JP4049039B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置に係り、特にトナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させる制御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置は一般的に、半導体レーザなどで感光体ドラム上に形成した潜像をトナー(炭素の粉末)で現像し、そのトナー像を用紙に転写して当該用紙に画像を形成している。このような画像形成装置では、用紙に画像を形成するたびに現像装置内のトナーが減少するので、現像剤中のトナーの濃度を検出するトナー濃度検出センサを現像装置内に設置し、トナー濃度検出センサの検出結果に基づきトナー補給装置から順次現像装置にトナーを補給している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記のような画像形成装置は現像装置内にトナー濃度検出センサを具備するため、現像装置内のトナーの濃度が規定濃度を下回ったことをトナー濃度検出センサが検出したら、画像形成中の用紙にのみ画像を形成して画像形成動作を停止させることができ、これにより、現像剤が飛散したり現像剤中のキャリアが用紙に付着したりするのを防止している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−20650号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像形成装置では、多数枚にわたる用紙に画像を形成する場合でも画像形成動作中に現像装置内のトナーがなくなると、トナーエンドを検知して画像形成動作が停止してしまうため、所定枚の用紙を1部(冊子)として複数部にわたる用紙に画像を形成する場合などには、部を構成する途中の用紙まで画像が形成され、それに続く後続の用紙には画像が形成されない。つまり、トナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させることはできず、現像装置にトナーを補給した後に、作成途中の部の始めの用紙から画像を形成し直さなければならならない。また予め設定された枚数分の用紙にすべて画像を形成する場合には、トナーエンドを検知したとしても、トナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作中にその画像形成動作を停止させることはできず、画像形成中に現像剤が飛散したり現像剤中のキャリアが用紙に付着してしまう。
【0006】
本発明の目的は、トナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させることができる画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙を1部として複数部にわたる用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
潜像をトナーにより現像する現像装置と、
前記現像装置内のトナーの濃度を検出するトナー濃度検出センサと、
トナーを貯留可能なトナーボトルと、前記トナーボトルから流入されたトナーを一時的に貯留するホッパーと、前記ホッパーの下部に設けられ、前記ホッパーから前記現像装置へトナーを補給するスクリュー部材とを有し、前記トナーボトルから前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置と、
前記トナー補給装置に所定量のトナーが貯留されているか否かを検出するトナー検出センサと、
前記トナーボトルが交換された可能性があるか否かを検出するボトル検出手段と、
前記トナー濃度検出センサ、前記トナー検出センサ及び前記ボトル検出手段の各検出結果に基づき用紙への画像形成動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記トナー検出センサの検出結果に基づき前記トナー補給装置に所定量のトナーが貯留されていないと判定した場合で、前記トナー濃度検出センサの検出結果に基づき前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度以上であると判定し、且つ、前記スクリュー部材が規定回転数だけ回転していると判定したときは、部の切れ目に対応する用紙まで画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とし、前記トナー濃度検出センサの検出結果に基づき前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であると判定したときは、画像形成中の用紙にのみ画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とし、これらトナーエンドによる画像形成禁止状態において、前記ボトル検出手段の検出結果に基づき前記トナーボトルが交換された可能性はあるか否かを判断し、前記トナーボトルが交換された可能性があると判定したときに