JP4047017B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、電子写真方式で画像形成を行う画像形成装置に搭載されるエンジンのインテリジェント化を図る場合等に好適な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置等の画像形成装置(プリンタ)は、高速化、高画質化、カラー化が進められてきており、各種方式のプリンタが市場に提供されている。市場の広がりに伴う、プリンタの高機能化への要求、プリンタに要求される画質、対応環境への要求はますます多様化しており、全てのユーザの使用条件下において最適なプリントを提供することがますます難しくなっている。
【0003】
カラープリンタ市場においては、異なる色画像を形成する複数の電子写真ユニットを直列に配置し、これらを同時に駆動することによって画像形成を行うインライン方式のカラープリンタが占める割合が増大している。インライン方式のカラープリンタは、高速でカラー画像の形成が可能であることから多くのユーザのニーズを満足することが可能になる一方で、使用される電子写真パーツとそのパラメータの多さが技術的な難しさをより深めている。
【0004】
特に市場の拡大により、多種多様なユーザが、様々な環境で、様々なメディアに対してプリントを行うようになり、全ての条件において最適な画像を提供することが難しくなっており、ユーザ先の固有の使用条件に起因する不具合によるサービスコールが増大する原因となっている。
【0005】
例をあげると、メーカは、ユーザ先のいくつかの想定できる環境(例えば低温低湿環境や高温高湿環境)において、メーカ推奨紙を使用してプリンタの電子写真パラメータを実験的に決定し、これをデフォルトエンジン設定値として採用する。しかし、実際のユーザ先では想定外の環境(例えば高温低湿環境等)でプリンタが使用されることも珍しくなく、また、環境に長時間放置されて開封直後とは電気的特性が変化してしまったような紙を使用することも多い。このような場合、サービスセンターは、各ユーザ先の個別事情を把握することが困難であるため、的確な指示を出すことができずに、問題の解決に至れず顧客満足度を下げる要因となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術においては次のような問題があった。即ち、電子写真技術は、静電気を画像形成に利用するという特殊性から、画像不良が発生した場合にユーザが原因を特定し、対応をとることが極めて難しい。また、サービスパーソンも、画像不良が発生した時点でのユーザのエンジン使用条件や、電子写真的な条件を入手することが困難であり、且つそのパラメータも多岐にわたっているため、問題の原因を特定することが困難である。また、仮にサービスパーソンが現場に赴いた場合でも画像不良の再現性が乏しいことから、実際に市場において画像不良に対応することは極めて困難であった。
【0007】
これらの理由からカラープリンタに関しては、画像不良が発生した場合に、ユーザに非常に大きな不満を抱かせ、且つクレームになることが多かった。また、サービスパーソンは問題の原因を特定できない状態でこれらクレームに対応するために、部品もしくは本体を交換することが多く、且つ原因がわからないことから、しばしば必要でない部品も交換してしまい、サービスコストの増大に繋がっていた。
【0008】
これらの問題の多くは、メーカが設定した電子写真形成条件がユーザの使用環境や使用条件に適応していない場合や、トナーや感光体ドラムを含む電子写真部品が劣化・故障した場合に発生することがほとんどである。これらの情報を適切に判断することができれば、故障個所を特定して交換パーツを指示したり、ユーザの使用状況や環境に見合った設定を指示することによって問題の解決を図ることができる。
【0009】
従って、ユーザ先で発生する不具合問題点の解決には、オンサイトでの装置の設置状態(本体寿命やオプション機器の接続状況)、ユーザの使用状況(通常プリントされているプリントパターンや、片面/両面等のプリントモード)、おかれている環境(温湿度情報)、使用される紙の状態(電気抵抗値、紙サイズ、紙秤量等)の情報を把握することが重要である。このように、従来からユーザ先の使用条件に適合したサービスや問題処理を可能とする技術が要望されていた。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、画像形成装置の定着手段をインテリジェント化し、ユーザに余分な負荷やストレスを与えずに常に最高のパフォーマンスを提供可能とした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、ホストコンピュータとデータ通信可能であって、前記ホストコンピュータから受信した印刷データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置において、用紙に画像を転写する転写手段と、前記用紙に転写された画像を定着する定着手段と、前記定着手段によって前記用紙に画像を定着する際の該定着手段の定着温度が一定の定着温度になるように温度調整している状態で、前記用紙が前記定着手段に侵入する前に前記定着手段に入力される電力と前記用紙が前記定着手段に侵入した後に前記定着手段に入力される電力との電力差の値が所定値以下であるか否かを判断する判断手段とを有し、前記判断手段によって前記電力差の値が所定値以下であると判断された状態で予め設定された回数、画像形成が継続された場合に前記定着温度を低くすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施の形態の概要を説明する。本実施の形態では、上記従来例の問題点を解決するために、大きく分けて以下の2つの解決方法を提供する。これら2つの解決手法により、従来のようにメーカが画像形成装置の出荷時に設定したエンジンパラメータではなく、エンジン自身やサービス部門がアクティブにユーザ先の使用条件に適合した最適化処理を行う、いわゆるプッシュ型のサービスや問題処理を行うことを可能とするものである。
