JP4046536B2 - Alcパネルの表面加工方法及び表面加工装置 - Google Patents

Alcパネルの表面加工方法及び表面加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ALC(軽量気泡コンクリート)パネルの表面部に帯状の意匠凹部を加工する表面加工方法及び表面加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の表面加工方法として、本願出願人による先の出願により(特開2001−138320公報)、図13に示すように、非回転式の刃具61をALCパネル62の小口面からパネル表面と平行にALC母材に切り込ませ、パネル表面部に、底面及び側面が平滑な切肌溝部63と割石調の割肌凹部64とからなる帯状の意匠凹部65を加工する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の表面加工方法によると、意匠凹部65の一部に切肌溝部63より深い又は同じ深さのえぐれ部Sが生じることがあった。このえぐれ現象は、強度的に脆いALC母材に物理的衝撃を与えることから、パネル表面部に深いクラックが広範囲に入り、ALC母材が大きく割り砕かれることで発生し、特に、意匠凹部65を深く加工した場合に、気泡が粗くなっている箇所、補強鉄筋がパネル表面に偏っている箇所、加工済の意匠凹部と交差する箇所等に発生しやすい。えぐれ部Sは、図14(a)に示すように、切肌溝部63とその両側の割肌凹部64にわたる広範囲に切肌溝部63の溝底より深く又は同じ深さで形成されたり、図14(b)に示すように、両側又は片側の割肌凹部64のみに切肌溝部63の溝底より深く又は同じ深さで形成されたりするため、切肌溝部63の底縁が消えたり不鮮明となり、意匠凹部65の見栄えを低下させる問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、上記課題を解決し、ALCパネルの表面部にえぐれ部がない見栄えのよい意匠凹部を加工できる表面加工方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るALCパネルの表面加工方法は、ALCパネルの表面部に帯状の意匠凹部を加工する方法であって、非回転式の先行刃具をALCパネルの小口面からパネル表面と平行にALC母材に切り込ませ、先行刃具がパネル表面部を割り砕いて先行凹部を形成した後に、非回転式の後続刃具をパネル小口面から先行凹部に切り込ませ、後続刃具が先行凹部を先行刃具より深く切削して、パネル表面部に帯状の意匠凹部を形成することを特徴とする。
【0006】
ここで、意匠凹部の形状は特に限定されず、底面及び側面が平滑な切肌溝部と、この切肌溝部の両側に広がる割石調の割肌凹部との組み合わせからなるもの、断面がコ字形の切肌溝部のみからなるもの、断面がV字形の割肌凹部のみからなるもの等を例示できる。先行凹部の形状は最終形状である意匠凹部と相違させてもよいが、後続刃具が先行凹部を切削するときに、えぐれ部が生じないように、先行刃具が先行凹部を意匠凹部と略相似する正面形状で形成するのが好ましい。特に、意匠凹部が切肌溝部と割肌凹部との組み合わせからなる場合は、えぐれた溝底面及び溝側面を再生して連続させるために、後続刃具が意匠凹部の切肌溝部を先行凹部の切肌溝部よりも幅広く形成するのが望ましい。
【0007】
後続刃具の本数は1本に限定されず、2本以上の後続刃具を用い、先行凹部を複数回に分け順次深く切削することで、意匠凹部をより深く加工することも可能である。また、先行刃具がALCパネルの一方の小口面から他方の小口面まで一気に切り抜けると、意匠凹部の終端に大きな欠損部が発生しやすい。これを防止するためには、先行刃具が一方のパネル小口面に切り込んだ後に、先行刃具及び後続刃具が他方のパネル小口面から一方のパネル小口面まで切り抜けるのが好ましい。
【0008】
