JP4048640B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像読み取り装置に関し、更に詳しくは画像読み取りを登録順に表示部に表示させるに際し、特定の情報が付加されている画像データについては画像データを消さずに記憶するようにした画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある種の蛍光体に放射線(X線、α線、β線、r線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギーの一部が蛍光体中に蓄積される。そして、この蛍光体に可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギーに応じて蛍光体が輝尽発光を示すことが知られいる。このような性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光体若しくは輝尽性蛍光体と呼ばれる。
【0003】
この輝尽性蛍光体を利用して、人体等の放射線画像情報を一旦シート上に設けられた蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体プレート等の放射線画像変換プレート)に記録し、この放射線画像変換プレートをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を電気的に読み出して画像信号を得ることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した画像読み取り装置としては、フィルム内蔵タイプとカセッテタイプの方式があるが、何れも読み込んだ画像が決定したら、即出力するようになっており、読み込んだ画像にプロテクトをかけて保存しておくということは行なわれていなかった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、操作性のよい画像読み取り装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の発明は、放射線画像変換媒体に照射された放射線情報を読み取り、画像情報を得るための読み取り手段と、該読み取り手段で得た画像情報を格納する第1のメモリと、前記画像情報が外部装置に出力されることを禁止するための指示を入力する第1の入力手段と、該第1の入力手段により入力された前記禁止の指示を、前記画像情報に対応する予約データとして記憶する第2のメモリと、前記禁止の指示を含む予約データを表示する表示部と、前記外部装置へ前記画像情報を出力するための指示を入力する第2の入力手段と、前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を前記外部装置へ出力する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を前記第2の入力手段により前記出力の指示が入力されても、前記外部装置へ出力しないことを特徴とする。
【0007】
このように構成すれば、第1の入力手段により禁止の指示が入力されていたら、第2の入力手段で出力指示がなされていても、画像情報を外部装置に出力しないようにすることができる。
【0008】
(2)請求項2記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を削除し、前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を削除しないことを特徴とする。
【0009】
このように構成すれば、第2のメモリに記憶された予約データに禁止の指示が含まれている場合に、該予約データと対応する画像情報を削除しないようにすることで、画像情報の保護を図ることができる。
(3)請求項3記載の発明は、前記第1のメモリは、前記画像情報を格納する際、又は格納してから一定時間経過後に、該画像情報の画像データサイズを圧縮することを特徴とする。
【0010】
このように構成すれば、メモリの容量を小さくすることができる。
(4)請求項4記載の発明は、前記第2のメモリは、前記読み取り手段による画像情報の取得前に入力された前記禁止の指示を予約データとして記憶し、前記制御手段は、前記読み取り手段による画像情報の取得後に前記第2の入力手段に入力された指示に従って、画像情報を前記外部装置へ出力することを特徴とする。
【0011】
