JP4044322B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨の識別、計数、払い出しなど硬貨処理を行う硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小売店でのキャッシュレジスタやPOS(point of sales)端末、金融機関のATM(automatic teller machine)装置、自動販売機などでは、顧客が支払った硬貨の種類を判別したり、硬貨の種類、すなわち金種別に枚数を計数したり、釣銭を払い出す機能が必要になる。
【0003】
従来の硬貨処理装置では、複数の硬貨が一括して投入口に入ると、光センサが硬貨投入を検知し、積み重なった硬貨を一枚ずつ分離して搬送し、硬貨を金種別に分別した後、枚数を計数して金種別スタッカに保管する。ホスト装置から釣銭の金種および枚数が指示されると、該当する金種別スタッカから所定枚数の硬貨を取り出して、投出口から排出する(例えば実用新案登録第2509366号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
日本国内では、1円、5円、10円、50円、100円、500円という6種類の硬貨が流通しており、記念硬貨や古い硬貨を含めると多数の金種が存在する。従来の硬貨処理装置では少なくとも6つの金種別スタッカを用意する必要がある。
【0005】
たとえばキャッシュレジスタなどにおいて、各種の金額の釣銭を、硬貨で、予め定める金種とその枚数との組合せで排出し、その釣銭の支払いを素早く行うことが望まれる。すでに提案された技術では、複数の金種の硬貨をランダムに貯留する貯留部から硬貨を1枚ずつ搬送し、この搬送される硬貨の金種を、硬貨の寸法形状などによって金種の識別を行い、その金種識別結果に基づいて、釣銭の希望する金額となるように硬貨を選択して排出する。この構成では、貯蔵部から金種識別のために供給される金種とその枚数はランダムであり、したがってたとえば1円または10円の硬貨が釣銭に必要な枚数を超える枚数だけ連続して供給されることがあり得る。従ってこのような構成では、釣銭の希望する金額を迅速に排出することはできない。
【0006】
本発明の目的は、希望する金額を、硬貨の金種と各金種毎の枚数との組合せによって迅速に排出することができるようにした硬貨処理装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、硬貨の金種と各金種毎の枚数との予め定める組合せである準備金を貯蔵する準備金貯蔵手段と、
複数種類の硬貨を混合状態で貯蔵する収納貯蔵手段であって、
硬貨が供給される1つの貯蔵入口と、前記混合状態で貯蔵される硬貨のうちから硬貨を1枚ずつ排出する1つの貯蔵出口とを有する収納貯蔵手段と、
前記貯蔵出口から排出された硬貨の金種を識別する金種識別手段と、
金種識別手段の識別結果を表す出力に応答して、収納貯蔵手段からの硬貨を選択的に準備金貯蔵手段に振分けると共に、準備金貯蔵手段からの硬貨を選択的に排出する振分け手段とを含むことを特徴とする硬貨処理装置である。
【0008】
本発明に従えば、準備金貯蔵手段には、硬貨の準備金を貯蔵しておき、この準備金は、たとえば1円硬貨4枚、5円硬貨1枚、10円硬貨4枚、50円硬貨1枚、100円硬貨4枚、500円硬貨1枚であって、その金額は、999円であり、このような硬貨の金種と各金種毎の枚数との予め定める組合せによれば、たとえば釣銭などの1円から999円までのあらゆる種類の金額を達成することができる。したがってたとえばキャッシュレジスタなどにおいて釣銭の金額が複数種類である場合であっても、各金額の釣銭を、準備金から、金種識別手段によって識別した硬貨の識別結果に基づいて、釣銭などの予め定める金額となるように、振分け手段によって硬貨を選択して排出する。したがって予め定める金額を達成する硬貨を迅速に排出することができるようになる。
【0010】
また、収納貯蔵手段に混合状態で収納して貯蔵されている硬貨の複数の各種類を金種識別手段によって識別して、準備金貯蔵手段に、前記組合せの硬貨の準備金が貯蔵されるように、振分け手段によって硬貨を選択して準備金貯蔵手段に搬送する。こうして準備金貯蔵手段には、自動的に、前記組合せの硬貨の準備金が貯蔵されることになり、準備金貯蔵手段における前記組合せの硬貨を貯蔵する動作を迅速に行い、また迅速に排出することができる。
【0011】
また本発明は、外部から投入される硬貨を装置内に供給する硬貨投入手段を含み、
収納貯蔵手段および準備金貯蔵手段に貯蔵される硬貨の各金種毎の枚数を計数するカウンタと、
カウンタの出力に応答し振分け手段は準備金貯蔵手段または収納貯蔵手段に投入される硬貨を振分けることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、硬貨投入手段によって外部から投入される硬貨は、装置内に供給されて貯蔵され、この硬貨投入手段から装置内に供給される硬貨の金種が、金種識別手段によって識別される。したがって装置内に収納されて貯蔵されている硬貨の各金種毎の枚数をカウンタで計数することができる。振分け手段はカウンタの出力に基づいて投入される硬貨を準備金として準備金貯蔵手段に振分け、また収納するために収納貯蔵手段に振分ける。したがって準備金貯蔵手段には、効率よく前記組合せの硬貨を貯蔵しておくことができ、これによって予め定める1または複数種類の金額を、投入される硬貨によって達成して迅速な処理をすることができる。