ALCパネルの厚さは用途に応じて多様であるが、大半のALCパネルが含まれる厚さ35〜150mmのものにおいて、意匠凹部(切肌溝部と割肌凹部との組み合わせからなる場合は切肌溝部の深さ。以下、同じ。)を先行凹部(切肌溝部と割肌凹部との組み合わせからなる場合は切肌溝部の深さ。以下、同じ。)よりも1〜10mm深く形成することが好ましく、2〜5mm深く形成することがさらに好ましい。えぐれ部のないシャープな溝部を形成することができるからである。この深さの差が1mm未満であると、仮に先行刃具でえぐれ部が発生した場合に、後続刃具でそのえぐれ部より深く切削できないゆえにシャープな溝部を形成できなくなり、また、10mmを越えると、後続刃具で新たなえぐれ部を発生させるおそれがある。
【0009】
また、厚さ35〜80mm程度の薄手パネルの場合は、通常、意匠凹部が5mm以下の深さで加工されるので、えぐれ部の発生率はほとんどない。しかし、厚さ90〜150mmの厚手パネルの場合には、意匠効果を高めるために、意匠凹部を5mm以上の深さで彫り深く加工するので、加工深さに略比例してえぐれ部の発生率が高くなる。そこで、厚さ90〜150mmのALCパネルについては、先行凹部を5〜15mmの深さで形成し、意匠凹部を先行凹部よりも2〜5mm深く形成する方法を好ましく例示できる。先行刃具でえぐれ部が発生しても、そのえぐれ部が目立たないように後続刃具で十分に切削できるからである。
【0010】
また、先行刃具でも後続刃具でもえぐれ部を発生させないようにするため、先行凹部を2〜5mmmの深さで形成し、意匠凹部を先行凹部よりも2〜5mm深く形成する方法も好ましく例示できる。
【0011】
本発明に係るALCパネルの表面加工装置は、ALCパネルの表面部に帯状の意匠凹部を加工する装置であって、パネル表面部を割り砕いて先行凹部を形成する非回転式の先行刃具と、先行凹部を先行刃具よりも深く切削する非回転式の後続刃具と、先行刃具及び後続刃具をパネル小口面からパネル表面と平行にALC母材に順次切り込ませる機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
ここで、先行刃具及び後続刃具は、特定の形状に限定されず、例えば、靴形、鋭く突き出した鳥のくちばし形、正面コ字形、正面V字形等、意匠凹部の形状に応じた同一又は相似形状のものを使用できる。特に、意匠凹部が切肌溝部を含む場合は、えぐれた溝底面及び溝側面を見栄えよく再生できるように、後続刃具の切刃を先行刃具の切刃よりも低くかつ幅広く形成するのが好ましい。
【0013】
また、先行刃具と後続刃具との高低差が1〜10mmであることが好ましく、2〜5mmであることがさらに好ましい。この高低差が1mm未満であると、仮に先行刃具でえぐれ部が発生した場合に、後続刃具でそのえぐれ部より深く切削できないゆえにシャープな溝部を形成できなくなり、また、10mmを越えると、後続刃具で新たなえぐれ部を発生させるおそれがある。
【0014】
また、互いに反対向きの外側2本の先行刃具と互いに反対向きの内側2本の後続刃具とを一列に並設し、各刃具を加工位置と待機位置とに選択的に配置替えする手段を設けてもよい。この構成によれば、先行刃具及び後続刃具をパネル両端のどちらの小口面からでも切り込ませることができるため、意匠凹部終端の欠損を防止する前記方法を首尾よく実施できるうえ、複数本の意匠凹部を能率よく往復加工することもでき、えぐれ部が生じにくい薄手パネルを先行刃具のみで加工することもできるなど、表面加工装置の機動性が向上する。
【0015】
なお、先行刃具及び後続刃具をALC母材に切り込ませる機構としては、特定の機構に限定されず、例えば、ALCパネルの停止状態で刃具を移動する機構、刃具の停止状態でパネルを移動する機構、刃具及びパネルの両方を相反する方向へ移動する機構等を採用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はALCパネル1の表面部を一方向(例えば、長方形平パネルの縦方向)に加工するパネル加工機11を示すものである。この加工機11は、ALCパネル1を載せる加工テーブル12と、ALCパネル1の表面中央部に帯状の意匠凹部3を加工する複数台(図1に5台を例示)の表面加工装置13と、ALCパネル1の表面両端縁に帯状の意匠部4を加工する2台の端縁加工装置14とから構成されている。なお、パネル表面部を他方向(例えば、長方形平パネルの横方向)に加工するパネル加工機は、縦方向の加工機11と同様に構成され、この加工機11の近傍に90°異なる向きで設置されている(図示略)。
