JP4047235B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関し、特にプリントヘッドに対するインク供給系の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリントヘッドを用いてプリント媒体へとインクを付与することによりプリント媒体上に画像を形成するインクジェットプリント装置には、プリント媒体に対しプリントヘッドを移動させつつその過程でインク吐出を行うことにより画像形成を行うものや、これとは逆に固定したプリントヘッドに対しプリント媒体を移動させつつその過程でインク吐出を行うことにより画像形成を行うもの等がある。
【0003】
かかるインクジェットプリント装置に適用されるプリントヘッドへのインクの供給方式には、大きく分けて2種類がある。吐出されたインク量に対応した量のインクが常に、プリントヘッドに対し言わば連続的に供給されるように供給系を構成した方式のもの(以下、連続供給方式という)と、プリントヘッドに所定量のインクを貯留する貯留部(サブタンクまたは第2インクタンク)を備えるとともに、その貯留部に対しインク供給源(メインタンクまたは第1インクタンク)から適切なタイミングで言わば間欠的にインクが供給されるように供給系を構成した方式のもの(以下、間欠供給方式という)とである。
【0004】
ここで、例えばプリントヘッドをプリント媒体に対し所定方向に往復走査させるとともに、これとほぼ直交する方向にプリント媒体を搬送して画像の形成を行う所謂シリアル型と呼ばれる方式のインクジェットプリント装置に適用される連続供給方式には、さらに2種類がある。キャリッジ等に搭載されて往復移動(主走査)するプリントヘッドに一体不可分にまたは分離可能にインクタンクを取り付けてインクを供給するオンキャリッジ方式と称されるものと、キャリッジ上に搭載されるプリントヘッドとは別体に、インクタンクをプリント装置の他の部位に固定的に据え付け、可撓性チューブを介してインクタンクとプリントヘッドとを連結してインクを供給するチューブ供給方式とである。
【0005】
オンキャリッジ方式の構成を採る場合には、キャリッジと共に移動する部材(プリントヘッド、およびこれに分離不能または可能に一体化されるインクタンク)の主走査方向に垂直な面の方向の投影面積や体積が制約され、小型のプリント装置を構成する場合には、非常に限られた容量のインクタンクしか使用できないことになる。そのためにインクタンク一体型プリントヘッドまたはインクタンクの交換頻度が非常に高くなり、使い勝手やランニングコストの点でも問題があった。
【0006】
また、チューブ供給方式の構成を採る場合には、主走査時にキャリッジと共に移動する部材はある程度小型化することが可能となるが、キャリッジ上のプリントヘッドとキャリッジ外の部位にあるインクタンクとを結合してインクを供給するチューブ部材がキャリッジに追従して移動するためのスペースを要するので、その分小型化が難しい。さらに、近年ではプリント動作の高速化に対応してキャリッジも高速に走査される傾向にあり、追従するチューブの激しい揺動によりプリントヘッドに対するインク供給系内のインクの圧力変動が生じるので、圧力変動を抑えるために種々の複雑な圧力緩衝機構を設けることが強く望ましく、その点においても小型化は難しかった。
【0007】
以上に対し、例えばシリアル型のインクジェットプリント装置に適用される間欠供給方式は、キャリッジ上に相対的に小型の第2のインクタンクとプリントヘッドとを有する一方、プリント装置のキャリッジ以外の部位に相対的に大きな第1のインクタンクを有し、第1のインクタンクから第2のインクタンクに対し適切なタイミングでインクが供給されるように供給系が構成されるものである。また、主走査中には、第1および第2インクタンク間のインク供給系を空間的に切り離すことによって、第1および第2インクタンク間を流体的に絶縁するような構成が採用される(例えば、特許文献1、特許文献2など)。これによれば、連続供給方式において小型化の制約となっていたインクタンクなどの上記移動部材の大きさや、チューブの揺動による種々の問題点の発生を基本的には解決できる。
【0008】
そのような従来の間欠供給方式においては、プリントヘッドをキャリッジとともに、記録のための走査範囲外の領域に移動させ、その領域において第1のインクタンクと第2のインクタンクとを流体結合する構成が採用されていた。このため、その流体連通を行わせるジョイント部を記録のための走査範囲外の領域に配置しなければならず、その分インクジェットプリンタの小型化を制約するものとなっていた。
【0009】
これに対し、特許文献3には、プリントヘッドの走査範囲の上方に第1のインクタンクと第2のインクタンクとを流体結合するジョイント部を配置し、そのジョイント位置にプリントヘッドを回動させて流体連通が行われるようにした構成が開示されている。この構成は、ジョイント部を記録のための走査範囲外の領域に配置する構成よりも空間を有効に利用してインクジェットプリンタの小型化を促進しうる。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−238016号公報
【特許文献2】
特開2000−86819号公報
【特許文献3】
特開2000−334982号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット記録方式は、吐出口からインクを記録媒体に向けて吐出して記録を行うものであり、特に近年求められている記録の高密度化や高精細化の要求から、吐出口の微細化が進み、またこれに伴って、吐出口から吐出されるインクの量も微量なものとなってきている。このため、記録媒体上でのインクの付着位置の精度も極めて厳しいものが要求され、これに応えるために吐出口と記録媒体との間隙を厳格に管理することも要求されている。
【0012】
しかしながら、従来の間欠供給方式によるインクジェットプリンタはいずれも、流体連通が行われるジョイント位置に対するプリントヘッドの移動を前提としたものである。また、流体連通および流体絶縁を行うためのジョイント部への着脱には比較的大きな力を要するものであり、そのような着脱を行うためにプリントヘッドを移動させる構成では、記録媒体との位置が厳格に管理されるべきプリントヘッドの取付け精度がずれてくる恐れがある。
【0013】
本発明は、これを解決すべき課題として捉え、間欠供給方式を採用し、かつ空間を有効に利用してインクジェットプリンタの小型化を図りつつも、プリントヘッドの取付け精度に悪影響を与えることなく、インクの間欠供給が適切に行われるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、プリント媒体上に記録を行なうためにプリントヘッドを搭載したキャリッジが往復走査され且つプリント媒体が搬送される記録領域と、前記キャリッジが待機するホームポジションとを備え、前記ホームポジションにて前記プリントヘッドが備えるインク供給針とインクカートリッジが備えるジョイントとを必要に応じてジョイントさせて間欠的にインクを供給する形態のインクジェットプリンタにおいて、
前記プリント媒体が搬送される面を挟んで前記キャリッジの往復走査領域と対向した領域に配されて前記プリント媒体のプリント面を平坦に規制するとともに、前記インクカートリッジを収納保持するプラテンと、
前記間欠インク供給を行なう際に、前記プラテンに収納保持された前記インクカートリッジの前記ジョイントと前記プリントヘッドの前記インク供給針とをジョイントさせるために前記プリント媒体が搬送される面を横切って前記キャリッジ往復走査範囲に前記プラテンをリフトアップするリフトアップ機構と、
を具えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、またはプリント媒体の加工を行う場合を言うものとする。
【0016】
また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとするが、以下では「用紙」または単に「紙」ともいうものとする。
