JP4046207B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICやLCDなど高精度の製造工程においてエッチング・成膜・アッシング等のプラズマ処理を行うのに好適なプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9(a)に要部の縦断面模式図を示したプラズマ処理装置は、真空チャンバ本体部2及び真空チャンバ蓋部3等からなり内部にプラズマ処理空間5(プラズマ空間)が形成された真空チャンバと、この真空チャンバに付設されたコイルユニット10と、このコイルユニット10のコイル11(誘導結合素子)に高周波を印加するRF電源12(電力供給手段)とを備えたものである。真空チャンバ本体部2には貫通口2aや貫通口2bなどが形成され、それぞれ、プラズマ維持に適した真空圧を確保する真空ポンプ6や、プラズマ処理に要する適宜の処理ガスを供給する図示しないガスユニット等が接続されている。真空チャンバ内のプラズマ処理空間5には、被処理物1を乗載するカソード部4が設置されるが、このカソード部4は、真空チャンバ本体部2の内底に植設されたサポート4aによって支持されるとともに、ブロッキングキャパシタ7aを介してRF電源7に接続されている。
【0003】
そして、図示しないゲート付きの貫通口を介して被処理物1がカソード部4上に搬入され、プラズマ処理空間5が所定のガス圧等に達したところで、RF電源12からコイル11に高周波が印加されると、コイル11から発した交番電磁界によってプラズマ処理空間5のガスが励起されて、そこにプラズマが発生・形成される。こうして、被処理物1の上面がプラズマに曝されて、被処理物1に対するプラズマ処理が行われる。その際、RF電源7も稼動させれば、プラズマ処理に異方性が付与される。
【0004】
このようなプラズマ処理に関し、その均一性を向上させるために、コイルユニット10を複数のコイル11で構成するとともに、各コイルそれぞれに電流調整手段として可変コンデンサ13を接続したプラズマ処理装置も知られている(特開平8−50998号公報参照)。
これは、複数コイルの並列接続によって磁束密度を高めるとともに、各コイル11に流れる電流を調整することで磁束密度分布の均一化も得ようとするものである。
【0005】
そして、プラズマを発生させるときプラズマ処理空間5に生じる等電位線14や磁束密度分布は、それなりに一様になる(図9(b)参照)。
ところが、プラズマ処理空間5に低温プラズマ15が発生した後は、様子が異なる。しばしば低温プラズマ15の一部・局所にプラズマ高濃度部16が生じてしまい(図9(c)参照)、その結果、等電位線14等の一様性に見合ったプラズマ処理の均一性を確保することは困難となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
もちろん、局所的なプラズマ高濃度部を抑制するように、電流調整手段を利用して各コイルの電流についての更なる調整を行うことも可能である。
しかしながら、上述した従来のプラズマ処理装置では、設置位置の異なる各コイルから発した電磁界を相互に重ねることで、プラズマ処理空間における電磁界の一様性を得るものなので、必然的に、プラズマ処理空間内で各コイルからの電磁界が相互に干渉しあうようになっている。
【0007】
一方、プラズマは、イオンの多い高濃度部ほど電磁結合の度合いが高いので、プラズマ高濃度部は益々濃くなり、プラズマ密度分布が斑になるという特質がある。
このため、プラズマ高濃度部に間近なコイルの電流を調整しただけでは、隣接コイル等の他のコイルからの電磁界が残り、そのエネルギーを吸収してプラズマ高濃度部は維持される。かといって、干渉しうる複数個のコイルについて電流を調整したのでは、確かに、それらコイル近辺ではプラズマが発生しにくくすることはできるが、逆に、その周辺ではプラズマが発生しやすくなってしまうので、結果的にはプラズマ高濃度部が移動しただけとなり均一性は一向に改善されない。
【0008】
そこで、複数の誘導結合素子を用いてプラズマにエネルギーを供給するに際し、電磁界の一様性を追求することでは得難い高度なプラズマ密度分布の均一度を、如何にして確保するかが技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、均一性の良いプラズマ処理装置を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第6の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0010】
[第1の解決手段]
第1の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、プラズマ空間の形成された真空チャンバと、この真空チャンバに付設された複数の誘導結合素子と、これら複数の誘導結合素子に高周波を印加する電力供給手段とを具備したプラズマ処理装置において、前記高周波のラインに対し介挿や付加等にて設けられ前記複数の誘導結合素子に分配される電力を調整する電力調整手段と、前記複数の誘導結合素子の間に設けられ又は形成された相互干渉軽減手段とを備えたものである。
【0011】