【0013】
また本発明は、複数種類の硬貨を混合状態で貯蔵する収納貯蔵手段であって、
硬貨が供給される1つの貯蔵入口と、
硬貨を1枚ずつ排出する1つの貯蔵出口とを有する収納貯蔵手段と、
硬貨を貯蔵出口から貯蔵入口に搬送する搬送経路と、搬送経路の途中から貯蔵出口に硬貨を搬送する補助搬送経路とを有する循環搬送手段と、
搬送経路の途中に設けられ、搬送される硬貨の種類を識別する金種識別手段と、
金種識別手段よりも搬送方向上流側に設けられ、外部から投入される硬貨を搬送経路に供給する硬貨投入手段と、
補助搬送経路の少なくとも一部分に形成され準備金を貯蔵する準備金貯蔵空間を有する準備金貯蔵手段と、
搬送経路の金種識別手段よりも搬送方向下流側に設けられ、金種が識別された硬貨を、収納貯蔵手段に導き、または準備金貯蔵手段に導き、または排出する振分け手段と、
硬貨処理装置を、入金モード、払出しモードおよび準備金補充モードのいずれかの動作モード制御する制御手段であって、
入金モード時には硬貨投入手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって各貯蔵手段または排出口に選択的に導き、
払出しモード時には準備金貯蔵手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって準備金貯蔵手段または排出口に選択的に導き、
準備金補充モード時には収納貯蔵手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって各貯蔵手段に選択的に導く制御手段とを含むことを特徴とする硬貨処理装置である。
【0014】
本発明に従えば、収納貯蔵手段に混合状態で収納されて貯蔵されている硬貨は、貯蔵出口から循環搬送手段の搬送経路を経て貯蔵入口に戻ることができ、さらにこの循環搬送手段は、搬送経路の途中から貯蔵出口にわたる補助搬送経路を有し、補助搬送経路の少なくとも一部分は、準備金貯蔵手段の準備金貯蔵空間を構成する。
【0015】
搬送経路の途中には、金種識別手段が設けられ、この金種識別手段は、搬送される硬貨の金種を識別し、この搬送経路の金種識別手段よりも搬送方向下流には、振分け手段が設けられる。振分け手段は、各動作モードを制御する制御手段の制御動作によって、入金モード時に外部から投入された硬貨投入手段による硬貨は、収納貯蔵手段にまず導かれて、外部から投入された硬貨が一旦、収納貯蔵手段に貯蔵される。ここで金種識別手段の出力により異金種や硬貨以外のものであると判断されると排出口に導かれる。準備金補充モード時には、準備金貯蔵手段には、その収納貯蔵手段からの硬貨が、準備金が達成される硬貨の金種毎の枚数となるように供給されて貯蔵される。払出しモード時には、準備金貯蔵手段からの硬貨を選択的に排出口に導く。
【0016】
本発明の実施の他の形態では、準備金貯蔵手段には、予め定める前記組合せの硬貨が貯蔵され、その準備金を構成する全ての硬貨を、たとえば釣銭などとして排出口に排出するように構成してもよい。このような実施の形態では、金種識別手段は、準備金貯蔵手段からの硬貨の金種を識別する動作を行わず、制御手段は、釣銭などの排出時には、準備金貯蔵手段からの硬貨の全てを、排出口に排出する。これによって制御手段の構成の簡略化を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の硬貨処理装置61の簡略化した平面図である。この硬貨処理装置61は基本的に、硬貨Qが供給される貯蔵入口62と硬貨Qを1枚ずつ排出する貯蔵出口63とを有する収納貯蔵手段64と、この収納貯蔵手段64に貯蔵された硬貨Qを搬送する循環搬送手段65と、外部から供給される硬貨Qを投入して搬送手段65に供給する硬貨投入手段66と、搬送手段65に関連して設けられる金種識別手段67と、釣銭である準備金を貯蔵する準備金貯蔵手段68と、釣銭を顧客に排出する排出口69と、第1振分け機構71と第2振分け機構72とを含む振分け手段73とを含む。
【0018】
図2は、収納貯蔵手段64の簡略化した断面図である。硬貨処理装置本体74には、回転テーブル75が鉛直軸線76まわりに回転可能に設けられる。この回転テーブル75は、水平な円盤77の中央付近に隆起部78が形成され、また円盤77には、突起79が形成される。貯蔵入口62から供給される硬貨Qは、回転テーブル75の回転方向81の回転によって、回転テーブル75上を移動し、隆起部78および突起79に接触して回転テーブル75上で均一な堆積状態で収納されて貯蔵されることができる。回転方向81は、後述の搬送方向92と同一方向である。回転テーブル75の外周部には、収納ホッパ82のホッパ周壁83が形成され、このホッパ周壁83の基端部から回転テーブル75の半径方向内方につれて低く傾斜した案内部84が形成される。案内部84の下部には、回転テーブル75の円盤77との間に硬貨Qを案内する下方に臨んだ出口通路85が形成される。この出口通路85に、単一枚の硬貨Qが案内されて、貯蔵出口63から硬貨Qが1枚ずつ排出される。
