JP4048231B2 - ドアの気密機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防音室や電磁シールドルームに使用するドアの気密機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁シールドルームに使用するドアの気密機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−33566号公報(第4頁、図1)
【0004】
同公報の図1を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図8は特開平5−33566号公報の図1の再掲図である。
ドアの気密機構200は、ドア本体201に横スライド可能に取付けたロッド202と、このロッド202に一端に取付けるとともに他端をドア本体201に支持させた板ばね203と、この板ばね203の中央に取付けるとともにドア本体201に昇降可能に取付けた気密部材204と、から構成する機構であり、ドア本体201を閉じ、ドア枠205でロッド202の先端を押すことで、板ばね203に弛みを持たせ、ドア枠205の下部206に気密部材204を押付けるようにしたものである。
【0005】
しかし、上記のドアの気密機構200は、気密部材204をドア枠205の下部206に押付けるための力は板ばね203に依存するので、この板ばね203がへたると、押付ける力が不十分になることがある。
この押付ける力を改善する試みとしてアームを用いたドアの気密機構が知られており、次図に示す。
【0006】
次図は、特許文献1とは異なる従来例に係る図である。
図9(a),(b)は従来のアーム式のドアの気密機構の原理図である。
(a)において、ドアの気密機構210は、ドア本体211に横スライド可能に取付けたロッド212と、このロッド212に取付けたアーム支持部213,213と、これらのアーム支持部213,213に一端をスイング自在に取付けたアーム214,214と、これらのアーム214,214の他端に回転可能に取付けた気密部材ブラケット215と、このブラケット215に取付けた気密部材216と、ドア本体211と気密部材ブラケット215との間に掛け渡したコイルばね217,217とからなる。
【0007】
(b)において、ドア本体211を閉じ、ドア枠218でロッド212の先端を押すことで、気密部材216を矢印のように下降させ、この気密部材216をドア枠218の下部219に押付けるものであり、確実な押え力を得られるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のドアの気密機構210では、ロッド212と気密部材216とが連動する。そして、ロッド212はドア本体211から突出しているので、ドア本体211が閉まる前から移動を始める。この結果、ドア本体211の閉まる動作の途中から気密部材216が下降し、ドア本体211の閉まる動作の途中から気密部材216がドア枠218の下部219に接触を開始し、気密部材216がドア枠218に摺りながら閉まることになる。
ドア本体211の閉じる動作の途中から気密部材216がドア枠218に接触すると、ドア本体211の開閉力に影響を及ぼすとともに気密部材216の摩耗量が多くなるので好ましいこととは言えない。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、ドアの閉まる動作が終了する直前に気密部材を下降させ、ドアの開ける動作が開始してすぐに気密部材を上昇させることのできるドアの気密機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、矩形のドア枠に開閉自在にドア本体を取付け、このドア本体を閉じたときに、ドア枠とドア本体との間に発生する隙間を塞ぐドアの気密機構において、ドア本体に横スライド可能に取付けるとともにドア本体から先端を突出させたロッドと、このロッドで駆動するために中間をロッドに嵌合させるとともに一端をドア本体にスイング自在に取付けたアーム部材と、このアーム部材の他端にカム部を係合させるとともに支持部をドア本体にスイング自在に取付けたカム部材と、このカム部材の作用部にスイング自在に取付けることで、ドア本体を閉じたときにドア本体との隙間を塞ぐ気密部材と、これらの気密部材とドア本体との間に介在させることで、ドア本体を開いたときにドア本体側に気密部材を引き寄せる弾発部材と、から構成したことを特徴とする。
【0011】
ドアの閉まる動作が終了する直前に気密部材を下降させ、ドアの開ける動作が開始してすぐに気密部材を上昇させることができるとすれば、ドアの開閉力に影響を及ぼすことがなくなり、気密部材の摩耗量も抑えることができるので好ましい。