このような第1の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、相互干渉軽減手段の介在によって誘導結合素子同士の相互干渉が阻止・軽減されるので、プラズマ高濃度部に間近な誘導結合素子の電力を調整したときに、隣接素子等の他の誘導結合素子からの影響が無いので又は少ないので、そのプラズマ高濃度部へのエネルギー供給量が迅速に絞られる。その一方で、高濃度部の周りなど濃度の低いプラズマに対しては、その局所的な電力調整にほとんど影響されること無く、他の誘導結合素子からのエネルギー供給が継続される。
【0012】
このように複数の誘導結合素子の相互干渉を軽減して独立性を高めたことにより、電磁界分布の一様性は多少失われても電磁界分布に対する局所ごとの制御性が向上して、局所的なプラズマ高濃度部の発生を的確に抑制しうるので、プラズマ空間にプラズマが一様な密度で分布することとなる。
したがって、この発明によれば、均一性の良いプラズマ処理装置を実現することができる。
【0013】
[第2の解決手段]
第2の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記の第1の解決手段のプラズマ処理装置であって、前記相互干渉軽減手段は、前記複数の誘導結合素子の間に延びた前記プラズマ空間の拡張部であることを特徴とする。
【0014】
このような第2の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、相互干渉軽減手段すなわちプラズマ空間の拡張部によって伝搬を遮られた電磁界のエネルギーは、そのプラズマ空間の拡張部においてプラズマに吸収される。
これにより、誘導結合素子に印加した電力は、相互干渉軽減手段で浪費されること無く、ほぼ総てがプラズマに供給されることとなる。
したがって、この発明によれば、均一性に加えてエネルギー効率も良いプラズマ処理装置を実現することができる。
【0015】
[第3の解決手段]
第3の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第1,第2の解決手段のプラズマ処理装置であって、前記プラズマ空間に供給された電力についての分配状態を検出する電力分配状態検出手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
[第4の解決手段]
第4の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記の第3の解決手段のプラズマ処理装置であって、前記電力調整手段は、前記電力分配状態検出手段の検出に基づいて電力の調整を行うものである。
【0017】
このような第3,第4の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、プラズマ空間に局所的な高濃度部が生じると、そことそこに間近な誘導結合素子との結合度が高まりその誘導結合素子への電力が増加するが、その電力分配状態の変化が電力分配状態検出手段によって検出されるとともに、その検出に基づき電力調整手段によって複数の誘導結合素子への分配電力が調整される。
【0018】
これにより、局所的なプラズマ密度の変動に対しその変動を相殺・緩和するようにそれぞれのところで各誘導結合素子への電力が加減されて、自動的に適切なフィードバック制御がかかる。そこで、処理ガスの種類や流量さらにはガス圧などの不意の変動あるいは意識的な切り替え等に起因して、プラズマの状態が変化したような場合でも、確実にプラズマの一様性が確保されることとなる。
したがって、この発明によれば、常に均一性の良いプラズマ処理装置を実現することができる。
【0019】
[第5の解決手段]
第5の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、上記の第1〜第4の解決手段のプラズマ処理装置であって、前記電力調整手段は、前記高周波のラインのインダクタンスを可変するものである。
【0020】
このような第5の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、インダクタンスが可変されると、そのラインに接続された誘導結合素子に流れる電流ばかりか印加電圧も変化する。これにより、電力の調整が行われる。
【0021】
[第6の解決手段]
第6の解決手段のプラズマ処理装置は(、出願当初の請求項6に記載の如く)、上記の第3の解決手段のプラズマ処理装置であって、前記電力分配状態検出手段は、前記高周波のラインに捲回されたピックアップコイル、前記高周波のラインに接続された高電圧プローブ、前記プラズマ空間に向けて設置された分光器、及び前記真空チャンバに埋設もしくは付設された熱電対のうち何れか一つ又は複数を含んだものである。
【0022】