【0019】
回転テーブル75の下部には、プーリ86が設けられ、このプーリ86には、ベルト87が巻掛けられ、モータMR1(後述の図8参照)を含む収納駆動源88によって回転駆動される。
【0020】
搬送手段65は、収納貯蔵手段64の貯蔵出口63から貯蔵入口62にわたって延びる搬送経路91を有する。搬送経路91は、貯蔵出口63から第1振分け機構71まで延びる共通搬送経路93と、第1振分け機構71から貯蔵入口62まで延びる分岐搬送経路94とを含む。分岐搬送経路94は、補助搬送経路95よりも上方で、搬送方向92の下流側にずれて高くなるように傾斜して形成される。搬送手段65は、前述の搬送経路91だけでなく、さらに第1振分け機構71から貯蔵出口63まで搬送方向92に沿って延びる補助搬送経路95を有する。補助搬送経路95の一部分は、準備金を待機して貯蔵する準備金貯蔵空間68を形成する。搬送手段65は、回転テーブル75の半径方向外方で回転テーブル75と同心の水平な連続した移動面97を有する無端環状の環状板98が、鉛直軸線76まわりに回転自在に、硬貨処理装置本体74に設けられる。この環状板98と一体的に形成されるプーリ99には、ベルト101が巻き掛けられ、モータMR2(図8参照)を含む搬送駆動源102によって、搬送方向92に回転駆動される。この環状板98の移動面97は、半径方向の幅103(図1参照)を有し、カバー体104によって、硬貨Qが搬送方向92に隣接して並んだ姿勢でほぼ水平に搬送される。カバー体104は、環状板98上の移動面97の半径方向内方の周壁105と半径方向外方の周壁106とを形成して、硬貨Qを移動面97上で案内する。
【0021】
金種識別手段67は、共通搬送経路93を搬送される硬貨Qの寸法形状および金属材料などを検出して硬貨Qの金種を識別する。たとえばこの実施の形態では、交流信号源によって駆動されるコイルが、環状板98の移動面97上方に配置され、移動面97上に乗載されて搬送される硬貨Qの寸法形状および金属材料の透磁率に依存したインダクタンスの値を検出し、金種を識別する。
【0022】
図3は、振分け手段73の簡略化した斜視図である。第1振分け機構71の振分け板107は、環状板98の半径方向に水平に延びる揺動軸108によって角変位可能に設けられる。この振分け板107は、リンク機構109を介して、電磁ソレノイドSL1によって角変位駆動される。
【0023】
環状板98の移動面97に臨んで環状板98と同心の無端環状溝111が形成される。振分け板107の搬送方向92上流側の端部には、突部112が形成され、この突部112は、溝111内に嵌まり込むことができる。
【0024】
図4は、振分け手段73を簡略化して示す周方向展開図である。この図4に示される状態では、第1振分け機構71の振分け板107は、下方に傾斜しており、前述の突部112は、環状板98に形成された溝111に嵌まり込み、したがって共通搬送経路93上の硬貨Q1は、振分け板107上に乗り上げて搬送され、参照符Q2で示されるように分岐搬送経路94上に導かれる。硬貨Q3は、補助搬送経路95で搬送されている状態が示される。
【0025】
第1振分け機構71において電磁ソレノイドSL1の駆動によって、振分け板107が角変位され、その突部112が矢符113のように共通搬送経路93の移動面97よりも上方に変位される。これによって共通搬送経路93上の硬貨Q1は、図4の仮想線107aで表される振分け板107の下方を通過し、参照符Q3で示されるように、補助搬送経路95に搬送される。
【0026】
第1振分け手段71では、振分け板107の前後に、駆動輪114,115がそれぞれ配置される。前駆動輪114は、共通搬送経路93上の硬貨Q1の上面に接触して搬送方向92の下流側に、その硬貨Q1を確実に搬送し、これによって図4の振分け板107が下降している状態で、硬貨Q1を振分け板107を経て分岐搬送経路94上の後駆動輪115に接触して搬送されることを確実にする。後駆動輪115は、分岐搬送経路94上の硬貨Q2(図4参照)の上面に接触し、その硬貨Q2が、第2振分け機構72を経て収納貯蔵手段64の貯蔵入口62に供給され、または排出口69に搬送されることを確実にする。これらの前後の駆動輪114,115は、ベルトによって連動し、モータMR3を含む振分け駆動源117によって、硬貨Q1,Q2が搬送方向92に沿って移動されるように、回転駆動される。参照符Q1〜Q3および後述の参照符Q6〜8,11を総括的に前述の参照符Qで示すことがある。
【0027】
第2振分け機構72は、鉛直軸線まわりに角変位駆動される振分け板118を有する。この振分け板118は、図1および図3の状態では、分岐搬送経路94を上昇する硬貨Qを、収納供給手段64の貯蔵入口62に導く。この振分け板118はリンク機構119を介して電磁ソレノイドSL2によって角変位駆動される。電磁ソレノイドSL2の駆動によって振分け板118が図3の矢符121で示されるように角変位されたとき、分岐搬送経路94を上昇してきた硬貨Qは、排出口69に、通路122を経て排出される。こうして振分け板118は、図3では、通路122を塞ぎ、これによって分岐搬送経路94の硬貨Qを貯蔵入口62に振分けて導き、また振分け板118が図3の参照符121で示されるように貯蔵入口62を閉じた状態では、分岐搬送経路94上の硬貨Qを、上述のように通路122に振分けて導く。
