JP4042770B2 - 位置検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、媒質の圧力変化を周期的に繰り返す超音波や媒質の圧力変化が単発的であるいわゆる圧力波のような疎密波を利用して検出対象の位置を検出する位置検出システムに関するものである。
従来から、定位置に固定した2台の送信装置(超音波発信装置)から超音波パルス信号を発信し、移動体に装着した受信装置(超音波受信装置)で超音波パルス信号を受信することにより、超音波の伝播時間に基づいて二次元平面における移動体の座標位置を求めるようにした位置検出システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平7−140241号公報
ところで、受信装置の座標位置を特定するには送信装置の座標位置が特定されていなければならない。したがって、送信装置を設置する際に設置場所の座標位置を正確に計測することが必要であって、送信装置の設置施工に手間がかかるという問題を有している。とくに、送信装置は検知エリアを広くとるために天井のような高所に配置することが多く、高所作業において座標位置を正確に計測して設置することは困難を伴う。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、送信装置の設置施工を容易にしながらも送信装置の座標位置を正確に特定できるようにした位置検出システムを提供することにある。
請求項1の発明は、建物内で床面の上方である天井面の定位置に配置され疎密波を間欠的に送波する疎密波送波部を有した送信装置と、床面上を移動する移動体を位置検出の検出対象として移動体に搭載され送信装置から送波された疎密波を受波することにより送信装置に対する検出対象の相対位置を検出する受信装置とを備え、受信装置は、疎密波送波部から送波された疎密波を受波するとともに受波した疎密波を電気信号である受波信号に変換する受波素子を複数個配列したアレイセンサからなる疎密波受波部と、疎密波受波部の各受波素子による疎密波の受波時刻の時間差と各受波素子の配置位置とに基づいて受信装置に対する送信装置の相対位置を受信装置に設定したローカル座標において求めるローカル位置演算部と、受信装置の座標位置を特定するグローバル座標での座標位置が既知である基準位置に検出対象が位置するときにローカル位置演算部で得られるローカル座標での送信装置の相対位置を用いてグローバル座標における送信装置の座標位置を算出する送信位置演算部と、ローカル位置演算部で求めたローカル座標における受信装置の座標位置と送信位置演算部で求めたグローバル座標における送信装置の座標位置とを用いてグローバル座標における受信装置の座標位置を算出するグローバル位置演算部とを備え、送信装置は、疎密波送信部からの疎密波の送信と同時に電磁波を用いてトリガ信号を送信するトリガ送信部を備え、受信装置は、トリガ送信部から送信されたトリガ信号を受信するトリガ受信部を備え、ローカル位置演算部は、トリガ受信部がトリガ信号を受信してから疎密波受波部が疎密波を受信するまでの時間を検出対象までの距離に換算し、かつ各受波素子ごとの受波信号をそれぞれ疎密波の到来方向に対応付けて設定した時間差分だけ遅延させるとともに、遅延後の受波信号を加算した結果が最大になる遅延時間を求め、その遅延時間に対応付けられた到来方向を疎密波の到来方向として求める遅延加算処理を行い、遅延時間を複数の到来方向に対応付けて設定していることを特徴とする。
この構成によれば、検出対象である移動体を基準位置に位置させた状態において、グローバル座標での基準位置の既知の座標位置と、受信装置に設定したローカル座標での送信装置の座標位置とを用いることにより、グローバル座標における送信装置の座標位置を求めることができる。グローバル座標における送信装置の座標位置を求めた後には、検知対象が基準位置以外に位置するときにローカル座標における送信装置の座標位置を求めることにより、グローバル座標における送信装置の既知の座標位置とローカル座標において求めた送信装置の座標位置とを用いて、グローバル座標における受信装置の座標位置を求めることができる。
また、送信装置のグローバル座標をあらかじめ知っておく必要がなく、基準位置を決めておき、検出対象を基準位置に位置させるだけでグローバル座標における送信装置の座標位置を求めることができるから、送信装置の設置施工の際には送信装置の位置を計測する必要がなく、設置施工が容易になる。さらに、従来構成のように2台の送信装置に対する受信装置の距離を用いて受信装置の位置を求めるのではなく、受信装置にアレイセンサを用いているから1台の送信装置を用いるだけで受信装置の位置を特定することができ、結果的に送信装置からの疎密波が到達する空間領域の全体を検出対象の位置検出に利用することができ、検出対象の位置検出を広い空間領域において実現することができる。
しかも、受信装置ではトリガ信号を受信してから疎密波を受波するまでの時間を計測することによって、疎密波が送信装置から受信装置まで到達するのに要した時間を知ることができ、疎密波の既知の伝播速度と計測した時間とを用いて送信装置までの距離を求めることができる。すなわち、受信装置を搭載した検出対象と送信装置との距離を求めることができる。その結果、疎密波の到来方向と送信装置までの距離とによって送信装置(すなわち、検出対象)の三次元位置を求めることができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記受信装置が、グローバル座標の座標軸に対するローカル座標の座標軸の回転角を検出する方向センサを備え、前記グローバル位置演算部は、方向センサにより検出した座標軸の回転角を加味してグローバル座標における前記受信装置の座標位置を算出することを特徴とする。