このように構成すれば、前記制御手段が第2のメモリに記憶された指示に従って、画像情報を外部装置へ出力することができ、若し第2のメモリに記憶された指示が禁止指示であった場合には、外部装置へ出力しないようにすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明の原理ブロック図である。図において、20は放射線画像変換媒体に照射された放射線画像を読み取り、画像情報を得る読み取り手段、21は前記画像情報が外部装置へ出力されることを禁止するための指示を入力する第1の入力手段、22は前記外部装置へ前記画像情報を出力するための指示を入力する第2の入力手段である。
【0023】
60は読み取り手段20、第1の入力手段21、第2の入力手段22と接続され、各種の制御を行なうメインCPU、23は該CPU60と接続され、画像情報等を記憶する記憶手段である。80はメインCPU60から与えられる画像情報を受けて所定の処理を行なう外部装置である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0024】
読み取り手段20により読み取られた放射線画像情報は、CPU60を介して記憶手段23内の記憶部(第1のメモリ)に記憶される。ここで、第1の入力手段がCPU60に対して画像出力禁止指示を出すと、CPU60はこのことを記憶しておく。そこで、第2の入力手段22から画像出力指示がきたら、CPU60は画像出力禁止指示が記憶されているかどうかチェックする。画像出力禁止指示が記憶されている場合、第2の入力手段22から画像出力指示が出されても、外部装置80への画像出力はしない。画像出力禁止指示が記憶されていない場合には、CPU60は記憶手段23に記憶されている画像情報を読み出して外部装置80に出力する。
【0025】
この結果、第1の入力手段21により禁止の指示が入力されていたら、第2の入力手段22で出力指示がなされていても、画像情報を外部装置80に出力しないようにすることができる。
【0026】
この場合において、前記画像情報を外部装置に出力するか否かを判断するための判断手段と、該判断手段により出力すると判断されたら、前記画像情報を外部装置80へ出力する制御手段を具備することができる。ここで、前記判断手段と制御手段としては例えばCPU60が用いられる。これによれば、前記判断手段が画像情報を外部に出力すると判断したら、制御手段が記憶手段23に記憶されている画像情報を外部装置80へ出力するように制御する。そして、前記画像情報を外部装置80へ出力することができる。これによれば、記憶手段23に記憶されている画像情報を外部装置80へ出力することができる。
【0027】
また、前記場合において、前記判断手段は、前記第1の入力手段21により禁止の指示が入力されていない場合、前記画像情報を外部装置80へ出力できるようにすることができる。
【0028】
これによれば、禁止の指示が入力されていない場合に、判断手段は画像情報を記憶手段23から読み出して外部装置80へ出力することができる。
また、前記判断手段が画像情報を外部装置80へ出力しないと判断したら、前記第1のメモリから前記画像情報を削除しないようにすることができる。これにより、判断手段が画像情報を外部装置80に出力しないと判断した場合には、記憶手段23から当該画像情報を削除しないようにすることができる。
【0029】
また、放射線画像情報の被写体に対応するデータを予め予約データとして記憶するための記憶部(第2のメモリ)を記憶手段23内に設け、前記第1の入力手段21により入力された禁止の指示を前記予約データと対応づけるための手段を具備することができる。
【0030】
これによれば、第2のメモリに記憶された予約データと禁止の指示とを対応づけることが可能となる。
また、前記禁止の指示は、参照保留又は検査保留の場合に入力される。これによれば、参照保留又は検査保留の場合に禁止の指示を入力することが可能となる。
【0031】
また、本発明では、放射線画像変換媒体に照射された放射線画像を読み取り、画像情報を得るための読み取り手段と、前記画像情報を格納するための第1のメモリと、該メモリから前記画像情報が削除されることを禁止するための指示を入力する第3の入力手段と、前記第1のメモリから前記画像情報を外部装置へ出力するための指示を入力する第2の入力手段と、前記第3の入力手段により前記禁止の指示が入力されたら、前記第2の入力手段により前記出力の指示が入力されても、前記第1のメモリから前記画像情報が削除されないようにした装置を提供することができる。
【0032】
これによれば、第3の入力手段から禁止の指示が出された場合において、第1のメモリから画像情報を削除しないようにすることができる。
