JP4044170B2 - 伝達機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、平板上に載置された走行体の走行に用いられるギヤ伝達機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図6に示すような走行体3を平板上で移動させるための駆動力の伝達機構が知られている(特開平5−270397号公報等参照)。このような機構では、平板状の走行板1の上に、複数の縦ラック条2a…が所定間隔をおいて配設されることにより縦ラック2が形成されている。
【0003】
この縦ラック2の縦ラック条2aには、図中右上拡大図に示すように、各々横方向への走行体3の移動時に、横スプロケット4,4と噛み合う複数の横ラック歯5a…を所定間隔をおいて設けた横ラック5が、形成されている。
【0004】
また、走行体3は、金属板で平面略長ロ字状に形成された走行体本体3aに、走行車輪6…が左右に4輪づつ回転自在となるように軸支されている。
【0005】
この走行車輪6…には、各々前記縦ラック条2aと噛み合う係合溝6a…が、90度ごとに設けられている。この係合溝6a,6a間には、樽状ベアリング6bが回転軸ピンによって横移動方向へ回転自在となるように軸支されていて、前記走行板1の上面部1aに当接することにより、前記走行体本体3aを支持するように構成されている。
【0006】
このように構成された従来の走行体の駆動機構では、駆動モータ7,8の回転駆動により、各減速ギヤ9〜11を介して、前記横スプロケット4,4又は走行車輪6…が、前記横ラック歯5a及び縦ラック条2aと噛み合いながら各々回転駆動して、走行体3を縦,横方向或いは、両方向の移動を同時に行うことにより、斜め方向へ移動可能となるように構成されている。
【0007】
例えば、縦ラック条2aに、係合溝6aを噛み合わせながら縦方向に進行する際、前記スプロケット4の歯が、略鉛直方向へ起立した端面5b,5bを有する横ラック歯5a,5a間をすり抜ける。
【0008】
このため、スプロケット4の歯をこれらの横ラック歯5aに噛み合わせて確動性を確保しつつ、縦方向への進行の妨げとなる摺動抵抗を削減させるために、前記走行車輪6に、樽状ベアリング6bが、回転軸ピンを介して、回動自在となるように設けられて、所定のクリアランスが、走行板1の上面部1aと走行体本体3aとの間に常に形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のものでは、所定のクリアランスを走行板1の上面部1aと走行体本体3aとの間に常に形成されなければならないので、樽状ベアリング6bを走行車輪6に複数設けると共に、位相差の異なる複数の走行車輪6,6を設けなければならない。
【0010】
このため、部品点数が増大すると共に、走行車輪6を小型化する場合、樽状ベアリング6b…を回転軸ピンを用いて組み付けることは困難であった。
【0011】
そこで、この発明は、簡易な構成で、走行体と、走行板との間のクリアランスを常に一定に保つことができる伝達機構を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のものでは、略平板状の走行板上に載置されて、回転駆動する歯車の駆動力を、該走行板上に、等間隔で形成されたラックに噛み合わせて伝達することにより、該走行板上を移動走行する走行体を有する伝達機構であって、
前記歯車は、インボリュート曲線を有して、前記ラックに常に噛み合わせ率が、1以上で支持されて構成される伝達機構を特徴としている。
【0013】
このように構成された請求項1記載のものでは、回転駆動される歯車には、インボリュート曲線が用いられているので、噛み合わせ率は、常に一以上保持される。
【0014】
このため、歯車軸と、走行板との間の距離は、常に一定に保たれて、該歯車軸を設けた走行体と、走行板との間のクリアランスを常に一定に保つことができる。
【0015】
従って、従来のように、樽状ベアリングを複数設ける必要がないと共に、走行車輪数も駆動する歯車と兼ねられているので、減少させることができる。
【0016】
よって、簡易な構成で、部品点数の増大を抑制し、組付け及び小型化を容易に行うことができるので、製造コストを削減することができる。
【0017】
また、請求項2に記載されたものでは、前記ラックを相互に歯先を共有して、略直交する二方向へ形成すると共に、前記走行体には、各ラックに噛み合うインボリュート歯車を有する走行車輪を少なくとも一つづつ設けた請求項1記載の伝達機構を特徴としている。
【0018】
