JP4046176B2 - 遺伝子情報に基づく医薬品の適正使用ネットワーク - Google Patents

遺伝子情報に基づく医薬品の適正使用ネットワーク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者の遺伝子情報に基づいて薬剤の適正使用を図ることのできる遺伝子情報活用システムに関し、特に、該システムを利用する患者の遺伝子情報を第三者に対して完全に秘匿することが可能な遺伝子情報活用システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医師が患者に薬剤を処方することは、病院等の医療機関においてはごく日常的に行われている。この時、各患者に対しての薬剤の適正量には個人差が存在するが、従来、医師は最初にその適正量を知ることができなかったため、患者に薬剤を投与した後の経過を見て、処方する薬剤の量を加減したり、或いは処方する薬剤を変えたりすることが行われていた。
【0003】
しかしながら、遺伝子の研究が進むにつれ、特定の遺伝子が薬剤の効きに対して大きな影響を持つことが明らかにされており、各患者の遺伝子情報を調べれば、その遺伝子情報に応じて処方すべき薬剤の適正量を知ることができるようになってきた。
【0004】
また、ある特定の遺伝子を有する人が特に発症しやすい病気等があることも知られており、そのような遺伝子を持っていることが分かれば、その病気に対して予防に努めることも可能となる。
【0005】
このように、近年、遺伝子情報を積極的に医療に取り込み、適正な手段で治療に応用することが行われつつある。遺伝子情報を医療に活用できる例として、特開平11−353404号公報には、類似する先天的性質を持つ他患者の診療記録を診療支援情報として検索できる電子カルテシステムが開示されている。
【0006】
上記公報の電子カルテシステムでは、該システムのデータベースにおいてカルテ情報が保存され、該カルテ情報は、個人情報ファイル、診療記録ファイル、遺伝子検査結果ファイルに分割して格納されている。そして、診療支援情報の検索においては、検索可能な対象を遺伝子検査結果ファイル群のみとして、その検索結果として診療記録を取得する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に開示されているような従来の構成では、遺伝子情報を入力してそれに対応する診療記録を検索して出力する構成であるため、診療支援情報の検索時においては個人情報の保護を図ることができる。但し、データベースにおいて個人情報と、これに対応する形で遺伝子情報とが格納されている以上、個人の遺伝子情報が漏洩する可能性があることは免れない。
【0008】
また、上述のようなシステムにおいて、その有用性を高めるためには、できる限り多くの情報をデータベース化することが好ましいことは言うまでもない。そのためには、例えば、健康保険組合および政府関係保険組合に帰属する組合員(およびその家族)に対して、上記システムへの加入に拒否的な感情を排除することが有効である。すなわち、上記システムへの加入者が増えれば、それだけ情報提供が多くなり該システムの有用性を高めることができる。しかしながら、個人の遺伝子情報に対して完全な秘匿性が確保できないシステムでは、このような加入に対する拒否的な感情を排除することはできない。
【0009】
言い換えれば、遺伝子情報を医療行為に活用し役立てようとするシステムに対し、保険組合の組合員等の該システムへの加入に拒否的な感情を排除しようとするならば、該システムにおいては個人の遺伝子情報に対して完全な秘匿性を確保することが必要であるといえる。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、システムの利用者に対して遺伝子情報に基づく医療情報を提供することができ、かつ、該システムの利用者個人の遺伝子情報が第三者に漏洩することのない遺伝子情報活用システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の遺伝子情報活用システムは、上記の課題を解決するために、識別情報(例えば、指紋、網膜、血流等の生体情報)と医療支援情報とが、該識別情報に対してこれに対応する医療支援情報を検索して読出し可能なように対応付けられて格納されているデータ格納手段と、上記識別情報を入力する入力手段と、上記入力手段によって識別情報が入力された時に、上記データ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する医療支援情報を検出する検索手段と、上記検索手段によって検出された医療支援情報を出力する出力手段とを備えており、上記識別情報として、個人情報を用いない情報を使用することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、データ格納手段において、識別情報と医療支援情報とが、該識別情報に対してこれに対応する医療支援情報を検索して読出し可能なように対応付けられて格納されているため、上記入力手段によって識別情報が入力された時には、上記検索手段は、上記データ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する医療支援情報を検出することができる。検出された医療支援情報は、出力手段より出力され、該遺伝子情報活用システムの利用者(予め、識別情報と遺伝子情報との登録を行っているもの)に提供される。
【0013】
ここで、上記識別情報は、生体情報(指紋、網膜、血流等)や、もしくはパスワードやID番号と生体情報との組み合わせ等で与えられ、個人情報を含まないものが使用される。このため、上記データ格納手段においては、利用者の個人情報が格納されておらず、上記遺伝子情報活用システムにおいては個人の遺伝子情報が漏洩する恐れがない。尚、ここで個人情報とは、例えば氏名など、その情報によって容易に個人を特定できるような情報を指すものとする。また、生体情報とは、指紋、網膜、血流等、利用者本人の存在なくしては入力できず、特別の機器がなければ読み取れない種類の情報を指すものとする。
【0014】
