JP4043747B2 - 接触型起動スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動ドア装置等に使用される接触型起動スイッチに関し、特に、そのケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動ドア装置に使用される接触型起動スイッチは、自動ドア装置のドアパネルに取り付けられる。通行者が、接触型起動スイッチに接触することによって、ドアパネルが開閉動作する。
【0003】
この接触型起動スイッチとしては、種々のものが提案されている。例えば複数の接点スイッチが設けられた取付台に、カバーを自動復帰用のバネを介して取り付けたものがある。このカバーを通行者がバネの弾性力に抗って取付台側へ押し込むと、カバーが接点スイッチに接触して、接点スイッチが作動する。押し込む力を解除すると、バネの弾性力でカバーが自己復帰する。カバーが取付台から離脱せず、かつ上記の押し込み可能なように、カバーは、取付台にネジによって係止されている。さらに、取付台には、この接触型起動スイッチの電源となる電池を収容する電池収容部が設けられている。この電池収容部には、防水等のために電池カバーが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成した接触型起動スイッチでは、カバー、自己復帰用のバネ、電池用カバーのように多くの部品が必要である。しかも、これら部品を一々取り付けなければならず、その取付作業が面倒である。また、ネジ止めも必要であって、そのためにドライバーを使用しなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による接触型起動スイッチは、取付台の前面に複数のスイッチ接点を有している。取付台としては、例えば細長い前面を有するものを使用することができる。この場合、スイッチ接点は、例えば取付台の長さ方向に間隔をおいて配置される。前記取付台の前面側に設けた外カバーを前記取付台側に押し込み操作することによって前記スイッチ接点が作動する。外カバーとしては、例えば前記取付台の前面を覆うものが望ましい。更に、内カバーが設けられている。内カバーは、外カバーと取付台の前面との間に設けられる。内カバーには、前記外カバーの前記取付台の前面側への変位を前記スイッチ接点に伝達する複数の押し込み片が一体に形成されている。押し込み片は、各スイッチ接点に対応して設けることが望ましい。この内カバーは、取付台の前面に係脱可能に設けられている。例えば、取付台に係止手段を設け、この係止手段に係合可能な第1の係合手段を内カバーに設けることができる。外カバーは、取付台の全周囲を被い、かつ外カバーの一端側の内面に、取付台の一端側に向かう係止部材を有している。取付台は、それの一端側に、係止部材上へ進出して外カバーの取付台から離れる方向への移動を阻止する第1の状態と、取付台上に後退して、係止部材と非接触の第2の状態との間を移動するように設けられた係止フックを有している。更に、取付台は、この係止フックを第1の状態に維持するように取付台に設けた弾性手段も、有している。外カバーは、係止フックを第1の状態から第2の状態へ移行させる工具の挿通用の孔を外カバーの一端側に有有している。なお、取付台には、この接触型起動スイッチの動作電源となる電池の収容部を設けることもできる。この場合、内カバーが電池収容部のカバーとしても機能し、別途に電池カバーを設ける必要はない。
【0006】
このように構成された接触型起動スイッチでは、使用される部品は、取付台、内カバー及び外カバーだけであり、部品点数が少なく、製造が容易である。しかも、内カバーは取付台に係脱可能に設けられ、外カバーも取付台に係脱可能に設けられている。従って、内カバー及び外カバーの取付台への取付には、ネジ等が不要であり、比較的簡単に内カバー及び外カバーの取付、取り外しを行うことができ、ネジを螺合させるためのドライバのような工具も不要である。
【0007】
前記取付台の前面に、この接触型起動スイッチの動作電源となる電池の電池収容部を設けることができる。この場合、前記内カバーには、前記電池収容部に対応して電池交換用の開口を形成する。
【0008】
このように構成すれば、外カバーだけを外せば、内カバーの開口を介して電池を交換することができ、電池の交換のためだけに、内カバーを外す必要がなく、電池の交換作業が容易に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態の接触型起動スイッチは、図1に示すように、取付台2、内カバー4及び外カバー6を有している。
【0010】
