JP4047391B2 - 不純物のない全血に基づいたミクロ病理学的患者レプリカ - Google Patents
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Description
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、微生物病理学の分野に関し、特に、患者の全血を使用する新規の微生物培養方法およびそれに伴う装置に関する。
2.関連先行技術の説明
Madigan, Martinko,and Parker著の微生物学の教科書「微生物の生物学(Biology of Microorganisms)」から、「医療における微生物学者のもっとも重要な活動は、感染病を引き起こす物質を分離し、同定することである」と知っている。これは、現在の慣習では純粋培養方法と呼ばれ、患者の検体または血液を培養することによって進行し、それによって、病原体を分離して同定し、結果として得られる接種物を使用して純粋な培養物を作り、これは次いで、抗生物質または他の薬剤に対する感受性を検査することができる。
この古典的な方法から多くのことを学んできたが、これには大きな限界がある。1人の患者内のすべての異なる微生物の複雑な相互関係は、その宿主内で有用な要素および有害な要素でありながら、全体の一部としてはみなされない。研究においては、部分を研究することは有用であるが、個々の患者を効果的に治療するためには、問診時に、その個人全体を考慮しなければならない。人間は混合培養系であり、純粋な培養体は、患者を治療するのに必要な情報を医者に与えないことを認識しなければならない。これは、我々が現在経験しているように、病原体が抗生物質に対して耐性を有し、より有毒になるときに、致命的である。
この問題は微生物学では長い間認識されてきたが、ブロス培養および混合培養は複雑すぎ、且つ難しすぎるため、取り扱うことはできないとみなされた。寒天培地は使用するのが難しく、血餅は扱うのが難しく、そのため抗凝血薬が日常的に使用されている。さらに、ラボは距離的に遠いため、保存薬および冷蔵が必要である。このようにして、人工的な状態、便利への欲求、および純粋な培養体に対する信頼によって、我々の時代の疾病に対して効果的に対応することがあまりできない。
ここに記載された方法は、個人全体を考慮し、接種物ではなく、全血と検体とを使用し、病原体を同定または分離するために止まらず、治療に直接進む。この方法は、微生物学/病理学(ミクロ病理学)の基本的簡略化である。ここに記載された装置によって、この方法を便利に使用することができ、危険な可能性のある患者の血液から職員を保護することができる。患者が抗生物質を適用されるかどうかまたどの抗生物質が適用されるかを実際に決定することができる方法を利用することによって、抗生物質および他の薬剤を処方する方法を変えることができる。
問題
人間は、病原体、すなわち、細菌、ウイルス、原生動物、真菌、酵母等の微生物によって病気になる。たとえば化学薬剤、および例としてペニシリン等の抗生物質等の治療的物質を使用して、病原体の生長を阻止し、または病原体を殺す。特定の抗生物質に対する所与の病原体の既知の感受性によって、その抗生物質でまたは治療の蓋然性の高い療法と組み合わせて、患者を治療することができる。医者のジレンマは、どの抗生物質または薬剤が効果的であるかをどのように決定するかである。どの抗生物質かを考慮する前でさえ、医者は、抗生物質が適用されるかどうかを決定しなければならない。ウイルスおよびアレルギーは、細菌性感染を模倣する可能性があるが、抗生物質によっては助けられず、症状を実際に悪化させることもある。さらに、抗生物質の不必要な処方が、病原体に耐性を生じさせる原因の一部である。
現在、典型的な症状の患者は、過去に効果のあった抗生物質で治療される。しかし、多くの病原体は、以前効果のあった抗生物質に対して耐性を得ている。現在の技術は、医者に、抗生物質が適用されるかどうかを、または、多くの古い抗生物質または新しい抗生物質のどれが効果的であるかを、医院内で決定する実際的な手段を提供しないため、医者は、普通、経験に基づいて推測し、有効であることを期待して、ひとつを選ぶにすぎない。患者は、効果の基準になる。今日、ますます頻繁に、かつて効果的であった抗生物質が患者にきかなくなっている。あるいは、医者は、血液を取るかまたは、患者の尿、便、喉スワブ、痰、脳脊髄液または膿から検体を取ることができ、これをラボへ送り、培養し、任意の発見された病原体の抗生物質への感受性を決定する。または、医者は、患者をラボ収集センターへ送り、適切な検体を収集することができる。
現在、ラボは高度に自動化されている。自動技術および専門人員は非常に高価であり、結果として1つの中央ラボが多くの周辺収集センターを備えることになる。したがって、実際のラボは、医者または患者から距離的に遠いことが多く、検体が送られるのにかなりの時間を必要とする。したがって、血液および検体は、受領され検査が開始されるまで、通常、冷蔵される。通常、抗凝血薬、保存薬等の血液に対する添加剤も使用される。ラボが遠いことにより、体温(自然なヒトの状態)で新たに採取した不純物のない全血および新鮮な検体を、培養および感受性検査に使用することはできない。
現在、ラボにおいて、血液以外の検体は、無菌培養培地に置かれ、通常は皿に入れた寒天が使用され、疾病を引き起こす病原体を生長させる。病原体の疑いのあるコロニーが同定され、医者に報告され、医者は、次いで、その種の微生物に対する既知の過去の感受性に基づいて薬剤を処方することができる。研究はさらに続けられてもよい。コロニーは分離され、接種物は無菌寒天皿へ送られて、再培養され、次いで、この純粋な培養物は特定の病原体に対する感受性が検査されることができる。残念ながら、純粋な培養物を得るために必要なステップは、かなり余計な時間がかかる。
血液を培養するときには、液体生長培地またはブロスを使用して、血液と培地とを完全に混合することができる。しかし、液体状態はそれ自体の限界がある。血液は培地に完全に混合され、病原体コロニーをより容易に同定できるスペース内に含まれてはいない。また、ブロスでは、寒天によって提供されるような、患者の検体で筋をつける固い表面がない。また、検体がブロスおよび血液に加えられる場合、生長する微生物もあるが、生長に空気が必要な病原体は生長を妨げられる可能性があり、したがって、特別なステップを取ってブロスに酸素を供給しなければ、発見することはできない。また、大半の市販の液体血液培養培地は、血液が凝固し凝集するのを防止するために、抗凝血薬を含む。したがって、抗凝血薬のない全血がラボに送られたとしても、培養培地が自然の状態を変えてしまい、人工的添加物のない代理宿主を作ろうという試みは失敗する。本発明の方法は、自然に凝固することによって妨害されない。
現在、ブロスから生長した病原体は同定され、分離され、容器に移され、そこで、抗生物質感受性の検査を初めとして、微生物のコロニーを制御された状態で操作することができる。多くのステップと、多くの時間、労働力および専門知識が必要である。したがって、この方法は、もっとも重篤な、通常入院している患者以外にはほとんど使用されない。
現在、病原体の生長および抗生物質の感受性のために、患者の不純物のない全血を、寒天等の培養培地に混合し、検体を加える方法は使用されていない。血液を培養培地に直接加えることを軽減するいくつかの要因がある。寒天は、取り扱うのが難しく、温度の変化により、固くなるか、または液化するかのいずれかである。加熱が必要な場合、血液中の多くの病原体が死に、後に発見することはできない。抗生物質に対する感受性を検査する注入プレートを作るために、接種物が45+℃で寒天に加えられ、この場合、最低温度の寒天でさえ液体である。この温度は人体には不自然であり、したがって、通常の体温、35〜37℃で繁殖する多くの病原体が死ぬ。脆弱な嫌気性病原体といくつかのウイルスが、空気との接触により死ぬ。他の脆弱な微生物は、スライド上で染色されるときに死ぬ。このようにして、現在の技術は、多くの脆弱な病原体を容易に培養して同定することができない。
ヒトの血液の取り扱いには、B型肝炎、エイズ(HIV)等の致命的な病原体というこの時代のリスクが伴う。寒天の表面が患者の検体で覆われ、患者の血液が、たとえばシリンジ/または針等の現在の手段を使用して寒天に混合された場合、職員は、針が刺さるリスクおよび患者の病原体にさらされる。このリスクを回避するまたは少なくする装置がここに記載される。
現在、様々な強度で、異なる抗生物質を染み込まされた小さなペーパーディスクを、病原体が生長する寒天の表面上に、1回に1つずつ、手で置くことができる。特定の病原体がディスク上の抗生物質に感受性がある場合、病原体が死ぬかまたは抑制されるため、ディスクのまわりに明らかな「抑制ゾーン」が現れる。これは、医院における実際的な方法ではなく、したがって、現在はほとんど使用されていない。ラボでは、多くのディスクを、特別な機械によって同時に寒天の表面上に置くことができる。しかし、ラボは、血液および検体が新鮮で微生物とともに生きているところではない。全血および検体が新鮮であり、脆弱な生物を培養することができる医院で、抗生物質検査を簡略化する簡単な装置がここに記載されている。