(1)画像形成装置のエンジンの自己診断による各種パラメータ最適化
画像形成装置のエンジンが保有するセンサや、各種制御結果、DCコントローラ203やフォーマッタ部から得られる情報に基づき、エンジン自体が自己診断を行ってエンジンパラメータの最適化処理を行う。エンジン固有情報を得るためのセンサとしては、温湿度を含む環境センサや、画像濃度センサを用いることが可能であり、これらによって得られたエンジンが設置されている環境や状態に基づき、電子写真感光体を帯電する際の帯電条件、電子写真感光体を露光する際の露光条件、電子写真感光体に形成された像を現像する際の現像条件(現像バイアス)、電子写真感光体に形成された像を用紙上に転写する際の転写条件(転写バイアス)、用紙上に転写された像を定着する際の定着条件(定着温度)、画像濃度制御における画像濃度目標値等の電子写真パラメータを変更することが可能な構成とするものである。
【0016】
また、センサの情報ではなく、エンジンで印刷可能な用紙枚数である耐久枚数、両面ユニット等のオプション装備の情報に従って、エンジン自身がそれぞれの場合に最適なエンジンパラメータを変更したり、更には平均印字率、ユーザが通常用いている用紙サイズ、用紙種類(秤量や好みの紙表面性)等の情報に基づき、積極的にユーザの使用条件に見合ったエンジンパラメータ設定値を選択することによって、ユーザビリティの向上や画像不良等の画像問題の発生を低減させることを可能とするものである。言い換えると、エンジンがユーザの固有事情を判断するインテリジェント装置となるような構成とするものである。
(2)画像形成装置のユーザ先のエンジン固有情報収集に基づく市場対応
インターネット等の通信手段を用いて常時、画像形成装置のエンジンの情報を入手・解析し、サービス部門がこの情報に従ってオンラインでエンジンパラメータを変更することによって、ユーザの手をわずらわせることなく、オンサイトでユーザの画像形成装置使用状況に最適なエンジンパラメータに変更することにより、画像形成装置における常に最適なプリントを提供するものである。
【0017】
また、画像形成装置の問題発生時にはサービスパーソンを派遣することなく、オンサイトでエンジン固有情報を取得して状況を正確に把握し、ユーザに対応を指示することで、確実な問題対応を行うことを可能とし、同時にサービスコストの低減、サービス対応に要する時間を短縮することを可能とするものである。
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、画像形成装置のエンジンが保有するセンサや、各種制御結果、DCコントローラ203やフォーマッタ部が保有するユーザ先固有情報に従い、エンジン自体が自己診断や学習に基づいてエンジンパラメータの最適化処理を行うものである。
【0020】
画像形成装置のエンジンメーカは、ユーザが使用すると想定される条件において、各種エンジンパラメータを最適化して工場出荷を行っている。例えば、常温常湿(25度C×60%RH)環境において、秤量75g/cm2の紙を紙パック開封直後に、平均印字率4%で2枚間欠プリントするといった想定である。また、全ての条件に対応できるようなエンジンパラメータに設定するものの、装置自体のマージンが狭いため、ある条件寄りに振った設定をとらざるを得ないことも多々ある。例えば、厚紙(秤量105g/cm2)寄りの定着性を確保するために、薄紙(64g/cm2)のホットオフセットをある程度犠牲にするといった設定である。
【0021】
このようなデフォルトの設定は、市場の大部分のユーザが満足できる画質、エンジンパフォーマンスを提供することが可能であるが、特定の一部のユーザ(上記例では、想定外の高温低湿環境でプリントするユーザや、薄紙を使うユーザ)にとっては大部分のプリントにおいて問題を露呈してしまう可能性がある。このような問題を解決するために、第1の実施の形態では、ユーザが特に指定をしなくてもエンジン側が保有する情報に基づき、自己診断や学習によりエンジン設定をエンジン起動時のデフォルト値から変更する手段を設ける。下記に代表的な例をいくつか上げる。
<ケース1>
ケース1では、ユーザがメーカ推奨の画像濃度を好まず、画像濃度制御シーケンスによって決定された画像パラメータに対して、個別に画像形成装置の画像濃度調整ボリュームで調整を行うような場合の対応策を提供する。
【0022】
画像形成装置のエンジンが実行する画像濃度制御によって得られる画像濃度、階調性(ガンマカーブ)に対し、個々のユーザにおいては好みが異なるためプリンタドライバ上やオペレーションパネル上で個別調整を行うことがある。しかし、ユーザが個別調整した値は、画像形成装置の電源リセットや次回の画像濃度制御によってリセットもしくは上書きされて、値が保持されない場合があり、ユーザはその度ごとに設定を行わなければならない。
【0023】