このように構成された請求項2記載のものでは、各走行車輪が回転駆動することにより、前記走行体が、略直交する二方向へ移動する。この際、異なる方向の噛み合うラック及びインボリュート歯車間は、点接触しているので、摺接による動力損失は少ない。
【0019】
そして、請求項3に記載されたものでは、前記ラックは、平板状に前記歯車を創成する際に用いられるラックカッタと略同一形状のラック歯を略直交する二方向へ延設することにより構成される各請求項1,2記載の伝達機構を特徴としている。
【0020】
このように構成された請求項3記載のものでは、ラックが歯車創成時に用いられたラックカッタと略同一形状を呈しているので、確実に両歯面接触する。
【0021】
このため、更に軸との距離が一定に保たれ、走行体の上下方向への振動を抑制することができる。
【0022】
また、ラックカッタと略同一形状であるので、ラックを平板上に形成しやすい。このため、二方向に略直交する複雑な形状であっても、比較的容易に形成できる。
【0023】
【発明の実施の形態1】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1乃至図5は、この発明の実施の形態1の構成を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【0025】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1の伝達機構では、略平板状の走行板12上に、走行体14が載置されている。
【0026】
このうち、走行板12には、図5に示すように、上面部12aの上に、複数の略四角錐形状で、しかも、歯先面13aを略平面とするラック歯13…が等間隔をおいて、格子状に整列されることにより、縦横のラックが、相互に歯先を共有して、略直交する二方向へ向けて形成されている。
【0027】
このラック歯13の各側面13bは、図4に示すように鉛直方向から所定角度α1(この実施の形態1では20度)傾斜するように形成されている。
【0028】
そして、前記ラック歯13は、インボリュート歯車を創成する際に所定角度α1(この実施の形態1では20度)傾斜して、創成されるインボリュート曲線を圧力角α=20度とするラックカッタの形状と略同一形状として、略直交する二方向へ延設することにより構成されている。
【0029】
また、前記走行体14は、略四方形板状の走行体本体14aに、二対の軸受け部材15,16及び17,18が、略直交する位置に各辺に沿って一体となるように固着されている。これらの軸受け部材15〜18には、ベアリング21…を介在させて、相互に略直交する方向へ延設される回転シャフト22,23が、回動自在となるように挿通されている。
【0030】
この回転シャフト22,23の両端には、歯車としての走行車輪24,24及び25,25が各々設けられている。
【0031】
この走行車輪24,25の外周面には、インボリュート曲線を有するインボリュート歯24a…,及び25a…が、各々16枚及び22枚づつ形成されている。
【0032】
この実施の形態1のインボリュート歯24aとインボリュート歯25aとは、共に、同一ピッチ(p=2.51)で形成されている。そして、この実施の形態1のインボリュート歯24aとインボリュート歯25aとは、前記走行板12に形成されたラック歯13…と略同一形状のラックカッタによって創成されている。
【0033】
また、前記走行体14では、各ラックに噛み合うインボリュート歯車を有する走行車輪を少なくとも各々一対設けた前記軸受け部材15,17には、モータマウント部15a及び17aが形成されていて、このモータマウント部15a及び17aには、駆動手段としての駆動モータ19,20が配設されている。
【0034】
この駆動モータ19,20の回転軸には、ピニオンギヤ26,27が設けられている。このピニオンギヤ26,27は、前記軸受け部材15,17に回動自在に軸支される減速ギヤ28,29の大径ギヤ28a,29aに各々噛み合わせられている。
【0035】
この減速ギヤ28,29には、小径ピニオン部28b,29bが一体に形成されていて、この小径ピニオン部28b,29bが、前記走行車輪24,25のインボリュート歯24a,25aに、各々噛み合わせられていて、前記走行車輪24,25に回転駆動力を減速して伝達するように構成されている。
【0036】
また、この実施の形態1では、走行体本体14aの裏面側14bは、前記ラック歯13の歯先面13a…から所定距離a離間するように、構成されている。
【0037】
また、前記インボリュート歯24a,25aの歯幅b又は、歯幅cが、各々少なくとも隣接する前記ラック歯13,13間に跨る幅を有して構成されている。
