JP4042333B2 - 角筒容器の液体充填包装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、横断面が正方形あるいは長方形の製函された角筒状容器を直進搬送して、その容器内に液体内容物を充填する角筒容器の液体充填包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に横断面が正方形あるいは長方形の紙製の角筒状の液体包装容器の液体充填包装機は、折り畳まれた扁平な四角形状の紙製角筒状の液体包装容器(以下カートンとする)を多数枚集積して、前方に一枚ずつフィードするカートン供給工程と、カートンを扁平形状から立体形状へと立ち起こす立ち起こし工程と、立ち起こしたカートンを装填支持してカートンボトム部を成形するマンドレルアームを備えているボトム密閉工程と、該ボトム密閉工程と接続して設けられ、ジュース、牛乳、酒等の液体内容物をカートンの頂部開口部より充填する充填工程と、カートンの頂部開口部を加熱する加熱工程と、加熱した開口部を圧着して密封する密封工程と、充填密封された角筒容器を搬出する搬出工程からなっている。
【0003】
以上のような工程は、一般的に図3に示すように、一対の駆動軸3c、3c側に取付けられた駆動側スプロケット3a、3a、および一対の従動軸2c、2c側に取付けられた従動側スプロケット2a、2aと、該両スプロケット3a、2aに巻回して取付けられた一対のエンドレスチェーン1、1によって構成される紙製角筒容器6(カートン)を直進搬送する直進搬送装置を有する上記工程を直線的に配置したライン式液体充填包装機によって行われる。
【0004】
このライン式液体充填包装機の場合、図3に示すように、ボトム密閉済カートン6は上記直進搬送装置により、充填工程T4、トップ部折り工程T5、加熱工程T6、トップ部密封工程T7、搬出工程T9へとカートン6を間欠送りするものであるが、必要に応じて充填工程T4の前にカートン6に口栓を取付ける口栓取付け工程T2、カートンのトップ部を仮折りするトップ折り工程T3が加えられ、さらに加熱,密封後にもトップ密封済みのカートン6を水洗冷却する冷却工程T8が配置される。
【0005】
上記工程を行なう直進搬送装置は、モータの取付けられた駆動側スプロケット3aと従動側スプロケット2aとに巻回して取付けられたエンドレスチェーン1と、該エンドレスチェーン1にカートン6を一ずつ角部にてホールドして搬送するキャリア部品7が一定間隔で取り付けてある。
【0006】
この駆動側スプロケット3aと、従動側スプロケット2aとに巻回して取付けられたエンドレスチェーン1と、該エンドレスチェーン1に取付けられたキャリア部品7で構成される装置が対向して配置されており、互いのエンドレスチェーン1は逆方向に回転送行を行ない、該エンドレスチェーン1の対向間に沿って水平に底部ガイド8が設置されている。
【0007】
この直進搬送装置が、紙製角筒容器6を間欠搬送しながら停止時に、上記の充填工程T4、トップ部折り工程T5、加熱工程T6、トップ部密封工程T7、搬出工程T9を行なう。
【0008】
上述したように直進搬送装置のエンドレスチェーン1は、モータの取付けられた駆動側スプロケット3aと、従動側スプロケット2aとに巻回して回転送行を行なう。しかし、装置の稼動時間が積算されていくうちにエンドレスチェーン1に伸びが発生し、この伸びが大きくなると円滑なチェーン伝導が行われず、エンドレスチェーン1の間欠搬送の繰り返し停止位置や送行タイミングにずれが生じたり、充填工程T4、トップ部折り工程T5、加熱工程T6、トップ部密封工程T7、搬出工程T9などの各工程に悪影響を与える事になる。
【0009】
そのため、エンドレスチェーン1の伸びがある任意の大きさを超えた場合にはチェーンの交換を行なう必要があった。また、このチェーンが伸びているか否かを判別するために、一定期間毎に伸びを測定する必要があった。
【0010】
従来チェーンの伸びの測定は、,測定する一定範囲のリンク数にスケールを当て、伸び状態を目視測定によって行ない、目視により伸び量が所定の基準内に納まっているかどうか点検者によって確認されるという方法が用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のチェーンの伸び測定方法は、チェーンの測定位置を移動させながらスケールを当てて、目視により測定が行なわれており、チェーンの伸び量の測定に、測定者の熟練度などによってバラツキが生じるだけでなく、人為的作業により、余分な時間や労力が費やされる問題点があった。
