JP4046768B2 - 母乳搾乳ポンプ - Google Patents
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Description
公知の母乳搾乳ポンプによって、両方の乳房から同時に、乳房を傷めることなく搾乳することが可能であり、この場合駆動は例えばエネルギー源としのバッテリーにより電気的に行なわれる。この際搾乳は、ほぼ乳飲み子の乳を吸う自然のリズムで周期的に行なわれる。周期時間(Zykluszeit)は両方の乳房において交互に生じ、従ってエネルギー源は小さな不規則な負荷に曝される。周期周波数(Zyklusfrequenz)は最大約60分である。しかし、実際は、公知の母乳搾乳ポンプよってはこのように高い周波数を達することは困難である。このことに加えて、共通の駆動機構は両方の弁の同期化を回避するために、これらの弁は共通な弁部材により作動され、この弁部材は高速にあってはがたつきによる騒音を発生する傾向がある。このことは個々の弁の調和が殆ど達することができないことに帰される。何故なら、製造公差に対する要件が比較的重要な要素であることからである。即ち公差が大き過ぎると、他方の弁が既に開いているのに一方の弁が閉じていなかったり、或いは両方の弁が閉じて仕舞う周期が生じ、これによりどんな事情にあってもエネルギー源の所望の均一な負荷がもはや達せられない。
本発明の根底をなす課題は、上記の欠点の少なくとも一部分を回避することである。
この課題は本発明により、母乳を母乳収集容器にポンブ圧送するために、二つの漏斗状の胸部収容部へ対応する二つの吸込み導管を経て接続するための母乳搾乳ポンプにおいて、ポンプは、ポンプ圧送手段を有する真空源と、一端が前記真空源から出ていてかつ他端が前記吸込み導管に接続すべき二つの接続部を有する導管系と、前記真空を前記接続部に分配するために前記導管系内に配置された二つの弁部材とを備え、前記二つの弁部材は、互いに独立して動くように互いに分離した二つの弁体と、それぞれが前記二つの弁体の一つを収容する二つの弁室とを有し、各弁室は、前記真空源と連通する流入開口と、前記二つの接続部の一つと連通する流出開口とを有し、また前記ポンプは、前記流入開口と前記流出開口を結合する開き位置から、前記開口の間の連通が中断される閉じ位置へ互い違いになって同期するように前記二つの弁体を駆動するための駆動機構を備えていることによって解決される。
更に、駆動機構が共通であることによって、従来の技術におけるように両方の弁の同期化も不要となる。
しかし、それぞれ一つの弁部材が設けられていることにより、即ちこれらの弁部材が互いに離間されていることにより、それらの質量は低減され、これにより既にがたつき発生の傾向が回避され、他方同時に製造公差を、例えば別個の弁部材を選択することにより、均衡することが容易となる。
上記請求の範囲の請求項1および請求項2から11に記載した構成により、一方にあっては公差に対する敏感性が低減され、他方にあっては良好な封隙が達せられる。
以下に、本発明の詳細を図面に図示した実施の形態を基にして説明する。
第1図は、本発明により母乳搾乳ポンプの軸側投象法による図、
第2図は、その一部を断面で見た側面図、
第2A図は、第2図の個々の弁を示した拡大断面図、
第3図は、第2図の矢印IIIの方向で見た図であるが、しかし他の実施の形態を示す図。
閉鎖兼支承壁部A′を備えている機械構成要素担持体Aと結合されている電動モータ1は、公知の技術におけると同様に、一方にあっては真空室Bにおける膜ポンプ2(或いは他のポンプ)を駆動し、他方にあっては減速機構3を駆動する。このことに関しては上記のヨーロッパ公開特許第0 744 180号明細書を参照されたい。このヨーロッパ公開特許の内容は、公開されていることとして参照されるものである。
減速機構3は回転強固なクラッチ5を介してカム板4の様式の弁駆動機構と結合されている。このカム板4は二つのカム体4′を備えている。これらのカム体は、二つのタペット様の弁部材15(第2図参照)が互いに反対方向に運動するように、設けられている。この実施の形態の場合、弁タペット15は、これを貫通しているカム従動ピン11でもってカム体4′の外面にばね6の押圧力の下に動力一体的に当接する。場合によっては、カム従動体のための形状一体的な構成をカム溝によって構成することも可能である。このことに関しては、後に第3図を基として説明する。