【0017】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきものであり、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、プリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供される液体を言うものとする。
【0018】
なお、本発明が適用される記録ヘッドは、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態、電気機械変換体によって液体を吐出させる形態、静電気あるいは気流を利用して液滴を形成吐出する形態などのインクジェット記録で提案される各種形態が挙げられるが、特に小型化の観点からは電気熱変換体を利用したものが好適に用いられる。
【0019】
(1.1)第1の実施形態
図1は外装ケースの上カバーを取り去って当該プリンタの全体構成を示す平面図、図2は副走査方向(プリント媒体搬送方向)に沿った側断面図である。
【0020】
図1において、P1はプリンタ本体であり、外装ケースをなしている。P2〜P5はプリンタの電源である乾電池であり、直列にレイアウトされている。P6はプリント用紙であり、前端部および後端部にそれぞれ余白部分であるタブP6aおよびP6bが設けられ、これらタブはプリント完了後に破線で図示されるミシン目からそれぞれ切り離すことが可能となっており、縁なし写真として提供することを可能にしている。P7はプリント用紙P6をプリントの基準面P1aに偏倚させるためのばねであり、プリント用紙のずれや斜行を防止するものである。
【0021】
図2において、P14はプリント用紙P6がスタックされた用紙82の受け台であり、プリンタ本体P1に固定されている。また、P15はプリンタと他の外部機器とを接続するためのUSB等の規格によるコネクタであり、メインプリント板P16に取り付けられている。P17,P18はメインプリント板P16に取り付けられている電気部品を例示的に示している。不図示のメインICもこのメインプリント板に取り付けられ、プリンタの動作制御を行う。
【0022】
(インクカートリッジ装填用開閉蓋)
図3は図1の構成のうち特にプリント機構部分を拡大して示す平面図、図4は図3からキャリッジ機構を取り外して示すプリンタの平面図、図5はプリント機構部分の斜視図である。
【0023】
プリント剤としてのインクを収容した本例のインクカートリッジ12は、キャリア40のスキャン方向に沿った方向にプリント機構に対しスライド装填される。本構成では、開閉蓋19を全開状態とし、これによって開口する図4に示される開閉蓋側の装填口から、スライド装填される。
【0024】
図3において、2はロックスライダであり、プリント用紙P6を搬送するときに搬送ローラ78(図5に図示)に用紙を押し付けて搬送力を発生させるためのピンチローラ37にスライド移動可能に嵌合している。このロックスライダ2には、インクカートリッジ12を交換するときに開閉する開閉蓋19に一体的に構成されている蓋ガイド板13が不用意にスライドするのを防止するためのロックピン4があり、ロックスライダ2のスライド移動によりロックピン4が蓋ガイド板13から抜けることで開閉蓋19が開閉可能になるようになっている。また、開閉蓋19が全開まで開けられたときにロックピン4が前記ロック位置に戻るようにプログラムされていて、開閉蓋19を再び閉じると蓋ガイド板13がロックピン4の斜面部分4a(図4に図示)を押すことでロックピン4をスライド移動させる。そして開閉蓋19を完全に閉じた位置でロックピン4が蓋ガイド板13の穴13b(図4に図示)に嵌まり込み開閉蓋19をロックするようになっている。ロックピン4には、その抜け止めに兼用される接点3が一体に形成されている。この接点3はばね5によりロックスライダ2の端子部2b(図6も参照)に向けて常時付勢されている。開閉蓋19が閉じられるときには、蓋ガイド板13によりロックピン4がばね5の方向に移動し、これによって接点3と端子部2bとの接触状態が解除される。そして、開閉蓋19が完全に閉じられてそのロックが完了すると、接点3と端子部2bとは再度接触するようになっている。なお、接点3と端子部2bとの接触状態は、後述のメインICにより確認できる。
【0025】
14は開閉蓋19が閉じているときに目隠しをするための化粧板であり、図4あるいは図6に示されるように、蓋ガイド板13の連動部13aのガイドも行う。15は開閉蓋19の全開時のクリックばねであり、プリンタ本体P1にかしめ軸P13およびP14により固定され、蓋ガイド板13の連動部13aがクリックはね15の山部を乗り越えるとクリック係止が行われる(図8も参照)。
【0026】
図4において、110はそのフランジ部110aで軸57のリードに沿って移動するリフトスライダ58に取り付けたロック連動部材であり、フランジ部110aとは反対の先端にはロックスライダ2のフック部2dと掛合するようにフック部110bが設けられている。フック部2dとフランジ部110aとの間には圧縮ばね111が配設され、ロックピン4を押さえているばね5よりもこの圧縮ばね111のばね力を高く設定しておくことで、開閉蓋19を閉じるときにロックピン4が押された場合には、必ずばね5の方が圧縮されロックピン4がばね5の方向に移動して接点3と端子部2bとがオフとなるようにすることができる。また、図4の状態から、リフトスライダ58が開閉蓋19から遠ざかる方向に移動したときには、フック部110bとフック部2dとが掛合しているためにリフトスライダ58の移動距離分だけロックスライダ2も同じ方向に移動することになり、開閉蓋19のロックが解除される。
【0027】
(インクカートリッジの内部構成)
プリントヘッドの走査領域に対向した領域に配置されたインクカートリッジ12には、図9および図2に示すように、内部に廃インク吸収体23(この廃インク吸収体23は、図11、図16で示されるようにプリントヘッドが記録領域を走査して記録を行う際に、プリント用紙全面に印字を行うことを可能にするため、プリント用紙の幅から外側にインクをはみ出して吐出されたインクを受容するためのもので、インクカートリッジ12には図14、図16に示されるように開口12cが設けられており、この開口12cを介してインクを受容可能にしている。)と、ジョイントケース90に接続されているインク袋86、87および88とが収納されている。ジョイントケース90には、インク袋88、87および86からのインク流路のそれぞれに対応してジョイントゴム91、92および93が押さえ板89により押圧された状態で取り付けられており、インク漏洩が生じないようになっている。なお、インク袋は、プリンタで用いるインクの色や濃度などの種類に応じた個数を設け得るのは勿論である。
【0028】
また、図4あるいは図12に示すように、ジョイントケース90に隣接してワイパインク吸収パッド108がパッドホルダ109に保持された状態で取付けられており、インクカートリッジ12の内側に向けて押し込まれる方向に移動可能に支持されている。また、図6に示すように、プリントヘッド68の回復動作で発生する廃インクを吸収するために廃インク吸収体に接続できる長穴で構成されたドレン穴12bが設けられ、さらにこのドレン穴12bの内側には逆流防止膜22がセットされて、ドレンパイプ20が挿入できるようになっている。
【0029】
(インクカートリッジ脱着機構および検知機構)
図3あるいは図4、または図6〜図8に示される24は開閉蓋19の全開を検知する全開スイッチであり、接片24aがプリンタ本体P1に固定されているピンP15によって位置決めされる一方、開閉蓋19が図8に示されるように全開となることによって可動接片24bがラックギア18に押され接片24aに対して可動接片24bが接触することにより、オンとなる。
【0030】
