JP4049268B2 - 航海システム - Google Patents
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例えばバルクやタンカーなどの大型船舶の場合、積荷が満載されている状態の排水量のときには、積荷の積載状態を調整することで、最適なトリム状態になるようにしている。これにより、前述したトリムに関する問題を解決している。
しかしながら、積荷状況は、各寄港地で始めて知りうる場合もあり、また、運行上の都合から、積荷は積載上偏在することもあり得る。このような場合、当該船舶の乗務員は、経験と勘に頼って、バラスト注排水量を調節することにより、前記トリム調整を行っていたのが実情であった。
その結果、前記船舶は最適トリムに設定されているか不明のままで運行することもあり、当該排水量に対して推進性能が最適な状態になっていないという問題が発生していた。
なお、ジェット推進小型ボートにおいて推進性能を向上させるためや乗員の増減に応じてトリムを調整する技術(特許文献1参照)や、小型船舶において積載量や速度に応じてトリムを調整する技術(特許文献2参照)が提案されている。
(1)当該排水量に対して最適なトリムに設定されていないため、推進性能が最適状態で発揮されない。
(2)当該排水量に対して最適なトリムに設定されていないため、船舶走行上で安定性が悪くなる。
(3)当該排水量に対して最適なトリムに設定されていないため、原動機出力を多く要することになり経済性が悪化する。
本発明は、上述した問題点を解消し、水槽実験の結果得られたデータを基に実船に最適トリムを設定し、推進性能を最適状態に設定するとともに安定性を図りかつ経済性も良好にできる航海システムを提供することを目的とする。
本願請求項2に係る発明の航海システムでは、請求項1記載の航海システムにおいて、前記演算処理手段は、実際の船舶の排水量が決定され当該決定された排水量が入力されたときに、その入力された排水量を基に、水槽試験用船舶における各排水量毎のトリム変化と速力との関係から速力が最大となる点を結んでなる最適トリムカーブ及び排水量比に応じてプロペラ没水不十分ゾーンから一定トリムの部分までの最適トリムカーブとしての排水量比及び最適トリムカーブからなるデータベースを参照することにより前記実際の船舶の最適トリムを得るものであることを特徴とする。
(1)所定の排水量に対して最適なトリムに設定されているため、最適な推進性能を発揮できる。
(2)所定の排水量に対して最適なトリムに設定されているため、船舶を運行させる上で船舶の運行安定性がよくなる。
(3)所定の排水量に対して最適なトリムに設定されているため、原動機出力を数%〜十数%削減することができ、船舶運行上の経済性が高くなる。
図1は、本発明を実施するための最良の形態に係る航海システムを説明するための概略構成図である。
この図1において、本発明を実施するための最良の形態に係る航海システム1は、排水量、トリムを種々変化させた水槽試験を行い、当該水槽試験により得た実験データを得る水槽試験手段3と、当該水槽試験手段3によって得た実験データに基づいてデータベースを作成し、当該データベースと実船の現実の排水量とに基づいて実船の最適トリムを演算し、当該演算結果を基に、実船が最適トリムに維持される実船のバラストタンクへの注排水量を演算して注排水要領を得る演算処理手段5と、前記演算処理手段5からの注排水要領を基に実船(実際の船舶)の複数のバラストタンクへの注排水を制御するバラスト注排水制御手段7とを備えたものである。
まず、水槽試験手段3において、水槽試験に使用する船舶をある排水量に設定し、かつ、当該排水量に対してトリムを種々変化させ、そのときどきのトリムにおける速力と馬力の関係を実験によって取得することにより、図2の特性を得ることができる。
この図2では、水槽試験用船舶をケース1の排水量に設定し、トリムを1[m]、0[m]、−1[m]、−2[m]と変化させて、そのときの速力と馬力の関係が、それぞれの特性曲線201,202,203,204として得られることになる。この場合、トリム=−1が常用出力において速力が最大になるため、この曲線203を最適トリムとして用いることになる。
また、前記水槽試験手段3において、水槽試験用船舶をケース3の排水量に設定し、上述同様に,トリムを1[m]、0[m]、−1[m]、−2[m]と変化させて、そのときの速力と馬力の関係をとる。
また、前記水槽試験手段3において、水槽試験用船舶をケース4の排水量に設定し、上述同様に,トリムを1[m]、0[m]、−1[m]、−2[m]と変化させて、そのときの速力と馬力の関係をとる。
さらに、前記水槽試験手段3において、水槽試験用船舶をケース5の排水量に設定し、上述同様に,トリムを1[m]、0[m]、−1[m]、−2[m]と変化させて、そのときの速力と馬力の関係をとる。
上述したようにして実験で得られた各種データは、水槽試験の実験データとして水槽試験手段3から演算処理手段5に与えられる(S201)。
