JP2009187198A - 遺伝子診断サービスにおける情報管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理することのできる情報管理システムを提供する。
【解決手段】 情報管理システムでは、顧客の個人情報の入力に応じて、遺伝子診断サービスの代金支払いのために用いられる識別コードAが付与され、この識別コードAを付与した顧客に対して、顧客の遺伝子情報の閲覧のために用いられる識別コードBが付与される。支払いサーバ1は、識別コードAのみを用いて遺伝子診断サービスの代金支払い処理を行い、管理サーバ2は、識別コードBのみを用いて遺伝子情報の閲覧処理を行う。遺伝子情報DBサーバ3は、識別コードAと識別コードBを用ずに、識別コードCを用いて遺伝子情報の保管を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 情報管理システムでは、顧客の個人情報の入力に応じて、遺伝子診断サービスの代金支払いのために用いられる識別コードAが付与され、この識別コードAを付与した顧客に対して、顧客の遺伝子情報の閲覧のために用いられる識別コードBが付与される。支払いサーバ1は、識別コードAのみを用いて遺伝子診断サービスの代金支払い処理を行い、管理サーバ2は、識別コードBのみを用いて遺伝子情報の閲覧処理を行う。遺伝子情報DBサーバ3は、識別コードAと識別コードBを用ずに、識別コードCを用いて遺伝子情報の保管を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理する情報管理システムに関する。
従来、個人個人の遺伝子検査を行うシステムとして、郵便を利用した遺伝子検査システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来の遺伝子検査システムでは、利用者は、コンビニエンスストア等の店舗内に設置されたタッチパネル式の特別端末機器を使い、あるいは、インターネット上の遺伝子検査受託機関のホームページにアクセスして、遺伝子検査を注文する。遺伝子検査受託機関は、利用者からの遺伝子検査注文を受理した後、遺伝子キット(契約書用紙等を含むセット)を利用者の家に郵送する。次に、遺伝子検査受託機関は、利用者からの粘膜等の採取済み検体を受理した後、遺伝子検査センターにその検体の遺伝子検査を依頼する。さらに、遺伝子検査受託機関は、遺伝子検査センターからの遺伝子検査データを受理した後、遺伝子診断実施医療機関にその検査データに関する診断を依頼する。最後に、遺伝子検査受託機関は、医師の遺伝子診断(コメント)を付与した遺伝子検査結果を利用者に郵送する。
特開2002−358362号公報(第1−3頁)
ところで、従来より、医療においては、医薬品はどのような患者に対しても一定の処方が推奨されており、医師が、患者の年齢、性別や体重などの情報だけで、薬や治療法を選択しなければならない状況であった。近年、被験者の遺伝子を調べて、特定の遺伝子多型タイプをもつ患者にだけ処方を変更できるような医薬品が開発されるに至って、個人個人の体質に合った薬を処方し、また治療を行うテーラーメイド医療が盛んになってきている。しかしながら、個人個人の体質の診断は、未だ医療行為の中に限定されることが多く、疾患の危惧が少なければこのような診断が活用される機会は少ない。
一方で、糖尿病へのなりやすさや、頭髪の減少などの体質も遺伝子の多型のパターンを知ることである程度予測できるようになってきている。このような情報は、必ずしも、疾患の治療ということではなく、疾患の予防や、よりよい生活の質を享受するために必要な情報であると考えられ、より一般的に求められる情報であると考えられる。
しかしながら、多くの遺伝子情報は、医学的知識の乏しい一般の人々にとっては解釈が難しい。また、1つ1つの遺伝子情報だけではなく、体質を示す多数の遺伝子情報を統合的に判断しながらでないと体質が予測できないケースも多い。このような状況から、遺伝子診断の結果について医師がサポートし、また1つ1つの遺伝子情報をばらばらに顧客に返すのではなく、医師のサポートのもと、まとまった1個人の体質情報として取り出せる必要が生じていた。
そこで、本出願人は、遺伝子検査を望む顧客が医療機関において採血を実施し、採血された血液検体を受領したサービス提供会社が、DNA抽出サービスと、DNA保管サービスと、抽出DNAを用いる遺伝子解析サービスを実施し、結果を医療機関経由で顧客に返すシステムを、新たに開発するに至った。
このような新しい遺伝子診断システムを運用するに当たっては、従来のセキュリティ技術では十分な安全性を確保することができず、新しい技術の開発が望まれていた。すなわち、従来は、コンピュータシステムのセキュリティ設定により、遺伝情報など特定の情報へのアクセスを制限することによってセキュリティを確保していた。しかし、一度高いセキュリティのユーザとして情報にアクセスしてしまうと、すべての遺伝子情報が確認できてしまうという問題がある。また、遺伝子情報の保守管理をする際に、例えばデータの格納状態を確認する場合に、直接遺伝子情報を閲覧する必要がない担当者が、容易に個人の遺伝子情報に接触することができることになり、個人情報の取り扱いの観点から問題があった。
一方で、テーラーメイド医療のための医薬品開発を行う臨床試験においては、医師以外にも、検体を輸送したり、遺伝子を解析したりといった作業に、様々な人が関与する。このような状況でも、個人の遺伝子情報を守る工夫がなされてきた。その工夫の1つの例が、二次匿名化である。遺伝子研究の際に注意しなければならない点をまとめたガイドラインが、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針、いわゆる三省倫理指針である。