図3あるいは図4、または図6〜図8に示されるトグルギア25はプリンタ本体P1に固定されている回転軸P12に回転可能に支持されている。ラックギア18と噛み合うピッチ円半径よりも小さい位置には、連動レバー27の長穴27dと嵌合する駆動ピン25aが配設され、駆動ピン25aにはトグルばね26が接続されている。トグルばね26はトグルギア25の駆動ピン25aとプリンタ本体P1に固定されている軸P9との間に張架されており、図6に示す状態で安定しているように設定されている。開閉蓋19を開いた場合、図7に示されるように、開閉蓋19の移動に伴ってラックギア18が移動してトグルギア25が矢印で示されるように時計方向に回転する。また、開閉蓋19が閉じられた場合、開閉蓋19の移動に伴ってラックギア18が移動して反時計方向(反矢印方向)に回転して(動作の様子は不図示)ラックギア18との噛合が解除されたときには、トグルばね26の力により図6の状態に復帰する。
【0031】
図2に示されるように、インクカートリッジ12をプリンタ本体P1にスライド装填するとき、プラテン9の凸状のガイド部9hおよび9iとインクカートリッジ12の凹部のガイド部12dおよび12eとがそれぞれ嵌まり込んで位置決めされる(なお、図5に示されるインクカートリッジの概観図では、ガイド部12dのみが示されている)。そして、その位置決めのための凹部のガイド部12eの口元部には、図4に示すように、インクカートリッジ12が未使用であることを示すための突起(以下、未使用突起という)12aが配設されている。図6に示すように、その未使用突起12aの最高部にある凸部の平坦面12abはインクカートリッジ12の外装面から突出しないように同一平面となっており、未使用のインクカートリッジ12をプリンタに装填するときにユーザが指等で不用意に未使用突起12aを折り曲げてしまうような不都合を防止している。
【0032】
図4に示される28はプラテン9に設けられたインクカートリッジ12の在否検知スイッチである。また、29は検知レバーであり、図10に示すように、プラテン9の軸受け部9fにより回転軸104を中心に回転可能に支持されており、未使用インクカートリッジ12が装填された場合には、未使用突起12aが未だ折り曲げられていないので、この未使用突起12aによって検知レバー29の凸部29aが押され、在否検知スイッチの可動接片28aのばね力に抗して図10において時計方向に回転し、可動接片28aを固定接片28bから離隔させて在否検知スイッチをオフとする。
【0033】
この状態をインクカートリッジ12が新たに装填された状態として後述のメインICにて認識することができるようになっている。
【0034】
未使用突起12aは、図7に示されるように、インクカートリッジ12の取り外しを行うための蓋19の開放動作に伴い、上述のように連動レバー27が移動して検知レバー29を押して移動させることによって折り曲げられて塑性変形し、元に戻らない状態となる。また、このとき在否検知スイッチ28は図8に示すように可動接片28aが固定接片28bと接触して再びオンとなる。従って、インクカートリッジ12のインクがなくなった場合に開閉蓋19を全開にし、そのインクカートリッジ12を取り出した場合にも、在否検知スイッチ28のオン状態が継続され、また誤ってインクのなくなったインクカートリッジ12を一旦取り出した後に再度装填しても在否検知スイッチ28がオフとはならない。よってこの場合、プリンタのインク残量記憶情報(インクなしの情報)はリセットされず、未使用カートリッジと区別できるという機能も兼用している。さらに、当然のことながら、図8に示すように開閉蓋19を一旦全開にした後にインクのなくなったインクカートリッジ12をそのまま取り出さない場合にも在否検知スイッチ28がオフとはならないので、インクカートリッジ12の交換がなされていないことをメインICが検出できる。従って、インクのなくなったインクカートリッジ12を未使用カートリッジと誤認識し、プリント時にインクのかすれなどの不都合を生じることを防止できる。
【0035】
検知レバー29は、図10に示すように、プラテン9の軸受け部9fおよび9gにより回転軸104を中心に回転可能に支持されており、未使用インクカートリッジ12が装填された場合には、未使用突起12aが未だ折り曲げられていないので、この未使用突起12aによって検知レバー29の凸部29aが押され、在否検知スイッチの可動接片28aのばね力に抗して図10において時計方向に回転し、可動接片28aを固定接片28bから離隔させて在否検知スイッチをオフとする。
【0036】
図4または図6に示されるように、30はインクカートリッジ12の抜け止めとなるストッパ部材であり、図6に示すように略U字形状の板ばね31に取り付けられている。板ばね31はプラテン9の略U字状に形成した部分9cにセットされている。未使用のインクカートリッジ12を装填部に装填していくと、未使用突起12aの斜面部12aaによってストッパ部材30が押され、これに伴って板ばね31が撓むようになっており、インクカートリッジ12の装填が完了した状態では板ばね31の反力でストッパ部材30は元の位置に復帰することになる。そして、この状態でインクカートリッジ12を取り出そうとしてもストッパ部材30に未使用突起12aの端部12acが突き当たった状態となり(不図示)、一旦装填したインクカートリッジ12が不用意に取り出される、もしくは脱落するような不都合を防止できる。
【0037】
一方、インクカートリッジ12のインクが残り少なくなって交換を行うときには、図7に示すように開閉蓋19の開放動作に伴って連動レバー27の凸部27aにより検知レバー29が押し込まれ、凸部29aが未使用突起12aを折り曲げあるいは切断するので、それまでストッパ部材30に突き当たっていた端部12acが逃げ、しかも検知レバー29と当接していた面12abがストッパ部材30に当接して板ばね31を撓ませる斜面として作用するようになるので、未使用突起12aの折り曲げ量が不充分であってもインクカートリッジ12の取り出しに際しては何ら問題が発生しない。さらに、未使用突起12aが折り曲げにより切断される場合にはストッパ部材30に当接するものがないのでインクカートリッジ12の取り出しができることは言うまでもないことになる。
【0038】
なお、本実施形態では樹脂成形品でなる筐体を有するインクカートリッジ12が用いられるが、その材質は樹脂のみならず金属製であってもよく、未使用突起12aの折り曲げを同様に実施できるものであれば適宜の材質のものを用いることができるのは言うまでもない。また、インクカートリッジ12の外装と一体化されている構成ではなく、別体の部品を組み合わせて構成されるものでもよい。
【0039】
(プラテンとインクカートリッジの結合)
図3において、1は給紙ローラを駆動するためのモータであり、後述する機構によりその駆動力の伝達経路の切り替えを行ってインクカートリッジのリフトアップ機構の駆動も行うようになっている。
【0040】
図3において、6はプリンタ本体P1に固定されているヒンジ板であり、後述のようにプラテン9をインクカートリッジ12とともにリフトアップするのに用いられる部材である。このヒンジ板6にはピン7および10が突設され、プラテン9の部分9aおよび9bにそれぞれ遊嵌されて、プラテン9がリフトアップされるときの回動軸となる。8および11は抜け止めワッシャであり、それぞれピン7および10の脱落を防止している。
【0041】
プラテン9は、プリント時に用紙が押し付けられて被プリント面を平坦に規制するための基準板である。前述のように、本例においては、開閉蓋19が全開状態とされ、これによって開口する装填口からインクカートリッジ12がスライド装填される。このとき、図2に示すように、位置決めの基準となる凸状のガイド部9hおよび9iと、インクカートリッジ12の凹部のガイド部12dおよび12eとがそれぞれ嵌まり込んで装填状態が確保される。従って、プラテン9が後述のようにインク供給時にピン7および10を回動軸としてリフトアップされるときには、プラテン9と一体となってインクカートリッジ12もリフトアップされる。また、プラテン9には用紙の全面へのプリント(フルブリードプリント)を行う際に、用紙からはみ出して吐出されたインクを通過させるための開口部9dおよび9eが設けられている。また、インクカートリッジ12には、その装填が完了したときにプラテン9の開口部9dおよび9eにそれぞれ対応する位置に開口部12cが設けられており、用紙からはみ出して吐出されたインクはこれら開口部を介して、インクカートリッジ12内に設けた廃インク吸収体に受容される。