また、上記遺伝子情報活用システムでは、上記データ格納手段は、識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納する第1のデータ格納手段と、遺伝子情報と医療支援情報とを対応付けて格納する第2のデータ格納手段とを備えており、上記検索手段は、上記入力手段によって識別情報が入力された時に、上記第1のデータ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を検出する第1の検索手段と、上記第2のデータ格納手段を検索して、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報に対応する医療支援情報を検出する第2の検索手段とを備えている構成とすることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、上記データ格納手段は、識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納する第1のデータ格納手段と、遺伝子情報と医療支援情報とを対応付けて格納する第2のデータ格納手段とから構成されている。このため、該遺伝子情報活用システムを利用しようとする利用希望者が新たに登録を行う際、該利用希望者(登録希望者)の識別番号と分析された遺伝子情報とを第1のデータ格納手段に格納すればよく、新たな利用者の登録が容易となる。
【0016】
また、上記データ格納手段において、識別情報から医療支援情報を検索する場合は、第1の検索手段によって第1のデータ格納手段から遺伝子情報を検出し、第2の検索手段によって第2のデータ格納手段からを医療支援情報を検出する。
【0017】
また、上記遺伝子情報活用システムでは、上記入力手段は、さらに臨床情報(例えば、薬剤の主作用・副作用情報等)を入力可能であり、上記データ格納手段は、遺伝子情報と臨床情報とを対応付けて格納する第3のデータ格納手段を備えており、上記入力手段により識別情報と臨床情報とが同時に入力された時に、上記第1の検索手段が、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を第1のデータ格納手段から検出すると共に、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報と、上記入力手段によって入力された臨床情報とを対応付けて上記第3のデータ格納手段に書き込むデータ書込手段を備えている構成とすることができる。
【0018】
上記の構成によれば、上記入力手段により識別情報と臨床情報とが同時に入力された時に、上記第1の検索手段とデータ書込手段との処理により、上記識別情報に対応する遺伝子情報と入力された臨床情報とが対応付けられて上記第3のデータ格納手段に書き込まれる。
【0019】
これにより、上記遺伝子情報活用システムでは、遺伝子情報と該遺伝子情報に対応する臨床情報とに関する情報の提供を利用者から受け付け、これを蓄積するモードを有することができる。蓄積された情報は、解析(統計処理等)されて医療支援情報をより充実させるのに役立つ。
【0020】
上記遺伝子情報活用システムは、上記データ格納手段と、上記データ格納手段にアクセス可能であり、上記検索手段を備えたサーバと、上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されるものとすることができる。
【0021】
あるいは、上記遺伝子情報活用システムは、上記データ格納手段と上記検索手段とを備えたサーバと、上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されるものとすることができる。
【0022】
上記の構成によれば、上記遺伝子情報活用システムを、サーバと端末とをネットワークを介して接続したシステムとして提供することができ、上記端末を医療機関等に設置すれば、利用者への医療支援情報の提供を容易に行える。
【0023】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記識別情報として、コード番号と生体情報とを組み合わせて用いる構成とすることができる。
【0024】
上記の構成によれば、上記識別情報として、数字または文字列として与えられるコード番号と、指紋等の特別の機器がなければ読み取れない生体情報とを組み合わせて用いることで、アクセス性およびセキュリティ性の高い認証方式を得ることができる。
【0025】
すなわち、特別の機器がなければ読み取れない生体情報はセキュリティ性は高いがこれのみでは照合処理に時間がかかるため、コード番号によって絞込みを行った上で生体情報の照合を行うことでアクセス性を向上させることができる。
【0026】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記医療支援情報として、薬剤適正使用情報を出力する構成とすることができる。
【0027】
上記の構成によれば、薬剤適正使用情報として、利用者の遺伝子情報に基づいて、薬剤の適正な使用量等を知らせることができ、薬剤の過剰投与等を防止することができる。
【0028】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記医療支援情報として、生活指導情報を出力する構成とすることができる。
【0029】
上記の構成によれば、生活指導情報として、利用者の遺伝子情報に基づいて、該利用者が発症しやすい病気や、その病気を予防する上での生活上の注意点を知らせることができる。これにより、該遺伝子情報活用システムの利用者は、適切な健康管理を行うことが、健康上の利益を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0031】
図2に本実施の形態に係る遺伝子情報活用システムによって実現される事業スキームの概要を示す。
【0032】
上記遺伝子情報活用システムの核となるのは、遺伝子情報センター1および契約医療機関2である。具体的には、上記遺伝子情報活用システムは、遺伝子情報センター1におけるサーバと契約医療機関2における端末機器とをネットワークを介して接続してなる。尚、上記契約医療機関2とは、該遺伝子情報活用システムを運営する遺伝子情報センター1が、後述する臨床情報の収集側として認定した総合病院、中小病院、診療所、開業医等を指すものとする。
【0033】
上記遺伝子情報活用システムにおいては、該システムの利用者は予め自分自身の遺伝子情報がデータベースに登録されている必要がある。このため、上記遺伝子情報活用システムでは、予め登録された利用者(以下、登録者と称する)にのみ、その利用が限定されることとなる。
【0034】
尚、このような登録者は、公務員や一般の会社員、およびその家族(すなわち、健康保険組合の加入者)に対して登録を呼びかけたり、或いは、その他の個人(国民保険組合の加入者等)に登録を呼びかけたりして得ることができる。