この場合において、前記画像情報を第1のメモリから削除するか否かを判断するための判断手段と、該判断手段により削除されると判断されたら、前記画像情報を第1のメモリから削除するようにすることができる。これによれば、前記判断手段により画像情報を第1のメモリから削除すると判断された場合に、前記制御手段により当該画像情報を削除することができる。
【0033】
また、前記禁止の指示は、参照保留又は検査保留の場合に入力される。これによれば、参照保留又は検査保留を禁止の指示として用いることができる。
図2は本発明で用いるカセッテの構成例を示す図である。カセッテ9は、バック面のケース半体900,フロント面(X線照射面)のケース半体901とを合わせて周囲をビス902により締め付けて一体化している。
【0034】
また、カセッテ9の一辺部には開口903が形成され、この開口903からキャップ907により放射線画像変換プレート12を引き出し可能になっている。放射線画像変換プレート12は、輝尽性蛍光体層を有し、輝尽性蛍光体層は、放射線発生源からの照射放射線量に対する被写体の放射線透過率分布にしたがったエネルギーを蓄積して潜像を形成する。放射線画像変換プレート12は気相堆積或いは塗布によって輝尽性蛍光体層を設けてある。輝尽性蛍光体層は環境による悪影響及び損傷を遮断するために保護部材によって遮蔽もしくは被覆されている。
【0035】
放射線画像変換プレート12はカセッテ9内部のリジッドなトレイ904に固定され、画像が記録される領域以外の部分に対応して一対の係止ピン(図示せず)がトレイ904に設けられ、この一対の係止ピンは放射線画像変換プレート12のトレイ904に貫通している。
【0036】
キャップ907にはロック機構908が内蔵され、ロック孔909からロック機構908のロック解除が可能になっている。また、キャップ907には、一対のレバー910が設けられ、この一対のレバー910によりキャップ907を開閉してカセッテ9からトレイ904ごと放射線画像変換プレート12が引き出され、あるいは収納される。
【0037】
カセッテ9のバック面には、識別シール911が貼り付けられており、識別シール911には白と黒とによる識別情報が記録され、この識別シール911の識別情報の検出によりカセッテ9の種類とサイズの検出を行なう。また、この識別シール911により、カセッテ9の投入方向、表裏の判別を行う。
【0038】
また、カセッテ9の上下グリッド方向の指示は、上下方向の指示マーク912によるが、キャップ907を下側にしてカセッテ9をカセッテスタッカ部へ投入することで上下方向を指定するようにしてもよい。
【0039】
また、カセッテ9のバック面には、ケース半体900に診療録クリップ913が設けられ、この診療録クリップ913の周囲にはケース半体900に凹部900aが形成され、この凹部900aと診療録クリップ913とで診療録等が保持される。
【0040】
図3は本発明の画像読み取り装置1の外観構成例を示す図である。カセッテスタッカ部3と、表示・操作部7とは放射線画像読み取り装置1の上部で、略水平方向に並設されている。即ち、カセッテスタッカ部3は放射線画像読み取り装置1の上部に向かって右側に配置され、表示・操作部7は放射線画像読み取り装置1の上部向かって左側に配置されている。
【0041】
カセッテスタッカ部3は、5個のスロット毎に設けられた投入部300を有している。表示・操作部7には、表示部としてのCRT表示部70と、CRT表示部70の表示面上に設けられた操作部としてのタッチパネル71とが備えられ、CRT表示部70上に検査予約、患者登録等の操作及び装置各部の状態表示・設定、及び読み取られた画像の表示を行う。
【0042】
CRT表示部70は、例えば15インチCRT表示装置(24ビットカラー、モノクロ256階調・解像度1024×768)が用いられ、操作入力は、CRT表示部70上のタッチパネル71により行なうようになっている。
【0043】
本実施の形態例のタッチパネル71は、光、例えば、赤外線の遮断で反応する光方式とした。投入部300は、投入ガイド部301及び収納部302から構成されている。投入ガイド部301は溝状で収納部302に向かって延び、カセッテ9を収納部302に垂直状態で導くように形成されている。収納部302には、カセッテ9が所定の隙間を持って収納保持される。
【0044】
カセッテ9は、カセッテ長辺方向を水平にした状態で、装置の手前側を基準とする縦投入であり、カセッテ9の投入と同時にスロット毎に収納部302の開口に設けられた遮光シャッタ303が閉じ、開口部から漏れ光を防ぐ。
【0045】
各スロット毎にカセッテ9の抜き取りが可能であり、誤ってカセッテ9が抜き取られることがないように読取中を示すLEDランプ304を装備する。なお、カセッテの大きさは必ずしも単一ではなく、複数の大きさを有するものである。