【0042】
一方、図3もしくは図6に示すように、プリンタ本体P1には、ドレンガイド板16が設けられ、蓋ガイド板13と同方向にスライド可能にプリンタ本体P1に支持されている。図6に示すように、ドレインガイド板16のフック部16cとプリンタ本体P1との間にはばね17が張架され、開閉蓋19を常時開放する方向に付勢している。また蓋ガイド板13の連動部13aには連動部16aまたは16bが当接する。前述した通り18はドレンガイド板16に固定されているラックギアであり、ドレンガイド板16のスライド移動によってトグルギア25にラックギア部分のみ(図6では3歯のみ)が噛合してトグルギア25を所定量回転させる。
【0043】
図6に示すように、ドレンパイプ20はドレンガイド板16に固定された略L字形状を有し、その一端はチューブ21を介し図4に示されるシリンダポンプ33に接続されている。そして、インクカートリッジ12が装填され、開閉蓋19が閉じているときには図6に示されるようにその他端がインクカートリッジ12の廃インク吸収体23に挿入され、この状態で廃インクの排出が可能である。
【0044】
(主走査機構およびプリントヘッド)
図3において、35はリードスクリューであり、プリント時にプリントヘッド68を組み込んであるキャリア40を用紙の搬送方向(副走査方向)に直交する方向(主走査方向)に往復スキャン駆動するための部材である。リードスクリュー35は、駆動モータ41から、その軸に圧入されているピニオンギアG6および不図示のアイドラギアを介して、リードスクリュー35の軸に圧入されている不図示のスクリューギアへ駆動力が伝達されることにより、回転駆動される。また、リードスクリュー35とキャリア40とはリード駒112を介して結合し、このリード駒112がキャリア40の穴部40eに嵌まり込み、キャリア40のスキャン方向に片寄せばね113により付勢されて、その一部がリードスクリュー35の溝に係合することにより、リードスクリュー35の回転に伴ってキャリア40が往復駆動される。このリードスクリュー35に対するリード駒112は、本実施形態ではキャリア40が主軸42とガイド軸46とで姿勢が規制されて往復移動するものであるので、第3の軸であるリードスクリュー35と結合させる上で必要なものである。
【0045】
プリントヘッド68(図10参照)を搭載するキャリア40には、主軸42との嵌合部として、軸受けパイプ44と軸受け43、45とを一体にした軸受け部材が固定して配設されている。また、キャリア40には、図10に示すようにプリントインクを貯留するためのタンク部40b、40cおよび40dが設けられ、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン等のインクがプリント時における適宜のタイミングにて注入される。また、タンク部40b、40cおよび40dの内部には、それぞれインク含浸用のスポンジ72、73および74が収納されている。さらに、図11に示すように各インクタンクには樹脂製の蓋54が接着され、気体と液体とを分離する膜(以下、気液分離膜という)55を介して吸引口40a(図9、図10参照)に気体の流路ができるように蓋部材56が設定されている。
【0046】
プリントヘッド68は主走査方向と異なる方向(例えば副走査方向)に配列された吐出口の列を有し、その吐出口列は用いるインク色に対応した数、主走査方向に並置されている。
【0047】
図9に示すように、インク供給針94,95および96はキャリア40にそれぞれ圧入されており、インクタンク40b、40cおよび40dにそれぞれ独立した流路が形成されるようになっている。また、位置決めピン97および98はそれぞれ先端部に円錐形部分97aおよび98aを有している。そして、円錐形部分97aおよび98aがインク供給針の先端より低い位置となるよう設定されており、以下で説明するように、プラテン9およびインクカートリッジ12がリフトアップしていくときに位置決めピン97および98の先端の円錐形部分97aおよび98aがインク供給針94、95および96より先に押さえ板89に設けられた89e、89dに対して挿入され位置決めされるようにしてある。これにより、インク供給針94、95および96がそれぞれジョイントゴム91、92および93に正確に差し込まれるようになる。
【0048】
(リフトアップ機構)
本実施形態では、プリントヘッドに連通したサブタンク40b、40c、40dに対して必要に応じてインクカートリッジからインクを供給する間欠供給方式を採用している。間欠供給を行う際にインクカートリッジ12をリフトアップし、上述したようにプリンタ本体側の機構と結合させることで、キャリア40上のタンク部40b、40cおよび40dに対してのインク注入動作等が行われる。そのリフトアップ機構について説明する。
【0049】
図2において、57はリフトアップを行わせるリフトスライダ58を摺動させるためのリードスクリューであり、用紙P6を給紙するための駆動源をなす給紙モータ1(図3参照)の駆動力を、図10に示すような遊星ギア機構にて動力伝達経路の切り替えを行うことにより回転駆動される。
【0050】
まず、その遊星ギア機構について説明するに、図3および図10において、給紙モータ1の軸にはピニオンギアG9が圧入され、モータ1の動力は、ピニオンギアG9から減速ギアG10およびG11を介して太陽ギアG12に伝達され、さらに太陽ギアG12と同心の小ギアG12aを介して遊星ギアG16に伝達される一方、同じく小ギアG12aから遊星ギアG13を介して遊星ギアG14に伝達されている。遊星ギアG16は、図10の状態では伝達ギアG17と離隔しており、空転するだけである。これに対し、遊星ギアG13に結合する遊星ギアG14は、リードスクリュー57に取り付けられている伝達ギアG15と噛合しているので、動力を伝達できる状態にある。
【0051】
遊星ギアG16、G13およびG14は、回転板100に設けられた軸にそれぞれ回転可能に支持されており、遊星ギアG16には太陽ギア12と同心の回転板100との間に回転フリクションを与えるためのばねが設けられており、太陽ギアG12の回転方向と同じ方向に回転板100が一定のフリクションをもって回転する。回転板100には凸部100aが設けられ、プリンタ本体P1に固定されているストッパピンP19とP20との間で回動できるようにされている。また、回転板100にはカム面100bが設けられており、搬送ローラ78の端部に設けられたレバー102がストッパピンP21に当接しているときにカム面100bがレバー102と突き当たって、太陽ギアG12の時計方向の回転に伴う回転板100の時計方向の回転を生じさせないようにしてある。図10の状態のときには、リードスクリュー57はモータ1によって正逆転ともに可能であるように構成されている。ここで、レバー102は搬送ローラ78に回転可能に嵌め込まれている。また、プリンタ本体P1に固定されているギア支持側板P8とレバー102との間にはフリクションばね103(不図示)が設けられ、レバー102は搬送ローラ78が反時計方向に回転したときにはストッパピンP21に突き当たって図10の状態になり、搬送ローラ78が時計方向に回転したときにはストッパピンP22に突き当たるように設定されている。なお、ストッパピンP21およびP22はプリンタ本体P1に固定されているのは勿論である。
【0052】
リフトスライダ58は前述のようにリードスクリュー57の正転または逆転によりプリントヘッドのスキャン方向と平行な方向にスライド移動可能である。リフトスライダ58には、図3に示される吸引ジョイント48をキャリア40に対しジョイントさせたり引き離したりするためのカム面58aおよび58bが図4に示されるように設けられている。さらに、リフトスライダ58にはプラテン9をリフトアップするためのリフトカム58cが設けられ、ここにプラテン9に固定してあるリフトピン9fが係合している。さらに、リフトスライダ58には吸引キャップ60をキャリア40のプリントヘッド68の部分に着脱させるためのキャップカム58dが設けられ、吸引キャップ60とキャップベース62とを保持しているキャップ保持板59の係合部59aが係合している。