この構成によれば、基準位置を複数設けていることによりグローバル座標に対するローカル座標の回転角を求めることができる。すなわち、検出対象を基準位置に位置させたときに受信装置に設定したローカル座標の座標軸がグローバル座標の座標軸に対して回転している場合でも、受信装置の位置をグローバル座標の座標位置に換算することができる。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記送信装置を複数台備える動線計測システムであって、2台以上の送信装置からの疎密波を前記受信装置で同時に受波できる空間領域が存在するときに、当該空間領域に内に前記基準位置を設定することを特徴とする。
この構成によれば、検出対象を1つの基準位置に位置させるだけで複数台の送信装置についてグローバル座標における座標位置を求めることができるから、キャリブレーションの作業の負担が軽減される。また、検出対象の移動に伴って疎密波を受波する送信装置が切り替わっても座標位置の連続性が保たれる。
請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記疎密波送波部は、媒質の圧力変化が単発的に生じる圧力波を送波することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記疎密波受波部は、複数個の前記受波素子を二次元的に配列してあることを特徴とする。
本発明の構成によれば、送信装置のグローバル座標をあらかじめ知っておく必要がなく、基準位置を決めておき、検出対象を基準位置に位置させるだけでグローバル座標における送信装置の座標位置を求めることができるから、送信装置の設置施工の際には送信装置の位置を計測する必要がなく、設置施工が容易になるという利点がある。さらに、受信装置の位置にアレイセンサを用いているから1台の送信装置を用いるだけで受信装置の位置を特定することができ、送信装置からの疎密波が到達する空間領域の全体を検出対象の位置検出に利用することができ、検出対象の位置検出を広い空間領域において実現することができるという利点がある。その上、複数個の受波素子ごとの受波信号を時間軸方向に偏移させた後に加算する遅延加算処理を行って、加算結果が最大になるときの遅延時間を求めるから、加算結果の評価のみでただちに到来方向を求めることができる。
本実施形態では、位置検出システムとして、図2、図3に示すように、建物内で床面FL上を移動する移動体(たとえば、ショッピングカート)を位置検出の検出対象Obとし、検出対象Obが移動した位置を追跡する動線計測システムを例示する。検出対象Obの位置を追跡するために、床面FLの上方である天井面CLの定位置には疎密波を送波する送信装置1を設置し、検出対象Obの上面には疎密波を受波する受信装置2を搭載する。本実施形態では、疎密波として媒質(空気)の圧力変化が単発的に生じる圧力波を用いる。
送信装置1は、図1に示すように、疎密波を送波する疎密波送波部11と、電磁波(赤外線または電波)を伝送媒体としたワイヤレス信号を送信するトリガ送信部12および識別情報送信部13とを備える。疎密波送波部11、トリガ送信部12、識別情報送信部13は、それぞれドライバ14〜16を介して制御部10からの指示を受けて動作する。制御部10はワンチップマイコンからなり、CPU、RAM、ROM、シリアル通信用インターフェイスを包含している。疎密波送波部11からは疎密波を間欠的に送波し、トリガ送信部12は疎密波の送信と同時(実際には、マイコンの命令処理の時間差がある)にトリガ信号としてのワイヤレス信号(以下では、単に「トリガ信号」という)を送信する。また、識別情報送信部13は識別データを含むワイヤレス信号(以下では、「識別情報信号」という)をトリガ信号に引き続いて送信する。識別データは制御部10に設定されており、受信装置2ごとに固有の識別データが設定される。疎密波の送波タイミング、トリガ信号の送信タイミング、識別情報信号の送信タイミングは制御部10において制御される。疎密波とトリガ信号と識別情報信号とは所定の時間間隔で間欠的に出力される。上述した受信装置2の機能は制御部10を構成しているワンチップマイコンに適宜のプログラムを搭載することにより実現される。
受信装置2は、送信装置1に設けた疎密波送波部11から送波された疎密波を受波する疎密波受波部21を備え、疎密波受波部21は疎密波を受波すると電気信号である受波信号を出力する。つまり、疎密波受波部21は疎密波を受波信号に変換する。また、受信装置2は、送信装置1に設けたトリガ送信部12から送信されたトリガ信号を受信するトリガ受信部22と、識別情報送信部13から送信された識別情報信号を受信する識別情報受信部23とを備える。トリガ受信部22ではトリガ信号を波形整形し、識別情報受信部23は識別情報信号からキャリアを除去する。トリガ受信部22の出力は受信装置の動作開始のタイミングを指示し、送信装置1に設けた位置演算部24およびタイマ部25を起動する。また、識別情報受信部23から出力されるパルス列からなる識別データはメモリ26に格納される。タイマ部25は現在時刻を計時する時計機能も備え、トリガ受信部22でトリガ信号を受信した時刻がメモリ26に格納される。