、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因するか否かを判断して、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因すると判定したときは、前記トナーボトルが交換されたかどうかの確認中にトナーエンドによる画像形成禁止状態を継続させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因しないと判定したときは、前記トナーボトルが交換されたかどうかの確認中に画像形成動作を許可することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明では、トナー濃度検出センサに加えてトナー検出センサを備えるため、各センサの検出結果に基づき現像装置とトナー補給装置とを合わせた全体のトナーの残量を推定することが可能となっており、トナー補給装置に所定量のトナーが貯留されていない場合で現像装置内のトナーの濃度が規定濃度以上であると判定し、且つ、前記スクリュー部材が規定回転数だけ回転していると判定したときは、部の切れ目に対応する用紙まで画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とし、逆に、現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であるときは、画像形成中の用紙にのみ画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とするようになっている。したがって現像装置とトナー補給装置とを合わせた全体のトナーの残量を予測しながらトナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させることができる。
【0010】
また本発明では、現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であるとき、画像形成中の用紙にのみ画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とするため、複数枚にわたる用紙への画像形成をおこなっている場合には、画像形成中の用紙の次に画像が形成される後続の用紙に規定濃度未満のトナーで画像が形成されるのを防止することができる。
【0012】
更に本発明では、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのが現像装置内のトナーの濃度に起因したとき、トナーエンドによる画像形成禁止状態のままなので、規定濃度未満のトナーで画像が形成されるのを防止することができ、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのが現像装置内のトナーの濃度に起因しなかったとき、画像形成動作が許可されるので、画像形成動作が停止している期間を短縮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0014】
始めに画像形成装置の構成について説明する。
図1は画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
図1に示す通り、画像形成装置1は箱型の筐体2を有している。筐体2の内部の下方には、多数枚の用紙を収容可能なカセット3が上下3段にわたって設けられており、各カセット3の端部には用紙を給紙する給紙装置4がそれぞれ設けられている。筐体2の内部には各給紙装置4から図1中の左上方に向かう用紙の第1搬送経路Aが形成されており、第1搬送経路Aに連続するように、筐体2の左側部には第1搬送経路Aから搬出された用紙を受ける搬出トレイ5が設けられている。
【0015】
第1搬送経路A沿いには複数の搬送ローラ6,6,…、転写装置7及び定着装置8が設けられており、各搬送ローラ6が回転することで、カセット3に収容された用紙は、給紙装置4の近傍から転写装置7及び定着装置8を通過しながら筐体2の内部の左上方に向かって搬送され、搬出トレイ5に搬出されるようになっている。
【0016】
第1搬送経路A沿いであって定着装置8と搬出トレイ5とのあいだには、用紙の搬送順路を切り替える順路切替板9が設けられている。順路切替板9、定着装置8及び転写装置7の下方には、順路切替板9の近傍を始端として第1搬送経路Aの中途部を終端とするほぼL字状の用紙の第2搬送経路Bが形成されている。第1搬送経路Aと同じように、第2搬送経路B沿いにも複数の搬送ローラ10,10,…が設けられており、順路切替板9が作動しかつ各搬送ローラ10が回転することで、定着装置8を通過した用紙は順路切替板9の近傍で第1搬送経路Aから下方に搬送され、順路切替板9の下方の位置でスイッチバックして第1搬送経路Aの中途部に合流するように搬送される。
【0017】