【0012】
本発明は、このような問題点を解消する為になされたもので、チェーンの摩耗による伸び量の状態を短時間に簡単に測定できるチェーン伸び量の検出装置を備えた角筒容器の液体充填包装機を提供することを目的とするものである。
【0013】
本発明の請求項1に係る発明は、一対の駆動軸に取付けられた駆動側スプロケット、および一対の従動軸側に取付けられた従動側スプロケットと、該両スプロケットに巻回して取付けられた一対のエンドレスチェーンによって構成される紙製角筒容器を直進搬送する直進搬送装置を有する液体充填包装機であって、前記直進搬送装置に、一対のエンドレスチェーンの各々従動側スプロケットに近接して所定の支持体に取付け配置した従動軸の回転方向周面の回転位相位置を検出する回転位相位置検出センサ4により制動回転中の従動側スプロケットの回転軸の外周面に刻切や着色にて設けたマークの位置又は突起の位置を検出することにより、従動側スプロケットの任意の回転位相位置を検出する回転位相位置検出手段と、該回転位相位置検出手段により検出した前記従動側スプロケットの任意の回転位相位置に対する一対のエンドレスチェーンの各々駆動側スプロケットの回転基準角度及び検査角度を検出する回転位相角度検出手段とを備え、該回転位相位置検出手段と回転位相角度検出手段とによる従動側スプロケット回転位相位置に対する駆動側スプロケット回転位相角度の変化量を用いてチェーンの伸びの有無を検出するチェーン伸び検出機能を備えたことを特徴とする角筒容器の液体充填包装機である。
【0014】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明の角筒容器の液体充填包装機において、上記直進搬送装置の従動側スプロケット側にブレーキ機能を備えたことを特徴とする角筒容器の液体充填包装機である。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1および図2に基づいて説明すれば、図1は本発明の一実施例を示す装置の概要平面図であり、1はエンドレスチェーン、2aは従動側スプロケット、2bは従動側スプロケットボス、2cは従動側回転軸、3aは駆動側スプロケット、3cは駆動側回転軸、5aはブレーキ、5bは空圧又は油圧シリンダである。駆動側スプロケット3aの駆動側回転軸3cには、少なくともその回転軸3cの1回転(360°)分の位相角度を検出可能なロータリーエンコーダ等の回転位相角度検出センサ3dが設置されている。
【0016】
駆動側スプロケット3aは、回転軸3cを中心にモータにて回転すると、そのスプロケット3a外周の噛合歯をエンドレスチェーン1に噛み合わせて回転を行ない、エンドレスチェーン1は回転送行して、駆動側スプロケット3aの回転がエンドレスチェーン1を介して従動側スプロケット2aに伝わり、該従動側スプロケット2aも追随して回転する。
【0017】
図2は、図1に示す装置の従動側スプロケット2a側の概要側面図であり、図2において、2aは従動側スプロケット、2bは従動側スプロケットボス、2cは従動側回転軸、4は従動側スプロケット2aの任意の回転停止位置を検出する回転停止位置検出手段としての定位置検出センサ、5aはブレーキ、5bは空圧又は油圧シリンダである。
【0018】
次に、本発明の液体充填包装装置の直線搬送機構におけるエンドレスチェーン1の伸びの検出までの流れを、図1に基づいて以下に説明する。
【0019】
エンドレスチェーン1の伸び検出を行なう場合、まず最初に、図1に示すエンドレスチェーン1が駆動側スプロケット3aの駆動回転により低速回転送行中の間において、空圧又は油圧シリンダ5bを作動させてブレーキ5aを回転軸2c外周近傍の従動側スプロケット2aのボス部2bの外周面に当接させて、従動側スプロケット2aの回転にブレーキ(制動)を掛ける。
【0020】
この時のブレーキ5aのボス部2bに対する押し圧は、エンドレスチェーン1及び駆動側スプロケット3aと従動側スプロケット2aとが回転を停止しない程度に制動負荷が掛かる状態、又は回転を停止する程度に制動負荷が掛かる状態のいずれかであるが、図1において、従動側スプロケット2aから駆動側スプロケット3aに至るまでのエンドレスチェーン1におけるチェーン1b側に、従動側スプロケット2aへの制動により張力が掛かり、チェーン1b側にたるみが無くなる程度の力であればよい。
【0021】
