JP4045199B2 - 詰め襟のホック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、男子学生服等で使用する詰め襟のホックに関する。
【0002】
【従来の技術】
学生服等の詰め襟の合わせ目には雌雄部材からなる左右一対のホックが取り付けられていて、それらを係合させたり外したりすることにより、合わせ目を閉じたり開いたりしている。従来の詰め襟ホックは雌雄部材が固定されていたので、首を上下又は左右に動かしたときに首を締め付けるような圧迫感があった。また、体の成長に伴い、首周りも大きくなると、ホックによる固定ができなくなることがよくあった。
【0003】
この問題を解決するために、下記特許文献1では、雌雄部材の係合部と基部との間に「相対的に変位した係合部を基準保持位置へと戻す復帰手段」を設けることを提案している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3281295号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で使用している基部は、金属平板を巻き取るように折り返し、先端縁の係止爪を係止孔にかしめて箱体部を構成し、対面する2面に係合脚部用の軌道を設けてなる。このような基部の作成は手間がかかり、その結果、製造コストを上昇させていた。また、金属平板を折り返して箱体部を形成するのであるから、当然箱体部の厚みが厚くなり、首周りに違和感を与えることになる。
【0006】
本発明は、特許文献1よりも構成が簡単でしかも薄い雌雄部材を採用することにより襟ホックに伸縮性を与えることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の詰め襟のホックは、それぞれ係合部を有する一対の雌雄部材(10,20;10A,20A)からなり、この雌雄部材のうち少なくとも一方が、スライド可能な係合部(11;11A,24)と、一端が芯材(3)に固定され、他端が係合部に接続されることにより、係合部にスライドさせる力を与えるゴム紐(12;12A,25)と、前記係合部と接触する接触板(17)と、この接触板(17)の端部から伸びている複数の脚(18,18A)と、前記脚(18,18A)と前記芯材(3)に介在させる座板(19)を有する係合部スライド用ガイド(13;13A,26)からなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の態様】
好ましくは、雌雄部材の双方がスライド可能な係合部と、一端が芯材に固定され、他端が係合部に接続されることにより、係合部にスライドさせる力を与える弾性体と、芯材に固定された、係合部スライド用ガイドからなる。
【0009】
雄部材の係合部は、例えば先端にU字部を有する金属板であり、雌部材の係合部は前記雄係合部を受け止めるもので、例えばコの字状係合部である。
【0011】
係合部スライド用ガイドは係合部の位置の安定化とスライド方向や位置を決定するためのもので、その目的にかなうものであればどのようなものでもよい。例えば、係合部と接触する接触板と、接触板の端部から伸びている複数の脚からなる構造を採用することができる。脚を芯材にかしめるとき、座板を設けるのが安定性を高める上で好ましい。
【0012】
さらに好ましくは、雌雄部材を、襟首の曲線に沿ってカーブさせることである。これにより、雌雄部材が首に対して違和感を与えないようにすることができる。
【0013】
【実施例】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0014】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る襟ホック1を取り付けた状態の学生服2の正面図である。襟ホックの大部分は外側生地4に隠れて見えず、わずかに雌雄部材の先端が露出しているだけである。
【0015】
図2は、外側生地を取り去った状態で雌雄部材を見た斜視図である。(a)は内側(着用者の首側)から見た状態、(b)は外側(着用者以外の人の側)から見た状態である。
【0016】
雌雄部材10,20は、外側生地(図1の4参照)内部に設けられた芯材3に取り付けられる。芯材は、形を整えるのに使用されるもので、例えば人工皮革や不織布から形成されている。
【0017】
雄部材10は、スライド可能な雄係合部11と、雄係合部にスライドさせる力を与えるゴム紐12と、雄係合部のスライド用ガイド13からなる。
【0018】
雄係合部11は、先端にU字部14を有する細長い金属板で、後端にゴム紐を取り付けるための取付穴15が設けられている。先端のU字部14の内部には小突起16が形成されている。これは、雌部材20がいったんはまった後抜けるのを防止するとともに、ゴム紐12により所定位置よりもゴム紐側に引っ張られるのを防止するためである。
【0019】
ゴム紐12は雄係合部の取付穴15を通って折り返され、適当な位置で芯材3に縫いつけられて固定されている。
【0020】
ガイド13は、雄係合部11と接触する接触板17と、接触板の端部から伸びている4本の脚18からなる。4本の脚18の先端は、図2(b)に示すように、座板19を介して折り曲げられて、芯材3に固定される。座板19は、断面が波状であり、波底19aで脚の先端を受けるようにするのが安定性を増す上で好ましい。
【0021】
一方、雌部材20は、雄係合部のU字部14と係合するコの字状雌係合部21と、この雌係合部を支持する基部22からなる。
【0022】
基部22は雄係合部のガイド13と類似の構造であるが、先端に雌係合部と接続するためのパイプ状接続部23を有する。
【0023】