【0053】
要求に応じ、図12に示される位置にキャリッジを移動した状態で、上述したようにリードスクリュー57を回転させ、リフトスライダ58を内側にスライド移動させることによってプラテン9に固定してあるリフトピン9fがリフトカム58cに沿って移動し、図13に示されるように、プラテン9の回転軸7を中心にプラテン9が回動し、インクカートリッジ12をリフトアップさせる。この状態ではインク供給針94がジョイントゴム91に挿入され、インク袋88のインクがジョイントケース90の室90eを通ってキャリア40のインクタンク40bに間欠供給できる。
【0054】
(タンクへのインク導入部)
48はシリコンゴム等で作られた吸引ジョイントであり、図9に示すように樹脂製のL字形状のパイプ49がジョイントレバー51の一部を挟んで差し込まれており、パイプ49と吸引ジョイント48とがジョイントレバー51に固定される。また、トーションばね52のばね力を利用してジョイントレバー51を付勢することにより、キャリア40が所定の部位(図3の位置)に位置しているときに吸引ジョイント48のジョイント口48aが吸引口40aに向けて押し付けられるが、パイプ49から抜ける力は発生しないようになっている。さらにL字状パイプ49の他端にはシリコンゴム等で形成されたチューブ50が挿通されており、さらにこのチューブ50はシリンダポンプ33の空気吸引側に接続されている。そして、図9の状態でシリンダポンプ33が空気吸引動作を行なうと、吸引ジョイント48に負圧が発生し、キャリア40のインクタンク40b、40cおよび40d(図10参照)内にある空気が、気液分離膜55を通して吸引口40aから吸い出される。
【0055】
図9に示されるように、ジョイントレバー51の基部は、プリンタ本体P1に固定されているヒンジプレートP9上に回転軸53により回転可能に支持されている。回転軸53にはトーションばね52が掛けられており、一方のアームがプリンタ本体P1に、他方のアームがジョイントレバー51に当接し、これによりジョイントレバー51は図9において常に時計まわりの方向に付勢される。
【0056】
一方、図9に示すように、インク供給針94,95および96はキャリア40にそれぞれ圧入されており、インクタンク40b、40cおよび40dにそれぞれ独立した流路が形成されるようになっている。また、位置決めピン97および98はそれぞれ先端部に円錐形部分97aおよび98aを有している。そして、円錐形部分97aおよび98aがインク供給針の先端より低い位置となるよう設定されており、プラテン9およびインクカートリッジ12がリフトアップしていくときに位置決めピン97および98の先端の円錐形部分97aおよび98aがインク供給針94、95および96より先に押さえ板89に位置決めされるようにしてある。これにより、インク供給針94、95および96がそれぞれジョイントゴム91、92および93に正確に差し込まれるようになる。
【0057】
(吸引機構)
図3に示される32はポンプモータであり、シリンダポンプ33とピストン34とで構成されたポンプを駆動する。このモータ32の伝動経路に配される減速ギア系、およびピストン34やピストン軸34aを駆動する機構等については、公知の構成を用いることができるので、図を簡略化するために省略されている。
【0058】
(キャップ)
上述のインク導入や、後述の吸引回復動作等に際しプリントヘッド68の吐出口形成面に接合される吸引キャップ60は、キャップ保持板59に保持されている。キャップ保持板59は、図4に示すように、プリンタ本体P1に支持されている回転軸60sを中心に回動可能である。吸引キャップ60と一体化されたキャップベース62の嵌合軸62aおよび62bをキャップ保持板59の引掛け部59bおよび59cにそれぞれ係合させ、キャップ保持板59がキャップカム58dから開放された図17に示す位置では圧縮ばね63がキャップベース62を常に押上げていて、吸引キャップ60がキャリア40に押し付けられるようになる。このとき吸引キャップ60がキャリア40に対してイコライズできるように、キャップ保持板59の引掛け部59bと59cとはそれぞれキャップ60の移動方向(図4では上下方向)に設けた長穴と嵌合としている。このように引掛け部59bと59cとがイコライズ性を持つことにより、キャップ保持板59の位置精度が低くても、図17に示すように吸引キャップ60がプリントヘッド68に対して密閉できることになる。
【0059】
吸引キャップ60は例えば塩素化ブチルゴム等で形成され、プリントヘッド68の回復動作時等にキャリア40に保持されているプリントヘッド68のインク吐出口形成面に押し付けられるリブ60aを全周に設けてあり、これによってインク吐出口形成面を密閉可能である。また、リブ60aの内側には凹部60bが設けられ、厚みが比較的薄いインク吸収体61がセットしてある。また吸引キャップ60には2箇所に穴が設けられ、図17に示すようにこれらの穴からキャップベース62のパイプ部が貫通し、インク吸収体61にパイプ部が接している。
【0060】
キャップベース62の一方のパイプ部に接続されているチューブ67は前述のシリンダポンプ33の吸引側に接続され、チューブ67部分が負圧状態となることでプリントヘッド68と吸引キャップ60との密閉空間が負圧状態となり、これによってプリントヘッド68のインク吐出口に吸引力を作用し、インク中に滞留する気泡や、増粘インクなどを吸い出すことができる。また、キャップベース62の他方のパイプ部に接続されているチューブ64は大気開放バルブ65に接続され、さらにその先で大気開放部66で大気と連通可能である。そして、プリントヘッド68の回復処理が完了すると大気開放バルブ65を開放して前述の密閉空間を大気と連通させ、これによって回復動作をすばやく解除するとともに、インク吸収体61に吸収されているインクをチューブ67を介して吸い出し、前述のドレンパイプ20からインクカートリッジ12の廃インク吸収体23に導出する。これらのような一連の回復動作については、インクジェットプリンタでは一般に行なわれていることであるので、これ以上の説明は省略する。
【0061】
(ワイパ機構)
図14において、105は、ワイパブレード106がプリントヘッド68を拭き取ることにより付着した廃インクを一時的に吸収させるためのワイパインク吸収体であり、スポンジ等の材質で形成され、プリントヘッド68の吐出口形成面とほぼ同一面に位置するようにキャリア40に配設されている。ワイパブレード106はゴム等で形成され、ワイパホルダ107に取り付けられて、キャリア40のスキャン方向に対して矢印で示されるように直交する上下方向の移動(図11)と、回転の動作(図15)とが可能となっている。すなわち、ワイパブレード106が上昇位置にあるときにはプリントヘッドの吐出口形成面と係合して拭き取りの動作(図14)が可能となり、回動位置にあるときにはインクカートリッジに配設したワイパインク吸収パッド108に係合して、ワイパブレード106に付着した廃インクをインクカートリッジ12のワイパインク吸収パッド108へ伝達できる(図15)。
【0062】
ワイパインク吸収パッド108は板ばねで形成されたパッドホルダ109に上下方向にスライド可能に保持され、インクカートリッジ12のリフトアップ状態では、キャリア40に配設されているワイパインク吸収体105にパッドホルダ109のばね力により押し当たり、ワイパインク吸収体105の廃インクをワイパインク吸収パッド108に伝達することが可能である。なお、ワイパインク吸収体105よりもワイパインク吸収パッド108の方が廃インクの浸透性が高いものとしておくことは勿論である。
【0063】
(記録)
図2に示される給紙ローラ80を駆動させ、プリント用紙P6を搬送してプリント位置にセットする。そして、図11および図16に示す位置の間でキャリア40を往復駆動させながら、プリントヘッド68から画像データに対応したインクをプリント用紙P6に吐出し、プリントを行なう。その際、プリント用紙P6の両側端部P6a、P6bの外側にまでインクを吐出することによって、縁なし全面プリント(フルブリードプリント)を行う。このときプリント用紙P6からはみ出た領域のインクは、インクカートリッジ12に設けられた開口12cに臨んで配置された廃インク吸収体23によって回収される。