従動側スプロケット2a(又は従動側スプロケット2aのボス部2b又は従動側回転軸2c)側には、それに近接して所定の支持体(ブラケット)に取付け配置した従動軸の回転方向周面の回転位相位置を検出する回転位相位置検出センサ4が設けられていて、制動回転中の従動側スプロケット2aの回転軸2cの所定回転位置(回転軸2cの外周面に刻切や着色にて設けたマークの位置又は突起の位置)を検出する。
【0022】
なお、従動側スプロケット2aに取付けられた回転位相位置検出センサ4は、例えば、図2に示すように、従動側スプロケット2aおよびエンドレスチェーン1の回転に支障がない位置に取り付けられる。
【0023】
また、本発明で用いる従動側スプロケット2aの1回転又は回転数の検出は、エンドレスチェーン1の回転送行に支障のない位置に、従動側スプロケット2aの任意の回転数を検出できる機能を有して設置していれば上記の形態に限定されない。
【0024】
従動側スプロケット2aの1回転又は所定回転数の検出方式としては、本発明においては特に限定するものではないが、例えば、従動側スプロケット2aに微小な孔を孔設して、反射型検出若しくは透過型検出方式のフォトセンサ4等によりその孔の位置を検出することで、従動側スプロケット2aの回転軸2cの回転位相位置を検出する。また、その他の検出方式としては、従動側スプロケット2aの回転軸2c、ボス2bの外周などに検出用の刻切したラインマークやドットマーク、着色マーク、あるいはライン状やドット状の突起状マーク(図示せず)などを設け、そのマークを接触式のリミットスイッチあるいは非接触式のフォトセンサにて検出するようにしてもよい。
【0025】
そして、前記駆動側スプロケット3aの駆動軸3cには、その駆動軸3cの少なくとも1回転(360°)分の位相角度を検出可能なロータリーエンコーダ3dが設置されている。
【0026】
前記従動側スプロケット2aが制動回転中に、前記回転位相位置検出センサ4が、その従動側スプロケット2aの回転軸2cのマークの位置又は突起の位置(回転位相位置)を検出すると、又はその検出時点から次の1回の検出時点までの1回転を検出すると、又は次のn回の検出時点までのn回転を検出すると、その瞬間に、その検出信号を受けて、駆動側スプロケット3a側の回転位相角度を検出するロータリーエンコーダ3dが、その時点の回転位相角度θを検出して出力する。
【0027】
エンドレスチェーン1に伸びが無い場合は、ブレーキ5aの作動による従動側スプロケット2aから駆動側スプロケット3aまでのエンドレスチェーン1におけるチェーン1a側(対向する一対のエンドレスチェーン1、1の対向内側のチェーン)と、チェーン1b側(対向する一対のエンドレスチェーン1、1の対向外側のチェーン)には弛みは無く、そのため一対の従動側スプロケット2aと駆動側スプロケット3aの回転位相にずれがなく正確に同期回転することになる。
【0028】
本発明の液体充填包装機においては、まず、駆動側スプロケット3aを低速にて駆動回転させて、従動側スプロケット2aの回転軸2c側にブレーキ5にて制動を掛けながらエンドレスチェーン1を回転送行させ、エンドレスチェーン1のチェーン1a側とチェーン1b側との弛みの有無、又は少なくともチェーン1a側の弛みの有無を確認する。
【0029】
例えば、チェーンに弛みが発生している場合には、駆動側スプロケット3aの駆動を停止し、エンドレスチェーン1の回転送行を停止した後、エンドレスチェーン1を調整して弛みの発生が無い張り具合に状態にする。
【0030】
このようにして、回転位相にずれがなく正確に同期回転するエンドレスチェーン1の状態を確保した後に、駆動側スプロケット3aを低速にて駆動回転させてチェーン伸び検査操作に入る。
【0031】
まず、従動側スプロケット2aの回転軸2c側にブレーキ5にて制動を掛けながら、エンドレスチェーン1を低速にて回転送行させ、前記回転位相位置検出センサ4が、前述したように従動側スプロケット2a側の回転位相位置を検出し、その検出信号を受けて、駆動側スプロケット3a側のロータリーエンコーダ3dが回転位相にずれがなく正確に同期回転するエンドレスチェーン1の状態における回転位相角度θ0 (チェーン検査基準角度、正常角度)を検出し、出力器は基準角度θ0 を出力する。
【0032】
そして、本発明の液体充填包装機は、上記基準角度θ0 を異常な弛みの無いチェーン状態のチェーン検査基準角度として設定し、上記のようなチェーン伸び検査操作において、上記駆動側スプロケット3a側の回転位相角度が、常に上記基準角度θ0 を維持していれば、エンドレスチェーン1は伸びのない正常なテンションにて回転送行し、回転位相にずれがなく正確に同期回転することが確認される。
【0033】