【0035】
また、詳細は後述するが、該遺伝子情報活用システムは、登録者の個人情報の漏洩を完全に防止できる点に特徴がある。このようなシステムでは、健康保険組合および国民保険組合の加入者等に対して、該遺伝子情報活用システムへの加入に強制力を持たせることも可能であると考えられる。この場合、該遺伝子情報活用システムへの加入が強制されない個人も任意で加入することが可能である。
【0036】
登録者は、最初に、遺伝子情報センター1に対して遺伝子情報を解析するための生体試料(例えば、血液等)を提供することが必要となる。上記遺伝子情報センター1は、登録者から提供された生体試料を分析して遺伝子情報を収集する。分析された各登録者の遺伝子情報は、後述する識別情報と対応付けられてデータベースに格納され、遺伝子情報センター1がこれを守秘管理する。
【0037】
尚、上記識別情報は、各登録者が該遺伝子情報活用システムにアクセスする際に必要なものであるが、該遺伝子情報活用システムにおいて、該識別情報は登録者の氏名などの個人情報を含むものではない。
【0038】
また、登録者は、病院等の契約医療機関2において医療行為を受けた際、その臨床情報を提供する。ここで、臨床情報とは、例えば、投薬を受けた際の主作用および副作用情報や、或いは契約医療機関2で医療行為を受けることとなった疾病情報等である。
【0039】
登録者は、上記臨床情報の提供を契約医療機関2に設置された端末を介して行うが、この時、自身の識別情報を上記臨床情報と共に上記端末に入力する。この際、自身の識別情報に加えて医師のパスワードやID番号を入力してもよい。遺伝子情報センター1では、識別情報の入力によって該識別情報に対応する遺伝子情報が特定できるため、識別情報の入力によって特定された遺伝子情報と入力された臨床情報とを対応付けてデータベースに格納する。
さらに、遺伝子情報センター1では、データベース化された情報を統計処理することによって、医療支援情報として活用される薬剤適正使用情報や生活指導情報等を作成する。
【0040】
薬剤適正使用情報は、投薬を受けた際の薬剤の主作用および副作用情報に基づいて作成される。すなわち、主作用および副作用情報の統計をとることで、ある特定の遺伝子の有無等によって、ある薬剤に対して、薬効の違いや副作用の発生度合い等の傾向を知ることができる。したがって、薬剤適正使用情報として、情報の開示を要求した登録者に対し、該登録者の遺伝子情報に基づいて、薬剤の適正な使用量や、用いるべき薬剤の種類等の情報を提供することができる。
【0041】
また、生活指導情報は、医療行為を受けた疾病情報に基づいて作成される。すなわち、疾病情報の統計をとることで、ある特定の遺伝子の有無等によって、ある病気に対する発症のしやすさ等の傾向を知ることができる。したがって、生活指導情報として、情報の開示を要求した登録者に対し、該登録者の遺伝子情報に基づいて、発症しやすい病気や、その病気を予防する上での生活上の注意点等の情報を提供することができる。
【0042】
登録者が遺伝子情報センター1から提供を受けた医療支援情報(薬剤適正使用情報および/または生活指導情報)は、登録者から契約医療機関2の医師へ渡され、医師がこれらの情報を参照して登録者(すなわち患者)に対して適正な薬剤の処方を行ったり、生活上の指針を作成し指導する。
【0043】
また、上記遺伝子情報センター1にて蓄積された遺伝子情報と臨床情報との解析情報は、製薬会社等に対して新薬開発に係る遺伝子解析情報として提供することも可能である。
【0044】
次に、上記遺伝子情報活用システムを運営する遺伝子情報センター1が、利益を得る仕組みについて説明する。
【0045】
上記遺伝子情報活用システムにおいては、登録者は、医療支援情報を提供されることによって、契約医療機関2より適切な医療行為を受けたり、健康な生活を享受するための指針を得ることができるといった恩恵を受ける。
【0046】
このため、登録者が、医療支援情報の提供を受ける際に、情報開示費をシステム利用料として支払うことが考えられる。情報開示費は、医療費と共に契約医療機関2に対して支払われ、契約医療機関2から遺伝子情報センター1に対して支払われるものとすることができる。すなわち、登録者は契約医療機関2を介して遺伝子情報センター1に情報開示費を支払う。また、登録者から会費といった形でシステム利用料を徴収する形式や、情報開示費および会費の料金形態を併用する形式も考えられる。
【0047】
尚、上記契約医療機関2における医師は、該遺伝子情報活用システムを利用しての「薬剤の適正使用指示」や、該遺伝子情報活用システムに対しての「臨床情報の収集」が薬価点数に認められれば、該遺伝子情報活用システムから得られる経済的利益は大きいと考えられる。
【0048】
また、上記遺伝子情報活用システムの活動によっては、薬剤の過剰消費が抑制されたり、登録者の健康維持に貢献するといった効果が得られることが期待される。このため、上記遺伝子情報活用システムは、医療費の低減に寄与することとなり、厚生労働省が遺伝子情報センター1に補助金や維持費の供出を行うことが考えられる。また、同様の効果は健康保険組合や国民保険組合においても生じるため、これらの保険組合からも補助金や維持費の供出を受けてもよい。
【0049】
また、上記遺伝子情報センター1は、製薬会社等に対し、蓄積した遺伝子情報や臨床情報を新薬開発に係る情報として提供することができる。したがって、製薬会社からも維持費の供出を受けたり、或いは、新薬開発に係る情報として提供する際に開示費を受け取るものとすることが考えられる。また、製薬会社等が、上記遺伝子情報センター1から提供された遺伝子情報を用いて新薬を開発した場合は、該新薬の売上げに応じてロイヤリティの支払いを受けてもよい。
【0050】
尚、上記遺伝子情報活用システムの上述の説明において、上記遺伝子情報センター1の業務は、一部は他の企業に委託してもよい。例えば、登録者から提供された生体試料を分析して遺伝子情報を得る遺伝子解析や、DNAチップの改良等は解析受託企業に委託してもよい。
【0051】
また、遺伝子情報センター1と製薬会社等の企業は、薬効やスクリーニング情報等の交換を行って、遺伝子情報の活用率を高めてもよい。さらに、製薬会社等の企業が契約医療機関2の医師に対して新薬情報を与え、該新薬の臨床試験の実施を依頼した場合には、その臨床試験の経過情報は、遺伝子情報センター1に与えられ、薬剤適正使用情報や生活指導情報の医療支援情報の作成に活用されるものであってもよい。
【0052】