【0038】
次に、一般的なインボリュート歯車の性質を用いて、かみ合い率により、走行体14の回転シャフト22,23位置が、走行板12から一定距離に保たれる原理について説明する。
【0039】
ラックであるラック歯13とピニオンである走行車輪24のインボリュート歯24aとが噛み合う場合の噛み合いの範囲は、インボリュート歯24aに切り下げがないとすれば、図4に示すように、作用線とインボリュート歯24aの歯先及びラック背である側面13bの歯先とが交わる点Pk−Plであり、その長さは、下記式1で表される。
【0040】
【数1】
従って、噛み合い率εは、下記式2で与えられる。
【0041】
【数2】
歯数20枚では、ε=1.76、40枚ではε=1.85を得て、機構学的にラック歯13が形成される走行板12と、走行車輪24,25の軸である回転シャフト22,23との間が、一点以上で常に支持されていることがわかる。
【0042】
なお、図中二点差線で示すように、インボリュート歯車では、歯面が両面であるため、両端面噛み合いとなり、作用線が、対称位置に一対存在する。
【0043】
次に、略直交する方向へ移動する場合に発生する動力損失が、ラック歯13とピニオンである走行車輪24のインボリュート歯24aとの間に発生する歯筋方向の摺動抵抗であることに着目して、2次元移動の可能性について洞察する。
【0044】
図4に示すように、この実施の形態1では、作用点に駆動力の他に、走行体14の重量に基づく重力wが加わる。
【0045】
この重力wによって、一歯分の噛み合いに対して作用線上の全領域に渡り、摩擦損失が増大して生じる。
【0046】
特に、前記駆動モータ19,20を同時に回転駆動して、前記前記走行車輪24,25を同時に回動し、走行体14を斜行させる場合には、歯筋方向の摩擦損失が互いに生じる。
【0047】
駆動のための法線力は、重力と比べて小さいとすれば、回転方向と歯筋方向との移動についての摩擦損失WR,WAは、各々下記式3で表される。
【0048】
【数3】
ここで、μ:接触面の摩擦係数、rb:ピニオンの基礎円半径、g1,g2:近寄り、遠のき噛み合い長さ、α:圧力角を表し、両軸の噛み合いの条件は同一とする。両者の比は、下記式4で示される。
【0049】
【数4】
いま、歯数をz=16、α=20度としてWA/WRは、1.6に近似し、斜行によって、増加する摩擦損失は、許容しえるものと考えられる。
【0050】
但し、経験的には、滑り始める摩擦角は、例えば18度と35度、正弦比は1.8となって論理式とは異なる値を示している。
【0051】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0052】
まず、前記駆動モータ19,20を回転駆動させると、この駆動モータ19,20の回転駆動力は、ピニオンギヤ26,27、減速ギヤ28,29を介して、回転シャフト22,23の両側に、設けられた走行車輪24,24及び25,25を回転駆動する。
【0053】
この走行車輪24,25のインボリュート歯24a,25aが、駆動力を、前記ラック歯13に噛み合わせて伝達することにより、この走行板12上を、縦,横或いは、これらの縦横の動きを組み合わせて、斜め方向に、前記走行体14を移動走行させることができる。
【0054】
回転駆動されるインボリュート歯24a,25aには、インボリュート曲線が用いられているので、噛み合わせ率は、常に1以上保持される。
【0055】
しかも、インボリュート歯車では、歯面が両面であるため、両端面噛み合いとなり、作用線が対称位置に一対存在する。このため、バックラッシュの無い状態で、噛み合わせ率は2倍となり、走行体14が、常に2点以上で、安定して支持される。
【0056】
このため、歯車軸である回転シャフト22,23と、走行板12との間の距離は、常に一定に保たれて、回転シャフト22,23を回動自在に設けた走行体14と、走行板12との間のクリアランスを常に一定に保つことができる。
【0057】
従って、従来のように、樽状ベアリングを複数設ける必要がないと共に、走行車輪数も駆動する歯車と兼ねられているので、2組で済み、減少させることができる。
【0058】
よって、簡易な構成で、部品点数の増大を抑制し、組付け及び小型化を容易に行うことができるので、製造コストを削減することができる。
【0059】
また、各走行車輪24,24及び25,25が回転駆動することにより、前記走行体14が、略直交する二方向へ移動する。この際、異なる方向の噛み合うラック歯13及びインボリュート歯24a,25b間は、点接触しているので、摺接による動力損失は少ない。
