JP4043602B2 - バッグインボックス用内袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、突刺密封性フィルムに注出具の突刺し筒を突き刺して内容物を取り出すことのできるバッグインボックス用内袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外箱と内袋から構成されるバッグインボックスタイプの液体容器においては、内容物を小出しするための注出具の接続部を内袋の注出口にねじ止めないしは嵌合により気密性を保持した状態で取り付ける方法により行われるのが一般的である。
バッグインボックス用内袋に取り付けられる注出口はプラスチック成形品が使用されるのであるが、内容物を取り出すための注出具の接続部を注出口にねじ止めないしは嵌合により気密性を保持した状態で取り付ける方式であるために、注出口の構造が複雑となり価格の高いものになるとともに内容物を小出しする注出具の構造によって、バッグインボックス内袋の注出口は規制されるため自由度がない等の欠点があった。また、内容物を取り出すための注出具についても接続部を必要とし複雑な構造になるという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、注出具の突刺し筒を注出口に接着された突刺密封性フィルムに突き刺すだけで簡単に内容物を取り出すことのでき、且つ注出具の構造が規制されることがないので自由度が高くしかも構造が簡単な安価なバッグインボックス用内袋を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
内面に熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを重ね合わせて外周縁部を熱接着して形成された袋であって、袋の一方の積層フィルムに開口を設けて開口に注出口を取り付け、注出口を覆って突刺密封性フィルムが接着された構成のバッグインボックス用内袋である。この場合、上記のバッグインボックス用内袋を外箱内に収納して注出口を外箱に固定したバッグインボックスタイプの液体容器とすることにより、注出口を覆って接着されている突刺密封性フィルムに注出具の突刺し筒を突き刺すだけで内容物を容易に取り出すことができる。そして、突刺密封性フィルムの突刺し部における気密性が確実に保持されるので外気が内袋内に進入してくることがなく、内容物が取り出されて内容物の量が減少するにつれて内袋が圧潰されて内袋の容積が減少してゆき、更に内容物を取り出すと内袋が完全に圧潰された状態となって内容物を残らず取り出すことができる。また、液体容器を逆さまにした状態で突刺し筒を突き刺しても内容物が漏れ出すことがないので内容物の取り出しがきわめて容易となる。
【0005】
上記のバッグインボックス用内袋において、突刺密封性フィルムを低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーのいずれかからなるフィルム、ないしは2種類以上からなる多層フィルムの外面上にガスバリヤー性樹脂層が積層された構成とすることにより、突刺し性が優れたものとなるとともに突刺し部における密封性を確実に保持することができる。さらに、突刺密封性フィルムがガスバリヤー性の優れたものとなるので、保管、輸送中における内容物の保存性の優れたバッグインボックス用内袋とすることができる。
【0006】
上記のバッグインボックス用内袋において、突刺密封性フィルムを内面層および外面層が線状低密度ポリエチレンからなり、中間層が低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーのいずれかからなる多層フィルムの外面層上にガスバリヤー性樹脂層が積層された構成とすることにより、突刺し性が優れたものとなるとともに突刺し部における密封性を確実に保持することができる。さらに、突刺密封性フィルムがガスバリヤー性の優れたものとなるので、保管、輸送中における内容物の保存性の優れたバッグインボックス用内袋とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のバッグインボックス用内袋の実施形態を示す折り畳んだ平面図、図2は図1におけるI−I断面図、図3は実施形態のバッグインボックス用内袋を使用した液体紙容器から内容物を取り出す装置の一例を示す断面図であって、1はバッグインボックス用内袋、11は積層フィルム、2は周縁熱接着部、3は開口、4は注出口、4aは取付フランジ、5は突刺密封性フィルム、6,7は熱接着部、8は外箱、9は注出具、9aは突刺し筒、10は取り出し装置、10a は支持台、10b はガイド枠をそれぞれ表す。
【0008】
本発明のバッグインボックス用内袋の実施形態は、図1、図2に示すとおりである。折り畳んだ状態の平面形状は、図1に示すように、内面に熱接着性樹脂層を有する積層フィルム11の熱接着性樹脂層面を重ね合わせて外周縁部に設けられた周縁熱接着部2により形成された四角形状の4方シールのフラット袋であって、一方の積層フィルム11に開口3が設けられ、開口3の内側から注出口4が積層フィルム11の内面に接着され、注出口4を覆って突刺密封性フィルム5が接着された構成である。本実施形態においては、袋の形状を4方シールの四角形状のフラット袋としたが、袋の形状は任意であって3方シール袋、ガセット袋、自立性袋等とすることができる。
【0009】
積層フィルム11に設けられた開口3に注出口4が取り付けられた部分の断面形状は、図2に示すように、注出口4が積層フィルム11から外方に突出した状態で注出口4の取付フランジ4aを積層フィルム11の内面の熱接着性樹脂層面に熱接着部6により接着されて取り付けられており、注出口4を覆って注出口4の縁部に突刺密封性フィルム5が熱接着部7により接着されて取り付けられている。本発明のバッグインボックス用内袋1を外箱に取り付けて作製される液体容器においては、注出口4から内容物を充填した後に注出口4を覆って突刺密封性フィルム5が熱接着部7にて接着して取付けられるものである。この構成とすることにより突刺密封性フィルム5に突刺し筒を突き刺すだけで簡単に内容物を取り出すことができる。