このような第6の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、プラズマ空間に局所的な高濃度部が生じると、そのプラズマ状態の変化が、それに伴うプラズマ発光の変化に基づいて、分光器にて検出される。また、プラズマ状態の変化は、それに伴うプラズマ温度分布の変化に基づいて、熱電対を用いても直接的に検出される。さらに、プラズマ状態の変化は、それに伴うプラズマ高濃度部と誘導結合素子との結合度の変化により各誘導結合素子への電力分配状態の変化を誘発するので、これに基づき、ピックアップコイルを用いて各誘導結合素子への高周波ラインの電流を測定することや、高電圧プローブを用いて各誘導結合素子への高周波ラインの電圧を測定することによっても、間接的に検知することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明のプラズマ処理装置について、これを実施するための形態を、以下の第1,第2実施例および第1,第2変形例により説明する。
図1及び図2に示した第1実施例は、上述の第1,第3,第4解決手段を具現化したものであり、図3及び図4に示した第2実施例は、上述の第2,第3,第4解決手段を具現化したものであり、図5に示した第1変形例は、上述の第5解決手段を具現化したものであり、図6に示した第2変形例は、上述の第6解決手段を具現化したものである。
【0024】
【第1実施例】
本発明のプラズマ処理装置の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1(a)は、その主要部の縦断面模式図であり、従来の図9(a)に対応している。また、図1(b)は、そのうちの誘導結合素子および相互干渉軽減部材を斜めにして視た図である。
【0025】
このプラズマ処理装置は(図1(a)参照)、従来同様に、プラズマ空間5の形成された真空チャンバ本体部2及び真空チャンバ蓋部3(真空チャンバ)と、この真空チャンバに付設されたコイル21〜24(複数の誘導結合素子)と、これら複数の誘導結合素子に高周波を印加するRF電源12及びマッチングボックス12a(電力供給手段)とを具備している。また、プラズマ処理空間5に設置されるカソード部4や、そのカソード部4に接続されるRF電源7、真空チャンバ本体部2の貫通口2aに接続される真空ポンプ6なども従来通り設けられている。
【0026】
これに対し、コイル21〜24の間にメタルリング31〜34(相互干渉軽減手段)が設けられている点と(図1(a)及び(b)参照)、RF電源12からコイル21〜24に至る高周波のラインに対し可変コンデンサ13に代えて電力分配制御回路40〜48(電力調整手段)が導入されている点で(図1(a)参照)、従来と相違する。また、コイル21〜24は、複数個に分割して設けられているという点では従来同様であるが、メタルリング31等の介挿を可能とするために順に並べて設置しうるような形状や大小関係を持つ点では従来と相違する。
【0027】
このプラズマ処理装置は、液晶基板等の角形の被処理物1を処理する場合には主要部がほぼ長方形状に形成されるが、ここではIC用シリコンウエハ等の丸形の被処理物1を処理するためにほぼ丸形状・円筒状・環状に形成される場合について説明する(図1(b)参照)。
真空チャンバ本体部2は、プラズマ処理空間5の周りを接地可能なようにアルミニウム等の金属から加工形成されるが、真空チャンバ蓋部3は、チャンバ外側のコイル21〜24から送出された交番電磁界をチャンバ内側のプラズマ処理空間5に効率良く伝搬するために誘電率の高いセラミック等の絶縁部材から作られる。
【0028】
カソード部4は、電極の機能も持たせるために金属等の良導体を加工して形成されるが、ウエハ等の被処理物1を乗載するために上面が平坦に仕上げられるとともに絶縁処理も施される。
真空ポンプ6は、必要な真空度に基づいてロータリポンプやメカニカルブースタ等が用いられる。
なお、真空チャンバ本体部2の貫通口2aを介してプラズマ処理空間5へ供給される処理ガスとしては、CF系ガスやシランガス等の反応ガスに適量の希釈ガスを混合させたもの等が供給されるようになっている。
【0029】
RF電源7は、プラズマ処理の異方性の源となるバイアス電圧を調節しうるように、その出力パワーが可変のものであり、周波数400KHz〜20MHzのものがよく用いられる。
RF電源12は、やはり出力パワーが可変のものであり、プラズマの励起および維持のために、その最大出力パワーは大きい。また、その周波数は5MHz〜510MHzとされることが多い。なお、マッチングボックス12aは、無駄な反射電力の低減等のためにRF電源12に付随して設けられるが、RF電源12からコイル21〜24に至る高周波のラインを明確にするために、これも図示した。
【0030】
コイル21〜24は、その順に径の増加する異径の円状コイルであり、コイルユニット20内で同心円状に内周側から外周側へ並べて設置される。コイルユニット20は、コイルユニット10同様、チャンバ外側から真空チャンバ蓋部3に装着されるようになっている。
メタルリング31〜34は(図1(b)参照)、何れも接地可能なようにアルミニウム等の良導体からなり、径は大小異なるが高さは概ね等しい筒状体・環状体に形成されたものである。メタルリング31はコイル21より小さくされ、メタルリング32の径はコイル21,22の中間とされ、メタルリング33の径はコイル22,23の中間とされ、メタルリング34の径はコイル23,24の中間とされ、それぞれコイルユニット20への装着に際してコイル21〜24の間へ交互に挿入されるようになっている。
【0031】
