JP4048057B2 - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストパターンの形成に適した感光性樹脂積層体に関するものであり、特に、ファインパターンの(多層)プリント配線板、フレキシブルプリント配線板やリードフレーム等の作成に用いられる感光性樹脂積層体及びレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板作製用のレジストには、支持層と感光性樹脂組成物層から成る感光性樹脂積層体、いわゆる、ドライフィルムレジスト(以下、DFR、という)が広く利用されている。DFRは、一般に支持層上に感光性樹脂組成物層を積層し、多くの場合、さらに該組成物層上に保護層を積層することにより調製される。DFRの感光性樹脂組成物には、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のものが一般的に用いられる。
【0003】
DFRを用いてプリント配線板を作製するには、保護層がある場合には、これを剥離した後、金属板又は銅張り積層板等の永久回路作成用基板上にラミネーター等を用いてDFRをラミネートによって積層し、配線パターンを有するフォトマスクを通して紫外線露光を行う。露光後、支持層を剥離し、現像を行う。現像工程では、弱アルカリ水溶液によりDFRの未露光部が溶解、除去され、基板上には配線パターンフォトマスクを通した紫外線露光により硬化したレジストパターンのみが残る。
【0004】
次に、硬化したレジストパターンをマスクとして、基板の金属表面にエッチング又はめっきによる処理を行う。
最後に、硬化したレジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ水溶液を用いて剥離して、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板やリードフレーム等を作製する。
最近では、プリント配線板の高集積化及び回路の微細化の観点から、レジストパターンの解像性及び密着性に優れること、また、生産性の観点からは、硬化したレジストパターンの剥離性が良好なことが要求されている。
【0005】
DFRのエッチング工法によりファインな回路を形成する為には、レジストパターンを形成するDFRの厚みを抑え、エッチング液の流れを良くし、エッチングの効率を上げる事が有効である。上記理由により、エッチング工法に用いられるDFRは、年々薄膜化の傾向にあり、最近では、膜厚が30μm以下のものが多く使用されるようになっている。
しかし、DFRを薄膜化することにより、次の二つの問題が発生する。
【0006】
一つ目の問題は、追従性と呼ばれる性能の悪化である。
特に最近は、配線の更なる高集積化のため、ビルドアップ工法等によるプリント配線板の多層化が進んでいる。多層化が進むと、内層の配線やバイアホールの影響から基板上に凹凸が現れる。このような基板では、DFRをラミネートしたときに、感光性樹脂組成物層が基板上の凹凸を充分に埋めることができず、空隙を生じることがある。エッチング時にはこの空隙にエッチング液が侵入し、断線、欠け等の不良が起きてしまう。この凹凸を埋める性能を追従性と呼ぶ。
【0007】
追従性は感光性樹脂組成物層の厚みに大きく依存することが分かっており、DFRの薄膜化は、この追従性の著しい悪化を招くことになる。
上記追従性の悪化を防ぐために、感光性樹脂組成物層の流動性を上げ、柔らかくする方法がある。しかし、DFRは、三層構造のロール状態で保存されるため、感光性樹脂組成物層が柔らかい場合には、保存時にロール端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す、いわゆる、エッジフューズという現象が起こる。はみ出した感光性樹脂組成物は、ラミネート時等に基板やマスク等に付着し、ショート等の不良を誘発するという問題がある。
【0008】
二つ目の問題は、テント信頼性の悪化である。
エッチング工法では、基板の貫通孔(スルーホール)に対して、硬化レジスト膜で覆うことにより貫通孔内の金属を残し、基板両面の導通を確保することができる。この工法は、テンティング法と呼ばれる。テンティング法に用いられるDFRには、現像時やエッチング時に貫通孔を覆う硬化レジスト膜(テント膜と称す)が破損しないことが求められる。DFRを薄膜化するとテント膜強度が下がり、信頼性が低くなりやすい傾向がある。
【0009】
上述のごとく、基板上の微細な回路形成に対応した30μm以下の薄膜DFRにおいて、レジストパターンの良好な解像度、密着性及び剥離性を維持しつつ、十分な追従性とテント信頼性を有し、かつ、エッジフューズ性に優れた性質を有することは、きわめて重要かつ困難であり、問題の解決は急務であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の問題点を克服し、レジストパターンの解像度、密着性及び剥離性に優れるとともに、十分な追従性とテント信頼性を有し、かつ、エッジフューズ性に優れた性質を兼ね備える感光性樹脂組成物、それを用いた感光性樹脂積層体、及び上記感光性樹脂積層体によるレジストパターンの形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、一般式(I)の成分を必須成分とする光重合性モノマーを含有する感光性樹脂組成物を用いることで課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1) 支持層と感光性樹脂組成物層からなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂組成物層が(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)下記一般式(I)で示される化合物を含む光重合性モノマー及び(c)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂積層体。
【0012】
【化2】
Figure 0004048057
【0013】
(式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、これらは同一であっても相異なってもよい。R3及びR4の少なくとも一方は、脂環式、芳香族又は複素環式の環状構造を有し、環状構造を有しない場合は、アルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基である。nは、1.5〜2.0である。)
【0014】
