し、これら各シリンダ63のロッド64が第1の挟持体31,32の各移動枠35に連結され、したがって、各シリンダ63の作動により、シリンダ63からのロッド64の伸長時に第1の挟持体31,32が互いに連動して拡開移動され、シリンダ63内へのロッド64の収縮時に第1の挟持体31,32が互いに連動して縮閉移動される。
【0028】
第2の挟持体33,34の駆動手段62は、第2のフレーム15の各フレーム部21に取り付けられたシリンダ65を有し、これら各シリンダ65のロッド66が第2の挟持体33,34の各移動枠40に連結され、したがって、各シリンダ65の作動により、シリンダ65からのロッド66の伸長時に第2の挟持体33,34が互いに連動して拡開移動され、シリンダ65内へのロッド66の収縮時に第2の挟持体33,34が互いに連動して縮閉移動される。
【0029】
また、第2のフレーム15の各フレーム部21の外面中央には、吸着体昇降手段としてのシリンダ71がそれぞれ中心軸16と平行に取り付けられ、このシリンダ71の下端から進退されるロッド72の先端にはフレーム部21の長手方向に沿って横長の昇降プレート73が取り付けられ、これら各昇降プレート73の両端下面に吸着体(吸着パッド)74が取り付けられている。各吸着体74は、図示しない制御弁を介して吸引装置に接続され、制御弁の切換制御により、吸引状態と、吸引解除状態(待機開放状態)とに切り換えられる。そして、シリンダ71の作動により、シリンダ71からのロッド72の伸長時に4面の挟持体31〜34の間を通じて下降され、シリンダ71内へのロッド72の収縮時に4面の挟持体31〜34の間を通じて上昇される。
【0030】
また、図5に、ハンド11を用いた物品移載装置81の一例を示し、この物品移載装置81は、荷積み装置や荷降し装置などに用いられる荷役用のロボットで、本体部82を有し、この本体部82は床面に設置された台座83上に回動可能に立設されている。本体部82には、前後方向に揺動される複数のアーム84,85の基端が接続され、これらアーム84,85の先端にアーム86の基端が接続され、このアーム86の先端にハンド11の取付部17を取り付けるハンド取付部87が接続されている。
【0031】
そして、物品移載装置81の各動作は、すなわち、本体部82の旋回、アーム84,85の前後揺動、ハンド取付部87によるハンド11の回動などの各動作は、モータ、油圧機構、空気圧機構などが用いられ、これら各動作が組み合わされて、アーム86の先端のハンド11の旋回、上下および前後の移動がなされる。
【0032】
また、図6に、物品移載装置81を荷積み装置として用いた場合の移載対象とする物品を示し、物品としては、例えば飲料用の樹脂製のペットボトルなどの空の容器91、セパレートシート92およびトップフレーム93である。そして、パレット94上に、セパレートシート92と1段分の複数個の容器91とが1段ずつ交互に積載されるとともに、最上段にトップフレーム93が積載された後、バンド95で結束される。なお、パレット94は長方形であり、このパレット94上に配列される1段分の容器91の縦横の個数が異なっている。
【0033】
また、図7に、物品移載装置81を荷積み装置として用いた場合の配置例を示し、物品移載装置81の周囲には、パレット94を供給してこのパレット94上に荷積みする荷積み位置101、上流側から複数の容器91を搬送してきて1段分の複数個の容器91を整列させる整列コンベヤ102、パレット94上に積載するセパレートシート92およびトップフレーム93を順に積層収納したスタッカ103が配設されている。
【0034】
次に、図7に示すように、物品移載装置81を荷積み装置として用いた場合の荷積み動作を説明する。
【0035】
整列コンベヤ102では、上流側から複数の容器91を搬送してきて1段分の容器91を順次整列させる。物品移載装置81では、スタッカ103からセパレートシート92を取り出して荷積み位置101のパレット94上に移載するとともに、整列コンベヤ102で整列された1段分の容器91を取り出して荷積み位置101のセパレートシート92上に移載する。このように、パレット94上にセパレートシート92と1段分の容器91とを交互に所定段数分積載し、最上段にトップフレーム93を積載する。
【0036】
物品移載装置81で1段分の容器91を移載する場合には、ハンド11を整列コンベヤ102の上方に移動させ、図1ないし図4に示すように、4面の挟持体31〜34を互いに拡開移動させた状態で、これら4面の挟持体31〜34を整列された1段分の容器91の側方高さに下降させる。
【0037】