このガイドラインにおいても、遺伝子研究を行う際には、一度被験者の名前に直接対応するような識別コードを割り当て、対応表を管理する一次匿名化だけでなく、さらに一次匿名化コードに相当する識別コードに対応するもう一つの識別コードを割り当て、2つ目の識別コードで遺伝子解析を実施し、データを取り扱う二次匿名化を実施することが推奨されている。このような二次匿名化という手法においては、同一施設内に対応表がなければ、検体の本数の確認や、個々の検体の検査において個人情報に接触することが物理的に絶たれるため、個人情報の管理には優れている。
しかしながら、コンピュータシステムでの管理については、内部でバイナリコードと呼ばれる人間が認識できないコードでデータが表現されていることや、システムの保守作業や、データの技術的な確認についての考慮がなされることがなく、システムにおけるデータの保存状態にまで注意を払われることがなかったため、同様の工夫はなされておらず、個人情報の管理に問題が生じていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理することのできる情報管理システムを提供することを目的とする。
本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムは、遺伝子診断サービスを受けるために顧客の個人情報が入力され、前記顧客の血液検体を取得するための採血が医療機関で行われ、前記血液検体が前記医療機関からサービス提供者へ送られ、前記サービス提供者により前記血液検体から抽出されたDNA検体が保管され、前記顧客からの閲覧要求に応じて前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われ、前記顧客の遺伝子情報が前記サービス提供者から前記医療機関を介して前記顧客へ送られる遺伝子診断サービスにおいて、前記顧客の個人情報と遺伝子情報を管理するシステムであって、前記顧客の個人情報の入力に応じて、前記遺伝子診断サービスの代金支払いのために用いられる第1の識別コードを付与する第1識別コード付与手段と、前記第1の識別コードを付与した顧客に対して、前記顧客の遺伝子情報の閲覧のために用いられる第2の識別コードを付与する第2識別コード付与手段と、前記顧客の遺伝子情報の保管のために用いられる第3の識別コードを付与する第3識別コード付与手段と、前記第1の識別コードと前記第2の識別コードを用いることなく、前記第3の識別コードを用いて前記遺伝子情報の保管を行う情報保管手段と、前記第2の識別コードと前記第3の識別コードを用いることなく、前記第1の識別コードを用いて前記遺伝子診断サービスの代金支払い処理を行う支払い処理手段と、前記第1の識別コードと前記第3の識別コードを用いることなく、前記第2の識別コードを用いて前記遺伝子情報の閲覧処理を行う閲覧処理手段と、を備えている。
このシステムによれば、顧客の個人情報の特定が必要な代金支払い処理では、第1の識別コードが用いられ、第2の識別コードが用いられることがない。一方、遺伝子情報の閲覧処理では、第2の識別コードが用いられ、第1の識別コードが用いられることがない。このように、第1と第2の識別コードを使い分けることにより、個人情報と遺伝子情報とを適切に管理することができる。この場合、個人情報へのアクセスが必要な代金支払い処理で、遺伝子情報へのアクセスを防ぐことができるとともに、遺伝子情報へのアクセスが必要な閲覧処理では、個人情報へのアクセスを防ぐことができる。また、遺伝子情報は、第3の識別コードを用いて適切に管理されている。この場合、遺伝子情報の管理では、第1と第2の識別コードが用いられていないので、個人情報と遺伝子情報が容易に結び付くのを防ぐことができる。
また、本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムは、前記情報保管手段を備えた情報DBサーバと、前記第1識別コード付与手段と前記第2識別コード付与手段と前記支払い処理手段とを備えた支払いサーバと、前記第3識別コード付与手段と前記閲覧処理手段とを備えた閲覧管理サーバと、を備え、前記支払いサーバと前記閲覧管理サーバとの間では、前記顧客の支払った代金データと前記第2の識別コードが通信可能であり、前記顧客の個人情報と前記第1の識別コートが通信不能であり、前記閲覧管理サーバと前記情報DBサーバとの間では、前記遺伝子情報と前記第3の識別コードが通信可能であってもよい。
これにより、支払いサーバでは、個人情報の管理と代金支払い処理が行われ、閲覧管理サーバでは、遺伝子情報の閲覧処理が行われる。また、情報DBサーバでは、遺伝子情報の管理が行われる。この場合、閲覧管理サーバは、支払いサーバから第2の識別コードを受信できるので、第2の識別コードを用いて顧客の認証を行うことができる。また、閲覧管理サーバは、支払いサーバから代金データを受信できるので、顧客の代金の支払いの有無を確認することができる。このようにして、閲覧管理サーバは、情報DBサーバから受信した遺伝子情報を、適切に顧客に閲覧させることができる。この場合、支払いサーバと閲覧管理サーバと情報DBサーバのいずれのサーバにおいても、個人情報と遺伝子情報がそろうことのないように適切に管理されており、個人情報と遺伝子情報が容易に結び付くのを防ぐことができる。
また、本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムは、前記医療機関に対して、前記遺伝子情報の閲覧のために用いられる第4の識別コードを付与する第4識別コード付与手段を備え、前記閲覧処理手段は、前記顧客からの閲覧要求が前記医療機関を介して行われたときに、前記第2の識別コードと前記第4の識別コードに基づいて、前記遺伝子情報の閲覧を許可するか否かを決定する認証手段を備えてもよい。
これにより、遺伝子情報を閲覧するときに、二つの認証コード(第2と第4の識別コード)を用いた二重認証を行うことができる。この場合、第2の識別コードは顧客によって管理され、第4の識別コードは医療機関によって管理されている。したがって、遺伝子情報を閲覧するためには、顧客と医療機関の両者の同意が必要になり、よりセキュリティが向上する。