取付台2は、例えば合成樹脂製であり、図2に示すように細長い平板状部2aを有している。図1に示すように、取付台2は、その両長手縁に沿って平板状部2aに対してほぼ垂直に立ち上がった側壁2b、2cを有している。これら側壁2b、2cは、その両端部付近における奥行き寸法が、その中途付近における奥行き寸法よりも大きく形成されている。平板状部2aの両端部には、それぞれ端壁2d、2eが、平板状部2aに対して垂直に同じ奥行き寸法だけ立ち上がっている。図4、図5に示すように、端壁2eの先端から平板状部2aの前方に、これに平行に一部だけ前壁2fが形成され、連結壁2gによって平板状部2aに結合されている。この前壁2f、平板状部2aの一部、側壁2b、2cの一部、連結壁2g及び端壁2eによって空間2hが形成されている。この空間2hは、端壁2e側に形成された開口2iによって、外部と連通している。この空間2hについては、後述する。
【0011】
平板状部2aの長さ方向の中途には、電池収容部8が形成されている。符号8a、8aで示すのが、その電極であり、符号8b、8bで示すのが、電極8a、8aの保持用の壁体である。
【0012】
この取付台2の前面、即ち、平板状部2aの前面には、その長さ方向に沿って概略矩形のプリント基板10が配置されている。このプリント基板10の両端部付近、即ち取付台2の長さ方向に間隔をおいて、複数、例えば2つの接点スイッチ14、14が取り付けられている。プリント基板10上には、接点スイッチ14、14の他に、図示していないが、接点スイッチ14、14のいずれかが閉成されたとき、図示しない起動信号をコントローラに送信する受信機に信号を送信するための回路が形成されている。なお、符号16、16で示すのは、取付台2、プリント基板10を、ドアパネルの枠体に取り付けるための取付孔である。
【0013】
内カバー4も、合成樹脂製で、前面壁4aを有している。前面壁4aは、取付台2とほぼ同じ長さ寸法及び幅寸法を有し、両端部が傾斜した板状体に形成されている。この前面壁4aの両側縁に、その長さ方向に沿って、前面壁4aとほぼ垂直に側壁4b、4cが形成されている。側壁4b、4cは、取付台2の側壁2b、2cとは逆に、両端部の奥行き寸法が短くされ、中途の奥行き寸法が長くされている。また、前面壁4aの両端部には、これとほぼ垂直に端壁4d、4eが形成されている。この内カバー4は、図3、図4に示すように、それらの側壁4b、4cが取付台2の側壁2b、2cの先端に接触し、端壁4d、4eが取付台2の端壁2d、2eの先端に接触するように、配置されている。即ち、取付台2の前面を覆うように配置されている。この状態において、内カバー4の前面壁4aと、取付台2の平板状部2aとが、ほぼ平行になるように側壁4b、4cの端壁付近の奥行き寸法、同中途の奥行き寸法、端壁4d、4eの奥行き寸法が選択されている。
【0014】
この内カバー4の前面壁4aには、押し込み片18、18が形成されている。これら押し込み片18、18は、内カバー4を取付台2の前面に取り付けた状態において、接点スイッチ14、14に対応する位置に設けられている。即ち、接点スイッチ14、14の前方に、押し込み片18、18の円板状の頭部18a、18aが位置し、これから取付台2の長さ方向に沿って首部18b、18bが伸延している。これら押し込み片18、18は、前面壁4aを切り込むことによって形成されており、前面壁4aと同じ奥行き位置に位置している。前面壁4aが合成樹脂製であるので、押し込み片18、18は弾性を有し、頭部18a、18aに力を加えて、接点スイッチ14、14側に押し込んだ後、その力を抜くと、元の状態に復帰する。図2に示すように、頭部18a、18aの内面には、頭部18a、18aが押し込まれたとき、接点スイッチ14、14に接触する小円柱状のピン18c、18cが、一体に形成されている。
【0015】
また、内カバー4が取付台2の前面を覆った状態において、電極保持壁8b、8bの外側において、これら保持壁8b、8bに接触するように、内カバー4の内面の中央部には長さ方向に間隔をあけて、補強壁20、20が一体に形成されている。補強壁20、20の先端は、電極保持壁8b、8bへの接触を容易にするために、テーパー状とされている。内カバー4を取付台2の前面に取り付けた状態において、電極保持壁8b、8bの先端は、内カバー4の前面壁4aの内面に接触している。
【0016】
この内カバー4を取付台2に係脱可能に取り付けるために、内カバー4と取付台2とに係脱手段が設けられている。例えば、内カバー4の側壁4b、4cの長さ方向の中間部には、内カバー4の内側に向かって窪んだ係止凹所22が形成されている。この係止凹所22には、内カバー4の長さ方向に間隔をあけて、複数個、例えば3つの係止突部24が形成されている。これら係止突部24は、側壁4b、4cよりも外方には突出しないように、その突出量が設定されている。