第1の実施の形態では、市場でのユーザの画像形成装置のエンジン使用状況や好みに見合った設定を、エンジンが自己診断や学習によって変更可能とする。具体的には、ユーザが画像形成装置の画像濃度調整ボリュームを変更した頻度とその変更量をDCコントローラ203もしくはフォーマッタ部が記憶し、その頻度に依存してエンジンが保有する画像濃度制御の目標値を変更する。このことによって、エンジンはユーザの「くせ」や「好み」を学習し、エンジンデフォルト設定が明らかに異なると判断できる場合は、学習によってメーカ設定値を書き換えることにより、ユーザの製品満足度を向上させる。
<ケース2>
ケース2では、ユーザが画像形成装置で使用する紙の秤量に起因する問題への対応策を提供する。
【0024】
画像形成装置で使用する紙の秤量は、転写時や定着時にそのおおまかな値を検知することが可能である。例えば、紙の体積抵抗率が同じである場合、紙抵抗はその厚みに比例するため、転写時の電圧対電流の関係から紙の秤量を想定することができる。言い換えると、定電流制御において、転写電圧が低い場合は薄紙、転写電圧が高い場合は厚紙と予測することができる。この予測は、特に一旦定着器を通過して紙が保有する水分量が安定する二面目のプリント時に行うことによって、より精度を向上させることができる。また、定着部においても、紙の秤量は熱容量と良い相関があるため、通紙時に一定の定着温度を維持するために入力電力が必要な場合には厚紙、電力が低い場合は薄紙と予測することができる。
【0025】
このような情報を画像形成装置のDCコントローラ203もしくはフォーマッタ部に蓄積しておき、ユーザが普段恒常的に使用する紙が薄紙であると判断できるようであれば、デフォルトの定着温度を下げてプリントを行うことによって、特定のユーザに対応した問題解決が可能となり、画像形成装置の自己診断によるインテリジェント化を実現することができる。
<ケース3>
ケース3では、画像形成装置のDCコントローラ203やフォーマッタ部が保有するエンジン情報から、エンジンデフォルトパラメータを変更することで、ユーザビリティを向上させることも可能である。
【0026】
具体的には、トナーカートリッジ(以下カートリッジと略称)に装備されたRAM情報(メモリに書き込まれた情報)やエンジン情報から、カートリッジの寿命情報や印字率情報(ビデオ信号をカウントするような手段)に基づき、メーカの想定よりも少ない印字率のドキュメントを恒常的にプリントするユーザに対しては、低印字率でのプリントに起因する耐久後半(寿命の後半)の画像不良を防止するような手段も有効である。
【0027】
次に、以上述べたような本発明の制御を実現するための画像形成装置の具体例を示す。図1は第1の実施の形態に係る電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(電子写真装置)の概略構成を示す構成図である。画像形成装置は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色にそれぞれ対応した感光体ドラム11〜14、現像器41〜44、クリーニング装置61〜64を有する4つの独立したカラーステーションを一列に配置すると共に、これらカラーステーションに対し静電転写ベルト(ETB)8に吸着させた用紙を搬送して転写を行うことによって、フルカラー画像を得る構成となっている。尚、画像形成装置は、複写機或いはレーザプリンタの何れでもよい。
【0028】
画像形成装置の構成を詳述すると、電子写真感光体(以下感光体ドラムと記す)11〜14は、画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体ドラムであり、回転駆動機構により図中矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光体ドラム11〜14は、例えば直径30mmの負帯電OPC感光体から構成されており、本実施形態のプロセススピードは94mm/secである。感光体ドラム11〜14は、回転過程で、それぞれ1次帯電ローラ21〜24により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、それぞれ露光装置(画像露光手段)31〜34(レーザダイオード、ポリゴンスキャナ、レンズ群等によって構成される)による画像露光を受けることにより、それぞれ目的のカラー画像の第1〜第4の色成分像(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0029】
帯電装置は、−1.2KVのDC電圧を印加した実抵抗1e6Ωの1次帯電ローラ21〜24を、それぞれ感光体ドラム11〜14に総圧9.8Nで従動当接させて帯電を行うDC接触帯電方式で帯電を行うものであり、感光体ドラム表面は−600Vに帯電される。また、露光装置(画像露光手段)31〜34は、レーザダイオードを用いたポリゴンスキャナ等から構成されており、画像信号により変調されたレーザビームを感光体ドラム上に結像し、静電潜像を形成する。レーザ露光の書き出しは、主走査方向(紙の進行と直交方向)では各走査ライン毎にBDと呼ばれるポリゴンスキャナ内の位置信号から、副走査方向(紙の進行方向)では紙搬送路内のスイッチを起点とするTOP信号から、所定の時間遅延させて行うことによって、各色のカラーステーションでは常に紙上の同じ位置に露光を行える構成となっている。
【0030】
次いで、上記感光体ドラム上に形成された静電潜像は、それそれのカラーステーションの現像装置(現像ユニット)により現像される。現像装置を構成する現像器41〜44(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)は、不図示の回転駆動機構によって図中矢示の方向に回転するものであり、各々の現像器41〜44が現像過程で感光体ドラム11〜14と各々対向するように配設されている。Y、M、C、Kのトナーは磁性体を含まないいわゆるノンマグトナーであり、接触一成分接触現像方式によって現像される。