【0012】
そこで、ドア本体にロッドを横スライド可能に取付けるとともにドア本体からロッドの先端を突出させ、このロッドで駆動するためにアーム部材の中間をロッドに嵌合させるとともにアーム部材の一端をドア本体にスイング自在に取付け、このアーム部材の他端にカム部材のカム部を係合させるとともにカム部材の支持部をドア本体にスイング自在に取付け、このカム部材の作用部に気密部材をスイング自在に取付けることで、ドア本体を閉じたときにロッドの先端をドア枠で押し、ドア枠とドア本体との隙間を気密部材で塞ぎ、これらの気密部材とドア本体との間に弾発部材を介在させることで、ドア本体を開いたときに弾発部材でドア本体側に気密部材を引き寄せるようにした。
【0013】
すなわち、ドアの気密機構を、ドア本体に横スライド可能に取付けるとともにドア本体から先端を突出させたロッドと、このロッドで駆動するために中間をロッドに嵌合させるとともに一端をドア本体にスイング自在に取付けたアーム部材と、このアーム部材の他端にカム部を係合させるとともに支持部をドア本体にスイング自在に取付けたカム部材と、このカム部材の作用部にスイング自在に取付けることで、ドア本体を閉じたときにドア本体との隙間を塞ぐ気密部材と、これらの気密部材とドア本体との間に介在させることで、ドア本体を開いたときにドア本体側に気密部材を引き寄せる弾発部材と、から構成することで、ドアの閉まる動作が終了する直前に気密部材を下降させ、ドアの開ける動作が開始してすぐに気密部材を上昇させることができる。
この結果、ドアの開閉力を小さくすることができ、気密部材の摩耗量も抑えることができる。
【0014】
請求項2は、気密部材と作用部との間に、これらの気密部材と作用部とを繋ぐ連結部材を介在させたことを特徴とする。
気密部材と作用部との間に、これらの気密部材と作用部とを繋ぐ連結部材を介在さることで、気密部材とカム部材とを離して配置することができ、ドアの気密機構の設計の自由度を広げることができる。
【0015】
請求項3は、アーム部材の他端にローラを付加し、このローラをカム部に当てたことを特徴とする。
アーム部材の他端にローラを付加し、このローラをカム部に当てることで、アーム部材でカム部材を作動させるときの作動力の軽減を図る。この結果、ドアの気密機構を滑らかに動かすことができ、商品性の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るドアの気密機構を採用した気密用のドアの斜視図である。気密用のドア10は、遮蔽壁11に取付けたドア枠12と、このドア枠12にヒンジ13・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)を介して取付けたドア本体14と、このドア本体14の中央にガラス枠15を介して取付けた遮音用厚板ガラス16と、ドア本体14に回転自在に取付けたドアハンドル17と、ドア本体14とドア枠12との間を繋ぐことで、ドア本体14の開状態を維持するとともにドア本体14の閉まり速さをダンプさせるドアストッパ18と、ドア本体14の内部に収納したドアの気密機構30と、からなる。
【0017】
図中、21はドア枠12の下部に形成した沓ずり、22はドア枠12に形成した戸当たり、23はドア枠12に形成することでドアハンドル17を嵌合させる嵌合凹部、24はドア枠12の嵌合凹部23に嵌合させるためにドアハンドル17に形成した嵌合凸部である。
【0018】
図2は図1の2−2線断面図であり、ドアの気密機構の正面図を示す。
ドアの気密機構30は、ドア本体14に横スライド可能に取付けるとともにドア本体14から先端48を突出させたロッド31と、このロッド31で駆動するために中間をロッド31に嵌合させ、且つ一端をドア本体14にスイング自在に取付けるとともに他端にローラ53を回転自在に取付けたアーム部材32,32と、これらのアーム部材32,32のそれぞれのローラ53,53にカム部59,59を嵌合させるとともに支持部55,55をドア本体14にスイング自在に取付けたカム部材33,33と、これらのカム部材33,33のそれぞれの作用部56,56に一端をスイング自在に取付けた連結部材34,34と、これらの連結部材34,34のそれぞれの他端にスイング自在に取付けた取付けることで、ドア本体14の開閉動作でロッド31の先端48をドア枠12で押したときにドア枠12とドア本体14との隙間を塞ぐ気密部材36と、これらの気密部材36とドア本体14との間を繋ぐ弾発部材35,35と、からなる。
【0019】