Breukerによる米国特許第4,421849号は、微生物をスクリーニングする方法もしくは同定する方法であって、互いに接するが、膜フィルターにより分離される培養培地の二つの層を供給することにより、その結果、生物が一つの層に移植されると、その生長の産物が検出のためのもう一方の層に拡散する方法を記載している。この文献は、血液もしくは細胞が、ポートもしくはその他のエントリー・メカニズムにより注入される断絶を教示していない。Carpenterによる米国特許第2,144,255号およびLabartheによるフランス特許第2639957号は、このようなエントリー・メカニズムを教示しているが、そのメカニズムは断絶と関連していない。
Terasakiによる米国特許第3,692,493号は、血液構成要素の分離を成し遂げる、連続して接続された別々の容器とともに、仕切られた混合用の運送バッグを開示する。バッグインバッグの形態をとるが、より広くはコンテナーインコンテナーを包含する、ある程度似た装置がここには開示されている。この装置は、患者の細胞および/または血液を、培養培地およびその他の添加剤と合わせて、運送の間の更なる使用のために血液もしくは細胞を調製することが意図されている。
Heffernanによる米国特許第4,187,861号は、単一の栓を有する柔軟な血液管を開示している。これは、本出願により開示された柔軟な血液管にある程度似ているが、本出願の弁の配置を示していない。
現在の技術の不利点
(a)現在の微生物学的技術は、抗生物質が適用されるか否か、もし適用されるならばどの抗生物質かを決定する実際的な手段を医者に提供しない。したがって、患者には、しばしば、ウイルスであることが判った感染を治療するか、または、二次細菌感染の可能性を少なくとも抑制するということを期待して、効果的であった抗生物質が与えられている。しかし、抗生物質および類似薬を軽率に使用すると、患者はこれらの薬に対してアレルギーになり、一方、微生物は耐性を有する。2つの危険な成り行きがある:患者は感染から治癒しない;患者は、知らずにキャリアになり、耐性のある病原体を伝染させる可能性のある宿主になる。患者レプリカを作るために自然に増強された培地を使用する方法によって、個別の患者に使用するための正しい薬(すなわち抗生物質の感受性)を決定することができる。これは、所与の抗生物質に対して病原体がどのように反応するかに影響を与える、患者の血液内の既知および未知の両方の要因が、抗生物質の感受性を決定するこの新規な方法では自動的に考慮されるからである。
(b)患者の不純物のない全血は、凝固し、即座に分解するため、取り扱うのが困難である。したがって、抗凝血薬および保存薬等の添加剤、および冷蔵が現在使用されているが、これは、血液の自然の状態を変え、それから培養することができるものを限定する。ここに記載された方法は、付随の装置とともに、この欠点を有さない。
(c)検体は、分析のために日常的にラボへ送られるが、多くの病原体は脆弱であり、その輸送の間に、生きながらえない。サンプルは、医院で取られ、無菌容器でラボへ運ばれるが、自然の状態下ではない。培養過程が始まる前にかなりの時間が経過する。これらの異常な状態下で生きながらえて複製するほど十分に頑強ではない病原体は、同定することができない。
(d)多くの病原体は、現在、通例使用されている培養培地では生長しない。たとえば、加熱されて鉄を放出したヒツジの血を培地に混合して、これはチョコレート寒天と称されるが、一定の病原体の生長を容易にする。無菌性は保持することができる。しかし、無菌の、死んだヒツジの血は、体温で新しく採血した不純物のないヒトの全血を再現せず、特に、患者が特定の疾病を患っているときに、その特定の患者の血液のすべての異なる要素を再現するわけではない。
また、液体生長培地、すなわちブロスは、通常、抗凝血薬が加えられており、それによって、血液の複雑な自然状態を変える。抗凝血薬が一定の割合でブロス内の微生物を殺すことは知られている。したがって、現在のブロス法は、選好性生物の血液培養を妨げる可能性がある。
別の型の寒天も、その構成要素の1つとして血液を使用する。しかし、この血液は患者の血液ではなく、必ずしもすべての自然要素を含まず、加熱されて無菌であり、したがって、疾病の特定のときのその特定の患者のレプリカではあり得ない。標準注入プレート法は、接種物を45+℃の寒天に加え、それによって、体温、すなわち35〜40.5℃の範囲外では生きながらえることができない多くの脆弱な微生物を殺す。患者の血液が40.5℃を超えて加熱される場合、血液は分解を開始し、また無菌になり、そのため、病原体を培養するという試みは失敗する。
(e)ラボで生長する病原体は、必ずしも常に患者内で、過去の一般的経験が示すものと同一に反応するわけではない。上述のように、病気の患者は、独特な要素の混合を有し、その大半が医者には未知である。多くの人々に効果的である可能性のある抗生物質が他の人々には効果がない可能性があり、現在の技術は、患者を使用する以外、これを決定する方法を提供しない。しかし、即座に効果的な抗生物質をもっとも必要とする患者は、実験のこの方法に最も耐えることができない。
(f)うまくいったときでさえ、純粋培養の現在の技術、すなわち特定の同定および分離は、いずれの抗生物質が効果的であるかを決定するために多くの時間を必要とする。少数の患者にとっては、1日の時間があれば生命が助かる可能性がある。エイズ等の慢性病の多くの患者にとっては、二次感染を効果的に治療することによって死亡率を下げることができる。すべての患者にとって、効果的な抗生物質または薬剤の決定が1目早ければ、1日だけ疾病が悪化しなくなる;付随するコストとリスクとを伴う入院を避けることができる。少なくとも、患者は、仕事に戻ることも含めて、活動的な生活を早期に再び開始することができる。効果的な治療の遅れは、個人的にも国家的にも、非常に高くつく。
(g)現在、多くの患者が、既に抗生物質、薬剤等を服用し始めてから検査される。現在服用している薬剤が病原体を抑える可能性があり、純粋培養で分離することを困難または不可能にするため、これは問題であるとみなされる。ここに記載した方法および装置では、服用しているいずれの薬剤も含めて、患者の現在の自然な状態が望ましい。純粋培養物を得ることは、もはや絶対的な目標ではない;しかし、従来の同定および感受性検査も、本発明を使用する2つのステップで依然として行うことができる。
(h)現在、腫瘍を身体から除去するときに、腫瘍は、調べられたり培養されたりする前に、冷凍、冷蔵、保存溶液等、通常、何らかの方法で手を加えられる。したがって、腫瘍細胞または患者の細胞または他の要因の検査は、不正確であるかまたは不完全である。ここに記載した方法および装置は、自然状態にあり自然状況下の検体を使用し、そのため、これらの限界を排除する。たとえば、患者の血液を使用して、自然条件下で腫瘍をラボへ運搬するために、バッグインバッグ(a bag-in-a-bag)装置を輸送装置として使用することができる。また、癌ラボの研究方法は、コラゲナーゼ等の添加剤を備えた袋で開始し、癌細胞を切り離すことができる。そのような装置によって、癌患者は誰でも、癌研究センターが遠い場合であっても、そのセンターの専門知識にアクセスすることができる。
(i)特に針を使用するときには、ヒトの血液を扱う医療スタッフまたはラボスタッフに対して、生命を脅かす汚染のリスクがある。現在の技術を使用する場合、この適用から得られる結果は、医院(そこでは血液および検体が新鮮で不純物がなく完全で体温である)にいる医者の成果ではなく、ラボの専門家の成果のみである傾向がある。本発明なしでは、病原体がますます耐性および毒性を有する時代にはきわめて貴重であるこれらの結果は、得られなかったであろう。
(j)抗生物質のディスクを培養培地上に1回に1つずつ手で置くことは、時間と労力がかかる一方、汚染のリスクが増大し、そのため、医者は、抗生物質の感受性検査のためにはほとんど常にラボを使用する。したがって、現在の方法は、医者が自分の医院で血液および検体の理想的な状態を得ることができたとしても、医者がラボを使用するように限定する。
(k)すべての抗生物質および薬剤が、必ずしもディスク上で容易に利用することができるわけではなく、そうであるときでさえ比較的高価である。ここに記載した装置は、錠剤およびカプセルを溶解した後のものも含めて、感受性を検査するために液体を使用することができる。
本願に適切な定義
培養培地−生きている生物、たとえば、ヒトの細胞、または、細菌、ウイルス等の微生物を生育するための培地であって、生長に必要なものを提供する。培地を固化するために、または、生長を高めるまたは抑制するために、または、他のいずれの目的のために、物質を加えることができる。典型的な培養培地は、固化した寒天(アガロース)であり、これに様々な栄養分および生長因子が加えられる。ゼラチン、アクリルアミド、セルロース、炭水化物、ゴム等の他のいずれの型の支持培地も使用することができる。
全血−凝固因子、病原体、抗生物質等、既知であれ未知であれ、有用な要素および有害な要素を全て含む自然状態の血液。
レプリカ−すべての重要な面でオリジナルの正確なモデル。
ミクロ病理学的レプリカ−患者の血液を含む培養培地であって、その患者の血液に自然に存在するすべての要素を含み、無菌的に自然なヒトの標準状態に維持されて研究用のラボモデルを提供する;本発明において、患者の全血を使用することによってミクロ病理学的患者レプリカが形成され、再現すべき患者内に存在する様々な生長因子、栄養分、病原体および他の要素の代理として作用する。