筐体2の内部の上方には、用紙に画像を形成する際に用いるトナーを補給するトナー補給装置20が上下4段にわたって設けられており、各トナー補給装置20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーが1色分ずつそれぞれ貯留されている。各トナー補給装置20の近傍には、潜像形成装置11、感光体ドラム12及び現像装置13がトナー装置10ごとに(Y、M、C、Kの色ごとに)それぞれ設けられている。
【0018】
各潜像形成装置11は、半導体レーザを出射するレーザ照射装置を備えており、レーザ照射装置から感光体ドラム12に向けて半導体レーザを出射し、感光体ドラム12上に色ごとに異なる潜像を形成するようになっている。各現像装置13には、トナーの濃度を検出するトナー濃度検出センサ13a(図4参照)が設置されており、トナー濃度検出センサ13aの検出結果に基づきトナー補給装置20から各現像装置13にトナーが色ごとに補給されるようになっている。各現像装置13はトナー補給装置20から補給されたトナーを感光体ドラム12上に付着させて、感光体ドラム12上に形成された潜像を色ごとに現像するようになっている。各感光体ドラム12は上記転写装置7の転写ベルト7aに接触しており、各感光体ドラム12上に付着したトナーが転写ベルト7aに色ごとに転写されるようになっている。
【0019】
図2はトナー補給装置20を示す斜視図であり、図3はトナー補給装置20を一部の部材(円筒体23a)に沿って破断した断面図である。
図2に示す通り、トナー補給装置20は、多量のトナーを貯留可能なトナーボトル21と、所定量のトナーを一時的に貯留可能なホッパー22と、トナーボトル21とホッパー22とを連結する連結部材23とを備えている。
【0020】
トナーボトル21はトナーの流出口21a(図3参照)側が連結部材23に着脱自在に装着されている。連結部材23には、図2及び図3において右斜め方向に延在する円筒体23aが一体的に成形されており、円筒体23aの上端部がホッパー22に連結している。円筒体23aの内部には、円筒体23aの長さ方向に沿って延在する回転可能な第1スクリュー部材23bが設けられており、円筒体23aの上端部には、トナーをホッパー22の内部に流入する流入口23cが形成されている。
【0021】
連結部材23はトナーボトル21の流出口21aから流出したトナーを円筒体23aの下部で受け止めることができ、第1スクリュー部材23bが回転することで、その受け止めたトナーを右斜め上方に向かうように流動させて流入口23cからホッパー22の内部に流入させることができるようになっている。
【0022】
図2に示す通り、ホッパー22の左側の側壁には、ホッパー22の内部に所定量のトナーが貯留されているか否かを検出するトナー検出センサ22aが設けられており、ホッパー22の下部には、ホッパー22の長さ方向に延在する第2スクリュー部材22bが設けられている。
【0023】
図3に示す通り、ホッパー22のほぼ中央部には、ホッパー22の長さ方向に延在するシャフト22cが配されており、シャフト22cには、ホッパー22の内部のトナーを攪拌する2枚の羽根22d,22dが固定されている。シャフト22cは図3中反時計回り方向に回転するようになっており、シャフト22cが回転することで、各羽根22dがホッパー22の内壁に当接しながら回転し、ホッパー22の内部に流入したトナーがホッパー22の全域に均一的にゆきわたるように、トナーを攪拌することができるようになっている。
【0024】
ホッパー22の下端部には、ホッパー22に貯留されたトナーを現像装置13に補給する補給口22eが形成されている。補給口22eは、ホッパー22において円筒体23aと連結された手前側とは反対の奥側の位置に形成されており、第2スクリュー部材22bの下方に配置されている。
【0025】
図2に示す通り、第2スクリュー部材22bはギヤなどの伝導部材(図示略)を介してステッピングモータ24に接続されており、回転速度、回転速度などが制御されるようになっている。トナー補給装置20では、第2スクリュー部材22bが回転することで、ホッパー22の内部に貯留されたトナーを補給口22eから現像装置13に補給することができるようになっている。
【0026】
図4は、画像形成装置1の回路構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は筐体2の内部の各部を制御する制御装置30を内蔵している。制御装置30は、図4に示す通り、汎用のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成された制御部31を備えている。制御部31は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUにより当該処理プログラムを実行するようになっている。
【0027】
制御部31は、上記処理プログラムにしたがいながら各給紙装置4、各搬送ローラ6、各転写装置7、各定着装置8、順路切替板9、各搬送ローラ10、各潜像形成装置11、各感光体ドラム12、各現像装置13、各トナー補給装置20などの各部の動作を制御するようになっている。特に画像記録装置1では、各現像装置13に設置されたトナー濃度検出センサ13aや各ホッパー22に設置されたトナー検出センサ22aが制御部31に接続されており、制御部31は各トナー濃度検出センサ13aや各トナー検出センサ22aなどの検出結果に基づき、画像形成動作(用紙に画像を形成するときの動作)の停止タイミングを制御するようになっている。