カム従動ピン11の一端はそれぞれのカム体4′に当接しているが、他端11′は垂直な溝13内を案内されており、従って弁タペット15の旋回は阻止されている。同時に、このように弁軸12とカム従動ピン11とがほぼ十字形に形成されていることにより、それぞれの押圧ばね6がそれらの端部で支持されるが、これに対して他端は拡大されている孔14の底部に当接している。カム従動ピン11は弁タペット15の拡大されている隆起部15″を貫通している。この隆起部15″は軸12とねじ止めされており、従って弁タペット15の弁室に対する、およびピストン部分15′の図示した二つの弁の各々のための駆動機構4に対するその都度の位置が調節可能である。
各々の弁タペット15はこのようなピストン様に軸12に固定されている封隙部材15′を有している。このピストン部分15′は特に弾性的な材料、例えばシリコンゴムから造られており、従って圧縮可能である。特に上記した実施の形態に相応して、このピストン部分15′が非圧縮状態になると、その軸方向の伸び、即ち第2図に関連してはその高さ、は少なくとも弁室7が運動する同じ方向でのこの弁室の寸法と同じであるか、場合によってはこの寸法より幾分大きい。これに対して、このピストン部分15′は、第2図に図示した二つの極端な位置において、そのそれぞれ上方で或いは下方で弾性的に圧縮される隆起部15″を形成している。この効果を達するために、ピストン部分15′がその軸方向の中央においてのみ弁軸12と結合されており、従ってその軸方向の端部が開放されるように構成されているのが有利である。
各々の弁室7の領域内に接続部17を備えている流路16は真空室Bと結合されている。弁軸12がそれを囲繞している孔18より狭いので、この軸とこの孔18の内壁間で環状室を形成し、この環状室はそれぞれ流出口17と結合されている。孔18は流入開口8を経て弁室7内に通じており、この弁室から水平な流出開口10が開口している。第1図に示したように、この流出開口10にはそれぞれ一本のホース20が接続されており、このホースは次いで吸込み室21並びに胸部収容体19に通じている。この吸込み室には、吸込み室25を閉鎖するための逆止め弁23を経て母乳収集容器24が接続されている。弾性的な大きなピストン部分15′が設けられている上記の特別優れた実施の形態により、弁の以下に記載する三つの異なる切換え位置が可能となる。
開き位置において、ピストン部分15′は弁室7への孔18の流入開口8を開く。これにより、弁室は真空室Bからの吸込み圧力の下に膜2の下方で出る。この位置は、第2図において、左側の弁によりよく認めることができる。この場合、所属している流出開口10はピストン部分15′により開放され、従って吸込みはこの流出開口10にも、接続されているホース20にも作用する。ピストン部分15′は同時に弁室7の上側における排気開口9を、即ち流入開口8と対応して、閉じる。流出開口10が、第2図の左側の位置から右側の位置へとピストン部分がストローク運動を行なっている間、排気開口9と結合されることにより、−このような中間位置に関して以下に述べる構成が行なわれている限り−、上記の排気開口9は吸込みサイクルの終了と共に吸込み圧力を比較的迅速に解消する働きを行う。
第2図において右側の弁で示した閉鎖された位置において、ピストン部分15′は、既に上に述べた隆起部15″の形成の下に、流入開口8に対してしっかりと押圧されていて、このピストン部分は−明らかなように−場合によっては流出開口10をも閉鎖する。しかし、この流出開口10は、第2図に示すように、部分的に隆起部15″の上方に存在しており、従って所望の場合排気開口9に対する結合部が形成されている。このような結合部の寸法とこれに伴いその都度の胸部収容部19(第1図参照)における吸込み圧力の放圧は、この流出開口10の弁室7に対する配設によって調節可能である。どんな場合でも、閉じられいる状態にあって、流入開口8は流出開口10から隔離される。しかし、有利なことであるが、排気開口9の配設により、流出開口10はこの排気開口と連通され、従って胸部収容部19(第1図参照)に作用する吸込み圧力は実際に急激に解消される。
第2図において、流出開口10は弁室7の半分の高さに存在しており、流出開口10を幾分高い位置に或いは低い位置に設けることようにして、比較的強いかつ比較的迅速な排気が達せられる。しかし、流出開口10を備えている室壁を、機械構成要素担持体Aの拡大された流出空域内に流出開口として開口している開口を備えている高さ調節可能なスライダとして形成する構成も可能である。その際、このようなスライダの摺動により、吸込み作用と排気とを別個に調節することが可能である。