次に、上記遺伝子情報活用システムの構成について説明する。
【0053】
まず、上記遺伝子情報活用システムは、図1に示すように、サーバ10、端末20、データベース30、およびネットワーク40によって構成されるものである。尚、上記データベース30は、サーバ10内に含まれるものであってもよい。
【0054】
上記サーバ10は、遺伝子情報センター1において備えられるものであり、制御部11、ROM12、および通信部13を有している。
【0055】
制御部11は、サーバ10全体の動作を制御するものであり、ROM12に格納された動作プログラムに基づいてサーバ10を制御する。通信部13は、ネットワーク40を介して端末20との通信を行う手段である。
【0056】
また、端末20は、各契約医療機関2において備えられるものであり、制御部21、ROM22、入力部23、出力部24、表示部25、通信部26、および課金部27を有している。
【0057】
制御部21は、端末20全体の動作を制御するものであり、ROM22に格納された動作プログラムに基づいて端末20を制御する。入力部23は、登録者が本システムに対して識別情報や臨床情報を入力するための手段であり、出力部24は、薬剤適正使用情報や生活指導情報等、本システムが登録者に対して提供する医療支援情報を出力するための手段である。表示部25は、登録者が端末20を操作する際の操作案内画面等を表示する手段である。通信部26は、ネットワーク40を介してサーバ10との通信を行う手段である。また、課金部27は、登録者が本システムより医療支援情報の提供を受ける時に、情報開示費を入金するための手段である。
【0058】
そして、データベース30は、本システムにて用いられる各種情報を所定の状態にて格納する手段であり、遺伝子情報センター1において管理されている。サーバ10は、必要に応じてデータベース30にアクセスし、必要な情報を読み出す。
【0059】
ここで、上記サーバ10およびデータベース30のより詳細な構成について図3を参照して説明する。
【0060】
上記データベース30は、格納されている各種情報を、その内部で所定の形態で分類している。このため、データベース30は、図3に示すように、第1ないし第4のデータベース31〜34によって構成されている。
【0061】
第1のデータベース31は、各登録者の識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納するものである。第2のデータベース32は、遺伝子情報と各遺伝子に対応する臨床情報とを対応付けて格納するものである。そして、第3のデータベース33は、遺伝子情報と各遺伝子に対応する薬剤適正使用情報とを対応付けて格納するものであり、第4のデータベース34は、遺伝子情報と各遺伝子に対応する生活指導情報とを対応付けて格納するものである。
【0062】
また、上記第3および第4のデータベース33、34に格納される情報は、第2のデータベースに蓄積された情報をサーバ10の制御部11によって読み出し、これを解析部14で解析(例えば、統計処理)することによって得られるものである。このような解析は、該遺伝子情報活用システムにおいて定期的に行われるものとし、その解析結果によって第3および第4のデータベース33、34に格納される情報は随時更新されるものとする。
【0063】
尚、上記解析部14は必ずしもサーバ10が備えている必要はなく、第2のデータベース32に格納されている情報をサーバ10から読み出して外部に出力し、外部機器における解析部にて解析をかけた後、その解析結果を第3および第4のデータベース33、34に入力するようにしてもよい。
【0064】
また、上記データベース30において格納される各情報は、基本的には、該遺伝子情報活用システムの登録者より提供される情報に基づいて蓄積されるものであるが、第2のデータベースに格納される情報については、一部に既存のデータベースに蓄積されている情報を活用することも可能である。
【0065】
次に、端末20についてのより詳細な構成について図4を参照して説明する。
【0066】
上記端末20は、上述したように、登録者が遺伝子情報センター1に送る情報を入力したり、或いは、遺伝子情報センター1から提供される情報を出力するために用いられるものである。
【0067】
ここで、登録者が端末20に対して入力することが想定される情報としては、識別情報および臨床情報がある。また、該遺伝子情報活用システムにおいては、識別情報として第三者が容易に個人を特定できるような個人情報(氏名など)は用いられない。このため、本システムにて識別情報として使用するものには、少なくとも生体情報(指紋、網膜、血流等)を含むものが用いられる。すなわち、上記識別情報は、生体情報単独で、もしくはパスワードやID番号などのコード番号(数字やアルファベットからなる数字または文字列)と生体情報との組み合わせ等で与えられることが考えられる。
【0068】
このうち、生体情報は、該遺伝子情報活用システムに対して実際にアクセスする本人以外は用いることができず、セキュリティ面から見れば、識別情報として用いるには最も好適であるといえる。但し、識別情報として生体情報のみを使用しても、システム側においては、これを認識するための照合作業が極めて負荷の大きいものとなる。したがって、識別情報としては、パスワード若しくはID番号等のコード番号と生体情報とを組み合わせて用いることが好適である。
【0069】
これにより、識別情報の認証時において、最初にコード番号によって生体情報の絞込みを行い、その後、絞り込まれた生体情報の照合を行うことでシステムの負荷を大幅に低減できる。
【0070】
図4における端末20は、入力部23として、文字や数値を入力したり該遺伝子情報活用システムの使用モードを選択入力するための操作入力部231、生体情報を入力するための生体情報入力部232、および臨床情報を入力するための臨床情報入力部233を備えている。
【0071】
尚、上記操作入力部231は、表示部25の画面上にてタッチパネルとして設ける構成であってもよい。また、上記臨床情報入力部233は、登録者が該遺伝子情報活用システムより医療支援情報の開示を受ける時に、その開示を受けようとする医療支援情報に関する入力を行うためにも用いられるものとする。
【0072】
次に、上記遺伝子情報活用システムの動作について説明する。ここで、該遺伝子情報活用システムの動作には、1)遺伝子情報の登録動作(登録モード)、2)医療支援情報の出力動作(情報開示モード)、3)臨床情報の入力動作(情報提供モード)があり、まず、図5のフローチャートを参照して遺伝子情報の登録動作を説明する。