(2) (1)に記載の感光性樹脂積層体を用いて、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光し、現像してなるレジストパターンの形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明における支持層は、活性光を透過する透明なものが望ましい。このような活性光を透過する支持層の具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0016】
本発明における支持層の厚みは、解像性及び経済性の観点から、30μm以下が好ましく、強度を維持する必要から、10μm以上が好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物層は、(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤を含有する。
【0017】
本発明における感光性樹脂組成物層の(a)アルカリ可溶性樹脂には、従来のプリント配線板用のDFRに使用されている公知の重合体を使用することができる。例えば、カルボン酸含有ビニル共重合体等のアクリル系樹脂、フェノール樹脂やクレゾールノボラック樹脂にカルボキシル基を導入したフェノール系樹脂、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、メチルセルロースフタレート等のカルボキシル基を導入したセルロース系樹脂、エポキシ樹脂に酸無水物を反応させたエポキシ系樹脂、ポリウレタンにカルボキシル基を導入したウレタン系樹脂、スチレンもしくはビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体とその誘導体等が挙げられる。上記アルカリ可溶性樹脂のなかでは、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の中でも、カルボン酸含有ビニル共重合体がより好ましい。
【0018】
カルボン酸含有ビニル共重合体とは、α、β−不飽和カルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の第1単量体と、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドとその窒素上の水素をアルキル基又はアルコキシ基に置換した化合物、N−ビニルピロリドン、スチレン及びスチレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルの中から選ばれる少なくとも1種の第2単量体をビニル共重合して得られる化合物である。
【0019】
カルボン酸含有ビニル共重合体に用いられる第1単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸半エステル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。カルボン酸含有ビニル共重合体における第1単量体の割合は、アルカリ水溶液による現像性の観点から、カルボン酸含有ビニル共重合体中に15質量%以上含まれることが好ましく、合成上の観点、そして光重合性モノマーとの相溶性の観点から、40質量%以下が好ましく、その割合が、20質量%以上35質量%以下であれば、より好ましい。
【0020】
カルボン酸含有ビニル共重合体に用いられる第2単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。カルボン酸含有ビニル共重合体における第2単量体の割合は、カルボン酸含有ビニル共重合体中に60質量%以上85質量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは、65質量%以上80質量%以下である。
【0021】
カルボン酸含有ビニル共重合体の重量平均分子量は、露光後の硬化膜の強度を保つという観点より2万以上、塗工性を良好に維持するという観点より50万以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、3万以上25万以下である。この場合の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した重量平均分子量のことである。
【0022】
カルボン酸含有ビニル共重合体の合成方法は、単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら、合成する場合もある。反応終了後に、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外にも、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いてもよい。
【0023】
本発明における感光性樹脂組成物層の(a)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量(感光性樹脂組成物の固形分の全質量、以下同じ。)基準で、アルカリ現像液に対する分散性及び現像時間の観点から20質量%以上、レジストとしての耐性の観点から80質量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは、30質量%以上60質量%以下である。
本発明における感光性樹脂組成物層の(b)光重合性モノマーは、一般式(I)で示される光重合性モノマーを含むことを特徴とする。
【0024】
以下、一般式(I)で示される光重合性モノマーについて説明する。
一般式(I)で示される光重合性モノマーは、R3の構造を有するジカルボン酸と、R4の構造を有するジオールとを公知の方法により重縮合した化合物と、アクリル酸、メタクリル酸等とのエステル化反応により得ることができ、R3とR4のうち少なくとも一方は、脂環式、芳香族又は複素環式の環状構造を有し、環状構造を有しない場合は、アルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基を有する。
【0025】
3とR4のうち少なくとも一方が有する脂環式、芳香族又は複素環式の環状構造としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の単環式炭化水素構造、ベンゼン、トルエン、クメン、シメン等の芳香族単環式炭化水素構造、インデン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン等の縮合多環式炭化水素、ノルボルネン、ビシクロ[2.1.0]ペンタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン等の橋かけ炭化水素構造、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン等のスピロ炭化水素構造、フラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、ピロリジン、ピラン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、メラミン、イソシアヌル酸エステル等の複素単環式構造、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ジベンゾフラン、カルバゾール、アクリジン等の縮合複素環式構造、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ及びδ−バレロラクトン、ε−カプロラクタム等のラクトン、ラクタム構造等が挙げられる。