【0028】
図5は、準備金貯蔵手段68の一部を簡略化して示す斜視図である。準備金貯蔵手段68は準備金貯蔵空間96の搬送方向92の再下流の位置にストッパ手段123を有する。ストッパ手段123は、貯蔵出口63よりも搬送方向92上流に配置される。ストッパ手段123は、搬送方向92に沿う縦断面がほぼL字状に形成された停止片124と、この停止片124を、環状板98の半径方向に延びる水平な軸線まわりに角変位支持する支軸125と、停止片124に連結されるリンク機構126と、このリンク機構126に連結される電磁ソレノイドSL3とを含む。停止片124は、突部127を有する。突部127は、環状板98の溝111に嵌まり込み、これによって準備金収納空間96内の硬貨Qが停止片124によって確実に停止される。環状板98は、搬送方向92に常時回転している。停止片124の突部127が、環状板98の移動面97よりも上方に、矢符128で示されるように変位されることによって、準備金収納空間96上の硬貨Qは、停止片124の下方を搬送方向92に移動し搬送経路91に供給されることになる。
【0029】
ストッパ手段123の停止片124よりも搬送方向92上流側には、硬貨有無センサ129が設けられる。硬貨有無センサ129は、停止片124に当接して停止している搬送方向92最下流の硬貨Qの後端、すなわち硬貨列の後端を検出する。
【0030】
図6は、硬貨投入手段66の簡略化した断面図である。外部から投入される硬貨Qは、投入回転テーブル131上に供給される。投入回転テーブル131は、鉛直軸線132まわりに回転自在に設けられる。この投入回転テーブル131上に硬貨Qを貯留する投入ホッパ133を構成する周壁134が設けられる。投入回転テーブル131に固定されるプーリ135には、ベルト136が巻掛けられ、モータMR4を含む投入駆動源137によって矢符138に回転駆動される。こうして投入回転テーブル131上の硬貨Qは、1枚ずつ、投入搬送経路139を経て、共通搬送経路93に供給される。
【0031】
図7は、共通搬送経路93と投入搬送経路139とが接続される接続位置付近の簡略化した平面図である。共通搬送経路93の途中で、硬貨Qの外周縁に接触する接触片141,142が、周壁105,106から環状板98の半径方向外方にずれて形成される。これによって、搬送方向92に隣接し当接して搬送される硬貨Q6,Q7,Q8は、これらの接触片141,142に接触して、環状板98の半径方向に変位する。これによって硬貨Q6とQ8との間に間隔143が存在されることになる。このような間隔143は、搬送方向92の下流で金種識別手段67によって硬貨Qの金種が識別されることを確実にする。
【0032】
投入搬送経路139は、接触片141,142の下流で、周壁105,106よりも環状板98の半径方向外方にずれて延びる周壁144,145によって形成される偏位搬送経路146に接続される。偏位搬送経路146と金種識別手段67との間には、搬送される硬貨Q11を、環状板98の半径方向外方の周壁106に弾発的に押しあてるばね部材147が設けられる。環状板98の移動面97上の硬貨Q11が、搬送方向92に搬送されるとき、ばね部材147に弾発的に接触し、周壁106に接触される。このばね部材147は硬貨Q11に接触してばね力を作用する。周壁105,106は、回転テーブル75の鉛直軸線76を中心とする同心円に形成される。硬貨Q11が周壁106に接触した状態で搬送されることによって、金種識別手段67は、その硬貨Q11の寸法形状、金属材料などに依存する金種を、正確に検出することができる。ばね部材147は、板ばねによって実現されてもよいが、たとえば移動面97上を時計回りに回転するブラシなどであってもよい。
【0033】
図8は、図1〜図7に示される本発明の実施の形態の電気的構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路151には、たとえばPOSレジスタにおけるホストコンピュータ152からの釣銭の金額を表す信号が与えられる。この処理回路151にはまた、金種識別手段67、硬貨有無センサ129の各出力が与えられ、これによってモータMR1〜MR4および電磁ソレノイドSL1〜SL3が制御される。処理回路151には、メモリM1〜M4が接続される。メモリM1は、収納貯蔵手段61に貯蔵される硬貨Qの金種と、各金種毎の枚数とをストアする。メモリM2は、準備金貯蔵手段68における準備金貯蔵空間96に貯蔵されている現在の硬貨Qの各金種毎の枚数がストアされるとともに、目標とする各金種毎の枚数がストアされる。目標とする金種毎の枚数というのは、たとえば準備金999円を達成するために、1円4枚、5円1枚、10円4枚、50円1枚、100円4枚および500円1枚に関する情報である。メモリM3は、ホストコンピュータ152から与えられた釣銭の支払うべき各金種毎の枚数をストアする。メモリM4には、排出口69に排出されずに残っている釣銭残額の硬貨Qの各金種毎の枚数をストアする。処理回路151にはまた、制御のためのタイマ153が備えられる。