【0064】
(1.2)動作説明
以下、インクカートリッジ12からインクを供給して用紙にプリントするまでの動作について説明する。
【0065】
図12は、未使用のインクカートリッジ12の装填を完了した直後の状態を示した図である。吸引キャップ60は、キャリア40のヘッド保持板70に取り付けられているプリントヘッド68の吐出口形成面部からばね63の付勢力に抗して離されている状態にある。これはプリント可能位置と同じ位置であり、プラテン9およびインクカートリッジ12はリフトアップの第1ポジションになっている。つまり全くリフトアップなしの位置でインクカートリッジ12が装填されている。
【0066】
未使用のインクカートリッジ12が装填され、開閉蓋19が完全に閉じられると、この過程でロックスライダ2と接片3とが一旦離隔し、再度接触するので、この在否検知スイッチ28の信号を検知することで未使用のインクカートリッジ12の装填完了が認識される。そして、この信号を検知するとモータ1を駆動し、図18に示すリフトアップの第3ポジションへのセットを行う。このリフトアップの第3ポジションはプリントが終了して次のプリントがまだ設定されていないときの待機状態でもあり、インクタンク40b、40cおよび40d内にあるスポンジ72、73および74の残留インクの乾燥を防止するためにインク供給針94,95,96の先端をジョイントゴム91,92,93に近づけるようにしている。インク供給針をジョイントゴムに差し込んだ状態が乾燥を最小限にする上では最も効果的であるが、インク供給針のジョイントゴムに挿入する挿入力を少なくするためにジョイントゴムがエラストマ等で作成されている場合には、インク供給針をジョイントゴムに挿入したまま放置すると短時間で永久歪を起こし、インク漏洩という不都合が生じることになるので、本実施形態では近接状態に保持されるようにしている。ただ、プリント用のインクを供給するためにインク供給針をジョイントゴムに挿入する程度の時間であれば永久歪を起こすことはないことが実証されている。また、この第3ポジションの位置では、ワイパインク吸収体105とワイパインク吸収パッド108とは常に当接しており、ワイパインク吸収体105の残留廃インクをできるだけ減少させるように構成してある。
【0067】
図19は図18のリフトアップの第3ポジションのときの位置決めピン97の状態(位置決めピン98も同様)を示した図であり、位置決めピン97(98)の円錐状の先端ではなくストレート部に押さえ板89の位置決め穴が嵌合しているので、プリンタに振動が加わったり、あるいは万一プリンタを誤って落としてしまったような場合でもキャリア40が移動して壊れてしまうことを防止できる。
【0068】
図18あるいは図19の待機状態でプリント開始スイッチをオンさせると、モータ1に通電して図20に示すようにプラテン9およびインクカートリッジ12をリフトアップの第4ポジションにセットし、キャリア40上の各色のインクタンク40b、40c、40dに対し、インク袋86,87,88からインク供給針94,95,96を介してプリントに使用するインクを供給する動作を行なう。このインク供給動作は、キャリア40にあるインクタンクの容量を僅少(例えば用紙1枚分のプリントに対応した量)としたことに対応して行われるものである。インク供給動作は、リフトアップの第4ポジションのときには図17に示すようになっており、吸引ジョイント48のジョイント口48aがキャリア40に当接し吸引口40aからインクタンク40b、40c、40d内の空気を吸い出すと、その負圧によりインク供給針94,95,96よりインク袋86,87,88の各色のインクが吸い出されることで実現される。しかも各インクタンクには気体と液体とを分離する膜が配設されているので、各インクタンクがインクで一杯になると気液分離膜にインクが接することになり、この状態になると吸引口40aから空気を吸い出すことができなくなるので、自動的にインク供給が停止される。この図20の状態でも吸引キャップ60をばね67(不図示)によりキャリア40のプリントヘッド68部分に押し付けた密着状態のままにしてあるのは、インク供給時に各インクタンク40b、40c、40d内が負圧になるので、密着状態でないとインク吐出口から空気が吸い込まれてしまい、インク袋からのインク供給量が減少してしまうからである。また、この第4ポジションは、リフトアップ量がもっとも大きいが、パッドホルダ109のばねの圧縮量をこの図20の状態で最大値になるように設定し、ワイパインク吸収体105とワイパインク吸収パッド108とが適切に当接できるようにしてある。
【0069】
図20の動作で各インクタンク40b、40c、40d内にインクが満たされると、プラテン9およびインクカートリッジ12は第3ポジションと第1ポジションの中間の位置であるリフトアップの第2ポジションにセットされる。この第2ポジション位置はプリントヘッド68内に残留している泡等を取り除くための回復動作を行なう位置である。回復動作に際しては、ばね67によりプリントヘッド68部分に対する吸引キャップ60の密閉状態が継続されているが、インク供給針94、95および96はジョイントゴム91、92および93から完全に離れていなければならない。これは、回復動作では、吸引キャップ60がプリントヘッド68部分を密閉している状態でシリンダポンプ33を作動させてチューブ67を負圧にし、プリントヘッド68ないし各インクタンクからインクを吸い出すことで残留泡等の除去が行われることになるが、この際もしインク供給針がジョイントゴムに接しているとインク供給針が密閉されることになり、空気流入が許容できなくなるので、プリントヘッド68からの残留泡の吸い出しが行われなくなってしまうからである。この回復動作は、プラテン9およびインクカートリッジ12のリフトアップの位置を第2ポジションではなく第1ポジションとして行うこともできるが、後述するリフトアップ機構の動作においてこの回復動作位置を第1ポジションにすると、リフトカムの傾きが大きくなり、その分モータ1の駆動負荷が増し、電池の消耗が激しくなってしまうので、第2ポジションにて行うことが好ましい。
【0070】
回復動作についてはインクジェットプリンタでも一般に行われていることであるので、これ以上の説明は省略する。
【0071】
回復動作が完了すると、ワイパ動作の準備として吸引キャップ60をキャリア40側からばね67の付勢力に抗して引き離し、プラテン9およびインクカートリッジ12をプリント時と同じリフトアップの第1ポジションにセットする。
【0072】
その状態から、ワイパ106を通り越した図11の位置にキャリア40を移動させた後に、ワイパブレード106を図12に示す下降位置から図11に示す上昇位置まで、キャリア40の方向に向けて移動させる。次にキャリア40を所定の速度で左方向に移動させると、図14に示すように、ワイパブレード106が撓みながらその角部がプリントヘッド68に当接し、プリントヘッド68の吐出口形成面に付着した不要なインクを拭き取ることができる。さらに、キャリア40が図中左方向に移動することでワイパブレード106がワイパインク吸収体105に当接する。
【0073】
この状態でキャリア40を停止させ、図15に示すようにワイパブレード106をワイパホルダ107とともに時計方向に回転させて、インクカートリッジ12のワイパインク吸収パッド108にワイパブレード106を押し付ける。これによりワイパブレード106に残っている廃インクが拭い取られる。
【0074】
次に、ワイパブレード106およびワイパホルダ107を初期の待機位置にセットする(図12の状態)。この図12の状態で図2に示される給紙ローラ80を駆動させ、プリント用紙P6を搬送してプリント位置にセットする。そして、図11と図16に示す位置の間でキャリア40を往復駆動させながら、プリントヘッド68から画像データに対応したインクを用紙P6に吐出し、プリントを行なう。
【0075】
(1.3)リフトアップ機構の動作
以下、プラテン9およびインクカートリッジ12のリフトアップ機構の動作を説明する。