電力分配制御回路40〜48は(図1(a)参照)、各コイル21〜24に分配される電力を調整する際にフィードバック制御で適切な調整を為すために、プラズマ空間5に供給された電力についての分配状態を検出する電流検出部41〜44(電力分配状態検出手段)と、その検出値に基づいてプラズマ密度の局所変動を抑制するのに適した電力分配量を算出する帰還制御部40(電力分配量演算手段)と、その算出値に従って各コイル21〜24への電力を可変する配線長可変部45〜48とを具えて、プラズマ空間への供給電力の分配状態を検出するとともに、その検出に基づいて電力の調整を行うものとなっている。
【0032】
電流検出部41〜44は、後の第2変形例の欄にて詳述するが、RF電源12からマッチングボックス12aを経てコイル21〜24に至るそれぞれのラインに対して設けられ、何れも、該当ラインの電流を検出して帰還制御部40に通知するようになっている。
配線長可変部45〜48は、後の第1変形例の欄にて詳述するが、それぞれ電流検出部41〜44の設置ラインに対して設けられ、何れも、該当ラインのインダクタンスを変えることで該当ラインの電流および電圧を可変するようになっている。なお、配線長可変部は、高周波の各ラインへの電力分配比率を変えるためのものなので、電流検出部44のラインに対する配線長可変部48は省略可能である。
【0033】
帰還制御部40は、マイクロプロセッサ等の演算回路・制御回路からなり、多入力システムの適切な制御を担うために、ウィナーホフフィルタやカルマンフィルタ等に基づくレギュレータやオブザーバなど適宜のシステム制御機能を具備しており、あるいは単一入力のPID制御手段等を複数具有しており、これによって、継続的に、電流検出部41〜44からその電流検出値を入力するとともに、その検出値に基づきその時点での電力分配状態を推定し、各コイル21〜24に対する適切な目標電力分配量からのずれ等を算出し、この算出値に応じて配線長可変部45〜48の駆動制御を行うようになっている。なお、目標電力分配量は、各コイル21〜24からプラズマ処理空間5へ送出される電力の空間密度が平準化されるように共通の初期値を定めておき、個々の装置ごとに実測して微調整を施すと良い。
【0034】
この第1実施例のプラズマ処理装置について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、その動作状態を模式化したものであり、(a)及び(c)が電磁界の分布状態を示し、(b)及び(d)がプラズマの分布状態を示す。
【0035】
被処理物1にプラズマ処理を施すには、先ず図示しないゲート等を開け、そこから被処理物1を真空チャンバ(2+3)内に搬入してカソード部4上に載せる。そして、そのゲート等を閉じて真空ポンプ6を作動させるとともに、貫通口2bを介するガス供給などを適宜に開始すると、やがてプラズマ処理空間5内におけるガス圧等の雰囲気がプラズマ発生の可能な状態になる。なお、電力分配制御回路40〜48の目標電力分配量は、初期値のままとして、以下、説明する。
【0036】
次に、RF電源12を作動させると、マッチングボックス12aを介してコイル21〜24に高周波が印加され、それらのコイル21〜24から交番電磁界が発せられる。また、この段階では、この電磁界は、各コイル21〜24の周囲に伝搬され、特に、高誘電体の真空チャンバ蓋部3を介してプラズマ処理空間5には効率良く伝搬されるが、その際、接地されたメタルリング31〜34に至るとその方向にはそれ以上伝搬しえないので、各コイル21〜24からの電磁界はそれぞれメタルリング31〜34で挟まれた該当範囲およびその延長範囲に概ね制限されてプラズマ処理空間5に進行する。こうして、プラズマ処理空間5に生じる等電位線14等は、全体的に均してみれば概ね一様とも言えるが、メタルリング31〜34で区分された複数の小塊が連なった如き凸凹したものになる(図2(a)参照)。
【0037】
そして、プラズマ処理空間5内でガスが励起されて、低温プラズマ15が形成されると、そのプラズマが被処理物1の表面に作用してプラズマ処理が為される。その際、RF電源7も作動させると、低温プラズマ15中のイオン等がカソード部4に向けて加速されて、被処理物1の処理に異方性が加わる。なお、プラズマ高濃度部16は、各コイル21〜24に対し一対一で発生し、局部的には不均一となるが、プラズマ15は、拡散能力が強いので、基板上では平準化された概ね一様な分布となる。一方、各コイル21〜24で作られるプラズマ高濃度部16の相対的な大きさは、プラズマ処理中のガス流量や圧力の変化,又はレシピ変更による処理条件の変化,さらにはチャンバ壁に付着した堆積物の変化などに起因したプラズマ特性の変化により、常に変化する。この変化は、基板上でのプラズマ均一性を悪化させる。従って、プラズマの状態により、異常なプラズマプラズマ高濃度部16aの発生は避けられない(図2(b)参照)。
【0038】
異常なプラズマ高濃度部16aが発現すると、その間近のコイル例えばコイル21等の電力分配量が増加する。そうすると、そのことが電流検出部41〜44及び帰還制御部40によって検知され、さらに、その電力変動を打ち消すように配線長可変部45〜48が帰還制御部40によって制御される。そして、プラズマ高濃度部16aへ延びる等電位線14が弱まって縮まり、相対的に他の等電位線14が強まって張り出す(図2(c)参照)。そのように各コイル21〜24への電力分配が調整される。こうして、異常なプラズマ高濃度部16aは、発現しても速やかに消滅させられ、あるいは発現自体が抑制されるので、プラズマ処理空間5の低温プラズマ15は、常時、ほぼ一様な分布状態に保たれる(図2(d)参照)。