すなわち、上記演算処理手段5は、ケース1の排水量ないしケース5の排水量における最適トリムの値を取り出し、各排水量に対するトリムと速力の関係を図3に示すデータベースとして得ている。同様に、上記演算処理手段5は、排水比と最適トリムとの関係を図4に示すデータベースとして得ている。
すると、前記演算処理手段5は、当該データベースを参照し(S202)、そのデータベースと、キーボードなどから入力された実船の排水量に関するデータとを基に上記のトリム・速力最適トリムカーブ及び 排水量比・トリム最適トリムカーブに合致する実船の最適トリムを演算する(S203)。
この図5において、実船13には、進行方向前部から後方に向けてバラストタンク15a,15bm,15bn、15cm,15cn、15dm,15dnが設けられている。また、バラストタンク15bm,15bn、15cm,15cn、15dm,15dnは、例えばmを右舷、nを左舷とするものとする。そして、例えばバラストタンク15aと、バラストタンク15dm,15dnとに注水し、このときにバラストタンク15aに注水するバラスト水の量と、バラストタンク15dm,15dnに注水するバラスト水の量とを調整することにより、前後方向のトリムを調整することができる。
このようにバラストタンク15a,15bm,15bn、15cm,15cn、15dm,15dnに注入するバラスト水の量を増減することにより、周知のとおり、実船13のトリムを調整することができることになる。
すると、演算処理手段5では、データベースから必要なデータを取り出し、最適的トリムの計算を実行する。
一方、現在のバラストタンク15a,15bm,15bn、15cm,15cn、または、15dm,15dnに導入されているバラスト水では水量が不足する場合には、バラスト注排水設備9を用いてバラスト水を供給するようにしている。
これにより、水源から給水用配管94を介してメインポンプ91に吸い込まれた水は、メインポンプ91の吐出口から連絡用配管96、メイン配管92、枝配管93aを介してバラストタンク15aに供給されることになる。
このようにしてバラストタンク15a,15bm,15bn、15cm,15cn、15dm,15dnのうちの必要なタンクに必要な水量のバラスト水が保有されることになって、実船13を最適トリムに設定することができる。
本発明に係る航海システム1では、排水量、トリムを種々変化させた水槽試験を行い、当該水槽試験により得た実験データに基づくデータベースを作成し、当該データベースに基づいて実船の最適トリムを演算処理手段で演算し、当該演算結果と実船の排水量とを基に実船が最適トリムに維持される実船のバラストタンクへの注排水量を演算処理手段で演算して注排水要領を得、この注排水要領に基付いて、上述したようにバラスト注排水設備9を動作させることにより、各バラストタンク15a,15bm,15bn、15cm,15cn、15dm,15dnの内部のバラスト水を調整し、船舶13を最適トリムに設定できるので、次のような利点が発揮される。
(2)所定の排水量に対して最適なトリムに設定されているため、船舶を運行させる上で船舶の運行安定性がよくなる。
(3)所定の排水量に対して最適なトリムに設定されているため、原動機出力を数%〜十数%削減することができ、船舶運航上の経済性が高くなる。
3…水槽試験手段
5…演算処理手段
7…バラスト注排水制御手段
9…バラスト注排水設備
13…実船(実際の船舶)
91…メインポンプ
92…メイン配管
93a,93bm,93bn、93cm,93cn、93dm,93dn…枝配管
94…給水用配管
95…排水用配管
96…連絡用配管
97A,97B、98A,98B,99a,99bm,99bn、99cm,99cn、99dm,99dn…電磁弁
Claims (2)
- 水槽試験用船舶を用い当該水槽試験用船舶の排水量、トリムを種々変化させた水槽試験から得られたデータを基に作成した当該水槽試験用船舶の排水量、トリム及び船舶の速力に相関するデータベースを演算処理手段に備え、
前記演算手段は、実際の船舶の排水量が決定されて、その決定された排水量が入力されたときに、当該排水量を基に前記データベースを参照して実際の船舶の速力が最大となる最適トリムを求め、
当該求められた最適トリムから実際の船舶が最適トリムに維持されるように実際の船舶のバラストタンクへの注排水量を求め、当該注排水量を出力するものであり、
注排水制御手段は、前記演算手段からの注排水量を基に実際の船舶の複数のバラストタンクへの注排水を個別に制御するものであることを特徴とする航海システム。 - 前記演算処理手段は、実際の船舶の排水量が決定され当該決定された排水量が入力されたときに、その入力された排水量を基に、水槽試験用船舶における各排水量毎のトリム変化と速力との関係から速力が最大となる点を結んでなる最適トリムカーブ及び排水量比に応じてプロペラ没水不十分ゾーンから一定トリムの部分までの最適トリムカーブとしての排水量比及び最適トリムカーブからなるデータベースを参照することにより前記実際の船舶の最適トリムを得るものであることを特徴とする請求項1に記載の航海システム。
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