位置演算部24は、トリガ受信部22の出力が発生した時点で待機状態から受信状態に移行し、受信状態において得られる疎密波受波部21の出力を用いて送信装置1と受信装置2との位置を算出する。受信状態はあらかじめ定めた一定時間継続する。
疎密波受波部21の出力を用いて得られる送信装置1の位置は、受信装置2に対する送信装置1の相対位置であり、図3に示すように受信装置2に設定されたローカル座標X−Yの座標位置として求められる。ここに、本実施形態では床面FLから天井面CLまでの高さは一定とみなしている。したがって、検出対象Obの移動する空間において受信装置2の高さ位置は変化しないから、ローカル座標X−Yを床面FLの上の二次元座標として扱う。後述するように、受信装置2にはグローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置が格納されており、疎密波受波部21の出力を用いてローカル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置を求めることにより、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置を求めることができるようにしてある。グローバル座標X−Yも高さについては考慮せず、床面FLの上の二次元座標として扱う。
本実施形態では、受信装置2のキャリブレーションが必要であって、キャリブレーションの際には、位置演算部24において、疎密波受波部21の出力を用いてローカル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求め、受信装置2がグローバル座標X−Yにおける既知の座標位置に位置するときに、両座標位置を用いてグローバル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求める。また、グローバル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求めた後には、ローカル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を用いることにより、グローバル座標X−Yでの受信装置2の座標位置を求めることができる。
つまり、受信装置2には、ローカル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を用いて、グローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置を求める動作モード(キャリブレーションモード)と、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置を求める動作モード(運転モード)とがある。位置演算部24は、どちらの動作モードにおいてもローカル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求めるローカル位置演算部の機能を有する。また、運転モードであるときにはグローバル位置演算部として機能する。グローバル位置演算部とローカル位置演算部との動作については後述する。
メモリ26には、位置演算部24で求めたグローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置と、当該座標位置に位置していたときの時刻(トリガ受信部22でトリガ信号を受信した時刻)と、当該受信装置2の識別データとが対応付けられて1レコードとして格納される。メモリ26に格納されたデータは制御部20において必要に応じて読み出され、出力部27を通して外部の管理装置などに出力される。制御部20はマイクロコンピュータを主構成要素としており、CPU、RAM、ROM、シリアル通信インターフェイスを包含している。また、出力部27は出力用のインターフェイスであって、TIA/EIA−232−EやUSBなどの仕様のシリアルインターフェイスのほかSCSIのような仕様のパラレルインターフェイスなどが採用される。出力部27から取り出された検出結果は、別に設けた管理装置において利用され、本実施形態では、検出対象Obが移動した経路を追跡することにより動線を計測する。ここに、受信装置2は検出対象Obに搭載されているから、出力部27から取り出された検出結果は無線により管理装置に伝送するのが望ましい。
受信装置2の各部の構成をさらに詳しく説明する。疎密波受波部21は、複数個の受波素子を配列したアレイセンサであって、位置演算部24では各受波素子による疎密波の受波時刻の時間差と受波素子の配列位置とに基づいて疎密波の到来方向、すなわち検出対象Obの存在する方向を求める。
疎密波の到来方向を求めるには、疎密波を受波した受波素子での受波時刻の時間差を含む情報が必要であるから、疎密波受波部21から出力される受波信号をA/D変換器24aをデジタル信号である受波データに変換した後、各受波素子に対応する出力を一時記憶するデータ格納部24bに格納する。疎密波受波部21は到来する疎密波を常時受波しているが、位置演算部24での処理はトリガ受信部22の出力が得られてから一定時間である受波ゲート期間に制限される。
