JP4044683B2 - 色分解光学系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は主としてカラーテレビカメラに使用する色分解光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来カラーテレビカメラには、入射光を複数色に分解する複数のプリズムと、各プリズムにより分解された光を受光する複数の固体撮像素子からなる色分解光学系が使用されており、固体撮像素子としては、例えば特開平5−37493号公報に記載されたものが公知となっている。
【0003】
上記公報の固体撮像素子は、図4に示すように内面にCCDaが接着されたセラミックパッケージbを、透明ガラスcで封止してCCDユニットdを形成し、このCCDユニットdの両側に2個のガラスブロックeを接着層fで接着すると共に、ガラスブロックeの下面を、プリズムgに接着された色フィルタh上面との間には空気層jが形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の固体撮像素子では、プリズムgの出射面に2個のガラスブロックeを接着して、これらガラスブロックeの間にCCDユニットdを設けた構造を採用していることから、ガラスブロックeの接着面を確保するため、プリズムgの長方形をなす出射面全面を使用している。
【0005】
しかし長方形状をなす出射面の全面を使用する従来の色分解光学系の場合、色分解光学系を円筒状の筐体内に収容しようとすると、プリズムgの入射面の対角線の距離に等しいか、それ以上の直径を有する筐体が必要となり、カラーテレビカメラの小型化が図れないなどの不具合がある。
【0006】
この発明はかかる従来の不具合を改善するためになされたもので、カラーテレビカメラの小型化が可能な色分解光学系を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、色分解光学系を構成する色分解プリズムの入射面及び出射面の少なくとも一方の角部をCカットしたもので、これによって色分解プリズムの角部が筐体と干渉することがなくなるため、小径な筐体に収容することができ、これによってカラーテレビカメラの小型化が図れるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の請求項1に記載の発明は、入射光を複数色に分解する複数の色分解プリズムと、これら色分解プリズムの各出射面にそれぞれ設けられた複数の固体撮像素子からなる色分解光学系において、上記色分解プリズムの入射面及び出射面の少なくとも一方の角部をCカットしたものである。
【0009】
上記構成により、色分解光学系を円筒状の筐体内に収容する際、色分解プリズムの角部が筐体と干渉することがないので、小径な筐体内に容易に収容でき、これによってカラーテレビカメラの小型化が図れるようになる。
【0010】
この発明の請求項2に記載の発明は、色分解プリズムの入射面及び出射面に入れるCカットの量を異ならせたものである。
【0011】
上記構成により、色分解プリズムの角部と筐体との干渉個所がより少なくなるため、筐体をより小径にすることができる。
【0012】
この発明の請求項3に記載の発明は、Bch撮像素子の色分解プリズムの入射面に入れるCカットの量をもっとも多くしたものである。
【0013】
上記構成により、もっとも前方に位置するBch固体撮像素子の色分解プリズムのCカット量が多いことから、小径な筐体内に容易に収容することができる。
【0014】
以下この発明の実施の形態を図1ないし図3に示す図面を参照して詳述する。
【0015】
図1は複数、例えば3個の色分解プリズムと、3個の固体撮像素子により構成された色分解光学系の正面図、図2は同側面図、図3は同平面図である。
【0016】
これら図において1は、入射光の赤成分(Rch)を受光する固体撮像素子、2は緑成分(Gch)を受光する固体撮像素子、3は青成分(Bch)を受光する固体撮像素子で、それぞれ色分解プリズム4、5、6の出射面4c、5c、6cに取付けられている。
【0017】
上記各固体撮像素子1、2、3のうち、Bch固体撮像素子3の色分解プリズム6は、図示しない撮像レンズの後方に入射面6aを前方に向けて配置されており、このBch固体撮像素子3の色分解プリズム5の反射面5bに、Rch固体撮像素子1の色分解プリズム4の入射面4aが接着されている。
【0018】
またこれらの接着面には、図1に示すような角枠状のスペーサ7が介在されていて、色分解プリズム5の反射面5bと色分解プリズム4の入射面4aの間にエアギャップ8が形成されていると共に、Rch固体撮像素子1の色分解プリズム4の反射面4bに、Gch固体撮像素子2の色分解プリズム5の入射面5aが接着されている。
【0019】
一方Bch固体撮像素子3は、色分解プリズム6の出射面6cに接着された色フィルタ1aにCCD1bが精度よく接着されていて、CCD1bが湿気などで劣化するのを防止するため、CCD1b全体がモールド樹脂1cにより封止されており、従来のように出射面6cにガラスブロックを接着する必要がないことから、Bch固体撮像素子3の色分解プリズム6の出射面6c全面を使用する必要がなくなる。
【0020】
これによって入射光の側面でケラレが発生しない位置、すなわちBch固体撮像素子3の色分解プリズム6の下側角部を幅61 、62 に亘ってCカットすることができる。
【0021】
またRch固体撮像素子1の色分解プリズム4の入射面4aと、Bch固体撮像素子3の色分解プリズム6の反射面6bにスペーサ7を設けたことによって、Rch固体撮像素子1の色分解プリズム4の出射面4cで、固体撮像素子1の接着に使用しない部分について、幅41 で角部をCカットすることができる。
【0022】
以上のようにして色分解プリズム4、6の角部をCカットしても、色分解光学系に入射する光線の水平方向の最大入射光範囲はH、垂直方向の最大入射光範囲範囲はVであることから、これらの範囲に対して十分な余裕があり、その結果入射光にケラレが発生することがない。
【0023】
なお上記実施の形態では、色分解プリズム4、6の複数個所をCカットしたが、1個所のみでも勿論よい。
【0024】
【発明の効果】
この発明は以上詳述したように、色分解光学系を構成する色分解プリズムの入射面及び出射面の少なくとも一方の角部をCカットとして、色分解光学系を円筒状の筐体内に収容する際、角部が筐体と干渉しないようにしたことから、小径な筐体内にも容易に収容でき、これによってカラーテレビカメラの小型化が図れるようになる。
【0025】
また入射光の水平方向及び垂直方向の最大入射光範囲に対して十分な余裕をもって色分解プリズムの角部をCカットしたことから、入射光にケラレが発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態になる色分解光学系の正面図
【図2】この発明の実施の形態になる色分解光学系の側面図
【図3】この発明の実施の形態になる色分解光学系の平面図
【図4】従来の色分解光学系の説明図
【符号の説明】
1 Rch固体撮像素子
1a 色フィルタ
1b CCD
1c モールド樹脂
2 Gch固体撮像素子
3 Bch固体撮像素子
4 色分解プリズム
4a 入射面
4b 反射面
4c 出射面
5 色分解プリズム
5a 入射面
5c 出射面
6 色分解プリズム
6a 入射面
6b 反射面
6c 出射面
7 スペーサ
8 エアギャップ
H 入射光線の水平方向の最大入射光範囲
V 入射光線の垂直方向の最大入射光範囲

Claims (3)

  1. 入射光を複数色に分解する複数の色分解プリズムと、これら色分解プリズムの各出射面にそれぞれ設けられた複数の固体撮像素子からなる色分解光学系において、上記色分解プリズムの入射面及び出射面の少なくとも一方の角部をCカットしたことを特徴とする色分解光学系。
  2. 色分解プリズムの入射面及び出射面に入れるCカットの量を異ならせたことを特徴とする請求項1記載の色分解光学系。
  3. Bch撮像素子の色分解プリズムの入射面に入れるCカットの量をもっとも多くしたことを特徴とする請求項1記載の色分解光学系。
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