【0031】
現像装置は、非磁性一成分接触現像方式で現像を行うものであり、感光体ドラム11〜14に対して順方向に例えば170%の周速度で回転し、エンジン部のDCコントローラの信号によって可変可能な電圧を印加された弾性ローラによって現像動作を行う。現像バイアスは、画像濃度制御によって決定される。画像濃度制御は、静電転写ベルト(ETB)8上に像形成したハーフトーンパッチと、これを光学的に読み取る濃度センサ103の組み合わせで実行される。画像濃度制御シーケンスにおいては、エンジン部は例えば200V〜500Vの間の異なる数点の現像バイアスで同じハーフトーンパッチを紙無しで静電転写ベルト(ETB)8上に形成し、このハーフトーンパッチから反射される光を画像濃度センサ103で検知する。エンジン部のDCコントローラのCPU74は、予め決定されている反射光量に最も近い現像バイアスを選択して、これをプリント時の値に決定する。
【0032】
静電転写ベルト(ETB)8は、回転駆動機構により図中矢示方向に感光体ドラム11〜14と同じ周速度をもって回転駆動されるものであり、テンションローラ101、駆動ローラ102の周面に巻回されている。静電転写ベルト(ETB)8は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂にカーボンブラックを分散して1e10Ωcmに抵抗調整された厚み130μmの単層樹脂ベルトであり、背面両側に接着されたリブによってベルトの蛇行や寄りを規制する構成となっている。転写部材としては、体積抵抗率1e7Ωcmに調整した高圧印加可能のウレタン樹脂製の転写ローラ51〜54を用いており、転写ローラ51〜54は静電転写ベルト(ETB)8背面から、それぞれ感光体ドラム(OPC)11〜14のニップ部に当接している。
【0033】
用紙カセットから給紙された用紙は、レジストローラを通過した後に静電転写ベルト(ETB)8と吸着ローラ7によって構成されたニップを通過して静電転写ベルト(ETB)8に静電吸着される。吸着ローラ7は、例えば直径6mmの芯金上にソリッドゴムを成型したものであり、芯金に吸着用の高圧バイアスを印加できるような構成となっている。吸着ローラ7は、EPDMゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックを分散させた例えば直径12mmのソリッドゴムローラであり、抵抗値は例えば幅1cmの金属箔をローラ外周に巻き付け、芯金との間に500Vの電圧を印加した時の抵抗値を1e5Ωに調整してある。
【0034】
静電転写ベルト(ETB)8に静電吸着された用紙は、各カラーステーションを通過するごとに、感光体ドラム11〜14から異なる各色のトナー像を転写されることで用紙上にフルカラー画像が作られる。転写バイアスは、ATVC(Automatic Transfer Voltage Control)と呼ばれる制御によって決定される。エンジンは、前回転で転写ローラ51〜54に定電流を流し、この時に発生した転写電圧から転写部のインピーダンスを検知し、プリント中は予め決められた関係式に従って転写部のインピーダンスに見合った定電圧で転写を行う。
【0035】
静電転写ベルト(ETB)8の後端から曲率によって分離された用紙は、定着器9によって定着され、機外に排出されて最終プリントが得られる。定着器9は、誘導加熱方式を用いたIHF(Induction Heating Fuser)方式で定着を行うものであり、オンデマンド化を実現するために構成部材の熱容量を小さくしている。このため、誘導加熱方式を用いたIHF方式は、定着器9に供給する熱量に対する温度応答性に優れており、一定の定着温度を維持する制御を行った場合、供給電力と紙の熱容量は非常に良い相関を示す。
【0036】
定着器9には、用紙の画像面に接して定着を行う定着スリーブ91、バックアップのための加圧ローラ92、定着スリーブ91内面に当接して温度測定を行うサーミスタ93、定着スリーブ91内面の金属層を誘導過熱するための誘導コイル94、フェライトコア95が設けられている。定着器9は、誘導加熱用の高周波発振電源96から供給された電力で加熱を行う。高周波発振電源96から定着器9に供給される電力は、高周波発振電源96のインバータのデューティ比からおおまかな値を算出することが可能であり、供給電力の値はエンジン部のDCコントローラのCPU74でモニタされている。
【0037】
転写バイアス制御に関しても、同様にエンジン部のDCコントローラのCPU74が高圧電源51’〜54’に指示を出して出力しており、帯電バイアス、現像バイアス、定着温度等も、同様にエンジン部のDCコントローラのCPU74によって制御されモニタされている。また、エンジン部の内部には温湿度センサ(図示略)が設けられており、この信号をエンジン部のDCコントローラのCPU74が管理することによって、画像形成装置が設置されている環境情報をモニタすることが可能である。
【0038】
更に、エンジン部の内部には、静電転写ベルト(ETB)8上に直接印字した画像パターン濃度を検出する画像濃度センサ103が設けられている。画像濃度センサ103の設置により、一定のハーフトーンパターンの画像濃度を一定に維持するように、現像バイアス、帯電バイアス、露光量を最適化する画像濃度制御シーケンスを実行することが可能である。この画像濃度制御シーケンスによって制御されたプロセスパラメータは、DCコントローラに格納され、エンジン部やカートリッジのプロセスパーツの状態を把握する手段として使用することが可能である。