ピストン部分15′の軸方向の伸び、即ち第2図に関してこのピストン部分15′の高さが弁室7の軸方向の寸法と少なくとも同じであり、場合によっては幾分大きくても有利であることは既に述べた。このような場合、ピストン部分は第2図に示した位置間の中間位置において圧力除荷の下に弾性的に実際にすべての開口8,9と10とを閉じる。流入開口8が直前にまだ流出開口10と結合しているので、この流出開口に依然として吸込み圧力が存在しており、この吸込み圧力は緩慢にしか、例えば胸部収容部19において発生する空気漏れにより、解消することが可能である。
しかし、このことは、吸込み圧力のこのような構成の場合、ピストン部分15′が比較的小さくかつ非弾性的である様な場合よりは、より長く作用すると言うことを意味している。しかし、このことは、モータ1によりもたらされるエネルギーがより良く利用可能であり、従って吸込み圧力が未だ暫くの間維持されているので、弁部材15が早期にその閉じ位置に(第2図参照)復帰できることを意味している。しかし、このことは、公知の技術において求められはしたが、しかし実際には達せられなかったよりも高いサイクル周波数を可能にする。従って、母乳のポンプによる圧送は、更に交番状態でバッテリーの保護の下に行れる。しかし、吸込み圧力が胸部収容部19においてなお作用する交差周期が存在しており、一方にあっては他方の胸部収容部においては既に吸込みが開始されている。
上の説明から、三つの開口8,9と10を弁室7に設けることが根本的に有利であり、新しい機能特性と機能可能性とをもたらし、従ってこのコンセプトが、別個の弁部材或いは(公知の技術におけるように)共通の弁部材の使用に左右されることなく、発明を提示していることが明瞭である。
第1図と第2図とによる実施の形態にあっては、弁部材15が互いに平行に設けられているが、第3図は他の配設も可能であることを示している。この場合、溝104′として形成されているカム案内部を備えている、形状一体的な共通のカム104は壁部Aの外側に当接している。この溝104′内にはカム從動体11も係合している。カム104は、明らかなように、例えば繊維産業において往復運動を発生させるためのに使用されるようなハートカムとして形成されている。従って、互いに相対して設けられている弁部材15は、それぞれ所属しているそれらの弁ハウジング107に関して、相反する方向で運動する。
この弁ハウジングはいわゆるカートリッジ−弁の様式で構成されており、このカートリッジ−弁は一般にAUF−ZU弁(開き−閉じ弁)、即ち切換え弁として形成されている。しかし、このような弁をプロポーショニングバルブとして形成することも公知であると言い得る。このことは本発明の枠内において同様に除外されるものではない。とにかくカートリッジ−形弁として形成することの意味は、例えば側方の流入開口8と軸方向の流出開口10が設けられており、これらと例えばこの場合も弾性的なピストン部分15′が協働することにある。もちろん、この場合も所望により、弁ハウジング107に排気開口が設けられる。
個別的な適合と調節とを行うことが可能であるように、弁ハウジング107の各々は板22上に支承されている。この弁ハウジング107を板22上に、例えば接着により、伝動機構3′に対して選択された間隔で固定することにより、開きの周期および閉じの周期の個別的な調節が可能となる。
しかし、板22が壁部A′に沿って、この壁部から徐々に突出している案内部26により摺動可能に案内され、かつ一端において湾曲している壁部27が設けられている一種の調節スライダを形成しているのが有利である。これに対して、壁部A′には、鋳込み形成されたタブ28が突出している。外部から接近可能な調節ねじ29は湾曲している壁部27と軸方向では摺動不能に、しかし回転可能に結合されており、同時にそれぞれのタブ28の内壁内にねじ込まれている。従って、調節ねじ29を旋回させることにより、弁ハウジング107,弁部材15および駆動機構107間相互の間隔が、上記の実施の形態に関して隆起部15″を手によって行うことに関連して説明したと同様な方法で調節することが可能である。このことは、もちろん、両弁部材15を本発明により互いに離間することにより、共通の駆動機構107を同時に使用しつつ可能である。
本発明の枠内において、多数のバリエーションが可能である。即ち、封隙部材15は必ずしもピストン様に形成される必要はない。何故なら、第1図と第2図の場合に弾性的な隆起部15″の領域のみのそれぞれの開口8と9に対して封隙が行なわれるように押圧されるからである。同様な利用により、これらの隆起部15″のみを弾性的な、有利にはそれぞれの開口に対して凹状に湾曲している皿状部材によって置換えることが可能である。
Claims (11)
- 母乳を母乳収集容器(24)にポンブ圧送するために、二つの漏斗状の胸部収容部(19)へ対応する二つの吸込み導管(10,20)を経て接続するための母乳搾乳ポンプにおいて、