【0034】
図9は、図8の処理回路151の動作を説明するためのフローチャートである。POSレジスタにおいて購入代金が硬貨Qによって供給されるとき、ステップa1では、入金指令信号を出力する。この信号を受けることにより、硬貨処理装置61の動作モードは入金モードとなる。釣銭を排出口69に排出して払出すべきとき、ステップa2では、釣銭払出し指令信号を出力する。この信号を受けることにより硬貨処理装置61の動作モードは払出しモードとなる。準備金貯蔵手段68によって準備金貯蔵空間96に硬貨Qの準備金を貯蔵しておくために、ステップa3では、準備金補充指令信号が出力される。この信号を受けることにより硬貨処理装置61の動作モードは準備金補充モードとなる。
【0035】
図10は、処理回路151の入金動作を説明するためのフローチャートである。この入金動作を行うに先立ち、硬貨投入手段66の投入回転テーブル131は、モータMR4によって矢符138の方向に正転駆動されている。収納貯蔵手段64のモータMR1は停止し、回転テーブル75は停止したままである。準備金貯蔵手段68のストッパ手段123では、停止片124が図5に示されるように下降した位置となっており、硬貨Qを停止した状態を保つ。
ステップb1において処理回路151がホストコンピュータ152から入金指令信号を、前述の図9にステップa1で受信すると、次のステップb2に移る。
【0036】
図10のステップb2では、第2振分け機構72は、振分け板118を図1および図3の実線で示されるように収納貯蔵手段64の貯蔵入口62に硬貨Qを導く状態となるように、電磁ソレノイドSL2を駆動する。ステップb3では、第1振分け機構71における電磁ソレノイドSL1を制御して、振分け板107が図4に示されるように下方に変位した状態とする。このとき第1振分け機構71のモータMR3は停止していてもよく、常時、回転駆動していてもよい。
【0037】
ステップb4において、モータMR2が駆動されて、環状板98が搬送方向92に回転駆動される。ステップb5では、硬貨投入手段66のモータMR4が駆動されて投入回転テーブル131が矢符138の正転方向に回転駆動される。ステップb6では、処理回路151に備えられるカウンタ155の計数値Nを零にリセットする。ステップb7では、金種識別手段67によって硬貨Qを検出しているかどうかを判断し、硬貨Qが検出されていれば、ステップb8に移る。ステップb8では、カウンタ155の計数値Nを、1だけインクリメントし、ステップb9では、予め定める枚数K以上であるかを判断し、硬貨Qの枚数が、前記値K以上であれば、ステップb10に移り、収納貯蔵手段64のモータMR1を、矢符81の逆方向に予め定める角度である所定量だけ逆回転駆動する。これによって回転テーブル75に収納されて貯留された硬貨Qが隆起部78および突起79の働きによって、均等な高さに堆積されることになり、たとえば貯蔵入口62付近に多量の硬貨Qが堆積してしまうことがなくなる。その後、ステップb11では、計数値Nを零にリセットし、ステップb7に戻る。こうして硬貨投入手段66に投入された硬貨Qは、金種識別手段67でその金種が識別された後、第1振分け機構71から分岐搬送経路94を経て第2振分け機構72から貯蔵入口62を経て回転テーブル75上に供給されることになる。金種識別手段67によって検出された各硬貨Qの金種は、メモリM1で、各金種毎の枚数が計数されてストアされる。
【0038】
ステップb7において金種識別手段67によって硬貨Qが検出されていないものと判断されると、次のステップb12に移り、金種識別手段67によって次に検出されるべき硬貨突入時間間隔が、予め定める所定時間W1以上であるかが、タイマ153で計測される。この時間W1は、たとえば1秒であってもよい。
【0039】
硬貨突入時間間隔が、時間W1を超えて長いとき、ステップb13に移り、硬貨投入手段66のモータMR4を停止し、その後、矢符138の逆方向に逆回転し、これによって投入回転テーブル131内の硬貨Qが隆起部157と突起158とによって移動され、回転テーブル131上に堆積された硬貨Qの山を崩し、また引っ掛り等によって硬貨投入手段66内に残存し供給されなかった硬貨Qが投入搬送経路139に供給されることが可能になる。
【0040】
こうしてステップb14では、モータMR4が停止され、矢符138方向に投入回転テーブル131が正回転され、投入された硬貨Qが投入搬送経路139に供給される。ステップb15において、ステップb12と同様、金種識別手段67によって次に検出されるべき硬貨突入時間間隔が予め定める所定時間W2以上であるか計測される。硬貨突入時間間隔が時間W2を超えて長いときステップb16に移る。ステップb16では、投入された硬貨Qが存在しないと判断し、モータMR4が停止され、また次のステップb17では、モータMR1が停止される。こうして硬貨投入手段66からの硬貨Qは、収納貯蔵手段64に収納されて貯蔵され各金種毎の枚数がメモリM1にストアされることになる。また本実施例では第1振分け機構72を図4示されるように下方に変位した状態で固定としている。しかし、金種識別手段67の出力とメモリM2にストアされた準備金貯蔵空間96に貯蔵されている現在の硬貨Qの金種毎の枚数より第1振分け機構72を制御し、硬貨投入手段66に投入された硬貨Qを直接、準備金貯蔵手段68に導くことも考えられる。この第1振分け機構72の動作は後述する払出し準備金補充動作と同様とすればよい。これにより効率よく準備金を準備金貯蔵手段68に貯蔵することができ、処理を迅速化することができる。