その後、各駆動手段61,62のシリンダ63,65の作動により、第1の挟持体31,32および第2の挟持体33,34をそれぞれ独立して縮閉移動させる。このとき、各連動手段51,52によって各第1の挟持体31,32および各第2の挟持体33,34の縮閉移動を連動させる。これにより、第1の挟持体31,32の挟持板38および第2の挟持体33,34の挟持板43が1段分の容器91に対して四方から接触し、さらに、1段分の容器91を四方から押圧して少し圧縮した挟持状態で第1の挟持体31,32および第2の挟持体33,34の縮閉移動を停止させる。このように4面の挟持体31〜34で1段分の容器91を四方から挟持することにより、1段分の容器91をハンド11の中心軸16を中心として位置決めできる。
【0038】
4面の挟持体31〜34を縮閉移動させた際、直角に隣接する挟持体31〜34の端部には切欠部39,44が形成されていているので、互いに干渉せずに交差でき、4面の挟持体31〜34の寸法より1段分の容器91の寸法が小形でも確実に挟持して保持できる。
【0039】
1段分の容器91を保持したハンド11を上昇させ、荷積み位置101上に移動させ、パレット94上の積み付け高さ位置まで下降させる。その後、各駆動手段61,62のシリンダ63,65の作動により、第1の挟持体31,32および第2の挟持体33,34をそれぞれ独立して拡開移動させる。このとき、各連動手段51,52によって各第1の挟持体31,32および各第2の挟持体33,34の拡開移動を連動させる。これにより、4面の挟持体31〜34を1段分の容器91から四方に離反させて挟持を解除し、1段分の容器91をセパレートシート92上に移載する。
【0040】
4面の挟持体31〜34を拡開移動させる際、4面の挟持体31〜34で容器91を四方から圧縮して挟持していて、いきなり勢いよく拡開移動させると、反発によって周辺に位置する容器91が位置ずれしたり転倒するおそれがあるため、第1の挟持体31,32および第2の挟持体33,34を少し拡開移動させて圧縮を解除した時点で一時停止させた後、拡開移動を継続させる。あるいは、4面の挟持体31〜34の拡開移動の初期は拡開移動速度を遅くし、圧縮を解除した時点から拡開移動速度を速くする。
【0041】
なお、図3および図4には、異なる大きさの2種類の容器91を一緒に示し、いずれの種類の容器91でも取り扱うことができるが、同一種類の容器91を取り扱ってパレット94上に積載する。
【0042】
また、物品移載装置81でセパレートシート92を移載する場合には、ハンド11をスタッカ103の上方に移動させ、4面の挟持体31〜34を互いに拡開移動させた状態で、図2および図4に2点鎖線で示すように、シリンダ71の作動により吸着体74を4面の挟持体31〜34の間を通じて下降させ、各吸着体74をスタッカ103内のセパレートシート92上に接触させ、吸着する。
【0043】
セパレートシート92を吸着保持したハンド11を上昇させ、荷積み位置101上に移動させ、パレット94上の積み付け高さ位置まで下降させ、吸着を解除する。これにより、セパレートシート92は、パレット94上または積載済みの容器91の上に移載される。
【0044】
また、物品移載装置81でトップフレーム93を移載する場合には、セパレートシート92の場合と同様に移載する。
【0045】
このように、4面の挟持体31〜34によって容器91を四方から挟持するので、容器91を四方から確実に挟持して保持でき、しかも、互いに対向する各2面の挟持体31,32および挟持体33,34の拡縮移動をそれぞれ連動手段51,52により連動させるので、フレーム体12の中心軸16に対応して1段分の容器91を四方から位置決めできるとともに、容器91が複数列に配列されている場合でも、容器91の配列を崩すことなく、容器91を四方から確実に挟持して保持できる。
【0046】
さらに、隣接する挟持体31〜34同士を干渉せずに交差可能に設けたので、4面の挟持体31〜34の寸法より小形の1段分の容器91を挟持して保持できる。
【0047】
また、フレーム体12側から4面の挟持体31〜34間を通じて昇降する吸着体74を備えるので、セパレートシート92やトップフレーム93の吸着による保持ができる。
【0048】
そして、1台の物品移載装置81で、1段分の容器91、セパレートシート92およびトップフレーム93の移載ができるため、設備を簡素化でき、省スペース化ができる。
【0049】
次に、図8ないし図13に本発明の一実施の形態を示す。
【0050】
この実施の形態では、容器91の上部の外形寸法(径や幅)が下部に比べて小さく、整列コンベヤ102上に整列された状態で隣接する容器91の下部が密着していても上部間に隙間がある場合、4面の挟持体31〜34で保持した際に、整列された容器91全体として上部側が中央に寄せられて下部側が凸弓状に湾曲し、整列状態の容器91を確実に挟持できず、また、容器91の表面の摩擦係数が小さい場合、4面の挟持体31〜34で保持して持ち上げた際に、容器91が滑り落ちるおそれがあり、このような課題を解決しようとするものである。