【0017】
加工テーブル12は3本の三角柱状の受台16を備え、各受台16はエアシリンダ(図示略)により水平軸17の周りで回転可能に設けられている。図2に示すように、平板状のALCパネル(平パネル)1を加工するときには、各受台16の一つの面を上にして平パネル1を支持する。図3に示すように、直角のコーナ部を備えたALCパネル(コーナパネル)2を加工するときには、(a)1本の受台16の頂辺を上にしてコーナパネル2の供給を受け、(b)その受台16の一つの面を上にしてコーナパネル2の一方の表面部に意匠凹部3を加工した後に、(c)受台16の別の面を上にしてコーナパネル2の別の表面部に意匠凹部3を加工できるようになっている。
【0018】
なお、コーナパネル2は、平パネル1を縦方向に加工するパネル加工機11によって横方向に加工され、平パネル1を横方向に加工する加工機によって縦方向に加工される。また、平パネル1及びコーナパネル2は、クランプ移送装置(図示略)を用いて加工テーブル12に供給され、加工後にテーブル12から排出される。加工テーブル12には、各パネル1,2の小口面を当てる定規(図示略)と、パネル1,2を定規に当てた状態でクランプするクランパ(図示略)とが設けられている。
【0019】
図1及び図2に示すように、表面加工装置13は上下に長いフレーム19を備え、フレーム19の下端にベース20とブラケット21とが固定されている。ブラケット21にはホルダ22が取り付けられ、ホルダ22に4本のロッド23が昇降可能に支持され、ベース20にロッド23を各別に昇降するエアシリンダ24が設置されている。外側2本のロッド23の下端には非回転式の先行刃具25が互いに反対向きに(それぞれの刃先が互いに反対側の外側を向くように)ボルト26で取り付けられ、内側2本のロッド23の下端には非回転式の後続刃具27が互いに反対向きに(それぞれの刃先が互いに反対側の外側を向くように)ボルト28で取り付けられ、表面加工装置13の最下端に4本の刃具25,27が外向きの形態でパネル加工方向へ一列に並設されている。
【0020】
フレーム19はスライダ30及びレール31を介し走行機枠32に加工方向と直角の方向へ摺動可能に支持され、各表面加工装置13の相互間隔を意匠凹部3の加工ピッチに合わせて調整できるようになっている。走行機枠32はモータ又はエアシリンダ等の駆動手段により加工方向へ走行可能に設けられるとともに、エアシリンダ又はネジ等の自動又は手動の調整手段により上下方向へ高さ調整可能に設けられていて、これらの手段と走行機枠32とが先行刃具25及び後続刃具27をパネル小口面からパネル表面と平行にALC母材に順次切り込ませる機構を構成している。
【0021】
また、フレーム19上に設けられた前記エアシリンダ24は各刃具25,27を加工位置とそれより上方の待機位置とに選択的に配置替えする手段を構成している。そして、例えば、往復加工に際し、2本2組の刃具25,27を交互に加工位置に配置したり、一方向加工に際し、加工終端で4本の刃具25,27を待機位置に配置して加工始端に早送りして戻したり、えぐれ部が生じにくい薄手パネルの加工に際し、先行刃具25又は後続刃具27のうち1本のみを加工位置に配置したりするなど、表面加工装置13を加工プログラムに従って機動性よく制御できるようになっている。
【0022】
図4に示すように、先行刃具25は、全体がL字形で下端が靴形に形成され、加工方向の前側において、パネル表面部を割り砕いて先行凹部5を形成する。先行刃具25には、ALC母材を略水平に切り込む(例えば平面先丸形の)先端辺から両側に回り込んで後に向かうにつれて高くなるように傾斜した切刃34と、ALC母材をすくい上げるすくい面35とが設けられ、この刃形状に従い、先行凹部5に底面及び両側面が平滑な切肌溝部6と、この切肌溝部6の両側に広がる割石調の割肌凹部7とが形成される。例えば、厚さ120mmのALCパネル1を加工する場合、先行刃具25の切刃34の切込深さD1は約12mm、切刃34の幅W1は約8mm、すくい面35の角度γ1は約70°である。