【0039】
尚、画像濃度制御シーケンスにおいて、目標とするハーフトーンパターンの画像濃度を濃度ターゲットと称し、この値は予めメーカ設定値としてエンジン部のDCコントローラもしくはカートリッジが保有するROMに書き込まれている。濃度ターゲットを変更することによって画像濃度を変更することが可能であり、この場合の手段は先に述べたように現像、帯電、露光等であり、エンジンシーケンスによって自動的に計算される。一方で、ユーザは、計算された結果に対して現像バイアス等を個別に変更する手段である現像バイアス可変ボリューム等で、同様の効果を得ることも可能である。
【0040】
図4は第1の実施の形態及び後述の第2・第3の実施の形態に共通の画像形成装置自己診断/市場対応システムの構成例を示す概略ブロック図である。画像形成装置自己診断/市場対応システムは、フォーマッタ部201及びエンジン部202を備えた複数の画像形成装置200、情報処理装置210、サービスセンター220、通信回線230から構成されている。尚、画像形成装置内部の構成は必須要素のみを示したものであり、記憶部、通信部、インタフェース部、操作部、表示部等の図示及び説明は省略する。
【0041】
画像形成装置200は、情報処理装置210とデータ通信可能に構成されると共に、サービスセンター220に設置されている情報処理装置と通信回線230を介してデータ通信可能に構成されている。フォーマッタ部201は、情報処理装置210から受信した印刷データに基づいてビットマップデータを生成する。エンジン部202は、フォーマッタ部201で生成されたビットマップデータに基づいて用紙上に画像形成を行う。
【0042】
エンジン部202のDCコントローラ203は、エンジン部全体を制御するものであり、上記図1のCPU74、記憶部等を備えており、電子写真パラメータを含むエンジンパラメータの最適化を行うと共に、最適化されたエンジンパラメータをエンジン起動時の初期値として保持する。尚、コントローラ203の前記制御はフォーマッタ部201で実行してもよい。エンジン部202の画像形成機構204は、画像形成動作を司るものであり、上記図1の静電転写ベルト8、定着器9、感光体ドラム11〜14、帯電ローラ21〜24、露光装置31〜34、現像器41〜44、転写ローラ51〜54等から構成されている。
【0043】
情報処理装置210は、画像形成装置200とデータ通信可能なパーソナルコンピュータ等から構成されるホストコンピュータであり、画像形成装置200に対し印刷データを送信する。サービスセンター220は、画像形成装置のサービス部門であり、通信回線230を介して画像形成装置200とデータ通信可能で、且つ画像形成装置200からエンジン固有情報を入手して問題の原因を特定し、通信回線230を介して画像形成装置200のエンジンパラメータを遠隔操作で変更可能な機能を備えた情報処理装置を備えている。通信回線230は、インターネット等から構成されている。尚、サービスセンター220の処理に関する詳細は第3の実施の形態で後述する。
【0044】
次に、第1の実施の形態の具体的な例を説明する。先に述べたケース1のように、ユーザがメーカ推奨の画像濃度を好まず、画像濃度制御シーケンスによって決定された画像パラメータに対して、個別に画像濃度調整ボリュームで調整を行うような場合、エンジン部202のDCコントローラ203のCPU74は、画像濃度制御シーケンス実行後にユーザが画像濃度調整ボリュームで画像濃度を変更した回数と、その変更量を記憶する。そして、例えば画像濃度制御シーケンスの実行5回に対して変更が3回を超えた場合に、エンジン部202のDCコントローラ203のCPU74は、操作部を介したユーザの同意を求めた後に、それまでのユーザの個別補正履歴に応じてエンジンデフォルトの濃度ターゲット値を上書きして変更し、エンジン電源のON/OFFに関わらず以後この値を保持する。これによって、ユーザは、画像形成装置のエンジン部202が画像濃度制御を行う度に好みの画像濃度になるように個別調整を行う必要がなくなり、常時望みのプリントを得ることができるようになる。
【0045】
次に、上記ケース2のように、ユーザが画像形成装置で通常使用する紙の秤量がメーカの想定中心からずれている場合を示す。一般的な熱ローラ定着器においては、通紙時に必要な電力は定着器自体の温度に大きく影響され、用紙の熱容量と定着器の温度を切り分けることは困難である。しかし、オンデマンド化のために熱容量を非常に小さく設計したIHF定着器では、熱容量が小さく且つ入力電力に対するサーミスタの温度応答性に優れるため、定常温調時の消費電力によって紙秤量を検知することが可能である。具体的には、185度Cの定着温度で温調を行っているときに、用紙が定着器に侵入する前後の電力差が150W以上であれば厚紙、電力差が100W以下であれば薄紙と推測することが可能である。
【0046】
このことから、エンジン部202のDCコントローラ203のCPU74は、ユーザが画像形成装置でプリントを実行した用紙枚数1000枚に対し、100W以下で駆動された(定着動作が行われた)用紙が700枚以上である場合、それ以降、エンジンデフォルトの定着温度である185度Cを180度Cに変更し、以後、エンジン電源のON/OFFに関わらずこの値を保持する。尚、第1の実施の形態では、画像形成装置におけるプリントの用紙枚数カウンタは随時更新され、時間的な幅をもった任意のプリントウインドー1000枚に対して薄紙のプリント枚数が700枚以下になった時点で、定着温度は元に戻す仕様とする。