【0051】
第2のフレーム15の各フレーム部21の外面中央には、スペーサ昇降手段としてのシリンダ111がそれぞれ中心軸16と平行に取り付けられ、これら各シリンダ111の下端から進退されるロッド112の下端には昇降プレート113が取り付けられ、この昇降プレート113の下面にはスペーサユニット114が取り付けられている。
【0052】
スペーサユニット114は、昇降プレート113の下面に第1のフレーム14のフレーム部18の長手方向に離間して取り付けられる複数の支持板115、これら支持板115から垂下されて隣接する容器91間に上方から差し込み可能とする複数のスペーサ116、および支持板115に対して各スペーサ116を所定範囲内で遊動可能に支持する複数の支持部117を有している。
【0053】
支持板115は、第2のフレーム15のフレーム部21の長手方向に沿って横長に形成され、この長手方向に沿って複数の支持部117が配設されている。
【0054】
支持部117は、複数の支持板115を貫通して取り付けられた複数の支持軸118および複数の規制軸119を有し、これら支持軸118と規制軸119とは対をなし、支持軸118が下側に、規制軸119が支持軸118の上側に配置されている。
【0055】
スペーサ116は、短冊状をなす薄板で、その板厚が隣接する容器91の上部間の隙間の間隔に対応する寸法に形成され、上端には支持軸118が挿通する支持孔120、および上端に開口した略U字形で規制軸119が挿通する規制溝121が形成されている。支持孔120の孔径は支持軸118の直径より大径に形成され、支持孔120の部分を中心としてスペーサ116が板厚方向に遊動可能とするとともに、スペーサ116の両側で支持軸118に装着される略C字形のクリップ122でスペーサ116の支持軸118の軸方向位置が位置決めされているとともにスペーサ116の板厚方向の遊動範囲が所定範囲に規制されている。規制溝121の溝幅は規制軸119の直径より大きく、板厚方向と直交する幅方向に支持孔120の部分を中心として揺動するように遊動可能とし、規制溝121の縁部が規制軸119に当接することで遊動範囲が所定範囲に規制されている。
【0056】
シリンダ111の作動により、スペーサユニット114は、4面の挟持体31〜34の間より上昇した待機位置と、スペーサ116が4面の挟持体31〜34の間を通じて容器91の上部間に差し込まれる位置まで下降した下降位置とに昇降される。
【0057】
なお、容器91は、1段分に整列された整列状態において、複数列に整列されるとともに、隣接する列同士が容器91の半ピッチずつずれて千鳥状に整列される。各スペーサ116は、中央域においては各列毎の隣接する容器91間に差し込み可能とし、両側域においては1つおきの列毎に隣接する容器91間に差し込み可能としている。したがって、各スペーサユニット114の支持板115における各支持軸118および各規制軸119の位置は容器91の各列の位置に対応され、各支持軸118および各規制軸119における各スペーサ116の位置は各列毎の隣接する容器91間の位置に対応されている。
【0058】
そして、1段分に整列された整列状態の容器91をハンド11で保持して移載する場合には、4面の挟持体31〜34を互いに拡開移動させた状態で、これら4面の挟持体31〜34を整列状態の容器91の側方高さに下降させた後、シリンダ111の作動により待機位置のスペーサユニット114を下降させ、各スペーサ116の下端を4面の挟持体31〜34の間を通じて隣接する容器91の上部間に差し込む。
【0059】
各スペーサ116の下端を4面の挟持体31〜34の間を通じて隣接する容器91の上部間に差し込む際、各スペーサ116が所定範囲内で遊動可能に支持されているので、容器91間の位置と各スペーサ116の位置との位置ずれを吸収し、隣接する容器91間に確実に差し込むことができる。
【0060】
その後、4面の挟持体31〜34で整列状態の容器91を四方から挟持する。このとき、隣接する容器91の上部間に隙間があっても、スペーサ116を隣接する容器91間に差し込んでいるので、4面の挟持体31〜34で保持した際に、整列されている容器91を略平行状態で挟持でき、つまり整列された容器91全体として上部側が中央に寄せられて下部側が凸弓状に湾曲して容器91を挟持できなくなるようなことがなく、安定した整列状態のまま複数の容器91を確実に保持できる。
【0061】
また、容器91を保持したハンド11を移載場所に移動させた後、4面の挟持体31〜34を拡開移動させ、整列状態の容器91から四方に離反させて挟持を解除し、整列状態の容器91を移載する。その後、スペーサユニット114を上昇させ、スペーサ116を隣接する容器91間から上方へ外す。