【0026】
上記環状構造は、置換基を有していても良いし、置換基を有していなくとも良い。上記環状構造が置換基を有する場合の置換基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基等が挙げられる。
【0027】
3が環状構造を持つ場合の合成に用いるジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,4−エポキシシクロヘキサン−2,3−ジカルボン酸等が挙げられる。中でも、芳香環式の環状構造を有するジカルボン酸が好ましく、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のフタル酸及びその誘導体が、より好ましい。
【0028】
4が環状構造を持つ場合の合成に用いるジオールとしては、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、o−ジヒドロキシベンゼン、m−ジヒドロキシベンゼン、p−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフェニル−4,4′−ジオール等が挙げられる。R 3 が環状構造を有する場合、R4はアルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基が好ましく、R4が環状構造を有する場合、R3はアルキレン基が好ましい。
【0029】
3及びR4がアルキレン基である場合には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、メチルエチレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基等が挙げられる。一般式(I)で示されるモノマーの粘度の観点から、アルキレン基の炭素数は10以下が好ましい。
【0030】
3及びR4が(ポリ)アルキレンオキシド基である場合には、例えば、(ポリ)メチレンオキシド基、(ポリ)エチレンオキシド基、(ポリ)プロピレンオキシド基、(ポリ)ブチレンオキシド基等が挙げられる。具体的には、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、テトラメチレンオキシド基、ペンタメチレンオキシド基、ジエチレンオキシド基、トリエチレンオキシド基、テトラエチレンオキシド基、ペンタエチレンオキシド基、ジプロピレンオキシド基、トリプロピレンオキシド基、テトラプロピレンオキシド基、ペンタプロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基、ジブチレンオキシド基等が挙げられる。一般式(I)で示されるモノマーの粘度の観点から、(ポリ)アルキレンオキシド基中の炭素数は10以下が好ましい。
【0031】
4アルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基である場合の合成に用いるジオールには、エチレングリコール、グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ネオペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレンジオールが挙げられ、ポリアルキレングリコールがより好ましく、ポリエチレングリコールが更に好ましい。
【0032】
3がアルキレン基である場合の合成に用いるジカルボン酸には、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
上述の様に、R3及びR4の一方が環状構造を有している場合、他方はアルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基が好ましいが、R3が環状構造を有し、かつ、R4がアルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基である場合がより好ましい。
【0033】
さらに、R3が芳香環式の環状構造を有し、かつ、R4が(ポリ)アルキレンオキシド基である場合が最も好ましく、具体的なジカルボン酸とジオールの組み合わせとしては、フタル酸とエチレングリコールの組み合わせが更に好ましい。
【0034】
一般式(I)中の重合度nは、1.5〜2.0である。本発明における重合度nは、R3の構造を有するジカルボン酸と、R4の構造を有するジオールの仕込みモル数により、下記式により定義される平均重合度である。
n/(n+1)=(R3の構造を有するジカルボン酸の仕込みモル数)/(R4の構造を有するジオールの仕込みモル数)
重合度nは、良好なエッジフューズ性を維持するという観点から1.5以上であり、かつ、バインダーポリマーもしくはその他のモノマーとの相溶性を保つという点で、2.0以下である。
【0035】
一般式(I)で示される光重合性モノマーの感光性樹脂組成物における含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、追従性の観点から5質量%以上が好ましく、感光性樹脂組成物層の金属基板との密着性が低下するという観点から40質量%以下が好ましく、更に好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
【0036】
(b)光重合性モノマーにおいて、一般式(I)で表される化合物以外の光重合性モノマーには、公知の化合物を使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレート、1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
【0037】