【0047】
次に、上記ケース3の場合の、ユーザ先で支配的に(大多数のユーザ先で)プリントされる印字パターンに関連する問題点の回避策に関する具体例を説明する。メーカの想定よりも少ない印字率のドキュメントを恒常的にプリントするユーザに対しては、低印字率に起因する空回転で劣化した現像部のトナーを除去するために、定期的にバックグラウンドでトナーの強制消費シーケンスを実行して、耐久後半の画像不良を防止する。
【0048】
具体的には、第1の実施の形態では、画像形成装置におけるプリント毎に、レーザの点灯時間を累積したビデオ信号をDCコントローラ203のCPU74がカウントし、その値を保持する。レーザの点灯時間をプリント枚数で除算した平均印字率が、メーカの想定値である例えば4%より極端に低い場合は、現像器内で消費されずに過剰にトリボ(帯電量)が付与されたトナーが現像ローラ付近に滞留することによる、画像不良(ブロッチ(トナーの過剰帯電)やトナー融着)が発生する可能性がある。これを防止するために、直近の例えば100ページのプリントにおいて、上記ビデオ信号のカウントから計算された平均印字率が例えば1%以下である場合、エンジン部202が半ページ(プロセス方向に150mm)のベタ画像を出力して劣化トナーを消費することで、画像不良発生の問題を解決した。
【0049】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る画像形成装置によれば、画像形成装置のエンジン部202の自己診断による各種パラメータの最適化を行うことにより、画像形成装置のエンジン部202をインテリジェント化し、ユーザに余分な負荷やストレスを与えずに常に最高のパフォーマンスを提供することができるようになるという効果を奏する。
【0050】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置(電子写真装置)では、画像形成装置のエンジン部202のDCコントローラ203やフォーマッタ部201が保有するエンジン情報から、電子写真パラメータ以外のエンジンデフォルトパラメータを変更することで、ユーザビリティを向上させるものである。尚、第2の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成(図1参照)、画像形成装置・情報処理装置・サービスセンターからなる画像形成装置自己診断/市場対応システムの構成(図4参照)は、第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0051】
例えば、画像形成装置のエンジン部202を構成する機械的な部品は、使用につれて外形・表面性・物理特性が変化し、初期状態を維持できなくなる。紙の搬送パーツ等に関しては、耐久磨耗によって紙の搬送速度が変化してジャムが発生しやすくなったり、ジャムと判断するシーケンス上のタイミングのウインドー(時間的な幅)に対するマージンが減少したりする。このような問題を軽減するために、画像形成装置のエンジン部202のDCコントローラ203やフォーマッタ部201が保有するプリント枚数情報に従って、耐久後のジャム回避のために、例えば外径が減った給紙ローラに見合うように給紙タイミングを変化させたり、逆にジャム判断のためのタイミングウインドーをずらしたりすることが有効である。
【0052】
具体例をあげると、図2に示すように給紙ローラ150や搬送ローラ151が耐久によって磨耗して外径が減少した場合、給紙動作を行ってから、紙先端が給紙ローラ150及び搬送ローラ151の下流側に設置されている紙センサ152に達するまでの時間が徐々に短くなる。給紙遅延ジャムの判断は、給紙動作開始から紙先端が紙センサ152を切るまでの時間が或るウインドー内に収まっているかどうかで行っているが、通常、図2に示すようにエンジン部202の初期状態のタイミングをウインドーの中心に設定する。尚、図2の各矢印は、紙が給紙ローラ150、搬送ローラ151、紙センサ152をそれぞれ通過するタイミングを示すものであり、各矢印の中で符号153で示す個所は、搬送ローラ151の外径が磨耗して減少したために紙が搬送ローラ151を通過するタイミングがずれていることを示している。
【0053】
しかし、耐久後の各種搬送ローラの外径が磨耗して減少している状態では、実際のジャムマージンは変化していないのに、エンジン部202が紙搬送時における正しい動作をジャムと判断して停止させてしまうような事態が増加する。このため、第2の実施の形態では、図2に示すように、DCコントローラ203やフォーマッタ部201が保有するプリント枚数情報に応じて、給紙遅延ジャム判断のウインドーを変化させ(「固定ジャムウインドー」→「エンジン耐久枚数連動ジャムウインドー」)、ジャム誤検知を防止することができるようになった。
【0054】
この他にも、画像形成装置本体の耐久や、画像形成装置が使用される環境、画像形成装置に接続されるオプション機器の種類等によって、ジャムマージンが変化することが予想される場合には、エンジン部202のDCコントローラ203のCPU74は、これらの情報に従ってエンジンパラメータやジャム判定閾値を変化させ、本来ジャムではない状態をジャムと判断することがないようにエンジン部202を自己最適化することによって、ジャムレートを向上させることができるようになる。
【0055】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る画像形成装置によれば、画像形成装置のエンジン部202の自己診断に基づくジャム防止を行うことにより、画像形成装置のエンジン部202をインテリジェント化し、ユーザに余分な負荷やストレスを与えずに常に最高のパフォーマンスを提供することができるようになるという効果を奏する。