ドア本体14は、ロッド31をスライド可能に支持するガイドブッシュ41,42と、アーム部材32,32をスイング自在に支持する支持部材43と、カム部材33,33をスイング自在に支持するカム支点44,44と、弾発部材35,35を支持する支持ピン45,45と、ロッド31の先端48を突出させる開口46と、を備える。
【0020】
ロッド31は、アーム部材32に嵌合させる嵌合ピン47を備える。
アーム部材32は、ロッド31の支持ピン45に嵌合させる長孔51と、ドア本体14の支持部材43に嵌合させる嵌合孔52と、先に説明したローラ53と、を備える。
【0021】
カム部材33は、カム支点44に嵌合させる先に説明した支持部55と、連結部材34に連結するために作用部56に取付けた連結ピン57と、先に説明したカム部59と、を備えた部材である。
連結部材34は、一端に形成することで連結ピンに連結する第1連結孔61と、他端に形成することで気密部材36に連結する第2連結孔62と、を形成したものである。
【0022】
例えば、ドアの閉まる動作が終了する直前に気密部材を下降させ、ドアの開ける動作が開始してすぐに気密部材を上昇させることができるとすれば、ドアの開閉力に影響を及ぼすことがなくなり、気密部材の摩耗量も抑えることができるので好ましい。
【0023】
そこで、ドア本体14にロッド31を横スライド可能に取付けるとともにドア本体14からロッド31の先端48を突出させ、このロッド31で駆動するためにアーム部材32の中間をロッド31に嵌合させるとともにアーム部材32の一端をドア本体14にスイング自在に取付け、このアーム部材32の他端にカム部材33のカム部59を係合させるとともにカム部材33の支持部55をドア本体14にスイング自在に取付け、このカム部材33の作用部56に連結部材34を介して気密部材36をスイング自在に取付けることで、ドア本体14を閉じたときにロッド31の先端48をドア枠12(図1参照)で押し、ドア枠12とドア本体14との隙間を気密部材36で塞ぎ、これらの気密部材36とドア本体14との間に弾発部材35を介在させることで、ドア本体14を開いたときに弾発部材35でドア本体14側に気密部材36を引き寄せるようにした。
【0024】
図3は図1の3ー3線断面図であり、気密部材36の側面断面を示す。
気密部材36は、ドア本体14に昇降可能に取付けた気密部材ブラケット64を介して連結部材34に連結するとともに、気密部材ブラケット64を介して弾発部材35でドア本体14に吊下げる部材であって、気密部材ブラケット64は、連結部材34をスイング自在に取付ける取付け部65と、弾発部材35を掛ける引っ掛け部66とを備える。なお、67は連結部材34を取付け部65に取付けるボルト、68はボルト67にねじ込むナットを示す。
【0025】
以上に述べたドアの気密機構30の動きを次に説明する。
図4(a),(b)は本発明に係るドアの気密機構の動作説明図であり、(a)はドア本体14を開けた状態を示し、(b)はドア本体14を閉じた状態を示す。
【0026】
(a)において、ドアの気密機構30は、矩形のドア枠12(図1参照)に開閉自在にドア本体14を取付け、このドア本体14を閉じたときに、ドア枠12とドア本体14との間に発生する隙間を塞ぐドアの気密機構30において、ドア本体14に横スライド可能に取付けるとともにドア本体14から先端48を突出させたロッド31と、このロッド31で駆動するために中間をロッド31に嵌合させるとともに一端をドア本体14にスイング自在に取付けたアーム部材32と、このアーム部材32の他端にカム部59を係合させるとともに支持部55をドア本体14にスイング自在に取付けたカム部材33と、このカム部材33の作用部56にスイング自在に取付けることで、ドア本体14を閉じたときにドア本体14との隙間を塞ぐ気密部材36と、これらの気密部材36とドア本体14との間に介在させることで、ドア本体14を開いたときにドア本体14側に気密部材36を引き寄せる弾発部材35と、から構成したことを示す。
【0027】
このときに、ドアの気密機構30では、気密部材36と作用部56との間に、これらの気密部材36と作用部56とを繋ぐ連結部材34を介在させた。
気密部材36と作用部56との間に、これらの気密部材36と作用部56とを繋ぐ連結部材34を介在さることで、気密部材36とカム部材33とを離して配置することができ、ドアの気密機構30の設計の自由度を広げることができる。
【0028】
さらに、ドアの気密機構30では、アーム部材32の他端にローラ53を付加し、このローラ53をカム部59に当てた。
アーム部材32の他端にローラ53を付加し、このローラ53をカム部59に当てることで、アーム部材32でカム部材33を作動させるときの作動力の軽減を図る。この結果、ドアの気密機構30を滑らかに動かすことができ、商品性の向上を図ることができる。
【0029】