【0076】
図4および図21に示される状態では、リフトスライダ58のカムが第1のポジション(図21の状態)にあり、プラテン9に固定されているリフトピン9fがリフトスライダ58のカム溝のリフトカム58cに嵌まり込んで、プラテン9およびインクカートリッジ12をほぼ水平の位置に保持している。もちろん吸引キャップ60のキャップ保持板59の係合部59aはキャップカム58dによって押し下げられているので、吸引キャップ60はキャリア40上のプリントヘッド68部分から離れている状態となっている。この位置では、プラテン9のリフトピン9fがリフトカム58cの第1ポジション58caに位置しており、図4および図21に示すように、キャップ保持板59の係合部59aはキャップカム58dの押し付け面位置58dbに位置していて、キャップ60はキャリア40上のプリントヘッド68部から離されている。
【0077】
モータ1を駆動しリードスクリュー57を回転させてリフトスライダ58をやや左方向に移動させた状態では、リフトピン9fの位置は第1ポジション58caの状態を維持していて、キャップ保持板59の係合部59aはキャップカム58dの押し付け面位置58dbの中で移動しているがカム面58dbから外れていない位置であり、吸引キャップ60はキャリア40から離れた状態を維持している。
【0078】
この状態ではリフトカム58cは第1ポジションのままであり、プラテン9とインクカートリッジ12とは水平状態を維持するとともに、キャップ保持板59の係合部59aはキャップカム58dにより吸引キャップ60と共に押し下げられているので、プリントを行なうことができる状態である。
【0079】
図22では、リフトスライダ58がさらに左方向に移動し、プラテン9のリフトピン9fがリフトカム58cによって押上げられ、リフトピン9fはカム面58cbに位置し、プラテン9の回転軸7および10を中心に回動してプラテン9とインクカートリッジ12とが第2ポジションに位置するようになる。プラテン9とインクカートリッジ12とを第2ポジションにリフトアップすることで多少傾斜するが、インク供給針94,95,96とは離れている状態となっている。また、キャップ保持板59の係合部59aはキャップカム58dの押し付け面位置58dbから斜面58daを経てフリーの位置になることで、吸引キャップ60は、キャリア40上のヘッド保持板70にイコライズしながら、ばね63の付勢力によってプリントヘッド68の吐出口形成面を密閉状態にし、回復動作を行なうことができる位置となっている。
【0080】
図18は長期保存が可能な待機位置となるようにリードスクリュー57をさらに回転させ、リフトスライダ58を左方向に移動させることによりリフトピン9fをリフトカム58cの第3ポジション58ccに位置させることで、プラテン9とインクカートリッジ12とリフトアップの第3ポジションに設定している。この状態では、インク供給針94,95,96の先端はジョイントゴム91,92,93に最も接近している。もちろん吸引キャップ60の位置を制御しているキャップ保持板59の係合部59aは、キャップカム58dからさらに離れていくことになるので、プリントヘッド68の吐出口形成面は吸引キャップ60によって密閉状態に維持されている。
【0081】
図20はリフトスライダ58が最左端位置に移動した状態であり、プラテン9のリフトピン9fがリフトカム58cの最上段の第4ポジション58cdに位置している。 この位置ではインク供給針94,95,96がジョイントゴム94,95,96に挿入されており、キャリア40のインクタンク内にインクを供給可能な状態である。この位置でも吸引キャップ60はプリントヘッド68の密閉状態を維持している。
【0082】
(2)第2の実施形態
図23は、リフトアップ動作における最適化を行なうようにした実施形態の説明図である。
【0083】
図23の構成では、第1の実施形態におけるジョイントケース90の代わりにジョイントケース115が設けられ、このジョイントケース115は、ジョイントゴム91,92,93を取付ける面を、プラテン9をリフトアップするときに回転する方向とは逆の方向(図の反時計方向)に、プラテン9の最大回転量(ここではプラテン9が時計方向に4度回転している)と等しい角度(すなわち4度)だけ、傾いたものとしている。図23はインク供給針94、95および96がジョイントゴム91、92および93に突き刺さる様子を示しているが、面を傾けていない第1の実施形態ではインク供給針が斜めから突き刺さるのに対して、本実施形態ではインク供給針が垂直方向から突き刺さるので、ジョイントゴムの耐久回数は格段に向上する。
【0084】
なお、ジョイントケース15に対する位置決めピン97,98の嵌合状態において、位置決めピンも押さえ板89に対する傾きが少なくなるので、位置精度がより向上する。
【0085】
(3)第3の実施形態
図24、図25は、リフトアップ動作を回転動作ではなく垂直に並行駆動するようにした実施形態を示す。
【0086】
すなわち、第1の実施形態の如くプラテンのリフトアップを、回転軸を中心に回転させることで行うのではなく、図24に示すように位置決めピン7(図3に示されるようにピンは、符号7と10と一対ある。)に対してプラテン116をその長穴116aで嵌合させることで、図25に示すようにキャリア40の走査方向を含む水平面に対し垂直にリフトアップが行なわれるようにしたものである。このようにすることで、インク供給針94等がジョイントゴム91等に対し斜めから突き刺さることがないので上記第2の実施形態と同様の効果を達成できる。また、インク供給針94等は傾きなくジョイントゴム91等の内方に進入するので、より確実なインク供給が可能となる。
【0087】
(4)その他
以上の実施形態では、プリント時にプリントヘッドが走査される方向と同一方向に、プラテン9に対してインクカートリッジ12をスライド装填するように構成したが、この装填の方向はこれに限られず、例えばプリントヘッド68の走査方向に垂直な方向、つまりプリンタの底面側等からインクカートリッジ12を装填するようにしてもよく、これによっても上述と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0088】
本発明は、間欠供給方式を採用し、かつ空間を有効に利用してインクジェットプリンタの小型化を図りながら、プリントヘッドを移動させることなくインクの供給源側をジョイント位置に移動させインクの間欠供給が適切に行われるようにするという、発想を全く転換した構成を採用することで、プリントヘッドの取付け精度に悪影響を与えることなく、従って良好な記録品位を長く維持できるインクジェットプリンタを提供することができる。
【0089】
そして以上説明した各実施形態によれば、さらに次のような効果も達成できる。
【0090】
すなわち、プリント用紙のプリント位置に対してインクジェットプリンタのプリントヘッドが走査される領域とはプリント用紙の搬送経路を挟んで反対側に、プリントヘッドに供給するインクを収納部を配置するとともに、インク収納部をプリントヘッドの走査スペースに進退させることによりプリントヘッドに適時ジョイントしてインク供給を行うようにすることにより、プリントヘッドにインクを供給する場合にも複雑な機構を必要としないのみならず、ヘッド自体が印字動作のための往復走査経路とは異なるインク供給動作のための特別な(走査方向とは移動方向が異なるような)移動動作を行う必要がなくなり、ヘッドの位置精度が低下してしまうような事態が抑制されたり、厳密な精度管理の必要性が緩和される効果も発揮する。また、通常は無駄になりがちなプラテンの下の空間に供給インク収納部をレイアウトすることで、プリンタのスペース効率を格段に向上してプリンタを大幅に小型化できるようになる。
【0091】
ここで、プリント用紙をプリント位置に設定する部材(例えばプラテン等)に回転軸を設け、この部材にインク収納部を結合して回転可能とすることでプリントヘッドの走査スペースに進退させるようにすることにより、インク供給時の位置決めが正確になり安定した供給インクのジョイント機構が得られることになる。
【0092】