【0056】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置(電子写真装置)では、市場でのユーザクレーム対応のために、サービス部門がインターネット等の通信回線を用いて市場でのエンジン固有情報を入手して問題の原因を特定し、同様に通信回線を用いた遠隔操作でエンジンパラメータを変更することによって問題解決を図るものである。尚、第3の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成(図1参照)、画像形成装置・情報処理装置・サービスセンターからなる画像形成装置自己診断/市場対応システムの構成(図4参照)は、第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0057】
市場で画像形成装置における画像不良等の画像問題が発生した場合、ユーザはサービスセンターやサービスマンに電話して状況を説明する必要に迫られる。しかし、一般的に画像問題を言葉で説明することは難しく、且つユーザがプリントした条件(紙種、プリントモード、環境、消耗品情報)は多岐にわたるため、解析する人間が正しい結論に至ることは非常に困難である。
【0058】
例えば、反転現像方式の電子写真装置において用紙上の画像の汚れである画像かぶり(画像を形成しない領域にまでトナーが付着する現象のこと)が発生した場合においても、ユーザはプリントの白地が汚れているという状況しか説明することはできないが、それを発生させる原因は、感光体ドラム(OPC)の帯電量が均一でない場合に発生する帯電不良かぶり、濃度制御不良により現像バイアスが高く選択された結果の地かぶり、現像剤の劣化による反転かぶり、過転写による転写メモリかぶり等、多岐にわたり、これらの本質的な原因を確定できなければ正しい対応を指示することは困難である。
【0059】
このため、実際に原因を確定するためにはサービスパーソンが現場に出向かざるを得ない。更には、現場においても電子写真に起因する画像問題の解決にはノウハウが必要であるため、適切な対応をとれず、結果として画像問題に対する対応がパーツ交換となり、特に画像不良項目が多く且つ交換パーツの多いカラー機ではサービスコストの増大を招いていた。
【0060】
このような問題を解決するために、第3の実施の形態では、クレーム発生時に、サービスセンターはインターネット等の通信手段を用いて、問題の発生している画像形成装置のエンジン部202の電子写真情報や、画像形成装置の設置状況・使用状況を入手し、これに基づき問題の原因を特定し、更に通信回線を介して市場の画像形成装置のエンジン部202にアクセスして、遠隔操作でエンジンパラメータを変更することによって問題を解決するものである。
【0061】
具体的なユーザ先の情報の例を以下に示す。
(1)画像形成装置のエンジン部202が保有する各種センサによる温湿度情報、感光体ドラム(OPC)の電位情報。
(2)画像形成装置のエンジン部202の転写制御・画像濃度制御等によって得られる電子写真パーツの抵抗値等の特性やトナートリボの情報。
(3)画像形成装置の給紙口や排紙口、両面ユニット等のオプション機器の接続情報。
(4)画像形成装置で問題が発生した時の紙サイズ、プリントモード、片面/両面プリント、紙秤量等の情報。
(5)画像形成装置で問題が発生した時にエンジン部202が制御したEP(電子写真)パラメータの電圧、電流、定着温度情報。
(6)画像形成装置のエンジン部202や電子写真パーツ(カートリッジ含む)の寿命情報。
【0062】
以上のような情報は、画像形成装置のエンジン部202のDCコントローラ203もしくはフォーマッタ部201が保有しており、エンジン情報であればビデオインターフェースを介してフォーマッタ部201に転送し、フォーマッタ部201が保有する情報と併せて、インターネット回線等の通信手段を介してサービスセンターやサービスパーソンが取得することが可能である。また、画像形成装置から一旦ホストコンピュータに情報を転送した後、上記と同様の手段でホストコンピュータからサービスセンターやサービスパーソンへ情報を転送することも可能である。尚、上記情報以外に、帯電条件、露光条件、現像条件、転写条件、定着条件、画像濃度制御における画像濃度目標値、ジャム判定閾値に関する情報を、サービスセンターやサービスパーソンへ情報を転送することも可能である。
【0063】
ここで、具体例としてユーザから現像かぶりのサービスコールがあった場合を想定する。ユーザがサービスセンターにコールすると、サービスセンターは、LANに接続されている画像形成装置であれば、IP(Internet Protocol)アドレスをたどってユーザ先のエンジン部202にアクセスすることで、上記(1)〜(6)等の情報を取得する。
【0064】
現像かぶりの原因として考えられるのは、図3で示すように濃度制御エラー(現像バイアス異常)、トナー劣化、露光装置の異常、高湿環境下での立ち上がりトリボ不足、感光体ドラム(OPC)削れ、過剰転写電流による転写プラスメモリ等が疑われる。通信回線を介して、オンサイトで画像形成装置のエンジン部202の現像バイアス異常、カートリッジライフ、エンジン部202の異常ステータス、温湿度情報を取得すれば、どれが現像かぶりの原因かを特定することが非常に容易になる。
【0065】