また、本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムでは、前記第4の識別コードは、医療機関用PHSまたは医療機関用携帯電話の識別番号であってもよい。
このように、第4の識別コードとして、医療機関用PHSまたは医療機関用携帯電話(以下、携帯電話機等という)の識別番号が利用される。これにより、医療機関の認証コード(第4の認識コード)の管理が容易になる。また、顧客に認証コード(第2の識別コード)を携帯電話機等を通じて送信することにより、二つの認証コード(第2と第4の識別コード)の送信を一度に行うことが可能になる。これにより、二重認証を行うときの操作を簡略化することができる。
また、本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムでは、前記情報保管手段は、異なる時期に前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われたときに、前記顧客の複数の遺伝子情報を保管することが可能であり、前記閲覧処理手段は、前記複数の遺伝子情報の閲覧処理を同時に行う一覧処理が可能であってもよい。
これにより、遺伝子情報の閲覧を行うときに、異なる時期に解析した複数の診断結果を一覧することが可能になる。特に個人の個々の体質は、単一の遺伝子で決定されないことが多く、このように異なる時期の複数の解析結果を同時期に一覧することができれば、個人の体質をより正確に判断することができる。
また、本発明の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムは、遺伝子診断サービスを受けるために顧客の個人情報が入力され、前記顧客の血液検体を取得するための採血が医療機関で行われ、前記血液検体が前記医療機関からサービス提供者へ送られ、前記サービス提供者により前記血液検体から抽出されたDNA検体が保管され、前記顧客からの閲覧要求に応じて前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われ、前記顧客の遺伝子情報が前記サービス提供者から前記医療機関を介して前記顧客へ送られる遺伝子診断サービスにおいて、前記顧客の個人情報と遺伝子情報を管理するシステムであって、異なる時期に前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われたときに、前記顧客の複数の遺伝子情報を保管する情報保管手段と、前記複数の遺伝子情報を同時に閲覧する一覧処理を行う閲覧処理手段と、を備えている。
これにより、遺伝子情報の閲覧を行うときに、異なる時期に解析した複数の診断結果を一覧することが可能になる。特に個人の個々の体質は、単一の遺伝子で決定されないことが多く、このように異なる時期の複数の解析結果を同時期に一覧することができれば、個人の体質をより正確に判断することができる。
本発明によれば、第1の識別コードと第2の識別コードを使い分けることにより、遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理することができる。
以下、本発明の実施の形態の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、遺伝子診断用コンピュータシステム等として用いられる場合を例示する。
(遺伝子診断サービス)
まず、本実施の形態における遺伝子診断サービスについて、図面を用いて説明する。この遺伝子診断サービスは、現在の健康状態の判断だけでなく、将来の健康状態を予測し、医薬品の処方の参考になる遺伝子情報を提供するサービスである。
まず、本実施の形態における遺伝子診断サービスについて、図面を用いて説明する。この遺伝子診断サービスは、現在の健康状態の判断だけでなく、将来の健康状態を予測し、医薬品の処方の参考になる遺伝子情報を提供するサービスである。
図1は、遺伝子診断サービスの流れを説明するための図である。図1に示すように、
この遺伝子診断サービスでは、遺伝子検査を望む顧客が医療機関において採血を実施し、採血された血液検体を受領したサービス提供会社が、DNA抽出サービスと、DNA保管サービスと、抽出DNAを用いる遺伝子解析サービスを実施し、その結果が医療機関経由で顧客に返される。
この遺伝子診断サービスでは、遺伝子検査を望む顧客が医療機関において採血を実施し、採血された血液検体を受領したサービス提供会社が、DNA抽出サービスと、DNA保管サービスと、抽出DNAを用いる遺伝子解析サービスを実施し、その結果が医療機関経由で顧客に返される。
具体的には、顧客は医療機関を訪問し、そこで採血を行う。採決時に利用する採血管などの必要資材は、このサービスを提供するサービス提供会社よりあらかじめ送付されている。採血された血液検体は、サービス提供会社に送られ、そこで血液中の白血球などの細胞からDNAが抽出される。抽出されたDNAの一部は、サービス提供会社内の遺伝子解析サービスに送られると同時に、残りのDNAは、同DNA検体保管サービスに送られて、このサービスのもと保管される。遺伝子解析サービスでは、タイピングや、ゲノムシーケンス、PCRなどの手法を用いて、遺伝子の多型や配列の解析が行われる。解析結果は報告書に記載され、遺伝子解析報告書が作成されて医療機関に返される。医療機関では、報告書を基にして顧客に対して結果を返すとともに、必要な医療、予防情報が提供される。ここで、遺伝子解析サービスなどの各種サービスは、サービス提供会社内ではなく、サービス提供会社と提携関係にある別の会社によって提供される場合もある。
(情報管理システム)