【0010】
本発明のバッグインボックス用内袋1を使用したバッグインボックスタイプの液体容器は、例えば、図3に示すとおりである。バッグインボックス用内袋1を収納する外箱8としては、板紙、段ボール等からなる剛性のある紙箱が使用される。収納する内容物の量が多く大きい内袋を使用する場合には段ボール箱のように強度の優れた外箱8が使用される。外箱8には内袋の注出口4に対応した位置に切欠を設けてその切欠に注出口4を嵌め込んだ状態で内袋の注出口4部を外箱に固定して取り付けられる。内袋の注出口4を外箱8に固定するには、注出口4の周辺の積層フィルム11をホットメルト接着剤等により外箱に接着するか、別に準備されたプラスチック成形品からなる取付具を使用して外箱の外部から注出口に嵌合させて固定することにより行うことができる。外箱8に内袋を収納して内袋の注出口4を外箱8の切欠部に固定した後に注出口4から内容物を充填し、注出口4に突刺密封性フィルム5を熱接着により取り付けられる。
【0011】
本発明のバッグインボックス用内袋1を使用したバッグインボックスタイプの液体容器から内容物を取り出すための装置としては、例えば、図3に示す装置を使用することができる。取り出し装置10は支持台10a とガイド枠10b からなり支持台10a には突刺し筒9aを備えた注出具9が突刺し筒9aが上向きになるように取り付けられている。本発明のバッグインボックス用内袋1を外箱8内に収納したバッグインボックスタイプの液体容器を逆さまにしてガイド枠10b 内に挿入して支持台10a に取り付けることにより、支持台10a に取り付けられた注出具9の突刺し筒9aが液体容器の内袋の注出口4を覆って接着されている突刺密封性フィルム5を突き刺して液体容器の内部に進入した状態となる。
【0012】
この状態で、注出具9を操作して内容物を取り出すことができる。突刺密封性フィルム5の突刺し筒9aが突き刺された部分の気密性が確実に保持されるので外気が内袋の内部に進入することがないので、内容物が取り出されて容積が減少してゆくにつれて内袋が潰れて内袋の容積も減少してゆくので内容物を残さず取り出すことができる。液体容器の内容物を取り出し終わると使い終わった液体容器を取り外して新しい容器と取り替える。取り出し装置10としては上記のような構成ではなく、突刺し筒を備えたポンプ装置を使用して内容物を取り出すこともできるものである。本発明のバッグインボックス用内袋1を使用した液体紙容器の場合には、突刺し筒を備えた注出具が取り付けられている注出装置が設置されている場所にて使用するのが好ましく、業務用としての使用に最も適しているものである。しかしながら、突刺し筒を備えた注出具を準備しておけば、一般家庭においても使用することができるものである。
【0013】
本発明のバッグインボックス用内袋に使用する積層フィルム11の構成は特に限定されるものではなく、基材層と熱接着性樹脂層の積層フィルム、基材層とガスバリヤー層と熱接着性樹脂層の積層フィルム、オレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂とポリオレフィン系樹脂からなる多層押出フィルム等が使用できる。基材層としては、2軸延伸ナイロン(ON)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等の2軸延伸フィルムおよびそれらの2軸延伸フィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたフィルム等であり、ガスバリヤー層としてはエチレン−ビニルアルコール共重合(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等であり、熱可塑性樹脂層としては、低密度ポリエチレン(PE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、シングルサイト触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体(SPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等である。
【0014】
積層フィルム11の構成としては、例えば、ON/接着剤/LLDPE、KON/接着剤/LLDPE、ON/接着剤/OPP/接着剤/LLDPE、KON/接着剤/OPP/接着剤/LLDPE、ON/接着剤/EVOH/接着剤/LLDPE等の積層フィルム、ないしはLLDPE/EVOH/LLDPE、EVA/EVOH/EVA、LDPE/EVOH/LDPE、EVA/PVDC/EVA等の多層押出フィルムである。多層押出フィルムの場合には、必要により各層間に接着樹脂層が用いられる。また、上記積層フィルムと多層押出フィルムの2層からなる構成のものも使用できる。
【0015】
バッグインボックス用内袋の注出口を覆って接着する突刺密封性フィルムとしては低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)およびエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−エチルアクリレート酸共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−メチルメタクリレート酸共重合体(EMMA)等のエチレン−アクリル酸系モノマー共重合体からなるフィルム、ないしは上記の2種類以上の樹脂からなる多層フィルムが使用できる。多層構成のフィルムとすることにより突き刺し性、突き刺し密封性の優れたものとすることができる。突刺密封性フィルムの積層構成としては、例えば、LLDPE/MDPE/LLDPE、LLDPE/MDPE/LDPE/MDPE/LLDPE、LLDPE/EVA/LLDPE、LLDPE/IO/LLDPE、LLDPE/EAA/LLDPE、LLDPE/EEA/LLDPE、LLDPE/EMA/LLDPE、LLDPE/EMMA/LLDPE等である。上記の様な多層フィルムは共押出しにより製造するのが好ましい。