【0028】
なお、画像形成装置1では、各種文字、数字などを表示する表示パネル15(図4参照)が筐体2の上部又は側部に設置されている。表示パネル15は制御装置30の制御部31に接続され、制御部31の指示にしたがう内容を表示するようになっている。また画像形成装置1では、各トナーボトル21の有無を検出するボトル検出センサ16(図4参照)が設けられており、ボトル検出センサ16も制御装置30の制御部31に接続されている。制御部31は、ボトル検出手段としてのボトル検出センサ16の検出結果に基づき各トナー補給装置20でトナーボトル21が交換されたか否かを判定することができるようになっている。
【0029】
続いて画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
画像形成装置1の各部を制御する制御装置30に画像情報が入力されると、3台の給紙装置4,4,4のうち、いずれか1台の給紙装置4がカセット3から用紙を第1搬送経路Aに送り出し、第1搬送経路A沿いの複数の搬送ローラ6,6,…がその用紙を給紙装置4の近傍から転写装置7の近傍まで搬送する。これと同時に、制御装置30に入力された画像情報に基づき、各潜像形成装置11が感光体ドラム12上に潜像を形成し、各現像装置13がその潜像を現像し、Y、M、C、Kのトナーが各感光体ドラム12から転写ベルト7aに転写される。
【0030】
用紙が転写装置7の近傍まで搬送されかつ転写ベルト7aにトナーが転写されると、転写装置7が転写ベルト7aに付着したトナーを搬送中の用紙に転写し、その後、定着装置8が転写されたトナーを用紙に定着させ、定着装置8と搬出トレイ5とのあいだに配置された2対の搬送ローラ6,6,…が、定着装置8を通過した用紙を搬出トレイ5に搬出する。このような動作により、画像情報に基づく画像が用紙の片面に形成される。
【0031】
用紙の両面に画像が形成される場合には、一方の面に画像が形成された用紙が定着装置8を通過したら、順路切替板9と第2搬送経路B沿いの複数の搬送ローラ10,10,…とが作動してその用紙を第2搬送経路Bに沿って搬送し、第1搬送経路Aの中途部に送り戻す。そして上記と同様に、転写装置7が転写ベルト7aから用紙の他方の面にトナーを転写し、定着装置8がそのトナーを用紙に定着させ、2対の搬送ローラ6,6,…が用紙を搬出トレイ5に搬出する。
【0032】
以後、制御装置30に画像情報が入力されるごとに、画像形成装置1は、上記の画像形成動作を繰り返しおこない、カセット3に収容した用紙の片面又は両面に画像を形成する。この場合、各トナー補給装置20では、ホッパー22に設置されたトナー検出センサ22aの検出結果に基づき、連結部材23の第1スクリュー部材23bが適宜作動してホッパー22に供給されるトナーの量が制御され、現像装置13に設置されたトナー濃度検出センサ13aの検出結果に基づき、ホッパー22の第2スクリュー部材22b(ステッピングモータ24)が作動して現像装置13に補給されるトナーの量が制御される。
【0033】
ここで、図5を参照しながら、Y、M、C、Kの各色のトナーを貯留した4本のトナーボトル21,21,…のうち、少なくとも1本のトナーボトル21でトナーがなくなったときの画像形成装置1の動作(トナーエンド時の動作)を、制御装置30が実行する処理に代えて説明する。以下の説明では、4本のトナーボトル21,21,…のうち、いずれか1本のトナーボトル21でトナーがなくなった場合に注目して各処理を説明するが、他の3本のトナーボトル21,21,21でトナーがなくなった場合でも同様の処理がおこなわれる。
【0034】
図5は制御装置30の制御部31のCPUが実行する処理であって、トナー補給装置20のトナーの残量に応じた複数の処理を経時的に示したフローチャートである。
【0035】
上記した画像形成動作中において、制御部31のCPUは、ホッパー22に設置されたトナー検出センサ22aの検出結果に基づき、ホッパー22の内部に所定量のトナーが貯留されているか否かを判断する(ステップS1)。ホッパー22に所定量のトナーが貯留されていると判定したら、ホッパー22の第2スクリュー部材22b(ステッピングモータ24)の回転数のカウントをリセットして(ステップS11)、ステップS1の処理を繰り返しおこなう。ステップS1の処理において、ホッパー22に所定量のトナーが貯留されていないと判定したら、ホッパー22の第2スクリュー部材22b(ステッピングモータ24)の回転数をカウントし始める(ステップS2)。ステップS2の処理において、ホッパー22の第2スクリュー部材22bの回転数のカウントを既に開始していたら、第2スクリュー部材22bの回転数のカウントをそのまま継続しておこなう。
【0036】
ステップS2の処理を終えたら、筐体2に設置された表示パネル15に対してトナーボトル21の交換の旨を表示させる処理をおこなう(ステップS3)。ステップS3の処理を終えたら、現像装置13に設置されたトナー濃度検出センサ13aの検出結果に基づき、現像装置13に残留したトナーの濃度が規定濃度以上であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0037】