血液への添加剤−患者から取られた血液に加えられる抗凝血薬、保存薬および他の物質であって、後の分析または処理用に、血液を安定させる。
抗凝血薬−血液が凝固するのを防ぐ物質であって、たとえば、ヘパリン、シュウ酸塩、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはポリアネトールスルホン酸ナトリウム(SPS)である。
無菌−無菌状態、たとえば、細菌等の外来の生物が加えられていない状態。
検体−血液を除く人体組織の任意のサンプル。たとえば、尿、便、喉スワブ、痰、脳脊髄液、膿、癌細胞等;明瞭化のために、本特許出願では、血液は検体とは明らかに識別される。
接種物−検体または患者血液から生長する微生物(すなわち、検体または血液内に元々存在したもの)であって、微生物学の現在の方法または本発明の患者レプリカ法を使用して同定して分離される。
病原体−細菌、ウイルス、原生動物、真菌、酵母等の疾病を引き起こす微生物。
耐性−病原体が変化して、特定の抗生物質または類似の抗感染剤に対して脆弱でなくなる能力。
注入プレート−寒天培養培地(または類似の固化可能な培地)と接種物とが、一般に45℃またはそれ以上で混合された培養皿。
微生物−顕微鏡的な生物、本発明では、一般に病原体であり、細菌、真菌、原生動物、ウイルスを含む。
本発明の目的および概要
本発明の1つの目的は、さらなる検体があろうとなかろうと、患者の血液から直接微生物を生長させる改良された方法を提供することであり、それによって、薬剤、たとえば抗生物質が適用されるか否かを決定し、適用される場合、いずれの抗生物質が特定の時に特定の患者に効果的であるかどうかを現在の技術よりもより速いスピードおよびより高い感受性で、決定することである。
本発明の別の目的は、薬剤、抗生物質等を検査し、患者自身の血液に代表される特定の患者の特定の化学的性質が、検査に影響を与えることを可能にすることによって、その特定の患者に対する最少有効投与量を決定すること、あるいは、薬剤、抗生物質等を検査し、複数の患者の結果を平均することによって一般使用のための標準投与量を決定することである。
本発明のさらに別の目的は、様々な目的のために、患者の腫瘍または血液からの細胞を使用することによって、患者自身の個人的な化学的性質によって影響されるように、癌細胞および/または白血球等を生長させることである。たとえば、患者レプリカを使用して患者の治療に対する反応を決定するかまたはワクチンを作ることによって、癌細胞を使用して癌治療することができる。
さらなる目的は、エイズまたはエプスタインバー等の任意の疾病を診断しまたは治療すること、あるいは、疾病期間にわたって、または他の関連目的のために、疾病の段階を決定すること、患者の状態を決定することである。
これらの目的およびさらなる目的は、層の間に断絶が存在するように固体培養培地が形成された、重層状培養培地によってかなえられる。注入ポートがその断絶と位置合わせして提供され、そのため、患者の血液の新鮮な不純物のないサンプルをその断絶に注入して、培養培地の層の間に血液の薄い層を形成することができる。この血液の薄い層は、任意の抗凝血薬の必要性を排除し、ブロスを使用せずに、血液によって運ばれる病原体を容易に培養することができる。さらに、抗生物質または他の薬サンプルを、血液層上の培養培地の表面に置いてもよく、そのため、抗生物質は培養培地中を拡散することができ、血液によって運ばれる病原体の感受性を明らかにすることができる。病原体または組織の他のサンプルを、培養培地の表面に置くことができる。血清の周期的注入で層を新しくし、それによってリンパ系の一部を再現する方法も記載される。結果は、薬または患者の血液に存在する生長因子の効果を観察することができ、それによって、閉じこめられた血液層/生長培地/血清層/検体が、その患者の生物学的レプリカとして動作することを可能にするということである。
本発明は、特定の患者の状況を正確に反映するイン・ビトロラボ検査を有することの長い間感じられた必要性を満たす。したがって、本発明を使用する抗生物質の決定は、より多くの情報をより速く提供する。感受性および耐性が明らかであるだけではなく、幾つかの微生物はある抗生物質の存在下で繁殖することを実際に習得するが、これはおそらく、抗生物質が、所与の病原体微生物と競争する他の無害な微生物を抑制するからである。本発明によって提供される混合された培養条件にのみ見ることができるこの影響は患者を多大なリスクにさらすが、これは、「治療」が実際には病原体を鼓舞するからである。
【図面の簡単な説明】
新規であると考えられる本発明の目的および特性を、添付の請求項で特に説明する。以下の図面において、同じ構造は、同じ符号によって表示される。
図1は、患者の血液を培養培地に注入するのに使用される、針を伴ったシリンジを示し、1滴の血液が培地内に埋設されることを示す。
図2は、血液、検体、または他の物質を上記培養培地に混合させるために、ゲル培養培地の表面を壊すためのレーキを示す。
図3は、(図8〜10で示されるもののような)血液輸送デバイスに結合されるか、針−シリンジもしくはシリンジに装着される中空レーキを示す。
図4は、血液を皿に注入する手段を具備した、丸い角を有する長方形の培養皿の上面図を示す。
図5は、緩く密着するふたを具備した図4の皿の側面図である。
図6は、管が血液を皿に誘導して、その層の間に血液を分散させる、重層状の培養培地の入った皿の上面図を表す。
図7は、培養培地の層の間に血液を誘導するための複数の穴を持って構築された、血液を拡張管に注入する針−シリンジを示す皿の上面図である。
図8は、図6の重層状の培養培地で使用するために患者の血液を輸送するためのデバイスを示す。
図9は、図8のデバイスの変形例を示す。
図10は、図6の重層状の培養培地に使用するために患者の血液を輸送するための別のデバイスを示す。
図11は、本発明の重層状の培養培地に直接結合可能にするために形成されたさらに別の血液輸送デバイスを示す。
図12は、本発明のプロセスで使用するためのバッグインバッグデバイスを示す。
図13は、本発明の重層状の培養皿に密着されたグリッドを示し、培地表面に一定の間隔で、複数の抗生物質を充填したディスクまたは他の薬剤サンプルを載せることが意図される。
図14は、詳細に、図13のグリッド−ディスク支持体を示す。
図15は、培養培地に担持された各ディスクの中央下に突出する鋭利な点を示し、それによって断絶内にある血液を各抗生物質サンプルに接触させる、図14のディスク支持体の側面図である。
図16は、抗生物質ディスク上、または別のサンプル上に1滴の血液を載せるのに使用される、血液の針およびシリンジを示す。
図17は、本発明の重層状培養培地の表面を、その表面に薬剤サンプルの適用領域を規定するように分割する、十字メンバーのグリッドを示す。
図18は、本発明で使用するためにいずれかの末端にゴム栓を伴う管を示す。
図19は、図18の二重栓血液吸引管を用いる以外は、図10に示されるデバイスに類似のものである。
図20は、二重栓管および真空管血液吸引デバイスを加えた、図11に示されるものと類似のデバイスを示す。
図21は、支持管なしに、図19に示されるものに類似するデバイスを示す。
図22は、単独の栓および任意の弁を有する、血液を吸引するための柔軟性のある管を示す。
図23は、図3のものに類似の血液分注レーキに装着させた、図22のものに類似の、柔軟性のある血液吸引管を示す。
図24は、メッシュで覆われたその底部を有し、その結果培養培地を上部に注ぐことができるフープまたは二重フープを示す。
図25は、層または培養培地を注ぐ、図24にあるような二重フープを含む培養皿の断面図を示す。
図26は、図24のフープの代わりに使用されるために、メッシュの層で完全に成形した弾力性材料の環(すなわち、O−リング)を示す。
図27は、図26の環を受け入れる内側溝で変更された培養皿を示す。
図28は、底部の周囲のエッジを囲む棚(ledge)で変更され、その結果培養培地を、棚まで、しかしそれを越えずに注ぐことができる培養皿を示す。
図29は、皿の内側側面表面まで血液が漏れるのを防止するために、培養培地の第二の層に占有される内側溝を有する皿を示す。
図30は、血液の漏れを防止するため、底部に装着した内側突起を伴う皿を示す。
図31は、図30の皿の別の実施態様を示す。
図32は、重層状の培養培地、試験グリッドおよびシステムの他の構成要素を示すバッグ内のラボの上面図を示す。
図33は、新鮮な血液サンプルを本発明の複数の皿に容易に入れるためのデバイスを示す。
図34は、皿を開放することなく培養培地と接触させて載せることができる試験グリッドを含む、本発明の密閉培養皿の断面図を示す。
図35は、培養培地の上部層の表面に薬剤サンプルの注射を可能にする、複数の注射ポートを伴う皿の蓋の上面図を示す。そして
図36は、液を膜の間の密閉空間に注入する手段を備えた2層の膜を担持する環を受入れるための2つの蓋および内側溝を有する、本発明の皿型デバイスの断面図を示す。
好ましい実施態様の詳細な説明
以下の説明は、当業者に、本発明を活用することを可能にするために供し、そして発明を行う発明者らにより想定される最良の態様を説明する。しかし、本発明の全体的原理が、固形培養培地の層の間で不純物のない全血から病原体を容易に培養するための改良された培養法および関連デバイスを特に提供するためにここに定義されるので、種々の変更は、依然として当業者にとって明白である。例えば、バッグインバッグデバイスは、癌研究ラボのために腫瘍検体を輸送し、加工するのに使用でき、そこで、積層デバイスはその後、患者の血液によって富化された培地で患者の癌細胞を増殖させるのに使用され、それによりミクロ病理学的患者レプリカを提供する。同様に、そのデバイスは、患者の白血球を培養または活性化させるために使用することができるか、または患者の血液をラボに輸送するために使用することができる。