例えば、温湿度情報が想定外の高湿度を示しており、カートリッジライフが寿命の後半であれば、耐久によるトナー劣化と高湿度でトナーが十分なトリボを持つことができずに反転かぶりが発生したと予測することが可能である。この場合、サービスセンターは、通信回線を介して画像形成装置のエンジン部202の現像バイアスを書き換えて反転コントラストを小さくし、反転かぶりを防止する手段を講じる。これでも解決しない場合は、カートリッジを新品に交換するという明確な指示をユーザに与えることができる。
【0066】
従来は、かぶりが発生したとしても、それが正規かぶりか反転かぶりか、エンジン異常に起因するものか感光体ドラム(OPC)や現像器に起因するものかを判別することができず、さみだれ式にパーツの交換を指示するしかなく、サービスコストや問題解決までの時間の増大を招いていたが、第3の実施の形態のような手法を用いることにより、的確で低コストなサービス対応ができるようになった。
【0067】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る画像形成装置によれば、画像形成装置のユーザ先のエンジン固有情報の収集に基づく市場対応を図ることにより、画像形成装置のエンジン部202をインテリジェント化し、ユーザに余分な負荷やストレスを与えずに常に最高のパフォーマンスを提供することができるようになるという効果を奏する。
【0068】
[他の実施の形態]
上記実施形態では、画像形成装置の種類については特定するものではなく、本発明は、画像形成機能のみを備えた画像形成装置(プリンタ)、画像読取機能・画像形成機能を備えた画像形成装置(複写機)、画像読取機能・画像形成機能・ファクシミリ機能等の複数の機能を備えた画像形成装置(複合機)の何れにも適用することが可能である。
【0069】
上記実施形態では、画像形成装置単体を例にあげたが、本発明は、画像形成装置とパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を任意台数接続したシステムに適用することが可能である。
【0070】
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明が達成されることは言うまでもない。
【0071】
この場合、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体等の媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、或いはネットワークを介したダウンロードなどを用いることができる。
【0072】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0073】
更に、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の定着手段への入力電力に基づいて定着温度を最適化することができ、特定のユーザに対応して画像形成装置の定着手段をインテリジェント化してユーザに余分な負荷やストレスを与えずに済むようになる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1乃至第3の実施の形態に係る画像形成装置(電子写真装置)の概略構成を示す構成図である。
【図2】第2の実施の形態に係るエンジンの自己診断に基づくパラメータ変更の例を示す図である。
【図3】第3の実施の形態に係るエンジンの故障診断のアルゴリズムを示す図である。
【図4】第1乃至第3の実施の形態に係る画像形成装置自己診断/市場対応システムの構成例を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
9 定着器
11、12、13、14 感光体ドラム
21、22、23、24 帯電ローラ
31、32、33、34 露光装置
41、42、43、44 現像器
51、52、53、54 転写ローラ
74 CPU(制御手段)
103 画像濃度センサ
200 画像形成装置
201 フォーマッタ部(生成手段、制御手段)
202 エンジン部(画像形成手段)
203 コントローラ(制御手段)
204 画像形成機構(画像形成手段)
210 情報処理装置
220 サービスセンター(画像形成装置サービス部門)
230 通信回線(通信媒体)

Claims (2)

  1. ホストコンピュータとデータ通信可能であって、前記ホストコンピュータから受信した印刷データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置において、
    用紙に画像を転写する転写手段と、
    前記用紙に転写された画像を定着する定着手段と、
    前記定着手段によって前記用紙に画像を定着する際の該定着手段の定着温度が一定の定着温度になるように温度調整している状態で、前記用紙が前記定着手段に侵入する前に前記定着手段に入力される電力と前記用紙が前記定着手段に侵入した後に前記定着手段に入力される電力との電力差の値が所定値以下であるか否かを判断する判断手段とを有し、
    前記判断手段によって前記電力差の値が所定値以下であると判断された状態で予め設定された回数、画像形成が継続された場合に前記定着温度を低くすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記用紙が薄紙の場合に前記電力差の値が所定値以下の状態になることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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