【0046】
図4は本発明の放射線画像読み取り装置の一実施の形態例を示すブロック図である。放射線画像読み取り装置1の装置本体2に備えられるカセッテスタッカ部3には、カセッテスタッカ部機構・駆動部30及びカセッテスタッカ部制御部31が備えられ、複数種類の放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9がセット可能になっている。カセッテスタッカ部制御部31の制御に基づきカセッテスタッカ部機構・駆動部30を駆動して、放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9が投入されると、所定の状態にセットする。
【0047】
プレート制御部4には、プレート搬送部機構・駆動部40及びプレート搬送部制御部41が備えられ、カセッテスタッカ部制御部31からの指令に基づきプレート搬送部制御部41は、プレート搬送部機構・駆動部40を制御する。プレート搬送部機構・駆動部40は、カセッテ9から放射線画像変換プレート12を引き出し、この引き出された放射線画像変換プレート12を画像読取部方向へ搬送する。
【0048】
画像読取部5には、副走査部機構・駆動部50及び主走査部51が備えられ、副走査部機構・駆動部50により主走査部51が副走査方向へ搬送され、主走査部51のレーザ走査による画像読み取りが行われる。該画像読取部5は、図1の読み取り手段20に相当する。
【0049】
システム制御部6には、メインCPU60及び読取部制御画像入力制御部61が備えられている。メインCPU60には、システムプログラムを記憶したシステム用ディスク62、画像情報を記憶する画像ディスク63,64が接続され、またボード65を介してホストコンピュータ66、診断装置67及び患者登録ターミナル68に接続される。これら画像ディスク63,64が図1の記憶手段23に相当する。メインCPU60では、全体制御、画像処理、出力制御及び画像管理を行う。読取部制御画像入力制御部61は、カセッテスタッカ部制御部31、副走査部機構・駆動部50及び主走査部51を制御して放射線画像変換プレート12の画像読み取りを行い、この画像情報をメインCPU60に送る。
【0050】
表示・操作部7には、画像読取部5で読み取られた画像を表示する表示部としてのCRT表示部70と、CRT表示部70の表示画面上に設けられた操作部としてのタッチパネル71とが備えられ、タッチパネル71からの指令情報がメインCPU60に送られ、メインCPU60では入力指令に基づく制御を行なう。
【0051】
該表示・操作部7が、図1の第1の入力手段21及び第2の入力手段22に相当する。
次に、本発明の詳細動作について説明する。図5は表示・操作部7の内の表示部の表示例を示している。図において、700は予約情報リスト、710は画像表示部、720は読み取り登録リストである。ここで、読み取り登録とは、登録順と表示順を対応付けることをいう。予約情報リスト700には、これから読み取るデータのリストが表示される。そして、画像読み取りを行なう予定の情報が記憶手段に記憶される。予約情報リスト700は、タッチパネル71(図3参照)で構成されている。図中の数字は、使用できる文字数を表している。
【0052】
先ず、カセッテスタッカ部3に複数種類のカセッテ9が装着される。この時、装着されるスロット番号はメインCPU60が覚えている。そこで、オペレータは画像が記憶されたカセッテ9をカセッテスタッカ部3の任意のスロットに装着していく。この時、装着されたカセッテのサイズ及び種類は、カセッテ表面に形成された識別シール911(図2参照)からCPU60に読み取りられる。
【0053】
そこで、オペレータが任意のスロットに順次カセッテ9を装着すると、CPU60はどのスロットにカセッテ9が装着されたかの情報と、装着の順番情報と、装着されたカセッテ9のサイズを読み取ることになる。読み取られた情報は、カセッテ投入順キュー(図示せず)に記憶される。
【0054】
次に、CPU60は予約選択動作に入る。先ずオペレータが予約情報リスト700から所定のデータ領域をタッチして予約選択する。この時、最初にタッチされた氏名部分に対応する番号表示部701に1番目にタッチしたことを示す数字“1”が表示される。
【0055】