患者レプリカの作製
ここに記述される基本的プロセスは、培養培地の成分として患者の新たに抜取った全血を使用することによる実験室的な患者レプリカの作製であり、したがって、凝固因子、微生物、抗生物質、pH、および特定の患者で実際に存在する有益なまたは有毒な要素の全てを提供する。患者レプリカは、その癌に対するワクチンを作製するか、または癌に対する他の情報を決定するために癌細胞を増殖するような、多様な目的のために使用できる。レプリカは、患者から検体中の微生物を育成し、そして抗生物質のような治療剤に対する微生物の感受性を決定するのに有用でもある。患者レプリカの他の可能な用途は、疾病を診断すること、疾病を治療すること、疾病の段階を決定すること、疾病の過程を通して、または治療の過程を通して患者の状況を測定すること等である。
例えば、体温で、新たに抜取り、不純物のない、すなわち抗凝固剤または保存剤のような添加剤なしに患者から得た全血を、血液が分解される前に培養培地に無菌で添加する。その後、この混合物を、体温、好ましくは35〜37℃でインキュベートする。さらに、患者から得た検体は、使用してもしなくてもよく、そして混合物は、患者の血清で経時的に回復できる。血液から、または検体からのいずれであろうと、この自然の混合物と温度で成長する生物を、あらゆる方法で、あらゆる目的のためにその後試験できる。したがって、抗生物質が有効でないことを決定できる。あるいは、抗生物質が、特定の時間で、個々の患者に特徴的な生物学的要素の混合物に有効であることを決定できる。これは、特定の抗生物質が、患者の個々の化学的性質のある種の特性のために、病原体の純粋な培養物に対して有効であるが、所定の患者には無効である場合の全てのありふれた問題を回避する。さらに、患者は、純粋な培養物を含まない。目的は、患者の化合的性質の背景に対して、そして患者のなかに存在し得る全ての多様な良性および有害な微生物の相互作用で、薬の感受性を試験することである。
現状の技術にしたがって、検体を、病原体について試験する場合、ラボ技術者は、どの型の病原体が検体から育成されるかを測定し、そしてその後それを報告する。医師は、再度それを死滅させる前に、この特定の型の病原体を死滅させる薬を考える。耐性病原体は、この系を無効にする。接種物から病原体の純粋な培養物の単離を行い、そしてその後薬の感受性について純粋な培養物を試験して進める研究は、さらに時間がかかる。ここで記述されるプロセスは、病原体を単離したり同定したりせずに、それを死滅させるものを同定するだけで、治療に直接移る。そのプロセスは、微生物学での新規アプローチ法を表すこの方法で、混合培養物の使用を促進する。それにもかかわらず、研究の目的のために、病原体は、本発明の患者レプリカから得たものを予備培養することによる慣用的な方法で同定し、そして感受性を試験することもできる。
上記で議論されるとおり、患者の全血が、血液中で多様化されるか、または感染の中心から循環血に吹き込まれる可能性がある病原体をしばしば含むことがよく知られている。したがって、これらの病原体を単離する試みで、全血を、しばしば培養する。さらに、全血は、患者に投与されるべき多量の任意の薬、並びに宿主の天然の成長因子全て、および患者の特徴的な生化学的プロフィールを構成するその他の物質を含む。理論的には、これらの因子は、病原体の存在およびそれらの薬の感受性を測定するのに有用である。血液から病原体を培養する伝統的な方法は、液体ブロス培養による。これは、ブロス内の凝集形成を避けるために抗凝固剤の添加を必要とする。さらに、全血は、ブロス内で希釈されるので、繊細な病原体は、死滅または阻害される可能性がある。保存剤の使用および冷蔵は、結果をさらに歪める。さらに、全血に存在する患者の天然の因子を利用して患者の検体から得た病原体の成長に影響を及ぼすことができる便利な方法はない。本発明の第一の目的は、不純物のない全血から病原体の培養をさせることである。第二の目的は、不純物のない全血に存在する因子が、患者の検体から得た病原体の培養に影響を及ぼさせることである。第三の目的は、癌の治療/研究にあり、ここでは、癌細胞および/または白血球細胞を積層培養皿を用いて成長させるのに本発明を使用することができる。
第一の目的を達成するために最も簡単なデバイスは、新たに抜取った不純物のない全血を、培養培地と、添加剤(示されず)を伴ってまたは伴わずに混合した、皿のような容器である。培養培地は、あらゆる種類、例えば、水溶液と混合する粉末もしくは顆粒のものであってよい。その後、得られた混合物は、単層として使用できるか、または混合物を、すでに注がれた培養培地の層の上に、培養皿のような容器に流し込むことができる。患者の検体は、その第一の層の上部に、第一および第二の層の間に、または混合物の中に添加しても、しなくてもよい。
問題は、最も一般的な培養培地であるゲル寒天が、混合するのに抵抗があり、その結果正常な培地に全血を直接的に混合することが非常に困難であることである。寒天は、加熱によって溶解させる場合、繊細な病原体は、損傷を受けるか、または死滅させらる著しい危険性がある。したがって、培地と寒天を混合するのに助けとなるある種の装置またはデバイスを示す必要がある。このような装置の例は、患者から血液を実際に抜取るのに使用できた針−シリンジの組合わせである。図1に示されるとおり、針−シリンジ10は、寒天の表面に小滴の血液を注入することができる。図1では、シリンジ12の中の血液14を、針16通して、皿22内に含まれる固形培養培地18に注入し、それにより同じ針16で、寒天に混合されうる血液の滴24を堆積させる。このアプローチ法の利点は、血液が培地に分配されるので、病原体の成長を改変およびしばしば阻害することが知られている抗凝固剤なしにすませることが可能なことである。つまり、分配された血液は、相当な凝固物(例えば、血餅と血清との間に分離がある大型の凝固物)を形成することができない。しかし、この方法で容易に導入される血液の総量は、比較的小さい。他のアプローチ法は、多量の血液総量を使用する場合に必要とされる。明らかに、追求されている病原体が低い濃度で存在する場合、使用される血液の量が多ければ多いほど、病原体を発見する機会が多くなる。
図2は、あらゆる便利な手段によって用いられる、ゲルを破壊して血液を混合させる、ハンドル26および歯(tines)28を具備する縮小模型レーキ27を示す。レーキは、容易に滅菌されるあらゆる材料から作製できる。しかし、歯28は、突発的に皮膚に穴を開けることを避けるために十分に平滑であるべきである。経済性と同様に安全性については、ガラスまたは金属のような他の材料を使用することもできるが、ある種のポリウレタンのような柔軟なプラスチック/弾性材料から、レーキ27を作製することが賢明である。別の例は、2つの機能、すなわちゲルを破壊する一方で、同時にゲルに混合されるべき血液を分配させることを組合せた、図3の中空レーキ32である。この中空レーキ32は、ハンドル26の末端でコネクター34によって、ここで他の図面に示されるとおり針−シリンジの組合わせに、シリンジに、または細い管に、直接密着されうる。弁は、流れを制御するために都合により使用してよい。したがって、血液は、中空ハンドル26を通して圧力を加えられ、そして開口部36から横構成部材38に流れ、そして鈍い歯28によって混合される。このレーキは、簡単さや都合よさのみを供するのではなく、針より血液の取扱者を安全にし、就業者が針を刺す危険について安全にする。
今ここで記述したレーキは、半固形培養培地に血液を分配するのに使用することができるが、その血液は、最終的に、凝血形成の可能性を残し、均一に分配することができない。不純物のない血液を分配する好ましい方法は、図4〜6に示されるとおりの積層培養皿の使用によるものである。図4では、蓋23付きであるか、または付いていない皿22は、1つまたはそれ以上の側を通して、そこで培養培地の層の間に、血液を指向するポート42を具備して構築される。皿は、さらに有効には一緒にパックされ、そして微生物の成長のための大きな表面領域を供することができるため、丸い角を有する長方形の皿が好ましいが、標準の丸型ペトリ皿または丸い角を有するか、または有しない他のあらゆる型も機能する。この培養皿は、多くの異なる方法に使用することができる。
実施例1:積層培養皿を使用すること
図5では、一般に病原体の成長に必要であるそれらの添加剤を伴う、寒天のような固形化可能な培養培地を、皿22に注ぎ、そしてその後、冷却させてゲルの層44になる。その後、培養培地の追加の層を、第一の層の上に注いで、第二の培養培地の層46を作り、そしてゲル状態に冷却する。このように作製した2つの培養培地の層は、結合せず、それにより、それらの間に潜在的な空間もしくは断絶47を作り出す。ここに2つの培養培地の層を含む皿22は、必要とされるまで保存されていてよい。不純物のない血液サンプルを、ポート42を通して注入される場合、血液サンプルは、2つの培地の層44、46の間に挟まれる血液層にさえ拡散する。血液層が薄く平らであるので微細な凝集物は、現れうるが、大きな凝集物は形成しない。培養培地との密接な接触のため、血液内のあらゆる微生物は、上層表面48を血液なしにさせたまま育成する優れた環境を供給される。病原体のコロニーは、薄い血液層に容易に観察できる。さらに、患者の血液サンプル内の成長因子または阻害因子などは、培養培地に拡散し、そして培地と接触して配置される生物の成長に影響を及ぼすことができる。このため、第二の層46は、このような拡散の速度を最大限にするために優先的にかなり薄い。上部層46が、「注がれる」と称したが、日焼けを治療するのに最近使用される膜またはプラスモイドメッシュの層として噴霧するかまたは載せることもできる。