本発明の液体充填包装機を使用し稼動させている間に、経時的にエンドレスチェーン1に全体的に伸びが発生した場合には、駆動側スプロケット3a側の回転位相角度は上記基準角度θ0 を維持できなくなり、上記チェーン伸び操作を行った際には、駆動側スプロケット3a側の検出器は、基準角度θ0 よりも大きい回転位相角度θ1 (θ0 <θ1 )を検出して、出力器は、その角度値θ1 (チェーン検査角度)を出力する。
【0034】
そして、その結果、駆動側スプロケット3aと、従動側スプロケット2aの回転位相にずれが生じ、従動側スプロケット2aの任意の停止位置(例えば、従動回転軸2cの検出用マークをセンサー4が検出した時点での位置)に対する駆動側スプロケット3aの駆動回転軸3cの回転位相角度は、上記基準角度θ0 からプラス側の角度θ1 に移動することになり、液体充填機における容器6の搬送タイミングが駆動側スプロケット3aに対して従動側スプロケット2a側に遅れる方向にずれることになる。
【0035】
このように検出した駆動側スプロケット3aのチェーン検査角度θ1 と、予め設定したチェーン検査基準角度θ0 との差分がある設定値(Δθ=θ1 −θ0 )を越えた場合には、それを検出する検出器(比較照合手段)により異常検出信号を発生させることができる。そして、その異常検出信号を利用して、例えば、エンドレスチェーン1の交換時期として外部に自動的に警報(ブザー、ランプ等)の信号を送るなどの対策を講じることができる。
【0036】
以上、本発明による実施の形態について説明したが、上述した実施の形態ではエンドレスチェーン1の伸びは、従動側スプロケット2aが一回転した時に検出するが、回転数は一回転に限定すること無く、従動側スプロケット2aが任意の回転数を終えた時に、従動側スプロケット2aの定位置検出センサ4から信号を出力し、その時の駆動側スプロケット3aの回転位相角度θを検出するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明の角筒容器の液体充填包装機は、その包装機に装備した直進搬送装置のエンドレスチェーンの摩耗による伸び量の状態を、短時間に簡単に自動的に検出することができ、測定者の熟練度などによるバラツキを無くし、且つ人為的作業による余分な時間や労力を解消するなど極めて高い効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角筒容器の液体充填包装機の概要平面図。
【図2】本発明の角筒容器の液体充填包装機の従動側スプロケットの概要側面図。
【図3】一般的な角筒容器の液体充填包装機に用いられる直進搬送装置の概要を示す斜視図。
【符号の説明】
1…エンドレスチェーン 2a…従動側スプロケット
2b…従動側スプロケットボス 2c…従動側回転軸
3a…駆動側スプロケット 3c…駆動側回転軸
3d…回転位相角度検出センサ 4…位置検出センサ 5a…ブレーキ
5b…空圧又は油圧シリンダ 6…角筒容器(カートン)
7…キャリア部品 8…角筒容器底部滑走ガイド
Claims (2)
- 一対の駆動軸に取付けられた駆動側スプロケット、および一対の従動軸側に取付けられた従動側スプロケットと、該両スプロケットに巻回して取付けられた一対のエンドレスチェーンによって構成される紙製角筒容器を直進搬送する直進搬送装置を有する液体充填包装機であって、前記直進搬送装置に、一対のエンドレスチェーンの各々従動側スプロケットに近接して所定の支持体に取付け配置した従動軸の回転方向周面の回転位相位置を検出する回転位相位置検出センサ4により制動回転中の従動側スプロケットの回転軸の外周面に刻切や着色にて設けたマークの位置又は突起の位置を検出することにより、従動側スプロケットの任意の回転位相位置を検出する回転位相位置検出手段と、該回転位相位置検出手段により検出した前記従動側スプロケットの任意の回転位相位置に対する一対のエンドレスチェーンの各々駆動側スプロケットの回転基準角度及び検査角度を検出する回転位相角度検出手段とを備え、該回転位相位置検出手段と回転位相角度検出手段とによる従動側スプロケット回転位相位置に対する駆動側スプロケット回転位相角度の変化量を用いてチェーンの伸びの有無を検出するチェーン伸び検出機能を備えたことを特徴とする角筒容器の液体充填包装機。
- 上記直進搬送装置の従動側スプロケット側にブレーキ機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の角筒容器の液体充填包装機。
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