【0017】
内カバー4を取付台2の前面に取り付けた状態において、係止凹所22に対応する取付台2の側壁2b、2cの位置には、係止片26、26が平板状部2aにほぼ垂直に立ち上がっている。この立ち上がり量は、この係止片26が係止凹所22内に収容される量に設定されている。これら係止片26、26には、各係止突部24、24に対応するように、係止孔28、28が3つずつ形成されている。これら係止孔28は、係止突部24、24が侵入可能な大きさに形成されている。
【0018】
従って、内カバー4を取付台2に取り付けるために、取付台2の前面の前方から内カバー4を取付台2に向けて接近させると、係止突部24、24が係止片26、26に接触し、これらが係止片26、26を外方に撓ませながら、取付台2に近づき、やがて係止突部24、24は、係止孔28、28に係合する。この係合状態では、係止片26、26は、その弾性によって元の位置に復帰している。例えば係止片26、26を幾分外方に引っ張れば、係止突部24、24が係止孔28、28から離脱し、内カバー4を取付台2から外すことができる。
【0019】
このように、内カバー4は、取付台2に対して係脱自在であり、しかも、その取付には、ネジ等が一切使用されてなく、比較的容易に取付、取り外しが行える。なお、内カバー4を取付台2に取り付けた状態では、前面壁4aのうち補強壁20、20間の部分が、電池収容部の前方にあり、電池カバーとしても機能しており、別途に電池カバーを設ける必要はない。
【0020】
外カバー6も合成樹脂製であり、前面壁6aを有している。この前面壁6aは、取付台2の平板状部2aよりも一回り長さ寸法及び幅寸法が大きく、その両端部が共に傾斜した板状体に形成されている。この前面壁6aの両側縁に、その長さ方向に沿って側壁6b、6cが前面壁6aにほぼ垂直に形成されている。前面壁6aの両端縁に、端壁6d、6eが前面壁6aにほぼ垂直に形成されている。図3に示すように、外カバー6の前面壁6aの内面が、取付台2に取り付けられた内カバー4の前面壁4aの外面に接触している状態において、取付台2の板状部2a付近に外カバー6の側壁6b、6c及び端壁6d、6eの先端が位置するように、外カバー6の側壁6b、6c及び端壁6d、6eの奥行き寸法が選択されている。また、外カバー6の側壁6b、6c、端壁6d、6eは、取付台2の側壁2b、2c、端壁6d、6e、内カバー4の側壁4b、4c、端壁4d、4eと若干の隙間を有して位置している。図2に示すように、前面壁6aの内面には、押し込み片18、18の頭部18a、18aに対応して、小円板状の押し込み突部30、30が形成されている。これらは、外カバー6が取付台2側に押し込まれたときに、押し込み片18、18の頭部18a、18aに接触して、頭部18a、18aを取付台2側に撓ませるためのものである。
【0021】
端壁6dの後端には、取付台2側を向いた短い後面壁6fが取付台2にほぼ平行に形成されている。取付台2の取り付けた内カバー4の前面壁4aの外面が外カバー6の前面壁6aの内面に接触している状態で、この後面壁6fの先端が取付台2の端壁2dの外面にほぼ接触するように突出している。この後面壁6fよりも若干前方にある端壁2dの位置から突起部32が、取付台2の外方に向かって突出している。従って、端壁6d側が前方に移動しても、後面壁6fが突起部32に接触し、それ以上に外カバー6が前方に移動することを防止している。
【0022】
また、端壁6eの後端にも、取付台2側を向いた短い後面壁6gが取付台2にほぼ平行に形成されている。この後面壁6gの先端は、図4に示すように、取付台2の端壁2eの外面側に接近している。
【0023】
例えば、この後面壁6gを用いて、取付台2に外カバー6を係脱可能にかつ遊嵌状態に取り付けるため、上述した取付台2の空間2hには、係止フック34が設けられている。この係止フック34は、図5に示すように中央部がくり抜かれた平板状部34aを有し、そのくりぬき部分には、平板状部34aと一体に形成された弾性部材、例えばバネ部材34bが配置されている。このバネ部材34bには、バネ止め34cが形成され、これが前壁2fに挿通されている。このバネ部材34bは、平板状部34aを端壁4e側に押し出す付勢力を平板状部34aに与えており、平板状部34aのテーパー面に形成された係合部34dが開口2iを介して後面壁6gの内面に接触して、係合している。この係合状態では、外カバー6を前方に移動させようとしても、後面壁6gが係合部34dに接触しているので、外カバー6が前方に移動することはない。なお、この係合状態を解除する場合、端壁6eに形成した係止解除孔36から適当な工具を外カバー6内に挿入し、係合部34dを空間2g内に後退させれば、係合部34dの後面壁6gへの係合状態を解除でき、外カバー6を取付台2から取り外すことができる。