【0023】
後続刃具27は、先行刃具25と相似する形状で形成され、パネル加工方向の後側において、先行凹部5を先行刃具25よりも深くかつ幅広く切削して、パネル表面部に帯状の意匠凹部3を形成する。後続刃具27にも切刃36とすくい面37とが設けられ、切刃36は先行刃具25の切刃34よりも低くかつ幅広く形成されていて、この刃形状に従い、切肌溝部6の底面をより深くかつ側面をより幅広く切削して、先行凹部5に生じたえぐれ部を解消できるようになっている。例えば、厚さ120mmのALCパネル1を加工する場合、後続刃具27の切刃36の切込深さD2は約15mm(先行刃具25の切刃34との高低差Gは約3mm)、切刃36の幅W2は約10mm、すくい面37の角度γ2は約70°である。
【0024】
図1及び図5に示すように、端縁加工装置14は上下に長いフレーム39を備え、フレーム39の下部にヘッド40がエアシリンダ41によりレール42に沿って昇降可能に支持されている。ヘッド40の下端にはガイド43が取り付けられ、ガイド43にスライダ44を介し端縁加工用の刃具45がパネル加工方向と直角の方向へ摺動可能に支持されている。ヘッド40の側面には軸受46により刃具駆動軸47が支持され、その上端はカップリング48を介しモータ49に結合され、下端はクランク板50、クランクピン51、クランクアーム52を介し刃具45の基端部に連結されている。
【0025】
刃具45は四角板状に形成され、先端の刃部54にパネル加工方向に長い直線状の切刃55とすくい面56とが設けられ、切刃55に複数のV字形スリット57が大小交互に設けられている。そして、刃具45は、ガイド43により切刃55が常にパネル端縁と平行となる姿勢に保持され、モータ49の回転に伴ってパネル端縁と直角の方向へ往復移動しつつ、走行機枠32の走行によりパネル端縁と平方に移動し、この複合動作によって切刃55を加工方向に拡がる小口面からパネル表面と平行にALC母材に切り込ませ、パネル表面部を割り砕いて、パネル端縁に切肌部8と割肌部9とからなる帯状の意匠部4を加工するようになっている。
【0026】
なお、この端縁加工装置14において、エアシリンダ41は表面加工装置13のエアシリンダ24と同様に機能し、刃具45を加工位置と待機位置とに昇降する。また、フレーム39にはエアシリンダ41の高さを手動操作によって調整するネジ式アジャスタ58が設けられ、刃具45の高さを表面加工装置13の刃具25,27と相違させ、意匠部4の切肌部8を意匠凹部3の切肌溝部6と異なる深さで加工することもできるようになっている。
【0027】
上記のように構成されたパネル加工機11において、次に、表面加工装置13による表面加工方法について説明する。ALCパネル1が加工テーブル12上に載置されると、走行機枠32の駆動モータ、表面加工装置13のエアシリンダ24及び端縁加工装置14のエアシリンダ41が加工プログラムに従って制御される。
【0028】
表面加工装置13においては、まず、図6に示すように、片側の先行刃具25及び後続刃具27を加工位置に配置した状態で、先行刃具25がALCパネル1の一方の小口面からALC母材に切り込み、パネル表面部を割り砕いて、このパネル小口面に開放部10を予備的に形成する。この予備工程では、切込長さは短くてよく、後続刃具27をパネル1に切り込ませても、切り込ませなくてもよい。
【0029】
次に、4本の刃具25,27を待機位置に配置した状態で、一方のパネル小口面から他方のパネル小口面まで早送りしたのち、前記工程とは反対側の先行刃具25及び後続刃具27を加工位置に配置する。そして、図7に示すように、先行刃具25が他方のパネル小口面からパネル表面と平行にALC母材に切り込み、切刃34でパネル表面部を割り砕き、すくい面35でALC母材の割砕片をすくい上げ、パネル表面部に切肌溝部6と割肌凹部7とからなる先行凹部5を形成する。
【0030】