積層構造は、上部表面48を血液なしに維持させることができ、したがって、培養培地の上部表面48は、患者の血液から由来したあらゆる微生物の成長の危険なしに、患者の検体、痰などを画線接種することができる。血液不含表面は、皿を逆さまに回転させて、血液不含表面として培地の未接触底部を供する培養培地を解放することによっても得ることができる。あるいは、患者の検体は、使用できず、研究は、患者の血液のみに焦点を当てている。図6は、層の間に血液14を更に分配するか、または経時的に新たに血清を分配するための注入ポート42が短い分配管43を具備する積層皿22を示す。
積層培養皿の使用を要約すると、血液を、患者から抜取り、そして添加剤なしで、任意の手段によって、皿22に配置される注入ポート42にただちに移行させる。注入ポート22は、血液サンプルの逆流を防止する弁を具備していても、いなくてもよい。血液を移行させるのに使用できるデバイスの例は、図7−11に示される。図7では、注入ポート42は、層の間に血液14を分散させるための複数の分配穴46を有する比較的長い分配管43(図6と比較して)を具備する。患者の血液を、このようなデバイスによって、1つまたはそれ以上のその側面を通して皿22に移行させ、そして、そこに培養培地の層の間の断絶から形成される潜在的空間47に注入させて、それにより層を分離させる。積層培地は、予め、体温でインキュベーターに保存でき、その結果血液サンプルが、皿に導入されるときに繊細な病原体に温度ショックはない。結果は、上部層46の血液不含表面48に置かれた検体を伴うか、または伴わない、培養培地の2つの層の間の体温での全血の層である。患者の血液が、皿の側壁にそって漏れないで、その結果上部表面48に達することが重要である。このような漏れは、以下に検討される特別な構造によって、または皿への培養培地の結合を増強する、皿の上の培地配合または予備被覆の使用によって防止することができる。任意の当業者に十分に理解されるとおり、皿22は、無菌状態を保護する蓋23によって閉鎖すべきである。好ましくは、蓋23は、病原体の成長を観察することを可能にするために視覚的に透明であるのが好ましい。ガスケット、O−リング、接着剤、または他の締付手段で位置に蓋23を「固定」するための相当な利点がある。これは、皿22の不慮の開放を防止し、そしてそのデバイスを、嫌気性生物の培養のために空気密閉させることもできる。好気性培養については、空気を通過させるが、微生物は通過させないフィルターを、蓋に取付ける。さらに、皿22は、比較的多量の血液サンプルを受入れるために十分に大きく作製し、そして研究設定のときに複数の同時試験を可能にすることができる。さらに、皿は、試験用の薬剤の手動もしくは自動の適用を促進する、複数の注入ポートを具備する図35の蓋を有しうる。
血液層/混合物を伴う得られた皿を、約35〜37℃の体温でインキュベートし、その温度で、いくつかの血液因子は、培養培地の層の両方に拡散する。検体または血液からの生育可能な病原体は、この血液−培養培地混合物上または中で生育する。抗生物質サンプルを表面48に載せ、それにより、標準の2段階の同定および感受性試験で、または混合培養物を用いた単一段階でのいずれかで、実際の患者レプリカでの抗生物質感受性の試験を供することによって直接、抗生物質感受性を試験する。また、血清は周期的に注入することができる。その系は、それが、その特定の患者の特徴的な生化学的状態の指標である患者の血液から成長因子および阻害因子を含むのでレプリカと考えられる。
図8で、血液14で満たされた典型的な真空管53を、新たに抜取った血液を積層培養皿22に送出するのに使用する。柔軟な送出管59を、注入ポート42に装着させ、および血液管53の栓(血清キャップ)54を通して挿入された針56による血液管53に装着させる。装着した針16を具備するシリンジ12は、転倒させた血液管53に空気13を注入するのに使用され、それによって血液14を送出管59を通して、皿22の中の培養培地の層の間に押し流す。図9は、針16、そして56(および任意には送出管59)を便利に具備するようになった特定の保持管58が使用される以外は、基本的に類似の配列を示す。この配列で、シリンジ(およびすでに装着されていない場合、送出管59)は、保持管58に装着させ、そしてその後、血液管53を、保持管58に挿入し、そして針16、56上に押し下げ、その結果それらの針は、栓54を貫く。針が、保持管58によって完全に囲まれているので、この配列は、従事者が、彼ら自身を針で不意に刺すことを不可能にする。図10は、送出管59が、注入ポート42を通して血液を注入するために理想的である平滑な針60を具備する、類似の配列を示す。平滑な針60は、針を突刺させる(すなわち、ヒトの皮膚を貫く)ことがなく、それにより使用するのが安全である。図11は、注入ポート42に挿入するために設計された平滑な正しい角度の針62を具備した特別な組み合わせのシリンジ/保持管57を示す。
多くの可能な変形例がある。第二の培養培地の層は、第一の層と異なる材料から作製してもよい。2つの層は、血液生育性の病原体の成長に特に助けとなる成分を含む下部層44を有する様々な型の成長培地でありうる一方で、上部層46は、上部表面48上に順に配置される患者の検体にあることが疑われる病原体の成長の助けとなる栄養源を含む。層の分離を促進するかまたは皿の側面に付着させるために、ゲル形成剤(例えば、寒天)の、培養培地に対する比率は、増大させることができ、および/または他の添加剤を使用することができる。膜を使用することができる。図36で2つの蓋を有する「皿」にある二重膜は、血液を膜と、検体または癌細胞の使用に、または他の目的に利用可能な膜の外側表面の両方との間に注入させ、そして培養培地を他の表面で血清に再交換した。
接種物は、上部表面に置くことができる。細胞表面を新たにするため、または断絶に注入された細胞材料を新たにするために、新鮮な血清を周期的に添加することができる。次いで、種々の化学物質もしくはその他の物質を、任意の目的のために、例えば当該分野で公知であり、且つ本明細書の他の実験において記載されている抗生物質に対する感受性を試験するために、適用することができる。当該分野でよく知られているように、この種の試験は自動化することができる。
実施例2:非接着性層を生成する方法。
先に説明されるとおり、溶融培地(例えば、寒天)の第一の層を注ぎ、そしてゲル化させる場合、続いてその層の上部に注がれる第二の層は、一般に、それに接着されない。しかし、非接着性の層を確保する幾つかのストラテジーがある。以下は、本発明の機能的な2層の培養皿を構築する1つの方法の説明である。第一ステップは、注入ポートとして作用するために、150mmのプラスチック製ペトリ皿の側面に穴を開けることである。その後、この穴を、適切な大きさのゴム製隔膜またはゴム栓の小片で密栓する。無菌状態で、60mlのミュエラー・ヒントン(Mueler Hinton)(または他の適切な栄養培地)を皿に注ぎ、そしてゲル化させる。
次に(図24参照)、むしろ刺繍フープに似た密接に装着する二重フープ116を、改変した皿に密着させて装着するように構築する。2つのフープの各々を形成する1つの方法は、適切な大きさにしたポリカーボネート製ストリップの末端を、PSウエルドオン(Weld-On)3のような溶媒セメントと繋げることである。フープの1つの側面に、注入ポートを越えて装着するために切り込みを入れることができる(示さず)。ホルムアルデヒドを含まないナイロンネット(1/8thインチメッシュ)を、大型刺繍フープにしっかり張って伸ばす。その後、伸長したネットを、上述の二重フープの間に挟み込み、そしてかみそりの刃または類似の用具を使用して、その内蔵ネットを有する二重フープをトリミングし、それにより図24に示される構造を生じる。フープ116および内蔵ネット114を、照射またはエチレンオキシドのような一般に使用される方法によって無菌化する。ネット側を下にしたフープを適切な大きさにした無菌状態のペトリ皿に載せ、そしておよそ45mlの無菌状態のミュエラー・ヒントン寒天(約48℃で)をフープに注ぎ、そして固める。その後、寒天の層を含めたフープ集合体を、第一の皿にある寒天の層の上部に(切り込みを注入ポートに収容して)載せる。