次に、オペレータが一つ飛ばして氏名データをタッチすると、番号表示領域701に2番目に押されたことを示す“2”が表示される。以下、同様である。なお、番号表示領域701に表示されている“R”は参照保留、“S”は検査保留を示す。通常は、読み取った画像を装置本体2外へ転送(出力)することを許可するためのOKボタン721がタッチされると、画像は必ず画像用ディスク63又は64等の装置本体2の記憶手段に記憶され、装置本体2外の装置へ出力(転送)されるが、“R”又は“S”が付されている場合にはOKボタン721が押されると、画像は画像用ディスク63又は64等の装置本体2の記憶手段に記憶されるが、装置本体2外の装置へ出力(転送)されない。
【0056】
また、読み取り装置2の記憶手段に記憶された画像データは、通常、後述するような手順で消去されるが、“R”又は“S”が付されている場合には、後述するように、参照保留、検査保留が解除されるまで消去されないで装置本体2の記憶手段に残る。ここで、保留とは、画像を読み取った後、読み取り装置である装置本体2外に画像を出力することを保留することをいう。そして、この保留には、例えば参照保留と検査保留とがある。
【0057】
参照保留とは、技師が後に画像を表示させる場合をいう。これは、一度画像を表示させ更に再び画像を表示したい場合や、通常の画像表示時点(例えば図6のS2)で画像を表示させず、参照保留を解除した時点で画像を表示させたい場合等を含む。
【0058】
また、検査保留とは、同じ患者の複数枚の画像等、複数枚の画像をまとめて読み取り装置外に出力したい場合に利用できる。例えば、同患者の画像が3枚ある場合には、1枚目及び2枚目の画像を検査保留し、3枚目の画像を読み取った後、検査保留を解除し、読み取り装置外に画像を出力する。
【0059】
次に、CPU60は予約選択された情報を取得する。これにより、予約選択キュー(図示せず)に登録する。予約選択キューは、選択順と予約情報から構成されている。予約選択キューは、例えば画像用ディスク63又は64に記憶される。
【0060】
ここで、オペレータが読み取り予約ボタン702をタッチすると、読み取り登録動作に入る。CPU60はカセッテ投入順キューをチェックする。カセッテ投入順キューには、投入順にスロット番号とカセッテサイズが記憶されている。カセッテ投入順キューがある場合には、CPU60は予約選択キューをチェックする。
【0061】
予約選択キューにデータがある場合には、CPU60は投入順1番と選択順1番とを対応づける。次に、読取登録キューに対応づけを登録する。読取登録キューには、スロット番号とカセッテサイズと予約情報とが記憶されている。この読取登録キューによれば、1番目に登録されたものは、スロット番号4に装着されたカセッテで、カセッテサイズは半切、予約情報はBとなる。
【0062】
読取登録キューへの登録が終了すると、今度はカセッテ投入順キューから当該情報を削除し、次に予約選択キューから当該情報を削除する。以下、最初に戻り、同様の動作を繰り返すことになる。
【0063】
この結果、それまでの操作で特定された氏名データが最終的に確定し、当該データは、読み取り登録リスト720に移される。そして、一番最初に登録された氏名の画像から表示部710に表示されていく。即ち、CPU60はカセッテスタッカ部3に装着されたカセッテ9の内の登録された順のカセッテ9から画像読み取りを行なう。
【0064】
そして、登録された順に表示部710に特定された氏名の人物の画像が読み取られて表示される。放射線画像は、装置本体2(図3参照)で読み取られ、表示部710に表示されることになる。即ち、登録された順に画像が表示される。画像の観察が終了したら、オペレータはOKボタン721をタッチする。すると、表示された画像は最終的に確定し、当該画像データを読み取り装置外へ出力したり、読み取り装置の記憶手段に記憶する処理が可能となる。
【0065】
この実施の形態例によれば、予約データ中に特別な情報が付された画像データについては、オペレータがOKボタン721をタッチしても画像を読み取り装置外に出力せず、またこれら画像データを読み取り装置の記憶手段から削除しないようにする。これにより、後で画像をもう一度詳しく観察したり、一人で複数の画像読み取りが終了するまで画像データを読み取り装置の記憶手段に記憶しておくことができる。また、検査保留の場合、一人の患者の複数画像をまとめて出力するので管理がしやすい。
【0066】
更に、参照保留の場合、診断に適さない画像を読み取り装置外に転送(出力)することを保留し、診断に適した画像を読み取り装置外に転送(出力)することが可能なので、診断者である医師の元に、診断に適した画像のみを出力することも可能である。このため、誤診を防止することができる。また、読み取り装置外に画像を出力しない場合には、読み取り装置の記憶手段に画像が削除されずに記憶されている。
【0067】