【0041】
図11は、準備金貯蔵手段68の準備金貯蔵空間96に予め定める準備金を貯蔵して補充するための動作を説明するためのフローチャートである。このとき硬貨投入手段66のモータMR4は停止しており、ソレノイドSL3の働きによってストッパ手段123の停止片124は下降し、硬貨Qを停止した状態となっている。ステップc1において、第2振分け機構72では、硬貨Qを収納貯蔵手段64の貯蔵入口62に導くように、振分け板118が電磁ソレノイドSL2によって角変位されている。ステップc2では、モータMR2が回転駆動されて搬送手段65の環状板98が搬送方向92に回転駆動される。ステップc3では、収納貯蔵手段64のモータMR1によって回転テーブル75が矢符81のように正転駆動される。こうして環状板98が搬送方向92に回転する動作が安定した状態で、収納貯蔵手段64の貯蔵出口63から硬貨Qが1枚ずつ共通搬送経路93に供給される。ステップc4では、金種識別手段67によって硬貨Qの金種が識別判定される。ステップc5において準備金貯蔵空間96に貯蔵するために補充されるように選択された硬貨Qの金種であることが判断されると、ステップc8で、その硬貨Qの搬送方向92の前端、すなわち搬送方向下流側の端部を検出する。そこでステップc9では、硬貨Qの前端の検出に応じて第1振分け機構71の振分け板107を上昇して、硬貨Qを補助搬送経路95に導く状態とする。準備金貯蔵空間96に、予め定める金種毎の硬貨Qが貯蔵された後には、ステップc10においてその準備金貯蔵空間96に硬貨Qを補助すべき動作を終了したものと判断し、次のステップc11に移る。準備金貯蔵空間96に硬貨Qを貯蔵すべきときには、ステップc10からステップc4に戻る。
【0042】
前述のステップc5において、準備金貯蔵空間96に補充して貯蔵すべき硬貨Qの金種ではないことが判断されると、ステップc6では金種識別手段67によってその硬貨Qの前端、すなわち搬送方向92の下流側の端部を検出し、その後、ステップc7では、第1振分け機構71において、振分け板107を下降して、これによって硬貨Qは分岐搬送経路94に導かれ、第2振分け機構72を経て貯蔵入口62から収納貯蔵手段64の回転テーブル75上に供給される。
【0043】
ステップc11では、準備金貯蔵空間96に、予め定める金種毎の硬貨Qの枚数が貯蔵されて、準備金が確保された後、第1振分け機構71では、振分け板107を図4に示されるように下降して、硬貨Qを分岐搬送経路94に導く状態とする。その後、ステップc12では、モータMR1を停止し、回転テーブル75を停止する。ステップc13では、モータMR1を、所定時間W3だけ矢符81の逆方向に回転して、回転テーブル75上に堆積された硬貨Qの山を崩すとともに、貯蔵出口63付近に滞留する硬貨Qが不用意に出口63から搬送経路91に出ていかないように回転テーブル75の内側方向に戻す。ステップc14では、モータMR1を停止する。
【0044】
図12は、処理回路151の釣銭を排出口69に払出して排出する動作を説明するためのフローチャートである。図12において、処理回路151では、釣銭の払出し指令信号を発生し、これによってステップd1では、その払出し指令によって、ステップd2以降の動作を行う。このとき、モータMR4は停止したままであって、投入回転テーブル131は停止している。モータMR1は停止しており、回転テーブル75は停止している。さらにストッパ手段123の停止片124は、ソレノイドSL3の働きによって下降し、準備金貯蔵空間96の硬貨Qを停止したままとしている。
【0045】
ステップd2では、第2振分け機構72において、電磁ソレノイドSL2の働きによって振分け板118は図8および図3の仮想線のようになっており、分岐搬送経路94の硬貨Qは、通路122から排出口69に導かれる状態となっている。
【0046】
ステップd3では、モータMR2によって環状板98が回転駆動される。ステップd4において、第1振分け機構71において振分け板107が上昇されて硬貨Qが補助搬送経路95に搬送される初期状態とされる。環状板98の回転が安定した後、ステップd5では、ストッパ手段123の停止片124が図5の矢符128のように上昇し、準備金貯蔵手段68における準備金貯蔵空間96の硬貨Qが環状板98によって搬送方向92に搬送される。
【0047】