【0073】
遺伝子情報の登録動作は、該遺伝子情報活用システムに加入しようとする登録希望者が最初に行う動作であり、端末20を操作して該登録動作を行う。上記端末20は、待機状態として、上記1)〜3)の何れのモードを選択するかのモード選択状態となっており(表示部25においてはモード選択画面が表示されており)、上記登録希望者が、操作入力部231を操作して登録モードを選択することにより遺伝子情報の登録動作に移行する(S1)。
【0074】
遺伝子情報の登録動作に移行すると、端末20は登録希望者に対し、パスワードおよび生体情報の入力を促し、登録希望者がこれを行う(S2)。パスワードの入力は、例えば、端末20の表示部において決まった桁数の任意の数字やアルファベットの入力が案内され、登録希望者が操作入力部231を介してこれを入力することによって行われる。
【0075】
また、上記パスワードを登録希望者が任意に決定するものとすると、複数の登録者に対し同一のパスワードが存在することもありえるが、登録者の識別は生体情報を用いて行えるため、特に問題はなく、むしろ、一つのパスワードに複数の登録者が対応する方がセキュリティ面からは好ましいとも言える。
【0076】
但し、上述のようなパスワードの代わりに、登録者と1対1に対応するID番号を用いることも可能である。この場合は、登録希望者による入力操作が終わった時点で、端末20が、該登録希望者に与えられるID番号を表示部25に表示して知らせる構成とすることができる。
【0077】
また、上記パスワードもしくはID番号は、最終的に出力部24より印字出力されて登録操作を完了した登録者に与えられるようにしてもよい。
【0078】
一方、生体情報の入力は、例えば指紋が用いられる場合には、生体情報入力部232として指紋読取装置が用いられる。登録希望者は、上記指紋読取装置の所定個所に指を置くことによって指紋が読み取られてデータ化される。そして、読み取られて指紋のデータが生体情報として入力される。尚、生体情報として指紋以外の情報(網膜、音声、血流等)が用いられる場合であっても、これらの情報を所定の装置で読み取り、データ化して、生体情報として用いる点では同様である。
【0079】
上記パスワードおよび生体情報の入力が完了すると、端末20は登録希望者に対し、生体試料番号の入力を促し、登録希望者がこれを行う(S3)。すなわち、該遺伝子情報活用システムへの登録希望者は、自身の遺伝子情報の解析に必要な生体試料を遺伝子情報センター1に提供する必要があるが、これを上記端末20にて行うことはできない。
【0080】
したがって、登録希望者は、端末20による登録動作を行う前に、契約医療機関2において生体試料の採取(通常は血液の採血)を受け、医師より生体試料番号を知らせられる。上記S3では、登録希望者はこの生体試料番号の入力を操作入力部231を介して行えばよい。
【0081】
こうして入力されたパスワード、生体情報、および生体試料番号は、ネットワーク40を介して端末20からサーバ10へ送信される(S4)。上記パスワードおよび生体情報は、その組み合わせによって識別情報として利用される。
【0082】
また、契約医療機関2における医師は、採取した生体試料を登録希望者に知らせた生体試料番号と共に、郵送等によって遺伝子情報センター1へ送るものとする。遺伝子情報センター1では、送られてきた生体試料を解析して遺伝子情報を得ると、該遺伝子情報をその生体試料番号と共にサーバ10へ入力する。
【0083】
サーバ10では、パスワード、生体情報、および生体試料番号が端末20より送信されてくると、該生体試料番号に対応する遺伝子情報の入力がなされた時点(S5でYES)で、該生体試料番号に対応する識別情報と遺伝子情報とを対応付けて第1のデータベース31に格納する(S6)。これにより、遺伝子情報の登録動作が完了する。
【0084】
次に、図6のフローチャートを参照して医療支援情報の出力動作を説明する。尚、以下の説明では、医療支援情報として薬剤適正使用情報の開示を行う場合の動作を例示する。
【0085】
医療支援情報の出力動作は、登録者が、該遺伝子情報活用システムから薬剤適正使用情報または生活指導情報の開示を受けようとする時に行う動作である。この時、登録者が端末20の待機状態より操作入力部231を操作して情報開示モードを選択することにより医療支援情報の出力動作に移行する(S11)。また、この時、開示の要求を行う医療支援情報が、薬剤適正使用情報であるか生活指導情報であるかの選択を行うものとする。
【0086】
医療支援情報の出力動作に移行すると、端末20は登録者に対し、識別情報の入力を促し、登録者がこれを行う(S12)。すなわち、登録者は、操作入力部231を介してパスワードを入力し、生体情報入力部232を介して生体情報を入力する。
【0087】
上記識別情報の入力が行われると、続いて、端末20は登録者に対し、開示を受けようとする医療支援情報に関する情報(以下、開示関連情報と称する)の入力を促し、登録者がこれを行う(S13)。すなわち、薬剤適正使用情報の開示にあたって、遺伝子情報活用システムのデータベース30には各遺伝子情報に対応する薬剤適正使用情報として膨大な情報が格納されており、この情報の中から必要な情報を抽出する必要がある。
【0088】
したがって、登録者は、開示関連情報として、該登録者が現在治療を受けている疾患名や、或いは、使用しようとする薬剤群名等を入力する。無論、上記開示関連情報は、登録者が勝手に入力できるものではないので、登録者は、医療支援情報の開示を受けるに先立って、予め医師より開示関連情報の提示を受けているものとする。この時、医師より提示される開示関連情報は、医師がその内容を理解でき、かつ、端末20での読み取りが容易な形式で提示されることが好ましい。
【0089】
このため、上記開示関連情報の提示方法としては、例えば、疾患名や薬剤名をコード化し、医師が上記開示関連情報をマーク方式等で記入した入力用シートを登録者(すなわち、患者)に渡すようにすることが好適であると考えられる。この方法であれば、登録者は、医師より渡された入力用シートを、端末20において臨床情報入力部232として備えられたマーク読取装置に読み取らせることにより、開示関連情報の入力を容易に行うことができる。、
或いは、上記開示関連情報を所定の記録媒体(フロッピーディスク、ICカード等)に記録して、該記録媒体を介して開示関連情報の入力を行う方法も好適である。
【0090】