図25に示されるとおり、これは、物理的に分離される2つの層44,46を有する2つの層の培養皿22を提供し、その結果、不純物のない患者の血液を注入するための完全な断絶を付与する。広範な様々のメッシュ、スクリーン、膜またはネットは、この目的のために使用できる。基本的に、これらの材料は、培地の上部層を安定化させる構造強化(コンクリート中の鉄筋のような)として作用しながら、培地層の間の断絶を提供する。血液注入は、注入ポートを通して19g×7/8thインチ針を挿入することによって、容易に達成することができる。この形態で作製された150mm皿は、少なくとも3mlの血液を受け入れる。注入に続いて、培養皿は、体温(およそ37℃)でインキュベートすることができる。皿は、嫌気的インキュベーターに、または嫌気性生物の成長を促進する酸素吸着性材料を有するプラスチック製バッグに載せることができる。適切なインキュベーション(例えば、24時間)後、皿を、病原体の成長について試験した。コロニーを単離し、そして別の皿に移行させることができ、そしてその後、「キルビイ・ボーワー(Kirby Bower)」ディスク(抗生物質を含む)を、培地の上部表面に載せることができ、そしてさらに24時間、抗生物質の感受性について試験するためにインキュベートした。抗生物質ディスクは、インキュベーションの開始時に載せることができ、それにより全プロセスを大いに短くすることができる。これは、検体でのように、多数の血液生育性の病原体がある場合、特に有効である。
幾つかの異なるネットがこのプロセスに適切ではあるが、Tetkoによって生成される精密なスクリーンが特に好ましい。これらの繊維(fabrics)は、高いパーセンテージの開放領域を有する(すなわち、スクリーンを形成する糸は、非常に細い)極度に精密な開口部を有する。例えば、好ましい繊維は、105μmの穴の大きさで52%の開放領域を含む。培養皿は、容易に組立てられ、その結果注入ポートは、スクリーンの下部表面上に血液サンプルを分注する。さらに小さな穴の大きさを選択することによって、血液細胞を、スクリーンのより下側に限定することが可能である一方で、血清および血小板は、スクリーンの上部表面を自由に通過する。適切な大きさにした繊維ディスクを、固まった第一層の上部に載せ、数滴の緩衝液を加えて、スクリーン開口部を流体で充填し、その後繊維スクリーンの上部表面に第二の培地層を注ぐことによって2つの不連続な培地層を投入することが更に可能である。二重フープを用いるが、相当な注意を要するこの分注は、繊維ディスクが自由に浮遊するのを避けるために必要である。
上に記述されるとおり、本デバイスの重要な目的は、皿の壁に沿って漏れることにより、血液が上部表面48に達するのを防ぐことである。フープは、血液の漏れを防止する。血液の漏れを防止するためにO-環または類似のガスケットを使用することも可能である。この目的のために、皿は、O-環を固定するための溝を具備していてもよい。好ましくは、O−環112は、繊維ディスク114の外側エッジ上に完全に成形される(図26、27参照)。O−リングは、繊維を張った状態に保つフープのように作用し、血液がその繊維の下部表面に沿って注がれるかぎり、皿の壁の上向きへの血液の漏れを防止する。O-環は、さらに、繊維を適切に張った状態に維持することを確保するために、ワイヤーもしくはプラスチック製フープを囲むことができる。他の繊維(例えば、不織布)または同等の半透性膜は、2つの培養層に分割するために使用することができる。半透性膜により、血液細胞および多くの病原体が、注入のときに膜を貫くことは不可能である。病原体が成長するとき、それらは、両方の層を貫くが、注入のときの上部表面への漏れは、それが、上部表面に置かれたあらゆる検体の邪魔をするので、回避されなければならない。前述のように、二重層の膜は、皿の内溝に装着されうるO−リングによって接合することができる。このデバイスは、二重膜の両側の外側表面へのアクセスが利用可能である、図36の2つの蓋の「皿」で特に有用である。このような膜が培養培地を含有する場合、固形培養培地は必要でない。
重要な点は、血液の注入を収容するために、2つの培地層の間に断絶が形成されること、そして皿の垂直な壁に沿った血液の漏れを防止するようなある種の構造が含まれることである。図28は、その底部に周辺レッジ(ledge)122を有する皿22を示す。培養培地44の底部層を、ちょうどレッジ122の上部まで注ぐことによって、培地の上部層46は、レッジにかぶせ、それにより、皿22の内側側壁まで血液が漏れるのを防止する。図29、30および31は、漏れを防止する他の構造を示す。図30および31は、培地の上部層46の一部46’が、下部層44の端の後ろに「曲がる」という追加の特性を有して、レッジ122のように機能する周辺突起128、129を示す。図29では、周辺溝124は、上部層46の培地で満たされ、それにより側面の漏れを防止する。
層は、寒天培地を注ぐときに記述されている。しかし、様々な他の栄養基質上で微生物を生育させるためには多くの技術が存在する。しばしば、透明または半透明のプラスチック製材料をカードに書きとめる(例えば、Nelsonらによる米国特許第5,232,838号参照)。これらの培地は、水の添加を必要とする、脱水物であってもよいし、または水和されそして十分に機能性があってもよい。本発明の不連続層は、これらの、または類似の培養培地のディスクを積み重ねることによって構築することもできる。
実施例3:コンテナーインコンテナー、例えばバッグインバッグ
培養培地の層を、皿に注ぎ、そして保存する。図12に示されるとおり、バッグ91内のバッグを構築し、それにより外側バッグ92は、他の添加剤と共に、または伴わずに水溶液、例えば等張生理食塩水または滅菌水等を含有する。内側バッグ94は、乾燥培養培地、例えば粉末、顆粒などを、その他の添加剤と共に、または伴わずに含有する。必要な場合、バッグは、室温、または好ましくは35〜37℃まで、しかし40.5℃を越えない温度に上昇させることが可能である。新たに抜取り、そして不純物のない患者の全血は、ここに図解されそして記述される血液充填シリンジまたは関連デバイスのいずれかから注入ポート42を通して注入することによって、外側バッグ中の水溶液に添加される。次いで、血液および水溶液を混合させ、その後内側バッグを壊して粉末を外側バッグに放出させ、それをその後血液−水溶液と混合させる。複数の内側バッグを供給することができ、各々、異なる物質を保持し、その結果様々な材料を、必要とされる場合様々な時間で溶液に放出させることができる。
ここで液体血液−培養培地混合物を、絞り出すか、またはさもなければ、出口ポート96を通して容器に、または常套の培養皿にある培養培地の第一の層の表面に流れさせる。その後、血液−培養培地混合物を、上の実施例2でのものと類似の第二の層を形成させながらゲル化させる。あるいは、混合物は、上の実施例1に記述したとおり、培養培地の2つの層の間に注入できる。これは、任意の血液生育性の病原体を、ある種の「やっかいな」微生物の培養に有用であり得る特定の培養培地中に包むことができる。患者の検体を、培養培地の第一の層に、バッグの中身に、または第二の層の表面に添加しても、しなくてもよい。その後、上に記述されるとおり、好気性または嫌気性(例えば、窒素を除去した)インキュベーションのために、デバイスを調節する。
多くの他の変形例が可能である。無菌状態の粉末ゼラチンおよび添加剤は、内側バッグ中の粉末培養培地の代わりに使用できる。培養培地の顆粒または無菌状態のゼラチンの顆粒は、このプロセスを完了するために使用できる。あるいは、発泡剤は、培養培地として半固形発泡体を作製するのに使用できる。バッグは、血液をバッグに移行させる際に従事者に針を刺す危険を回避させるように構築され得る(例えば、全デバイスを通して不慮の針の突刺しを避けるために、注入ポート42は、環状シールドで囲むことができる)。さらに、バッグインバッグデバイスは、患者の血液のための輸送デバイスとして使用することもできる。この目的のために、バッグでのゲル化から培地を守るさらなる液体を添加して、ラボに到着したときに、先に記述された積層デバイスへの移行を促進させることができる。他方では、ゲル化しない液体培地を使用してもよい。検体は、バッグで送られて、積層培養デバイスにおいて後に使用されてもよい。したがって、抗凝固剤または保存剤の使用なしに、自然な状態の温度、35〜37℃を維持できる。
バッグインバッグは、癌診断、治療および様々な目的の研究に、例えば外科的に切除された腫瘍またはその腫瘍の一部のための輸送デバイスとして使用できる。バッグは、組織培養培地、抗体、水または生理食塩水などを含有しうる。腫瘍は、外科用メスで小片に切断し、その後、組織粉砕機を使用して、さらに、腫瘍組織を、注入ポートを通してバッグに注入させる大きさまで腫瘍小片を小さくすることができる。その腫瘍細胞の別の調製は、癌細胞を支持組織から分離するコラゲナーゼのような酵素を添加することによって、または、他の添加剤を使用することによって、癌ラボへバッグ中経路で達成することができる。患者の血液、育成用培地等をバッグに添加すること、必要により経時的に患者の血清でバッグを交換すること、および35〜37℃の温度に維持することによって、自然の状態の患者のレプリカプロセスを達成することができ、それにより後のラボ測定のために癌細胞の最大限の生存および成長を促進する。
バッグ内の2つのバッグも、使用でき、1つは培養培地の層の間に注入される患者の血液のためであり、そして第二のバッグは、腫瘍タイプなどによって、血液不含上部層48に載せるか、または層の間に注入される腫瘍細胞を含む。追加のバッグは、例えばインターロイキンIIで活性化される、分離白血球細胞を輸送するのに、または他の診断または治療目的に使用できる。さらに、バッグは、与えられた用途に応じて、複数のコンパートメントおよび/または複数の内側バッグを有することができる。