(b)において、ドア本体14を閉めることでロッド31の先端を矢印▲1▼の如く押し、カム部材33を矢印▲2▼の如くスイングさせ、連結部材34を介して気密部材36を矢印▲3▼の如く下降させる。この動きに連れて弾発部材35は、矢印▲4▼の如く伸長することができ、ドア本体14を開くときに気密部材36を上昇させるとともにロッド31を突出させる力を蓄える。
【0030】
すなわち、ドアの気密機構30を、ドア本体14に横スライド可能に取付けるとともにドア本体14から先端を突出させたロッド31と、このロッド31で駆動するために中間をロッド31に嵌合させるとともに一端をドア本体14にスイング自在に取付けたアーム部材32と、このアーム部材32の他端にカム部59を係合させるとともに支持部55をドア本体14にスイング自在に取付けたカム部材33と、このカム部材33の作用部56にスイング自在に取付けることで、ドア本体14を閉じたときにドア本体14との隙間を塞ぐ気密部材36と、これらの気密部材36とドア本体14との間に介在させることで、ドア本体14を開いたときにドア本体14側に気密部材36を引き寄せる弾発部材35と、から構成することで、ドア10(図1参照)の閉まる動作が終了する直前に気密部材3を下降させ、ドア10の開ける動作が開始してすぐに気密部材36を上昇させることができる。この結果、ドア10の開閉力を小さくすることができ、気密部材36の摩耗量も抑えることができる。
【0031】
図5(a)〜(c)は本発明に係るドアの気密機構のカム部材の形状を示す平面図であり、(a)は実施例のカム部材33のカム形状を示し、(b)は別実施例のカム部材71のカム形状を示し、(c)はさらなる別実施例のカム部材75のカム形状を示す。
(a)において、カム部材33は、カム部59の形状を円弧状に形成することで、ロッドの移動量に比べ、気密部材の移動量を大きく設定しようとしたものである。
【0032】
(b)において、別実施例のカム部材71は、カム部72の途中が凸に設定する変極点73を設けることで、変極点73までは一気に気密部材36(図2参照)を移動し、変極点73からは比較的ゆっくりと気密部材36を移動させようとしたものである。なお、この変極点73を複数個設けることを妨げるものではない。
【0033】
(c)において、別実施例のカム部材75は、カム部76の途中が凸に設定する変極点77を設けることで、変極点77までは比較的ゆっくりと気密部材36(図2参照)を移動し、変極点77からは一気に気密部材36を移動させようとしたものである。なお、この変極点77を複数個設けることを妨げるものではない。
【0034】
図6は本発明に係る第2実施の形態のドアの気密機構の正面図であり、ドアの気密機構30(図2参照)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
ドアの気密機構80は、ヒンジ軸91廻りに回転自在に取付けたドア90の気密構造であり、2本のロッド81,81の移動方向と同方向に気密部材86を移動させるようにしたものであり、ドア本体94に横スライド可能に取付けるとともにドア本体94から先端98,98を突出させたロッド81,81と、これらのロッド81,81で駆動するために中間をそれぞれのロッド81,81に嵌合させ、且つ一端をドア本体94にスイング自在に取付けるとともに他端にローラ93を回転自在に取付けたアーム部材82,82と、これらのアーム部材82,82のそれぞれのローラ93,93にカム部99,99を嵌合させるとともに支持部95,95をドア本体94にスイング自在に取付けたカム部材83,83と、これらのカム部材83,83のそれぞれの作用部96,96に一端をスイング自在に取付けた連結部材84,84と、これらの連結部材84,84のそれぞれの他端にスイング自在に取付けた取付けることで、ドア本体94の開閉動作でロッド81,81の先端98,98をドア枠12(図1参照)で押したときにドア枠12とドア本体94との隙間を塞ぐ気密部材86と、これらの気密部材86とドア本体94との間を繋ぐ弾発部材85,85と、からなる。なお、97は気密部材86の気密部材ブラケットである。
【0035】
以上に述べたドアの気密機構80の動きを次に説明する。
図7(a),(b)は本発明に係る第2実施の形態のドアの気密機構の動作説明図であり、(a)はドア本体94を開けた状態を示し、(b)はドア本体94を閉じた状態を示す。
(a)において、ドアの気密機構80は、ロッド81,81の移動方向と同方向に気密部材86を移動させるようにすることで、例えば、両開きのドアの気密構造として用いることで、互いのドアの係合部分(召し合わせ部分)の隙間を塞ぐことができる。すなわち、ドアの気密機構80の用途の拡大を図ることができる。
【0036】