こうして入力された識別情報および開示関連情報は、ネットワーク40を介して端末20からサーバ10へ送信される(S14)。識別情報および開示関連情報を受け取ったサーバ10は、識別情報より遺伝子情報の特定を行う。
【0091】
具体的には、サーバ10における制御部11は、第1のデータベース31にアクセスしてこれに格納されている識別情報の検索を行い、送信されてきた識別情報と一致する識別情報の検出を行う(S15)。一致する識別情報が検出されると、これに対応する遺伝子情報が第1のデータベース31より読み出される(S16)。
【0092】
上記遺伝子情報が読み出されると、制御部11は続いて第3のデータベース33にアクセスする。そして、制御部11は、S16で読み出した遺伝子情報と端末20より送信されてきた開示関連情報とに基づいて、第3のデータベース33より薬剤適正使用情報の抽出(すなわち、検索および読出し)を行う(S17)。
【0093】
抽出された薬剤適正使用情報は、ネットワーク40を介してサーバ10から端末20へ送信される(S18)。端末20では、送られてきた薬剤適正使用情報を出力部24にて出力し、登録者に提供する(S19)。
【0094】
尚、上記薬剤適正使用情報の出力では、その出力結果を最初に取得するのが登録者自身であるため、その出力形式は、医師にのみ理解可能な形式とすることが好ましい(患者に対して与えられる医療情報は、必ず医師を介して提示されるべきであると考えられるため)。すなわち、上記薬剤適正使用情報となる薬剤の適正量や主作用・副作用情報をコード化して出力する方法等が考えられる。
【0095】
或いは、開示関連情報の入力において記録媒体を介して行う場合であれば、該記憶媒体に薬剤適正使用情報を書き込んで出力する方法であってもよい。この場合、該記録媒体の読取りに、医師のみが知るパスワードを用いるようにすればよい。また、この場合、端末20における臨床情報入力部232と出力部24とは、記録媒体に対して読取りおよび書込みを行う同一の手段を用いることができる。
【0096】
以上の動作により、該遺伝子情報活用システムにおける医療支援情報(ここでは、薬剤適正使用情報)の出力動作が完了するが、出力された薬剤適正使用情報は、登録者から医師に渡され、医師がその薬剤適正使用情報を参照して登録者(患者)に与える薬剤とその使用量とを決定し、処方する。
【0097】
尚、上記説明においては、医療支援情報として薬剤適正使用情報を出力する場合を説明したが、生活指導情報を出力する場合であっても、開示関連情報の入力を必要としない点、医療支援情報の抽出時にサーバ10が第4のデータベース34にアクセスする点以外は、上記説明の動作とほぼ同じである。
【0098】
また、上述したように、該遺伝子情報活用システムにおいては、上記医療支援情報の開示にあたって、開示を要求する登録者から開示費を徴収する構成とすることも考えられる。この場合、上記医療支援情報の出力に係る一連の動作の適切な段階で、登録者に対して課金部27に開示費の入金を行わせる構成とすることができる。
【0099】
次に、図7のフローチャートを参照して臨床情報の入力動作を説明する。
【0100】
臨床情報の入力動作は、登録者が、該遺伝子情報活用システムに対して臨床情報の提供を行う動作である。この時、登録者が端末20の待機状態より操作入力部231を操作して情報提供モードを選択することにより臨床情報の入力動作に移行する(S21)。
【0101】
臨床情報の入力動作に移行すると、端末20は登録者に対し、識別情報の入力を促し、登録者がこれを行う(S22)。すなわち、登録者は、操作入力部231を介してパスワードを入力し、生体情報入力部232を介して生体情報を入力する。
【0102】
上記識別情報の入力が行われると、続いて、端末20は登録者に対し、提供しようとする臨床情報の入力を促し、登録者がこれを行う(S23)。無論、上記臨床情報は、開示関連情報と同じく登録者が勝手に入力できるものではないので、登録者は、臨床情報の提供を行うに先立って、予め医師より臨床情報の提示を受けているものとする。上記臨床情報についても、開示関連情報と同様に、医師がその内容を理解でき、かつ、端末20での読み取りが容易な形式で提示されることが好ましい。
【0103】
こうして入力された識別情報および臨床情報は、ネットワーク40を介して端末20からサーバ10へ送信される(S24)。識別情報および臨床情報を受け取ったサーバ10は、識別情報より遺伝子情報の特定を行う。
【0104】
具体的には、サーバ10における制御部11は、第1のデータベース31にアクセスしてこれに格納されている識別情報の検索を行い、送信されてきた識別情報と一致する識別情報の検出を行う(S25)。一致する識別情報が検出されると、これに対応する遺伝子情報が第1のデータベース31より読み出される(S26)。
【0105】
上記遺伝子情報が読み出されると、制御部11は続いて第2のデータベース32にアクセスする。そして、制御部11は、S16で読み出した遺伝子情報と端末20より送信されてきた臨床情報とを対応付けて、第2のデータベース32へ格納する(S27)。
【0106】
以上の動作により、該遺伝子情報活用システムにおける臨床情報の入力動作が完了するが、入力された臨床情報は、適宜、医療支援情報の作成に用いられる。
【0107】
また、本発明は、本発明の遺伝子情報活用システムを構成するサーバ10および端末20の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム、及びこのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をも含むものである。
【0108】
なお、上記記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROM(Read Only Memory)のようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0109】
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0110】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmabl Read Only Memory ) 、EEPROM(electrically Erasable Programmabl Read Only Memory )、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
【0111】
【発明の効果】
