JP4042174B2 - 異方導電性エラストマーシート - Google Patents

異方導電性エラストマーシート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は異方導電性エラストマーシートに関し、詳しくは導電特性および耐久性の良好な異方導電性エラストマーシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在において、回路基板、電子部品などの検査のためのコネクターとして、あるいは電子機器のスイッチ素子などとして導電体が広く使用されている。
電子産業において微細な構造部品が多用されているが、実装密度の向上につれ、これらの基盤への装着方法が問題となってきた。すなわちこれまでの装着方法は半だ付けによるものが多かったが、半導体素子に代表される電子部品は一般的に熱に弱いので、一次的にせよ高熱にさらされるのは好ましくなく、部品を損なうことなく基盤に部品を装着することは容易ではなかった。また、プリント基盤の本体への装着においても、これまでは主に機械的な噛み合わせの方法によるものが多かったが、接触部の摩耗、振動等による接触不良などの問題が発生していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題点を解決するために、鋭意研究の結果、上記装着の場合に異方導電性ゴムシート(異方導電性エラストマーシート)を用いること、そしてその異方導電性ゴムシートの特性は、分解能や感度のみならず多少の凹凸があっても、比較的小さい加圧力で確実に接触が得られ、かつ耐久性が優れた異方導電性ゴムシートが得られることを見いだし、本発明に到達した。本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、従来の導電体にも増して良好な導電特性を有し、しかも優れた耐久性を有する導電体としての異方導電性エラストマーシートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性エラストマー組成物を膜状として、厚み方向に平行磁場を作用させて導電性粒子を配向させ、硬化させることにより得られる異方導電性エラストマーシートであって、
該導電性エラストマー組成物が、ニッケル粒子を芯粒子として、その表面に貴金属として金と銀とを併用し、銀を被覆した後、さらに金を被覆して得られる、粒子径1〜300μmの導電性粒子を、ゴム状重合体配合してなり、かつ、
導電性粒子の粒子表面における、貴金属の原子数/非貴金属の原子数の比で表される、貴金属の占有比が0.6〜50であることを特徴とする異方導電性エラストマーシートを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
(a)ゴム状重合体
(a)ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレンブタジエンジエンブロック共重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンジエン共重合体などが挙げられる。
耐候性の必要な場合は共役ジエン系ゴム以外のゴム状重合体が好ましく、特に成形加工性および電気特性の点からシリコンゴムが好ましい。
【0007】
ここでシリコンゴムについてさらに詳細に説明する。
シリコンゴムとしては、液状シリコンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコンゴムはその粘度が歪速度10ー1secで105ポアズ以下のものが好ましく、縮合型、付加型などのいずれであってもよい。具体的にはジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムあるいはそれらがビニル基やヒドロキシル基を含有したものなどを挙げることができる。
これらのうちビニル基含有シリコンゴムとしては、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることができる。
【0008】
また、ビニル基を両末端に含有する成分は、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、末端停止剤を用いて重合を停止して重合体を得る際に、末端停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを使用し、反応条件(例えば、環状シロキサンの量および末端停止剤の量)を適宜選ぶことにより、得ることができる。ここで、触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などが挙げられ、反応温度としては例えば80〜130 ℃が挙げられる。
この 成分の分子量(標準ポリスチレン換算重量平均分子量)は10,000〜40,000であるものが好ましい。
なお、 (a) 成分の分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量と標準ポリスチレン換算数平均分子量との比(以下「Mw /Mn 」と記す)は、得られる導電性エラストマーの耐熱性の点から2以下が好ましい。
【0009】
また、ヒドロキシル基含有シリコンゴムは、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどのヒドロシラン化合物の存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることができる。
また 、環状シロキサンを触媒の存在下にアニオン重合し、末端停止剤を用いて重合を停止して重合体を得る際に、反応条件(例えば、環状シロキサンの量および末端停止剤の量)を選び、末端停止剤としてジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランを使用することによって得ることができる。ここで、触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などが挙げられ、反応温度としては例えば80〜130 ℃が挙げられる。