つぎに、遺伝子診断サービスにおける情報管理システムについて、図面を用いて説明する。ここでは、まず、情報管理システムの構成について説明する。図2は、情報管理システムの構成の一例を示した図である。図2に示すように、サービス提供会社には、支払いを管理する支払いサーバ1と、遺伝子情報の表示を管理する管理サーバ2と、遺伝子情報を蓄積する遺伝子情報DBサーバ3の3つのサーバが備えられている。そして、この情報管理システムでは、個人情報を管理するための識別コードAと、遺伝子情報を表示させる際に利用する識別コードBと、遺伝子情報を蓄積する際に利用する識別コードCが使用される。
つぎに、遺伝子診断サービスにおける情報管理システムについて、図面を用いて説明する。ここでは、まず、情報管理システムの構成について説明する。図2は、情報管理システムの構成の一例を示した図である。図2に示すように、サービス提供会社には、支払いを管理する支払いサーバ1と、遺伝子情報の表示を管理する管理サーバ2と、遺伝子情報を蓄積する遺伝子情報DBサーバ3の3つのサーバが備えられている。そして、この情報管理システムでは、個人情報を管理するための識別コードAと、遺伝子情報を表示させる際に利用する識別コードBと、遺伝子情報を蓄積する際に利用する識別コードCが使用される。
支払いサーバ1は、会員情報の登録や、解析費用の支払い等の手続きを行うサーバである。この支払いサーバ1には、会員番号に相当する識別コードAと、その識別コードAで管理される個人情報が格納されている。この支払いサーバ1に格納されている情報には、遺伝子情報を管理するための識別コードBも含まれているが、遺伝子情報は格納されていない。この支払いサーバ1が、本発明の支払いサーバに相当する。また、識別コードAが、本発明の第1の識別コードに相当する。
この識別コードAは、支払い等に必要な個人情報を特定するための識別コードであり、一般的なWebサービスにおける会員IDに相当する識別コードである。顧客は、この識別コードAを用いて、サービス提供会社の支払い等を管理するコンピュータサーバ(支払いサーバ1)にアクセスし、会員情報の登録や、解析費用の支払い等の手続きを行う。
管理サーバ2は、遺伝子情報の閲覧や、遺伝子解析のリクエストを管理するサーバである。この管理サーバ2には、識別コードBで管理された所持金額などの情報と、遺伝子情報にアクセスするための識別コードCが格納されている。しかし、この管理サーバ2には、遺伝子情報そのものは格納されていない。この管理サーバ2が、本発明の閲覧管理サーバに相当する。また、識別コードBが、本発明の第2の識別コードに相当する。
この識別コードBは、遺伝子情報にアクセスするための識別コードであり、顧客がこの識別コードを管理する。顧客は、この識別コードBを用いて、サービス提供会社の遺伝子情報の閲覧等を管理するコンピュータサーバ(管理サーバ2)にアクセスし、自己の遺伝子情報を一覧する。サービス提供会社では、個人情報と遺伝子情報とが独立に管理されている。そのため、識別コードAと識別コードBはそれぞれ独立に付与される。
管理サーバ2では、遺伝子解析のリクエスト管理などのサービスを行うことも可能である。この場合、管理サーバ2は、どの遺伝子の解析を希望したのかという情報が個人情報に結びつかない状態で管理する必要がある。したがって、管理サーバ2は、個人情報の要求や、個人情報につながる識別コードAの要求を行うことなく、識別コードBのみの入力を要求し、この識別コードBを用いて解析のリクエストの管理等を行う。
遺伝子情報DBサーバ3は、遺伝子情報DBを管理するサーバである。遺伝子情報DBサーバ3には、識別コードCで管理された遺伝子情報が格納されている。この識別コードCは、識別コードAと識別コードBに対して独立に付与される。すなわち、遺伝子情報DBサーバ3では、識別コードAと識別コードBを用いることなく、遺伝子情報の保管管理が行われているともいえる。この遺伝子情報DBサーバが、本発明の情報DBサーバに相当する。また、識別コードCが、本発明の第3の識別コードに相当する。
この場合、管理サーバ2には、識別コードAを用いる支払い等を管理する支払いサーバ1からのアクセスがある。そのため、仮に、遺伝子情報を直接管理サーバ2に配置してしまうと、個人情報に連結されている識別コードAと、遺伝子情報がサーバ上で連結可能になってしまうおそれがある。そのため、アクセス時の連結を防ぐために、遺伝子情報DBを管理するサーバ(遺伝子情報DBサーバ3)を設置し、この遺伝子情報DBサーバ3で遺伝子情報を管理し、管理サーバ2が遺伝子情報DBサーバ3にアクセスするための識別コードCを設けた。すなわち、識別コードBを用いて遺伝子情報を管理する管理サーバ2から、遺伝子情報DBサーバ3にアクセスするためには、識別コードCを必要とするようにした。このようにして、個人情報と遺伝子情報が結びつかないように管理しながら、識別コードBを持つ個人に対して、当該個人の遺伝子情報を提供することができる。
なお、支払いサーバ1と、管理サーバ2と、遺伝子情報DBサーバ3の3つのサーバは、1つのコンピュータ装置の中に独立なプログラムとして機能させる構成であってもよいが、より高いセキュリティを実現するためには、支払いサーバ1と、管理サーバ2と、遺伝子情報DBサーバ3の3つのサーバを3つの独立したコンピュータ装置にしておく方が望ましい。
特に、遺伝子情報DBサーバ3は、遺伝子情報を管理する重要なサーバであるため、サーバ装置も別室に置くなど、物理的なセキュリティも確保することが望ましい。また、この遺伝子情報DBサーバ3へのアクセスは特定のサーバからのみ許可され、特定のポートを用いて、特定の形式の情報のみを受け付けるように全体のシステムを構成することが望ましい。