現像装置13に残留したトナーの濃度が規定濃度未満であると判定したら、画像形成中の用紙にのみ画像を形成させてその用紙を搬出トレイ5に搬出させる処理をおこない(ステップS5)、画像形成装置1の画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態(画像形成動作を禁止する状態)とする処理をおこなう(ステップS6)。
【0038】
ステップS4の処理において、現像装置13に残留したトナーの濃度が規定濃度以上であると判定したら、ステップS2の処理で第2スクリュー部材22bの回転数をカウントし始めてから第2スクリュー部材22bが規定回転数だけ回転しているか否かを判断する(ステップS7)。第2スクリュー部材22bが規定回転数だけ回転していないと判定したら、上記ステップS1〜ステップS6の処理を繰り返しおこなう。
【0039】
ステップS7の処理において、第2スクリュー部材22bが規定回転数だけ回転していると判定したら、画像形成動作開始時の初期設定は下記(1)〜(3)のどれに対応しているかを判断し(ステップS8)、その判定結果に基づきその後の処理を実行する。
(1)所定枚数未満の用紙に画像を形成する
(2)所定枚数以上の用紙に画像を形成する
(3)複数枚の用紙を1部(1冊子)として複数部にわたる用紙に画像を形成する
【0040】
すなわち、制御部31のROMには、画像形成動作開始時の上記(1)〜(3)の各初期設定と、各初期設定に対応した画像形成動作の停止形態とがデータテーブルとして予め格納されており、制御部31のCPUは、上記(1)〜(3)のいずれかの初期設定に基づき上記データテーブルから画像形成動作の停止形態を選択して、その選択した停止形態に応じた処理を順次おこなうようになっている。
【0041】
具体的には、ステップS8の処理において、画像形成開始時の初期設定が上記(1)に設定されていると判定したら、上記ステップS5及びステップS6の処理をそれぞれおこなう。ステップS8の処理において、画像形成動作時の初期設定が上記(2)に設定されていると判定したら、予め設定された枚数分の用紙(画像形成中及び搬送中の用紙を含む。)にすべて画像を形成させてそれら用紙を搬出トレイ5に搬出させる処理をおこない(ステップS9)、上記ステップS6の処理をおこなう。ステップS8の処理において、画像形成動作中の初期設定が上記(3)に設定されていると判定したら、部の切れ目に対応する用紙まで画像を形成させて(後続の部の用紙には画像を形成しない。)それら用紙を搬出トレイ5に搬出させる処理をおこない(ステップS10)、上記ステップS6の処理をおこなう。
【0042】
このように、4本のトナーボトル21,21,…のうち、少なくとも1本のトナーボトル21でトナーがなくなると、上記ステップS5、ステップS9又はステップS10のいずれか1つの処理がおこなわれて画像形成動作が停止し、トナーエンドによる画像形成禁止状態となる。
【0043】
次に、図6を参照しながら、使用済みのトナーボトル21が新規のトナーボトル21に交換されてから画像形成動作が再開されるまでの動作を、制御装置30が実行する処理に代えて説明する。以下の説明では、4本のトナーボトル21,21,…のうち、いずれか1本の使用済みのトナーボトル21が新規のトナーボトル21に交換された場合に注目して各処理を説明するが、他の3本のトナーボトル21,21,21でトナーボトル21が交換された場合でも同様の処理がおこなわれる。
【0044】
図6は制御装置30の制御部31のCPUが実行する処理であって、トナー補給装置20のトナーボトル21を交換した後の複数の処理を経時的に示したフローチャートである。
【0045】
トナーエンドによる画像形成禁止状態において、制御部31のCPUは、使用済みのトナーボトル21が新規のトナーボトル21に交換された可能性があるか否かを判断する(ステップS20)。ステップS20の処理では、ボトル検出センサ16の検出結果に基づくトナーボトル21の交換の有無により、トナーボトル21が交換された可能性があるか否かを判断するようになっている。
【0046】
なお、使用済みのトナーボトル21が新規のトナーボトル21に交換された可能性があるか否かの検出は、画像形成装置1そのものの電源の切替動作(ON/OFFの切替動作)の有無によりおこなってもよいし、トナーボトル21の収納部の扉の開閉動作を検出する開閉動作検出用センサでおこなってもよい。この場合、画像形成装置1そのものの電源や開閉動作検出用センサも、ボトル検出センサ16と同様に、トナーボトル21が交換された可能性があるか否かを検出するボトル検出手段として機能する。
【0047】
ステップS20の処理において、トナーボトル21が交換された可能性はないと判定したら、ステップS20の処理を繰り返しおこなう。ステップS20の処理において、トナーボトル21が交換された可能性があると判定したら、その判定を下した時刻を開始時刻として計時を開始するとともに、トナーボトル21が交換されたかどうかの確認を始める(ステップS21)。