データ格納部24bに格納された受波データは受波ゲート期間の終了後に処理部24cに読み込まれ、各受波素子での受波時刻の時間差に相当する時間を求めるために、隣接する受波素子に対応する受波データを時間軸方向に既定した時間分だけシフトして加算する。処理部24cはマイクロコンピュータを主構成要素とする。
この処理について簡単に説明する。いま、疎密波受波部21において受波素子40が図4に示すように同一平面上において一次元的に等間隔で配列されているものとする(実際には二次元的に配列されている)。受波素子40が配列された面に対する超音波の波面の角度がθであるとき、疎密波の到来方向もθになる。音速をc、受波素子40の配列ピッチ(中間間の距離)をLとすれば、到来方向がθである疎密波の波面が隣接する受波素子40に到達する際の時間差ΔTは、ΔT=L・sinθ/cである。すなわち、θ=sin−1(ΔT・c/L)であって、時間差ΔTを求めると到来方向θを求めることができる。
以上の関係から、各受波素子40で受波した疎密波に対応する受波信号を到来方向θに対応した時間差ΔT分だけ遅延させると、時間軸方向において受波信号の位置を一致させることができることがわかる。たとえば、隣り合う3個の受波素子40から図5(a)〜(c)のような受波信号が出力され、隣接する受波素子40から出力される受波信号が時間差ΔTを有しているものとする。この場合、隣接する受波素子40から得られる受波信号を、適宜の遅延手段によって互いにΔTだけ遅延させる。つまり、図5(c)の受波信号を2ΔTだけ遅延させ、図5(b)の受波信号をΔTだけ遅延させると、両受波信号は時間軸方向において図5(a)の受波信号の位置に一致する。各受波素子40の出力である受波信号の時間軸方向における位置が一致していれば、これらの受波信号を加算したときに加算結果は大きな振幅になる。言い換えると、加算結果の振幅が大きければ、疎密波の到来方向θは当該遅延時間ΔTに対応しているといえる。
本実施形態では、受信信号を時間軸方向に偏移させるのではなく、受波データを時間軸方向に偏移させる構成を採用しているが、到来方向θを算出する目的においては差異はない。しかして、処理部24cではデータ格納部24bに格納された受波データに対して、あらかじめ設定した複数種類の遅延時間を適用して遅延させた後に加算し、加算結果が最大になるときの遅延時間を求める。この遅延時間は時間差ΔTに対応するから、遅延時間にあらかじめ到来方向θを対応付けておくことにより、疎密波の到来方向をただちに求めることができる。遅延時間は、たとえば到来方向を5度刻みで検出することができるように設定される。上述のように受波データを時間軸方向に偏移させた後に加算する処理を遅延加算処理と呼ぶ。遅延加算処理は処理部24cに設定したプログラムにより実現される。
ここに、トリガ信号と疎密波とはほぼ同時に出力されており、トリガ送信部12からのトリガ信号の送信とトリガ受信部22でのワイヤレス信号の受信とは実質的に同時とみなせるから、トリガ受信部22でのトリガ信号の受信時刻と、疎密波受波部21での疎密波の受波時刻との時間差は、実質的に疎密波が媒質中を伝播する時間とみなすことができる。したがって、ワイヤレス信号を受信してから疎密波を受波するまでの時間によって受信装置2に対する送信装置1の相対的な距離を知ることができる。つまり、送信装置1の方向と距離とを知ることができるから、受信装置2では送信装置1の三次元位置を求めることができる。ただし、上述したように本実施形態では床面FLの上の二次元座標での座標位置を求める。つまり、三次元位置に対して既知の高さ寸法を用いることにより床面FLの上での二次元座標を求めることができる。なお、この演算は処理部24cにおいて行う。
以上説明したように、受信装置2では送信装置1からのトリガ信号を受信すると、受波ゲート期間の制限内で受波信号を待ち受け、受波ゲート期間内に受波した疎密波のみを用いて疎密波の到来方向および送信装置1までの距離を算出し、検出対象Obの床面FLの上の二次元座標(ローカル座標X−Y)での座標位置を求める。また、トリガ信号を受信した時刻およびトリガ信号に対応する識別データをメモリ26に格納する。
なお、データ格納部24bの容量は、受波素子40の素子数と受波ゲート期間とA/D変換器24aのサンプリング周期とに依存する。たとえば、受波素子40を8素子とし、A/D変換器24aのサンプリング周期を1μs、受波ゲート期間を30ms(受信装置2までの距離が約10mの範囲内)とし、1データを1ワードで保存するとすれば(つまり、A/D変換器24aの分解能が8ビットであるとすれば)、30kワード×8素子=240kワードの容量が必要になる。この程度の容量であれば、256kbyteの容量を有するSRAMを用いることができる。
上述した処理によってローカル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求めることができる。すなわち、位置演算部24のうちデータ格納部24b、処理部24cによりローカル座標X−Yでの受信装置2の座標位置を求めるローカル位置演算部が構成される。一方、本実施形態では、グローバル座標X−Yでの送信装置1の座標位置を求める必要があり、そのため、検出対象Obをグローバル座標X−Yの座標位置が既知である基準位置に位置させる。