つづいて、情報管理システムにおける処理について説明する。顧客は、支払いサーバ1にアクセスし、識別コードAを用いて支払い等の手続き(個人情報の入力が必要な処理)を行う。支払いに関するデータは、支払いサーバ1で管理されるが、支払いサーバ1では、個人情報を管理しているため、この支払いの結果による遺伝子の解析や閲覧を管理することはできない。そこで、支払いの結果を、遺伝子情報を管理する管理サーバ2に送るため、バーチャルマネーとしての識別コードBと金額を組にした情報を送り、管理サーバ2でその金額を管理する。これにより、管理サーバ2は個人情報に接触することなく、個人情報が必要な支払いの根拠を入手することができる。
顧客は、管理サーバ2にアクセスし、識別コードBを用いて遺伝子情報の閲覧要求を行う。管理サーバ2は、識別コードBを用いた顧客からの閲覧要求があった場合には、格納されている対応表を用いて、その識別コードBに対応する識別コードCを割り出し、この識別コードCを用いて遺伝子情報DBサーバ3から、要求した顧客の遺伝子情報のみを読み出し、顧客に対して提示する。
この場合、支払いサーバ1と管理サーバ2と遺伝子情報DBサーバ3とは、それぞれ独立のコンピュータ装置によって構成されている。そして、コンピュータ装置の間の通信は、ポートとMACアドレスが指定されており、特定の装置の特定のポートの通信だけが許可されている。
(認証コード)
つぎに、本実施の形態で用いられる認証コードについて、図面を用いて説明する。図3は、認証コードの使用方法の一例を示した図である。図3に示すように、第1認証コードは、会員登録や支払いのための識別コードAであり、IDとパスワードの組である。
つぎに、本実施の形態で用いられる認証コードについて、図面を用いて説明する。図3は、認証コードの使用方法の一例を示した図である。図3に示すように、第1認証コードは、会員登録や支払いのための識別コードAであり、IDとパスワードの組である。
第2認証コードは、顧客が管理する識別コード(識別コードB)であり、遺伝子情報の閲覧のためのIDとパスワードの組である。この第2認証コードは、管理サーバ2へのアクセスのために用いられるが、本実施の形態では、管理サーバ2へのアクセスは第2認証コードだけでは不十分であり、もう一つの認証コード(第3認証コード)が必要である。この第3認証コードは、医療機関の医師が管理する識別コード(識別コードD)である。管理サーバ2へは、第2認証コード(識別コードB)と第3認証コード(識別コードD)がそろったときに、アクセスが許可されるようになっている。この識別コードDが、本発明の第4の識別コードに相当する。
このように、本実施の形態では、遺伝子情報の閲覧を行う際に、顧客が管理する第2認証コード(識別コードB)と、医療機関の医師が管理する第3認証コード(識別コードD)の2つの認証コードが用いられ、顧客と医療機関の医師の両方の同意が確認される。すなわち、管理サーバ2にアクセスするために、顧客が管理する第2認証コードと、医療機関の医師が管理する第3認証コードの2つの認証コードが必要とされる。つまり、遺伝子情報の閲覧の際に、顧客と医療機関の医師が、当該顧客の遺伝子情報の閲覧に同意する必要がある。
なお、本実施の形態では、この認証コードとして、認証IDとパスワードの組で構成された例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、パスワードの代わりとして、指紋や静脈のパターンなどいわゆる生体認証をもちいてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、管理サーバ2にアクセスするために、顧客が管理する第2認証コードと、医療機関の医師が管理する第3認証コードの2つの認証コードが用いられる例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、管理サーバ2へのアクセスのための認証コードの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
(認証コードの変形例)
ここで、認証コードの変形例について図面を用いて説明する。図4は、携帯電話の識別番号を第3認証コード(識別コードD)として使用する例を示した図である。図4に示すように、医師が管理する認証コード(第3認証コード)として、携帯電話の個体識別番号を利用してもよい。
ここで、認証コードの変形例について図面を用いて説明する。図4は、携帯電話の識別番号を第3認証コード(識別コードD)として使用する例を示した図である。図4に示すように、医師が管理する認証コード(第3認証コード)として、携帯電話の個体識別番号を利用してもよい。
図4に示した例では、顧客が管理する認証コード(第2認証コード)は、ユーザIDカード上にQRコードとして表されている。つまり、第2認証コードは、QRコードを用いて符合化されている。このQRコードをあらかじめ登録しておいた医師用のPHSや携帯電話機(携帯電話機等という)のバーコードリーダ機能を利用して解読する。そして、解読した情報(第2認証コード)をサービス提供会社のサーバに送信する際に、携帯電話の個体識別番号(第3認証コード)を同時に送付する。
例えば、医師用の携帯電話機等の個体識別番号としては、cgi環境変数のHTTP_USER_AGENT変数、例えば「DoCoMo/1.0/X503i/c10/ser***********」の中の「***********」が用いられる。この個体識別番号は、例えばFOMA(登録商標)の場合には、「DoCoMo/2.0 YYYY(c10;serXXXXXXXXXXXXXXX; iccxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx)」のうちの「XXXXXXXXXXXXXXX」が用いられてもよく、「xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx」が用いられてもよい。
なお、上記のような医師用の携帯電話機でなくても、同様の個体識別番号が利用できる端末であれば、どのような装置を用いてもよい。この場合、特に病院で利用されるPHSを利用すれば、医療機器に影響が少ないという効果もある。