図6は読み取り終了時の処理を示すフローチャートである。先ず、輝尽性蛍光パネルに記憶されている画像をレーザビームで照射して輝尽発光を生ぜしめ、この輝尽発光を電気信号に変換して読み取る(S1)。次に、読み取った画像を表示部710に表示する(S2)。
【0068】
オペレータは、表示された画像を見て画像の表示状態を確認する(S3)。OKであれば、OKボタン721をタッチする。これにより、表示されている画像を画像用ディスク63又は64に記憶する(S4)。
【0069】
次に、保存された画像のモード(R,S)をチェックする。参照保留(R)であれば、記憶状態を維持する(S5)。参照保留でない時には、検査保留(S)であるかどうかチェックする(S6)。検査保留であれば、記憶状態を維持する。検査保留でもない時には、保存された画像を出力する出力処理を行なう(S7)。
【0070】
図7は画像削除時の処理を示すフローチャートである。CPU60は、画像用ハードディスク63,64の空きエリアをチェックする(S1)。空きエリアがある時には、画像の削除は行なわない。その必要がないからである。
【0071】
空きエリアがない時には、パラメータn=1に設定し(S2)、n番目の画像の属性チェックを行なう(S3)。属性がプロテクトになっていた場合には、如何なる場合でも画像データを削除してはならないモードであるので、n=n+1とし(S5)、ステップS3に戻り、次の画像の属性チェックを行なう。
【0072】
プロテクトモードは、参照保留や検査保留の設定と別個に設定することも可能であるが、参照保留の場合や検査保留の場合に同時に設定することが有効である。例えば、参照保留や検査保留の指示を入力すると、自動的にプロテクトモードに設定されるように制御し、そして、参照保留や検査保留が解除されると同時にプロテクトモードも解除されるように制御すればよい。
【0073】
画像属性がプロテクトモードでない場合には、転送予約であるかどうかチェックする(S6)。そうである場合には、画像は削除しないでn=n+1を演算し(S5)、ステップS3に戻る。
【0074】
ここで、転送予約とは、読み取り装置外に画像出力(転送)することを予約することをいう。例えば、外部出力キューに登録している状態を指す。具体的には、OKボタン721が押された時、読み取り装置外に出力予定であるが、未出力の画像が既に3つあった場合には、OKボタン721が押されたら、4番目に転送予約される。そして、この転送予約された順番に画像が読み取り装置外に出力される。また、本実施の形態例では、参照保留又は検査保留に設定されている場合には、OKボタン721が押されても転送予約とならないが、OKボタン721とは別に転送ボタンを設け、参照保留又は検査保留の場合でも読み取り装置外に画像を出力したいような例外の場合に転送ボタンを押すことにより、転送可能となるようにしてもよい。
【0075】
転送予約でない場合には、参照保留であるかどうかチェックする(S7)。参照予約である場合にはn=n+1を演算し、ステップS3に戻る。参照予約でない場合には、検査保留であるかどうかチェックする(S8)。検査保留である場合にはn=n+1を演算し(S5)、ステップS3に戻る。
【0076】
次に、検査保留でもない時には、CPU60は画像が使用中であるかどうかチェックする(S9)。ここで、使用中とは、画像参照や出力等をいう。そうである場合には、n=n+1を演算してステップS3に戻る。これらの何れでもない画像については、画像削除を行なう(S10)。
【0077】
本実施の形態例によれば、検査保留機構を有するので、同一検査(一人の患者)の複数枚撮影の間に、他の検査(他の患者)の読み取りが可能となる。
また、参照保留又は検査保留に設定されている画像は、読み取り装置の記憶手段に記憶する際、読み取り時の画像データサイズのまま記憶してもよいが、読み取り装置の記憶手段に記憶する際、又は記憶してから一定時間経過後に、読み取り時の画像データサイズの1/5〜4/5(例えば4/5,2/3,1/2,1/3,1/5)に圧縮することが、メモリの容量を小さくすることができて好ましい。また、圧縮する際、画像は後に診断に適用される可能性があるため、可逆圧縮にすると、誤診を抑制できて好ましい。
【0078】
上述の実施の形態例では、参照保留又は検査保留を予約情報リスト701上で設定したが、次に読み取りの予約を設定しない場合に、参照保留又は検査保留を設定する場合である他の実施の形態例の説明をする。以下、上述の実施の形態例とは異なる構成のみ説明する。
【0079】
画像データを読み取った後に、事例研究のために、画像を確認するため、検査保留のため等で参照保留や検査保留を設定したい場合等や、読み取りの予約の設定ができない装置に特に有効である。
【0080】