受信装置2のローカル位置演算部では、ローカル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置を求めることができるから、この座標位置を(XL1,YL1)とする。ここで、グローバル座標X−Yとローカル座標X−Yとの座標軸との向きが一致するという制約条件を設定すれば、図6に示すように、送信装置1のグローバル座標X−Yにおける座標位置(XG1,YG1)と、送信装置1のローカル座標X−Yにおける座標位置(XL1,YL1)と、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)との間には、XG1=X+XL1、YG1=Y+YL1の関係が成立する。つまり、受信装置2が座標位置(X,Y)に位置するときに、送信装置1のローカル座標X−Yにおける座標位置(XL1,YL1)を用いて、グローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を求めることができる。逆に、送信装置1についてグローバル座標X−Yにおける座標位置(XG1,YG1)が既知であれば、ローカル座標X−Yにおける座標位置(XL1,YL1)を計測することにより、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)を求めることができる。
ここで、検出対象Obに対する受信装置2の位置は変化しないから、以下では検出対象Obの位置は受信装置2の位置を表しているものとみなして説明する。
グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)を求めるには、位置演算部24をキャリブレーションモードとし、グローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を求める必要がある。つまり、床面FLの上でグローバル座標X−Yの座標位置が既知である基準位置を設定し、位置演算部24をキャリブレーションモードに設定した状態で、検出対象Obを基準位置に位置させる。基準位置に検出対象Obを位置させると、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)が既知であり、ローカル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置(XL1,YL1)を計測することができるから、グローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を求めることができる。
グローバル座標X−Yでの送信装置1の座標位置(XG1,YG1)は座標変換処理部24dに格納され、処理部24cでの以後の処理に用いられる。また、座標変換処理部24dには、グローバル座標X−Yにおける基準位置の座標位置も格納されている。したがって、処理部24cと座標変換処理部24dとはキャリブレーションモードでは送信位置演算部として機能する。座標変換処理部24dに格納されたデータの変更頻度は少ないから、座標変換処理部24dにはEEPROMのような不揮発性メモリを用いるのが望ましい。グローバル座標X−Yでの基準位置の座標位置は実測により設定される。なお、基準位置の計測は床面FLの上で行うから作業は容易である。
グローバル座標X−Yでの送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を求めた後には、位置演算部24を動作モードとしてグローバル座標X−Yでの受信装置2の座標位置(X,Y)を求めることができる。動作モードでは、座標変換処理部24dに格納された送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を用いることで、受信装置2の座標位置(X,Y)を算出する。すなわち、処理部24cと座標変換処理部24dとは動作モードではグローバル位置演算部として機能する。
ところで、上述の説明では、グローバル座標X−Yとローカル座標X−Yとの座標軸との向きが一致しているという制約条件を設定したが、この制約条件があると検出対象Obの移動にも制約が生じる。そこで、上述の制約条件を取り除くために、本実施形態では、検出対象Obにジャイロセンサのような方向センサ28を設けている。方向センサ28の出力はA/D変換器24eを介して処理部24cに入力される。
上述の動作ではグローバル座標X−Yに対するローカル座標X−Yの回転角、すなわち検出対象Obの向きを考慮していないから未知数は2であって、上述したように1個の基準位置について2式を設定すれば未知数を求めることができる。一方、座標軸の回転角を考慮する場合にはグローバル座標X−Yの座標軸に対するローカル座標X−Yの座標軸の回転角θを求めなければならないから未知数が3個(X,Y,θ)になる。つまり、1個の基準位置Psから得られる2式のみでは未知数を求めることができない。そこで、回転角θを求めるために方向センサ28を設けている。
座標軸の回転角θを考慮すると、図7に示すように、送信装置1のグローバル座標X−Yにおける座標位置(XG1,YG1)と、送信装置1のローカル座標X−Yにおける座標位置(XL1,YL1)と、グローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)との間には、数1の関係が成立する。
Figure 0004042770