【0062】
このように、並列に整列された複数の容器91を4面の挟持体31〜34で保持する保持対象とするとき、フレーム体12側から4面の挟持体31〜34の間を通じて隣接する容器91間に対して昇降するスペーサ116を備えるので、隣接する容器91の上部間に隙間がある場合にはスペーサ116を隣接する容器91間に差し込むことで4面の挟持体31〜34で保持した際に安定した整列状態のまま複数の容器91を確実に保持できる。
【0063】
しかも、スペーサ116を隣接する容器91間に差し込んで4面の挟持体31〜34で保持することにより、スペーサ116で容器91を引き上げる状態に支持でき、容器91の保持を補助できる。
【0064】
さらに、各スペーサ116を所定範囲内で遊動可能に支持するので、容器91間の位置とスペーサ116の位置との位置ずれを吸収できる。
【0065】
また、容器91の表面の摩擦係数が小さい場合、4面の挟持体31〜34で保持して持ち上げた際に、容器91が滑り落ちるおそれがあるが、容器91の表面の摩擦係数より大きい摩擦係数を有するスペーサ116を用い、このスペーサ116を隣接する容器91間に差し込むことで、4面の挟持体31〜34で保持した際に容器91同士が滑るのを防いで複数の容器91を確実に保持して整列状態を維持できる。
【0066】
そして、図14および図15に示すように、挟持体31〜34を有するハンド11が、吸着体74とスペーサ116との両方を備えるように構成できる。この場合、各吸着体74をそれぞれ昇降させる各シリンダ71を用い、各吸着体74がスペーサユニット114の隣接する支持軸118および規制軸119間を通じて昇降可能とするように、各シリンダ71を第1のフレーム14の各フレーム部18に対して支持部材131を介して取り付ける。
【0067】
このように構成された挟持体31〜34を有するハンド11は、上述したように、吸着体74を備えた場合の作用効果、およびスペーサ116を備えた場合の作用効果の両方の作用効果を得ることができる。
【0068】
なお、物品移載装置81は、パレット94上へ容器91を荷積みする荷積み装置に限らず、パレット94上に荷積みされた容器91を荷降しする荷降し装置にも適用できる。
【0069】
また、連動手段51,52は、タイミングプーリ53,56とタイミングベルト54,57に限らず、スプロケットとチェーン、ピニオンとラックなどを用いても、同様に連動させることができる。
【0070】
また、物品としては、容器91に限らず、箱状または袋状のものでも容器91と同様に取り扱うことができる。さらに、4面の挟持体31〜34で挟持して保持する物品は、容器91のように複数個を配列したものに限らず、1つまたは数個の物品でも、四方から確実に挟持して保持できる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1記載の物品保持装置によれば、4面の挟持体によって物品を四方から挟持するので、物品を四方から確実に挟持して保持でき、しかも、互いに対向する各2面の挟持体の拡縮移動をそれぞれ連動手段により連動させるので、フレーム体の中心に対応して物品を四方から位置決めできるとともに、例えば容器のような物品が複数列に配列されている場合でも、物品の配列を崩すことなく、物品を四方から確実に挟持して保持できる。また、並列に整列された複数の物品を4面の挟持体で保持する保持対象とするとき、フレーム体側から4面の挟持体の間を通じて隣接する物品間に対して昇降するスペーサを備えるので、隣接する物品の上部間に隙間がある場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持でき、さらに、物品同士の摩擦係数が小さい場合にはスペーサを隣接する物品間に差し込むことで4面の挟持体で保持した際に物品同士が滑るのを防いで安定した整列状態のまま複数の物品を確実に保持でき、しかも、スペーサを隣接する物品間に差し込んで4面の挟持体で保持することにより、スペーサで物品を引き上げる状態に支持でき、物品の保持を補助できる。
【0072】
請求項2記載の物品保持装置によれば、請求項1記載の物品保持装置の効果に加えて、隣接する挟持体同士を干渉せずに交差可能に設けたので、挟持体の寸法より小形の物品を挟持して保持できる。
【0073】
請求項3記載の物品保持装置によれば、請求項1または2記載の物品保持装置の効果に加えて、フレーム体側から4面の挟持体の間を通じて昇降する吸着体を備えるので、物品の吸着による保持ができる。
【0074】
求項記載の物品保持装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の物品保持装置の効果に加えて、各スペーサを所定範囲内で遊動可能に支持するので、物品間の位置とスペーサの位置との位置ずれを吸収できる。