バッグを、35〜37℃に維持されるようにパッケージ化させて、そして国にある任意の癌研究所にオーバーナイト・サービスによって輸送し、患者の細胞および化学的性質を最もきちんと複写する状態で到着し、そして、実験日数を節約し、特定の治療を一日も早く開始させながら、おそらく(例えば、酵素処理によって)部分的に研究の準備をする。
ラボに到着した後、皿の培養培地層の間に注入/注射された患者の血液を有する積層皿における培養培地の上部層に、分離された癌細胞を注入して、それによりミクロ病理学的な患者レプリカを構築することができる。あるいは、癌細胞/血液/培養培地/水の組合わせは、皿の中の培養培地の層の間に注入でき、その皿を用いて、様々な実施態様で、化学療法剤で癌細胞を試験するため、最も有効な薬剤の適切な用量を決定するため、または患者の白血球細胞(T細胞またはB細胞)を育成させるため、アクチベーター(例えばインターロイキンII)のような添加剤で白血球細胞を治療するため、ワクチンを作製するため、または他のあらゆる目的のために使用される。特定の目的に応じて、層の間の断絶または培養培地の表面を使用できる。癌細胞を、患者の特有の化学物質および栄養物質で新たにするために、新鮮な血液を、経時的に抜取り、血清を分離し、そしてブロスなどの中で層の間にある成長中の癌細胞の上部に注入することができる。有害な添加剤がなく、且つ35−37℃の間に維持された温度の患者レプリカの状態が推奨される。
管中の管、またはボックス中のボックス、または所望により別々の要素を混合させる別々のコンパートメントの任意の組み合わせのような、コンテナー中の任意のコンテナーは、このプロセスを完了させるために使用できる。バッグは、それらの柔軟性が、培養培地および血液サンプルの混合を促進するので好ましい。乾燥剤である乾燥用剤は、内側バッグ(コンテナー)に添加してもしなくてもよいが、このような乾燥剤は、水蒸気透過性であるが液体不透過性の別々のバッグ(コンテナー)に包含され、そしてしっかりと含有され、したがって、あらゆる乾燥剤が、乾燥粉末または顆粒が放出されるときに前記血液混合物に放出されないことを確保する。
清潔でない生存条件が、伝染病の原因の一部である世界中の多くの場所がある。このような条件下で微生物を培養し、そして治療上の抗生物質を決定することは、現代的ラボおよび高度に訓練された従業者を必要とし、そしてそこでは希にしか利用できない。他の場所で利用できたとしても、検疫局は、患者の検体を送り出すことをしばしば禁止する。そして、送り出される場合、サンプルを、冷蔵、保存などして、それらの自然の状態ではない。患者のレプリカプロセスおよびデバイスは、空気が清潔でない場所でさえ、アフリカの中心部であろうと、米国の研究室または医師の診療所であろうと、感染性疾患の原因/手当ての決定を可能にする、「ボックス内ラボ」、すなわち容易に運搬可能で、安価な完全に容器の中の系と考えられる。図32で示されるとおり、本発明の積層培養皿22は、多数の無菌状態の使い捨て器具104と一緒に、無菌状態の「バック内ラボ」102の内側に示される。ラボバッグ102を密封し、無菌状態にし、そしてシリンジ針が挿入でき、例えば積層皿22に血液を注射するか、または無菌状態の水もしくは液体培地と混合された検体を注射する、注射ポート42を具備する。皿22または器具104の取扱い性を容易にするために、ラボバッグ102は、成形された親指および指部分106を具備しうる。ラボバッグは、好気性用途として微生物フィルターで排気し、そして嫌気性用途では、都合により窒素を添加して密封する。
実施例4:二重栓管
血液を、図18に示されるとおり、真空含有管を用いた標準静脈切開術によって、二重栓管に抜取り、そしてその後、図19〜21のようなデバイスで、または他の任意の適切なデバイスによって、培養皿に移行させてもよい。二重栓管52は、いずれの末端にも開口部を有する、多かれ少なかれ円筒形の管、好ましくは、ガラスまたはある種の光学的に透過性の物質から構成される。開口部は、弾力性のあるゴム製栓54によって閉鎖される。これらの栓は、当該分野で十分に知られるとおり、針によって容易に貫通できる血清の蓋であってよい。1つの実施態様では、管52は、真空を含有し、その結果、標準静脈切開術で装着される場合それは「吸付く」。図19に示されるとおり、二重栓管52は、シリンジおよび針の配列でも使用できる(単一栓管の実施態様である図10と同様に)。図21も、特別の保持管58を削除する以外は類似である。二重栓管は、多様な目的、例えば血液取扱い性を簡便にし、それにより安全性を増大させるために使用される多くのデバイスの設計を可能にする。図20は、図11で使用されるとおりシリンジ/保持管の組み合わせを示す。しかし、ここで、二重栓管は、完全な針16を備えた真空管血液吸取りデバイス64の使用を容易に可能にする。当該分野で十分に知られているとおり、デバイス64を静脈に挿入し、その後、真空管52を、ゴム製栓54’を貫通する針16の末端で、デバイス64に挿入する。管52を血液で満たした後、それを、特別の保持管/シリンジ57に挿入し、そして血液を、積層培養皿に直接注射する。これは、迅速に連続させて行うことができ、その結果、血液は、基本的に時間の経過なしに培地に入る。
実施例5:柔軟性のある血液吸引管
図22で、血液は、注入ポート(図示せず)を貫通する分与先端部76によって培養皿にすでに結合された柔軟性のある管72に吸引され得る。この柔軟性のある管は、図4−9および11に類似する方法で、装着培養皿に血液のすぐの発現を起こさせ、それにより、従事者の露出および培地または血液の混入を排除する。血液を、既述された正常な真空血液管に類似する手段で真空によって、柔軟性のある管72に吸込む。しかし、管72は、柔軟製のあるプラスチック製の材料から製造され、その結果血液を、管をねじ込むことによって分与する。任意の完全な弁74は、むしろ心臓弁のような弾力性のあるフラップから構成され、そして血液の不慮の滴下を防止する。図23では、柔軟性のある管72は、図3の中空レーキ32に装着される。
実施例6:医師の診療所での抗生物質の感受性試験
全ての先の実施例で、図13および17のグリッドは、多くの抗生物質または他の化学品サンプルを培地の上に直接載せるのに使用できる。化学品サンプルは、液体形態、または粉末もしくは丸剤を溶解した後の形態、または当該分野で最近一般的であるとおりディスク上で適用することができる。図13は、本発明の二層培養皿での抗生物質試験ディスクを支持することが意図されるグリッド82の全景図を示す。グリッドは、培養皿に密着するように設計され、そしてグリッド交差構成部材83の各区分間で、市販の抗生物質試験ディスクを含む大きさにした支持体84がある。図15および16に示される場合、円錐型突起88は、支持体86からぶら下がる。突起88は、その内に開口部86を有し、抗生物質を、ディスクから培養培地に拡散させる。円錐型突起88は、上部層を貫通し、そして必要な場合、抗生物質サンプルと断絶内にある血液との間のいっそう直接的な相互作用を可能にできる。当該分野で十分に知られるとおり、有効な抗生物質ディスクの回りに発生する阻害区域はない。いくつかの場合では、患者血液の新鮮な一滴を直接抗生物質ディスク87に載せることによって有益な結果を得ることができる(図16参照)。これは、寒天層の間に挟まれている場合有効に生長しない特定の好気性病原体について特に有効である。
グリッド82は、すでに挿入された試験ディスクと共に予めパッケージできるか、またはブランクホルダーは、注文ディスクを添加させるのに使用できる。医師の診療所での特に魅力的な配列(図34)は、(皿を気体気密にさせ、容易に開放できなくさせるガスケットまたはO−リング107またはパラフィンなどで固着された)密閉蓋を有する積層培養皿22を包含する。皿22は、検体ポート108(注入ポート42と構造的に同一)、および抗生物質試験ディスクのパネルで予備負荷される試験グリッド82を具備する。検体ポート108は、嫌気性培養物などのための皿22を密閉するエアロックとして作用することもできる。好気性培養物のために、蓋は、空気は許すが微生物を排除するフィルターと共に供される。グリッド82を、皿22の蓋23部分に浮遊させ、その結果それは、培養培地46の層に接触しない。そのデバイスは、注入ポート42を通して患者の新鮮な血液サンプルを注入することによって使用される。このような注入の前後のいずれかで、患者の液体検体(例えば、無菌状態の水に回転させた喉スワップ(swap))は、検体ポート108を通して注射し、そして培養培地の上部表面48を越えて広がることができる。この注射は、浮遊試験グリッド82の開放グリッド目を通して起こる。適切な時間に、皿22を操作して、グリッド82を放出させ、その結果、それは、培養培地44との接点に移動する。丸い培養皿の場合には、銃剣の飾り金具(bayonet mount)タイプの溝に装着する突起によって、グリッドを浮遊できる。簡単に皿の蓋23を捻ることによって、グリッド82を開放できる。さもなければ、グリッド82は、蓋23と皿22との間でO−リング107によってその場所に保持される皿の蓋23に恒久的に固着され得る。蓋23の上を押す(図34の矢印)場合、培養培地との接点にグリッド82を運びつつ下がる。さらに、このようなデバイスは、バッグ102(図32参照)で無菌状態のラボ内に包含でき、その結果皿22を、無菌状態で開放して、グリッド82の挿入または調整を可能にすることができる。簡単なグリッドは、その培養培地の表面を区分するために使用して、図17の薬の適用の領域を定義することができる。
安全プロセスの要旨