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ノナプロピレングリコール、ビス(テトラエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、ビス(ジエチレングリコールアクリレート)ポリプロピレングリコール、4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコールテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート等のフェノール基を有する分子内に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にエチレンオキシド鎖を含む化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にプロピレンオキシド鎖を含む化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にエチレンオキシド鎖を含む化合物、及びビスフェノールA系(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子中にエチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖の双方を含む化合物等が挙げられる。
【0038】
さらに、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物と、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアクリレート化合物とのウレタン化化合物等も用いることができる。また、アロニックス(登録商標)M−8060(東亞合成(株)製)のようなオリゴエステルアクリレートを用いることもできる。
【0039】
さらに、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートトリアクリレート、及び、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート等、分子内にイソシアヌレート環を有するモノマー等も用いることができる。
【0040】
中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アロニックス(登録商標)M−8060(東亞合成(株)製)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、及び、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートが好ましい。
【0041】
これら一般式(I)以外の光重合性モノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(I)以外の光重合性モノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、感光性樹脂組成物の硬化性及びレジスト強度の観点から10質量%以上、エッジフュージョンの観点から70質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以上50質量%以下である。
【0042】
本発明における(c)光重合開始剤には、一般に公知な光重合開始剤を用いることができる。
(c)光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジフェニルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4−フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の芳香族ケトン類、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス( p−メトキシフェニル)イミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、α、α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルグリシン、N−フェニルグリシン、さらに、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、2,3−ジオキソ−3−フェニルプロピオン酸エチル−2−(o−ベンゾイルカルボニル)−オキシム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、p−ジイソプロピルアミノ安息香酸、これらのアルコールとのエステル化物、及びp−ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0043】
(c)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で、感度を十分に持たせるという観点より0.01質量%以上、感光性樹脂組成物層の底の部分の硬化性の観点より20質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
上記(c)光重合開始剤の中でも、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のp−アミノフェニルケトン類と、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(p−メトキシフェニル)イミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物を組み合わせて用いることが好ましい。
【0044】
上記の組み合わせの場合、十分な感度を得るためには、p−アミノフェニルケトン類を0.01質量%以上、ビイミダゾール化合物を0.1質量%以上用いることが好ましい。更に、十分な密着性を維持するためにp−アミノフェニルケトンは1質量%以下がより好ましく、良好な現像凝集性を保つためにビイミダゾール化合物は6質量%以下がより好ましい。
【0045】
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物に重合禁止剤を含有させることは好ましいことである。このような重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
【0046】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。このような着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイトブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイヤモンドグリーン等が挙げられる。