【0039】
【第2実施例】
本発明のプラズマ処理装置の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図3(a)は、その主要部の縦断面模式図であり、従来の図9(a)及び第1実施例の図1(a)に対応している。また、図3(b)は、そのうち、誘導結合素子の周りを斜めにして視た図である。
【0040】
このプラズマ処理装置が上述の第1実施例のものと相違するのは、単純な平板状部材であった真空チャンバ蓋部3がプラズマ発生チャンバ部50及びアノード部51で置換されて、メタルリング32〜34の在ったところには各々プラズマ発生空間52〜54が形成されたものとなっている点である(図3参照)。また、これに伴って、貫通口2bを廃止し、その代わりにプラズマ用ガスをプラズマ発生用ガスと処理ガスとに分けて処理ガスはアノード部51を介しプラズマ発生用ガスはプラズマ発生チャンバ部50を介して真空チャンバ内へ送給するようになった点も相違する。
【0041】
アノード部51は、接地可能な金属板状体からなり、プラズマ発生空間52〜54とプラズマ処理空間5とを連通させる多数の連通口52a,53a等が貫通して穿孔されるとともに、プラズマ処理空間5へ向けて開口した処理ガス供給口51aも多数形成されている(図3(b)参照)。処理ガスとしては、CF系ガスやシランガス等の反応ガスに適量の希釈ガスを混合させたもの等が供給されるようになっている。
【0042】
プラズマ発生チャンバ50は、セラミック等の絶縁物から作られるが、これには、プラズマ発生空間52,53,54となる複数(図3では3個)の環状溝が同心に彫り込まれて形成される。そして、プラズマ発生チャンバ50は、プラズマ発生空間52〜54の開口側(縦断面図では下面)をアノード部51の上面に密着した状態で固設される。その際、プラズマ発生空間52〜54の開口がアノード部51の連通口52a,53a等に重なるように位置合わせがなされる。これにより、プラズマ発生空間52〜54とプラズマ処理空間5とが互いに隣接し且つ連通したものとなり、さらに、プラズマ発生空間52〜54がプラズマ処理空間5との隣接面に沿って線状に延びたものとなる。
【0043】
また、プラズマ発生チャンバ50は、プラズマ発生空間52〜54のさらに奥(縦断面図では上方)に取着されたガス配給部材によってプラズマ用ガス送給路52b,53bがやはり環状・線状に形成され、両者が多数の小穴で連通されていて、プラズマ発生空間52〜54は底部(縦断面図では上方)からプラズマ発生用ガスの供給を受けて高密度プラズマ17を発生させ連通口52a,53a等を介してプラズマ処理空間5へそれを送り込むものとなっている。プラズマ発生用ガスにはアルゴン等の不活性で化学反応しないものが用いられるようになっている。
【0044】
さらに、プラズマ発生チャンバ50は、プラズマ発生空間52〜54を囲む側壁と底部とを残すようにしてプラズマ発生空間52〜54開口側の裏の面(縦断面図では上面)が削り取られる。そして、そこに、コイル21〜24が詰め込まれる(図3(b)参照)。これにより、プラズマ発生空間52〜54は、コイル21〜24(複数の誘導結合素子)の間に延びたプラズマ空間5の拡張部となっている。
【0045】
なお、その際、コイル21〜24の上下には、永久磁石55も詰め込まれる。これらの永久磁石55は、同心環状のプラズマ発生空間52〜54間に詰め込まれてやはり環状となるが、環状の不所望な誘起電流を断つために小片に分けて形成されている。そして、多数の永久磁石片55がプラズマ発生空間52〜54側壁に沿って列設されることで、プラズマ発生空間52〜54に対応した環状の磁気回路が構成される。この磁気回路の存在により、プラズマ発生空間52〜54内で励起された電子がその中に留まりながら衝突を繰り返して、プラズマ発生空間52〜54内に高密度プラズマ17が生成されるようになっている。
【0046】
この第2実施例のプラズマ処理装置について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図4は、その動作状態を模式化したものであり、(a)が電磁界の分布状態を示し、(b)と(c)とがプラズマ及び電磁界の分布状態を示す。
【0047】
プラズマ処理空間5内の雰囲気がプラズマ発生の可能な状態になったところで、RF電源12を作動させると、高周波の印加されたコイル21〜24から交番電磁界が発せられるが、この場合、各コイル21〜24の周囲に伝搬された電磁界は、接地されたアノード部51によってプラズマ処理空間5へ向けた縦方向の進行を阻止され、その代わりにプラズマ発生空間52〜54へ向けて横方向に効率良く伝搬する。そして、プラズマが励起形成されるまでは、プラズマ発生チャンバ部50のところにに生じる等電位線14等は、互いに重なり合ってほぼ一様に分布し、プラズマ発生空間52〜54内にも及ぶ(図4(a)参照)。
【0048】