【0010】
この成分の分子量は、10,000〜40,000であるものが好ましい。また、Mw /Mn は、得られる導電性エラストマーの耐熱性の点から2以下であることが好ましい。
なお、ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのヒドロキシル当量は、350〜1100の範囲内であることが作業性の点で好ましい。
【0011】
導電性粒子としては、例えばニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属粒子またはこれらの合金の粒子もしくはこれらを含有する粒子に貴金属を含有させるか、またはこれらの芯粒子に貴金属をメッキなどにより被覆したもの、非磁性金属粒子もしくはガラスビーズなどの無機質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、これらにニッケル、コバルトなどの導電性磁性体を含有もしくは被覆し貴金属を被覆したもの、あるいは導電性磁性体と貴金属の両方を被覆した粒子などを挙げることができる。
貴金属としては、金、銀、パラジウム、ロジウムなどが挙げられ、好ましくは金、銀である。
これらの中ではニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの貴金属を被覆した粒子が好ましい。 また、金の被覆と銀の被覆の両方を併用したものが好ましい。
芯粒子の表面への貴金属の被覆方法については特に制限はないが、例えば化学メッキ、無電解メッキなどにより行うことができる。
【0012】
本発明の導電性粒子は、その表面における貴金属の占有比が0.5以上のものである。ここで、貴金属の占有比とは、粒子表面における貴金属の原子数/非貴金属の原子数の比で表され、その比が0.5以上のものであり、好ましくは0.6〜50、さらに好ましくは0.7〜20、特に好ましくは0.75〜10である。
また、本発明の導電性粒子は、その粒子表面における導電性金属の被覆率(被覆面積比)が40%以上であるものが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%の粒子である。
導電性金属の被覆量は、芯粒子に対して0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆する導電性金属が金の場合、被覆量は0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜12重量%、特に好ましくは4.5〜10重量%である。また被覆する導電性金属が銀の場合、被覆量は3〜30重量%が好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%である。被覆する導電性金属が金と銀の併用の場合、金の被覆量は0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であり、銀の被覆量は3〜30重量%が好ましく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
【0013】
本発明において、導電性粒子表面の貴金属占有比は、次の方法で求めた。導電性金属で被覆した粒子について、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により、芯物質(金属)のスペクトル強度(ピーク面積)と被覆金属のスペクトル強度を測定し、次の計算式により貴金属の占有比を求めた。
[Ni粒子表面に金を被覆した粒子についての計算例]
Ni/Au比=(Ni2pのピーク面積/Ni2pの相対強度)÷(Au4fのピーク面積/Au4fの相対強度)
すなわち、導電性粒子の粒子表面における、貴金属の原子数/非貴金属の原子数の比で表される、貴金属の占有比は上記 Ni/Au 比の逆数となる。なお、各ピークの相対強度は「HANDBOOK OF X-RAY PHOTOELECTRON SPECTROSCOPY」(Perkin-Elmer Co)に基づき、次の値を用いた。
Ni2p;4.04、 Au4f;6.25、 Ag3d;6.00
また、導電性粒子表面の貴金属の被覆率は、次の方法で求めた。
金の被覆率=(粒子表面のAu原子数×Au原子の断面積)÷{(粒子表面のNi原子数×Ni原子の断面積)+(粒子表面のAu原子数×Au原子の断面積)}×100=100÷[1+{Ni/Au比×(Ni原子半径/Au原子半径)2}]
なお、銀の場合も同様にして求めた。また、原子半径は次の値を用いた。
Ni;1.244、 Au;1.442、 Ag;1.439
【0014】
また、導電性粒子のシランカップリング剤の被覆率が5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは7〜100%、より好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%である。
また、導電性粒子の粒子径は1〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜500μm、より好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
また、導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は1〜10であることが好ましく、さらに好ましくは1.01〜7、より好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