回転角θを考慮するする場合であっても演算式が異なるだけであって、上述した処理と同様の処理になる。すなわち、キャリブレーションモードでグローバル座標X−Yにおける送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を求めて座標変換処理部24dに格納し、動作モードにおいてグローバル座標X−Yにおける受信装置2の座標位置(X,Y)を求める際には、座標変換処理部24dに格納した送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を用いるのである。
ところで、上述したように検出対象Obを基準位置に位置させることによって送信装置1の位置を求めることができるが、送信装置1が複数台設けられている場合に、各送信装置1ごとに基準位置を各別に設定するとすれば、基準位置の計測に手間がかかる。そこで、図8に示すように、複数台の送信装置1からの疎密波を同時に受波できる空間領域が存在するときには、当該空間領域に基準位置を設定するのが望ましい。
この場合、1箇所の基準位置を複数台の送信装置1で共用することができるから、受信装置2を移動させることなく、複数台の送信装置1についてグローバル座標X−Yにおける座標位置(XG1,YG1)を求めることが可能になる。つまり、複数台の送信装置1の座標位置(XG1,YG1)を短時間で求めることが可能になる。ここに、各送信装置1には個別に識別データが設定されており、受信装置2では識別情報信号によって各送信装置1を識別する。
ところで、送信装置1における疎密波送波部11を構成している送波素子には、圧電素子からなる超音波振動子を用いてもよいが、圧電素子は一般にせん鋭度(Q値)が100を越えるから残響時間が比較的長く、残響時間を考慮すると疎密波を送波する時間間隔が長くなる。つまり、受信装置2を搭載する検出対象が移動体であるときには、移動体の位置を細かく計測することができない。
そこで、疎密波送波部11には、図9に示す構造を有した残響時間の短い送波素子30を用いるのが望ましい。この送波素子30は、単結晶のp形のシリコン基板からなる支持基板31の一表面(図9における上面)側に多孔質シリコン層からなる熱絶縁層32が形成され、熱絶縁層32上に金属薄膜(たとえば、タングステン薄膜)からなる発熱体層33が形成され、さらに、支持基板31の上記一表面側に発熱体層33と電気的に接続された一対の電極パッド34が形成されている。支持基板31の平面形状は長方形状であって、熱絶縁層32、発熱体層33も平面形状はそれぞれ長方形状に形成される。
この送波素子30は熱励起式であって、発熱体層33に温度変化が生じるように発熱体層33に通電し、発熱体層33に接触している媒質の膨張収縮を促すことによって疎密波を発生させる。つまり、発熱体層33の両端の電極パッド34間に通電し発熱体層33に温度変化を生じさせることで、発熱体層33に接触している媒質である空気に温度変化を生じさせる。発熱体層33に接触している空気は、発熱体層33の温度上昇時には膨張し発熱体層33の温度下降時には収縮するから、発熱体層33への通電を制御することによって空気中を伝搬する疎密波を発生させることができるのである。
圧電素子からなる送波素子はせん鋭度(Q値)が大きいものであるから、疎密波を瞬間的に発生させたとしても、圧電素子の駆動を停止した後も図10(b)に示すように、共振によって残響が継続する。これに対して、図9に示した熱励起式の送波素子30は、せん鋭度が小さく、実質的に共振周波数を持たないものである。熱励起式の送波素子30では、上述したように、一対の電極パッド34を介した発熱体層33への通電に伴う発熱体層33の温度変化に伴って疎密波を発生する。
つまり、発熱体層33へ与える駆動電圧ないし駆動電流の波形が正弦波形状であるときには、当該正弦波形の2倍の周波数の疎密波を発生させることができる。したがって、電極パッド34に印加する駆動電圧の波形を、正弦波の半周期に相当する孤立波とすれば、図10(a)に示すような正弦波形の1周期分の疎密波を発生させることができる。しかも、熱励起式の送波素子30は実質的に共振周波数を持たないから残響時間はごく短くなる。また、圧電素子は固有の共振周波数を有するので発生可能な疎密波の周波数範囲が狭いが、熱励起式の送波素子30は実質的に共振周波数を持たないので発生可能な疎密波の周波数範囲が広範囲になる。しかも、駆動電圧もしくは駆動電流の波形を孤立波とすれば、図10(a)に示すように1周期程度の疎密波を発生させることができる。
上述した熱励起式の送波素子30は、支持基板31としてp形のシリコン基板を用いており、熱絶縁層32を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成している。この熱絶縁層32は、支持基板31として用いるシリコン基板の一部をフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液からなる電解液中で陽極酸化処理することにより形成することができる。ここに、陽極酸化処理の条件(たとえば、電流密度、通電時間など)を適宜設定することにより、熱絶縁層32となる多孔質シリコン層の多孔度や厚みそれぞれを所望の値とすることができる。