この襟ホックは、従来技術と同様に、雄係合部11を雌係合部21に係合させたり外したりすることにより、襟の合わせ目を閉じたり開いたりして使用する。首を急に動かしたり、首周りが太くなったりしても、雄係合部11がゴム紐12により自然に伸びて首に圧迫感を与えることがない。
【0024】
<実施例2>
実施例1では、弾性を有するのは雄部材10だけである。普通はそれでも十分であるが、実施例2では雌部材にも弾性を与えている。
【0025】
図3は、実施例2のホックであり、外側生地を取り去った状態で内側(着用者の首側)から見た雌雄部材の斜視図である。
【0026】
雄部材10Aは実施例1と同じである。実施例1で使用した符号に「A」を付けて使用し、説明を省略する。
【0027】
雌部材20Aは、スライド可能な雌係合部24と、雌係合部にスライドさせる力を与えるゴム紐25と、雌係合部のスライド用ガイド26からなる。
【0028】
雌係合部24は、先端に、雄係合部のU字先端と係合するコの字状雌係合部21Aが設けられている。後端には、ゴム紐を取り付けるための取付穴27が設けられている。
【0029】
ゴム紐25は雌係合部の取付穴27を通って折り返され、適当な位置で芯材3に縫いつけられて固定されている。
【0030】
ガイド26は、実施例1の雄係合部のガイド13と同じ構造である。
【0031】
この襟ホックは、従来技術と同様に、雄部材10Aを雌部材20Aに係合させたり外したりすることにより、襟の合わせ目を閉じたり開いたりして使用する。首を急に動かしたり、首周りが太くなったりしても、雄係合部及び雌係合部がゴム紐により自然に伸びて首に圧迫感を与えることがない。実施例1と比較すると、2箇所にゴム紐が取り付けられているので、伸張距離が2倍になったことになる。
【0032】
図示しないが、さらに別の実施例として、雌雄部材を直線的に構成せずに、詰め襟の曲線に沿わせてカーブさせることもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、首を急に動かしたり、首周りが太くなったりしても、ホックの雌雄部材が自動的に伸びるので、襟があわせられないというようなことはなくなった。また、従来技術と比較すると、構造が至極簡単なので製造コストを引き下げることができる。さらに状来技術と比較すると金属の箱体のようなものを使用しないので、全体的に薄く形成することができ、首に違和感を与えることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る襟ホックを取り付けた状態の学生服の正面図である。
【図2】実施例1のホックであり、外側生地を取り去った状態で雌雄部材を見た斜視図である。(a)は内側(着用者の首側)から見た状態、(b)は外側(着用者以外の人の側)から見た状態である。
【図3】実施例2のホックであり、外側生地を取り去った状態で内側(着用者の首側)から見た雌雄部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 襟ホック
3 芯材
10,10A 雄部材
11 雄係合部
12 ゴム紐
13 ガイド
14 U字部
15 取付穴
16 小突起
17 接触板
18 脚
19 座板
19a 波底
20,20A 雌部材
21 雌係合部
21,21A コ字状雌係合部
22 基部
23 パイプ状接続部
24 雌係合部
25 ゴム紐
26 ガイド
26 スライド用ガイド
27 取付穴
Claims (3)
- それぞれ係合部を有する一対の雌雄部材(10,20;10A,20A)からなり、この雌雄部材のうち少なくとも一方が、
スライド可能な係合部(11;11A,24)と、
一端が芯材(3)に固定され、他端が係合部に接続されることにより、係合部にスライドさせる力を与えるゴム紐(12;12A,25)と、
前記係合部と接触する接触板(17)と、この接触板(17)の端部から伸びている複数の脚(18,18A)と、前記脚(18,18A)と前記芯材(3)に介在させる座板(19)を有する係合部スライド用ガイド(13;13A,26)からなる
ことを特徴とする詰め襟のホック。 - 雌雄部材(10A,20A)の双方が、スライド可能な係合部(11A,24)と、一端が芯材(3)に固定され、他端が係合部に接続されることにより、係合部にスライドさせる力を与えるゴム紐(12A,25)と、芯材に固定された、係合部スライド用ガイド(13A,26)からなる請求項1記載のホック。
- 前記雌雄部材(10,20;10A,20A)が、襟首の曲線に沿ってカーブしている請求項1又は2に記載のホック。
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JP2003093514A JP4045199B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 詰め襟のホック |
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JP2004298319A JP2004298319A (ja) | 2004-10-28 |
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Family Applications (1)
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003093514A patent/JP4045199B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2004298319A (ja) | 2004-10-28 |
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