プラズマ発生空間52〜54に交番電磁界が及ぶと、その中のプラズマ発生用ガスが励起されて、高密度プラズマ17が発生する(図4(b)参照)。この高密度プラズマ17は、イオン種成分の比率が高く、膨張圧力等によってプラズマ発生空間52〜54から連通口52a,53a等を経てプラズマ処理空間5へ流れ出る。そして、プラズマ処理空間5内の処理ガス等と混合されて、低温プラズマ15となる。
【0049】
そして、プラズマ発生空間52〜54に高密度プラズマ17が形成されると、コイル21〜24からの電磁界は、高密度プラズマ17によって吸収または反射されることから、プラズマ発生空間52〜54に至るとその方向にはそれ以上伝搬しえないので、それぞれプラズマ発生空間52〜54で仕切られた該当範囲に制限されて、相互に分離される。こうして、プラズマ処理空間5に生じる等電位線14等は、全体的に均してみれば依然として概ね一様とも言えるが、プラズマ発生空間52〜54で区分された複数の小塊が並んだ如き凸凹したものになる(図4(b)参照)。
【0050】
そして、プラズマ処理空間5内のプラズマ15が被処理物1の表面に作用してガス種やプラズマ状態に応じたプラズマ処理が為される。その際、RF電源7も作動させると、低温プラズマ15中のイオン等がカソード部4に向けて加速されて、被処理物1の処理に異方性が加わる。なお、プラズマ15は、拡散能力が強いので、等電位線14の及ばないプラズマ処理空間5内では、速やかに混合・平準化され、その密度分布は概ね一様となる。もっとも、上述したように、プラズマ処理中に刻々と変化するプラズマ特性に応じて、各発生空間52〜54で生成される高密度プラズマ17に濃度差が生じ易く、その影響が残ってプラズマ処理空間5に局所的なプラズマ高濃度部16が発生するのは避けられない(図4(b)参照)。
【0051】
プラズマ高濃度部16が発現するほど大きく各プラズマ発生空間52〜54の高密度プラズマ17に濃度差が生じると、その間近のコイル例えばコイル22等の電力分配量が増加する。そうすると、そのことが電流検出部41〜44及び帰還制御部40によって検知され、さらに、その電力変動を打ち消すように配線長可変部45〜48が帰還制御部40によって制御される。そして、プラズマ高濃度部16に間近なプラズマ発生空間52等へ延びる等電位線14が弱まって縮まり、相対的に他の等電位線14が強まって張り出すように(図4(c)参照)、各コイル21〜24へ電力が分配供給される。こうして、プラズマ高濃度部16は、発現しても速やかに消滅させられ、あるいは発現自体が抑制されるので、プラズマ処理空間5の低温プラズマ15は、常時、ほぼ一様な分布状態に保たれる(図4(c)参照)。
【0052】
【第1変形例】
本発明のプラズマ処理装置における電力調整手段の電力可変手段について、より具体的な構成例を幾つか述べる。
図5(a)に示した配線長可変部45は、コイル22に配分される電力を可変するものであり、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のラインに介挿されたバネ部45aと、バネ部45aの両端に連結された一対の可動アームを移動させる駆動部45zとを具えて、帰還制御部40の制御に従って駆動部45zが可動アーム間の距離を変化させることでバネ部45aのインダクタンスが可変されるようになっている。
【0053】
図5(b)に示した配線長可変部45は、やはりコイル22に配分される電力を可変するために、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のラインに介挿され一端がそのラインの一方に接続され他端側がそのラインの他方と摺動する良導体のロッド45bと、ロッド45bを進退させる駆動部45yとを具えて、帰還制御部40の制御に従って駆動部45yがロッド45bの位置を変えてロッド45bの有効長さを変化させることで高周波のラインにおけるインダクタンスが可変されるようになっている。
【0054】
図5(c)に示した配線長可変部45は、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のラインに介挿された配線ボビン45wと、配線ボビン45wと高周波ラインとの接触圧力を確保するとともに配線ボビン45wを回転させる駆動部45xとを具えて、帰還制御部40の制御に従って駆動部45xが配線ボビン45wの巻取量を変えてそれから繰り出されたライン部分45cの長さを変化させることで高周波のラインにおけるインダクタンスが可変されるようになっている。
【0055】
図5(d)に示した配線長可変部45は、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のラインに介挿されたゼンマイ状配線部45dと、ゼンマイ状配線部45dの中心端に回転軸が連結された双方向回転可能な駆動部45vとを具えて、帰還制御部40の制御に従って駆動部45vがゼンマイ状配線部45dの巻き具合を変化させることで高周波のラインのインダクタンスが可変されるようになっている。
【0056】
図5(e)に示した配線長可変部45は、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のライン45cにまで磁束線を延ばす電磁石または永久磁石等の磁石45uを帰還制御部40の制御に従って往復動させ、これによってライン45c周りの磁界強度を変化させることで高周波のラインにおけるライン45c部分のインダクタンスが可変されるようになっている。