上記の2つの認証コード(第2認証コードと第3認証コード)が確認されると、サーバから遺伝子情報が携帯電話に返され、医師と顧客のいずれもが、その顧客の遺伝子情報を確認することができる。
また、上記の認証コードを利用して、PC(パーソナルコンピュータ)の画面上に遺伝子情報を表示させることも可能である。例えば、図4に示すような第2認証コード(識別コードB)と第3認証コード(個体識別番号)が確認されると、あらかじめ登録したメールアドレスへサーバから、所定のURLを通知するメールが送られるようにしておく。そして、そのメールで通知されたURLのサイト上で認証を行うことによって、メールを受け取ったコンピュータからの遺伝子情報の閲覧を許可してもよい。
なお、図4に示した例では、第2認証コード(識別コードB)は、QRコードを用いて表現されているが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、QRコードの代わりに、一次元のバーコードが用いられてもよく、また、カラーコード等が用いられても良い。
(遺伝子情報の一覧表示)
つぎに、遺伝子情報の一覧表示機能について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、異なる時期に解析した複数の診断結果を1つのサーバに蓄積し、顧客が遺伝子情報の閲覧を実施する際に、異なる時期に解析した診断結果を一覧することができる一覧表示機能が備えられている。
つぎに、遺伝子情報の一覧表示機能について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、異なる時期に解析した複数の診断結果を1つのサーバに蓄積し、顧客が遺伝子情報の閲覧を実施する際に、異なる時期に解析した診断結果を一覧することができる一覧表示機能が備えられている。
図5は、遺伝子情報の一覧表示の例を示す図である。図5に示すように、サービス提供会社の遺伝子解析サービスにおいて、同一顧客のDNAを用いて別々の日(例えば20y1.m1.d1と20y2.m2.d2)遺伝子解析が行われたとする。その場合には、それぞれの遺伝子解析結果(例えばCYP2C9*1/*1と、UGT1A1*1/*28)が遺伝子情報DBサーバ3に送られる。この場合、遺伝子情報DBサーバ3には、異なる日に解析された結果であっても、20y1.m1.d1入力の遺伝子情報CYP2C9*1/*1と、20y2.m2.d2入力の遺伝子情報UGT1A1*1/*28の両方が格納される。
このように遺伝子情報DBサーバ3に格納された2つの遺伝子情報(CYP2C9*1/*1とUGT1A1*1/*28)は、顧客からの要求に基づいて、管理サーバ2を経由して、同時に顧客に提示される。顧客は、このような2つの遺伝子情報を同時に閲覧することが可能になり、単独の遺伝子に依存する体質だけではなく、両方の遺伝子が関係する体質についても、医師の説明を受けることが可能になる。
以上のように構成された遺伝子診断サービスにおける情報管理システムについて、図6を用いて処理の流れを説明する。
図6は、本実施の形態の情報管理システムの処理の流れを説明するためのフロー図である。図6に示すように、この遺伝子診断サービスにおける情報管理システムでは、まず、会員登録処理が行われる(S1)。具体的には、顧客が支払いサーバ1にアクセスして、個人情報(例えば、「鈴木一郎」等の氏名の情報)を入力する。そうすると、支払いサーバ1は、その顧客に識別コードA(例えば「MB0123」など)を付与するとともにその顧客の個人情報を登録し、その識別コードAが顧客に返信される(S2)。
つぎに、会費の支払い処理が行われる(S3)。具体的には、顧客が識別コードAを用いて支払いサーバ1にアクセスし、サービス代金(例えば「2万円」など)の入金を行う。そうすると、支払いサーバ1は、その顧客に識別コードB(例えば「G2386」など)を付与し、その識別コードBが顧客に返信される(S4)。なお、この識別コードBは、金額情報とともに、支払いサーバ1から管理サーバ2へ送信される。
そして、顧客が遺伝子情報の閲覧要求を行うと(S5)、管理サーバ2が、その顧客に識別コードC(例えば「561475」など)を付与する。この識別コードCは、識別コードBに対応付けされている。そして、この識別コードCを有するICチップやバーコードシール等が付けられた採血管が、顧客宛に送付される(S6)。顧客は、その採血管を医療機関に持参して、医療機関での採血を受ける。なお、採血管は、顧客宛ではなく、医療機関宛に送付されてもよい。
医療機関は、顧客の血液検体を採取するために識別コードCが付された採血管を用いて採血を行い、その顧客の血液検体の入った採血管をサービス提供会社へ送付する(S7)。
サービス提供会社では、血液検体からDNA検体が抽出され(S8)、DNA検体を用いて閲覧要求に応じた遺伝子解析が行われ(S9)、DNA検体が保管される(S10)。そして、解析結果である顧客の遺伝子情報(例えば「CYP2C9*1/*1」など)が、サービス提供会社から医療機関を介して顧客へ送られる(S11)。
このような本実施の形態の遺伝子診断サービスにおける情報管理システムによれば、識別コードAと識別コードBを使い分けることにより、遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理することができる。