本発明は、潜在する病原体に対する従業者の不慮の露出の危険が基本的にない試験手段に寄与する。これは、医療従事者に受入れられ、そして政府機関によって承認されることが不可欠である。
1.キットの場合、医師は、検体(例えば喉スワブ)を取り、それを無菌状態の水とともに試験管内に置き、そして回転させて存在するあらゆる病原体を懸濁する。その後、医師は、この液体サンプルを本発明のデバイスの上部表面に置く(好ましくは、検体ポートを通して注射することにより、その結果皿は、開放させる必要がない)。
2.頭皮静脈セット(図33で示されるとおり)または類似のデバイスを使用して、不意の露出の危険を最小限にしながら患者の血液サンプルを得る。相互に連結された長さの管59に装着された一連の針16を、最初、本発明の一連の培養皿22に装着させる。好ましくは、少なくとも2つの皿22を使用する(1つは好気性、そして1つは嫌気性培養条件で)。シリンジ12を、装着させ、そして管59を、多数の弁116によって制御する。最終的に、針16の1つを、患者の腕114で静脈に挿入する。適切な弁116を、開放させ、そして血液をシリンジ12に吸引する。その後、弁116を、変化させて、約3mlの新鮮な血液を各皿22に注射/注入させる。
3.血液収集装置を、バイオハザード廃棄容器に注意深く捨てる。
4.所望ならば、皿を操作して、抗生物質試験グリッドを培養培地との接点に運ぶ(図34に付随する記載参照)。
5.必要な場合、皿を傾斜させて血液を分配し、そして適切なインキュベーターに入れる。嫌気性皿については嫌気性インキュベーターを使用できるか、または当該分野で十分に知られているとおり、皿を、正常なインキュベーター中で嫌気性バッグの内側に載せることができる。サンプルのエアロック(上で記載したとおり)は、所望の場合、嫌気性皿を浄化するために使用できる。密閉した好気性皿は、微生物フィルターを通して排気される。
6.病原体が成長した後(8〜24時間)、結果は、皿を開放することさえなしに、分析し、それにより病原体露出の危険を排除する。その後、皿を、安全な手段で処理する(例えば、廃棄前にオートクレーブにかける)。さらに詳細な診断を必要とする場合、全密閉皿を、それを完全に安全な条件下で開放されるサブ培養のためのラボに送ることができる。したがって、本発明は、培養した病原体にさらされる危険を完全になくして、医師診療所での迅速で洗練された試験を可能にする。
上で説明された混合培養のプロセスおよびデバイスは、医師または他の従事者に、抗生物質などが必要であるかどうか、そして必要な場合、どれが有効であるかを決定することを可能にし、専門的技術、労働力、および純粋な培養物を作る最近の当該分野の方法を用いて行う、病原体の同定および単離という時間のかかる段階を排除する。多くの患者において、本発明は、提示された抗生物質が助けとならないことを示し(または、病原体の成長を刺激することによって実際に有害である可能性があり)、その結果医師は、処方しない決定で支援される。同様に、患者は、有用でないかまたは有毒な抗生物質必要としない点で支援される。全患者集団は、費用節減により、そして病原体が、抗生物質の過剰な処方のため耐性になる比率を低減することによって利益を受ける。
本発明およびその種々の実施態様を説明するためにこの明細書で使用される言葉は、一般に規定される意味でのみ理解されるだけでなく、この明細書での特別の定義により包含するべきである。例示される実施態様は、実施例の目的のためだけに説明され、本発明を限定するものと理解すべきではない。したがって、添付の請求の範囲内において、本発明は、特にここに記載されたもの以外で実施されうると理解すべきである。
Claims (27)
- 容器内で大気と接して晒された表面を有する固体培養培地の層を含有する無菌容器内で病原体を培養するために使用されるタイプの装置であって、
断絶が、固体培養培地の第1の層の停止によって形成され、固体培養培地の第2の層に接着すること;および
注入手段が、前記断絶と提携しており、そのため、患者の血液および/または患者の細胞の層を、前記断絶に注入することができ、一方、患者の検体を受け入れるために、晒された表面を血液もしくは細胞がないようにすること
を特徴とする
患者の血液および/または細胞を注入するための手段を更に有する装置を具備する装置。 - 前記無菌容器が、気密であり、且つ、晒された表面大気と連通するポートをさらに含む請求項1記載の装置。
- 前記ポートが、エアロックとして機能し、気体を加えるかまたは除去することができる請求項2記載の装置。
- 前記ポートが、検体の注入のために使用される請求項2記載の装置。
- 前記無菌容器が、微生物エアフィルタを含む蓋を有する請求項2記載の装置。
- 前記無菌容器の蓋が、複数の注入ポートを有する請求項1記載の装置。
- 前記断絶が、繊維の層によって形成される請求項1記載の装置。
- 前記断絶が、半透膜の層によって形成される請求項1記載の装置。
- 前記無菌容器が、内溝を有し、前記繊維の層を受け入れるか、または、前記繊維を保持するリングを受け入れる請求項7記載の装置。
- 前記無菌容器が、内溝を有し、前記半透膜の層を受け入れるか、または、前記膜を保持するリングを受け入れる請求項8記載の装置。
- 前記無菌容器を取り囲む第2の無菌容器をさらに具備する請求項1記載の装置。
- 前記注入手段が、注入された血液および/または患者の細胞を、前記断絶の中心領域に向けて運ぶ管を含む請求項1記載の装置。
- 前記管が、その壁に、複数の開口部を有し、注入された血液および/または患者の細胞を拡散させることを容易にする請求項12記載の装置。
- 請求項1記載の装置であって、前記無菌容器が、連続した側壁および二つの蓋を具備し、前記断絶が、リング内に保持される膜または繊維の層によって形成され、前記リングは、前記側壁の内部表面にある内溝内に嵌合し、前記側壁は、前記断絶と提携した注入手段を有し、前記側壁は、各端を閉鎖する蓋を有し、それによって中に保持される層のいずれの側部にアクセスすることができる装置。
- 病原体または細胞を個々の患者の因子の再現可能な環境内で培養する方法であって、
皿の内部で大気と接触して晒された表面と、層の間の断絶とを有する、固体培養培地の少なくとも二つの層を含む無菌培養皿を提供するステップと、
不純物のない患者の血液および/または患者の細胞を、提携したポートにより、前記断絶に注入し、それにより、血液および/または患者の細胞の層が形成され、前記晒された表面に、注入された血液および/または患者の細胞がないようにするステップと、
病原体および/または細胞の生長に都合の良い状況下で前記皿をインキュベートするステップと、
病原体および/または細胞の生長の徴候のために、血液および/または患者の細胞の層を検分するステップとを
含む、病原体または細胞を個々の患者の因子の再現可能な環境内で培養する方法。 - 患者の腫瘍のサンプルが、前記晒された表面に置かれる請求項15記載の方法。
- 患者の腫瘍のサンプルが、本方法で使用される前に、コンテナーインコンテナー(a container-in-a-container)装置で運ばれる請求項15記載の方法。
- 患者の腫瘍のサンプルが、添加剤と混合される請求項15記載の方法。
- 患者の腫瘍からの細胞が、前記断絶に注入される請求項15記載の方法。
- 患者の検体が、前記晒された表面に置かれ、そのため、前記断絶から拡散する材料が、前記検体における生長に影響を与えることができる請求項15記載の方法。
- サンプル化合物が、前記晒された表面に置かれ、そのため、前記サンプル化合物から拡散する材料が、病原体または細胞の生長に影響を与えることができる請求項15記載の方法。
- グリッドが、前記上面に置かれ、その上の領域を規定して分割する請求項15記載の方法。
- グリッド装置が、前記上面に置かれ、サンプル化合物が、前記グリッド装置上に置かれ、そのため、前記化合物から拡散する材料が、前記断絶の層にある病原体または細胞の生長に影響を与えることができる請求項15記載の方法。
- 薬サンプルから拡散する材料が、前記断絶に向けて前記グリッド装置の下に突出する複数の点で支えられた開口部を介して通る請求項23記載の方法。
- 前記容器をひっくり返して、前記固体培養培地を前記容器から放出し、それにより、前記固体培養培地の接触していない底部が血液のない表面を提供して晒されるというステップを更に具備する請求項15記載の方法。
- 無菌培養皿を提供する前記ステップと、血液および/または患者の細胞を注入する前記ステップと、前記皿をインキュベートする前記ステップと、中身を検分する前記ステップとが、自動化される請求項15記載の方法。
- 病原体を培養しながら、医療従事者への露出を最小限にするキットであって、
相互連結した管に取り付けられた複数の中空針と、
前記管を通る血流を制御するための弁手段と、
前記管を通る血液を引くかまたは押すためのシリンジとを
具備する採血セットと;
無菌容器と、
前記容器内の大気と接触して晒される表面を有し、且つ層の間に断絶を有する固体培養培地の少なくとも二つの層と、
管によりシリンジに接続され、且つ断絶と提携した注入手段であって、前記晒された表面を血液で汚染することなく、血液を断絶に注入することができる手段とを
具備する培養装置と;
前記固体培養培地の晒された表面上に患者の検体を置くための手段とを具備するキット。
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