ステップd6において硬貨有無センサ129によって払出される準備金の硬貨列の後端、すなわち搬送方向92の最も上流側に貯蔵された硬貨Qの端部が検出されたかが判断される。この硬貨列の後端の検出により準備金貯蔵空間96に貯蔵されていた硬貨Qがすべて搬送されたことを確認する。硬貨Qの後端が硬貨有無センサ129によって検出されていれば、次のステップd7においてストッパ手段123の停止片124が図5の実線で示されるように下降して、釣銭として排出口69に排出されず再度、搬送された硬貨Qを準備金貯蔵空間96に貯蔵し、準備金貯蔵空間96の硬貨Qを停止したままとする。
【0048】
ステップd8において金種識別手段67によって検出される硬貨突入時間間隔が予め定める時間W5以上経過したかどうかが判断される。この時間W5は、2秒であってもよい。金種識別手段67への硬貨突入時間間隔が前述の時間W5以上であれば、準備金貯蔵空間96に貯蔵された硬貨の搬送が終了したものと判断し、次のステップd9では、モータMR2を停止して環状板98を停止する。
【0049】
ステップd8において金種識別手段67への硬貨突入時間間隔が前記時間W5未満であれば、次のステップd10に移り、金種識別手段67によって金種の識別の判定が行われる。ステップd11において、釣銭の残額、すなわち釣銭の金額から排出口69にすでに払出して供給した釣銭の一部の金額を差し引いた釣銭の残額が演算される。この釣銭の残額が零であれば、ステップd8に移る。釣銭の残額が零でなければ、ステップd12に移り、その釣銭の残額を排出するために、釣銭のために選択された硬貨Qの金種が、金種識別手段67によって検出されたかどうかが判断される。釣銭に選択された金種であることが判断されると、ステップd13においてその硬貨Qの前端が検出され、ステップd14では、第1振分け機構によって振分け板107が図4に示されるように下降し、硬貨Qが分岐搬送経路94に搬送される状態とする。こうしてステップd15では、釣銭の残額が零になったかが判断され、零になっていれば、ステップd16において、第1振分け手段71の振分け板107を上昇し、硬貨Qを、補助搬送経路95に導く状態とする。
【0050】
ステップd12において、金種識別手段67によって検出された硬貨Qの金種は、釣銭の残額のために選択された金種ではないことが判断されると、次のステップd17に移り、その硬貨Qの前端を検知し、ステップd18では、第1振分け手段71の振分け板107を上昇して、硬貨Qを補助搬送経路95に導く。こうして準備金貯蔵空間96から供給される準備金の硬貨Qが、釣銭のために使用されないときには、再び補助搬送経路95を経て準備金貯蔵空間96に戻される。したがって準備金のために必要な各金種毎の硬貨Qを、準備金貯蔵空間に貯蔵する動作を迅速に行うことができ、収納貯蔵手段64の貯蔵出口63から供給される硬貨Qを金種識別して準備金貯蔵空間96に補充する動作を短時間に終了することができる。
【0051】
ステップd6において硬貨有無センサ129によって払出される準備金の硬貨列の後端がいまだ検出されていない場合であっても、ステップd20〜d28にて釣銭払出し動作が行われる。この払出し動作は前述のステップd10〜d18の動作と同様である。
【0052】
本発明は、以下の実施の形態が可能である。
硬貨投入手段からの硬貨の金種識別手段による出力に応答して釣銭を演算する釣銭演算手段を含み、制御手段は、釣銭演算手段の出力に応答し、準備金貯留手段からの硬貨が、釣銭金額だけ排出されるように、振分け手段を制御するようにしてもよい。
【0053】
この形態によれば、たとえばキャッシュレジスタなどにおいて、釣銭演算手段によって釣銭を演算し、その釣銭金額が達成されるように、準備金貯蔵手段からの硬貨を、金種識別手段によって識別し、振分け手段を動作させて排出口に排出する。こうして釣銭を迅速に排出口に排出することができるようになる。
【0054】
また準備金貯蔵手段には、予め定める前記組合せの硬貨が貯蔵され、その準備金を構成する全ての硬貨を、たとえば釣銭などとして排出口に排出するように構成してもよい。このような実施の形態では、金種識別手段は、準備金貯蔵手段からの硬貨の金種を識別する動作を行わず、制御手段は、釣銭などの排出時には、準備金貯蔵手段からの硬貨の全てを、排出口に排出する。これによって制御手段の構成の簡略化を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、準備金貯蔵手段には、硬貨の金種と各金種毎の枚数との予め定める組合せである準備金を貯蔵しておくので、たとえば釣銭などの予め定める1または複数種類の金額を、その組合せを構成する硬貨を用いて、迅速に達成することができる。これによって、前記予め定める金額を構成する硬貨の排出を素早く行うことができるようになる。
【0056】
本発明によれば、収納貯蔵手段に収納されて貯蔵されている硬貨を用いて、準備金貯蔵手段に選択的に供給し、これによって準備金を構成する硬貨を、自動的に得ることができる。
【0057】
本発明によれば、振分け手段はカウンタの出力に基づいて投入される硬貨を準備金として準備金貯蔵手段に振分け、また準備金が足りているのであれば収納するために収納貯蔵手段に振分ける。したがって準備金を準備するための処理の効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の硬貨処理装置61の簡略化した平面図である。