前記ポンプは、
ポンプ圧送手段を有する真空源(2,B)と、
一端が前記真空源(2,B)から出ていてかつ他端が前記吸込み導管(10,20)に接続すべき二つの接続部(17)を有する導管系と、
前記真空を前記接続部(17)に分配するために前記導管系内に配置された二つの弁部材(15)とを備え、前記二つの弁部材(15)は、互いに独立して動くように互いに分離した二つの弁体と、それぞれが前記二つの弁体の一つを収容する二つの弁室(7,107)とを有し、各弁室は、前記真空源(2,B)と連通する流入開口(8)と、前記二つの接続部(17)の一つと連通する流出開口(10)とを有し、また
前記ポンプは、前記流入開口と前記流出開口を結合する開き位置から、前記開口の間の連通が中断される閉じ位置へ互い違いになって同期するように前記二つの弁体(15)を駆動するための駆動機構(4)を備えていることを特徴とする母乳搾乳ポンプ。 - 前記ポンプ圧送手段はモータ(1)を有することを特徴とする請求項1に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記二つの弁室(7,107)は前記駆動機構手段(4)に対して実質的に対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記弁室(107)、弁体(14)および駆動機構(4)のうちの少なくとも一つの相対位置を調節するための調節手段(12,15″;26−29)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 母乳を母乳収集容器(24)にポンブ圧送するために、二つの漏斗状の胸部収容部(19)へ対応する二つの吸込み導管(10,20)を経て接続するための母乳搾乳ポンプであって、
前記ポンプは、
ポンプ圧送手段を有する真空源(2,B)と、
一端が前記真空源から出ていてかつ他端が前記吸込み導管(10,20)に接続すべき二つの接続部(17)を有する導管系と、
前記真空を前記接続部(17)に分配するために前記導管系内に配置された二つの弁部材(15)とを備え、前記二つの弁部材は、互いに独立して動くように互いに分離した二つの弁体と、それぞれが前記二つの弁体の一つを収容する二つの弁室とを有し、各弁室は、前記真空源(2,B)と連通する流入開口(8)と、前記二つの接続部の一つと連通する流出開口(10)とを有し、また
前記ポンプは、前記流入開口と前記流出開口を結合する開き位置から、前記開口の間の連通が中断される閉じ位置へ互い違いになって同期するように前記二つの弁体を駆動するための駆動機構(4)を備えている母乳搾乳ポンプにおいて、
前記二つの弁体は、それぞれ、前記駆動機構(4)に連結された駆動端を有する細長い弁軸(12)と、前記駆動端とずらして位置している拡大部分とからなり、前記拡大部分は、前記二つの開口(8.10)のうちの一つをその二つの位置のうちの一つの位置で密封するための封隙部材(15′)として使用されかつ少なくとも一部が弾性的な材料で形成されていることを特徴とする母乳搾乳ポンプ。 - 前記封隙部材(15′)はピストンとして形成されていることを特徴とする請求項5に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記弾性的な材料はシリコンゴムであることを特徴とする請求項5に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記弾性的な材料の封隙部材(15′)は、非圧縮状態で、少なくともその弁室の大部分を占めることにより、前記駆動機構(4)により駆動されたときに、封隙部材は開き位置、閉じ位置およびその弁室の流入口と流出口の両方を閉じる中間位置をとることを特徴とする請求項5に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記弁室(7)の各々は、真空圧を低減するために周囲空気に通じる排気開口(9)を有し、前記排気開口(9)は、弁体(15)の開き位置で、関連した弁体により閉じられるように位置していることを特徴とする請求項5に記載の母乳搾乳ポンプ。
- 前記排気開口(9)は前記流入開口(8)に対向して位置していることを特徴とする請求項9に記載の母乳搾乳ポンプ。
- さらに、前記弁室(107)、弁体(15)および駆動機構(4;104)のうちの少なくとも一つのものの相対位置を調節するための調節手段(12,15″;26−29)を有することを特徴とする請求項5に記載の母乳搾乳ポンプ。
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