【0024】
このように、外カバー6の取付台2への取付にも、ネジ等が使用されていないので、取付が容易に行えるし、ネジをまわすための工具も不要である。
【0025】
このように構成された接触型起動スイッチでは、外カバー6のいずれかの箇所に通行者が接触して、取付台2側に外カバー6を押すと、外カバー6の押し込み突部30、30のいずれかが、対応する押し込み片18の頭部18aを取付台2側に押圧し、その内面側のピン18cが対応する接触スイッチ14を押圧する。これに基づいて、プリント基板10上の図示しない回路が受信機に信号出力し、ドアパネルが開閉動作を行う。また、外カバー6への押し込みを通行者が中止すると、撓んでいた押し込み片18が元の位置に自己復帰する。
【0026】
以上のように、本実施の形態の起動スイッチによれば、ネジ等が使用されてなく、内カバー4及び外カバー6の取付及び取り外しが容易に行え、ネジを回すための工具を取付、取り外しに使用する必要がない。
【0027】
上記の実施の形態では、内カバー4の上面壁4aによって電池収容部8の上方を覆っているので、電池を交換する場合、内カバー4を外す必要がある。しかし、図1に点線で示すように内カバー4の上面壁4aの電池収容部8に対応する位置、例えば補強壁20、20の間に、上面壁4aの前後方向に貫通する矩形の開口を開口しておけば、この開口を介して電池の交換を行うことができるので、一々内カバー4を外す必要がなくなり、電池交換を円滑に行うことができる。
【0028】
上記の実施の形態では、取付台2側に係止孔28を設け、内カバー4側に係止突部24を設けたが、逆に取付台2側に係止突部を設け、内カバー4側に係止孔を設けることもできる。また上記の実施の形態では、係止フック34の係合部34dを、外カバー6の後面壁6gに係止させたが、後面壁6gを除去し、係止解除孔36に代えて、係合部34dに対応した大きさの係止孔を形成し、この係止孔に係合部34dを係止させてもよい。この場合、係合部34dが係止孔に係止するように、係止フックのバネ34bの付勢力を強める。また、上記の実施の形態では、2つの接点スイッチ14を使用したが、さらに多くの接点スイッチを使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内カバー及び外カバーの取付台への取付及び取り外しが容易に行え、かつそのための特別な工具も不要である。さらに、電池の交換を容易にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の接触型起動スイッチの組み立て斜視図である。
【図2】図1の接触型起動スイッチの組立縦断面正面図である。
【図3】図1の接触型起動スイッチを組み立てた状態における図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1の接触型起動スイッチを組み立てた状態における部分省略縦断面正面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う横断面図である。
【符号の説明】
2 取付台
4 内カバー
6 外カバー
34 係止フック
Claims (2)
- 取付台の前面に複数のスイッチ接点を有し、前記取付台の前面側に設けた外カバーを前記取付台側に押し込み操作することによって前記スイッチ接点を作動させる接触型起動スイッチであって、
前記外カバーの前記取付台前面側への変位を前記スイッチ接点に伝達する複数の押し込み片を一体に形成した内カバーを有し、この内カバーが前記取付台の前面に係脱可能に設けられ、
前記外カバーが、前記取付台の全周囲を被い、かつ前記外カバーの一端側の内面に、前記取付台の一端側に向かう係止部材を有し、
前記取付台は、それの前記一端側に、前記係止部材上へ進出して前記外カバーの前記取付台から離れる方向への移動を阻止する第1の状態と、前記取付台上に後退して、前記係止部材と非接触の第2の状態との間を移動するように設けられた係止フックと、この係止フックを前記第1の状態に維持するように前記取付台に設けた弾性手段とを、有し、
前記外カバーは、前記係止フックを第1の状態から第2の状態へ移行させる工具の挿通用の孔を前記外カバーの一端側に有する
前記接触型起動スイッチ。 - 請求項1記載の接触型起動スイッチにおいて、前記取付台の前面に、電池収容部が設けられ、前記内カバーには、前記電池収容部に対応して電池交換用の開口が形成されている接触型起動スイッチ。
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