【0048】
ステップS21の処理を終えたら、ステップS21の処理で計時を開始してから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22の処理において、所定の時間が経過していると判定したら、上記ステップS21及びステップS22の処理をそれぞれ繰り返しおこなう。
【0049】
ステップS22の処理において、所定の時間が経過していないと判定したら、トナーエンドによる画像形成禁止状態とした(上記ステップS6参照)のは、上記ステップS4の処理で現像装置13に残留したトナーの濃度が規定濃度未満であることに起因しているか否かを判断する(ステップS23)。
【0050】
ステップS23の処理において、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは現像装置13のトナーの濃度が規定濃度未満であることに起因していると判定したら、トナーボトル21が交換されたかどうかの確認中にトナーエンドによる画像形成禁止状態を継続させる処理をおこない(ステップS24)、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは現像装置13のトナーの濃度が規定濃度未満であることには起因していないと判定したら、トナーボトル21が交換されたかどうかの確認中に画像形成動作を許可する処理をおこなう(ステップS25)。
【0051】
ステップS24の処理において、トナーエンドによる画像形成禁止状態を継続させるのは、現像装置13のトナーの濃度が規定濃度未満の状態で現像動作がおこなわれると、現像装置13の内部でキャリアが飛散したりするなどの不都合を生じさせる可能性があるので、これを防止するためである。逆にステップS25の処理において、画像形成動作を許可するのは、現像装置13のトナーの濃度が規定濃度未満であることに起因しない場合、例えば、上記ステップS7の処理で第2スクリュー部材22bが規定回転数だけ回転していると判定して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とした場合、現像装置13にはいくらかトナーが残留しているので画像形成動作を許可することが可能であり、画像形成動作が停止している期間を短縮することができるためである。
【0052】
ステップS24又はステップS25の処理を終えたら、ホッパー22に設置されたトナー検出センサ22aの検出結果に基づき、ホッパー22の内部に所定量のトナーが補給されたか否かを判断する(ステップS26)。ホッパー22の内部に所定量のトナーが補給されてはいないと判定したら、上記ステップS22〜ステップS25の処理を繰り返しおこなう。
【0053】
ステップS26の処理において、ホッパー22の内部に所定量のトナーが補給されていると判定したら、トナーボトル21が交換されたかどうかの確認をやめるとともに、表示パネル15に表示されていたトナーボトル21の交換の表示を解除(上記ステップS3の処理を解除)させる処理をおこない(ステップS27)、画像形成動作を再開させる処理をおこなう(ステップS28)。
【0054】
このように、4本のトナーボトル21,21,…のうち、いずれか1本のトナーボトル21でトナーがなくなりその使用済みのトナーボトル21が新規のトナーボトル21に交換されると、上記ステップS20〜ステップS28の各処理がそれぞれおこなわれて画像形成動作が再開する。
【0055】
以上の画像形成装置1では、トナー検出センサ22a及びトナー濃度検出センサ13aの各検出結果に基づき、トナー補給装置20(トナーボトル21及びホッパー22を含む。)と現像装置13とを合わせた全体のトナーの残量を推定することが可能となっている。そして画像形成装置1では、制御部31のCPUにより、ステップS1の処理でホッパー22に所定量のトナーが貯留されていないと判定され、ステップS4の処理で現像装置13のトナーの濃度が規定濃度以上であると判定された場合に、トナー補給装置20の駆動状態に応じて(ステップS7の処理で第2スクリュー部材22bが規定回転数だけ回転しているか否かに応じて)、ステップS5、ステップS9又はステップS10のいずれかの処理がおこなわれて画像形成動作が停止し、トナーエンドによる画像形成禁止状態に移行するようになっている。したがって画像形成装置1では、現像装置13とトナー補給装置20とを合わせた全体のトナーの残量を予測しながら、トナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とすることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、現像装置とトナー補給装置とを合わせた全体のトナーの残量を予測しながらトナーエンドを検知した条件に応じて画像形成動作を停止させることができる。
【0057】
また本発明によれば、複数枚にわたる用紙への画像形成をおこなっている場合に、画像形成中の用紙の次に画像が形成される後続の用紙に規定濃度未満のトナーで画像が形成されるのを防止することができる。
【0058】