本実施形態では、厚さ120mmのALCパネル1に、先行凹部5を幅約8mm、深さ約12mm(例えば5〜15mmの範囲で変更可)で、最終形状である意匠凹部3と略相似する形状で形成した。先行凹部5を深さ5mm以上で形成すると、気泡が粗い箇所等でALC母材に深いクラックCが広範囲に入り、図8に示すように、ALC母材が先行刃具25により深くかつ割り砕かれ、先行凹部5にその切肌溝部6の底面より深く又は同じ深さでえぐれ部Sが生じる場合がある。前述したとおり、えぐれ部Sは、先行凹部5の切肌溝部6とその両側の割肌凹部7にわたる広範囲に形成されたり、両側又は片側の割肌凹部7のみに形成されたりする。
【0031】
先行刃具25がさらに切り進むと、図9に示すように、後続刃具27がパネル小口面から先行凹部5に切り込み、切刃36で先行凹部5を先行刃具25よりも深くかつ幅広く切削して、ALCパネル1の表面部に帯状の意匠凹部3を形成する。本実施形態では、後続刃具27がパネル表面部を幅約10mm、深さ約15mmで切り込み、意匠凹部3を先行凹部5よりも約3mm深く(例えば2〜5mmの範囲で変更可)形成する。
【0032】
従って、前記の通り先行凹部5にえぐれ部Sが生じた場合でも、図10に示すように、そのえぐれ部Sを後続刃具27で平滑に切削して、切肌溝部6の底面6a及び側面6bを再生し、溝底縁が一直線に連続するシャープな意匠凹部3を形成することができる。また、予め先行凹部5が意匠凹部3と相似する形状で形成されているので、後続刃具27の切込量がごく僅かとなり、この後続刃具27による切削時に意匠凹部3にえぐれ部が生じるおそれもない。
【0033】
その後、先行刃具25及び後続刃具27は他方のパネル小口面から一方のパネル小口面まで切り抜け、加工を完了する。このとき、一方のパネル小口面には予め開放部10(図6参照)が形成されているため、先行刃具25が切り抜ける際の小口面の欠損を防止でき、図11に示すように、パネル表面部にえぐれ部も欠損部もない見栄えのよい意匠凹部3を加工することができる。なお、ALCパネル1の端縁には、端縁加工装置14における刃具45の複合動作により、切肌部8が平滑に切削され、割肌部9が割肌凹部7とほぼ均等な大きさで形成され、意匠部4が見栄えよく加工される。
【0034】
また、先行刃具25でも後続刃具27でもえぐれ部を発生させないようにするため、先行凹部5を5mmmの深さ(2〜5mmの範囲で変更可)で形成し、意匠凹部3を先行凹部5よりも5mm深く(2〜5mmの範囲で変更可)形成する方法を採ることもできる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1) 前記実施形態の表面加工方法を、図3に示すALCパネル2(コーナパネル)に適用し、このパネル表面部に意匠凹部3を加工すること。
(2)図12に示すように、先行刃具25及び後続刃具27を突き出した鳥のくちばし形に形成し、ALCパネル1の表面部に割肌凹部7のみからなる意匠凹部3を加工すること。この場合も、底縁が一直線に連続したシャープで見栄えのよい意匠凹部3を加工することができる。
(3)前記実施形態とは逆に、加工テーブル12を表面加工装置13に対し移動可能に設け、ALCパネル1を加工テーブル12で移動して、パネル表面部を加工すること。
【0036】
(4)加工テーブル12を旋回可能に設け、ALCパネル1の向きを変えて、一台の加工機11でパネル表面部を縦横に加工すること。
(5)複数台の表面加工装置13の刃具25,27をそれぞれ別個に高さ調整可能に設け、ALCパネル1に深さが異なる複数本の意匠凹部3を加工すること。
(6)前記実施形態の表面加工装置13を一台用い、この装置13をALCパネル1に対して往復移動し、往路で片側2本の刃具25,27により意匠凹部3を加工した後に、復路で反対側2本の刃具25,27により別の意匠凹部3を加工すること。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の表面加工方法及び装置によれば、先行刃具が形成した先行凹部を後続刃具が先行刃具よりも深く切削するので、ALCパネルの表面部にえぐれ部がない見栄えのよい意匠凹部を加工できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るALCパネル加工機を示す正面図である。