【0060】
従って、上述したように斜行時はもちろん、歯筋方向に沿って移動する際の摺動抵抗が押さえられ、縦横方向へ2次元平面内を自在に走行移動できる。
【0061】
しかも、ラック歯13及びインボリュート歯24a,25b間にガタ付きがないので、回転角度に対する移動距離精度が更に向上する。
【0062】
また、走行体5が、前記走行板12の上面部12aから鉛直方向に略一定距離を常に保ちながら移動できるので、例えば、ラック歯13の歯先面13aに、走行体14の電源電極を接触させる場合であっても、所定のクリアランスが維持されているので、接触量(面積及び圧力)を略一定に保持する事ができる。このため、通電供給量を安定させることができる。
【0063】
更に、この実施の形態1では、同一ピッチで、歯枚数の異なる走行車輪24,25を用いているので、半径の大きさが異なる。このため、回転シャフト22,23の高さ位置を異ならせて、交差させることが出来、例えば、両側辺で、中央部を寸断した異なるシャフトを用いて、走行車輪24,24を各々回動支持するものに比して、部品点数の削減を行えると共に、一組の走行車輪24,24或は、走行車輪25,25に対して、駆動モータ19,20が各々一つづつで駆動力を与えることができる。従って、駆動力伝達効率が良好である。
【0064】
また、同一ピッチで走行車輪24,25のインボリュート歯車24a,25aが形成されているので、噛み合うラック歯13…のピッチも、縦,横二方向で、同一ピッチとすることができる。このため、製作が容易で、しかも、歯車創成に用いられるラックピッチと同ピッチとすることにより、更に製造コストの削減を行うことができる。
【0065】
そして、前記ラック歯13…が歯車創成時に用いられたラックカッタと略同一形状である圧力角α=20度の形状を呈しているので、確実に両歯面接触する。
【0066】
このため、更に、回転シャフト22,23と、走行板12との距離が一定に保たれ、走行体14の上下方向への振動を抑制することができる。
【0067】
また、ラック歯13…がラックカッタと略同一形状であるので、ラック歯13…を走行板12平板上に形成しやすい。このため、二方向に略直交する複雑な形状であっても、比較的容易に形成できる。
【0068】
しかも、この実施の形態1では、前記インボリュート歯24a,25aの歯幅b又は、歯幅cが、各々少なくとも隣接する前記ラック歯13,13間に跨る幅を有していると共に、走行体本体14aの両側辺部に一対設けられているので、軸角度がブレない。このため、これらの走行車輪24,25が、略直交する方向に移動する際の歯通りが良好である。
【0069】
以上、この発明の実施の形態1を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態1に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0070】
例えば、前記実施の形態1では、走行体14に2組の走行車輪24,24及び25,25を設けているが、特にこれに限らず、例えば、複数組の走行車輪を同一走行体本体14aの同一側辺に設けてもよい。
【0071】
また、前記実施の形態1では、同一ピッチで走行車輪24,25のインボリュート歯車24a,25aが形成されているが、特にこれに限らず、縦横方向に用いるインボリュート歯を、異なるピッチで、同一歯枚数或いは、異なるピッチで、異なる歯枚数のインボリュート歯としてもよい。
【0072】
更に、この実施の形態1では、走行体本体14aの裏面側14bは、前記ラック歯13の歯先面13a…から所定距離a離間するように、構成されているが、特にこれに限らず、裏面側14bを前記ラック歯13の歯先面13a…に摺接させるように構成して、更に走行体14の走行移動時の安定を増大させてもよい。
【0073】
また、この実施の形態1では、走行体本体14aのインボリュート歯24a,24a又は25a,25aの歯幅b又は、歯幅cが、隣接する前記ラック歯13,13間に跨る幅を有して構成されているが、特にこれに限らず、例えば、図2,3に示すように両インボリュート歯24a,24a間距離と略同じ大きさの歯幅A又は、両インボリュート歯25a,25a間距離と略同じ大きさの歯幅Bを有する略ローラー形状の走行車輪を走行体本体14aに設け、この走行車輪周面に、車輪全幅を有するインボリュート歯を形成する等、少なくとも、一つのラック歯13側面に、少なくとも一つのインボリュート歯が、常に接触するものであれば、どのような歯幅及び、軸方向に並べられる歯車数であってもよい。
【0074】