また、導電性粒子の含水率は5%以下が好ましく、さらに好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。
また、導電性粒子の表面積は1〜200m2が好ましく、さらに好ましくは2〜150m2、より好ましくは5〜100m2、特に好ましくは10〜80m2である。
【0015】
このような範囲の粒径を有する導電性粒子によれば、得られる導電性エラストマーにおいて、使用時導電性粒子間に十分な電気的接触が得られるようになる。この導電性粒子の形状は特に限定されるものではないが、上記(a)成分および(b)成分またはそれらの混合物に対する分散の容易性から球状、星形状あるいはこれらが凝集した塊状であることが好ましい。
【0016】
本発明において、導電性粒子は、ゴム状重合体100重量部に対して30〜1000重量部、好ましくは50〜750 重量部の割合で用いられる。この割合が30重量部未満の場合には、得られる導電性エラストマーは、使用時にも電気抵抗値が十分に低くならず、従って良好な接続機能を有しないものとなり、また 1,000重量部を超えると硬化されたエラストマーが脆弱になって導電性エラストマーとして使用することが困難となる。
以上のゴム状重合体および導電性粒子を含有する本発明の導電性エラストマー用組成物には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、未硬化時におけるチクソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも導電性粒子の分散安定性が向上すると共に、硬化後におけるエラストマーの強度が向上する。
【0017】
この無機充填材の使用量は特に限定されるものではないが、あまり多量に使用すると、導電性金属粒子の磁場による配向を十分に達成できなくなるので好ましくない。なお、本発明の導電性エラストマー用組成物の粘度は、温度25℃において 100,000〜1,000,000 cpの範囲内であることが好ましい。
本発明の導電性エラストマー用組成物は、架橋もしくは縮合反応が行われて弾性の大きいエラストマーが形成され、しかも特定な導電性粒子成分が含有されていることにより導電性エラストマーとしての機能を有するものとなる。
【0018】
本発明の導電性エラストマー用組成物は、硬化させるために硬化触媒を用いることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロキシル化触媒、放射線などが挙げられる。
有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。また、脂肪酸アゾ化合物としてはアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものとしては、具体的には、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセトネート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものを挙げることができる。
【0019】
硬化触媒の添加方法も特に限定されるものではないが、保存安定性、成分混合時の触媒の偏在防止などの観点から、主剤である(a)成分に予め混合しておくことが好ましい。
硬化触媒の使用量は、実際の硬化速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用するのが好ましい。また、硬化速度、可使時間を制御するために通常用いられる、アミノ基含有シロキサン、ヒドロキシ基含有シロキサンなどのヒドロシリル化反応制御剤を併用することもできる。
【0020】
【作用】
本発明の導電性エラストマー用組成物は、ペースト状であり、これを適当な膜状として、必要に応じて厚み方向に平行磁場を作用させて導電性金属粒子を配向させながら、またはその後に硬化させることにより、シート状の導電性エラストマーを形成することができる。
なお、平行磁場を作用させる際には、磁場強度の異なる部分を有する磁極板を用いることによって、硬化後のシート中の (c) 成分に粗密状態を生じさせて導電部と絶縁部が存在する異方導電性シートを形成することができる。ここで、導電部は、厚さ方向に加圧されることにより抵抗値が減少する感圧導電性であってもよい。
また、電気的な接続を目的とするデバイスの適宜の領域、例えば回路基板のリード電極領域などの表面に本発明の導電性エラストマー用組成物を塗布し、必要に応じて厚み方向に平行磁場を作用させながら、またはその後に硬化させることにより、当該領域に一体的に密着乃至接着された状態の導電体層を形成することができる。
本発明の導電性エラストマー用組成物には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が含有されていてもよく、これらが含有されることにより、硬化後の導電体を例えば回路基板に十分に接着した状態を達成することができる。
【0021】
以上のように、本発明の導電性エラストマー用組成物は、集積回路、特にリード数の多い表面実装用集積回路などのバーンインテスト用のバーンインボードを始めとして、各種電子部品および回路基板の特に高温下で行われる検査のためにコネクターとして使用される導電性エラストマー、並びに耐熱性を必要とする電子機器のスイッチ素子用の導電性エラストマーなどを形成するための材料としてきわめて有用である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
[導電性粒子の調製]
粒子A; 平均粒子径20μmのニッケル粒子に、その重量の12.5重量%の銀を化学メッキにより被覆した。ニッケル粒子表面における貴金属占有比(Ag/Ni)は0.82であり、銀による被覆率は54%であった。