この場合、図6のS2で読み取った画像を表示した後、S3で画像を確認し、OKボタン721を押さずに参照保留又は検査保留の設定を行なう。また、OKボタン721を押す前に参照保留又は検査保留の設定を行なってもよい。また、参照保留又は検査保留を撮影時に設定してもよい。
【0081】
図8は、他の実施の形態例を示し、図4と異なる構成のみ説明する。
画像読み取り装置1、ホストコンピュータ66及び診断装置67等を接続するネットワーク上に、同様に画像確認装置200も接続されている。画像読み取り装置1は、上記実施の形態例と同様に、OKボタンが押された場合に、図6及び図7のシーケンスを行なう。この際、読み取り装置から出力された画像データはメモリ201に格納される。そして、画像確認装置200でメモリ201に格納されている画像データをX線医師が確認し、診断に適した画像であると判断した場合には、画像確認装置200に設けられているOKボタン(図示せず)を押す。
【0082】
そして、このOKボタンが押されたら、診断装置67又はホストコンピュータ66に出力される。また、診断に不適な画像と判断した場合には、画像確認装置200は、画像読み取り装置1に、再撮影の指示を要求する。
【0083】
更に、画像確認装置200でOKボタンが押されたら、メモリ201に格納されている画像データに、画像データが診断に適した画像であることを示すデータを付すことが好ましい。
【0084】
次に、更に異なる他の実施の形態例を説明する。
上記2つの実施の形態例では、参照保留及び検査保留の設定を画像読み取り装置1で行なったが、同様なことを画像確認装置内の入力手段から行なってもよい。つまり、画像読み取り装置1で読み取った画像データは、メモリ201に出力される。そして、画像確認装置200内の表示手段(図示せず)に、図5と同様の表示がされており、参照保留の設定を表示・操作部7のタッチパネル71上で行なう。そして、画像確認装置200でOKボタンが押された場合の処理としては、図6及び図7における検査保留に関するステップを除いたステップが、画像確認装置200で行なわれる。
【0085】
つまり、上記実施の形態例で装置本体2が画像読み取り装置1であり、外部装置とは、画像読み取り装置1以外を指していたのに対し、本実施の形態例では、装置本体は、画像読み取り装置1、画像確認装置200及びメモリ201であり、外部装置とは、装置本体以外の装置を指している。このように、病院の規模やシステムの形態に応じて、装置本体と外部装置との境界を設定し得る。
【0086】
前述の実施の形態例では、カセッテタイプの画像読み取り装置について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、通常の放射線画像変換プレート内蔵タイプの画像読み取り装置についても同様に適用することができる。
【0087】
上述の実施の形態例によれば、予約データ等の選択にタッチボタンを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、キーボード等による選択、マウスによるクリック等を用いることができる。
【0088】
また、本発明によれば、画像記憶媒体を保持する機構としてカセッテを用いたが、本発明はこれに限るものではなく、他の保持機構を用いることができる。
このように、本発明によれば、操作性のよい画像読み取り装置を提供することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0090】
(1)請求項1記載の発明によれば、放射線画像変換媒体に照射された放射線情報を読み取り、画像情報を得るための読み取り手段と、該読み取り手段で得た画像情報を格納する第1のメモリと、前記画像情報が外部装置に出力されることを禁止するための指示を入力する第1の入力手段と、該第1の入力手段により入力された前記禁止の指示を、前記画像情報に対応する予約データとして記憶する第2のメモリと、前記禁止の指示を含む予約データを表示する表示部と、前記外部装置へ前記画像情報を出力するための指示を入力する第2の入力手段と、前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を前記外部装置へ出力する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を前記第2の入力手段により前記出力の指示が入力されても、前記外部装置へ出力しないことを特徴とする。
【0091】
これによれば、第1の入力手段で禁止の指示が入力されていたら、第2の入力手段で出力指示がなされていても、画像情報を外部装置に出力しないようにすることができる。
【0092】