多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなることが知られている。たとえば、熱伝導率が148W/(m・K)、熱容量が1.63×106J/(m・K)の単結晶のシリコン基板を陽極酸化し、多孔度が60%の多孔質シリコン層を形成すると、この多孔質シリコン層は、熱伝導率が1W/(m・K)、熱容量が0.7×106J/(m・K)になる。本実施形態では、上述のように多孔度が略70%の多孔質シリコン層により熱絶縁層32を形成してあり、熱絶縁層32の熱伝導率が0.12W/(m・K)、熱容量が0.5×106J/(m・K)になっている。
なお、熱伝導度および熱容量について熱絶縁層32を支持基板31に比べて小さくし、熱伝導度と熱容量との積についても熱絶縁層32を支持基板31に比べて十分に小さくすることにより、発熱体層33の温度変化を空気に効率よく伝達することができ、発熱体層33と空気との間で効率よく熱交換させることができる。しかも、支持基板31が熱絶縁層32からの熱を効率よく受け取るから熱絶縁層32の熱を逃がすことができ発熱体層33からの熱が熱絶縁層32に蓄積されるのを防止することができる。
発熱体層33は、高融点金属の一種であるタングステンにより形成してあり、熱伝導率が174W/(m・K)、熱容量が2.5×106J/(m・K)となっている。発熱体層33の材料はタングステンに限らず、たとえば、タンタル、モリブデン、イリジウムなどを採用してもよい。
上述の熱励起式の送波素子30は、支持基板31の厚さを525μm、熱絶縁層32の厚さを10μm、発熱体層33の厚さを50nm、各電極パッド34の厚さを0.5μmとしてある。ただし、これらの厚さは一例であり、とくに限定する主旨ではない。また、支持基板31の材料としてSiを採用しているが、支持基板31の材料はSiに限らず、たとえば、Ge,SiC,GaP,GaAs,InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の半導体材料でもよい。
ところで、受信装置2の疎密波受波部21に用いる受波素子40は、疎密波を受波するとともに受波した疎密波を電気信号である受波信号に変換するものであり、疎密波受波部21には1枚の基板(図示せず)に複数個の受波素子40を配列して構成してある。ここでは、受波素子40を二次元的に配列したアレイセンサを構成しているものとする。アレイセンサにおいて、受波素子40の中心間距離(配列ピッチ)は疎密波送波部11から発生させる疎密波の波長程度(たとえば、疎密波の波長の0.5〜5倍程度)に設定することが望ましい。これは、疎密波の波長の0.5倍よりも小さいと疎密波の波面が隣り合う受波素子40にそれぞれ到達する時刻の時間差が小さくなり、時間差の検出が困難になるからである。受波素子40として、圧電素子を用いることが可能であるが、疎密波送波部11と同様に、残響の少ない構成が望ましい。したがって、疎密波の圧力(音圧)を静電容量の変化に変換する静電容量式の受波素子40を用いることが望ましい。
この種の受波素子40は、図11に示す構成のものがある。図示する受波素子40は、マイクロマシンニング技術により形成され、シリコン基板に厚み方向に貫通する窓孔41aを設けることで形成された矩形枠状のフレーム41と、フレーム41の一表面側において窓孔41aを囲む四辺のうちの一辺に固定されるとともに窓孔41aを覆う形に配置されたカンチレバー型の受圧板42とを備える。フレーム41の上記一表面には熱酸化膜45を介してシリコン酸化膜46が積層され、さらにシリコン酸化膜46の表面はシリコン窒化膜47で覆われる。受圧板42の一端部は熱酸化膜45を介してフレーム41に固定され、受圧板42の他端部はシリコン基板の厚み方向においてシリコン酸化膜46に対向する。シリコン酸化膜46における受圧板42の他端部との対向面には金属薄膜(たとえば、クロム膜など)からなる固定電極43aが形成され、受圧板42の他端部において固定電極43aと対向している部位であって固定電極43aとの対向面の背面側には金属薄膜(たとえば、クロム膜など)からなる可動電極43bが形成される。フレーム41の他表面にはシリコン窒化膜48が形成される。ここに、受圧板42は、各シリコン窒化膜47,48とは別工程で形成されるシリコン窒化膜により構成される。
図11に示す静電容量式の受波素子40では、受圧板42に疎密波の圧力(音圧)が作用すると、疎密波の圧力に応じて固定電極43aと可動電極43bとの距離が変化するから、固定電極43aと可動電極43bとの間の静電容量を検出することにより、疎密波の圧力を検出することができる。したがって、固定電極43aと可動電極43bとの間に直流バイアス電圧を印加しておけば、固定電極43aと可動電極43bとの間には疎密波の圧力に応じた電圧変化が生じ、疎密波の音圧を電気信号に変換することができる。この種の静電容量式の受波素子40はせん鋭度が圧電素子よりも小さいから、圧電素子を用いる場合よりも受波できる疎密波の周波数帯域幅を広くとることができる。
なお、受波素子40は図11の構造に限定されるものではなく、たとえば、シリコン基板などをマイクロマシンニング技術などにより加工して形成され疎密波の圧力を受けるダイヤフラム部からなる可動電極と、ダイヤフラム部に対向する背板部からなる固定電極との間の静電容量を検出する構成を採用してもよい。この構成では、疎密波の圧力が作用していない状態でのダイヤフラム部と背板部とのギャップ長を規定する絶縁膜からなるスペーサ部を設け、背板部には複数の排気孔を貫設する。