粒子B; 平均粒子径20μmのニッケル粒子に、その重量の12.5重量%の銀を化学メッキにより被覆したのち、さらに1重量%の金を化学メッキにより被覆したニッケル粒子表面の貴金属占有比は3.2であり、銀および金による被覆率は81%であった。
粒子C; 粒子Aと同様にして4重量%の金を被覆した。貴金属占有比は2.5であり、被覆率は77%であった。
粒子D; 粒子Aと同様にして6重量%の金を被覆した。貴金属占有比は3.3であり、被覆率は82%であった。
粒子E; 粒子Aと同様にして8重量%の金を被覆した。貴金属占有比は4.3であり、被覆率は85%であった。
粒子F; 粒子Aと同様にして2重量%の金を被覆した。貴金属占有比は0.4であり、被覆率は37%であった。
【0023】
なお、導電性粒子表面の貴金属占有比は、次の方法で測定した。
[貴金属の占有比の測定方法]
導電性金属で被覆した粒子について、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により、芯物質(金属)のスペクトル強度(ピーク面積)と被覆金属のスペクトル強度を測定し、次の計算式により貴金属の占有比を求めた。
なお、XPSの測定条件は次のとおりである。
装置;ULVAC PHI社 ESCA5400
X線;Al・Kα線
試料;試料台上に両面テープを貼り、その上に粒子を固定
【0024】
[Ni粒子表面に金を被覆した粒子についての計算例]
Ni/Au比=(Ni2pのピーク面積/Ni2pの相対強度)÷(Au4fのピーク面積/Au4fの相対
強度)
すなわち、導電性粒子の粒子表面における、貴金属の原子数/非貴金属の原子数の比で表される、貴金属の占有比は上記 Ni/Au 比の逆数となる。なお、各ピークの相対強度は「HANDBOOK OF X-RAY PHOTOELECTRON SPECTROSCOPY」(Perkin-Elmer Co)に基づき、次の値を用いた。
Ni2p;4.04、 Au4f;6.25、 Ag3d;6.00
また、導電性粒子表面の貴金属の被覆率は、次の方法で求めた。
金の被覆率=(粒子表面のAu原子数×Au原子の断面積)÷{(粒子表面のNi原子数×Ni原子
の断面積)+(粒子表面のAu原子数×Au原子の断面積)}×100=100÷[1+{Ni/Au比×(Ni原子半径/Au原子半径)2}]
なお、銀の場合も同様にして求めた。また、原子半径は次の値を用いた。
Ni;1.244、 Au;1.442、 Ag;1.439
【0025】
[導電性エラストマーおよび異方導電性ゴムシートの製造]
付加型シリコンゴム(信越化学(株)製KE1206RTV)に対し、上記の導電粒子A〜Fを15体積分率(%)加え、所定量の架橋剤などとともに二軸混練機を用いて真空中で60分間混合しエラストマー組成物を得た。この組成物をシート状の成形品を作成するための磁性体の金型(深さ 2mmの溝を有してなる平板状金型)内に流し込んだ。真空下で充分に脱泡したのち、磁性体金型上板で蓋をし、成形品の厚さ方向に磁力線が通るように電磁石により、室温にて約4000ガウスの平行磁場強度で20分間処理した。つぎに温度を約75℃に上げて時間架橋を行い、厚さ2mmの異方導電性エラストマーシートを得た。
該エラストマーシートの異方導電性等の物性を表1に示す。
【0026】
無機充填材
エアロゲルシリカ:商品名「アエロジルR812 」(日本アエロジル社製)
硬化触媒
塩化白金酸ナトリウム10部、エタノール10部および重炭酸ナトリウム3部の混合物に、テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンを加え、この混合物を温度70〜75℃で1時間加熱し、次いで窒素ガスを吹き込みながら、温度95℃、絶対圧力25mmHg の条件下で揮発成分を除去して黄色液体と固体との混合物を得、この混合物を冷却した後、濾別して得られる、淡黄色透明な液体よりなる白金触媒。
【0027】
<耐熱耐久性試験>
上記において得られた異方導電性エラストマーシートの各々を、金メッキされた回路基板と重ね合わせ、2kg/cm2 の荷重をかけた状態で温度 150℃の環境下に放置し、経時的に各リード電極を通じて異方導電性エラストマーシート層の厚さ方向における電気抵抗値を測定し、各リード電極での電気抵抗値の平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004042174
【0029】
【発明の効果】
本発明の導電性エラストマー組成物によれば、導電特性および耐久性の良好な導電性エラストマー成形物が得られる。このため回路基板などの電気、電子部品のコネクター、検査治具などに有用な異方導電性ゴムシート等が得られる。

Claims (2)

  1. 導電性エラストマー組成物を膜状として、厚み方向に平行磁場を作用させて導電性粒子を配向させ、硬化させることにより得られる異方導電性エラストマーシートであって、
    該導電性エラストマー組成物が、ニッケル粒子を芯粒子として、その表面に貴金属として金と銀とを併用し、銀を被覆した後、さらに金を被覆して得られる、粒子径1〜300μmの導電性粒子を、ゴム状重合体配合してなり、かつ、
    導電性粒子の粒子表面における、貴金属の原子数/非貴金属の原子数の比で表される、貴金属の占有比が0.6〜50であることを特徴とする異方導電性エラストマーシート
  2. 前記導電性粒子の粒子表面における貴金属の占有比が、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)により、芯物質のスペクトル強度(ピーク面積)と被覆金属のスペクトル強度とを測定し、該測定値と各ピークの相対強度との比に基づき算出されるものであることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性エラストマーシート。
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