【0047】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物に光照射により発色する発色系染料を含有させることもできる。このような発色系染料としては、ロイコ染料又はフルオラン染料と、ハロゲン化合物との組み合わせがある。ここで用いられる染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。一方、また、ビイミダゾール化合物とロイコ染料との組み合わせや、トリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせも有用である。このようなトリアジン化合物の例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
【0048】
本発明の感光性樹脂積層体は、支持層上に本発明の感光性樹脂組成物をバーコーター等で均一に塗布し、乾燥させることにより、感光性樹脂組成物層を形成し、さらに必要に応じて保護層を順次積層することにより得られる。
本発明の感光性樹脂組成物層の厚みは、エッチング後の十分な解像度を得る観点から30μm以下が好ましく、膜強度の観点から5μm以上が好ましい。より好ましくは、10μm以上25μm以下である。
【0049】
感光性樹脂組成物層についで保護層を積層する場合、保護層に必要な特性は、感光性樹脂組成物層と支持層との密着力よりも、感光性樹脂組成物層と保護層の密着力が充分小さいことである。これにより、保護層が容易に剥離できる。用いられる保護層としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムや、ポリエステルフィルム等が挙げられる。保護層の膜厚は、10μm以上50μm以下が好ましい。
【0050】
次に、本発明の感光性樹脂積層体を用いて、プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。製造工程は、通常は、次の(A)〜(E)からなり、順次行う。
<工程>
(A)ラミネート工程:感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながら基板上にホットロールラミネーターを用いて密着させる。
(B)露光工程:所望の配線パターンを有するフォトマスクを介して、活性光線源を用いて感光性樹脂組成物層に露光を施す。支持体を剥離して露光しても良いし、支持体がついたまま露光してもよい。
(C)現像工程:支持層が残っている場合にはこれを剥離した後、アルカリ現像液を用いて感光性樹脂組成物層の未露光部分を溶解又は分散除去、レジストパターンを基板上に形成する。
【0051】
(D)回路形成工程:形成されたレジストパターン上からエッチング液を吹き付けレジストパターンによって覆われていない銅面をエッチングするエッチング工程、又はレジストパターンによって覆われていない銅面に銅、半田、ニッケル、金及び錫等のめっき処理を行うめっき工程がある。
(E)剥離工程:レジストパターンを、アルカリ剥離液を用いて基板から除去する。用いられるアルカリ剥離液としては、一般的に、現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液、例えば、濃度1〜5質量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミンの水溶液が挙げられる。
セミアディティブ工法等、めっき工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングする場合もある。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0052】
【実施例1〜4、比較例1〜3】
表1に示す組成物を均一に溶解し、混合溶液を得た。表1中の記号については、下記の<記号説明>に示す。得られた混合溶液を、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持層)にバーコーターを用いて均一塗布した。これを90℃の乾燥機中で約2分間乾燥して感光性樹脂組成物層の厚み20μmの感光性樹脂積層体を得た。その後、感光性樹脂組成物層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に30μmのポリエチレンフィルム(保護層)を張り合わせて感光性樹脂積層体を作製した。
【0053】
解像度及び密着性を評価するために、上記で得た感光性樹脂積層体を用いて、次に示す(イ)〜(ハ)の工程によってレジストパターンを作成した。
<レジストパターン作成方法>
(イ)ラミネート
35μm圧延銅箔を積層した銅張積層板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム社製、スコッチブライト(登録商標)#600、2連)し、得られた感光性樹脂積層体を、この銅面に感光性樹脂組成物層が面するようにポリエチレンフィルムを剥がしながらホットロール式ラミネーターによりエア圧力0.35MPa、ラミネート速度3m/min、ロール温度105℃でラミネートした。
(ロ)露光
マスクフィルムを通して、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所HMW−801)により感光性樹脂組成物層を80mJ/cm2で露光した。
(ハ)現像
ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去した後、1%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を最小現像時間の二倍の時間スプレーして未露光部分を溶解除去し、感光性樹脂組成物層をパターニングした。最小現像時間は、感光性樹脂組成物層の未露光部を溶解除去できる最小時間を測定し決定した。
【0054】
なお、実施例における(1)エッジフューズ性、(2)追従性、(3)テント膜信頼性(テント膜強伸度物性)、(4)剥離性、(5)解像性、(6)密着性は、以下に示す評価方法を用いて評価した。
(1)エッジフューズ性
感光性樹脂積層体を20℃、湿度50%でロール状で保管し、ロール端面からの感光性樹脂組成物の染み出しの有無により、以下のランク付けにより評価した。
○:20日以上端面からの染み出しなしで保存可能。
×:20日未満端面からの染み出しなしで保存可能。
【0055】
(2)追従性(断線率)
溝付き銅張積層基材の作成方法は、次のように行った。35μm厚みの圧延銅箔を積層した銅張積層版に、あらかじめ、市販のDFRで、最大深さ5.5μmの溝を形成し、溝付き銅張積層基材を得た。溝幅は、最小60μmから10μおきに変化させて、最大210μmまで、16種類とした。
この溝付き銅張積層基材上に、前述の感光性樹脂積層体を、エア圧力0.10MPa、ラミネート速度3.5m/min、ロール温度105℃でラミネートして積層し、露光し、現像してレジストパターンを形成した。この際、溝上に直行してラインパターン(ライン幅75μm)が形成されるようなマスクフィルムを用いた。そして、液温50℃の塩化第二銅溶液を70秒間スプレーし、レジストパターンが無い部分の銅をエッチングした後、レジストパターンを剥離して、導体パターンを得た。