すなわち、本実施の形態のシステムによれば、顧客の個人情報の特定が必要な代金支払い処理では、識別コードAが用いられ、識別コードBが用いられることがない。一方、遺伝子情報の閲覧処理では、識別コードBが用いられ、識別コードAが用いられることがない。このように、識別コードAと識別コードBを使い分けることにより、個人情報と遺伝子情報とを適切に管理することができる。具体的には、個人情報へのアクセスが必要な代金支払い処理で、遺伝子情報へのアクセスを防ぐことができるとともに、遺伝子情報へのアクセスが必要な閲覧処理では、個人情報へのアクセスを防ぐことができる。また、遺伝子情報は、識別コードCを用いて適切に管理されている。この場合、遺伝子情報の管理では、識別コードAと識別コードBが用いられていないので、個人情報と遺伝子情報が容易に結び付くのを防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、支払いサーバ1では、個人情報の管理と代金支払い処理が行われ、管理サーバ2では、遺伝子情報の閲覧処理が行われる。また、情報DBサーバ3では、遺伝子情報の管理が行われる。この場合、管理サーバ2は、支払いサーバ1から識別コードBを受信できるので、識別コードBを用いて顧客の認証を行うことができる。また、管理サーバ2は、支払いサーバ1から代金データを受信できるので、顧客の代金の支払いの有無を確認することができる。このようにして、管理サーバ2は、情報DBサーバ3から受信した遺伝子情報を、適切に顧客に閲覧させることができる。この場合、支払いサーバ1と管理サーバ2と情報DBサーバ3のいずれのサーバにおいても、個人情報と遺伝子情報がそろうことのないように適切に管理されており、個人情報と遺伝子情報が容易に結び付くのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、遺伝子情報を閲覧するときに、二つの認証コード(識別コードBと識別コードD)を用いた二重認証を行うことができる。この場合、識別コードBは顧客によって管理され、識別コードDは医療機関によって管理されている。したがって、遺伝子情報を閲覧するためには、顧客と医療機関の両者の同意が必要になり、よりセキュリティが向上する。
また、本実施の形態では、識別コードDとして、医療機関用PHSまたは医療機関用携帯電話(以下、携帯電話機等という)の識別番号が利用される。これにより、医療機関の認証コード(認識コードD)の管理が容易になる。また、顧客に認証コード(識別コードB)を携帯電話機等を通じて送信することにより、二つの認証コード(識別コードBと識別コードD)の送信を一度に行うことが可能になる。これにより、二重認証を行うときの操作を簡略化することができる。
例えば、医療機関の医師が管理する認証コードとして、医療機関用PHSや携帯電話機の個体識別番号を利用すれば、特に医師の認証コードを管理することが不要になる。すなわち、医師の所有する医療機関用PHSや携帯電話機をサービス提供会社のサーバに登録しておきさえすれば、顧客の認証コードを、携帯電話機を通じてサーバに送るだけで、顧客が管理する認証コードと、医療機関の医師が管理する認証コードの2つのコードのサーバへの送信が実現することになる。これにより、利用に際しての操作が大幅に簡略化されるという効果がある。
また、本実施の形態では、遺伝子情報の閲覧を行うときに、異なる時期に解析した複数の診断結果を一覧することが可能になる。特に個人の個々の体質は、単一の遺伝子で決定されないことが多く、このように異なる時期の複数の解析結果を同時期に一覧することができれば、個人の体質をより正確に判断することができる。
以上のような、本実施の形態のシステムでは、3つの識別コード(識別コードA、B、C)を用いて、支払い等に必要な個人情報の管理と、遺伝子情報の管理が行われる。この場合、3つの識別コードを厳密に使い分け、支払い等個人情報の確認が必要なサービスと、遺伝子情報のように厳密に個人情報の漏洩を防止しなければならないサービスを区分し、個人情報を保護しながら、特定の個人にのみ、当該個人の情報を提供することができる。
この場合、支払い等個人情報を特定する必要があるサービスと、遺伝子情報の閲覧など個人情報と連結しないサービスとを、セキュリティを維持した上で連携させ、遺伝子情報を安全に閲覧させることができる。
また、上記のような遺伝子診断サービスでは、遺伝子情報の一覧や解析に費用がかかり、サービス提供会社は、必要に応じて一覧や解析に課金する必要が生じる。このような課金については個人情報を特定しなければ担保することができず、一方で遺伝子情報の一覧には個人情報を開示できないという解決困難な問題が生じる。しかし、本発明によれば、支払いサーバ1が、識別コードAと識別コードBの対応表を具備しており、識別コードBと支払いを確認した金額の情報の組(バーチャルマネー)のみを、管理サーバ2に送ることで、この問題を解決することができる。すなわち、解析に費用がかかり課金の必要が生じた場合には、バーチャルマネーを支払いサーバ1からプッシュし、それを受け取った管理サーバ2で金額のみを管理する。これにより、支払いサーバ1に遺伝子情報を導入することなく、また、管理サーバ2に個人情報を導入することなく、支払い金額を確認することが可能であり、個人情報と遺伝子情報を独立に取り扱うことが可能である。
本実施の形態では、識別コードAと識別コードBが独立であるため、顧客は識別コードAで個人情報の入力を行い、支払い等も識別コードAを用いて行う。一方、遺伝子情報の閲覧や解析リクエストの際には、識別コードBを用いて行う。これにより、個人情報や、個人情報につながる識別コードAのどちらも再入力することなく、自己の遺伝子情報にアクセスすることができる。
また、本実施の形態では、識別コードCが、遺伝子情報DBサーバ3にアクセスするために必須となるように構成されているため、より高いセキュリティを実現している。すなわち、個人情報と遺伝子情報を結合させるためには、個人情報と直接結びつく識別コードAから、対応する識別コードBを特定し、さらに対応する識別コードCを特定しなければならないが、これは非常に困難である。このようにして、より高いセキュリティを実現している。
なお、この識別コード体系は、臨床研究、臨床試験における二次匿名化に相当し、それぞれのサーバを運用管理する技術者がデータに触れたとしても個人情報に対応する遺伝子情報目にすることがなく、従来のコンピュータシステムの問題点を解決するシステムを構築することができる。