【図2】パネル加工機の表面加工装置を示す図1のII−II線断面図である。
【図3】パネル加工機によるコーナパネルの加工形態を示す側面図である。
【図4】表面加工装置における先行刃具及び後続刃具の形状説明図である。
【図5】パネル加工機の端縁加工装置を示す図1のV−V線断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る表面加工方法の工程説明図である。
【図7】図6に続く工程説明図である。
【図8】図7に続く工程説明図である。
【図9】図8に続く工程説明図である。
【図10】図9に続く工程説明図である。
【図11】同方法により加工したALCパネルの部分斜視図である。
【図12】図4とは異なる形状の刃具による加工方法を示すALCパネルの部分斜視図である。
【図13】従来の加工方法を示すALCパネルの部分斜視図である。
【図14】従来の方法により加工した意匠凹部を示すALCパネルの断面図である。
【符号の説明】
1 ALCパネル
3 意匠凹部
5 先行凹部
6 切肌溝部
7 割肌凹部
10 開放部
11 パネル加工機
12 加工テーブル
13 表面加工装置
24 エアシリンダ
25 先行刃具
27 後続刃具
32 走行機枠
S えぐれ部

Claims (11)

  1. ALCパネルの表面部に帯状の意匠凹部を加工する方法であって、非回転式の先行刃具をALCパネルの小口面からパネル表面と平行にALC母材に切り込ませ、先行刃具がパネル表面部を割り砕いて先行凹部を形成した後に、非回転式の後続刃具をパネル小口面から先行凹部に切り込ませ、後続刃具が先行凹部を先行刃具よりも深く切削して、パネル表面部に帯状の意匠凹部を形成することを特徴とするALCパネルの表面加工方法。
  2. 帯状の意匠凹部が、底面及び側面が平滑な切肌溝部と、切肌溝部の両側に広がる割石調の割肌凹部との組み合わせからなる請求項1記載のALCパネルの表面加工方法。
  3. 後続刃具が意匠凹部の切肌溝部を先行凹部の切肌溝部よりも幅広く形成する請求項2記載のALCパネルの表面加工方法。
  4. 先行刃具が一方のパネル小口面に切り込んだ後に、先行刃具及び後続刃具が他方のパネル小口面から一方のパネル小口面まで切り抜ける請求項1〜3のいずれか一項に記載のALCパネルの表面加工方法。
  5. 意匠凹部を先行凹部よりも1〜10mm深く形成する請求項1〜4のいずれか一項に記載のALCパネルの表面加工方法。
  6. 厚さ90〜150mmのALCパネルに、先行凹部を5〜15mmの深さで形成し、意匠凹部を先行凹部よりも2〜5mm深く形成する請求項1〜4のいずれか一項に記載のALCパネルの表面加工方法。
  7. 先行凹部を2〜5mmmの深さで形成し、意匠凹部を先行凹部よりも2〜5mm深く形成する請求項1〜4のいずれか一項に記載のALCパネルの表面加工方法。
  8. ALCパネルの表面部に帯状の意匠凹部を加工する装置であって、パネル表面部を割り砕いて先行凹部を形成する非回転式の先行刃具と、先行凹部を先行刃具よりも深く切削する非回転式の後続刃具と、先行刃具及び後続刃具をパネル小口面からパネル表面と平行にALC母材に順次切り込ませる機構とを備えたことを特徴とするALCパネルの表面加工装置。
  9. 後続刃具の切刃を先行刃具の切刃よりも低くかつ幅広く形成した請求項8記載のALCパネルの表面加工装置。
  10. 先行刃具と後続刃具との高低差が1〜10mmである請求項9記載のALCパネルの表面加工装置。
  11. 互いに反対向きの外側2本の先行刃具と互いに反対向きの内側2本の後続刃具とを一列に並設し、各刃具を加工位置と待機位置とに選択的に配置替えする手段を備えた請求項8〜10のいずれか一項に記載のALCパネルの表面加工装置。
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