また、インク収納部をプリンタに着脱可能なインクカートリッジとし、上記プラテン等の部材の回転軸側から脱着させるようにしたことにより、インクカートリッジの装填・取り出しを行うための装填口を小さくして強度を向上することができるとともに、上記回転軸を中心とした回転を行わせるためのリフト機構を装填口から離れた位置に配設できることより、塵埃等も付着しにくくなるという効果が得られる。
【0093】
また、インクカートリッジを本発明で規定する位置に装着することで、ヘッドの移動走査経路の端(ホームポジション)に設けられたワイパの動作経路の中にインクカートリッジの一部が位置することになり、インクカートリッジのこの部分に対してワイパがプリントヘッドの吐出口形成面に残留するインク等を払拭する動作に伴って発生する廃インクを吸収する吸収体(ワイパインク吸収パッド)を設けることを可能にしている。そのため、プリント毎に当該廃インクをインクカートリッジに移送することを可能ならしめている。このような交換可能な部材であるインクカートリッジの配置位置がワイパインク吸収パッドの配置位置と一致すると共に、インクカートリッジの交換と共にワイパインク吸収パッドも交換されることになり、ワイパインク吸収パッドの能力が低減してしまう前に交換リフレッシュされることになる。
【0094】
また、インクカートリッジを本発明で規定する位置に配置可能に構成することによって、プリント用紙に対して全面印刷を可能にするため、用紙の幅を越えて吐出されたインクを回収する廃インク吸収体をもインクカートリッジ12に配置できる。この廃インク吸収体は、インクカートリッジの交換と共に交換されることになり、廃インク吸収体の能力が低減してしまう前に交換リフレッシュされることになる。
【0095】
これによって、プリンタ側には各廃インクの専用の蓄積スペースを必要とせず、従ってプリンタを小型化できるとともに、廃インクの溢れに顧慮しなくて済むようになる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、間欠供給方式を採用し、かつ空間を有効に利用してインクジェットプリンタの小型化を図りつつも、プリントヘッドの取付け精度に悪影響を与えることなく、インクの間欠供給が適切に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタの全体構成を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態に係るプリンタのプリント機構を、プリント媒体搬送方向に沿った断面にて示す側断面図である。
【図3】図1のプリンタにおけるプリント機構を拡大して示す平面図である。
【図4】図3の構成部材のいくつかを取り外して、第1の実施形態に係るプリンタにおけるインクカートリッジの取り付け部を説明するための平面図である。
【図5】図3のプリント機構の斜視図である。
【図6】第1の実施形態におけるインクカートリッジの交換動作をさらに詳細に説明するために、プリント機構の一部を拡大して示す平面図である。
【図7】第1の実施形態におけるインクカートリッジの交換動作をさらに詳細に説明するために、プリント機構の一部を拡大して示す平面図である。
【図8】第1の実施形態におけるインクカートリッジの交換動作をさらに詳細に説明するために、プリント機構の一部を拡大して示す平面図である。
【図9】第1の実施形態に係るプリンタのプリント機構におけるインク供給部等の構成を説明するために、プリント媒体搬送方向に沿った断面からプリント機構を示す側断面図である。
【図10】プリント機構におけるインクカートリッジ装填部およびインクカートリッジリフトアップのための伝動機構等の構成を説明するために、キャリア走査方向に沿った断面からプリント機構の一部を示す拡大断面図である。
【図11】キャリアがスキャンする方向に沿った方向の断面の一部を拡大して示す断面図である。
【図12】インクカートリッジの装填等を説明するために、キャリア走査方向に沿った断面からプリント機構を示す断面図である。
【図13】図11に対してプラテンおよびインクカートリッジをプラテンの回転軸を中心にリフトアップさせた状態で示すプリンタの断面図である。
【図14】プリントヘッドのクリーニングおよびワイパの清掃の様子を示す断面図である。
【図15】プリントヘッドのクリーニングおよびワイパの清掃の様子を示す断面図である。
【図16】キャリアがスキャンする方向に沿った方向の断面を拡大して示す断面図である。
【図17】第1実施形態のリフトスライダ、ロックスライダおよび吸引ジョイントの動作を説明するための図である。
【図18】第1実施形態のプラテンおよびインクカートリッジのリフトアップ機構の動作を説明するための、リフトアップ機構部分の拡大図である。
【図19】位置決めピンがインクカートリッジの位置決め孔に挿入される途中の状態を示す図である。
【図20】第1実施形態のプラテンおよびインクカートリッジのリフトアップ機構の動作を説明するための、リフトアップ機構部分の拡大図である。
【図21】第1実施形態のプラテンおよびインクカートリッジのリフトアップ機構の動作を説明するための、リフトアップ機構部分の拡大図である。
【図22】第1実施形態のプラテンおよびインクカートリッジのリフトアップ機構の動作を説明するための、リフトアップ機構部分の拡大図である。
【図23】本発明の第2の実施形態を説明するために、キャリア走査方向に沿った断面からプリント機構の一部を示す拡大断面図である。
【図24】本発明の第3の実施形態の構成および動作を説明するために、キャリア走査方向に沿った断面からプリント機構を示す断面図である。
【図25】本発明の第3の実施形態の構成および動作を説明するために、キャリア走査方向に沿った断面からプリント機構を示す断面図である。
【符号の説明】
P1 プリンタ本体
9 プラテン
12 インクカートリッジ
12a 未使用突起
12b ドレン穴
12c 開口
19 開閉蓋
20 ドレンパイプ
23 廃インク吸収体
40 キャリア
57 リードスクリュー
58 リフトスライダ
60 吸引キャップ
68 プリントヘッド
77 排紙ローラ
78 搬送ローラ
79 プリント用紙
80 給紙ローラ
86,87,88 インク袋
89 押さえ板
91,92,93 ジョイントゴム
94,95,96 インク供給針
97,98 位置決めピン
106 ワイパ
108 ワイパインク吸収パッド
109 パッドホルダ

Claims (2)

  1. プリント媒体上に記録を行なうためにプリントヘッドを搭載したキャリッジが往復走査され且つプリント媒体が搬送される記録領域と、前記キャリッジが待機するホームポジションとを備え、前記ホームポジションにて前記プリントヘッドが備えるインク供給針とインクカートリッジが備えるジョイントとを必要に応じてジョイントさせて間欠的にインクを供給する形態のインクジェットプリンタにおいて、
    前記プリント媒体が搬送される面を挟んで前記キャリッジの往復走査領域と対向した領域に配されて前記プリント媒体のプリント面を平坦に規制するとともに、前記インクカートリッジを収納保持するプラテンと、
    前記間欠インク供給を行なう際に、前記プラテンに収納保持された前記インクカートリッジの前記ジョイントと前記プリントヘッドの前記インク供給針とをジョイントさせるために前記プリント媒体が搬送される面を横切って前記キャリッジ往復走査範囲に前記プラテンをリフトアップするリフトアップ機構と、
    を具えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記プラテンにはプリント媒体の全面にプリントを行なう際に前記プリント媒体からはみ出して吐出されるインクを通過させる開口部が設けられており、前記インクカートリッジには前記開口部に対応する位置に開口部が設けられて、前記プリント媒体からはみ出して吐出されるインクが前記インクカートリッジ内に配された廃インク吸収体に受容されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
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