【0056】
次に、溝上で導体パターンが断線していない箇所と断線している箇所を数え、それぞれその数をx、yとした。次の計算式により断線率(%)を計算し、以下の方法によりランク付けした。
断線率(%)=100y/(x+y)
○:断線率が30%未満
△:断線率が30%以上50%未満
×:断線率が50%以上
【0057】
(3)テント膜信頼性(テント膜強伸度物性)
厚さ1.6mmで、35μm厚みの圧延銅箔を積層した、6mmφの穴があいている基材に、感光性樹脂積層体を両面にラミネート、露光、現像した。そして、この穴の部分の膜の強度及び伸度を1.5mmφの挿入径の円柱を用いてテンシロン(オリエンテック社製RTM−500)により測定し、応力―ひずみ曲線から、膜の破砕に要したエネルギーを求めた。エネルギーが2mJ以上を〇、2mJ未満を×と判定した。
【0058】
(4)剥離性
最適露光量により全面露光した5cm角の積層板を苛性ソーダ水溶液(50℃、3質量%)に浸せきし、剥離に要した時間を計測した。20秒以上を〇、20秒以下を×と判定した。
(5)解像性
解像度マスク(ストライプ状、レジストライン:スペース部分=1:1)を用いて最適露光量で露光し、最小現像時間(上述)の2倍の現像時間で現像して、レジストパターンを得た。現像後の残っているレジストライン幅が±20%以内の精度で形成されている最小ラインを求めた。この最小ラインが20μm以下の場合を○、20μmを超える場合を×と判定した。
【0059】
(6)密着性
パターンマスク(独立ライン)を用いて最適露光量で露光し、最小現像時間の2倍の現像時間で現像して、レジストパターンを得た。現像後の残っているレジストライン幅が±20%以内の精度で形成されている最小ラインを求めた。この最小ラインが20μm以下の場合を○、20μmを超える場合を×と判定した。
なお、比較例1〜3は、下記のように本件発明の構成要件を備えていないものである。
【0060】
比較例1及び2は、(b)光重合性モノマーの一般式(I)の重合度nが好適範囲を外れているため、(b)光重合性モノマーの要件を欠いている。
比較例3は、(b)光重合性モノマーに一般式(I)で表される化合物を用いておらず、従来用いられる光重合性モノマーを用いているため(b)光重合性モノマーの一般式(I)の要件を欠いている。
【0061】
<記号説明>
P−1:メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸n−ブチル(質量比が70/23/7)の共重合体(酸当量374,重量平均分子量8万)の30%のメチルエチルケトン溶液。
M−1:一般式(I)において、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合化合物(重合度n=1.7)のジアクリレート(粘度2700mPa・sec)。
M−2:一般式(I)において、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合化合物(重合度n=1.2)のジアクリレート(粘度450mPa・sec)。
これは、重合度nが好適範囲を外れたものである。
【0062】
M−3:一般式(I)において、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合化合物(重合度n=2.2)のジアクリレート(粘度7700mPa・sec)。これは、重合度nが好適範囲を外れたものである。
上記M−1、M−2、M−3の粘度は、E型粘度計(トキメック(株)製、VISCONIC ED形)により25℃で測定した。
M−4:ノナエチレングリコールジアクリレート
M−5:2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン
【0063】
M−6:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
M−7:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
M−8:ペンタエリスリトールトリアクリレート
M−9:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート
M−10:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート
M−11:アロニックス(登録商標)M−8060(主成分:オリゴエステルアクリレート、東亞合成(株)製)
M−12:4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート
【0064】
I−1:4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
I−2:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体
D−1:マラカイトグリーン
D−2:ロイコクリスタルバイオレット
【0065】
【表1】
Figure 0004048057
【0066】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂積層体は、レジストパターンの解像度、密着性及び剥離性に優れるとともに、十分な追従性とテント信頼性を有し、かつ、エッジフューズ性に優れた性質を兼ね備えるため、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板及びリードフレーム等の作成に極めて有効である。

Claims (2)

  1. 支持層と感光性樹脂組成物層からなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂組成物層が(a)アルカリ可溶性樹脂、(b)下記一般式(I)で示される化合物を含む光重合性モノマー及び(c)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂積層体。
    Figure 0004048057
    (式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、これらは同一であっても相異なってもよい。R3及びR4の少なくとも一方は、脂環式、芳香族又は複素環式の環状構造を有し、環状構造を有しない場合は、アルキレン基又は(ポリ)アルキレンオキシド基である。nは、平均重合度であり、1.5〜2.0である。)
  2. 請求項1記載の感光性樹脂積層体を用いて、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光し、現像してなるレジストパターンの形成方法。
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