【0075】
請求項記載の物品移載装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の物品保持装置を備え、この物品保持装置の4面の挟持体で四方から物品を確実に挟持して、物品保持装置を移動させて物品を移載できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる技術を示す物品保持装置の平面図である。
【図2】 同上物品保持装置の正面図である。
【図3】 同上物品保持装置の側面図である。
【図4】 同上物品保持装置の断面図である。
【図5】 同上物品移載装置の配置を示す平面図である。
【図6】 同上物品移載装置を荷積み装置として用いた場合の移載対象とする物品の斜視図である。
【図7】 同上物品移載装置を荷積み装置として用いた場合の配置例を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態を示す物品保持装置の断面図である。
【図9】 同上物品保持装置のスペーサの配置を示す平面図である。
【図10】 同上物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込んだ状態の正面図である。
【図11】 同上物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込んだ状態の拡大正面図である。
【図12】 同上物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込んだ状態の拡大側面図である。
【図13】 同上物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込んだ状態の拡大平面図である。
【図14】 本発明の他の実施の形態を示す物品保持装置の平面図である。
【図15】 同上物品保持装置の側面図である。
【符号の説明】
11 物品保持装置としてのハンド
12 フレーム体
31〜34 挟持体
44 切欠部
51,52 連動手段
61,62 駆動手段
71 吸着体昇降手段としてのシリンダ
74 吸着体
81 物品移載装置
91 物品としての容器
111 スペーサ昇降手段
116 スペーサ
117 支持部

Claims (5)

  1. 並列に整列された複数の物品を四方から保持する物品保持装置であって、
    フレーム体と、
    このフレーム体を中心とする四方の4面にそれぞれ配置されるとともに、互いに対向する各2面がそれぞれ対向方向に移動可能に設けられる4面の挟持体と、
    これら4面の挟持体のうち、互いに対向する各2面の挟持体をそれぞれ互いに拡縮移動可能に連動させる各連動手段と、
    前記各2面の挟持体をそれぞれ互いに拡縮移動させる各駆動手段と
    前記隣接する物品間に差し込まれる複数のスペーサと、
    前記フレーム体に設けられ、前記スペーサを前記フレーム体側から前記4面の挟持体の間を通じて前記隣接する物品間に対して昇降可能に支持し、前記スペーサを前記4面の挟持体の間より上昇させた位置を待機位置とし、前記4面の挟持体で前記複数の物品を四方から保持する際に前記スペーサを前記待機位置から前記隣接する物品間に下降させ、前記4面の挟持体で前記複数の物品を四方から保持するのが解除された後に前記スペーサを前記隣接する物品間から前記待機位置に上昇させるスペーサ昇降手段と
    を具備していることを特徴とする物品保持装置。
  2. 4面の挟持体の高さ位置が合わされるとともに、各挟持体の両端部には隣接する他の挟持体と干渉を互いに避けて交差可能とする切欠部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の物品保持装置。
  3. 吸着体と、
    この吸着体をフレーム体側から4面の挟持体の間を通じて昇降させる吸着体昇降手段とを具備している
    ことを特徴とする請求項1または2記載の物品保持装置
  4. スペーサ昇降手段に対して各スペーサを所定範囲内で遊動可能に支持する支持部を有している
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の物品保持装置。
  5. 請求項1ないしいずれか記載の物品保持装置を備え、この物品保持装置のスペーサを隣接する物品間に差し込み、4面の挟持体で四方から複数の物品を挟持し、物品保持装置を移動させて複数の物品を移載する
    ことを特徴とする物品移載装置
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