【0016】
突刺密封性フィルムを構成するポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンは密度が0.915〜0.925のものが、線状低密度ポリエチレンは密度が0.915〜0.925のものが、中密度ポリエチレンは密度が0.930〜0.935のものがよい。突刺密封性フィルムの厚さとしては、0.10〜0.20mmが好ましく、3層構成とする場合の厚さの比率は、1.0:0.2〜0.8:1.0が好ましい。
【0017】
上記の突刺密封性フィルムの外面に、未延伸ナイロン(CN)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コート未延伸ナイロン(KCN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体等からなるガスバリヤー性樹脂層を積層することにより、ガスバリヤー性の優れた突刺密封性フィルムとすることができる。
【0018】
【発明の効果】
内面に熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを重ね合わせて外周縁部を熱接着して形成された袋であって、袋の一方の積層フィルムに開口を設けて開口に注出口を取り付け、注出口を覆って突刺密封性フィルムが接着された構成のバッグインボックス用内袋であるので、この内袋を外箱内に収納して注出口を外箱に固定したバッグインボックスタイプの液体容器とすることにより、注出口を覆って接着されている突刺密封性フィルムに注出具の突刺し筒を突き刺すだけで内容物を容易に取り出すことができるものである。そして、突刺密封性フィルムの突刺し部における気密性が確実に保持されるので外気が内袋内に入ってくることがなく、内容物が取り出されて内容物の量が減少するにつれて内袋が圧潰されて内袋の容積が減少してゆき、更に内容物を取り出すと内袋が完全に圧潰された状態となって内容物を残らず取り出すことができる。また、液体容器を逆さまにした状態で突刺し筒を突き刺しても内容物が漏れ出すことがないので内容物の取り出しがきわめて容易となる。
バッグインボックス用内袋の突刺密封性フィルムを低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーからなり、内面層および外面層を線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンとし、中間層を中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーのいずれかからなる多層フィルムとすることにより、突刺し性が優れたものとなるとともに突刺し部における密封性が保持できる。
また、突刺密封性フィルムを外面にガスバリヤー性樹脂層を積層した構成とすることにより、突刺密封性フィルムがガスバリヤー性の優れたものとなるので、保管、輸送中における内容物の保存性の優れたバッグインボックス用内袋とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッグインボックス用内袋の実施形態を示す折り畳んだ平面図。
【図2】図1におけるI−I断面図。
【図3】実施形態のバッグインボックス用内袋を使用した液体紙容器から内容物を取り出す装置の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 バッグインボックス用内袋 6, 7 熱接着部
11 積層フィルム 8 外箱
2 周縁熱接着部 9 注出具
3 開口 9a 突刺し筒
4 注出口 10 取り出し装置
4a 取付フランジ 10a 支持台
5 突刺密封性フィルム 10b ガイド枠
Claims (2)
- 内面に熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを重ね合わせて外周縁部を熱接着して形成された袋であって、前記袋の一方の積層フィルムに開口を設けて前記開口に注出口を取り付け、前記注出口を覆って突刺密封性フィルムが接着された構成からなり、前記突刺密封性フィルムが、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーのいずれかからなるフィルム、ないしは2種類以上からなる多層フィルムの外面上にガスバリヤー性樹脂層が積層された構成からなることを特徴とするバッグインボックス用内袋。
- 内面に熱接着性樹脂層を有する積層フィルムを重ね合わせて外周縁部を熱接着して形成された袋であって、前記袋の一方の積層フィルムに開口を設けて前記開口に注出口を取り付け、前記注出口を覆って突刺密封性フィルムが接着された構成からなり、前記突刺密封性フィルムが、内面層および外面層が線状低密度ポリエチレンからなり、中間層が低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸系モノマー共重合体、アイオノマーのいずれかからなる多層フィルムの前記外面層上にガスバリヤー性樹脂層が積層された構成からなることを特徴とするバッグインボックス用内袋。
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