(2)請求項2記載の発明によれば、前記制御手段は、前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を削除し、前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を削除しないことを特徴とする。
【0093】
これによれば、第2のメモリに記憶された予約データに禁止の指示が含まれている場合に、該予約データと対応する画像情報を削除しないようにすることで、画像情報の保護を図ることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、前記第1のメモリは、前記画像情報を格納する際、又は格納してから一定時間経過後に、該画像情報の画像データサイズを圧縮することを特徴とする。
【0094】
これによれば、メモリの容量を小さくすることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、前記第2のメモリは、前記読み取り手段による画像情報の取得前に入力された前記禁止の指示を予約データとして記憶し、前記制御手段は、前記読み取り手段による画像情報の取得後に前記第2の入力手段に入力された指示に従って、画像情報を前記外部装置へ出力することを特徴とする。
【0095】
これによれば、前記制御手段が第2のメモリに記憶された指示に従って、画像情報を外部装置へ出力することができ、若し第2のメモリに記憶された指示が禁止指示であった場合には、外部装置へ出力しないようにすることができる。
【0105】
このように、本発明によれば、操作性のよい画像読み取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明で用いるカセッテの構成例を示す図である。
【図3】画像読み取り装置の外観構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。
【図5】本発明による表示部の表示例を示す図である。
【図6】読み込み終了時の処理を示すフローチャートである。
【図7】画像削除時の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態例を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 読み取り手段
21 第1の入力手段
22 第2の入力手段
23 記憶手段
60 メインCPU
80 外部装置
Claims (4)
- 放射線画像変換媒体に照射された放射線情報を読み取り、画像情報を得るための読み取り手段と、
該読み取り手段で得た画像情報を格納する第1のメモリと、
前記画像情報が外部装置に出力されることを禁止するための指示を入力する第1の入力手段と、
該第1の入力手段により入力された前記禁止の指示を、前記画像情報に対応する予約データとして記憶する第2のメモリと、
前記禁止の指示を含む予約データを表示する表示部と、
前記外部装置へ前記画像情報を出力するための指示を入力する第2の入力手段と、
前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を前記外部装置へ出力する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を前記第2の入力手段により前記出力の指示が入力されても、前記外部装置へ出力しないことを特徴とする画像読み取り装置。 - 前記制御手段は、前記第2の入力手段に入力された指示に従って、前記第1のメモリに格納された画像情報を削除し、
前記第2のメモリに記憶された予約データに前記禁止の指示が含まれている場合に、前記第1のメモリに格納された、該予約データと対応する画像情報を削除しないことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。 - 前記第1のメモリは、前記画像情報を格納する際、又は格納してから一定時間経過後に、該画像情報の画像データサイズを圧縮することを特徴とする請求項1又は2記載の画像読み取り装置。
- 前記第2のメモリは、前記読み取り手段による画像情報の取得前に入力された前記禁止の指示を予約データとして記憶し、
前記制御手段は、前記読み取り手段による画像情報の取得後に前記第2の入力手段に入力された指示に従って、画像情報を前記外部装置へ出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像読み取り装置。
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