(b)において、ドア本体94を閉めることでロッド81,81の先端98,98を矢印▲5▼の如く押し、カム部材83,83を矢印▲6▼の如くスイングさせ、連結部材84,84を介して気密部材86を矢印▲7▼の如く突出させる。この動きに連れて弾発部材85,85は、矢印▲8▼の如く伸長することができ、ドア本体94を開くときに気密部材86を収納するとともにロッド81,81を突出させる力を蓄える。
【0037】
尚、実施の形態では図1に示すように、ドアの気密機構30を気密用のドア10として説明したが、これに限るものではなく、気密部材をシールド部材に変えることで、電磁シールドルーム用のドアの気密機構に用いるものであってもよい。
また、実施の形態では図1に示すように、アーム部材32、カム部材33、連結部材34及び弾発部材35を2個用いたが、これに限るものではなく、これらの部材を1個若しくは3個以上用いるものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、ドアの気密構造を、ドア本体に横スライド可能に取付けるとともにドア本体から先端を突出させたロッドと、このロッドで駆動するために中間をロッドに嵌合させるとともに一端をドア本体にスイング自在に取付けたアーム部材と、このアーム部材の他端にカム部を係合させるとともに支持部をドア本体にスイング自在に取付けたカム部材と、このカム部材の作用部にスイング自在に取付けることで、ドア本体を閉じたときにドア本体との隙間を塞ぐ気密部材と、これらの気密部材とドア本体との間に介在させることで、ドア本体を開いたときにドア本体側に気密部材を引き寄せる弾発部材と、から構成したので、ドアの閉まる動作が終了する直前に気密部材を下降させ、ドアの開ける動作が開始してすぐに気密部材を上昇させることができる。この結果、ドアの開閉力を小さくすることができ、気密部材の摩耗量も抑えることができる。
【0039】
請求項2では、気密部材と作用部との間に、これらの気密部材と作用部とを繋ぐ連結部材を介在させたので、気密部材とカム部材とを離して配置することができ、ドアの気密機構の設計の自由度を広げることができる。
【0040】
請求項3では、アーム部材の他端にローラを付加し、このローラをカム部に当てたので、アーム部材でカム部材を作動させるときの作動力の軽減を図る。この結果、ドアの気密機構を滑らかに動かすことができ、商品性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドアの気密機構を採用した気密用のドアの斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3ー3線断面図
【図4】本発明に係るドアの気密機構の動作説明図
【図5】本発明に係るドアの気密機構のカム部材の形状を示す平面図
【図6】本発明に係る第2実施の形態のドアの気密機構の正面図
【図7】本発明に係る第2実施の形態のドアの気密機構の動作説明図
【図8】特開平5−33566号公報の図1の再掲図
【図9】従来のアーム式のドアの気密機構の原理図
【符号の説明】
10…ドア、12…ドア枠、14…ドア本体、30…ドアの気密機構、31…ロッド、32…アーム部材、33…カム部材、34…連結部材、35…弾発部材、36…気密部材、53…ローラ、55…支持部、56…作用部、59…カム部。

Claims (3)

  1. 矩形のドア枠に開閉自在にドア本体を取付け、このドア本体を閉じたときに、ドア枠とドア本体との間に発生する隙間を塞ぐドアの気密機構において、
    このドアの気密機構は、前記ドア本体に横スライド可能に取付けるとともにドア本体から先端を突出させたロッドと、このロッドで駆動するために中間をロッドに嵌合させるとともに一端を前記ドア本体にスイング自在に取付けたアーム部材と、このアーム部材の他端にカム部を係合させるとともに支持部を前記ドア本体にスイング自在に取付けたカム部材と、このカム部材の作用部にスイング自在に取付けることで、前記ドア本体を閉じたときに前記ドア枠とドア本体との隙間を塞ぐ気密部材と、これらの気密部材とドア本体との間に介在させることで、前記ドア本体を開いたときにドア本体側に前記気密部材を引き寄せる弾発部材と、からなることを特徴とするドアの気密機構。
  2. 前記気密部材と前記作用部との間に、これらの気密部材と作用部とを繋ぐ連結部材を介在させたことを特徴とする請求項1記載のドアの気密機構。
  3. 前記アーム部材の他端にローラを付加し、このローラを前記カム部に当てたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のドアの気密機構。
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