【0057】
図5(f)に示した配線長可変部45は、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波のラインに介挿され長さの異なる複数の分岐線45fと、分岐線45fの何れか一つが高周波ラインに接続されるように切り替えられるスイッチ45tとを具えて、帰還制御部40の制御に従ってスイッチ45tの接続先を変えて分岐線45fのところの配線長を変化させることで高周波のラインのインダクタンスが可変されるようになっている。
【0058】
図5(g)に示した配線長可変部45は、マッチングボックス12aからコイル22に至る高周波ラインの切断部分45gに介挿され一端側がそのライン切断部分45gの一方と摺動し他端側がそのライン切断部分45gの他方と摺動する良導体のブリッジ45sを具えるとともに、高周波ラインの切断部分45gをほぼ平行に保ち、その状態で帰還制御部40の制御に従ってブリッジ45sを切断部分45gに沿って往復移動させることで高周波のラインにおける有効長およびインダクタンスが可変されるようになっている。
【0059】
【第2変形例】
本発明のプラズマ処理装置における電力調整手段の電流検出手段について、より具体的な構成例を述べる。
図6に示した電流検出部42は、プラズマ空間(5、52〜54)に供給された電力についての分配状態を検出する電力分配状態検出手段のうち、コイル22への高周波ラインに対して設けられた部分である。
【0060】
この電流検出部42は、銅箔等で帯状に形成されマッチングボックス12aと配線長可変部45とを結ぶ高周波のラインを切断して、そこに銅線等からなる心線42aを挿入接続することで、高周波のラインに介挿される。その心線42aは絶縁被覆42bで覆われており、その介挿に際し、コイルを更に環状に丸めたピックアップコイル42cが心線42a及び絶縁被覆42bを取り巻くように装着される。ピックアップコイル42cの両端は、入力抵抗の大きな高電圧プローブ42dの入力に接続され、その高電圧プローブ42dの出力は、適宜のモニタ用オシロスコープ42eや帰還制御部40に送られる。
【0061】
これにより、RF電源12からコイル22に至る高周波ラインに分配された電流が検出される。他の高周波ラインについても同様である。
また、図示は割愛したが、高電圧プローブ42d同様のプローブを心線42a又はその前後の高周波ラインに接続することで、該当ラインに分配された高周波の電圧波形が検出される。そして、電流波形と電圧波形とから両者の位相差が判明する。これにより、各コイル21〜24に分配された電力を正確に検知することができる。
【0062】
【実施例の効果】
図7は、直径300mmの被処理物1を対象とする装置についての測定結果を示すグラフであり、イオン電流の分布状態を比較するために、横軸に中心点からの距離を採り、縦軸にイオン電流の規格値を採って示したものである。イオン電流は、プラズマ処理空間5内にプローブを挿入して測定し、最大値が“1”になるように規格化した。測定時におけるRF電源12の出力パワーは2250Wであり、プラズマ発生用ガスに使用したアルゴンの流量が400sccmであり、ガス圧は30mTorrであった。なお、1Torrは約133パスカルであり、1sccmは約1.67×10-8立方メートル毎秒(ガス:標準状態)である。電磁界分布の一様化を図った場合(破線グラフ参照)に比べて、電力分配の調整を行ったことによりイオン電流の分布状態における均一度は遙かに向上している(実線グラフ参照)。
【0063】
また、図8は、エッチングレートの分布図であり、ガス圧の変化がエッチングレートの均一性に及ぼす影響を確認するために測定したものである。横軸に中心点からの距離を採り、縦軸に被処理物1の各部におけるエッチングレートを示したものである。横軸の単位はmmであり、縦軸の単位はオングストローム/分である。測定時におけるRF電源12の出力パワーは2250Wであり、プラズマ発生用ガスに使用したアルゴンの流量が400sccmであり、処理ガスに用いたフッ化炭素の流量は20sccmであった。ガス圧が30mTorrのときのエッチングレート分布(グラフA)、ガス圧が50mTorrのときのエッチングレート分布(グラフB)、ガス圧が80mTorrのときのエッチングレート分布(グラフC)、何れも、良い均一度を示すものとなっている。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、複数の誘導結合素子の相互干渉を軽減して独立性を高めたことにより、電磁界分布に対する局所ごとの制御性が向上してプラズマ空間のプラズマ密度分布が一様になるので、均一性の良いプラズマ処理装置を実現することができたという有利な効果が有る。
【0065】
また、本発明の第2の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、誘導結合素子に印加した電力が相互干渉軽減手段で浪費されること無くプラズマに供給されるようにしたことにより、均一性に加えてエネルギー効率も良いプラズマ処理装置を実現することができたという有利な効果を奏する。
【0066】