図9に示した熱励起式の送波素子30のせん鋭度(Q値)は1程度であり、図11に示した静電容量式の受波素子40のせん鋭度は3〜4程度であって、圧電素子に比較するとせん鋭度が大幅に小さい。したがって、送波素子および受波素子に圧電素子を用いる場合に比較すると、疎密波送波部11から送波される疎密波に含まれる残響成分の割合が少なくなり、疎密波受波部21から出力される受波信号に含まれる残響成分の割合が少なくなる。つまり、送波時には疎密波の送波間隔を短くすることができ、受波時には短い時間間隔で疎密波を受波しても疎密波に対応する受波信号が重複しないように分離することができる。その結果、複数台の送信装置1からの疎密波を次々に受信することが可能であり、受信装置2の検知エリア内に比較的多くの送信装置1が存在していても、各別に分離して位置を求めることが可能になる。なお、送波素子30および受波素子40のせん鋭度(Q値)はいずれも10以下が望ましく、望ましくは5以下とする。
実施形態を示すブロック図である。 同上の使用例を示す概略構成図である。 同上の使用例を示す概略斜視図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の原理説明図である。 同上の他の動作での原理説明図である。 同上の使用例を示す概略構成図である。 同上に用いる送波素子の一例を示す断面図である。 同上の動作説明図である。 同上に用いる受波素子の一例を示し、(a)は一部破断した斜視図、(b)は断面図である。
符号の説明
1 送信装置
2 受信装置
10 制御部
11 疎密波送波部
12 トリガ送信部
13 識別情報送信部
20 制御部
21 疎密波受波部
22 トリガ受信部
23 識別情報受信部
24 位置演算部
24a A/D変換器
24b データ格納部(ローカル位置演算部)
24c 処理部(ローカル位置演算部、送信位置演算部、グローバル位置演算部)
24d 座標変換処理部(送信位置演算部、グローバル位置演算部)
24e A/D変換器
28 方向センサ
40 受波素子

Claims (5)

  1. 建物内で床面の上方である天井面の定位置に配置され疎密波を間欠的に送波する疎密波送波部を有した送信装置と、床面上を移動する移動体を位置検出の検出対象として移動体に搭載され送信装置から送波された疎密波を受波することにより送信装置に対する検出対象の相対位置を検出する受信装置とを備え、受信装置は、疎密波送波部から送波された疎密波を受波するとともに受波した疎密波を電気信号である受波信号に変換する受波素子を複数個配列したアレイセンサからなる疎密波受波部と、疎密波受波部の各受波素子による疎密波の受波時刻の時間差と各受波素子の配置位置とに基づいて受信装置に対する送信装置の相対位置を受信装置に設定したローカル座標において求めるローカル位置演算部と、受信装置の座標位置を特定するグローバル座標での座標位置が既知である基準位置に検出対象が位置するときにローカル位置演算部で得られるローカル座標での送信装置の相対位置を用いてグローバル座標における送信装置の座標位置を算出する送信位置演算部と、ローカル位置演算部で求めたローカル座標における受信装置の座標位置と送信位置演算部で求めたグローバル座標における送信装置の座標位置とを用いてグローバル座標における受信装置の座標位置を算出するグローバル位置演算部とを備え、送信装置は、疎密波送信部からの疎密波の送信と同時に電磁波を用いてトリガ信号を送信するトリガ送信部を備え、受信装置は、トリガ送信部から送信されたトリガ信号を受信するトリガ受信部を備え、ローカル位置演算部は、トリガ受信部がトリガ信号を受信してから疎密波受波部が疎密波を受信するまでの時間を検出対象までの距離に換算し、かつ各受波素子ごとの受波信号をそれぞれ疎密波の到来方向に対応付けて設定した時間差分だけ遅延させるとともに、遅延後の受波信号を加算した結果が最大になる遅延時間を求め、その遅延時間に対応付けられた到来方向を疎密波の到来方向として求める遅延加算処理を行い、遅延時間を複数の到来方向に対応付けて設定していることを特徴とする位置検出システム。
  2. 前記受信装置は、グローバル座標の座標軸に対するローカル座標の座標軸の回転角を検出する方向センサを備え、前記グローバル位置演算部は、方向センサにより検出した座標軸の回転角を加味してグローバル座標における前記受信装置の座標位置を算出することを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
  3. 前記送信装置を複数台備える位置検出システムであって、2台以上の送信装置からの疎密波を前記受信装置で同時に受波できる空間領域が存在するときに、当該空間領域に内に前記基準位置を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の位置検出システム。
  4. 前記疎密波送波部は、媒質の圧力変化が単発的に生じる圧力波を送波することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の位置検出システム。
  5. 前記疎密波受波部は、複数個の前記受波素子を二次元的に配列してあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の位置検出システム。
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