また、支払いサーバ1と管理サーバ2と遺伝子情報DBサーバ3の3つのサーバを、それぞれ独立したコンピュータ装置にすれば、それぞれのサーバの情報が漏洩しても、個人情報と遺伝子情報を結合することができないため、個人情報としての遺伝子情報は保護されるという効果がある。また、3つのサーバ間は、特定の情報の授受のみが行われるように制限することが可能であるため、情報をやりとりするための通信ポートや、プロトコル、サーバのMACアドレスやIPアドレスを厳しく限定することが可能となり、それらを制限するためのファイアウォールを設置し、情報の制限を行うことで、より高いセキュリティを維持できるという効果がある。
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
以上のように、本発明にかかる遺伝子診断サービスにおける情報管理システムは、遺伝子の解析と保管を組み合わせた遺伝子診断サービスにおいて、顧客の個人情報と遺伝子情報を適切に管理することができるという効果を有し、遺伝子診断用コンピュータシステム等として用いられ、有用である。
1 支払いサーバ
2 管理サーバ
3 遺伝子情報DBサーバ
2 管理サーバ
3 遺伝子情報DBサーバ
Claims (6)
- 遺伝子診断サービスを受けるために顧客の個人情報が入力され、前記顧客の血液検体を取得するための採血が医療機関で行われ、前記血液検体が前記医療機関からサービス提供者へ送られ、前記サービス提供者により前記血液検体から抽出されたDNA検体が保管され、前記顧客からの閲覧要求に応じて前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われ、前記顧客の遺伝子情報が前記サービス提供者から前記医療機関を介して前記顧客へ送られる遺伝子診断サービスにおいて、前記顧客の個人情報と遺伝子情報を管理するシステムであって、
前記顧客の個人情報の入力に応じて、前記遺伝子診断サービスの代金支払いのために用いられる第1の識別コードを付与する第1識別コード付与手段と、
前記第1の識別コードを付与した顧客に対して、前記顧客の遺伝子情報の閲覧のために用いられる第2の識別コードを付与する第2識別コード付与手段と、
前記顧客の遺伝子情報の保管のために用いられる第3の識別コードを付与する第3識別コード付与手段と、
前記第1の識別コードと前記第2の識別コードを用いることなく、前記第3の識別コードを用いて前記遺伝子情報の保管を行う情報保管手段と、
前記第2の識別コードと前記第3の識別コードを用いることなく、前記第1の識別コードを用いて前記遺伝子診断サービスの代金支払い処理を行う支払い処理手段と、
前記第1の識別コードと前記第3の識別コードを用いることなく、前記第2の識別コードを用いて前記遺伝子情報の閲覧処理を行う閲覧処理手段と、
を備えたことを特徴とする遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。 - 前記情報保管手段を備えた情報DBサーバと、
前記第1識別コード付与手段と前記第2識別コード付与手段と前記支払い処理手段とを備えた支払いサーバと、
前記第3識別コード付与手段と前記閲覧処理手段とを備えた閲覧管理サーバと、
を備え、
前記支払いサーバと前記閲覧管理サーバとの間では、前記顧客の支払った代金データと前記第2の識別コードが通信可能であり、前記顧客の個人情報と前記第1の識別コードが通信不能であり、
前記閲覧管理サーバと前記情報DBサーバとの間では、前記遺伝子情報と前記第3の識別コードが通信可能であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。 - 前記医療機関に対して、前記遺伝子情報の閲覧のために用いられる第4の識別コードを付与する第4識別コード付与手段を備え、
前記閲覧処理手段は、前記顧客からの閲覧要求が前記医療機関を介して行われたときに、前記第2の識別コードと前記第4の識別コードに基づいて、前記遺伝子情報の閲覧を許可するか否かを決定する認証手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。 - 前記第4の識別コードは、医療機関用PHSまたは医療機関用携帯電話の識別番号であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。
- 前記情報保管手段は、異なる時期に前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われたときに、前記顧客の複数の遺伝子情報を保管することが可能であり、
前記閲覧処理手段は、前記複数の遺伝子情報の閲覧処理を同時に行う一覧処理が可能であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。 - 遺伝子診断サービスを受けるために顧客の個人情報が入力され、前記顧客の血液検体を取得するための採血が医療機関で行われ、前記血液検体が前記医療機関からサービス提供者へ送られ、前記サービス提供者により前記血液検体から抽出されたDNA検体が保管され、前記顧客からの閲覧要求に応じて前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われ、前記顧客の遺伝子情報が前記サービス提供者から前記医療機関を介して前記顧客へ送られる遺伝子診断サービスにおいて、前記顧客の個人情報と遺伝子情報を管理するシステムであって、
異なる時期に前記顧客のDNA検体の遺伝子解析が行われたときに、前記顧客の複数の遺伝子情報を保管する情報保管手段と、
前記複数の遺伝子情報を同時に閲覧する一覧処理を行う閲覧処理手段と、
を備えたことを特徴とする遺伝子診断サービスにおける情報管理システム。
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