【図2】収納貯蔵手段64の簡略化した断面図である。
【図3】振分け手段73の簡略化した斜視図である。
【図4】振分け手段73を簡略化して示す周方向展開図である。
【図5】準備金貯蔵手段68の一部を簡略化して示す斜視図である。
【図6】硬貨投入手段66の簡略化した断面図である。
【図7】共通搬送経路93と投入搬送経路139とが接続される接続位置付近の簡略化した平面図である。
【図8】図1〜図7に示される本発明の実施の形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】図8の処理回路151の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】処理回路151の入金動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】準備金貯蔵手段68の準備金貯蔵空間96に予め定める準備金を硬貨で貯蔵して補充するための動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】処理回路151の釣銭を排出口69に払出して排出する動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
61 硬貨処理装置
62 貯蔵入口
63 貯蔵出口
64 収納貯蔵手段
65 搬送手段
66 硬貨投入手段
67 金種識別手段
68 準備金貯蔵手段
69 排出口
71 第1振分け機構
72 第2振分け機構
73 振分け手段
75 回転テーブル
88 収納駆動源
91 搬送経路
92 搬送方向
93 共通搬送経路
94 分岐搬送経路
95 補助搬送経路
96 準備金貯蔵空間
97 移動面
98 環状板
102 搬送駆動源
107 振分け板
117 振分け駆動源
118 振分け板
123 ストッパ手段
124 停止片
129 硬貨有無センサ
131 投入回転テーブル
141,142 接触片
146 偏位搬送経路
147 ばね部材
151 処理回路
152 ホストコンピュータ
153 タイマ
155 カウンタ
MR1〜MR4 モータ
SL1〜SL3 電磁ソレノイド

Claims (3)

  1. 硬貨の金種と各金種毎の枚数との予め定める組合せである準備金を貯蔵する準備金貯蔵手段と、
    複数種類の硬貨を混合状態で貯蔵する収納貯蔵手段であって、
    硬貨が供給される1つの貯蔵入口と、前記混合状態で貯蔵される硬貨のうちから硬貨を1枚ずつ排出する1つの貯蔵出口とを有する収納貯蔵手段と、
    前記貯蔵出口から排出された硬貨の金種を識別する金種識別手段と、
    金種識別手段の識別結果を表す出力に応答して、収納貯蔵手段からの硬貨を選択的に準備金貯蔵手段に振分けると共に、準備金貯蔵手段からの硬貨を選択的に排出する振分け手段とを含むことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 外部から投入される硬貨を装置内に供給する硬貨投入手段を含み、
    収納貯蔵手段および準備金貯蔵手段に貯蔵される硬貨の各金種毎の枚数を計数するカウンタと、
    カウンタの出力に応答し振分け手段は、準備金貯蔵手段または収納貯蔵手段に投入される硬貨を振分けることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
  3. 複数種類の硬貨を混合状態で貯蔵する収納貯蔵手段であって、
    硬貨が供給される1つの貯蔵入口と、
    硬貨を1枚ずつ排出する1つの貯蔵出口とを有する収納貯蔵手段と、
    硬貨を貯蔵出口から貯蔵入口に搬送する搬送経路と、搬送経路の途中から貯蔵出口に硬貨を搬送する補助搬送経路とを有する循環搬送手段と、
    搬送経路の途中に設けられ、搬送される硬貨の種類を識別する金種識別手段と、
    金種識別手段よりも搬送方向上流側に設けられ、外部から投入される硬貨を搬送経路に供給する硬貨投入手段と、
    補助搬送経路の少なくとも一部分に形成され、準備金を貯蔵する準備金貯蔵空間を有する準備金貯蔵手段と、
    搬送経路の金種識別手段よりも搬送方向下流側に設けられ、金種が識別された硬貨を、収納貯蔵手段に導き、または準備金貯蔵手段に導き、または排出する振分け手段と、
    硬貨処理装置を、入金モード、払出しモードおよび準備金補充モードのいずれかの動作モードで制御する制御手段であって、
    入金モード時には、硬貨投入手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって各貯蔵手段または排出口に選択的に導き、
    払出しモード時には準備金貯蔵手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって準備金貯蔵手段または排出口に選択的に導き、
    準備金補充モード時には収納貯蔵手段の硬貨を搬送し、振分け手段によって各貯蔵手段に選択的に導く制御手段とを含むことを特徴とする硬貨処理装置。
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