さらに、本発明の第3の解決手段および第4の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、各誘導結合素子への電力にフィードバック制御がかかって局所的なプラズマ密度の変動が相殺・緩和されるようにしたことにより、常に均一性の良いプラズマ処理装置を実現することができたという有利な効果が有る。
【0067】
また、本発明の第5の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、可変コンデンサを用いなくても各誘導結合素子への電力を調整することができる。
【0068】
また、本発明の第6の解決手段のプラズマ処理装置にあっては、プラズマ状態の変動を直接的または間接的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ処理装置の第1実施例について、その主要部の縦断面の模式図である。
【図2】 その動作状態の説明図である。
【図3】 本発明のプラズマ処理装置の第2実施例について、その主要部の縦断面の模式図である。
【図4】 その動作状態の説明図である。
【図5】 電力可変手段の具体的な変形例である。
【図6】 電流検出手段の具体例である。
【図7】 イオン電流の分布図である。
【図8】 エッチングレートの分布図である。
【図9】 従来装置の縦断面模式図および動作状態説明図である。
【符号の説明】
1 被処理物(プラズマ処理対象物)
2 真空チャンバ本体部(真空チャンバ)
2a 貫通口(処理ガス供給口)
2b 貫通口(排気吸引口)
3 真空チャンバ蓋部(真空チャンバ)
4 カソード部(載置台、被処理物乗載台、被処理物支持電極)
4a サポート
5 プラズマ処理空間(プラズマ空間)
6 真空ポンプ
7 RF電源(高周波電源)
7a ブロッキングキャパシタ
10 コイルユニット(アンテナユニット)
11 コイル(アンテナ)
12 RF電源(高周波電源、電力供給手段)
12a マッチングボックス(電力供給手段)
13 可変コンデンサ(電流調整手段)
14 等電位線
15 低温プラズマ
16 プラズマ高濃度部
17 高密度プラズマ
20 コイルユニット(アンテナユニット)
21,22,23,24 コイル(アンテナ、誘導結合素子)
31,32,33,34 メタルリング(接地導体、相互干渉軽減手段)
40 帰還制御部(分配量演算手段、電力調整手段)
41,42,43,44 電流検出部(電力分配状態検出、電力調整手段)
45,46,47,48 配線長可変部(電力可変手段、電力調整手段)
50 プラズマ発生チャンバ部(真空チャンバ)
51 アノード部(対向電極)
51a 処理ガス供給口
52,53,54 プラズマ発生空間(プラズマ空間拡張、相互干渉軽減)
52a,53a 連通口(連通路)
52b,53b プラズマ用ガス送給路
55 永久磁石(プラズマ閉じ込め用磁気回路の磁性部材)

Claims (1)

  1. プラズマ処理空間の形成された真空チャンバと、
    この真空チャンバに付設された複数の誘導結合素子と、
    これら複数の誘導結合素子に高周波を印加する電力供給手段とを具備したプラズマ処理装置において、
    前記真空チャンバの蓋部は、
    金属板からなり、プラズマ発生空間と前記プラズマ処理空間とを連通する連通口および処理ガス供給口を備えたアノード部と、
    絶縁部材からなり、前記アノード部と密着して固設され、外側には複数の環状凹部が同心に形成され、内側には前記プラズマ発生空間となる複数の環状溝が同心に形成され、前記複数の環状溝内部にプラズマ発生用ガスが供給されてプラズマが発生することによって、独立するように配置された前記複数の誘導結合素子の相互干渉を軽減する相互干渉軽減手段となるプラズマ発生チャンバ部とからなり、
    前記複数の誘導結合素子は、それぞれが前記プラズマ発生チャンバ部の外側の環状凹部に配置された異径の円状コイルであり、
    更に、前記電力供給手段から前記複数の誘導結合素子に至る各ラインに対して設けられ前記複数の誘導結合素子に分配される電力を調整する電力調整手段を備え、
    前記電力調整手段は、
    前記電力供給手段から前記複数の誘導結合素子に至る前記ラインに捲回されて電流を検出するピックアップコイルを備え、前記複数の誘導結合素子にそれぞれ供給された電力についての分配状態を検出する複数の電力分配状態検出手段と、
    前記電力分配状態検出手段と前記各誘導結合素子との間にそれぞれ挿入され、前記各ラインのインダクタンスを変化させることによって前記各誘導結合素子に供給される電力をそれぞれ変化させる複数の電力可変手段と、
    前記各電力分配状態検出手段の検出値に基づいて、継続的にその時点での電力分配状態を推定し、各誘導結合素子からプラズマ処理空間へ送出される電力の空間密度が平準化されるように定められた各誘導結合素子に対する目標電力分配量からのずれを算出し、この算出値に応じて前記複数の電力可変手段をそれぞれ制御する電力分配量演算手段とを備えた
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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