本発明の遺伝子情報活用システムは、以上のように、識別情報と医療支援情報とが、該識別情報に対してこれに対応する医療支援情報を検索して読出し可能なように対応付けられて格納されているデータ格納手段と、上記識別情報を入力する入力手段と、上記入力手段によって識別情報が入力された時に、上記データ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する医療支援情報を検出する検索手段と、上記検索手段によって検出された医療支援情報を出力する出力手段とを備えており、上記識別情報として、個人情報を用いない情報を使用する構成である。
【0112】
それゆえ、上記入力手段によって識別情報が入力された時には、上記検索手段は、上記データ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する医療支援情報を検出することができ、検出された医療支援情報は、出力手段より利用者に提供される。
【0113】
ここで、上記遺伝子情報活用システムへのアクセスには、個人情報を含まない識別情報が使用されるため、上記データ格納手段においては、利用者の個人情報が格納されておらず、上記遺伝子情報活用システムにおいては個人の遺伝子情報が漏洩することを回避できるといった効果を奏する。
【0114】
また、上記遺伝子情報活用システムでは、上記データ格納手段は、識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納する第1のデータ格納手段と、遺伝子情報と医療支援情報とを対応付けて格納する第2のデータ格納手段とを備えており、上記検索手段は、上記入力手段によって識別情報が入力された時に、上記第1のデータ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を検出する第1の検索手段と、上記第2のデータ格納手段を検索して、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報に対応する医療支援情報を検出する第2の検索手段とを備えている構成とすることが好ましい。
【0115】
それゆえ、該遺伝子情報活用システムを利用しようとする利用希望者が新たに登録を行う際、該利用希望者(登録希望者)の識別番号と分析された遺伝子情報とを第1のデータ格納手段に格納すればよく、新たな利用者の登録が容易となるといった効果を奏する。
【0116】
また、上記遺伝子情報活用システムでは、上記入力手段は、さらに臨床情報(例えば、薬剤の主作用・副作用情報)を入力可能であり、上記データ格納手段は、遺伝子情報と臨床情報とを対応付けて格納する第3のデータ格納手段を備えており、上記入力手段により識別情報と臨床情報とが同時に入力された時に、上記第1の検索手段が、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を第1のデータ格納手段から検出すると共に、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報と、上記入力手段によって入力された臨床情報とを対応付けて上記第3のデータ格納手段に書き込むデータ書込手段を備えている構成とすることができる。
【0117】
それゆえ、上記遺伝子情報活用システムでは、遺伝子情報と該遺伝子情報に対応する臨床情報とに関する情報の提供を利用者から受け付け、上記第1の検索手段とデータ書込手段との処理により、第3のデータ格納手段にこれを蓄積するモードを有することができるといった効果を奏する。
【0118】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記データ格納手段と、上記データ格納手段にアクセス可能であり、上記検索手段を備えたサーバと、上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されるものとすることができる。
【0119】
あるいは、上記遺伝子情報活用システムは、上記データ格納手段と上記検索手段とを備えたサーバと、上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されるものとすることができる。
【0120】
それゆえ、上記遺伝子情報活用システムを、サーバと端末とをネットワークを介して接続したシステムとして提供することができ、上記端末を医療機関等に設置すれば、利用者への医療支援情報の提供を容易に行えるといった効果を奏する。
【0121】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記識別情報として、コード番号と生体情報とを組み合わせて用いる構成とすることができる。
【0122】
それゆえ、上記識別情報として、数字または文字列として与えられるコード番号と、指紋等の特別の機器がなければ読み取れない生体情報とを組み合わせて用いることで、アクセス性およびセキュリティ性の高い認証方式を得ることができるといった効果を奏する。
【0123】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記医療支援情報として、薬剤適正使用情報を出力する構成とすることができる。
【0124】
それゆえ、薬剤適正使用情報として、利用者の遺伝子情報に基づいて、薬剤の適正な使用量等を知らせることができ、薬剤の過剰投与等を防止することができるといった効果を奏する。
【0125】
また、上記遺伝子情報活用システムは、上記医療支援情報として、生活指導情報を出力する構成とすることができる。
【0126】
それゆえ、生活指導情報として、利用者の遺伝子情報に基づいて、該利用者が発症しやすい病気や、その病気を予防する上での生活上の注意点を知らせることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、遺伝子情報活用システムの概要を示すブロック図である。
【図2】上記遺伝子情報活用システムにおいて実現される事業スキームの概要を示す図である。
【図3】上記遺伝子情報活用システムにおけるサーバおよびデータベースの構成を示すブロック図である。
【図4】上記遺伝子情報活用システムにおける端末の構成を示すブロック図である。