例えば、前記両インボリュート歯24a,24a間距離と略同じ大きさの歯幅A又は、両インボリュート歯25a,25a間距離と略同じ大きさの歯幅Bを有する略ローラー形状の走行車輪を走行体本体14aに設けた場合には、歯車数が、縦,横方向に一つづつで済み部品点数を更に削減することができると共に、走行体本体14aが安定して、回転シャフト22,23の軸角度がブレない。このため、これらの走行車輪24,25が、略直交する方向に移動する際の歯通りが、更に良好なものとなる。
【0075】
また、走行車輪24,24又は25,25の数量も、前記実施の形態1に限定されるものではなく、複数の回転シャフト22…又は回転シャフト23…を並列に設けて、これらの回転シャフト22…又は回転シャフト23…の両端部に走行車輪24…又は25…を各々4個以上設けるように構成してもよい。
【0076】
この場合、走行体本体14aが、更に安定することは言うまでもない。
【0077】
更に、回転シャフト22,22同士或いは回転シャフト23,23同士を同一駆動モータ19,或いは20で回転駆動させるようにギヤ等の伝達機構を用いて連結させてもよい。この場合、駆動モータ19,或いは20を回転シャフト毎に設ける必要がないので、部品点数の増大を抑制できる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項1記載のものによれば、回転駆動される歯車には、インボリュート曲線が用いられているので、噛み合わせ率は、常に一以上保持される。
【0079】
このため、歯車軸と、走行板との間の距離は、常に一定に保たれて、該歯車軸を設けた走行体と、走行板との間のクリアランスを常に一定に保つことができる。
【0080】
従って、従来のように、樽状ベアリングを複数設ける必要がないと共に、走行車輪数も駆動する歯車と兼ねられているので、減少させることができる。
【0081】
よって、簡易な構成で、部品点数の増大を抑制し、組付け及び小型化を容易に行うことができるので、製造コストを削減することができる。
【0082】
また、請求項2に記載されたものでは、各走行車輪が回転駆動することにより、前記走行体が、略直交する二方向へ移動する。この際、異なる方向の噛み合うラック及びインボリュート歯車間は、点接触しているので、摺接による動力損失は少ない。
【0083】
そして、請求項3に記載されたものでは、ラックが歯車創成時に用いられたラックカッタと略同一形状を呈しているので、確実に両歯面接触する。
【0084】
このため、更に軸との距離が一定に保たれ、走行体の上下方向への振動を抑制することができる。
【0085】
また、ラックカッタと略同一形状であるので、ラックを平板上に形成しやすい。このため、二方向に略直交する複雑な形状であっても、比較的容易に形成できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の伝達機構で、伝達機構を用いる走行体の上面図である。
【図2】実施の形態1の伝達機構で、伝達機構を用いる走行体の側面図である。
【図3】実施の形態1の伝達機構で、伝達機構を用いる走行体の正面図である。
【図4】実施の形態1の伝達機構で、要部のインボリュート歯車とラック歯との噛み合いを説明する側面図である。
【図5】実施の形態1の伝達機構で、ラック歯を形成した走行板の斜視図である。
【図6】従来例の伝達機構を用いた走行体の駆動機構を説明する斜視図である。
【符号の説明】
12 走行板
12a 上面部
13 ラック歯(ラック)
13a 歯先面
14 走行体
14a 走行体本体
22,23 回転シャフト(歯車軸)
24,25 走行車輪(インボリュート歯車)
24a,25a インボリュート歯
Claims (3)
- 略平板状の走行板上に載置されて、回転駆動する歯車の駆動力を、該走行板上に、等間隔で形成されたラックに噛み合わせて伝達することにより、該走行板上を移動走行する走行体を有する伝達機構であって、
前記歯車は、インボリュート曲線を有して、前記ラックに常に噛み合わせ率が、1以上で支持されて構成されることを特徴とする伝達機構。 - 前記ラックを相互に歯先を共有して、略直交する二方向へ形成すると共に、前記走行体には、各ラックに噛み合うインボリュート歯車を有する走行車輪を少なくとも一つづつ設けたことを特徴とする請求項1記載の伝達機構を特徴としている。
- 前記ラックは、平板状に前記歯車を創成する際に用いられるラックカッタと略同一形状のラック歯を略直交する二方向へ延設することにより構成されることを特徴とする各請求項1,2記載の伝達機構。
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