更に本発明によれば、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのが現像装置内のトナーの濃度に起因したとき、トナーエンドによる画像形成禁止状態のままなので、規定濃度未満のトナーで画像が形成されるのを防止することができ、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのが現像装置内のトナーの濃度に起因しなかったとき、画像形成動作が許可されるので、画像形成動作が停止している期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】トナー補給装置を示す斜視図である。
【図3】トナー補給装置を円筒体に沿って破断した断面図である。
【図4】画像形成装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】制御装置の制御部のCPUが実行する処理であって、各トナー補給装置のトナーの残量に応じた複数の処理を経時的に示したフローチャートである。
【図6】制御装置の制御部のCPUが実行する処理であって、各トナー補給装置のトナーボトルを交換した後の複数の処理を経時的に示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…画像形成装置 2…筐体 3…カセット 4…給紙装置 5…搬出トレイ6…搬送ローラ 7…転写装置 7a…転写ベルト 8…定着装置 9…順路切替板 10…搬送ローラ 11…潜像形成装置 12…感光体ドラム 13…現像装置 13a…トナー濃度検出センサ 15…表示パネル 16…ボトル検出センサ 20…トナー補給装置 21…トナーボトル 21a…流出口 22…ホッパー 22a…トナー検出センサ 22b…第2スクリュー部材 22c…シャフト 22d…羽根 22e…補給口 23…連結部材 23a…円筒体23b…第1スクリュー部材 23c…流入口 24…ステッピングモータ 30…制御装置 31…制御部

Claims (1)

  1. 複数枚の用紙を1部として複数部にわたる用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
    潜像をトナーにより現像する現像装置と、
    前記現像装置内のトナーの濃度を検出するトナー濃度検出センサと、
    トナーを貯留可能なトナーボトルと、前記トナーボトルから流入されたトナーを一時的に貯留するホッパーと、前記ホッパーの下部に設けられ、前記ホッパーから前記現像装置へトナーを補給するスクリュー部材とを有し、前記トナーボトルから前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置と、
    前記トナー補給装置に所定量のトナーが貯留されているか否かを検出するトナー検出センサと、
    前記トナーボトルが交換された可能性があるか否かを検出するボトル検出手段と、
    前記トナー濃度検出センサ、前記トナー検出センサ及び前記ボトル検出手段の各検出結果に基づき用紙への画像形成動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記トナー検出センサの検出結果に基づき前記トナー補給装置に所定量のトナーが貯留されていないと判定した場合で、前記トナー濃度検出センサの検出結果に基づき前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度以上であると判定し、且つ、前記スクリュー部材が規定回転数だけ回転していると判定したときは、部の切れ目に対応する用紙まで画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とし、前記トナー濃度検出センサの検出結果に基づき前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であると判定したときは、画像形成中の用紙にのみ画像を形成して画像形成動作を停止させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態とし、これらトナーエンドによる画像形成禁止状態において、前記ボトル検出手段の検出結果に基づき前記トナーボトルが交換された可能性はあるか否かを判断し、前記トナーボトルが交換された可能性があると判定したときに、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因するか否かを判断して、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因すると判定したときは、前記トナーボトルが交換されたかどうかの確認中にトナーエンドによる画像形成禁止状態を継続させ、トナーエンドによる画像形成禁止状態としたのは前記現像装置内のトナーの濃度が規定濃度未満であったことに起因しないと判定したときは、前記トナーボトルが交換されたかどうかの確認中に画像形成動作を許可することを特徴とする画像形成装置。
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