【図5】上記遺伝子情報活用システムにおける遺伝子情報の登録動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記遺伝子情報活用システムにおける医療支援情報の出力動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】上記遺伝子情報活用システムにおける臨床情報の入力動作の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遺伝子情報センター
2 契約医療機関
10 サーバ
11 制御部(検索手段、第1の検索手段、第2の検索手段データ書込手段)
20 端末
23 入力部(入力手段)
24 出力部(出力手段)
30 データベース(データ格納手段)
31 第1のデータベース(第1のデータ格納手段)
32 第2のデータベース(第3のデータ格納手段)
33 第3のデータベース(第2のデータ格納手段)
34 第4のデータベース(第2のデータ格納手段)
40 ネットワーク

Claims (10)

  1. 識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納する第1のデータ格納手段と、
    遺伝子情報と医療支援情報とを対応付けて格納する第2のデータ格納手段と、
    上記識別情報を入力する入力手段と、
    上記第1のデータ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を検出する第1の検索手段と、
    上記第2のデータ格納手段を検索して、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報に対応する医療支援情報を検出する第2の検索手段と、
    上記第2の検索手段によって検出された医療支援情報を出力する出力手段と、を備えており、
    上記識別情報として、利用者本人が入力する情報であり、特定の個人を認証可能な生体情報を使用するものであると共に、
    さらに、利用者本人から提供された生体試料を特定する生体試料番号と、上記生体試料から分析された遺伝子情報とを関連付けて登録する遺伝子情報登録手段と、
    利用者本人によって入力され、上記生体試料を提供した利用者の識別情報と、上記生体試料を特定する生体試料番号とを関連付けて登録する識別情報登録手段とを備えており、
    上記遺伝子情報登録手段によって登録された上記遺伝子情報と、上記識別情報登録手段によって登録された上記識別情報とを、上記遺伝子情報登録手段および上記識別情報登録手段のそれぞれにおいて入力された同一の生体試料番号に関連付けられているもの同士で対応付けて上記第1のデータ格納手段に格納することを特徴とする遺伝子情報活用システム。
  2. 上記入力手段は、さらに臨床情報を入力可能であり、
    遺伝子情報と臨床情報とを対応付けて格納する第3のデータ格納手段を備えており、
    上記入力手段により識別情報と臨床情報とが同時に入力された時に、上記第1の検索手段が、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を第1のデータ格納手段から検出すると共に、
    上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報と、上記入力手段によって入力された臨床情報とを対応付けて上記第3のデータ格納手段に書き込むデータ書込手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遺伝子情報活用システム。
  3. 少なくとも上記第1および第2のデータ格納手段と、
    上記第1および第2のデータ格納手段にアクセス可能であり、上記少なくとも上記第1および第2の検索手段を備えたサーバと、
    上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の遺伝子情報活用システム。
  4. 少なくとも上記第1および第2のデータ格納手段と少なくとも上記第1および第2の検索手段とを備えたサーバと、
    上記サーバとネットワークを介して通信可能であり、上記入力手段と上記出力手段とを備えた端末とによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の遺伝子情報活用システム。
  5. 識別情報と遺伝子情報とを対応付けて格納する第1のデータ格納手段を備えており、
    上記識別情報として、利用者本人が入力する情報であり、特定の個人を認証可能な生体情報を使用するものであると共に、
    さらに、利用者本人から提供された生体試料を特定する生体試料番号と、上記生体試料から分析された遺伝子情報とを関連付けて登録する遺伝子情報登録手段と、
    利用者本人によって入力され、上記生体試料を提供した利用者の識別情報と、上記生体試料を特定する生体試料番号とを関連付けて登録する識別情報登録手段とを備えており、
    上記遺伝子情報登録手段によって登録された上記遺伝子情報と、上記識別情報登録手段によって登録された上記識別情報とを、上記遺伝子情報登録手段および上記識別情報登録手段のそれぞれにおいて入力された同一の生体試料番号に関連付けられているもの同士で対応付けて上記第1のデータ格納手段に格納するものであり、
    さらに、遺伝子情報と医療支援情報とを対応付けて格納する第2のデータ格納手段と、
    上記識別情報を入力する入力手段と、
    上記第1のデータ格納手段を検索して、入力された識別情報に対応する遺伝子情報を検出する第1の検索手段と、
    上記第2のデータ格納手段を検索して、上記第1の検索手段によって検出された遺伝子情報に対応する医療支援情報を検出する第2の検索手段と、
    上記第2の検索手段によって検出された医療支援情報を出力する出力手段と、を備えていることを特徴とする遺伝子情報活用システム。
  6. 上記識別情報として、コード番号と生体情報とを組み合わせて用いることを特徴とする請求項1ないしの何れかに記載の遺伝子情報活用システム。
  7. 上記医療支援情報として、薬剤適正使用情報を出力することを特徴とする請求項1ないしの何れかに記載の遺伝子情報活用システム。
  8. 上記医療支援情報として、生活指導情報を出力することを特徴とする請求項1ないしの何れかに記載の遺伝子情報活用システム。
  9. コンピュータを、上記請求項3または4に記載のサーバの各手段として機能させるためのプログラム。
  10. コンピュータを、上記請求項3または4に記載の端末の各手段として機能させるためのプログラム。
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